(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1のウィングプレートは、前記第2のウィングプレートが挿入されて一面状に接合される凹部を有するようにUの字形状に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの一項に記載のヒンジ。
更に複数の仕切りユニットを有し、前記仕切りユニットは前記第1の管体と前記第2の管体の間において、前記第1の管体と前記第2の管体及び対応する前記カムユニットの間にそれぞれ挟まれるように設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの1項に記載のヒンジ。
前記ベース部材は、前記軸線沿いに延伸され前記軸線に対する横断面が長方形に形成された固定孔と、前記ベース部材の周縁部の前記軸線の一端面から切り欠いて形成された切り溝とを有し、
前記車軸の1つは、前記摩擦部材の湾曲端面と摺接するように前記湾曲端面に向かって突き出て形成された2つの凸部と、前記ベース部材と共回り可能に前記ベース部材の前記切り溝に嵌合されて連結されるように設けられた連結ブロックとを有し、
前記車軸の他の1つは、前記ベース部材と共回り可能に前記ベース部材の固定孔に挿通されて連結されるように設けられたことを特徴とする請求項7に記載のヒンジ。
前記カムユニットの1つは更に、前記ベース部材から離れた位置に前記チューブ体に連動可能に係合されるように前記チューブ体内に差し込まれて設けられた遠位カム部材を有し、
対応する前記車軸は更に、前記当て面の前記軸線方向の反対側に前記遠位カム部材に対向して突き当たる当接面を有し、
前記遠位カム部材は、前記モジュールボディと対応する前記車軸の間に配置されるように設けられ、対応する前記車軸の前記当接面と接触する勾配付きの遠隔傾斜面を有する、
ことを特徴とする請求項10又は11に記載のヒンジ。
前記トルクスプリングは、2つの前記端部の間に、2つの前記端部とそれぞれ接続された2つのエンドコイル部と、2つの前記エンドコイル部の間に接続されたミドルコイル部を有し、
各前記エンドコイル部は、互いに第1の間隔だけ離れた少なくとも2の巻きコイルを有し、
前記ミドルコイル部は、互いに前記第1の間隔よりも大である第2の間隔だけ離れた複数の巻きコイルを有する
ことを特徴とする請求項9、14又は15に記載のヒンジ。
前記車軸は、前記トルクスプリングに取り囲まれて設けられ、前記調整部材に挿通・接合されて前記調整部材と一緒に回る横断面が方形状に形成された他の軸部を更に設け、前記カムユニットは更に、サブスプリングと、スライドブロックとを有し、
前記調整部材は、傾斜面を有し、
前記サブスプリングは、前記トルクスプリングと前記車軸との間に設けられ、
前記スライドブロックは、前記調整部材に対して前記軸線沿いに動かされるように前記サブスプリングの一つの端部に突き当たるように設けられ、
前記スライドブロックは、前記他の軸部が挿入されて一緒に回る横断面が方形状の穴部と、前記傾斜面と向き合う対向斜面とが設けられていることを特徴とする請求項9、14又は15に記載のヒンジ。
前記ベース部材は、その前記軸線沿いの両端面にそれぞれ前記軸線沿いに延伸され前記軸線に対する横断面が長方形に形成された固定孔と、前記軸線沿いに延伸され前記固定孔と空間的に連通されるように前記固定孔より径大に形成された定位孔とを有し、
前記車軸は、前記ベース部材の前記固定孔及び前記定位孔に差し込まれるように設けられた軸部を有することを特徴とする請求項15に記載のヒンジ。
前記ベース部材は更に、互いに前記軸線に沿った方向である軸線方向で対向するように前記ベース部材の周縁部の前記軸線の一端面及び他端面から切り欠いて形成された2つの切り溝を有し、
前記車軸は更に、前記軸線方向に対して垂直につば状に突き出て突縁部が形成され、前記突縁部はその端縁より切り込んだ切り口が前記切り溝に対応するように形成され、
前記カムユニットの1つの前記トルクスプリングの1つの前記端部が前記車軸の切り口を貫通して前記ベース部材の対応する前記切り溝に接合される
ことを特徴とする請求項18に記載のヒンジ。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係るヒンジのいくつかの実施形態について図面を参照して説明する。なお、同一構成及び機能を有する構成要素については、同一番号を付してその説明を省略する。
(第1の実施例)
図1と
図2は、本発明に係るヒンジの第1の実施例の構成を示している。
図1は、2つの対象物11、12例えばドアフレームとドアプレートの関係を示し、第1の実施例に係るヒンジにより2つの対象物11、12の一方が他方に対して開閉可能に回動されるように取り付けられている。
【0011】
第1の実施例に係るヒンジは、2つの対象物11、12の一方が他方に対して開閉可能になるよう用いられるものであり、ウィングユニット2とカムユニット6、7と車軸ユニット4と仕切りユニット5を備えている。
【0012】
ウィングユニット2は、第1のウィングプレート21と第2のウィングプレート22とを有し、第1のウィングプレート21と第2のウィングプレート22とが上下に延伸された軸線Xを以って同軸に連結され、該軸線Xを回動中心として相対的に回動可能に構成されている。
【0013】
第1のウィングプレート21は、2つの対象物11、12における一方を貼り付ける第1の貼り合わせ面212と、第1の貼り合わせ面212の軸線X寄りの一側に第1の貼り合わせ面212と垂直に連結され且つ軸線Xに沿った方向である軸線方向と平行に延伸される第1の当たり面213とを有する。
図1に示すように、2つの対象物11、12の一方はその一面が第1の貼り合わせ面212と対向して貼り合わせられ、該第1の貼り合わせ面212と貼り合わせられた一面の軸線X側の側縁111が第1の当たり面213に寄り掛かって位置決められるように設けられる。
【0014】
第1のウィングプレート21は、その第2のウィングプレート22側の隣接側縁の両端にカムユニット6、7を枢軸として装着する2つの第1の枢孔210、210が形成された2つの第1の管体211、211が設けられている。第1の管体211、211は、前記側縁に平行する軸線Xに沿う方向である軸線方向に並ぶように互いに所定の間隔をおいて設けられている。第1の管体211は、その第1の枢孔210側の内周面に軸線方向沿いに延伸される2つの内縦溝2111、2111が設けられている。
【0015】
第2のウィングプレート22は、2つの対象物11、12における他方を貼り付ける第2の貼り合わせ面222と、第2の貼り合わせ面222の軸線X寄りの一側に第2の貼り合わせ面222と垂直に連結され且つ軸線方向と平行に延伸される第2の当たり面223とを有する。
図1に示すように、2つの対象物11、12の他方はその一面が第2の貼り合わせ面222と対向して貼り合わせられ、第2の貼り合わせ面222と貼り合わせられた一面の軸線X側の側縁121が第2の当たり面223に寄り掛かって位置決められるように設けられる。
【0016】
第2のウィングプレート22は、その第1のウィングプレート21側の隣接側縁の中央に、カムユニット6、7を枢軸として装着する1つの第2の枢孔220が第1の枢孔210と同軸に形成された1つの第2の管体221が設けられている。第1の管体211と第2の管体221とは軸線沿いに交互に並ぶように設けられ、1例としては、第2の管体221は、2つの第1の管体211、211の間に介在されるように設けられているが、場合によってそれぞれの数を適切に用いられるとよく、例示の数に制限されないことは言うまでもない。
【0017】
そして、2つの対象物11、12を連結する際、例えば一方対象物11の一面が第1の貼り合わせ面212と対向して貼り合わせられ、該第1の貼り合わせ面212と貼り合わせられた一面の軸線X側の側縁111が第1の当たり面213に寄り掛かって位置決められ、例えば他方対象物12の一面が第2の貼り合わせ面222と対向して貼り合わせられ、第2の貼り合わせ面222と貼り合わせられた一面の軸線X側の側縁121が第2の当たり面223に寄り掛かって位置決められることによって、ヒンジを数個用いても対象物11、12に対して所定の方向にずれずに一直線に並んで取り付けられることができ、例えばドアの開閉を順調に行うことができる。
【0018】
なお、この例では、第1のウィングプレート21と第2のウィングプレート22とは金属材料で作られたものであるが、外部の力に耐えられる材質で作られるとよい。
【0019】
カムユニット6、7は、例えばカムユニット6を第1のカムユニット6とし、カムユニット7を第2のカムユニット7とし、第1の管体211と第2の管体221と連動可能に連結されるように、それぞれ第1の管体211と第2の管体221とに対応して装着されている。
【0020】
図3〜
図6に示されているように、第1のカムユニット6は、第1の管体211と連動可能に連結されるように、第1の管体211と第2の管体221に挿入して設けられた中空筒状のチューブ体61と、チューブ体61内に設けられた油圧モジュール62と、ベース部材41から離れた位置にチューブ体61に連動可能に係合されるようにチューブ体61内に差し込まれて設けられた遠位カム部材63と、ベース部材41に近づいた位置にチューブ体61に連動可能に係合されるようにチューブ体61内に差し込まれて設けられた近位カム部材64と、チューブ体61のカムユニット7から離れた一端部を封止して蓋するように設けられたキャップ部材65とを有する。
【0021】
チューブ体61は、中空筒状に形成されており、第1の管状部611と、第1の管状部611が差し込まれて接合される第2の管状部612とを有する。第1の管状部611の外周面には、第1の管体211の内縦溝2111、2111に対応して、第1の管体211に寄り掛かって接触されるように軸線方向沿いに延伸される2つの外縦溝6111、6111が設けられている。第1の管状部611のキャップ部材65側の端縁から軸線方向沿いに延伸されるスリット状の2つの第1の切り欠き溝6112、6112が互いに対向して2つの外縦溝6111と対応しないように設けられている。
【0022】
第2の管状部612の外周面には、第1の管体211の内縦溝2111、2111に対応して、第1の管体211に寄り掛かって接触されるように軸線方向沿いに延伸される2つの外縦溝6121、6121が設けられている。第2の管状部612の内周面は、2つの外縦溝6121、6121と対応せず且つそのキャップ部材65から離れた端から窪んで延伸されるように互いに対向する2つの凹部(receiving space)6122が設けられている。また、第2の管状部612のキャップ部材65寄りの端縁からは、軸線方向沿いに延伸されるスリット状の2つの第2の切り欠き溝6123、6123が、互いに対向して2つの外縦溝6121と対応しないように、且つ対応する第1の切り欠き溝6112とにより嵌合空間が画成されるように設けられている。
【0023】
チューブ体61は、第1の管状部611の外縦溝6111、6121と対応する第1の管体211の内縦溝との接触によって第1の管体211と連動可能になっている。また、チューブ体61は、第1の管状部611と第2の管状部612とによって組み合わせることで製造できるので、製造が簡単で、製造精度をよりよく制御することができる。そして、第1の管状部611と第2の管状部612とによって凹凸結合されることができるので、ヒンジが回動する際の強度を上げて容易く断裂することを避けることができる。そして、製造上場合によっては第1の管状部611と第2の管状部612は異なる材料で作ることが可能である。なお、第1の管体211とチューブ体61とが連動可能になるために、第1の管状部611と第2の管状部612との突合せによって結合された部分が対応する第1の管体211内に位置決められなければならない。
【0024】
油圧モジュール62は、油圧緩衝効果を発生するオイルキャビティが画成されており、チューブ体61内に装着されたモジュールボディ621と、モジュールボディ621と軸線方向沿いに接触して並ぶように設けられたブロック部材622と、ブロック部材622を取り囲むと共にモジュールボディ621と対応する車軸43とに突き当てられるようにチューブ体61内に装着された弾性部材623とを有する。
【0025】
該モジュールボディ621は、軸線方向の一端部621aと、該一端部621aの反対側の他端部621bと、一端部621aから他端部621bに延伸されるねじ部621cと、を有する。モジュールボディ621の一端部621aは、キャップ部材65に覆われて蓋をされるようにその一端面から突き出された穴部付の連動柱部621dが設けられている。また、他端部621bには他端部621bから突き出された突柱6213が設けられている。連動柱部621dの穴部の内周面にはねじ付きの軸線方向に対する横断面が六角形状の端穴6211と端穴6211よりも径小のスロットル穴6212とが設けられている。
【0026】
ブロック部材622は、モジュールボディ621から離れた端から突き出た突出部6221(
図4参照)が設けられている。
【0027】
弾性部材623は、例えばコイルばねを用い、ブロック部材622を取り囲むように設けられており、ブロック部材622がモジュールボディ621から常に所定の軸線方向間隔だけ離れると共にブロック部材622を突柱6213に当接させるように付勢する。
【0028】
遠位カム部材63は、カムユニット6のチューブ体61の第1の管状部611と第2の管状部612との間に挟持されるように装着された中空状の短軸体である。この例では、遠位カム部材63は、モジュールボディ621と車軸ユニット4の間に配置されるように設けられ、車軸ユニット4と接触する勾配付きの遠隔傾斜面631と、第1の管状部611の第1の切り欠き溝6112と第2の管状部612の第2の切り欠き溝6123とにより画成された窓部に入り込んで接合される2つの嵌合ブロック632とが形成されている。各嵌合ブロック632は、チューブ体61の第2の管状部612に対して凹凸接合可能に肩部が形成されている。モジュールボディ621の突柱6213は、遠位カム部材63の中空部に軸線方向沿いに進退可能にブロック部材622に当接されて設けられている。
【0029】
近位カム部材64は、中空状に構成された短軸体であり、車軸ユニット4に隣接して対向する勾配付きの近接傾斜面641と、軸線方向沿いに延伸されて設けられた通孔642と、第2の管状部612の2つの凹部6122と嵌合されるように軸線方向に対して垂直に突き出て設けられた2つの凸部643とを有する。車軸ユニット4は、車軸ユニット4の回動範囲が制限されるように、近接傾斜面641より通孔642を貫通して近接傾斜面641と摺接可能に設けられている。
図4に示すように、弾性部材623は、車軸ユニット4(車軸43)を近位カム部材64に向けて移動させるバイアスを付与する付勢力を有する。
【0030】
キャップ部材65は、端穴6211に対応する通孔651(
図7参照)が設けられ、ねじ付ボルト(図示せず)が該通孔651を介して該端穴6211に螺合されるように設けられている。ねじ付ボルト等のハンドツール(図示せず)を使って通孔651を介して該端穴6211に嵌合して時計回り又は反時計回りに回すことにより油圧緩衝効果を調節することができる。
【0031】
カムユニット6と別のカムユニット7は、カムユニット6と軸線方向沿いに並ぶように設けられ、第1の管体211と第2の管体221との間に挿入されて第1のウィングプレート21と共回り可能に装着された中空状のチューブ体71と、チューブ体71の中空部に装着された皿ばねアセンブリ72と、チューブ体71に連動されて回動可能に皿ばねアセンブリ72の軸線方向の一端に突き当てて摺接されるように設けられた摩擦部材73と、皿ばねアセンブリ72がチューブ体71内に軸線方向沿いに進退するように設けられた位置調整部材74と、チューブ体71内に皿ばねアセンブリ72が摩擦部材73と位置調整部材74の間に位置決められるように設けられた複数の係止片75とを有する。
【0032】
チューブ体71は、
図5に示されたように、中空状の管体であり、第1の管状部711と、第1の管状部711が接合される第2の管状部712とを有する。第1の管状部711は、その外周面に第1の管体211の内縦溝2111、2111に対応して寄り掛かって接触されるように軸線方向沿いに延伸される2つの外縦溝7111、7111と、第1の管状部711の摩擦部材73側の端縁から軸線方向沿いに突き出て延伸される2つの係止タブ7112とが軸線Xに対して互いに対向して設けられている。
【0033】
第2の管状部712は、その外周面に第1の管体211の内縦溝2111、2111に対応して寄り掛かって接触されるように軸線方向沿いに延伸される2つの外縦溝7121、7121と、第2の管状部712の摩擦部材73側の端縁から軸線方向沿いに切り欠いて延伸される2つの切り欠き7122、7122と、係止タブ7112と対応するように切り欠き7122が設けられた端縁と反対側の他の端縁から軸線方向沿いに切り欠いて延伸される2つの係止凹部7123、7123とが軸線Xに対して互いに対向するように設けられている。
【0034】
皿ばねアセンブリ72は、平板状の中央孔付の複数の皿ばね721が軸線方向沿いに重なってそれぞれの中央孔が一連となった中央ホールを形成するように構成され、管状のブッシュ部材722を用いて皿ばねアセンブリ72が第2の管状部712に対して位置決められるように設けられている。ブッシュ部材722は、1つの係止片75を介して皿ばねアセンブリ72が摩擦部材73に当接されるブッシュ本体部7221と、ブッシュ本体部7221とにより段部が形成されるようにブッシュ本体部7221よりも径小の径小体部7222とを有する。
【0035】
摩擦部材73は、軸線方向に対しての両極に互いに対向するように摩擦部材73の外周面から突き出てチューブ体71の切り欠き7122と対応して嵌合されるように設けられた2つの定位耳部731、731と、チューブ体71の回動に連動されて車軸ユニット4と摩擦接触しながら移動された際、軸線方向において変位可能に湾曲するようにその軸線方向の一端に形成された湾曲端面732とを有する。
【0036】
このように、第1の管体211とチューブ体71とは、第1の管体211の内縦溝2111、2111及び外縦溝7111と外縦溝7121がそれぞれ対応して寄り掛かって接触されることによって、共回り可能に連動するように構成される。
【0037】
チューブ体71は、第1の管状部711と第2の管状部712とにより構成されていることにより、製造が簡単で、組み立て精度を制御することがより簡単になる。また、チューブ体71は第1の管状部711と第2の管状部712との凹凸接合によって組み立てられるので、回動の際の強度を上げることができ、簡単に断裂することがなくなる。また、第1の管状部711と第2の管状部712とは、所望により異なる材料によって製造することができる。なお、第1の管状部711と第2の管状部712とは、第1の管体211内に位置決められるために、それぞれ、互いに接触して接合されて第1の管体211に定位される接合部711a、712aが設けられている。
【0038】
車軸ユニット4は、第2の管体221に着脱可能に構成されており、第2のウィングプレート22と連動されて軸線Xを中心として回るように設けられたベース部材41と、ベース部材41と共回り可能に設けられ、それぞれ対応するカムユニット6、7と連動可能に連結されるように設けられた2つの車軸43、44とを有する。
【0039】
各車軸43、44は対応するカムユニット6、7に対して、対応するカムユニット6、7が第1のウィングプレート21と第2のウィングプレート22の間で回動されるための作動力を生成するために第1のウィングプレート21と第2のウィングプレート22の間における相対的な回動により互いに回動されるように設けられている。例えば
図4、
図8に示されたように、遠位カム部材63は、モジュールボディ621と車軸43の間に、近位カム部材64は、車軸43とベース部材41の間にそれぞれ配置されている。
【0040】
ベース部材41は、例えば
図2、
図5、
図8に示されたように、軸線X沿いに延伸され軸線Xに対する横断面が長方形に形成された固定孔411と、軸線X沿いに延伸され固定孔411と空間的に連通されるように固定孔411より径大に形成された定位孔412と、ベース部材41の周縁部の軸線Xの一端面と他端面からそれぞれ斜めに軸線方向で対向するように切り欠いて形成された2つの切り溝413、413(1つだけを
図2に図示している)とを有する。また、定位孔412は断面が円形の孔である。
【0041】
車軸43は、第1の車軸として、近位カム部材64の通孔642を貫通するようにベース部材41と共回り可能にベース部材41の固定孔411に挿通されて連結されるように設けられ、
図3に示されているように、ベース部材41と共回り可能にベース部材41の固定孔411に挿通されて連結される軸線方向に延伸されて構成された軸棒431と、軸棒431と反対側にブロック部材622と弾性部材623とに対向して接触される面とする接触面432と、接触面432とによりブロック部材622を収容する凹部が形成された内側周壁433と、接触面432の軸線方向の反対側において近位カム部材64の近接傾斜面641と突き当てられる当て面434とを有する。当て面434は、遠位カム部材63に対向して突き当たる当接面4331を有する。軸棒431はその横断面が方形状の棒体である。
【0042】
他の車軸44は、第2の車軸として、第1の車軸43に連動可能に軸棒431が嵌合されて連結されるように貫通して設けられた軸穴440と、ベース部材41と共回り可能にベース部材41の切り溝413に嵌合されて連結されるように突き出て設けられた連結ブロック441と、摩擦部材73の湾曲端面732と摺接するように湾曲端面732に向かって突き出て設けられた2つの凸部442と、を有する。
【0043】
この例では、軸穴440は断面が方形状の貫通孔である。連結ブロック441も一例として定位孔412に嵌合して連動可能に連結されるように設けられてもよい。
【0044】
2つの凸部442が摩擦部材73の湾曲端面732と摺接されるようになっているので、凸部442が所定の勾配が形成された湾曲端面732に摺動されることによって、カムユニット7と連動される第1のウィングプレート21の動き、摩擦部材73と連動される第2のウィングプレート22の動きをそれぞれ制御することができる。例えば、第1のウィングプレート21、第2のウィングプレート22との夾角が0度で閉状態〜90度で開状態という扉を開閉する場合、開扉の際に第1のウィングプレート21と第2のウィングプレート22とが例えば80〜90度離れた時に、湾曲端面732にてそれらの回動が停止され、そして少し力を入れれば他方対象物12を一方対象物11に対して閉じることができる。また、閉扉の際に例えば夾角20度以下又は20〜60度で閉扉速度が遅くなるように勾配が形成された湾曲端面732が構成されてもよい。また、本発明に係るヒンジを適用する扉によって、必要に応じて第1のウィングプレート21と第2のウィングプレート22とが夾角180〜80度だけ離れたところで回動が停止又は遅くなるように湾曲端面の勾配を設計してもよい。
【0045】
仕切りユニット5は、この例では2つ用いられ、第1の管体211と第2の管体221の間において、カムユニット6と第1の管体211との間に、及びカムユニット7と第2の管体221との間にそれぞれ挟まれるように設けられている。各仕切りユニット5は、
図2と
図8に示されたように、軸線方向沿いに延伸された中心孔が形成された第1のスペーサー51と、軸線方向沿いに延伸された中心孔付の第2のスペーサー52とを有する。第2のスペーサー52は中心孔が形成された環状壁部521と、環状壁部521の第1のスペーサー51から離れた一端に軸線方向に対して垂直につば状に形成されたフランジ部522とを有する。第1のスペーサー51は、第1のウィングプレート21と第2のウィングプレート22がカムユニット6、7に対して低摩擦で安定して滑らかに回動できるようにするために、ポリオキシメチレン(POM)又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から構成されることが好ましい。第2のスペーサー52は外部に露出するように設けられているため、第1の管体211、第2の管体221と同じ材料からつくられると、外見がよい。
【0046】
次に上記のように構成されたヒンジを用いた扉の開閉を例として2つの対象物11、12における一方に対して他方が開閉可能に回動されるように取り付けられている時の動作及び効果について説明する。
【0047】
図1、
図7、
図8に示すように、二つの対象物11、12における一方が他方に対して押圧され又は引っ張られて、第1のウィングプレート21及び第2のウィングプレート22間の夾角が0度である閉状態(例えば
図7)からほぼ90度となる開状態(
図1)にするように、第1のウィングプレート21と第2のウィングプレート22との一方が他方に対して回動された場合、第1のウィングプレート21と第2のウィングプレート22とのいずれかの回動により第1の管体211又は第2の管体221を介してカムユニット6、7のチューブ体61、71が連動されて回される。ここで、遠位カム部材63の嵌合ブロック632が第1の管状部611の第1の切り欠き溝6112と第2の管状部612の第2の切り欠き溝6123に嵌合されているので、例えば第1のウィングプレート21が回動されると、遠位カム部材63と近位カム部材64とがチューブ体61の回動に連動されて回され、また、第2のウィングプレート22の第2の管体221がベース部材41と車軸43と共に回動されるので、近位カム部材64の近接傾斜面641が車軸43の当て面434に突き当てられる。車軸43の当て面434に近位カム部材64の近接傾斜面641が押されると、車軸43によって油圧モジュール62のブロック部材622が押され、モジュールボディ621の突柱6213が押圧される。これによって第1のウィングプレート21と第2のウィングプレート22との回動速度を制御することができ、また、車軸43の接触面432に弾性部材623が当接され、弾性部材623が圧縮され、復帰する付勢力(restoring force / actuating force)が蓄積される。
【0048】
また、第1のウィングプレート21と第2のウィングプレート22との一方が他方に対して回動されると、車軸44が摩擦部材73に対して回転され、この時、摩擦部材73が押圧され、皿ばねアセンブリ72が圧縮される。皿ばねアセンブリ72が圧縮されると、復帰する付勢力(restoring force/actuating force)が蓄積される。
【0049】
そして、二つの対象物11、12における一方又は他方への押圧又は引っ張りを解除して閉状態にする、つまり、第1のウィングプレート21及び第2のウィングプレート22間の夾角が90度である開状態(例えば
図1)からほぼ0度となる閉状態(
図7)にする場合、第1のウィングプレート21と第2のウィングプレート22との他方が一方に対して回動された時、弾性部材623によってモジュールボディ621から離れるように車軸43が押圧され、車軸43の当て面434に近位カム部材64の近接傾斜面641が突き当たれると、車軸43と近位カム部材64とが相対して回動され、車軸43の当接面4331と遠位カム部材63の遠隔傾斜面631とが当接される。また、ブロック部材622への押し当てがなくなり、弾性部材623とモジュールボディ621の突柱6213の付勢力が放出される。
【0050】
そして、レンチやドライバ等のツール(図示せず)を用いて、外部に露出されたモジュールボディ621の端穴6211に挿入して接合する。ツールを回すと、モジュールボディ621がチューブ体61に対して軸線方向に沿って移動され、モジュールボディ621と車軸43間の相対的な位置を調節することができる。これによって、第1のウィングプレート21及び第2のウィングプレート22の間の角度範囲が調節される。そして、ハンドツールを回動させることによって、モジュールボディ621における油圧の量を調節することができ、モジュールボディ621のダンピング係数(damping coefficient)を調節することができるので、ドアの開閉速度を調整制御することができる。
【0051】
さらに、位置調整部材74の軸線方向沿いの移動によって、皿ばねアセンブリ72による付勢力が調節され得る。そして、摩擦部材73の車軸44と摩擦接触される湾曲端面732の勾配を調整することで、第1のウィングプレート21及び第2のウィングプレート22間の夾角が所定値範囲(例えば20度以下)になると皿ばねアセンブリ72による付勢力がなくなるように構成してもよい。
(第2の実施例)
図9〜
図13は、本発明に係るヒンジの第2の実施例の構成を示し、第2の実施例は第1の実施例と類似し、ウィングユニット2と2つのカムユニット3、3と車軸ユニット4と仕切りユニット5を備えている。
【0052】
第1のウィングプレート21は、第2のウィングプレート22が挿入されて一面状に接合される凹部(receiving space)が切り欠いて形成されたUの字形状になっている。
【0053】
車軸ユニット4は、第2のウィングプレート22と共に回動可能に、固定部材23を用いて第2のウィングプレート22の第2の管体221に着脱可能に設けられたベース部材41と、ベース部材41と共に回動可能に連結されるようにカムユニット3に装着された2つの車軸42(
図10、
図12参照)とを有する。
【0054】
カムユニット3、3は、第1の管体211と第2の管体221との間に挿入して装着されるように枢軸として軸線方向沿いの両端にそれぞれ設けられている。
図10〜
図13に示されているように、各カムユニット3は、第1の管体211と第2の管体221との間に挿入されて第1のウィングプレート21と共回り可能に装着された中空状のチューブ体31と、チューブ体31内に車軸ユニット4の車軸42を取り囲むように装着された例えばねじりコイルばねを用いたトルクスプリング32と、チューブ体31に共回り可能にすると共にチューブ体31に対して位置決められるように装着された調整部材33と、リング部材34(
図11、
図12参照)と、位置決めねじ35とを有する。
【0055】
チューブ体31は、互いに当接して管状に組み合わせてなる第1の管部311と第2の管部312とを有する。第1の管部311は、その内側面に凹凸状の第1の凹凸部3111が形成され、その第2の管部312と当接される端面から互いに対向するように軸線方向沿いに延伸される2つのブロック部3112、3112が突き出て設けられ、その外側面に軸線方向沿いに延伸される2つの外縦溝3113、3113が形成されている。2つの外縦溝3113、3113は、第1のウィングプレート21の第1の管体211の2つの内縦溝2111、2111と当接するように形成されている。
【0056】
第2の管部312は、第1の管部311の2つのブロック部3112、3112に対応して嵌合されるために軸線方向沿いに延伸されるようにその第1の管部311と当接される端面から窪む2つの凹部3121、3121と、その外側面に第1の管部311の2つの外縦溝3113、3113に対応して軸線方向沿いに延伸される2つの外縦溝3122、3122とが設けられている。2つの外縦溝3122、3122は、第1のウィングプレート21の第1の管体211の2つの内縦溝2111、2111と当接するように形成されている。
【0057】
トルクスプリング32は、調整部材33と車軸42とにそれぞれ対応して連結された2つの端部321、322と、2つの端部321、322の間に2つの端部321、322とそれぞれ接続された2つのエンドコイル部323、323と、2つのエンドコイル部323、323の間に接続されたミドルコイル部324とを有する。
【0058】
各エンドコイル部323は、緊密(tight)に巻かれた構成を有し、互いに第1の間隔D1だけ離れた少なくとも2つの巻きコイルを有する。ミドルコイル部324は、ルーズに巻かれた構成を有し、互いに第1の間隔D1より大の第2の間隔D2だけ離れた複数の巻きコイルを有する。
【0059】
調整部材33は、チューブ体31から露出するように調整部材33の端面に設けられ横断面が六角状の調節孔331(
図11参照)と、軸線方向に対しての周方向に延伸されるように調整部材33の外周面に設けられる定位溝332と、第1の管部311の第1の凹凸部3111と嵌合されるように調整部材33の外周面に定位溝332に臨むよう設けられる第2の凹凸部333と、トルクスプリング32の端部321が嵌入されて連動回転可能になるように調整部材33の外周面に定位溝332まで軸線方向沿いに延伸されるよう設けられる縦溝334とを有する。トルクスプリング32の端部322は車軸42に固定されて定位される。
【0060】
調節部材33の第2の凹凸部333と第1の管部311の第1の凹凸部3111とが嵌合されていると、ツール(図示せず)を、外部に露出された調節孔331に挿入して回すことによって端部321が縦溝334に嵌入されているトルクスプリング32が連動回転され、復帰力(restoring force /actuating force)が生成される。
【0061】
リング部材34は、複数あり、トルクスプリング32の端部321、322を取り囲んで調節部材33と車軸42から脱離することを防止するように、第1の管部311と第2の管部312との間に、第2の管部312の第1の管部311側の端部と第1の管部311の第2の管部312から離れた端部側にそれぞれ設けられている。
【0062】
位置決めねじ35は、チューブ体31の第1の管部311を介して調節部材33の定位溝332に入り込むようにチューブ体31の第1の管部311にねじり込まれる。これによって、調節部材33の軸線方向X沿いの移動を制限することが可能である。
【0063】
図9、
図10、
図12に示されているように、ベース部材41は、ベース部材41の軸線方向の一端面に軸線方向沿いに延伸され軸線方向に対する横断面が方形に形成された固定孔411と、ベース部材41の軸線方向の他端面に軸線方向沿いに延伸されて固定孔411と空間的に連通されるように固定孔411より径大に形成された定位孔412と、ベース部材41の周縁部の軸線方向の一端面から切り欠いて形成された切り溝413(1つだけを
図9に図示している)とを有する。
【0064】
車軸42は、この例ではトルクスプリング32を装着して定位させるためのねじれ軸とも呼ばれ、軸線方向沿いにトルクスプリング32のエンドコイル部323とミドルコイル部324を介して延伸されるように設けられ、ベース部材41の固定孔411及び定位孔412に差し込まれるように設けられた軸部421と、軸線方向に対して垂直につば状に突き出た突縁部423とが形成されている。突縁部423はその端縁より切り込んで切り口422がベース部材41の切り溝413に対応するように形成されている。
【0065】
カムユニット3におけるトルクスプリング32の1つの端部322は、車軸42の切り口422に延伸されベース部材41の切り溝413に挿入されて連結されている。
【0066】
図14に示されているように、第2のウィングプレート22が第1のウィングプレート21のUの字形状の凹部に嵌め合わされて一面状に配置されることができる。これによって本例に係るヒンジを用いて2つの対象物11、12(
図1参照)を連結する場合、2つの対象物11、12間が第1のウィングプレート21の厚さと相当或いはやや大きい隙間を設ければよいので、隙間が小のドアフレーム、開きドア等に適用される。
【0067】
そして、2つの対象物11、12を連結して装着する場合、第1のウィングプレート21の第1の当たり面213を動かして対象物11の側縁111に突き当てることにより、第1のウィングプレート21を対象物11に対して手早く正しく位置決めることができ、また、第2のウィングプレート22の第2の当たり面223を動かして対象物12の側縁121に突き当てることにより、第2のウィングプレート22を対象物12に対して手早く正しく位置決めることができる。このように、対象物11、12は互いに手早く正しく位置決めされ且つ順調に回動されることが可能であるように取り付けられることができる。
【0068】
図9、
図14、
図15に示されているように、外力によって第1のウィングプレート21と第2のウィングプレート22との一方が他方に対して回動された場合、各車軸42は対応するカムユニット3のチューブ体31に対して回動され、トルクスプリング32が一方向にねじられる。トルクスプリング32がねじられると、第1の間隔D1と第2の間隔D2が狭まり、復元する付勢力(actuating force)を生成する。外力がなくなると、トルクスプリング32がはじきかえって復元され、第1のウィングプレート21と第2のウィングプレート22との一方が他方に対して逆向きに回動される。
【0069】
このとき、第2の実施例に係るヒンジでは、トルクスプリング32全体の長さが変わらないままでも、第1の間隔D1が第2の間隔D2よりも小である場合には、例えば、一般のトルクスプリングの1目盛り分の調整により増加する復帰トルクは、15kgであるが、この例におけるトルクスプリング32のエンドコイル部323は第1の間隔D1がほぼゼロの緊密に巻かれた3つの巻きコイルを有するので、トルクスプリング32は1目盛り分の調整によって復帰トルクが15kg×3増加する。なお、1目盛り分の調整とは
図9において第1の管部311の端面に刻まれた目盛り0〜7におけるいずれかの数字から隣接する数字に移ることを指す。
【0070】
ここで、2つのトルクスプリング32は外力によってねじられ、隣接する2つのエンドコイル部323、323が互いに突き当てられ(すなわち、D1=0、D2≠0)、更に対応する調整部材33と対応する車軸42との相対回転によってミドルコイル部324だけを変形させることができる(エンドコイル部323が更に変形できないため) ことに留意されたい。その結果、ミドルコイル部324とエンドコイル部323とは同じ数の巻きコイルを有する場合でも、対応する調整部材33と対応する車軸42とが予め決められた角度だけ外力によって相対回転された時、トルクスプリング32に蓄積された復帰力の増加によって、エンドコイル部323、323が互いに突き当てられて1目盛り分の調整だけで3倍の復帰トルクが得られるようになる。
【0071】
一例としては、六角状の調節孔331を介して調整部材33を回し、トルクスプリング32が連動されて1目盛り分だけ回転された時、例えば目盛り1〜目盛り2に回されると、トルクスプリング32によって15kg×3×2=90kgの復帰トルクが、目盛り2〜目盛り3に回されると、トルクスプリング32によって15kg×3×3=135kgの復帰トルクが、目盛り3〜目盛り4に回されると、トルクスプリング32によって15kg×3×4=180kgの復帰トルクがそれぞれ得られる。このように、第2の実施例に係るヒンジを用いると重いドアを開けることができ、例えば、300kgほどの比較的重厚のドアを開ける場合、従来から用いられたヒンジを用いると3つのヒンジを装着しなければならないが、第2の実施例に係るヒンジを用いると1つのヒンジ(180kg×2=360kg)を装着するだけでよい。
【0072】
このように、外力が解除されたときにドアを閉状態にする場合、トルクスプリング32による倍増された復帰トルクによって、カムユニット3のチューブ体31と第1のウィングプレート21とを逆向きに回動させることができる。また、トルクスプリング32のエンドコイル部323における第1の間隔D1がミドルコイル部324における第2の間隔D2よりも小であるため、トルクスプリング32の復帰トルクを倍増して復帰力(restoring force /actuating force)を上げることができる。
【0073】
上記のように、例えばツール(図示せず)を用いてカムユニット3の調整部材33を回動させて、調整部材33を介してトルクスプリング32を所定の角度回すと、トルクスプリング32のトルク力を増やしたり減らしたりすることができ、ドアを開閉する力を調節制御することができ、ドアを閉じる時でもスムーズに行うことができる。
【0074】
なお、第1のウィングプレート21は、ドアパネルとドアフレームとの一方に連結され、第2のウィングプレート22は、ドアパネルとドアフレームとの他方に連結されることに留意されたい。
(第3の実施例)
図16は、第3の実施例に係るヒンジを示している。第3の実施例に係るヒンジの構成は第2の実施例に係るヒンジと類似し、ウィングユニット2とカムユニット3と車軸ユニット4と仕切りユニット5と第2のカムユニット7とを備えている。
【0075】
車軸ユニット4は、例えば固定部材23を用いて第2のウィングプレート22の第2の管体221に着脱可能に設けられ、第2のウィングプレート22と共に回動可能に設けられたベース部材41と、ベース部材41と共に回動可能に連結されるようにカムユニット3に装着された車軸42と、ベース部材41と共に回動可能に連結されるように第2のカムユニット7に設けられた第2の車軸44とを有する。
【0076】
なお、第3の実施例に係るヒンジは上記の実施例と同様な効果を得ることができることは言うまでもない。
(第4の実施例)
図17は、第4の実施例に係るヒンジを示している。第4の実施例に係るヒンジの構成は第2の実施例に係るヒンジと類似し、ウィングユニット2とカムユニット3と車軸ユニット4と仕切りユニット5と第1のカムユニット6とを備えている。
【0077】
車軸ユニット4は、例えば固定部材23を用いて第2のウィングプレート22の第2の管体221に着脱可能に設けられ、第2のウィングプレート22と共に回動可能に設けられたベース部材41と、ベース部材41と共に回動可能に連結されるようにカムユニット3に装着された車軸42と、ベース部材41と共に回動可能に連結されるように第1のカムユニット6に設けられた第1の車軸43とを有する。
【0078】
なお、第4の実施例に係るヒンジは上記の実施例と同様な効果を得ることができることは言うまでもない。
【0079】
図18は、第1のカムユニット6の変形例を示している。該変形例に係る第1のカムユニット6は、第1の管体211と連動可能に連結されるように、第1の管体211と第2の管体221に挿入して設けられたチューブ体61(
図2参照)と、ベース部材41に近づいた位置にチューブ体61に連動可能に係合されるようにチューブ体61内に差し込まれて設けられた近位カム部材64と、チューブ体61の一端部を封止して蓋するように設けられたキャップ部材65とを有する。
【0080】
このように、この変形例に係る第1のカムユニット6は遠位カム部材63を省くことが可能である。
(第5の実施例)
図19と
図20は、第5の実施例に係るヒンジを示している。第5の実施例に係るヒンジの構成は第1の実施例に係るヒンジと類似し、ウィングユニット2と車軸ユニット4と仕切りユニット5と第1のカムユニット6と第2のカムユニット7とを備えている。
【0081】
ベース部材41は上下反対に設けられ、車軸44と共に第2のウィングプレート22の第2の管体221の下方開口から入れて装着されて組み立てられる。このように、ベース部材41の固定孔411に車軸43の軸棒431が挿入して嵌められ、凸部442が摩擦部材73の湾曲端面732に当たる。
【0082】
第5の実施例に係るヒンジは上記の実施例と同様な効果を得ることができることは言うまでもない。
(第6の実施例)
図21と
図22は、第6の実施例に係るヒンジを示している。第6の実施例に係るヒンジの構成は第2の実施例に係るヒンジと類似し、ウィングユニット2と2つのカムユニット3、3と車軸ユニット4と仕切りユニット5とを備えている。
【0083】
ベース部材41は上下反対に設けられ、第2のウィングプレート22の第2の管体221の下方開口から入れて装着されて組み立てられる。ベース部材41の固定孔411、定位孔412に車軸42の軸部421が装着され、切り口422が切り溝413に対応付けられ、トルクスプリング32の端部が切り口422を介して切り溝413に入れられて定位される。
【0084】
図23は、仕切りユニットの変形例、
図24は該仕切りユニットの変形例を用いたヒンジの一例をそれぞれ示している。
図24に示されたヒンジは、ウィングユニット2と1つのカムユニット3と、1つの第2のカムユニット7と1つの車軸ユニット4と2つの仕切りユニット5Aとを備えている。
【0085】
各仕切りユニット5Aは1つの第1のスペーサー51と2つの第2のスペーサー52Aを組み立てて用いられ、第1の管体211と第2の管体221の間に挟まれるように設けられている。各第2のスペーサー52Aは、中心孔が形成された環状壁部521Aとつば状に突き出て形成されたフランジ部522とにより構成されている。環状壁部521Aは、そのフランジ部522から離れた端面に互いに所定の角間隔をおいて軸線方向に切り込んで窪む複数の窪み5211、5211、・・・が設けられている。1つの第1のスペーサー51と2つの第2のスペーサー52Aとを組み立てる際、フランジ部522、522は背中合わせにされて所定の間隔をおいた2つの第1の管体211と1つの第2の管体221の間に挟まれるように設けられる。
【0086】
第1のスペーサー51は、第1のウィングプレート21と第2のウィングプレート22がカムユニット3、7に対して低摩擦で安定して滑らかに回動するために、ポリオキシメチレン(POM)又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から構成されることが好ましい。第2のスペーサー52Aは、外部に露出するように第1の管体211と第2の管体221の間に挟まれて設けられているため、第1の管体211と第2の管体221と同じ金属材料から作られると、材料の一致性から見た目が良くなりヒンジ全体は外見がよくなる。
【0087】
(カムユニットの変形例)
図25は、カムユニット3の変形例を示している。図示のように、車軸ユニット4の車軸42は、軸部421と逆向きに延伸してトルクスプリング32に取り囲まれるように設けられ、調整部材33に挿通・接合されて調整部材33と一緒に回る、横断面が方形状に形成された他の軸部424を更に設けている。
【0088】
カムユニット3は更に、サブスプリング36と、スライドブロック37とを有する。調整部材33は更に、調整孔331と逆向きに設けられた傾斜面335を有する。サブスプリング36は、トルクスプリング32と車軸42との間に設けられている。スライドブロック37は、調整部材33に対して軸線X沿いに動かされるようにサブスプリング36の一つの端部に突き当たるように設けられている。
【0089】
スライドブロック37は、他の軸部424が挿入されて一緒に回る横断面が方形状の穴部371と、傾斜面335と向き合う対向斜面372とが設けられている。
【0090】
図26、
図27に示されたように、第1の管体211が回されてチューブ体31が連動して回ることによって、調整部材33が連動して動かされると、又は、第2の管体221が回されてベース部材41が連動して動かされることによって、車軸42が連動して動かされると、調整部材33の傾斜面335とスライドブロック37の対向斜面372とが互いに押し付けられる。この時、調整部材33が軸線X沿いの方向において変位されないので、スライドブロック37が軸線Xに沿って調整部材33の逆向きでサブスプリング36を押し付ける。これによりサブスプリング36に元の形に戻る復元力が蓄積される。第1のウィングプレート21又は第2のウィングプレート22にかかる外力が放出されると、トルクスプリング32とサブスプリング36が復元されて伸張される。これによって、対象物11、12を閉状態にするとき、トルクスプリング32とサブスプリング36による復元トルクを加勢することができる。スライドブロック37がトルクスプリング32とサブスプリング36による該復元トルクによって、軸線Xに沿って調整部材33に向かって変位され、対向斜面372と傾斜面335とが接合される。
【0091】
本発明の効果を帰納すると下記の通りである。
【0092】
1.車軸42、43、又は44は、第2のウィングプレート22と共に回動可能に、第2のウィングプレート22の第1の管体211に着脱可能に設けられているので、必要に応じて、カムユニット3、6又は7に応じて適当に配置されることが可能であり、組み立ての自由度の向上を図ることができ、使い勝手がよい。更に、ベース部材41も取り替えられるため、メンテナンスを簡易に行うことができる。
【0093】
2.仕切りユニット5は、緩衝部材(ブッシュ)として用いられ、第1の管体211と第2の管体221との間を埋めたり第2の管体221内においてカムユニット3、6、又は7との間にはめ込むことによって、第1のウィングプレート21と第2のウィングプレート22がカムユニット6、7に対して低摩擦で安定して滑らかに回動されることができる。
【0094】
3.カムユニット3のトルクスプリング32を用いた例では、各エンドコイル部323は、ミドルコイル部324の間隔D2よりも小の間隔D1だけ離れた緊密に巻かれた巻きコイルを有する構成によって、倍増した復帰トルクをもつようになり、重厚なドアに適用される。
【0095】
4. 第2のウィングプレート22を第1のウィングプレート21のUの字形状の凹部に嵌め合わせて一面状に配置するようにされることが可能になるので、隙間が小のドアフレーム、開きドア等に適用される。
【0096】
5. 2つの対象物11、12を連結して装着する場合、第1のウィングプレート21の第1の当たり面213を動かして対象物11の側縁111に突き当てることにより、第1のウィングプレート21が対象物11に対して手早く正しく位置決めることができ、また、第2のウィングプレート22の第2の当たり面223を動かして対象物12の側縁121に突き当てることにより、第2のウィングプレート22が対象物12に対して手早く正しく位置決めることができる。対象物11、12は互いに手早く正しく位置決めされ且つ順調に回動されることが可能であるように取り付けられることができる。
【0097】
以上、本発明の実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者には理解されるところである。