特許第6725801号(P6725801)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6725801
(24)【登録日】2020年6月30日
(45)【発行日】2020年7月22日
(54)【発明の名称】マルチ移植機
(51)【国際特許分類】
   A01C 11/02 20060101AFI20200713BHJP
   A01G 13/00 20060101ALI20200713BHJP
【FI】
   A01C11/02 311V
   A01G13/00 303
【請求項の数】3
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-165077(P2016-165077)
(22)【出願日】2016年8月25日
(65)【公開番号】特開2018-29544(P2018-29544A)
(43)【公開日】2018年3月1日
【審査請求日】2019年2月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱マヒンドラ農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081673
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100141483
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 生吾
(74)【代理人】
【識別番号】100166659
【弁理士】
【氏名又は名称】楠 和也
(72)【発明者】
【氏名】都田 洋三
(72)【発明者】
【氏名】宇山 昌樹
【審査官】 吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−154502(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第104067743(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01C 11/02
A01G 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行機体(3)に昇降自在に連結された植付作業機(6)と、
走行機体(3)の走行に伴って圃場面を覆うようにマルチシートを繰出すロール体(7)と、
マルチシートを切断する切断装置(36)と、
ロール体(7)からマルチシートが圃場面に繰出されていることを検出する検出手段(37)と、
植付作業機(6)の昇降作動を操作する操作具(17)と、
植付作業機(6)の昇降位置を検出するリフト角ポテンショ(74)と、
走行機体(3)の走行距離を検出する走行距離センサ(76)と、
制御部(50)とを備え、
前記切断装置(36)は、手動操作によってマルチシートを切断可能に構成され、
前記制御部(50)は、前記植付作業機(6)の圃場面への接地を検出した状態で、前記走行機体の走行を検出した場合には、前記ロール体(7)からマルチシートを圃場に敷設している状態であると判断し、該状態から前記切断装置(36)の手動操作によってマルチシートの切断が行われたことが検出された場合には、前記ロール体(7)からマルチシートを圃場に敷設していない状態であると判断するように構成され、
前記制御部は前記操作具(17)による植付作業機(6)の上昇操作が検出された際に前記ロール体(7)からマルチシートを圃場に敷設している状態であることが検出された場合には、前記植付作業機(6)を上昇作動させる前に、前記切断装置(36)を自動的に作動させ、前記操作具(17)による植付作業機(6)の上昇操作が検出された際に、前記ロール体(7)からマルチシートを圃場に敷設していない状態であることが検出された場合には、前記切断装置(36)を作動させることなく、前記植付作業機(6)を上昇作動させるシート切断制御が実行可能に構成された
マルチ移植機。
【請求項2】
前記制御部(50)は、シート切断制御の入状態と切状態とが切換可能に構成された
請求項1に記載のマルチ移植機。
【請求項3】
前記検出手段(37)は、植付作業機(6)を接地させた状態で走行機体(3)が走行していることを検出することにより、マルチシートの繰出し状態を検出するように構成された
請求項1又は2の何れかに記載のマルチ移植機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場面にマルチシートを敷設するとともに、該マルチシート上に植付作業を行うマルチ移植機に関する。
【背景技術】
【0002】
走行機体に昇降自在に連結された植付作業機と、走行機体の走行に伴って圃場面を覆うようにマルチシートを繰出すロール体と、マルチシートを切断する切断装置と、ロール体からマルチシートが圃場面に繰出されていることを検出する検出手段とを備え、圃場面側にマルチシートを敷設するとともに、該マルチシート上から植付作業をすることができる特許文献1に記載のマルチ移植機が従来公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4024417号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記文献のマルチ移植機は、走行機体の走行に伴って前記ロール体から圃場面に繰出されたマルチシートを、圃場面側に押接する押さえローラを設け、植付時にマルチシート内にエアの混入を防止できるものであるが、圃場面にマルチシートを敷設した後に、マルチシートが切断されない状態で、植付作業機が上昇作動される場合があるという課題があった。
【0005】
圃場面にマルチシートを敷設して、該マルチシート上から植付作業を行うマルチ移植機において、圃場面にマルチシートを敷設した後、植付作業機を上昇作動させる前に、前記切断装置によるマルチシートの切断をし忘れる事態をより確実に防止できるマルチ移植機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記文献によれば、走行機体3に昇降自在に連結された植付作業機6と、走行機体3の走行に伴って圃場面を覆うようにマルチシートを繰出すロール体7と、マルチシートを切断する切断装置36と、ロール体7からマルチシートが圃場面に繰出されていることを検出する検出手段37と、植付作業機6の昇降作動を操作する操作具17と、植付作業機6の昇降位置を検出するリフト角ポテンショ74と、走行機体3の走行距離を検出する走行距離センサ76と、制御部50とを備え、前記切断装置36は、手動操作によってマルチシートを切断可能に構成され、前記制御部50は、前記植付作業機6の圃場面への接地を検出した状態で、前記走行機体の走行を検出した場合には、前記ロール体7からマルチシートを圃場に敷設している状態であると判断し、該状態から前記切断装置36の手動操作によってマルチシートの切断が行われたことが検出された場合には、前記ロール体7からマルチシートを圃場に敷設していない状態であると判断するように構成され、前記制御部は前記操作具17による植付作業機6の上昇操作が検出された際に前記ロール体7からマルチシートを圃場に敷設している状態であることが検出された場合には、前記植付作業機6を上昇作動させる前に、前記切断装置36を自動的に作動させ、前記操作具17による植付作業機6の上昇操作が検出された際に、前記ロール体7からマルチシートを圃場に敷設していない状態であることが検出された場合には、前記切断装置36を作動させることなく、前記植付作業機6を上昇作動させるシート切断制御が実行可能に構成されたことを特徴としている。
【0007】
第2に、前記制御部50は、シート切断制御の入状態と切状態とが切換可能に構成されたことを特徴としている。
【0008】
第3に、前記検出手段37は、植付作業機6を接地させた状態で走行機体3が走行していることを検出することにより、マルチシートの繰出し状態を検出するように構成されたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
前記制御部のシート切断制御によれば、マルチシートが圃場面に敷設されると、植付作業機の上昇作動操作によって植付作業機が上昇作動される前に、前記切断装置によってマルチシートが自動的に切断されるため、マルチシートを切断し忘れることを確実に防止することができる。これにより、マルチシートの切断し忘れた状態で植付作業機が上昇されることで、マルチシート上に植付けられた苗を倒したり、マルチシートが引き摺られて破れたりすることを防止できる。
【0010】
また、前記制御部は、シート切断制御の入状態と切状態とが切換可能に構成されたものによれば、切断装置によるマルチシートの自動切断が必要ない場合に、シート切断制御を切状態とすることによって、切断装置が不測に作動することを防止することができる。
【0011】
また、前記切断装置は、手動操作によってマルチシートを切断可能に構成され、前記制御部によるシート切断制御は、前記操作具による植付作業機の上昇操作が検出された際に、切断装置の手動操作によってマルチシートが切断されている場合には、該切断装置を作動させることなく、植付作業機を上昇作動させるように構成したものによれば、植付作業機の上昇作動時に必ずマルチシートが切断されることを担保しつつ、前記切断装置が不要な状況で作動する事態を防止できる。
【0012】
なお、前記検出手段は、植付作業機を接地させた状態で走行機体が走行していることを検出することにより、マルチシートの繰出し状態を検出するように構成されたものによれば、マルチシートの繰出し量を検出するために別途に専用のセンサを設ける必要がなくなるため、部品点数を削減してコストを低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明のマルチ移植機の全体斜視図である。
図2】本発明のマルチ移植機の全体側面図である。
図3】操縦部を示した平面図である。
図4】油圧制御機構を示した要部側面図である。
図5】切断装置の構成を示した要部側面図である。
図6】ロール検出スイッチの構成を示した要部側面図である。
図7】本乗用田植機に搭載された制御部のブロック図である。
図8】制御部によるマルチ切断制御の処理フロー図である。
図9】制御部による作業機操作制御の処理フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1及び図2は、本発明のマルチ移植機(田植機)の全体斜視図及び全体側面図であり、図3は、操縦部を示した平面図であり、図4は、油圧制御機構を示した要部側面図である。本発明のマルチ移植機は、前輪1及び後輪2によって支持された走行機体3と、該走行機体3の後方に昇降リンク4及び伸縮作動する油圧シリンダ5を介して昇降自在に連結されている植付作業機6と、圃場に敷設されるマルチシート(以下、単にシート)をロール状にしたロール体7からシートを繰出して該シートを圃場面側に敷設するシート敷設機構8とを備えている。
【0015】
前記走行機体3は、前部に配置されたエンジンを開閉可能に覆うボンネット9と、該ボンネット9の後方にオペレータが乗込んで操向操作を行う操縦部11と、走行機体3の左右側方側に予備の前記ロール体7を保持する予備ロール保持部12とが設けられている(図1及び図2参照)。
【0016】
前記予備ロール保持部12は、前記ロール体7の後端側で、ロール体7の上面側を抑えるように湾曲形成された上面係止体12Aと、該上面係止体12Aの前部側でロール体の下面側を支持するように湾曲形成された下面支持体12Bとを備え、前記ロール体7の後部側を上下で挟むようにして保持できるように構成されている。
【0017】
該構成により、予備ロール保持部12によって走行機体3の両側方側に保持された前後方向のロール体7は、そのロール体7の前部側を持上げることで予備ロール保持部12からロール体7を容易に取外すことができるため、ロール体7の着脱をスムーズにすることができる。
【0018】
前記操縦部11は、オペレータが着座する座席13と、該座席13の前方側に配置されたステアリングハンドル14と、走行変速操作を行う変速レバー16と、植付作業機6側の昇降操作等を行う操作レバー17とが設けられている。該操作レバー17は、その上下方向操作によって、前記油圧シリンダ5を介して前記植付作業機6の昇降作動と、該植付作業機6への動力伝動を断続する植付クラッチ(図示しない)の断続とが操作されるように構成されている(図3参照)。
【0019】
前記植付作業機6は、後方下側に向かって延設されてマット苗が載置される苗載せ台18と、該苗載せ台18の下端側から苗を掻取って圃場側へ植付けるように回転作動する植付部22とを備え、前記油圧シリンダ5の伸縮作動を介して走行機体側に昇降可能に連結されている。
【0020】
図4に基づき、該油圧シリンダを伸縮作動させるための油圧制御機構について説明する。該油圧制御機構は、前記操縦部11の下方側に配置されて油圧シリンダ5の伸縮作動を制御する油圧コントロールバルブ23と、該油圧コントロールバルブ23を操作する側面視で矩形状の作動アーム24と、該作動アーム24を操作する作業機操作カム26と、該作業機操作カム26を回転駆動させる作業機操作カムモータ27と、該作業機カムモータ27が回転駆動された位置を検出する作業機操作カムポテンショ28とを備え、詳しくは後述する制御部50を介して作業機操作カムモータ27の駆動を制御することにより、前記油圧コントロールバルブ23を操作できるように構成されている。
【0021】
また、該作業機操作カム26の近傍には、植付クラッチを断続操作するクラッチアーム29が設けられており、前記作業機操作カム26(作業機操作カムモータ27)によって、油圧シリンダ5による植付作業機6の昇降作動とともに、植付作業機6への動力の断続操作も制御することができるように構成されている(図4参照)。
【0022】
すなわち、前記制御部50は、前記操作レバー17の上下一方側への揺動操作に応じて、前記作業機操作カムモータ28を介して作業機操作カム26を操作することによって、前記植付作業機6を、植付クラッチが切断され且つ植付作業機6が上昇作動する上昇状態と、植付クラッチが切断され且つ植付作業機6の昇降が停止する固定(停止)状態と、植付クラッチが切断され且つ植付作業機6が下降作動する(自動)下降状態と、植付クラッチが接続され且つ植付作業機6が最下降位置となる植付状態との何れかの状態に切換操作することができるように構成されている。詳しくは後述する。
【0023】
次に、図2乃至図6に基づき、前記シート敷設機構の具体的構成について説明する。図5は、切断装置の構成を示した要部側面図であり、図6は、ロール検出手段の構成を示した要部側面図である。
【0024】
前記シート敷設機構8は、前記植付部22の前方側で前記ロール体を横架収納するロール収納部31と、該ロール収納部31に収容されたロール体7から後方に向かって繰出されるシートをガイドするシートガイド32と、該シートガイド32の上方で上下に揺動自在に吊下された2つの円筒体からなるローラフロート33と、該ローラフロート33の後方に吊下されたシート鎮圧ローラ34と、ロール体7から繰出されたシートを切断する切断装置36と、前記ロール収納部31に収容されたロール体7からシートが繰出されているか否かを検出するロール検出手段64とを有している(図2図5及び図6参照)。
【0025】
前記ロール収納部31は、側方側に開閉可能な収納口31aが設けられるとともに、該収納口31aから前記ロール体7を出入れ自在に収納して保持する円筒状に形成され、前記植付部22の前方側に設けられている。
【0026】
前記シートガイド32は、ロール収納部31の下部側に取付けられた左右一対の支持板41の間で、ロール収容部31に沿って左右方向に延設された支持軸42と、該支持軸42から側面視で後方に向かって複数延設された逆への字状の棒状若しくは板状の部材であって、植付左右方向に複数設けられたガイド体43とから構成されている。
【0027】
前記ローラフロート33は、植付作業機6の下部側に支持された支持フレーム44と、該支持フレーム44の先端に設けた前後方向の軸受ケース46と、該軸受ケース46の前後両端に配置されたシャフト回りに回転自在に軸支されたローラ47とから構成されており、該ローラ47により、圃場面に被覆されたシートを転圧することができる(図2及び図6参照)。
【0028】
該構成により、ロール収納部31に収納されたロール体7から繰出されたシートは、前記シートガイド32上にガイドされるとともに、前記ローラフロート33(及びシート鎮圧ローラ34)によって上から押さえられるとともに、該ローラによって随時圃場面側へと繰出される。
【0029】
前記切断装置36は、前記ロール収納部31の後方側で上下揺動可能に支持されたシートを切断するためのカッタ部51と、該カッタ部51を操作するカッターモータ52と、座席13の左右側方側に配置されて該カッタ部51を手動で操作するための切断操作レバー53とを備え、前記シート鎮圧ローラ34の後方側でロール体7から繰出されているシートを切断することができる(図2及び図5参照)。
【0030】
前記カッタ部51は、植付作業機側6に取付支持された支持ブラケット54と、該支持ブラケット54の後部側で揺動軸56aを軸に上下揺動可能に支持された三角形状の揺動プレート56と、該揺動プレート56の上部側と前記ロール収納部31との間に設けた引張りスプリング57と、該揺動プレート56(の揺動軸56a)の下端側に支持されて後方に向って延設された左右一対の揺動アーム58と、一端側が揺動アーム58の後端に連結されるとともに他端側が前記カッターモータ52に連結されるインナワイヤ59a及びアウタワイヤ59bからなる操作ワイヤ59と、一対の揺動アーム58の端部側同士を連結するように設けられた左右方向のカッター61とから構成されている。
【0031】
該構成により、前記揺動アーム58の揺動端側に設けられたカッター61は、前記引張りスプリング57を介して上方位置となる待機位置Xで保持されるように付勢されている。その一方で、該カッター61は、前記カッターモータ52によって前記操作ワイヤ59が引張りスプリング57の付勢力に抗して引張られることにより、ロール体7から繰出されているシートを切断する切断位置Yに操作される(図5参照)。
【0032】
このとき、前記支持ブラケット54には、カッターモータ52によって下方揺動操作された揺動アーム58の下方揺動作動を規制する規制片62が取付けられており、揺動アーム58が切断位置Yより下方側に操作されないように構成されている。
【0033】
また、該切断装置36は、オペレータが前記切断操作レバー53を前方側に揺動操作する手動切断操作をすることにより、前記カッター61を待機位置Xから切断位置Yに作動させることができるように構成されている。
【0034】
具体的には、切断操作レバー53の揺動軸の近傍に、手動操作位置まで前方揺動操作された切断操作レバーの基端側によって押操作されるカッター操作検出スイッチ63が設けられており、前記制御部50が、該カッター操作検出スイッチ63によって切断操作レバーの手動切断操作が検出された場合に、前記切断装置36を作動させるように構成されている(図5参照)。
【0035】
前記ロール検出手段37は、図6に示されるように、植付作業機のフレーム側に固定されてロール収容部31側に延設されたアンクル状の支持ブラケット66と、該支持ブラケット66に着脱可能に支持された取付板67と、該取付板67の後部側に設けられたロール検出スイッチ64と、該取付板67の前部側に前後方向に回動可能に設けた検出体68と、前記ロール収容部31から後方下側(ローラフロート33側)に向けて延設されてロール体7から繰出されるシートの下面側をガイドするガイド体69とから構成されている。
【0036】
前記検出体68は、前後揺動可能に軸支される回動軸68cと、該回動軸68c側から前記ロール検出スイッチ64側(後方側)に向って延設される操作部68bと、該回動軸68c側から前方下側のガイド体69に向って延設された検出部68aとから構成されており、回動軸68cに設けられたトーションバネ75によって、検出体68の検出部68aがガイド体69側に当接する方向(図6で側面視時計回り)に付勢されている。
【0037】
このとき、ロール収容部31内に収容されたロール体7から繰出されるシートは、検出体68(検出部68a)とガイド体69との間を通り、その後、ローラフロート33のローラ下部側で押圧されるように構成されている(図6参照)。
【0038】
該構成によれば、図6に示されるように、ロール収容部31内のロール体7から圃場面側(ローラフロート33側)へシートが繰出されると、円筒状の収容部36aの外周面寄りからシートが繰出されるため、前記検出体68(の検出部68a側)がシートによって後方側に回動操作され、検出体68の操作部68bが前記ロール検出スイッチ64から離間するように上方回動される。
【0039】
これにより、検出体68によるロール検出スイッチ64の押操作が解除されることによって、シート敷設機構8にシートがセットされていることを検出することができる。
【0040】
なお、ロール収容部31内のロール体7からシートガイド32に亘ってシートが繰出されていない場合には、前記検出体68がトーションバネ75の付勢力によってガイド体69側に当接し、これにともなって、検出体69の操作部68bによりロール検出スイッチ64が押操作される。これにより、シート敷設機構8にシートがセットされていないことを検出できる。
【0041】
上述のように構成されるマルチ移植機は、植付作業機6が所定高さで支持されるように圃場面上に降ろした状態で、走行機体3を走行させると前記ロール体7からシートを順次後方に繰出され、圃場面をシートで被覆する。これにより、前記植付作業機6は、植付部22により苗載せ台18上のマット苗から苗を掻取り、圃場面を被覆したシートの上から植付作業を行うことができる。
【0042】
このとき、前記制御部50は、ロール収容部31に収容されたロール体7からシートが圃場面側へ繰出されている状態で、前記操作レバー17によって植付作業機6が上昇作動するように操作された場合には、油圧シリンダ5を介した植付作業機6の上昇作動が開始される前に、前記切断装置36によってシートを切断するシート切断制御が実行されるように構成されている。該制御部50の具体的な構成については後述する。
【0043】
次に、図7乃至図9に基づき、前記制御部の構成について説明する。図7は、本乗用田植機に搭載された制御部のブロック図である。前記制御部50の入力側には、作業機準備スイッチ71と、制御部50によるシート切断制御の実行のON・OFFを切換えるカッター自動スイッチ70と、前記操作レバー17による植付作業機6の上昇操作を検出する作業機操作スイッチ(上側)72と、前記操作レバー17による植付作業機6の下降操作を検出する作業機操作スイッチ(下側)73と、前記作業機操作カムポテンショ28と、前記植付作業機6の昇降位置を検出するリフト角ポテンショ74と、走行機体3の走行距離を検出する回転センサ等である走行距離センサ76と、前記ロール検出スイッチ64と、前記カッター操作検出スイッチ63とが接続されている。
【0044】
その一方で、制御部50の出力側には、前記植付作業機6の昇降作動を操作する作業機操作カムモータ27と、前記カッターモータ52とが接続されている。
【0045】
これにより、前記ロール検出スイッチ64によりシートがセットされていることを検出し、前記作業機操作カムポテンショ28、及びリフト角ポテンショ74により植付作業機の圃場面への接地を検出した状態で、前記走行距離センサ76により機体の走行を検出すると、前記制御部50は、ロール体7からシートを圃場に敷設したと判断し、その後に人為的なシート切断が行われていない状態で、前記作業機操作スイッチ(上側)72により植付作業機6の上昇操作が検出された場合には、油圧シリンダ5を介した植付作業機6の上昇作動が開始される前に、前記切断装置36によってシートを切断する前記シート切断制御として、マルチ切断制御と、作業機操作制御とを実行する。該制御部50による各制御の具体的な処理フローについては、以下説明する。
【0046】
該構成によれば、前記シート敷設機構8によって、圃場面側にシートが繰出されていることを、シートの繰出し量を直接的に検出するセンサを用いずとも、通常搭載されている検出センサ類によって検出することができるため、コストをより低く抑えることができる。
【0047】
ちなみに、前記作業機操作カムポテンショ29によって、植付作業機が植付作業を行う植付状態に切換えられた状態で所定距離走行されていることが検出された場合に、シート敷設機構8によって圃場面側にシートが敷設されている状態であることを検出する構成としても良い。
【0048】
図8は、制御部によるマルチ切断制御の処理フロー図である。該制御部は、マルチ切断制御が開始されると、ステップS1に進む。ステップS1では、前記カッター操作検出スイッチ63のON・OFFが検出され、カッター操作検出スイッチ63のOFF状態、すなわち、前記切断操作レバー53の手動操作が検出されなかった場合には、ステップS2に進む。
【0049】
ステップS2では、前記作業機準備スイッチ71のON・OFFが検出され、前記作業機準備スイッチのON状態が検出された場合には、ステップS3に進む。ステップS3では、前記カッター自動スイッチ70のON・OFFが検出され、カッター自動スイッチのON状態が検出された場合には、ステップS4に進む。
【0050】
ステップS4では、前記ロール検出スイッチ64により、ロール収容部31に収容されたロール体7からのシートの繰出し状態・非繰出し状態が検出され、ロール検出スイッチ77によりシートの繰出し状態が検出された場合には、ステップS5に進む。
【0051】
ステップS5では、上側の作業機操作スイッチ72のON・OFFが検出され、上側の作業機操作スイッチ72のON状態、すなわち、操作レバー17による植付作業機6の上昇操作が検出された場合には、ステップS6に進む。
【0052】
ステップS6では、前記作業機操作カムポテンショ28及びリフト角ポテンショ74によって、植付作業機6が(自動)下降状態以外であるか否かが検出され、植付作業機が自動下降状態以外の状態であることが検出された場合には、ステップS7に進む。
【0053】
ステップS7では、前記作業機操作カムポテンショ28及びリフト角ポテンショ74によって、植付作業機6が圃場への植付作業を行っている植付状態であるか否かが検出され、植付作業機6の植付状態が検出された場合には、ステップS9に進む。
【0054】
ステップS6において、植付作業機6が自動下降状態であることが検出された場合には、ステップS8に進む。ステップS8では、前記作業機操作カムポテンショ28及びリフト角ポテンショ74によって、植付作業機6の下降が停止した状態であるか否かが検出され、植付作業機6の下降停止状態、すなわち、植付作業機が植付作業する最下降位置まで下降していることが検出された場合には、ステップS9に進む。
【0055】
ステップS8において、植付作業機6の下降が停止していない状態が検出された場合には、その後、処理を戻す。
【0056】
ステップS9では、前記走行距離センサ76によるカウントフラグのON・OFFが検出され、走行距離センサ76によるカウントフラグがOFF状態、すなわち、ロール収容部31に収容されたロール体7から圃場面側へシートが繰出されていない状態であることが検出された場合には、ステップS10に進む。
【0057】
ステップS10では、前記走行距離センサ76による走行距離カウントを開始するとともに、カウントフラグをON状態にセットし、その後、処理を戻す。
【0058】
ステップS9において、走行距離センサ76によるカウントフラグがON状態であることが検出された場合には、ステップS11に進む。ステップS11では、該走行距離センサ76によって機体走行されている状態か否かが検出され、機体走行状態であることが検出された場合には、ステップS12に進む。ステップS11において、走行距離センサ76によって、機体走行状態が検出されなかった場合には、その後、処理を戻す。
【0059】
ステップS12では、制御部50によってマルチ敷設フラグのON・OFFが検出され、マルチ敷設フラグのOFF状態が検出された場合には、ステップS13に進む。ステップS12において、マルチ敷設フラグのON状態が検出された場合には、その後、処理を戻す。
【0060】
ステップS13では、制御部50は、マルチ敷設フラグをON状態にセットするとともに、カウントフラグをOFF状態にセットし、その後、処理を戻す。
【0061】
ステップS5において、上側の作業機操作スイッチ72のOFF状態、すなわち、操作レバー17による植付作業機6の上昇操作が検出されなかった場合には、ステップS14に進む。
【0062】
ステップS14では、制御部50によってマルチ敷設フラグのON・OFFが検出され、マルチ敷設フラグのON状態が検出された場合には、ステップS15に進む。ステップS14において、マルチ敷設フラグのOFF状態が検出された場合には、その後、処理を戻す。
【0063】
ステップS15では、前記切断装置36のカッター61によって(マルチ)シートを切断するとともに、マルチ敷設フラグをOFF状態にセットし、その後、処理を戻す。
【0064】
すなわち、マルチ敷設フラグのON状態、言い換えると、圃場面にシートを繰出しながら植付作業を行っていることが検出された場合には、操作レバー17による植付作業機6の上昇操作が検出されると、切断装置36のカッター61によってシートが自動的に切断される。このため、シートを切断し忘れた状態で植付作業機6が上昇されることによって、シートが破れたり、圃場面側のシート上に植付けられた苗を倒したりする事態を確実に防止できる。
【0065】
ステップS4において、ロール検出スイッチ64により、ロール収容部31に収容されたロール体7からのシートの非繰出し状態が検出された場合には、その後、処理を戻す。
【0066】
ステップS3において、カッター自動スイッチ70のOFF状態が検出された場合には、その後、処理を戻す。これにより、前記制御部50は、マルチ切断制御(シート切断制御)によってシートを自動切断する制御を実行する入状態と、実行しない切状態とが切換可能に構成されている。
【0067】
ステップS2において、前記作業機準備スイッチ71のOFF状態が検出された場合には、その後、処理を戻す。
【0068】
ステップS1において、カッター操作検出スイッチ63のON状態、すなわち、前記切断操作レバー53の前方揺動操作が検出された場合には、ステップS15に進み、ステップS15では、前記切断装置36のカッター61によって(マルチ)シートを切断するとともに、マルチ敷設フラグをOFF状態にセットし、その後、処理を戻す。
【0069】
すなわち、前記切断装置36は、前記切断操作レバー53を手動操作することによって、シートの切断作動が実行されるとともに、該切断操作レバー53の操作によるシートの切断が行われた場合には、前記切断装置36は、植付作業機6の上昇操作に伴って自動的にシートを切断する作動は実行されないように構成されている。
【0070】
これにより、オペレータによる前記切断操作レバー53の手動操作によって前記切断装置36のカッター61を作動させてシートが切断された場合には、その後に切断装置36を意図せずに自動的に作動する事態を確実に防止することができる。
【0071】
図9は、制御部による作業機操作制御の処理フロー図である。該制御部は、作業機操作制御が開始されると、ステップS21に進む。ステップS21では、下側の作業機操作スイッチ73のON・OFFが検出され、下側の作業機操作スイッチ73のON状態、すなわち、操作レバー17による植付作業機6の下降操作が検出された場合には、ステップS22に進む。
【0072】
ステップS22では、前記作業機準備スイッチ71のON・OFFが検出され、前記作業機準備スイッチ71のON状態が検出された場合には、ステップS3に進む。ステップS3では、前記作業機操作カムポテンショ28及びリフト角ポテンショ74によって、植付作業機6が上昇作動されている状態か否かが検出され、植付作業機6の上昇状態以外の状態が検出された場合には、ステップS24に進む。
【0073】
ステップS24では、前記作業機操作カムポテンショ28及びリフト角ポテンショ74によって、植付作業機6が自動下降状態か否かが検出され、植付作業機6の自動下降状態が以外の状態、すなわち、植付作業機6の固定状態又は植付状態が検出された場合には、ステップS25に進む。
【0074】
ステップS25では、前記作業機操作カムポテンショ28及びリフト角ポテンショ74によって、植付作業機6の固定状態が検出された場合には、ステップS26に進み、ステップS26では、植付作業機6をその自重によって下降する状態である自動下降状態にセットし、その後、処理を戻す。
【0075】
ステップS25において、植付作業機6が植付状態であることが検出された場合には、その後、処理を戻す。
【0076】
ステップS24において、植付作業機6が自動下降状態であることが検出された場合には、ステップS27に進む。ステップS27では、前記リフト角ポテンショ74によって、植付作業機6の自動下降が停止している状態、すなわち、最下降位置に到達していることが検出された場合には、ステップS28に進む。
【0077】
ステップS28では、植付作業機6を圃場への植付作業を行う植付状態にセットし、その後、処理を戻す。
【0078】
ステップS27において、植付作業機6の自動下降が停止していない状態、すなわち、植付作業機6が下降作動中であることが検出された場合には、ステップS29に進む。ステップS29では、前記制御部50は、植付作業機6が最下降位置まで下降作動された後に植付クラッチを入にする、植付クラッチ入待ち状態にセットし、その後、処理を戻す。
【0079】
ステップS23において、植付作業機6が上昇作動している状態が検出された場合には、ステップS30に進む。ステップS30では、植付作業機6を昇降作動が停止された固定状態にセットし、その後、処理を戻す。
【0080】
ステップS22において、前記作業機準備スイッチ71のOFF状態が検出された場合には、ステップS31に進む。ステップS31では、前記リフト角ポテンショ74によって、植付作業機6が上昇作動している状態か否かが検出され、植付作業機6が上昇作動している状態以外の状態が検出された場合には、ステップS32に進む。
【0081】
ステップS31において、植付作業機6が上昇作動している状態が検出された場合には、ステップS30に進み、植付作業機6を昇降作動が停止された固定状態にセットし、その後、処理を戻す。
【0082】
ステップS32では、前記リフト角ポテンショ74によって、植付作業機6が固定状態か否かが検出され、植付作業機6が昇降作動していない固定状態であることが検出された場合には、ステップS33に進む。ステップS33では、植付作業機6を下降作動する状態である自動下降状態にセットにし、その後、処理を戻す。
【0083】
ステップS32において、植付作業機6が固定状態以外の状態であることが検出された場合には、その後、処理を戻す。
【0084】
すなわち、前記制御部50は、前記操作レバー17によって植付作業機6の下降操作が行われると、植付作業機の昇降作動が停止した固定状態の場合には、植付作業機が自動下降状態に切換えられ、植付作業機が最下降位置で停止されている場合には、植付作業機が植付作業を行う植付状態に切換えられ、植付クラッチが下降作動中であった場合には、前記植付クラッチ入待ち状態に切換えられ、植付作業機が上昇作動中であった場合には、上昇作動を停止して固定状態に切換えられるように構成されている。
【0085】
ステップS21において、下側の作業機操作スイッチ73のOFF状態、すなわち、操作レバー17による植付作業機6の下降操作が検出されなかった場合には、ステップS34に進む。
【0086】
ステップS34では、上側の作業機操作スイッチ72のON・OFFが検出され、上側の作業機操作スイッチ72のON状態、すなわち、操作レバー17による植付作業機の上昇操作が検出された場合には、ステップS35に進む。
【0087】
ステップS35では、前記作業機操作カムポテンショ28及びリフト角ポテンショ74によって、植付作業機6が上昇作動している状態か否かが検出され、植付作業機6が上昇作動している状態以外の状態が検出された場合には、ステップS36に進む。
【0088】
ステップS36では、前記作業機操作カムポテンショ28及びリフト角ポテンショ74によって、植付作業機6が自動下降状態か否かが検出され、植付作業機6が自動下降状態以外の状態、すなわち、植付作業機6が植付状態又は固定状態であることが検出された場合には、ステップS37に進む。
【0089】
ステップS37では、前記作業機操作カムポテンショ28及びリフト角ポテンショ74によって、植付作業機6が植付作業を行う植付状態か否かが検出され、植付作業機6の植付状態が検出された場合には、ステップS38に進む。ステップS38では、前記植付作業機を自動下降状態にセットし、その後、処理を戻す。
【0090】
ステップS37において、植付作業機6の昇降作動が停止した固定状態が検出された場合には、ステップS39に進む。ステップS39では、植付作業機6を上昇作動する上昇状態にセットし、その後、処理を戻す。
【0091】
ステップS36において、植付作業機6が自動下降状態であることが検出された場合には、ステップS40に進む。ステップS40では、前記リフト角ポテンショ74によって、植付作業機6の下降作動が停止している状態、すなわち、植付作業機が最下降位置まで下降されているか否かが検出され、植付作業機6の下降作動が停止している状態が検出された場合には、ステップS41に進む。
【0092】
ステップS41では、制御部50によってマルチ敷設フラグのON・OFFが検出され、マルチ敷設フラグのON状態が検出された場合には、ステップS42に進む。ステップS42では、前記植付作業機6を、前記マルチ切断制御によってシートが自動切断されるまで植付作業機6の上昇作動が停止される作業機上昇待ち状態にセットし、その後、処理を戻す。
【0093】
ステップS41において、マルチ敷設フラグのOFF状態が検出された場合には、ステップS39に進み、植付作業機6を上昇作動する上昇状態にセットし、その後、処理を戻す。
【0094】
ステップS40において、植付作業機6の下降作動が継続している状態が検出された場合には、植付作業機6を昇降作動が停止した固定状態にセットし、その後、処理を戻す。
【0095】
ステップS34において、上側の作業機操作スイッチ72のOFF状態、すなわち、操作レバー17による植付作業機6の上昇操作及び下降操作の何れも検出されなかった場合には、ステップS44に進む。
【0096】
ステップS44では、植付作業機6が植付クラッチ入待ち状態であるか否かが検出され、植付クラッチ入待ち状態であることが検出された場合には、ステップS45に進む。ステップS45では、前記リフト角ポテンショ74によって、植付作業機6の下降作動が停止している状態、すなわち、植付作業機6が植付作業を行う最下降位置まで下降されて下降動作が停止している状態であるか否かが検出され、植付作業機6の下降作動が停止した状態が検出された場合には、ステップS46に進む。
【0097】
ステップS46では、植付作業機6を植付作業が実行される植付状態にセットし、その後、処理を戻す。ステップS45において、植付作業機6の下降作動が停止した状態が検出されなかった場合には、その後、処理を戻す。
【0098】
ステップS44において、植付クラッチ入待ち状態であることが検出されなかった場合には、ステップS47に進む。ステップS47では、植付作業機6が作業機上昇待ち状態か否かが検出され、作業機上昇待ち状態が検出された場合には、ステップS48に進む。
【0099】
ステップS48では、制御部50によってマルチ敷設フラグのON・OFFが検出され、マルチ敷設フラグのOFF状態が検出された場合には、ステップS49に進む。ステップS49では、植付作業機を上昇作動する上昇状態にセットし、その後、処理を戻す。
【0100】
ステップS48において、マルチ敷設フラグのON状態が検出された場合には、その後、処理を戻す。
【0101】
ステップS47において、植付作業機6の作業機上昇待ち状態が検出されなかった場合には、その後、処理を戻す。
【0102】
すなわち、前記制御部50は、前記操作レバー17によって植付作業機6の上昇操作が行われると、前記植付作業機6が植付作業中(植付状態)であった場合には、植付作業機6が自動下降状態に切換えられ、植付作業機が昇降作動が停止した固定状態であった場合には、植付作業機6が上昇作動する上昇状態に切換えられ、植付作業機6が下降作動中であった場合には、植付作業機の下降作動を停止させた固定状態に切換えられる。
【0103】
また、前記マルチ切断制御によって、マルチ敷設フラグがON状態、すなわち、ロール検出スイッチ54によって、シートが繰出された状態であることが検出されている場合には、作業機上昇待ち状態にセットされることで、シートが切断されるまで植付作業機6の上昇作動されない状態となる(S42)。
【符号の説明】
【0104】
3 走行機体
6 植付作業機
7 ロール体
17 操作レバー(操作具)
36 切断装置
37 ロール検出手段(検出手段)
50 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9