特許第6725654号(P6725654)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6725654チャンネルを有する3D織物プリフォーム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6725654
(24)【登録日】2020年6月29日
(45)【発行日】2020年7月22日
(54)【発明の名称】チャンネルを有する3D織物プリフォーム
(51)【国際特許分類】
   D03D 11/00 20060101AFI20200713BHJP
   C08J 5/04 20060101ALI20200713BHJP
【FI】
   D03D11/00 Z
   C08J5/04
【請求項の数】14
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2018-519032(P2018-519032)
(86)(22)【出願日】2016年10月12日
(65)【公表番号】特表2018-532900(P2018-532900A)
(43)【公表日】2018年11月8日
(86)【国際出願番号】US2016056554
(87)【国際公開番号】WO2017066259
(87)【国際公開日】20170420
【審査請求日】2018年9月28日
(31)【優先権主張番号】62/240,994
(32)【優先日】2015年10月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508135080
【氏名又は名称】アルバニー エンジニアード コンポジッツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142387
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 都子
(72)【発明者】
【氏名】ブロック ギルバートソン
【審査官】 小石 真弓
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−244405(JP,A)
【文献】 米国特許第05425985(US,A)
【文献】 特開2015−014055(JP,A)
【文献】 特開平03−249238(JP,A)
【文献】 特表2009−541602(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0258641(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D03D 1/00−27/18
C08J 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元(3D)織物プリフォームであって、
経糸の複数の群、
緯糸の複数の群、
を含み、前記経糸は前記緯糸と織られて、3D織物プリフォームの複数の層を有するモックレノ構造を形成し、
特定の層における経糸の第一の群は特定の層における緯糸を次の層における緯糸に結合する少なくとも1つの中央経糸の第一の組、及び、該少なくとも1つの中央経糸の第一の組の各側に1つが配置された少なくとも2つの第一の端経糸を含み
特定の層における経糸の第二の群は特定の層における緯糸を前の層における緯糸に結合する少なくとも1つの中央経糸の第二の組、及び、該少なくとも1つの中央経糸の第二の組の各側に1つが配置された少なくとも2つの第二の端経糸を含み、それにより、貫通厚さ方向チャンネルが多層プリフォームにおいて形成されており、そして、
前記第一の端経糸が第二の端経糸とは逆に織られ、それにより、第二の端経糸が上に織られる緯糸の下に前記第一の端経糸が織られる、三次元(3D)織物プリフォーム。
【請求項2】
特定の層における緯糸の第一の群は特定の層における経糸を次の層における経糸に結合する少なくとも1つの中央緯糸の第一の組、及び、該少なくとも1つの中央緯糸の第一の組の各側に1つが配置された少なくとも2つの第一の端緯糸を含み
特定の層における緯糸の第二の群は特定の層における経糸を前の層における経糸に結合する少なくとも1つの中央緯糸の第二の組、及び、該少なくとも1つの中央緯糸の第二の組の各側に1つが配置された少なくとも2つの第二の端緯糸を含み、そして、
前記第一の端緯糸が第二の端緯糸とは逆に織られ、それにより、第二の端緯糸が上に織られる経糸の下に前記第一の端緯糸が織られる、請求項1記載の3D織物プリフォーム。
【請求項3】
前記第一の端経糸は、特定の層において、少なくとも1つの中央緯糸の第一の組の上に織られ、そして少なくとも1つの中央緯糸の第二の組の下に織られ、そして、
前記第一の端緯糸は、特定の層において、少なくとも1つの中央経糸の第一の組の上に織られ、そして少なくとも1つの中央経糸の第二の組の下に織られている、請求項2記載の3D織物プリフォーム。
【請求項4】
三次元(3D)織物プリフォームであって、
経糸の複数の群、
緯糸の複数の群、
を含み、前記経糸は前記緯糸と織られて、3D織物プリフォームの複数の層を有するモックレノ構造を形成し、
特定の層における緯糸の第一の群は特定の層における経糸を次の層における経糸に結合する少なくとも1つの中央緯糸の第一の組、及び、該少なくとも1つの中央緯糸の第一の組の各側に1つが配置された少なくとも2つの第一の端緯糸を含み
特定の層における緯糸の第二の群は特定の層における経糸を前の層における経糸に結合する少なくとも1つの中央緯糸の第二の組、及び、該少なくとも1つの中央緯糸の第二の組の各側に1つが配置された少なくとも2つの第二の端緯糸を含み、それにより、貫通厚さ方向チャンネルが多層プリフォームにおいて形成されており、そして、
前記第一の端緯糸が第二の端緯糸とは逆に織られ、それにより、第二の端緯糸が上に織られる経糸の下に前記第一の端緯糸が織られる、三次元(3D)織物プリフォーム。
【請求項5】
特定の層における経糸の第一の群は特定の層における緯糸を次の層における緯糸に結合する少なくとも1つの中央経糸の第一の組、及び、該少なくとも1つの中央経糸の第一の組の各側に1つが配置された少なくとも2つの第一の端経糸を含み
特定の層における経糸の第二の群は特定の層における緯糸を前の層における緯糸に結合する少なくとも1つの中央経糸の第二の組、及び、該少なくとも1つの中央経糸の第二の組の各側に1つが配置された少なくとも2つの第二の端経糸を含み、そして、
前記第一の端経糸が第二の端経糸とは逆に織られ、それにより、第二の端経糸が上に織られる緯糸の下に前記第一の端経糸が織られる、請求項4記載の3D織物プリフォーム。
【請求項6】
前記第一の端緯糸は、特定の層において、少なくとも1つの中央経糸の第一の組の上に織られ、そして少なくとも1つの中央経糸の第二の組の下に織られ、そして、
前記第一の端経糸は、特定の層において、少なくとも1つの中央緯糸の第一の組の上に織られ、そして少なくとも1つの中央緯糸の第二の組の下に織られている、請求項5記載の3D織物プリフォーム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項記載の三次元(3D)織物プリフォームを含み、
該プリフォームはマトリックス材料により含浸されている、複合材。
【請求項8】
3D織物プリフォームの複数の層において経糸の群を形成すること、
3D織物プリフォームの複数の層において緯糸の群を形成すること、
前記経糸の群における経糸を前記緯糸の群における緯糸と製織することによりモックレノ構造を形成すること、
を含み、
特定の層における経糸の第一の群は特定の層における緯糸を次の層における緯糸に結合する少なくとも1つの中央経糸の第一の組、及び、該少なくとも1つの中央経糸の第一の組の各側に1つが配置された少なくとも2つの第一の端経糸を含み
特定の層における経糸の第二の群は特定の層における緯糸を前の層における緯糸に結合する少なくとも1つの中央経糸の第二の組、及び、該少なくとも1つの中央経糸の第二の組の各側に1つが配置された少なくとも2つの第二の端経糸を含み、それにより、貫通厚さ方向チャンネルが多層プリフォームにおいて形成され、そして、
前記第一の端経糸を第二の端経糸とは逆に織り、それにより、第二の端経糸が上に織られる緯糸の下に前記第一の端経糸が織られる、三次元(3D)織物プリフォームの形成方法。
【請求項9】
特定の層における緯糸の第一の群は特定の層における経糸を次の層における経糸に結合する少なくとも1つの中央緯糸の第一の組、及び、該少なくとも1つの中央緯糸の第一の組の各側に1つが配置された少なくとも2つの第一の端緯糸を含み
特定の層における緯糸の第二の群は特定の層における経糸を前の層における経糸に結合する少なくとも1つの中央緯糸の第二の組、及び、該少なくとも1つの中央緯糸の第二の組の各側に1つが配置された少なくとも2つの第二の端緯糸を含み、そして、
前記第一の端緯糸を第二の端緯糸とは逆に織り、それにより、第二の端緯糸が上に織られる経糸の下に前記第一の端緯糸が織られる、請求項記載の3D織物プリフォームの形成方法。
【請求項10】
前記第一の端経糸は、特定の層において、少なくとも1つの中央緯糸の第一の組の上に織られ、そして少なくとも1つの中央緯糸の第二の組の下に織られ、そして、
前記第一の端緯糸は、特定の層において、少なくとも1つの中央経糸の第一の組の上に織られ、そして少なくとも1つの中央経糸の第二の組の下に織られる、請求項記載の3D織物プリフォームの形成方法。
【請求項11】
3D織物プリフォームの複数の層において経糸の群を形成すること、
3D織物プリフォームの複数の層において緯糸の群を形成すること、
前記経糸の群における経糸を前記緯糸の群における緯糸と製織することによりモックレノ構造を形成すること、
を含み、
特定の層における緯糸の第一の群は特定の層における経糸を次の層における経糸に結合する少なくとも1つの中央緯糸の第一の組、及び、該少なくとも1つの中央緯糸の第一の組の各側に1つが配置された少なくとも2つの第一の端緯糸を含み
特定の層における緯糸の第二の群は特定の層における経糸を前の層における経糸に結合する少なくとも1つの中央緯糸の第二の組、及び、該少なくとも1つの中央緯糸の第二の組の各側に1つが配置された少なくとも2つの第二の端緯糸を含み、それにより、貫通厚さ方向チャンネルが多層プリフォームにおいて形成され、そして、
前記第一の端緯糸を第二の端緯糸とは逆に織り、それにより、第二の端緯糸が上に織られる経糸の下に前記第一の端緯糸が織られる、三次元(3D)織物プリフォームの形成方法。
【請求項12】
特定の層における経糸の第一の群は特定の層における緯糸を次の層における緯糸に結合する少なくとも1つの中央経糸の第一の組、及び、該少なくとも1つの中央経糸の第一の組の各側に1つが配置された少なくとも2つの第一の端経糸を含み
特定の層における経糸の第二の群は特定の層における緯糸を前の層における緯糸に結合する少なくとも1つの中央経糸の第二の組、及び、該少なくとも1つの中央経糸の第二の組の各側に1つが配置された少なくとも2つの第二の端経糸を含み、そして、
前記第一の端経糸を第二の端経糸とは逆に織り、それにより、第二の端経糸が上に織られる緯糸の下に前記第一の端経糸が織られる、請求項11記載の3D織物プリフォームの形成方法
【請求項13】
前記第一の端緯糸は、特定の層において、少なくとも1つの中央経糸の第一の組の上に織られ、そして少なくとも1つの中央経糸の第二の組の下に織られ、そして、
前記第一の端経糸は、特定の層において、少なくとも1つの中央緯糸の第一の組の上に織られ、そして少なくとも1つの中央緯糸の第二の組の下に織られる、請求項12記載の3D織物プリフォームの形成方法
【請求項14】
請求項8〜13のいずれか一項記載の方法によって三次元(3D)織物プリフォームを形成すること、
該3D織物プリフォームをマトリックス材料により含浸すること、
を含む、複合材の形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、増加した厚さを有する軽量プリフォームの形成などの用途に使用され得る、プリフォームの厚さを通るチャンネルを有する三次元(3D)プリフォームに関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
レノ織は、2つの経糸が緯糸の周りに撚られて、強いが、薄い/開放された布を提供する織物である。伝統的なレノである単一層の織構造は、緯糸の間でお互いの周りに経糸を巻くことによって作られる。一方向に長時間回転させ、次いで他の方向に回転させるプロペラデバイスを使用するなど、機械的アクチュエータを用いて1つの経糸をその隣の反対側に水平に平行移動させるなどの様々な機械的手段が使用される。従来のレノ織は、2本の糸を互いに非常に接近させたままにして開放された布(例えば、ガーゼ)を作るか、又は、近くの糸の端を所定位置にロックするように作用する。
【0003】
レノ織(ガーゼ織又はクロス織とも呼ばれる)は、2つの経糸が緯糸の周りに撚られて、強いが、薄い/開放された布を提供する織物である。標準的な経糸は対になって、骨格又は「結」糸(”doup” yarn)となり、これらの撚られた経糸は、緯糸にしっかりと掴持し、これにより布の耐久性が向上する。レノ織は、糸の滑り又は糸の誤配置がほとんどない開放布を生じさせる。
【0004】
レノ織布は、光と空気を自由に通過させるので、傷つき又は押しのけ(糸が織布の均一性から逸脱して織物の均一性を乱す)を起こさない、薄くて開放された織布を要求する領域で使用される。単純な出入りの平織が同じ効果を達成するために非常にゆるやかに織られた場合には、糸はこの傷つき/押しのけ/誤配置の傾向を有するであろう。
【0005】
イミテーションレノとしても知られているモックレノは、結い上げ取り付けの補助なしに得られた、ガーゼ又はレノスタイルと外観が似ている効果を生じさせる通常構造のさまざまな織物である。これらの織物は、一般に、平織、綾織、サテン又は他の単純な単層織又はさらには錦織構成と組み合わせて製造され、真のレノ織布と非常によく似たストライプ状布を生じる。この織物はイミテーションガーゼ織とも呼ばれる。
【0006】
織物は、同一又は不等サイズの群で糸を配置する単層織物である。平織で加工する糸は、布の表面又は裏面に浮遊する糸と交互になる。各個々の糸群からの糸端部を同じデントに引き込むことができる。これは浮遊糸端部を一緒に束ね、織物内の糸群の間にわずかな間隙又は開口部を生じさせ、ガーゼ又はレノ織と同様の外観を与え、したがって「モックレノ」と呼ばれる。
【0007】
モックレノ織布は、一般に、各群の糸が1つの群内で容易にまとめることができ、一方、1つの群の最後の糸と次の群の最初の糸が互いに直接的に逆にインターレースされているという理由で糸が隣接群から分離されるようにして、3つ以上の経糸又は緯糸の群がインターレースされている布帛として一般に定義され得る。このような交差は、2つの隣接する糸が一緒になることを防止し、この点で開口部を生じる。これらの単層織布は、ガラス又は綿などの周知の織物材料の繊維又は糸から製造することができ、商業上よく知られた製品である。
【0008】
図1Aは、経糸と緯糸の両方がそれぞれ3つの糸群に群分けされる関連技術の単層モックレノ織構造1000の例を示す。図1Aに示すように、布は2種類のモックレノパターン、すなわち、3×3モックレノパターンI及び3×3モックレノパターンIIを含む。3×3モックレノパターンIは、3つの緯糸a1〜a3の群及び3つの経糸b1〜b3の群により構成され、3×3モックレノパターンIIは3つの緯糸a1〜a3の群及び3つの経糸b4〜b6の群により構成される。緯糸a1〜a3の群は、第一の端糸a1と、中央糸a2と、第二の端糸a3とを含む。経糸b1〜b3の群は、第一の端糸b1と、中央糸b2と、第二の端糸b3とを含む。同様に、経糸b4〜b6の群は、第一の端糸b4と、中央糸b5と、第二の端糸b6とを含む。
【0009】
図1Aに示すように、3X3モックレノパターンIの製織中に、第一の端経糸b1と第二の端経糸b3の両方が第一の端緯糸a1の下に織られ、次いで、中央緯糸a2の上に織られ、そして最終的に第二の端緯糸a3の下に織られる。中央経糸b2は、3つの緯糸a1〜a3の全ての上に織られている。3X3モックレノパターンIIの製織中に、第一の端経糸b4と第2端経糸b6の両方は第一の端緯糸a1の上に織られ、次いで、中央緯糸a2の下に織られ、そして最終的に第二の端緯糸a3の上に織られている。中央経糸b5は、3つの緯糸a1〜a3の全ての下に織られている。
【0010】
図1Bは、経糸と緯糸の両方がそれぞれ3つの糸の群に群分けされる、単層モックレノ織布構造の別の例の糸のインターレーシングを示す。図1Bに示すように、円で示すように、全ての緯糸が2つの経糸の間を交差する区間が存在する。3つの経糸の群の中で、緯糸は1対の経糸の間を交差するが、全ての緯糸が同時に交差するわけではない。
【0011】
図1Cは、単層モックレノ織布構造の別の例を示す。このモックレノは、通常の間隔であるが、通常は数本の離れた経糸が時折交互のアンダーオーバーインターレースから逸脱し、代わりに2本又はそれ以上毎にインターレースする平織の別の形態である。これは、緯糸方向に同様の頻度で起こり、全体的な効果は、厚さが増し、表面が粗い布である。
【0012】
図2は、経糸と緯糸の両方がそれぞれ4つの糸の群に群分けされる単一層モックレノ織構造2000の別の例を示す。図2に示すように、布は、2種類のモックレノパターン、すなわち4×4モックレノパターンIと4×4モックレノパターンIIとを含む。4×4モックレノパターンIは、4つの緯糸c1〜c4の群と、4つの経糸d1〜d4の群によって構成され、4×4モックレノパターンIIは、4つの緯糸c1〜c4の群と、4つの経糸d5〜d8の群によって中断されている。同様に、4つの緯糸c5〜c6の群と、4つの経糸d1〜d4の群は4×4モックレノパターンIIを構成し、4つの緯糸c5〜c8の群と、4つの経糸d5〜d8の群は4×4モックレノパターンIを構成している。
【0013】
緯糸c1〜c4の群は、第一の端糸c1と、2つの中央糸c2及びc3と、第二の端糸c4とを含む。同様に、緯糸c5〜c8の群は、第一の端糸c5と、2つの中央糸c6及びc7と、第二の端糸c8とを含む。経糸d1〜d4の群は、第一の端糸d1と、2つの中央糸d2及びd3と、第二の端糸d4とを含む。同様に、経糸d5〜d8の群は、第一の端糸d5と、2つの中央糸d6及びd7と、第二の端糸d8とを含む。
【0014】
図3A図3Hは、図2に示された単層モックレノ織布構造2000における経糸d1〜d8に沿った断面をそれぞれ示している。図3A〜3Dに示すように、4×4モックレノパターンIの製織中に、第一の端経糸d1と第二の端経糸d4の両方は第一の端緯糸c1の下に織られ、次いで、全ての中央緯糸c2及びc3の上に織られ、そして最終的に第二の端緯糸c4の下に織られる。2つの中央経糸d2及びd3は、4つの緯糸c1〜c4の全ての上に織られる。4×4モックレノパターンIの右側の4×4モックレノパターンIIの製織中に、第一の端経糸d1と第二の端経糸d4の両方は第一の端緯糸c5上に織られ、次いで、中央緯糸c6及びc7の下に織られ、そして最終的に第二の端緯糸c8の上に織られる。2つの中央経糸d2及びd3は、4つの緯糸c5〜c8の全ての下に織られている。
【0015】
図3E図3Hに示すように、4×4モックレノパターンIIの製織中に、第一の端経糸d5と第二の端経糸d8の両方は第一の端緯糸c1の上に織られ、次いで、中央緯糸c2及びc3の全ての下に織られ、そして最終的に第二の端緯糸c4の上に織られる。2つの中央経糸d6及びd7は、4つの緯糸c1〜c4の全ての下に織られる。4×4モックレノパターンIIの右側の4×4モックレノパターンIの製織中に、第一の端経糸d5と第二の端経糸d8の両方は第一の端緯糸c5の下に織られ、次いで、中央緯糸c6及びc7の上に織られ、そして最終的に第二の端緯糸c8の下に織られる。2つの中央経糸d6及びd7は、4つの緯糸c5〜c8の全ての上に織られている。
【発明の概要】
【0016】
発明の概要
経糸及び緯糸方向に大きなチャンネルを有する三次元(3D)織物プリフォームは、それ自体で、又は、軽量を必要とする複合材構造の一部として、他の3D又はラミネート化プリフォーム構造と比較して増加した厚さで使用することができる。化学蒸気浸透(CVI)によって緻密化される3D織物プリフォームでは、プリフォーム内のより大きなチャンネルは、化学蒸気がプリフォームを通過するための複数の大きな経路を提供することもできる。さらに、チャンネルを形成する3D織物は、緻密化されていても又はされていなくてもよい、厚さが大きく、繊維体積が小さいプリフォームを形成することもできる。このような構造は、プリフォーム状態において、2つの表面間の軽量の断熱体又は電気絶縁体として有用であることができる。本発明は、チャンネルを有する3D織物プリフォームを開示する。3D織物形態では、経糸が一緒に集まり、緯糸が一緒に集まり、群をなす。これにより、貫通厚さ方向にチャンネルを形成する。これらのチャンネルは、単層モックレノ織と同様の概念を使用して、独自の一連の3D織パターンによって経糸及び緯糸を固定することによって形成される。これは、経糸を別の経糸の周りに撚り合わせて緯糸を横切ってそれらを全て所定の位置に固定する機械デバイスの使用によって達成される従来の単層レノパターンとは異なる。従来のスタイルのレノ機械デバイスは、典型的に、単層の織物プリフォームの耳部のための複合材の単層プリフォーム織物で使用され、ここで、糸が適所から滑り出るのを防ぐために強い製織を要求する。
【0017】
本開示の1つの態様において、三次元(3D)織物プリフォームは、複数の経糸群と複数の緯糸群とを含み、経糸は緯糸と織り合わされて、複数の3D織物プリフォームの層を有するモックレノ構造を形成する。特定の層における経糸の第一の群は、特定の層における緯糸を次の層における緯糸に結合する少なくとも1つの中央経糸の第一の組と、少なくとも1つの中央経糸の第一の組の各側に1つの少なくとも2つの第一の端経糸とを含むことができる。特定の層における経糸の第二の群は、特定の層における緯糸を前の層における緯糸に結合する少なくとも1つの中央経糸の第二の組と、少なくとも1つの中央経糸の第二の組の各側に1つの少なくとも2つの第二の端経糸を含み、それにより、貫通厚さ方向のチャンネルが多層プリフォームに形成される。
【0018】
この三次元織物プリフォームは、特定の層において緯糸の第一の群を含むことができ、該群において、特定の層における経糸を次の層における経糸に結合する少なくとも1つの中央緯糸の第一の組と、少なくとも1つの中央緯糸の第一の組の各側に1つの少なくとも2つの第一の端緯糸とを含むことができる。また、特定の層において緯糸の第二の群を含むことができ、該群において、特定の層における経糸を前の層における経糸に結合する少なくとも1つの中央緯糸の第二の組と、少なくとも1つの中央緯糸の第二の組の各側に1つの少なくとも2つの第二の端緯糸とを含むことができる。第一の端経糸及び第二の端経糸は、特定の層において、少なくとも1つの中央緯糸の第一の組の上に織られ、少なくとも1つの中央経糸の第二の組の下に織られることができる。第一の端緯糸及び第二の端緯糸は、特定の層において、少なくとも1つの中央経糸の第1の組の上に織られ、そして少なくとも1つの中央経糸の第二の組の下に織られることができる。
【0019】
本開示の別の態様は、複数の経糸群と複数の緯糸群とを含む三次元(3D)織物プリフォームであり、経糸は緯糸と織り合わされて、複数の3D織物プリフォームの層を有するモックレノ構造を形成する。特定の層における緯糸の第一の群は、特定の層における経糸を次の層における経糸に結合する少なくとも1つの中央緯糸の第一の組と、少なくとも1つの中央緯糸の第一の組の各側に1つの少なくとも2つの第一の端緯糸を含むことができる。特定の層における緯糸の第二の群は、特定の層における経糸を前の層における経糸に結合する少なくとも1つの中央緯糸の第二の組と、少なくとも1つの中央緯糸の第二の組の各側に1つの少なくとも2つの第二の端緯糸とを含むことができ、それにより、貫通厚さ方向のチャンネルが多層プリフォームに形成される。
【0020】
3D織物プリフォームのこの第二の態様において、特定の層における経糸の第一の群は、特定の層における緯糸を次の層における緯糸に結合する少なくとも1つの中央経糸の第一の組と、少なくとも1つの中央経糸の第一の組の各側に1つの少なくとも2つの第一の端経糸とを含むことができる。特定の層における経糸の第二の群は、特定の層における緯糸を前の層における緯糸に結合する少なくとも1つの中央経糸の第二の組と、少なくとも1つの中央経糸の第二の組の各側に1つの少なくとも2つの第二の端経糸とを含むことができる。第一の端緯糸及び第二の端緯糸は、特定の層において、少なくとも1つの中央経糸の第一の組の上に織られ、そして少なくとも1つの中央経糸の第二の組の下に織られることができる。第一の端経糸及び第二の端経糸は、特定の層において、少なくとも1つの中央緯糸の第一の組の上に織られ、そして少なくとも1つの中央緯糸の第二の組の下に織られることができる。
【0021】
本開示及び特に特許請求の範囲及び/又は段落において、「含む(comprises)」、「含む(comprised)」、「含む(comprising)」などの用語は、米国特許法でそれに帰属する意味を有することができ、例えば、「含む(includes)」、「含む(included)」、「含む(including)」などを意味することができることは注記される。
【0022】
用語「糸(threads)」、「繊維(fibers)」、「トウ(tows)」及び「糸(ヤーン)」は、以下の記載において互換可能に使用される。本明細書中に使用されるときに、「糸(threads)」、「繊維(fibers)」、「トウ(tows)」及び「糸(ヤーン)」は、モノフィラメント、マルチフィラメントヤーン、撚糸、マルチフィラメントトウ、テクスチャードヤーン、編組トウ、被覆ヤーン、二成分ヤーン、ならびに当業者に知られている任意の材料の伸張破断繊維から作られるヤーンを指すことができる。
【0023】
本開示に記載された様々な実施形態の上記及び他の目的、特徴及び利点は、添付の図面と組み合わせた以下の実施形態の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図面の簡単な説明
図1A図1Aは、経糸と緯糸の両方が3つに群分けされた関連技術の単層モックレノ織布構造の例を示す。
図1B図1Bは、経糸と緯糸の両方が3つに群分けされた関連技術の単層モックレノ織布構造の別の例を示す。
図1C図1Cは、関連技術の単層モックレノ織布構造の別の例を示す。
図2図2は、経糸と緯糸の両方が4つに群分けされた関連技術の単層モックレノ織布構造の別の例を示す。
図3図3A図3Hは、図2に示す単層モックレノ織布構造における経糸に沿った断面を示す。
図4図4Aは、本開示のチャンネルを有する3D織物プリフォームの例の上面図を示す。 図4Bは、チャンネルを有する3D織物プリフォームの斜視図を示す。
図5図5A図5Hは、本開示の3D織物プリフォームにおける経糸に沿った断面を示す。
図6図6は、本開示のチャンネルを有する3D織物プリフォームの上部を生成するために使用される実施案を示す。
図7図7は、本開示の3D織物プリフォームの他の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
詳細な説明
図4Aは、本開示のチャンネルを有する3D織物プリフォームの例の上面図を示す。図4Bは、チャンネルを有する3D織物プリフォームの斜視図を示す。図4A図4Bに示すように、本開示のチャンネルを有する3D織物プリフォームは、経糸と緯糸の両方が4つに群分けされた多層モックレノ織布構造を含む。
【0026】
3D織物プリフォームは、2種の3Dモックレノ織パターン、すなわち、3Dモックレノ織パターンI及び3Dモックレノ織パターンIIを含むことができる。図5A図5Dは3Dモックレノ織パターンIの例を示し、図5E図5Hは、3Dモックレノ織パターンIIの例を示す。3Dモックレノ織パターンI及びIIの両方は、複数の層において4つの経糸の群と4つの緯糸の群によって形成されている。4つの経糸の各群は、第一の端経糸と、2つの中央経糸と、第二の端経糸とを含み、端糸は中央糸の両側にある。同様に、4つの緯糸の各群は、第一の端緯糸と、2つの中央緯糸と、第二の端緯糸とを含み、端糸は中央糸の両側にある。
【0027】
4×4(各群に4つの経糸及び各群に4つの緯糸)モックレノ織パターンを図示し、そして説明する。しかしながら、必ずしも等しい数の糸が経糸群及び緯糸群に存在する必要はないことは理解されるべきである。さらに、少なくとも1つの中央糸及び該中央糸のいずれかの側に少なくとも1つの端糸が各経糸群及び緯糸群において存在する限り、群内に4つの糸を有する必要はない。
【0028】
図5A図5Dに示す4X4 3Dモックレノ織パターンIにおいて、特定の層、例えば、層nの経糸群に2つの中央経糸が存在し、該経糸は、交互に、同じ層n内の緯糸群の4つの糸の全ての上に織られ、次いで、貫通厚さ方向でこの特定の層nの下にある次の層n+1内の緯糸群の4つの糸の全ての下に織られる。
【0029】
図5E〜5Hに示す3Dモックレノ織パターンIIにおいて、特定の層、例えば、層nの経糸群に2つの中央経糸が存在し、該経糸は、交互に、同じ層nの経糸群の4つの糸の全ての下に織られ、次いで、布の貫通厚さ層でこの特定の層nの上にある上方層n−1の経糸群の4つの糸の全ての上に織られる。
【0030】
より詳細には、図5A〜5Hは、例えば12層を有する3D織物プリフォーム内の経糸の2つの群に沿った断面を示す。図5A図5Hに示すように、2つの群の経糸は、3Dプリフォームの第一の層において、第一の経糸群の経糸11〜14と、第二の経糸群の経糸15〜18とを含む。また、第二の層の第一の経糸群及び第二の経糸群の経糸21〜24及び25〜28も図示されている。このパターンは、第11番目の層の第一の経糸群及び第二の経糸群の経糸111〜114及び115〜118、及び、第12番目の層の第一の経糸群及び第二の経糸群の経糸121〜124及び125〜128まで続く。
【0031】
図5A図5Hはまた、3D織物プリフォームの第一の層において、4つの緯糸の2つの群を示し、各々の群は第一の緯糸群に緯糸54,69,78及び93と、第二の緯糸群に緯糸49,63,73及び87とを含み、そして第二の層において、4つの緯糸の2つの群を示し、第一の緯糸群に緯糸56,67,80及び91と、第二の緯糸群に緯糸52,71,76及び95とを含む。緯糸群分けは、同様に、第10番目の層において、2つの群で第一の緯糸群に緯糸58,65,82及び89、第二の緯糸群に緯糸59,64,83及び88、そして第11番目の層において、2つの群で第一の緯糸群に緯糸62,62,84及び86、第二の緯糸群に緯糸51,61,75及び85と続く。
【0032】
以下の議論において、用語「次の層」は、議論の便宜のためにのみ使用される。しかしながら、「次の層」は、本明細書で使用されるときに、必ずしも特定の層よりも3Dプリフォーム内のより下の層又はより深い層であるとは限らない「別の層」を意味する。実際、「次の層」は、特定の層よりも3Dプリフォームの上方又は高くにあることができる。用語「前の層」は、「次の層」とは反対の方向にある層を記述するためにのみ使用される。
【0033】
図5A及び図5Dに示すように、経糸の第一の群には4つの糸が存在する:中央糸12,13の両側に経糸11,14。3Dモックレノ織パターンIの製織中に、第一の端経糸11及び第二の端経糸14は、第一の層の第一の緯糸群の第一の端緯糸54の下に織られ、次いで、全ての中央緯糸69及び78の上に織られ、そして最終的に、緯糸群の第二の端緯糸93の下に織られている。端経糸11,14は、次いで、第一の層の第一の端緯糸49の上に織られ、次いで全ての中央緯糸63及び73の下に織られ、そして最終的に、第二の端緯糸87の上に織られている。端緯糸11, 14は緯糸の次のカラムではこのように上/下交互になっている。
【0034】
図5B及び5cに示すように、第一の層における緯糸群11〜14の2つの中央経糸12及び13は第一の層の4つの緯糸54,69,78及び93の全ての上に織られ、そして第二の層の4つの緯糸52,71,76及び95の下に織られる。それゆえ、第一の層と第二の層とは互いに結合されている。
【0035】
同様に、第二の層における経糸群21〜24の第一の端経糸21及び第二の端経糸24は第二の層の第一の緯糸群の第一の端緯糸56の下に織られ、次いで、中央緯糸67及び80の上に織られ、そして第二の端緯糸91の下に織られている。そして第一の端経糸21及び第二の端経糸24は第二の層の第二の緯糸群の第一の端緯糸52の上に織られ、次いで、中央緯糸71及び76の下に織られ、そして最終的に、第二の端緯糸95の上に織られている。
【0036】
第二の層において経糸群21〜24の2つの中央経糸22及び23は、第二の層の4つの緯糸56,67,80及び91の上に織られ、そして第三の層において4つの緯糸53,70,77及び94の全ての下に織られている。それゆえ、第二の層と第三の層とは互いに結合されている。
【0037】
図5E及び5Hに示すように、経糸の第二の群に4つの糸が存在する:中央糸16,17の両側に端経糸15,18。3Dモックレノ織パターンIIの製織中に、第一の端経糸15及び第二の端経糸18は第一の層の第一の緯糸群の第一の端緯糸54の上に織られ、次いで、中央緯糸69及び78のすべての下に織られ、そして最終的に、緯糸群の第二の端緯糸93の上に織られる。そして端経糸15,18は、次いで、第一の層の第一の端緯糸49の下に織られ、次いで、中央緯糸63及び73のすべての上に織られ、そして最終的に、第二の端緯糸87の下に織られる。端経糸15,18は緯糸の次のカラムでこのように上/下交互になる。
【0038】
図5F及び5Gに示すように、第一の層において経糸群15〜18の2つの中央経糸16及び17は第一の層の4つの緯糸54,69,78及び93の全ての下に織られ、そして第一の層の上の層の4つの緯糸50,72,74及び76の上に織られる。それゆえ、第一の層及び該第一の層の上の層は互いに結合されている。
【0039】
同様に、第二の層において経糸群25〜28の第一の端経糸25及び第二の端経糸28は、第二の層の第一の緯糸群の第一の端緯糸56の上に織られ、次いで、中央緯糸67及び80の下に織られ、そして第二の端緯糸91の上に織られている。そして第一の端経糸25及び第二の端経糸28は、第二の層の第二緯糸群の第一の端緯糸52の下に織られ、次いで、中央緯糸71及び76の上に織られ、そして最終的に、第二の端緯糸95の下に織られる。
【0040】
第二の層において経糸群25〜28の2つの中央経糸26及び27は第二の層の4つの緯糸56,67,80及び91の全ての下に織られ、そして第一の層において4つの緯糸49,63,73及び87の全ての上に織られている。それゆえ、第二の層と第二の層とは互いに結合されている。
【0041】
それゆえ、図5A〜5Hに示すように、経糸11及び経糸21は互いに接触しうるが、緯糸93及び緯糸49は互いに接触することが阻止される。実際、糸45及び54を含むカラムの全ての緯糸は互いに接触することが阻止されている。その結果、チャンネルは、布帛層の厚さを通して形成されている。
【0042】
同様に、特定の層nの群における4つの緯糸のうち、2つの中央緯糸は、特定の層における経糸との間で交互になって織られており、同一の層において経糸群の4つの糸の全ての下に織られ、次いで、貫通厚さ方向でこの特定の層nの上にある上層n−1において経糸群の4つの糸の全ての上に織られる。
【0043】
例えば、図5A図5Hに示すように、第一の群の4つの緯糸54,69,78及び93のうち、端緯糸54,93は、第一の層の第一の経糸群で第一の端経糸11の上に、全ての中央経糸12,13の下に、次いで、第二の端経糸14の上に織られ、それから、端緯糸54,93は、第一の層の第二の経糸群で第一の端経糸15の下、全ての中央経糸16,17の上、次いで、第二の端経糸18の下に織られる。
【0044】
図5A図5Hに示すように、第一の群の4つの緯糸54,69,78及び93のうち、中央緯糸69,78は第一の経糸群ですべての経糸11〜14の下に織られ、次いで、第二の経糸群で全ての経糸15〜18の上に織られる。
【0045】
第二の緯糸群49,63,73及び87のうち、端緯糸49,87は端経糸11の下に織られ、全ての中央経糸12,13の上に織られ、次いで第二の端経糸14の下に織られ、それから、端緯糸49,87は第二の層において第二の経糸群の第一の端経糸15の上に織られ、中央経糸26,27の下に織られ、次いで、第一の層の第二の経糸群の第二の端経糸18の下に織られる。次いで、各群における端緯糸は同様に交互になる。
【0046】
第二の緯糸群49,63,73及び87の中央緯糸63,73は第一の層において第二の経糸群の第一の端経糸15の下に織られ、第二の層において第二の経糸群の経糸26,27の下に織られ、次いで、第一の層において第二の経糸群の第二の端経糸18の下に織られる。それゆえ、第一の層と第二の層とは互いに結合されている。
【0047】
同様に、図5A〜5Hに示すように、第二の層の第一の群の4つの緯糸56,67,80及び91のうち、端緯糸56,91は、第二の層の第一の経糸群において、第一の端経糸21の上に織られ、全ての中央経糸22,23の下に織られ、次いで、第二の端経糸24の上に織られ、それから、端経糸56,91は第二の層の第二の経糸群において、第一の端経糸25の下に織られ、全ての中央経糸26,27の上に織られ、次いで第二の端経糸28の下に織られる。
【0048】
図5A〜5Hに示すように、第一の群の4つの緯糸56,67,80及び91のうち、中央緯糸67,80は第一の経糸群においてすべての経糸21〜24の下に織られ、次いで、第二の経糸群においてすべての経糸25〜28の下に織られる。
【0049】
第二の緯糸群52,71,76及び95のうち、端緯糸52,95は端経糸21の下に織られ、すべての中央経糸22,23の上に織られ、次いで、第二の端経糸24の下に織られ、それから、端緯糸52,95は第三の層で第二の経糸群の第一の端経糸25の上に織られ、中央経糸36,37の下に織られ、次いで、第二の層の第二の経糸群の第二の端経糸28の下に織られる。次いで、各群の端緯糸は同様に交互になっている。
【0050】
第二の緯糸群52,71,76及び95の中央緯糸71,76は第二の層において第二の経糸群の第一の端経糸25の下に織られ、次いで、第三の層において第二の経糸群の経糸36,37の下に織られ、次いで、第二の層において第二の経糸群の第二の端経糸28の下に織られる。それゆえ、第二の層と第三の層とは互いに結合されている。
【0051】
図6はチャンネルを有する3D織物プリフォームの上部を生成するために使用される実施案を示す。パターンは、図6に示すように、糸(経糸及び緯糸)の幾つかのカラムを互いに反発させ(4及び5;8及び1)、他のものには緻密ネスティングを可能とさせる(1及び4;5及び8)ように作用する。実施案2,3,6及び7は1つの層を次の層に結合するように使用される。
【0052】
特定の上方及び下方製織パスを組み合わせた繊維糸の剛性は幾つかの糸の自然反発力及び他の糸の引力をもたらす。これは各方向で糸の群分けをもたらし、幾つかの用途で有利である。糸の剛性が大きいほど、糸の間の間隔が大きく、このため、チャンネルが大きくなる。
【0053】
筬における経糸群分けの特定の選択は形成されるパス又はチャンネルを弱め又は強めることができる。同様に、占有間隔の特定のパターンも形成されるパス又はチャンネルを弱め又は強めることができる。最も強められる結果は、デントにおいて実施案1〜4、デントにおいて実施案5〜8のような糸の配置、そして緯糸カラム1〜4及び5〜8の間のより小さい占有間隔から得られる。
【0054】
それゆえ、本発明の3D織物プリフォームにおいて、目の粗い織り目は製織装置で利用可能な上下糸移動パターンのみを使用し、追加の機械的アクチュエータを使用することなしに達成される。
【0055】
図7は3D織物プリフォームの他の例を示す。様々な厚さ(層)及び間隔を経糸/緯糸カラムで使用することができる。
【0056】
3Dモックレノ織パターンは以下の特性及び特徴を有する。
−従来の3Dパターン又はラミネート化構造と比較して、より高い厚さを有する3D織物プリフォームを作り、同一の厚さで、より低い繊維質量とする。例えば、従来の繊維体積(FV)を有する3Dプリフォーム特定の厚さ及び特定の質量を有し、そして本発明に開示される開放チャンネルを有するプリフォームで、同一の厚さを有するものは、従来の繊維体積を有する3Dプリフォームよりも低い質量を有する。
−プリフォームを複合材に加工する間に、又は、プリフォーム又は複合材を、熱散逸を要求する別のアセンブリの一部として使用するときの「冷却チャンネル」として、流体が流れるための貫通厚さチャンネルを形成する。
−一緒に群分けされた経糸の数を変更することによりチャンネル間隔を変更し、Z(貫通厚さ)方向のチャンネルの寸法を変更する。
−「傷つき」(bruising)、押し潰し又は糸のずれをあまり生じない。
−群に少なくとも3つの経糸及び緯糸を有する。
−剛性が高い経糸及び/又は緯糸であるほど、糸群の間の反発力が増加し、このようにして、x面又はy面に大きなチャンネルを形成する(zは貫通厚さ面である)。
−糸群分けの間の占有間隔を変化させ、経糸方向のチャンネルサイズを変化させる。
−x−y 面方向の両方で群分けが起こり、「矩形、他の多角形チャンネル」をもたらす。
−経糸及び緯糸は1つの層から下の次の層に結合し、又は、1つの糸で複数の層を結合する。
【0057】
所望の3D織物プリフォーム構造を形成した後に、該構造をマトリックス材料で含浸して複合材を形成することができる。該構造はマトリックス材料中に包囲され、そしてマトリックス材料は構造の構成要素の間の中間領域の一部又は全部を充填している。マトリックス材料は様々な材料であってよく、例えば、エポキシ、ポリエステル、ビニルエステルセラミック、カーボン及び/又は他の材料であってよく、また、所望の物理、熱、化学及び/又は他の特性を示す。マトリックスとしての使用のために選択される材料は、構造の材料と同一であっても又は同一でなくてもよく、匹敵する物理、化学、熱又は他の特性を有しても又は有しなくてもよい。しかしながら、典型的には、それらは同一の材料でなく、又は、匹敵する物理、化学、熱又は他の特性でない。というのは、複合材を使用する際に追及される一般的な目的は1つの構成要素の材料のみの使用によっては達成できない最終製品における特性の組み合わせを達成することである。そのように組み合わされて、構造及びマトリックス材料を、次いで、熱硬化又は他の既知の方法により、同一の操作において硬化しそして安定化させることができ、次いで、所望の構成要素の製造に向けて他の操作に供する。そのように硬化された後に、マトリックス材料の固化した物質は構造に付着されている。結果として、最終構成要素に対する応力、特に、繊維間の接着剤として作用するマトリックス材料による応力は構造の構成要素材料に有効に移行しそしてそれにより支持されうる。さらに、化学蒸気浸透(CVI)を使用してマトリックス材料を添加して、複合材を形成するならば、基材中で形成されるチャンネルの一部又は全部は開放されたままであってよく、樹脂材料を含まないことができる。
【0058】
経糸方向及び緯糸方向における糸は同一又は異なる材料及び/又はサイズであることができるものと理解されるべきである。例えば、経糸及び緯糸はカーボン、ナイロン、レイヨン、ガラス繊維、綿、セラミック、アラミド、ポリエステル、金属、ポリエチレン、及び/又は、所望の物理、熱、化学又は他の特性を示す他の材料から製造されうる。
【0059】
他の3Dモックレノ織物は多角形形状チャンネルを形成するために使用することができ、そして経糸の層の数は少なくとも2以上であることができることは理解されるべきである。また、幾つかの実施形態において、すべてのチャンネルが全プリフォーム厚さを通して延在していることが理解されるべきである。他の実施形態において、複数のチャンネルは全厚さを通して延在している。すなわち、所望のパターンにおいて、すべてのチャンネルがプリフォームの全厚さを通して必ずしも延在していない。
【0060】
また、3D織物プリフォームの1つの外面又は両方の外面上において、又は、複合材の1つの外面又は両方の外面上において、他方の構造は、ステッチボンディング、ピンニング、T−フォーミング(US 6,103,337を参照されたい)、機械的ボルト締め、適切な接着剤の使用などの方法又は当業者に知られている他の方法により別個の「スキン」として取り付けられていることができることが理解されるべきである。
本開示は以下の態様も包含する。
[1] 三次元(3D)織物プリフォームであって、
経糸の複数の群、
緯糸の複数の群、
を含み、前記経糸は前記緯糸と織られて、3D織物プリフォームの複数の層を有するモックレノ構造を形成し、
特定の層における経糸の第一の群は特定の層における緯糸を次の層における緯糸に結合する少なくとも1つの中央経糸の第一の組、及び、該少なくとも1つの中央経糸の第一の組の各側に1つの少なくとも2つの第一の端経糸を含み、そして、
特定の層における経糸の第二の群は特定の層における緯糸を前の層における緯糸に結合する少なくとも1つの中央経糸の第二の組、及び、該少なくとも1つの中央経糸の第二の組の各側に1つの少なくとも2つの第二の端経糸を含み、それにより、貫通厚さ方向チャンネルが多層プリフォームにおいて形成されている、三次元(3D)織物プリフォーム。
[2] 特定の層における緯糸の第一の群は特定の層における経糸を次の層における経糸に結合する少なくとも1つの中央緯糸の第一の組、及び、該少なくとも1つの中央緯糸の第一の組の各側に1つの少なくとも2つの第一の端緯糸を含み、そして、
特定の層における緯糸の第二の群は特定の層における経糸を前の層における経糸に結合する少なくとも1つの中央緯糸の第二の組、及び、該少なくとも1つの中央緯糸の第二の組の各側に1つの少なくとも2つの第二の端緯糸を含む、上記態様1記載の3D織物プリフォーム。
[3] 前記第一の端経糸及び第二の端経糸は、特定の層において、少なくとも1つの中央緯糸の第一の組の上に織られ、そして少なくとも1つの中央緯糸の第二の組の下に織られ、そして、
前記第一の端緯糸及び第二の端緯糸は、特定の層において、少なくとも1つの中央経糸の第一の組の上に織られ、そして少なくとも1つの中央経糸の第二の組の下に織られている、上記態様2記載の3D織物プリフォーム。
[4] 三次元(3D)織物プリフォームであって、
経糸の複数の群、
緯糸の複数の群、
を含み、前記経糸は前記緯糸と織られて、3D織物プリフォームの複数の層を有するモックレノ構造を形成し、
特定の層における緯糸の第一の群は特定の層における経糸を次の層における経糸に結合する少なくとも1つの中央緯糸の第一の組、及び、該少なくとも1つの中央緯糸の第一の組の各側に1つの少なくとも2つの第一の端緯糸を含み、そして、
特定の層における緯糸の第二の群は特定の層における経糸を前の層における経糸に結合する少なくとも1つの中央緯糸の第二の組、及び、該少なくとも1つの中央緯糸の第二の組の各側に1つの少なくとも2つの第二の端緯糸を含み、それにより、貫通厚さ方向チャンネルが多層プリフォームにおいて形成されている、三次元(3D)織物プリフォーム。
[5] 特定の層における経糸の第一の群は特定の層における緯糸を次の層における緯糸に結合する少なくとも1つの中央経糸の第一の組、及び、該少なくとも1つの中央経糸の第一の組の各側に1つの少なくとも2つの第一の端経糸を含み、そして、
特定の層における経糸の第二の群は特定の層における緯糸を前の層における緯糸に結合する少なくとも1つの中央経糸の第二の組、及び、該少なくとも1つの中央経糸の第二の組の各側に1つの少なくとも2つの第二の端経糸を含む、上記態様4記載の3D織物プリフォーム。
[6] 前記第一の端緯糸及び第二の端緯糸は、特定の層において、少なくとも1つの中央経糸の第一の組の上に織られ、そして少なくとも1つの中央経糸の第二の組の下に織られ、そして、
前記第一の端経糸及び第二の端経糸は、特定の層において、少なくとも1つの中央緯糸の第一の組の上に織られ、そして少なくとも1つの中央緯糸の第二の組の下に織られている、上記態様5記載の3D織物プリフォーム。
[7] 上記態様1記載の三次元(3D)織物プリフォームを含み、
該プリフォームはマトリックス材料により含浸されている、複合材。
[8] 上記態様3記載の三次元(3D)織物プリフォームを含み、
該プリフォームはマトリックス材料により含浸されている、複合材。
[9] 上記態様4記載の三次元(3D)織物プリフォームを含み、
該プリフォームはマトリックス材料により含浸されている、複合材。
[10] 上記態様6記載の三次元(3D)織物プリフォームを含み、
該プリフォームはマトリックス材料により含浸されている、複合材。
[11] 3D織物プリフォームの複数の層において経糸の群を形成すること、
3D織物プリフォームの複数の層において緯糸の群を形成すること、
前記経糸の群における経糸を前記緯糸の群における緯糸と製織することによりモックレノ構造を形成すること、
を含み、
特定の層における経糸の第一の群は特定の層における緯糸を次の層における緯糸に結合する少なくとも1つの中央経糸の第一の組、及び、該少なくとも1つの中央経糸の第一の組の各側に1つの少なくとも2つの第一の端経糸を含み、そして、
特定の層における経糸の第二の群は特定の層における緯糸を前の層における緯糸に結合する少なくとも1つの中央経糸の第二の組、及び、該少なくとも1つの中央経糸の第二の組の各側に1つの少なくとも2つの第二の端経糸を含み、それにより、貫通厚さ方向チャンネルが多層プリフォームにおいて形成される、三次元(3D)織物プリフォームの形成方法。
[12] 特定の層における緯糸の第一の群は特定の層における経糸を次の層における経糸に結合する少なくとも1つの中央緯糸の第一の組、及び、該少なくとも1つの中央緯糸の第一の組の各側に1つの少なくとも2つの第一の端緯糸を含み、そして、
特定の層における緯糸の第二の群は特定の層における経糸を前の層における経糸に結合する少なくとも1つの中央緯糸の第二の組、及び、該少なくとも1つの中央緯糸の第二の組の各側に1つの少なくとも2つの第二の端緯糸を含む、上記態様11記載の3D織物プリフォームの形成方法。
[13] 前記第一の端経糸及び第二の端経糸は、特定の層において、少なくとも1つの中央緯糸の第一の組の上に織られ、そして少なくとも1つの中央緯糸の第二の組の下に織られ、そして、
前記第一の端緯糸及び第二の端緯糸は、特定の層において、少なくとも1つの中央経糸の第一の組の上に織られ、そして少なくとも1つの中央経糸の第二の組の下に織られる、上記態様12記載の3D織物プリフォームの形成方法。
[14] 3D織物プリフォームの複数の層において経糸の群を形成すること、
3D織物プリフォームの複数の層において緯糸の群を形成すること、
前記経糸の群における経糸を前記緯糸の群における緯糸と製織することによりモックレノ構造を形成すること、
を含み、
特定の層における緯糸の第一の群は特定の層における経糸を次の層における経糸に結合する少なくとも1つの中央緯糸の第一の組、及び、該少なくとも1つの中央緯糸の第一の組の各側に1つの少なくとも2つの第一の端緯糸を含み、そして、
特定の層における緯糸の第二の群は特定の層における経糸を前の層における経糸に結合する少なくとも1つの中央緯糸の第二の組、及び、該少なくとも1つの中央緯糸の第二の組の各側に1つの少なくとも2つの第二の端緯糸を含み、それにより、貫通厚さ方向チャンネルが多層プリフォームにおいて形成される、三次元(3D)織物プリフォームの形成方法。
[15] 特定の層における経糸の第一の群は特定の層における緯糸を次の層における緯糸に結合する少なくとも1つの中央経糸の第一の組、及び、該少なくとも1つの中央経糸の第一の組の各側に1つの少なくとも2つの第一の端経糸を含み、そして、
特定の層における経糸の第二の群は特定の層における緯糸を前の層における緯糸に結合する少なくとも1つの中央経糸の第二の組、及び、該少なくとも1つの中央経糸の第二の組の各側に1つの少なくとも2つの第二の端経糸を含む、上記態様14記載の3D織物プリフォーム。
[16] 前記第一の端緯糸及び第二の端緯糸は、特定の層において、少なくとも1つの中央経糸の第一の組の上に織られ、そして少なくとも1つの中央経糸の第二の組の下に織られ、そして、
前記第一の端経糸及び第二の端経糸は、特定の層において、少なくとも1つの中央緯糸の第一の組の上に織られ、そして少なくとも1つの中央緯糸の第二の組の下に織られる、上記態様15記載の3D織物プリフォーム。
[17] 上記態様11記載の三次元(3D)織物プリフォームを形成すること、
該3D織物プリフォームをマトリックス材料により含浸すること、
を含む、複合材の形成方法。
[18] 上記態様13記載の三次元(3D)織物プリフォームを形成すること、
該3D織物プリフォームをマトリックス材料により含浸すること、
を含む、複合材の形成方法。
[19] 上記態様14記載の三次元(3D)織物プリフォームを形成すること、
該3D織物プリフォームをマトリックス材料により含浸すること、
を含む、複合材の形成方法。
[20] 上記態様16記載の三次元(3D)織物プリフォームを形成すること、
該3D織物プリフォームをマトリックス材料により含浸すること、
を含む、複合材の形成方法。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図5H
図6
図7