(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
板状の電子機器には、一方の面に備えられたディスプレイに加え、他方の面に撮影を行う撮影部を備えたものがある。このような電子機器を用いて撮影を行う際、カバーが撮影を行うための台座に変形することについては、考慮されていなかった。よって、電子機器を用いて撮影を行うには、撮影者が電子機器を手で持つ必要があった。このため、電子機器を用いて撮影を行うための台座に変形することが可能な技術が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
互いに略平行な2つの辺を備えた外形を有する板状の電子機器を覆うカバーであって、
前記電子機器は、一方の面である背面に、窓から外部の光を取得して写真を撮影することができる撮影部を備え、
前記カバーは、
前記電子機器における前記背面の側を覆い、前記背面のうち少なくとも一部を保持可能に構成されるとともに、前記2つの辺に略平行な方向を向いた軸を第1の回転軸として少なくとも一部が前記電子機器に対して回転可能である板状の背面被覆部と、
前記電子機器における前記背面とは反対方向である正面の側を覆い、前記背面被覆部と直接的または間接的に接続されているとともに、前記第1の回転軸と略平行な方向を向いた軸を第2の回転軸として回転可能に接続されている板状の正面被覆部と、
前記電子機器における前記2つの辺のうち一方の辺に配される部分と、を備え、
前記電子機器を挟んで前記背面の側に前記背面被覆部が位置するとともに前記正面の側に前記正面被覆部が位置することによって、前記背面被覆部と、前記正面被覆部と、前記電子機器とが略平行な状態である第1の状態と、
前記電子機器における
前記一方の辺が前記正面被覆部に支持された状態であって、かつ、前記電子機器と前記正面被覆部とのなす角度のうち前記正面の側の角度が90度未満の位置に配された状態で、前記一方の辺が前記正面被覆部上において支持される第2の状態と、を取りうるように構成され、
前記一方の辺に配される部分と、前記第2の状態において前記一方の辺を支持する前記正面被覆部上と、のうちの一方に磁石を備え、他方に磁石に吸引され金属を備え、
前記背面被覆部は、前記第2の状態において、少なくとも前記背面に垂直な方向に前記窓を投影したときに重なる部分を避けて前記背面の側を覆うよう形成されている、カバー。
【0006】
(1)本発明の一形態によれば、カバーが提供される。このカバーは、互いに略平行な2つの辺を備えた外形を有する板状の電子機器を覆うカバーであって、前記電子機器は、一方の面である背面に、窓から外部の光を取得して写真を撮影することができる撮影部を備え、前記カバーは、前記電子機器における前記背面の側を覆い、前記背面のうち少なくとも一部を保持可能に構成されるとともに、前記2つの辺に略平行な方向を向いた軸を第1の回転軸として少なくとも一部が前記電子機器に対して回転可能である板状の背面被覆部と、前記電子機器における前記背面とは反対方向である正面の側を覆い、前記背面被覆部と直接的または間接的に接続されているとともに、前記第1の回転軸と略平行な方向を向いた軸を第2の回転軸として回転可能に接続されている板状の正面被覆部と、を備え、前記電子機器を挟んで前記背面の側に前記背面被覆部が位置するとともに前記正面の側に前記正面被覆部が位置することによって、前記背面被覆部と、前記正面被覆部と、前記電子機器とが略平行な状態である第1の状態と、前記電子機器における前記2つの辺のうち一方の辺が前記正面被覆部に支持された状態であって、かつ、前記電子機器と前記正面被覆部とのなす角度のうち前記正面の側の角度が90度未満の位置に配された状態で、前記一方の辺が前記正面被覆部上において支持される第2の状態と、を取りうるように構成され、前記背面被覆部は、前記第2の状態において、少なくとも前記背面に垂直な方向に前記窓を投影したときに重なる部分を避けて前記背面の側を覆うよう形成されている。この形態によれば、カバーが第2の状態であって正面被覆部が水平面と略平行な面上におかれているとき、カバーは、撮影部を水平方向よりも上に向かせた状態で電子機器を支持できる台座として機能できる。また、撮影部における窓が向いた方向を避けて背面被覆部が形成されていることから、カバーが第2の状態であるとき、電子機器は背面被覆部に妨げられることなく撮影をすることができる。すなわち、上記形態によれば、電子機器を用いて撮影を行うための台座に変形することが可能なカバーが提供される。このため、撮影者は、電子機器を置いた状態で撮影を行うことができる。また、カバーが第1の状態であるとき、電子機器における背面側は背面被覆部に覆われるとともに電子機器における正面側は正面被覆部に覆われることによって、電子機器を摩擦および衝撃から保護できる。
【0007】
(2)上記形態におけるカバーにおいて、前記背面被覆部のうち前記第1の回転軸から前記正面被覆部と接続している第1の側は、前記第1の回転軸を軸として回転可能であるとともに、前記背面被覆部のうち前記第1の側とは反対の側である第2の側は、前記電子機器に固定されており、前記第2の側における前記背面被覆部は、前記第2の状態において、少なくとも前記背面に垂直な方向に前記窓を投影したときに重なる部分を避けて前記背面の側を覆うよう形成されていてもよい。この形態によれば、背面被覆部において回転可能な第1の側と電子機器とのなす角度によらず、背面被覆部において電子機器に固定されている第2の側と電子機器とのなす角度は変わらない。このため、第2の状態において電子機器の背面に垂直な方向に窓を投影したときに重なる部分を避けられるように背面被覆部を形成することを考慮した場合、背面被覆部全体が電子機器に対して回転可能な態様に比べて、背面被覆部のうち重なる部分を避けるための領域を小さく設定することができる。
【0008】
(3)本発明の他の形態によれば、カバーが提供される。このカバーは、互いに略平行な2つの辺を備えた外形を有する板状の電子機器を覆うカバーであって、前記電子機器は、一方の面である背面に、窓から外部の光を取得して写真を撮影することができる撮影部を備え、前記カバーは、前記電子機器における前記背面の側を覆い、前記背面のうち少なくとも一部を保持可能に構成されるとともに、前記2つの辺に略平行な方向を向いた軸を第1の回転軸として少なくとも一部が前記電子機器に対して回転可能である板状の背面被覆部と、前記電子機器における前記背面とは反対方向である正面の側を覆い、前記背面被覆部と直接的または間接的に接続されているとともに、前記第1の回転軸と略平行な方向を向いた軸を第2の回転軸として回転可能に接続されている板状の正面被覆部と、を備え、前記電子機器を挟んで前記背面の側に前記背面被覆部が位置するとともに前記正面の側に前記正面被覆部が位置することによって、前記背面被覆部と、前記正面被覆部と、前記電子機器とが略平行な状態である第1の状態と、前記電子機器における前記2つの辺のうち一方の辺が前記正面被覆部に支持された状態であって、かつ、前記電子機器と前記正面被覆部とのなす角度のうち前記正面の側の角度が90度未満の位置に配された状態で、前記一方の辺が前記正面被覆部上において支持される第2の状態と、を取りうるように構成され、前記背面被覆部は、前記第2の状態において、少なくとも前記背面に垂直な方向に前記窓を投影したときに重なる部分に前記背面被覆部が配置されていない位置に、前記窓が位置するように前記電子機器を移動可能に保持している。この形態によれば、カバーが第2の状態であって正面被覆部が水平面と略平行な面上におかれているとき、カバーは、撮影部を水平方向よりも上に向かせた状態で電子機器を支持できる台座として機能できる。また、背面に垂直な方向に撮影部における窓を投影したときに重なる部分に背面被覆部が配置されていない位置に、撮影部における窓を移動可能に電子機器を保持していることから、カバーが第2の状態であるとき、電子機器は背面被覆部に妨げられることなく撮影をすることができる。すなわち、上記形態によれば、電子機器を用いて撮影を行うための台座に変形することが可能なカバーが提供される。また、カバーが第1の状態であるとき、電子機器における背面側は背面被覆部に覆われるとともに電子機器における正面側は正面被覆部に覆われることによって、電子機器を摩擦および衝撃から保護できる。
【0009】
(4)上記形態におけるカバーにおいて、前記電子機器は、前記正面に、画像を表示することができる画像表示部を備え、前記カバーは、さらに、前記電子機器における前記2つの辺のうち前記一方の辺が前記正面被覆部に支持された状態であって、かつ、前記電子機器と前記正面被覆部とのなす角度のうち前記正面の側の角度が90度を超える位置に配された状態で、前記一方の辺が前記正面被覆部上において支持される第3の状態を取りうるように構成される。この形態によれば、カバーが第3の状態であって正面被覆部が水平面と略平行な面上に置かれているとき、カバーは、画像表示部を水平方向よりも上に向かせた状態で電子機器を保持できる台座として機能できる。すなわち、電子機器を用いて画像表示部を見るための台座に変形することが可能なカバーが提供される。
【0010】
(5)上記形態におけるカバーにおいて、前記正面被覆部は、前記背面被覆部と接続されている方向とは反対方向の端から突出した状態を取りうる板状の拡張部を有してもよい。この形態によれば、カバーが第2の状態であって撮影者が正面被覆部を重力方向上側にしてカバーを持って撮影を行うとき、正面の側の日除けとして機能する正面被覆部の面積を拡張できる。このため、重力方向上側からの外来光が電子機器の正面に反射するのを防ぐことによって、撮影者が電子機器における正面を見やすくなる。
【0011】
本発明の形態は、カバーに限るものではなく、例えば、カバーを備えた電子機器などの種々の形態に適用することも可能である。また、本発明は、前述の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において様々な形態で実施し得ることは勿論である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
A.第1実施形態:
図1は、第1実施形態におけるカバー200が装着される電子機器100を示す説明図である。
図1には、相互に直交するXYZ軸が図示されている。X軸は、電子機器100の短手方向において右側面から左側面に向かう方向がプラスとなり、Y軸は、電子機器100の長手方向において下側面から上側面に向かう方向がプラスとなり、Z軸は、電子機器100の厚み方向において背面130から正面110に向かう方向がプラスとなる。
図1のXYZ軸は、他の図のXYZ軸に対応する。
【0014】
電子機器100は、板状の部材であって、通話機能および撮影機能を有するいわゆるスマートフォンである。電子機器100は、正面110と、側面120と、側面122と、側面124と、側面126と、背面130とを備える。
【0015】
正面110は、XY平面に沿うとともにZ軸方向の+側を向いた面である。正面110は、画像を表示するとともにその画像上で利用者から指示の入力を受け付けるタッチパネル112を有する。タッチパネル112は、動画や静止画等のコンテンツを映すための画面としても使用できる。本実施形態では、タッチパネル112は、撮影を行う際、カメラ138が撮影する画面を映すとともに、撮影の実行を指示できるボタンを表示する。
【0016】
側面120と、側面122と、側面124と、側面126とは、正面110と背面130との間を繋ぐ面である。側面120は、YZ平面に沿うとともにX軸方向の+側を向いた面である。側面122は、YZ平面に沿うとともにX軸方向の−側を向いた面である。側面124は、XZ平面に沿うとともにY軸方向の+側を向いた面である。側面126は、XZ平面に沿うとともにY軸方向の−側を向いた面である。
【0017】
側面120と側面122とは略平行な2つの面である。側面124と側面126とは略平行な2つの面である。すなわち、電子機器100は、互いに略平行な2つの面を2組(側面120と側面122、側面124と側面126)備えた外形を有する。尚、本実施形態における「略平行」とは、比較する2つの方向が向いた角度が、好ましくは5度のズレの範囲以内である。
【0018】
図2は、電子機器100の背面130側を示す説明図である。背面130は、XY平面に沿うとともにZ軸方向の−側を向いた面である。背面130は、カメラ138を備える。カメラ138は、背面130のうち、Y軸方向の+側寄りであって、かつ、X軸方向の−側寄りに配置されている。カメラ138は、その窓から外部の光を取得して写真を撮影することができる。
【0019】
図3は、第1実施形態におけるカバー200が電子機器100に装着されている状態を示す説明図である。カバー200は、電子機器100に装着することができるとともに電子機器100を被覆できる部材である。カバー200は、正面被覆部210と、薄厚部215と、接続部220と、薄厚部225と、背面被覆部230とを備える。
【0020】
正面被覆部210は、板状の部材であって、電子機器100における正面110を覆うことができる。正面被覆部210は、接続部220に対して、回転軸215Sを軸として回転可能に接続されている。また、正面被覆部210は、接続部220を介して、間接的に背面被覆部230と接続されている。
【0021】
薄厚部215は、正面被覆部210と接続部220とが接続している部分であって、正面被覆部210および接続部220と比べて厚さが薄く形成されていることによって、接続部220に対して正面被覆部210を回転可能に接続している。薄厚部215は、回転軸215Sを有する。回転軸215Sは、Y軸方向に伸びた軸であって、接続部220に対して回転可能に接続された正面被覆部210の回転軸である。
【0022】
接続部220は、板状の部材であって、電子機器100における側面120の側を覆うことができる。接続部220は、正面被覆部210と背面被覆部230とを接続している。接続部220と接続している背面被覆部230の部分は、第1の部分234である。第1の部分234は、接続部220に対して、回転軸225Sを軸として回転可能に接続されている。
【0023】
薄厚部225は、接続部220と第1の部分234とが接続している部分であって、接続部220および第1の部分234と比べて厚さが薄く形成されていることによって、接続部220に対して第1の部分234を回転可能に接続している。薄厚部225は、回転軸225Sを有する。回転軸225Sは、Y軸方向に伸びた軸であって、接続部220に対して回転可能に接続された第1の部分234の回転軸である。
【0024】
背面被覆部230は、板状の部材であって、電子機器100における背面130を覆うことができるとともに、電子機器100における背面130の一部を保持可能に構成されている。本実施形態では、背面被覆部230は、背面130のX軸方向の−側寄りの部分を保持可能に構成されている。背面被覆部230は、第1の部分234と、薄厚部235と、第2の部分236とを備える。
【0025】
第1の部分234は、背面被覆部230のうちX軸方向の+側における部分であって、背面被覆部230のうち接続部220と接続している部分である。第1の部分234は、接続部220と接続している部分とは反対側において、第2の部分236に対して、回転軸235Sを軸として回転可能に接続している。
【0026】
薄厚部235は、第1の部分234と第2の部分236とが接続している部分であって、第1の部分234および第2の部分236と比べて厚さが薄く形成されていることによって、第2の部分236に対して第1の部分234を回転可能に接続している。薄厚部235は、回転軸235Sを有する。回転軸235Sは、Y軸方向に伸びた軸であって、第2の部分236に対して回転可能に接続された第1の部分234の回転軸である。
【0027】
第2の部分236は、背面被覆部230のうちX軸方向の−側における部分であって、電子機器100が固定される部分である。第2の部分236は、背面被覆部230において、背面130の一部を保持可能に構成されている部分である。本実施形態では、第2の部分236のうち電子機器100の側を向いた面上に、電子機器100を保持するための粘着部材(図示しない)が備えられている。第2の部分236は、貫通孔238を有する。
【0028】
貫通孔238は、カバー200が電子機器100に装着されている状態において、カメラ138と向き合う部分に配される。貫通孔238は、Z軸方向にカメラ138の窓を投影したときに重なる部分を避けて形成された孔である。本実施形態では、貫通孔238は、カメラ138の窓を投影したときに重なる部分だけでなく、カメラ138が撮影するときに発光する発光部(図示しない)および発光部の照射範囲を避けて形成された孔である。
【0029】
図3では、カバー200は、電子機器100を挟んで背面130の側に背面被覆部230が位置させるとともに正面110の側に正面被覆部210が位置させることによって、背面被覆部230と、正面被覆部210と、電子機器100とが略平行な状態になっている。この状態を、第1の状態とする。
【0030】
図4は、第2の状態を取っているカバー200を説明した説明図である。
図4では、カバー200における正面被覆部210は、水平面と略平行な面上に置かれている。カバー200は、電子機器100における側面120が正面被覆部210に支持されて側面122が正面被覆部210に支持されていない状態であって、かつ、電子機器100と正面被覆部210とのなす角度のうち正面110の側の角度Aが90度未満の位置に配された状態で、側面120が正面被覆部210のX軸方向の−側を向いた面上において支持される状態になっている。この状態を、第2の状態とする。
【0031】
本実施形態では、側面120は、正面被覆部210のX軸方向の−側を向いた面上に備えられた窪み部212に嵌まることによって支持される。また、90度未満の範囲において角度Aが調整できるよう、正面被覆部210のX軸方向の−側を向いた面上に、複数の窪み部212が備えられていてもよい。他の実施形態では、側面120は、正面被覆部210のX軸方向の−側を向いた面上に備えられた粘着部材によって支持されてもよい。
【0032】
図5は、第3の状態を取っているカバー200を説明した説明図である。
図5では、カバー200における正面被覆部210は、水平面と略平行な面上に置かれている。カバー200は、電子機器100における側面120が正面被覆部210に支持されて側面122が正面被覆部210に支持されていない状態であって、かつ、電子機器100と正面被覆部210とのなす角度のうち正面110の側の角度Aが90度を超える位置に配された状態で、側面120が正面被覆部210のX軸方向の−側を向いた面上において支持される状態になっている。この状態を、第3の状態とする。本実施形態では、側面120は、正面被覆部210のX軸方向の−側を向いた面上に備えられた窪み部213に嵌まることによって支持される。
【0033】
以上説明した実施形態によれば、カバー200が第2の状態であって正面被覆部210が水平面と略平行な面上におかれているとき、カバー200は、カメラ138を水平方向よりも上に向かせた状態で電子機器100を支持できる台座として機能できる。また、カメラ138における窓が向いた方向を避けて貫通孔238が形成されていることから、カバー200が第2の状態であるとき、電子機器100は背面被覆部230に妨げられることなく撮影をすることができる。すなわち、電子機器100を用いて撮影を行うための台座に変形することが可能なカバー200が提供される。また、カバー200が第1の状態であるとき、電子機器100における背面130の側は背面被覆部230に覆われるとともに電子機器における正面110側は正面被覆部210に覆われることによって、電子機器100を摩擦および衝撃から保護できる。
【0034】
また、カバー200が第3の状態であって正面被覆部210が水平面と略平行な面上に置かれているとき、カバー200は、タッチパネル112を水平方向よりも上に向かせた状態で電子機器100を保持できる台座として機能できる。すなわち、電子機器100を用いて動画を映すための画面として機能するタッチパネル112を見るための台座に変形することが可能なカバー200が提供される。
【0035】
また、第1の部分234と電子機器100とのなす角度によらず、第2の部分236と電子機器100とのなす角度は変わらない。このため、第2の状態においてZ軸方向にカメラ138の窓を投影したときに重なる部分を避けて背面被覆部230を形成することを考慮した場合、背面被覆部全体が電子機器に対して回転可能な形態に比べて、背面被覆部230のうち重なる部分を避けるための領域を小さく設定することができる。本実施形態では、背面被覆部230のうち重なる部分を避けるための領域とは、貫通孔238のことである。
【0036】
本実施形態では、第2の部分236のうち電子機器100の側を向いた面上に備えられた粘着部材(図示しない)によって、電子機器100は保持されている。このため、電子機器100と第2の部分236とは密着していることからも、第2の状態においてZ軸方向にカメラ138の窓を投影したときに重なる部分を避けて背面被覆部230を形成する際に、背面被覆部230のうち重なる部分を避けるための領域を小さく設定することができる。
【0037】
図6は、第2の状態をとっているカバー200について、正面被覆部210を重力方向上側(電子機器100における側面120も重力方向上側となる。
図4を上下逆転させた状態。)にした状態を示した説明図である。撮影者が正面被覆部210を重力方向上側にしてカバー200を持って撮影を行うとき、正面被覆部210は、画面として機能するタッチパネル112の日除けとして機能した状態で固定される。ここでいう日除けとは、重力方向上側からの外来光がタッチパネル112に反射するのを防ぐことによって、撮影者がタッチパネル112の画面を見やすくするということである。
【0038】
撮影者が正面被覆部を重力方向上側にしてカバーを持って撮影を行うとき、正面被覆部が固定されず手で保持されていなければ正面被覆部が第1の状態の位置に移動しようとするカバーでは、正面被覆部を手で保持していないと正面被覆部が日除けとして利用できない。また、正面被覆部を手で保持していないと正面被覆部が第1の状態の位置に移動しようとするため、撮影者がタッチパネルを見ることを正面被覆部が妨げる場合がある。一方、本実施形態のカバー200では、撮影者が正面被覆部210を重力方向上側にしてカバー200を持って撮影を行うとき、正面被覆部を手で保持していなくても固定されて日除けとして機能するとともにタッチパネル112を見ることの妨げとならないため、カバー200を片手で持って撮影できる。そのため、カバー200を持たないもう一方の手で撮影対象とのコミュニケーションが取りやすい。また、屋外で撮影を行いながらタッチパネルを操作するような、いわゆる拡張現実(AR:Augmented Reality)を利用したアプリケーションにおいても操作性を向上することができる。
【0039】
B.第2実施形態:
図7は、第2の状態を取っているカバー200aを説明した説明図である。カバー200aは、第1実施形態における背面被覆部230に代えて背面被覆部230aを備える点と、保持部材300を備える点を除き、第1実施形態におけるカバー200と同様である。
【0040】
背面被覆部230aは、板状の部材であって、電子機器100における背面130を覆うことができるとともに、電子機器100における背面130の全体を保持可能に構成されている。背面被覆部230aは、板状部材234aを備える。
【0041】
板状部材234aは、背面被覆部230aのうち接続部220と接続している部分である。板状部材234aは、受入部237と、貫通孔238aとを有する。受入部237は、板状部材234aのZ軸方向の+側の面において、保持部材300における板状部分330を受け入れるために窪んだ部分である。受入部237については、カバー200aに必須の構成ではない。貫通孔238aは、Z軸方向にカメラ138の窓を投影したときに重なる部分を避けて形成された孔である。
【0042】
カバー200aは、保持部材300を備える。カバー200aでは、背面被覆部230aは、保持部材300を介して、電子機器100における背面130を保持できる。保持部材300は、電子機器100における背面130の全体を保持できる。保持部材300は、背面130と、側面120と、側面122と、側面124におけるX軸方向の+側の端部およびX軸方向の−側の端部と、側面126におけるX軸方向の+側の端部およびX軸方向の−側の端部とを覆うことによって、電子機器100における背面130の全体を保持できる。保持部材300が覆っている電子機器100の部分は、
図5においてハッチングが付された部分で示してある。保持部材300は、板状部分330と、貫通孔338と、軸部材340とを備える。
【0043】
板状部分330は、保持部材300が覆っている電子機器100の部分のうち背面130を覆っている部分である。貫通孔338は、保持部材300が電子機器100に装着されている状態において、カメラ138と向き合う部分に配される。貫通孔338は、Z軸方向にカメラ138の窓を投影したときに重なる部分を避けて形成された孔である。
【0044】
軸部材340は、板状部分330のX軸方向の−側における端部に配され、Y軸方向に伸びた軸である。軸部材340は、受入部237のY軸方向の+側における端部に取り付けられていることによって、板状部材234aに対して板状部分330を回転可能に接続している。軸部材340は、板状部材234aに対して回転可能に接続された板状部分330の回転軸である。
【0045】
板状部分330と板状部材234aとのなす角度によってカメラ138の窓が向いている方向が変化する。このため、角度Aが第2の状態である範囲内においては、貫通孔238aは、Z軸方向にカメラ138の窓を投影したときに重なる部分を避けるために、貫通孔338より大きく形成されている。
【0046】
尚、カバー200aが第2の状態を取っているとき、電子機器100における側面120は、保持部材300を介して、正面被覆部210に支持されている。第1実施形態では、側面120は正面被覆部210に直接支持されていたが、本発明はこれに限られず、第2実施形態のように、側面120が正面被覆部210に間接的に支持されてもよい。
【0047】
C.第3実施形態:
図8は、第2の状態を取っているカバー200bを説明した説明図である。カバー200bは、第2実施形態における背面被覆部230aに代えて背面被覆部230bを備える点と、保持部材300に代えて保持部材300bを備える点とを除き、第2実施形態におけるカバー200aと同様である。
【0048】
背面被覆部230bは、貫通孔を備えていない。保持部材300bにおける軸部材340bは、背面被覆部230bに対して回転可能に接続された板状部分330の回転軸であるとともに、背面被覆部230bに対してY軸方向に摺動可能に接続されている。
【0049】
カバー200bにおける背面被覆部230bは、第2の状態において、Z軸方向にカメラ138の窓を投影したときに重なる部分に背面被覆部230bが配置されていない位置に、カメラ138の窓が位置するように電子機器100を移動可能に、保持部材300bを介して、電子機器100を保持している。
【0050】
このため、カバー200bが第2の状態であって正面被覆部210が水平面と略平行な面上におかれているとき、カバー200bは、カメラ138を水平方向よりも上に向かせた状態で電子機器を支持できる台座として機能できる。また、Z軸方向にカメラ138の窓を投影したときに重なる部分に背面被覆部230bが配置されていない位置に、カメラ138の窓を移動可能に電子機器100を保持していることから、カバー200bが第2の状態であるとき、電子機器100は背面被覆部230bに妨げられることなく撮影をすることができる。すなわち、電子機器100を用いて撮影を行うための台座に変形することが可能なカバーが提供される。
【0051】
また、カバー200bにおける背面被覆部230bは、第1の状態において、背面被覆部230bに垂直な方向から背面被覆部230bを投影したときに重なる部分から内側の位置に電子機器100を移動可能に、保持部材300bを介して、電子機器100を保持している。このため、電子機器100における背面130側は背面被覆部230bに覆われるとともに電子機器100における正面110側は正面被覆部210に覆われることによって、カバー200bは、電子機器100を摩擦および衝撃から保護できる。
【0052】
D.第4実施形態:
図9は、第2の状態を取っているカバー200cを説明した説明図である。カバー200cは、第1実施形態における背面被覆部230に代えて背面被覆部230cを備える点と、支持部材400および回転軸415を備える点とを除き、第1実施形態におけるカバー200と同様である。
【0053】
背面被覆部230cは、電子機器100の側を向いた面上に、電子機器100を保持するための粘着部材(図示しない)が備えられていることによって、電子機器100における背面130の全体を保持できる。
【0054】
支持部材400は、第2の状態において、電子機器100からY軸方向の+側と、電子機器100からY軸方向の−側と、にそれぞれ1つずつ配されている、支持部材400は、正面被覆部210と背面被覆部230cとの間を支持できる棒状部材である。
【0055】
支持部材400の一方の端部は、正面被覆部210と回転可能に接続している。回転軸415は、支持部材400の一方の端部と正面被覆部210とが接続している部分に配され、Y軸方向に伸びた軸である。回転軸415は、正面被覆部210に対して回転可能に接続された支持部材400の回転軸である。
【0056】
支持部材400の他方の端部は、背面被覆部230cにおいて電子機器100の側を向いた面上に備えられた窪み部232に一時的に嵌まることによって、正面被覆部210と背面被覆部230cとがなす角度を一定の角度に固定して支持できる。支持部材400の他方の端部は、カバー200cが第1の状態をとるときは、背面被覆部230cから離れて、正面被覆部210に近づく方向に回転することによって、背面被覆部230と正面被覆部210との間に配される。他の実施形態では、支持部材400は、一方の端部が背面被覆部230cと回転可能に接続し、他方の端部が正面被覆部210に一時的に嵌まってもよい。
【0057】
E.第5実施形態:
図10は、第2の状態を取っているカバー200dを説明した説明図である。カバー200dの正面被覆部210が拡張部210dを有している点を除き、第1実施形態におけるカバー200と同様である。
【0058】
カバー200dの正面被覆部210は、拡張部210dを有する。拡張部210dは、正面被覆部210が背面被覆部230と接続されている方向とは反対方向の端から突出した突出状態と正面被覆部210内に収納された収納状態とを取りうる。拡張部210dは、矢印Dで示されている方向に摺動可能であることにより、突出状態と収納状態とを取りうる。
【0059】
このため、カバー200dが第2の状態であって撮影者が正面被覆部210を重力方向上側にしてカバー200dを持って撮影を行うとき、正面110の側の日除けとして機能する正面被覆部210の面積を拡張部210dにより拡張できる。よって、重力方向上側からの外来光が電子機器100におけるタッチパネル112に反射するのをより一層防ぐことができることから、撮影者が電子機器100におけるタッチパネル112に映る画面を見やすくなる。
【0060】
F.変形例:
第1実施形態では、正面被覆部210と背面被覆部230とは、接続部220を介して間接的に接続されていたが、本発明はこれに限られない。例えば、正面被覆部210と背面被覆部230とは、接続部220を介さず直接接続していてもよい。この場合、正面被覆部210と背面被覆部230とは、回転可能に接続され、その回転軸は、正面被覆部210と背面被覆部230とが接続している部分に配される。
【0061】
第2実施形態(
図7にて図示)のように、保持部材300を介して電子機器100における背面130の全体が保持されている形態の場合、第2の状態において、正面被覆部210のX軸方向の−側を向いた面上に配された磁石と、保持部材300のうち側面120を覆っている部分に配された金属とが接触して固定されることによって、側面120が正面被覆部210のX軸方向の−側を向いた面上に支持されてもよい。保持部材300のうち側面120を覆っている部分に配されるのは、磁石であってもよい。
【0062】
第1実施形態では、Y軸方向(電子機器100の長手方向)を回転軸として可動するカバー200であったが、本発明はこれに限られない。例えば、カバー200は、X軸方向(電子機器100の短手方向)を回転軸として可動するカバー200であってもよい。換言すれば、第1実施形態のカバー200が、電子機器100に対して、いわゆる横開きであったとすれば、他の実施形態では、カバーは、電子機器100に対して、いわゆる縦開きであってもよいということである。
【0063】
第1実施形態では、カバー200は、薄厚部215、薄厚部225および薄厚部235の厚さが薄く形成されていることによって、薄厚部が接続している一方の部材と他方の部材とを回転可能に接続していたが、本発明はこれに限られない。例えば、一方の部材と他方の部材との間に可撓性のある部材を配することによって、一方の部材と他方の部材とを回転可能に接続してもよい。
【0064】
第2実施形態では、保持部材300は、電子機器100における背面130の全体を保持するものであったが、本発明はこれに限られない。例えば、保持部材300は、電子機器100における背面130の一部を保持するものであってもよい。このとき、貫通孔338は必須の構成ではなく、保持部材300は、電子機器100における背面130の一部であって、かつ、背面130のうちカメラ138が形成された位置を避けた部分を保持するものであってもよい。
【0065】
第2実施形態では、保持部材300は、軸部材340を介して、板状部材234aに対して回転可能に接続されていたが、本発明はこれに限られない。例えば、保持部材300は、軸部材340ではなく可撓性のある部材を介して、板状部材234aに対して回転可能に接続されていてもよい。
【0066】
第3実施形態では、軸部材340bが背面被覆部230bに対してY軸方向に摺動可能に接続されていることによって、電子機器100は、第2の状態において、Z軸方向にカメラ138の窓を投影したときに重なる部分に背面被覆部230bが配置されていない位置に、カメラ138の窓が位置するように移動可能であったが、本発明はこれに限られない。例えば、他の実施形態では、軸部材340bではなく可撓性のある部材を介して、保持部材300bが背面被覆部230bに対して回転可能に接続されているとともに、保持部材300bがY軸方向に移動可能な可動部をZ軸方向の+側に有し、その可動部に粘着部材を介して電子機器100が保持されている形態であってもよい。この形態では、粘着部材を介して可動部に電子機器100が保持されている状態において、可動部がY軸方向に移動することによって、Z軸方向にカメラ138の窓を投影したときに重なる部分に背面被覆部230bが配置されていない位置に、カメラ138の窓が位置するように移動可能である。
【0067】
第5実施形態では、拡張部210dは、矢印Dで示されている方向に摺動可能であることにより、突出状態と収納状態とを取りうるとしていたが、本発明はこれに限られない。例えば、拡張部210dは、背面被覆部230と接続されている方向とは反対方向の端に配されたY軸方向に伸びた回転軸を軸として回転可能であることにより、突出状態と収納状態とを取ってもよい。さらに、カバー200dは、拡張部210dに加えて、Y軸方向からの外来光がタッチパネル112に反射するのを防ぐ板部を有していてもよい。この場合、板部は、正面被覆部210に対して回転可能に(可撓性のある部材を介して)、正面被覆部210におけるY軸方向の端部にそれぞれ配されてもよい。その板部は、カバー200dが第2の状態を取っているときはXZ平面に沿った位置に配されるとともに、カバー200dが第1の状態を取っているときは背面被覆部230と正面被覆部210との間の位置に収納できるよう、正面被覆部210に対して回転可能に構成されていてもよい。
【0068】
図11は、他の実施形態におけるカバー200eが、第2の状態を取っている様子を示した説明図である。第1実施形態では、カバー200は、貫通孔238を有していたが、本発明はこれに限られない。例えば、カバー200eのように、切欠部238eを有することによって、背面被覆部230が、カメラ138の窓をZ軸方向に投影したときに重なる部分を避けて形成されていてもよい。切欠部は、
図11のように背面被覆部の角だけに限らず、カバーが装着される電子機器のカメラの位置に応じて、そのカメラと向かい合う位置における背面被覆部の部分を切り欠いた形状であれば、背面被覆部のうちいずれの場所であってもよい。
【0069】
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。