(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記弾性部材は、前記第1可動ばね及び前記第2可動ばねの間に配置される中央部と、前記中央部とともに前記第1可動ばねを挟む第1端部と、前記中央部とともに前記第2可動ばねを挟む第2端部とを備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電磁継電器。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
【0012】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る電磁継電器の分解斜視図であり、
図2(A)は、巻枠の変形例を示す図である。
図2(B)は、電磁継電器の斜視図である。
図3は、電磁継電器の側面図である。なお、以下では、便宜上、
図1のように前後左右方向および上下方向を定義し、これに従い各部の構成を説明する。
【0013】
第1の実施の形態に係る電磁継電器1は、例えばDC48Vのバッテリーを搭載したハイブリッド車両に利用される。具体的には、本実施の形態に係る電磁継電器は、DC48Vのバッテリーの制御回路の開閉制御に利用されるが、他の種々の用途にも使用できる。
【0014】
電磁継電器1は密封式のヒンジ形のリレーであり、ベースブロック2と、電磁石ユニット3と、第1固定端子4と、第2固定端子5と、カバー6とを備えている。カバー6は、電磁石ユニット3、第1固定端子4及び第2固定端子5を搭載したベースブロック2を上方から覆う。
【0015】
ベースブロック2は電気絶縁性の樹脂成形品であり、電磁石ユニット3を固定する凹部11と、第1固定端子4及び第2固定端子5を固定するための孔13を有する突出部12と、第1固定端子4及び第2固定端子5が差し込まれる貫通孔14とを備えている。
【0016】
第1固定端子4は、例えば銅板を打ち抜いて曲げ加工される導電部材であり、突出部12に沿って上下方向に延伸する鉛直部20と、鉛直部20の上端から水平方向に折り曲げられた平板部21と、鉛直部20の中央よりやや上方の位置から前方に略直角に折り曲げられて、さらに鉛直部20と対向するように直角に折り曲げられて二股状に延設された爪部22とを備えている。平板部21の上面には第1固定接点24が形成される。鉛直部20の下端23は貫通孔14を貫通し、不図示の基板に固定される。爪部22は、突出部12に形成された孔13に差し込まれる。このように、鉛直部20を貫通孔14に貫通させ、爪部22を孔13に差し込むことによって、第1固定端子4はベースブロック2に固定される。
【0017】
第2固定端子5は、例えば銅板を打ち抜いて曲げ加工される導電部材であり、突出部12に沿って上下方向に延伸する鉛直部26と、鉛直部26の上端から水平方向に折り曲げられ、平板部21と対向する平板部27と、鉛直部26の略中央から前方に略直角に折り曲げられて、さらに鉛直部26と対向するように直角に折り曲げられて二股状に延設された爪部28とを備えている。平板部27の下面には、第2固定接点が形成されてもよい。鉛直部26の下端29は貫通孔14を貫通し基板に固定される。爪部28は、突出部12に形成された孔13に差し込まれる。鉛直部26を貫通孔14に貫通させ、爪部28を孔13に差し込むことによって、第2固定端子5は、ベースブロック2に固定される。
【0018】
電磁石ユニット3は、鉄心30を収容する巻枠31と、巻枠31の外周に装着されたコイル32と、断面L字状に曲げられ、巻枠31に収容された鉄心30の一端と接続される継鉄33と、巻枠31及び鉄心30の上方に略水平に配設され、継鉄33の上端に当接して揺動自在に支持される接極子34とを備えている。鉄心30、巻枠31及びコイル32は電磁石を構成する。さらに、電磁石ユニット3は、継鉄33及び接極子34にかしめ固定され、継鉄33と接極子34との間で弾性ヒンジとして機能し、巻枠31及び鉄心30から離れる方向に付勢される第1可動ばね35と、弾性部材38を備え第1可動ばね35の振動を抑制する第2可動ばね36とを備えている。
【0019】
第2可動ばね36は第1可動ばね35の上に配置されている。第2可動ばね36の後端は第1可動ばね35と一緒に接極子34にかしめ固定されており、第2可動ばね36の前端は自由端である。第1可動ばね35の前端及び第2可動ばね36の前端は、第2固定端子5の平板部27と第1固定接点24との間に配置されている。弾性部材38は第1可動ばね35と第2可動ばね36との間に配置されている。
【0020】
尚、
図2(B)では、
図1及び
図3に示す巻枠31に代えて、
図2(A)に示す巻枠31aが使用されている。巻枠31aは、鉄心30を挿入するための貫通孔31bと、コイル32を巻き付けるための胴部31cとを備えている。以下の説明では、巻枠31が使用される。
【0021】
図4(A)は第1可動ばね35及び第2可動ばね36を示す斜視図であり、
図4(B)は第1可動ばね35及び第2可動ばね36の変形例を示す斜視図である。
【0022】
図4(A)に示すように、第1可動ばね35は、例えば、ばね用燐青銅の薄板を打ち抜いて略L字状に曲げられる導電性板ばね部材である。第1可動ばね35は、ベースブロック2を貫通し基板に固定される端子部35aと、継鉄33の後面に例えばかしめにより固定される鉛直部35bと、接極子34の上面に例えばかしめにより固定される水平部35cと、鉛直部35bと水平部35cとの間にU字状に曲げて接続される左右一対のヒンジばね部35dとを一体に有する。
【0023】
また、第1可動ばね35は、水平部35cの第1固定接点24と対向する位置に形成された第1可動接点37を有する。鉛直部35bには継鉄33にかしめ固定するための貫通孔35b−1が形成され、水平部35cの後端には、第1可動ばね35を接極子34の突起34aにかしめ固定するための貫通孔35c−1が形成されている。
【0024】
第2可動ばね36は、例えば、ばね用燐青銅の薄板から打ち抜かれており、第1可動ばね35の水平部35cとほぼ同一の形状を有する。また、第2可動ばね36は、水平部35cを押圧する弾性部材38を有する。さらに、第2可動ばね36の後端には、第1可動ばね35と一緒に第2可動ばね36を接極子34の突起34aにかしめ固定するための貫通孔39が形成されている。
【0025】
弾性部材38は、第1可動ばね35及び第2可動ばね36よりも柔らかい素材で形成されている。弾性部材38は、例えばゴム、多孔性のスポンジ又は多孔性のウレタン等であり、熱に強く、アウトガスが少ない素材が好ましい。弾性部材38は第1可動ばね35と第2可動ばね36との間に配置され、第2可動ばね36が第1可動ばね35の水平部35cと接触することを防止し、第1可動ばね35の振動を吸収する。
図4(B)に示すように、弾性部材38は第1可動ばね35の水平部35c上に形成されてもよい。
【0026】
また、弾性部材38は、電磁継電器1の動作前、即ち、電磁石の通電前に、第1可動ばね35及び第2可動ばね36の両方に接していてもよい。これにより、第1可動接点37が第1固定接点24に接触した後に、間をあけずに第1可動ばね35の振動を抑制することができる。
【0027】
弾性部材38は、第2可動ばね36上又は水平部35c上に形成された貫通孔に嵌め込むことによって第2可動ばね36上又は水平部35c上に固定されてもよい。また、弾性部材38は、接着剤で第2可動ばね36上又は水平部35c上に固定されてもよい。
【0028】
図5(A)〜
図5(C)は、第1可動ばね35及び第2可動ばね36の動作状況を示す図である。
【0029】
電磁石が通電されていない状態では、
図5(A)に示すように、鉄心30と接極子34との間にギャップ40が形成され、第1可動接点37と第1固定接点24との間にギャップ43が形成されている。第1可動接点37及び第1固定接点24はいわゆるメーク接点として構成され、平常時は開放状態にあり、動作時に閉成状態となる。
【0030】
電磁石が通電され、接極子34が鉄心30に引き付けられると、
図5(B)に示すように、第1可動ばね35及び第2可動ばね36が接極子34と共に下方に移動し、第1可動接点37が第1固定接点24に接触する。このとき、鉄心30と接極子34との間にギャップ40は未だ存在する。接極子34が鉄心30にさらに引き付けられると、
図5(C)に示すように、接極子34が鉄心30に接触し、ギャップ40は消失する。
【0031】
電磁石への通電が解除されると、
図5(C)の状態から
図5(B)の状態に移行する。つまり、第1可動ばね35の付勢力によって、接極子34が鉄心30から離れ、鉄心30と接極子34との間にギャップ40が形成される。第1可動ばね35の付勢力によって接極子34が鉄心30からさらに離れると、
図5(A)に示すように第1可動接点37が第1固定接点24から離れ、第1可動接点37と第1固定接点24との間にギャップ43が形成される。
【0032】
電磁石の通電により第1可動接点37が第1固定接点24に接触してから、接極子34が鉄心30に接触するまでの期間をフォローという。フォローの間、接極子34は鉄心30に接触するまで下方に移動し、第2可動ばね36も接極子34の移動量と同じだけ下方に移動する。しかし、第1可動接点37が第1固定接点24に支えられるため、第1可動ばね35にはたわみが発生し、接極子34及び第2可動ばね36と比べて移動量が小さい。この移動量の違いにより、第1可動ばね35と第2可動ばね36との間に配置された弾性部材38が第1可動ばね35を押圧する。このため、第1可動接点37及び第1固定接点24の衝突、鉄心30と接極子34の衝突により発生する第1可動ばね35の振動を抑制し、第1可動ばね35から不図示の基板へ伝わる振動を低減でき、当該基板から発せられる音を低減することができる。
【0033】
以上説明したように、第1の実施の形態によれば、第1可動ばね35と第2可動ばね36との間に配置された弾性部材38が第1可動ばね35の振動を抑制し、電磁継電器1から電磁継電器1が搭載された基板に伝わる振動を抑制することができる。
【0034】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、第1可動ばね及び第2可動ばねの構造が第1の実施の形態と異なる。第1の実施の形態と同一の構成には同一の参照番号を付し、その説明は省略する。
図6(A)は、第2の実施の形態に係る第1可動ばね及び第2可動ばねの第1変形例を示す図である。
図6(B)は、
図6(A)の第2可動ばねが第1可動ばね上に固定された状態を示す図である。
【0035】
図6(A),(B)の第1可動ばね35−1には、第2可動ばね36−1をかしめ固定するための突起41が水平部35c上に形成されている。突起41は、突起34aに第1可動ばね35−1をかしめ固定するための貫通孔35c−1よりも前方に形成されている。
【0036】
第2可動ばね36−1は矩形の平板であり、側面視でZ形状に折り曲げ加工されている。第2可動ばね36−1の後端には、突起41に第2可動ばね36−1をかしめ固定するための貫通孔42が形成されている。
【0037】
第2可動ばね36−1を第1可動ばね35−1の突起41に差し込み、突起41をかしめることで、第2可動ばね36−1は第1可動ばね35−1に固定される。この場合、第1可動ばね35及び第2可動ばね36を2枚重ねで接極子34にかしめる場合よりも簡単に第2可動ばね36−1を第1可動ばね35−1に固定することができる。尚、第1可動ばねと第2可動ばねの両方に穴が空いており、リベットにより連結している構造も可能である。
【0038】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態では、可動接点及び固定接点のセットが2セットあり、2セットの可動接点及び固定接点がいわゆるトランスファ接点として機能する点で第1の実施の形態と異なる。第1の実施の形態と同一の構成には同一の参照番号を付し、その説明は省略する。
【0039】
図7(A),(B)は、第3の実施の形態に係る電磁継電器の側面図である。第2固定端子5の平板部27の下面に第2固定接点46が形成されている。第2可動ばね36上には、第2可動接点45が第2固定接点46と対向するように形成されている。弾性部材38は、第2可動ばね36上に形成されているが、第1可動ばね35と第2可動ばね36との間に配置される限り、第1可動ばね35上に形成されてもよい。
【0040】
第1固定接点24及び第2固定接点46は互いに対向する位置にあり、第1固定接点24と第2固定接点46との間に第1可動接点37及び第2可動接点45が位置している。
【0041】
電磁石が通電されていない状態では、
図7(A)に示すように、第2可動接点45が第2固定接点46に接触し、第1可動接点37は第1固定接点24から離れている。電磁石が通電されると、
図7(B)に示すように、接極子34が鉄心30に引き付けられ、第1可動ばね35及び第2可動ばね36が接極子34と共に下方に移動し、第2可動接点45が第2固定接点46から離れ、第1可動接点37が第1固定接点24に接触する。逆に、電磁石への通電が解除されると、
図7(B)の状態から
図7(A)の状態に移行する。つまり、第1可動ばね35の付勢力によって、接極子34が鉄心30から離れ、第2可動接点45が第2固定接点46に接触し、第1可動接点37は第1固定接点24から離れる。
【0042】
第3の実施の形態によれば、電磁石が通電されると、第2可動ばね36が接極子34の移動量と同じ分だけ下方に移動し、第1可動ばね35と第2可動ばね36との間に配置された弾性部材38が第1可動ばね35を押圧する。このため、第1可動接点37及び第1固定接点24の衝突、鉄心30と接極子34の衝突により発生する第1可動ばね35の振動を抑制し、第1可動ばね35から電磁継電器1が搭載される不図示の基板へ伝わる振動を低減でき、当該基板から発せられる音を低減することができる。
【0043】
一方、電磁石の通電が解除されると、第1可動ばね35の付勢力によって、第1可動ばね35と第2可動ばね36との間に配置された弾性部材38が第2可動ばね36を押圧する。このため、第2可動接点45及び第2固定接点46の衝突により発生する第2可動ばね36の振動を抑制し、第2可動ばね36から基板へ伝わる振動を低減でき、基板から発せられる音を低減できる。
【0044】
このように、第3の実施の形態によれば、第1可動ばね35から基板へ伝わる振動だけでなく、第2可動ばね36から基板へ伝わる振動も抑制できる。
【0045】
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態では、第1可動ばね、第2可動ばね及び弾性部材の構造が第2の実施の形態と異なる。また、第4の実施の形態では、第3の実施の形態と同様に可動接点及び固定接点のセットが2セットあり、2セットの可動接点及び固定接点がいわゆるトランスファ接点として機能するものとする。尚、第1〜第3の実施の形態と同一の構成には同一の参照番号を付し、その説明は省略する。
【0046】
図8(A)は、第1可動ばね及び第2可動ばねの第2変形例及び弾性部材の第1変形例を示す図である。
図8(B)は、弾性部材が第1可動ばね及び第2可動ばねに装着された状態を示す図である。
【0047】
図8(A)に示すように、弾性部材52を装着するための貫通孔50が第1可動ばね35−2の水平部35c上に形成されている。貫通孔50は突起41と第1可動接点37との間に形成されている。
【0048】
さらに、弾性部材52を装着するための貫通孔51が第2可動ばね36−2上に形成されている。第2可動ばね36−2の貫通孔42が第1可動ばね35−2の突起41に固定されたときに、貫通孔51は貫通孔50に対向する。弾性部材52は、第1可動ばね35−2及び第2可動ばね36−2よりも柔らかい素材で形成されており、例えばゴム、多孔性のスポンジ又は多孔性のウレタン等である。
【0049】
図8(A)に示すように、弾性部材52の外周には、第2可動ばね36−2を固定するための溝52a及び第1可動ばね35−2を固定するための溝52bが形成されている。弾性部材52は、溝52a及び52bよりも口径が大きい中央部52c、端部52d及び52eを備えている。
【0050】
中央部52cと端部52dとが第2可動ばね36−2を挟み、中央部52cと端部52eとが第1可動ばね35−2を挟む。つまり、中央部52cと端部52dとの間の溝52aが第2可動ばね36−2の貫通孔51に嵌め込まれ、中央部52cと端部52eとの間の溝52bが第1可動ばね35−2の貫通孔50に嵌め込まれて、
図8(B)に示すように、弾性部材52は第1可動ばね35−2及び第2可動ばね36−2を弾性的に連結する。
【0051】
第4の実施の形態によれば、弾性部材52が第1可動ばね35−2から不図示の基板へ伝わる振動だけでなく、第2可動ばね36−2から不図示の基板へ伝わる振動も抑制することができる。また、弾性部材52の溝52aを第2可動ばね36−2の貫通孔51に嵌め、弾性部材52の溝52bを第1可動ばね35−2の貫通孔50に嵌め込むだけで、弾性部材52が第1可動ばね35−2及び第2可動ばね36−2に固定されるので、弾性部材52の取り付けが容易である。
【0052】
図9(A)は弾性部材の変形例を示す図であり、
図9(B)は
図9(A)のA−A線の断面図である。
【0053】
図8(A)の弾性部材52に代えて、
図9(A)に示すように、正面視でE形状の弾性部材54を利用してもよい。この場合、弾性部材54は、例えばゴム、多孔性のスポンジ又は多孔性のウレタン等であり、中央部54a、端部54b及び端部54cを有する。中央部54aと端部54bとの間に空隙55aが形成され、中央部54aと端部54cとの間に空隙55bが形成されている。第2可動ばね36−2を空隙55aに差し込むことで、
図9(B)に示すように、中央部54aと端部54bとが第2可動ばね36−2を挟む。第1可動ばね35−2を空隙55bに差し込むことで
図9(B)に示すように、中央部54aと端部54cとが第1可動ばね35−2を挟む。
【0054】
弾性部材54を利用する場合は、第2可動ばね36−2上に貫通孔51を形成する必要はなく、第1可動ばね35−2上に貫通孔50を形成する必要もない。弾性部材54は、左側又は右側から第1可動ばね35−2及び第2可動ばね36−2を差し込むことで第1可動ばね35−2及び第2可動ばね36−2を固定できるので、弾性部材54の取り付けが容易である。
【0055】
また、
図10に示すように、弾性部材52に代えて、粘着性を有する弾性部材53(例えば、接着剤が塗布されたゴム)が設けられてもよい。弾性部材53が第1可動ばねと第2可動ばねとの間を連結する。この場合、第2可動ばね36−2上に貫通孔51を形成する必要はなく、第1可動ばね35−2上に貫通孔50を形成する必要もない。弾性部材53は、弾性部材52のように貫通孔に嵌める作業がなく、第1可動ばね35−2及び第2可動ばね36−2の間に貼り付けるので、弾性部材53の取り付けが容易である。
【0056】
(第5の実施の形態)
第5の実施の形態では、第2可動ばね36の構造が第1可動ばね35の水平部35cの構造と同一である点で第1の実施の形態(
図4(A),(B))と異なる。また、第5の実施の形態では、第3の実施の形態と同様に、可動接点及び固定接点のセットが2セットあり、この2セットの可動接点及び固定接点がいわゆるトランスファ接点として機能するものとする。尚、第1〜第4の実施の形態と同一の構成には同一の参照番号を付し、その説明は省略する。
【0057】
図11(A)は第1可動ばね35及び第2可動ばね36を示す斜視図であり、
図11(B)は第1可動ばね35及び第2可動ばね36の一部を示す側面図である。
【0058】
図11(A),(B)の第1可動ばね35は、
図4(B)の第1可動ばね35と同様である。第1可動ばね35の水平部35cは、貫通孔35c−1、第1可動接点37及び弾性部材38を有する。一方、第2可動ばね36は、第1可動ばね35の水平部35cと同一形状であり、貫通孔39、第2可動接点45及び弾性部材38を有する。
【0059】
接極子34の上面の突起34aが第2可動ばね36の貫通孔39及び第1可動ばね35の貫通孔35c−1に差し込まれ、かしめられることで、第1可動ばね35及び第2可動ばね36は接極子34上に固定される。
【0060】
第1可動ばね35上に形成された弾性部材38は、第2可動ばね36上に形成された弾性部材38と接触し、これらの弾性部材38は、第1可動ばね35と第2可動ばね36との間に挟まれている。第1可動接点37は第2可動接点45と対向する位置に形成されている。
【0061】
このように、第2可動ばね36の構造が第1可動ばね35の水平部35cの構造と同一であるため、第2可動ばね36の設計を簡易化することができ、その製造コストを低減できる。
【0062】
第1〜第5の実施の形態では、弾性部材38は第1可動接点37又は第2可動接点45を押さない第1可動ばね35又は第2可動ばね36の位置に配置されている。しかし、
図12(A)に示すように、弾性部材38は、第1可動接点37又は第2可動接点45の少なくとも一方を押圧する第1可動ばね35又は第2可動ばね36の位置に配置されていてもよい。または、
図12(B)に示すように、弾性部材38は、第1可動接点37及び第2可動接点45を押圧するように第1可動接点37と第2可動接点45との間に配置されていてもよい。
【0063】
尚、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することが可能である。