【実施例】
【0138】
本発明を詳細に説明してきたが、本発明は、単に例証の目的で本明細書に含まれ、本発明を限定することは意図されていない、以下の実施例を参照することによってより明確に理解されよう。
【0139】
実施例1.最小限に保護されたAmBからのAmBMUの合成
【化17】
丸底フラスコにアムホテリシンB(1g、計算値1.082mmol、1当量)及びFmoc−スクシンイミド(0.55g、1.62mmol、1.5当量)を入れ、室温でDMF:MeOHの2:1混合液(33.8mL)に溶解させた。その後、ピリジン(0.5mL、6.21mmol、5.74当量)を加え、反応を、室温で12時間、攪拌した。次に、反応混合物をジエチルエーテル(1.0L)に注いだ。30分間の攪拌後、得られた黄色沈殿物を、Whatman#50フィルタ紙を使用してBuchner濾過によって単離し、黄色固体を得た。濾過ケーキをフィルタ上で10分間、乾燥させ、次に、真空下で1時間、保管した。
【0140】
得られた粉末を、THF:MeOH 1:1(35mL)に溶解し、0℃まで冷却した。この溶液にカンファースルホン酸(138mg、0.59mmol、0.55当量)を加え、得られた混合物を0℃で1時間、攪拌した。次に、反応を、トリエチルアミン(0.14mL、0.59mmol、0.55当量)を用いて0℃でクエンチした。反応を真空下で濃縮し、溶媒のおよそ半分を除去した。得られた飽和溶液を、ヘキサン:ジエチルエーテル1:1(1.0L)に注ぎ、黄色沈殿物を、Whatman#50フィルタ紙を使用してBuchner濾過によって回収し、ジエチルエーテル(200mL)で洗浄して黄色固体を得た。
【0141】
得られた固体を、THF(54mL、0.02M)に溶解させた。この溶液に、トリエチルアミン(0.15mL、1.08mmol、1当量)を加え、次に、ジフェニルホスホリルアジド(0.70mL、3.25mmol、3当量)を加えた。反応を50℃まで加熱し、12時間、攪拌した。12時間後、反応を室温まで冷却し、メチルアミン(THF中、2.0M溶液、4.33mL、8.8mmol、8当量)を加えた。次に、反応を室温で8時間、攪拌し、黄色沈殿物をゆっくりと成長させた(evolving)。次に、反応混合物をジエチルエーテル(1.0L)に注ぎ、得られた黄色沈殿物を、Whatman#50フィルタ紙を使用してBuchner濾過によって単離し、黄色固体を得た。固体をDMSO(およそ100mg/mL)に溶解し、単一の分取用HPLC精製(C
18、5μm、50×250mm、75mL/分、9分間にわたり80:20〜59:41 0.3% HCO
2H(aq):MeCN)によって精製した。同様に、単一のHPLC精製のみを必要とする、世界的供給の抗真菌剤カスポファンギンが供給される。HPLC精製の後に、真空下、40℃で溶媒を除去した。溶媒の除去の完了後、milliQ水(10mL)及びトルエン(50mL)と共沸することによって残留ギ酸を除去した。このプロセスを3回繰り返し、AmBMUを黄色固体として得た(264.3mg、0.278mmol、工程あたりの平均収率64%)。
1H NMR(750 MHz, 1:1 ピリジン d-5: メタノール d-4) δ 6.64(dd, J=14.7, 11.2 Hz, 1H), 6.60(dd, J=14.8, 10.0 Hz, 1H), 6.52(t, J=12.1 Hz, 1H), 6.48 - 6.37(m, 6H), 6.36 - 6.25(m, 4H), 5.69 - 5.63(m, 1H), 5.53 - 5.47(dd, J=14.3, 9.8 Hz, 1H), 4.97(s, 1H), 4.82-4.76(m, 1H), 4.65(app t, J=10.3 Hz, 1H), 4.53(bs, 1H), 4.49(app tt, J=9.8, 2.9 Hz, 1H), 4.42(app t, J=9.1 Hz, 1H), 4.29 - 4.23(m, 1H), 3.98(app t, J=10.0 Hz, 1H), 3.90 - 3.84(m, 2H), 3.80 - 3.72(m, 1H), 3.62 - 3.56(m, 1H), 3.56 - 3.51(m, 1H), 3.47 - 3.44(m, 1H), 3.38(app d, J=9.5 Hz, 1H), 2.79(s, 3H), 2.71 - 2.65(m, 1H), 2.61 - 2.55(m, 1H), 2.51(dd, J=16.7, 9.8 Hz, 1H), 2.39 - 2.34(m, 2H), 2.21 - 2.14(m, 1H), 2.06 - 1.99(m, 2H), 1.96(dd, J=14.8, 7.3 Hz, 1H), 1.85(dd, J=13.9, 10.9 Hz, 1H), 1.84-1.79(m, 1H), 1.73 - 1.65(m, 3H), 1.66 - 1.61(m, 1H), 1.61 - 1.56(m, 1H), 1.53(app dt, J=14.0, 3.0 Hz, 1H), 1.47-1.45(m, 1H), 1.46(d, J=6.2 Hz, 3H), 1.37(d, J=6.5 Hz, 3H), 1.25(d, J=6.4 Hz, 3H), 1.18(d, J=7.1 Hz, 3H)。
13C NMR(125 MHz, 1:1 ピリジン d-5: メタノール d-4) δ 172.31, 161.63, 137.57, 137.33, 134.82, 134.20, 134.17, 133.99, 133.91, 133.67, 133.59, 133.28, 132.98, 131.04, 129.73, 128.99, 98.04, 98.26, 79.10, 77.44, 76.32, 75.24, 74.64, 72.32, 70.92, 70.45, 69.98, 69.26, 68.97, 68.69, 68.46, 58.35, 57.35, 47.22, 45.74, 44.90, 44.06, 42.89, 41.28, 40.80, 36.72, 36.38, 31.53, 27.02, 19.11, 18.10, 17.35, 12.64。
HRMS(ESI):計算値(C
48H
77N
3O
16+H)
+ 952.5382;観測値952.5385
分析用HPLC(Zorbax Eclipse C
18、1.8μm、2.1×50mm、0.4mL/分、8分間にわたりH
2O:MeCN 95:5〜5:95(両方とも0.1% HCO
2Hを含む))、保持時間=5.7分間。
【0142】
実施例2.最小限に保護されたAmBからのAmBAUの合成
【化18】
丸底フラスコに、DMF:MeOHの2:1混合物(33.8mL)に溶解した、アムホテリシンB(1g、計算値1.082mmol、1当量)及びFmoc−スクシンイミド(0.55g、1.62mmol、1.5当量)を、室温で充填した。その後、ピリジン(0.5mL、6.21mmol、5.74当量)を添加し、反応を室温で12時間、攪拌した。次に、反応混合物をジエチルエーテル(1.0L)に注いだ。30分間の攪拌後、得られた黄色沈殿物を、Whatman#50フィルタ紙を使用してBuchner濾過によって単離し、黄色固体を得た。濾過ケーキをフィルタ上で10分間、乾燥させ、次に、真空下で1時間、保管した。
【0143】
得られた粉末を、THF:MeOH 1:1(35mL)に溶解し、0℃まで冷却した。この溶液にカンファースルホン酸(138mg、0.59mmol、0.55当量)を加え、得られた混合物を0℃で1時間、攪拌した。次に、反応を、トリエチルアミンを用いて0℃でクエンチした(0.14mL、0.59mmol、0.55当量)。反応を真空下で濃縮し、溶媒のおよそ半分を除去した。得られた飽和溶液を、ヘキサン:ジエチルエーテル1:1(1.0L)に注ぎ、黄色沈殿物を、Whatman#50フィルタ紙を使用してBuchner濾過によって回収し、ジエチルエーテル(200mL)で洗浄し、黄色固体を得た。
【0144】
得られた固体を、THF(54mL、0.02M)に溶解させた。この溶液に、トリエチルアミン(0.15mL、1.08mmol、1当量)を加え、次に、ジフェニルホスホリルアジド(0.70mL、3.25mmol、3当量)を加えた。反応を50℃まで加熱し、12時間、攪拌した。12時間後、エチレンジアミン(0.29mL、4.33mmol、4当量)を加え、50℃で3時間、攪拌下で反応を継続し、黄色沈殿物をゆっくりと成長させた(evolving)。次に、反応混合物をジエチルエーテル(1.0L)に注ぎ、得られた黄色沈殿物を、Whatman#50フィルタ紙を使用してBuchner濾過によって単離し、黄色固体を得て、これをDMSO(およそ66mg/mL)に溶解し、分取用HPLC(C
18、5μm、50×250mm、75mL/分、9分間にわたりHCO
2H(aq):MeCN 80:20〜50:50、0.3%)で精製した。HPLC精製の後、真空下、40℃で溶媒を除去した。溶媒の除去の完了後、milliQ水(10mL)及びトルエン(50mL)と共沸することによって残留ギ酸を除去した。このプロセスを3回繰り返し、AmBAUを黄色固体として得た(236.2mg、0.241mmol、工程あたりの平均収率61%)。
1H NMR(750 MHz, 1:1 ピリジン d-5: メタノール d-4) δ 6.64(dd, J=14.7, 11.2 Hz, 1H), 6.60(dd, J=15.2, 8.8 Hz, 1H), 6.55 - 6.47(m, 1H), 6.47 - 6.35(m, 7H), 6.35 - 6.25(m, 3H), 5.68 - 5.61(m, 1H), 5.49(dd, J=15.0, 10.2 Hz, 1H), 4.91(s, 1H), 4.79 - 4.73(m, 1H), 4.64(app t, J=10.7 Hz, 1H), 4.49 - 4.42(m, 3H), 4.28 - 4.23(m, 1H), 3.96(app t, J=10.4 Hz, 1H), 3.88 - 3.82(m, 1H), 3.82 - 3.73(m, 3H), 3.55 - 3.50(m, 1H), 3.51 - 3.46(m, 1H), 3.47 - 3.43(m, 1H), 3.39(app d, J=8.8 Hz, 1H), 3.36(app d, J=9.2 Hz, 1H), 3.32 - 3.26(m, 1H), 3.23 - 3.16(m, 1H), 2.66(dd, J=15.4, 4.9 Hz, 1H), 2.59 - 2.53(m, 1H), 2.49(dd, J=16.8, 9.8 Hz, 1H), 2.38 - 2.33(m, 2H), 2.18 - 2.12(m, 1H), 2.04 - 1.97(m, 2H), 1.90(dd, J=14.9, 7.8 Hz, 1H), 1.84(dd, J=14.0, 11.0 Hz, 1H), 1.82 - 1.75(m, 1H), 1.71-1.65(m, 3H), 1.65 - 1.60(m, 1H), 1.60 - 1.55(m, 1H), 1.52(app dt, J=13.8, 2.9 Hz, 1H), 1.48 - 1.44(m, 1H), 1.44(d, J=6.2 Hz, 3H), 1.36(d, J=6.5 Hz, 3H), 1.24(d, J=6.4 Hz, 3H), 1.17(d, J=7.1 Hz, 3H)。
13C NMR(150 HMz, 1:1 ピリジン d-5: メタノール d-4) δ 172.34, 161.35, 137.58, 137.08, 134.78, 134.16, 134.11, 134.02, 133.93, 133.71, 133.62, 133.26, 133.00, 130.85, 130.62, 98.26, 98.07, 79.12, 77.60, 76.37, 75.24, 74.63, 72.28, 71.43, 70.47, 70.00, 69.23, 69.23, 68.69, 68.62, 58.16, 57.32, 47.18, 45.77, 44.93, 44.05, 42.86, 41.67, 40.80, 40.49, 39.31, 36.73, 36.35, 31.56, 19.08, 18.08, 17.32, 12.63。
HRMS(ESI):計算値(C
49H
80N
4O
16+H)
+ 981.5648;観測値981.5641
分析用HPLC(Zorbax Eclipse C
18、1.8μm、2.1×50mm、0.4mL/分、8分間にわたりH
2O:MeCN 95:5〜5:95(両方とも0.1% HCO
2Hを含む))、保持時間=5.2分間。
【0145】
実施例3.最小限に保護されたAmBからのAmBCU−アリルエステルの合成
【化19】
丸底フラスコに、DMF:MeOHの2:1混合物(33.8mL)に溶解した、アムホテリシンB(1g、計算値1.08mmol、1当量)及びFmoc−スクシンイミド(0.55g、1.62mmol、1.5当量)を、室温で充填した。その後、ピリジン(0.5mL、6.21mmol、5.74当量)を添加し、反応を室温で12時間、攪拌した。次に、反応混合物をジエチルエーテル(1.0L)に注いだ。30分間の攪拌後、得られた黄色沈殿物を、Whatman#50フィルタ紙を使用してBuchner濾過によって単離し、黄色固体を得た。濾過ケーキをフィルタ上で10分間、乾燥させ、次に、真空下で1時間、保管した。
【0146】
得られた粉末を、THF:MeOH 1:1(35mL)に溶解し、0℃まで冷却した。この溶液にカンファースルホン酸(138mg、0.60mmol、0.55当量)を加え、得られた混合物を0℃で1時間、攪拌した。次に、反応を、トリエチルアミンを用いて0℃でクエンチした(0.14mL)。反応を真空下で濃縮し、溶媒のおよそ半分を除去した。得られた飽和溶液を、ヘキサン:ジエチルエーテル1:1(1.0L)に注ぎ、黄色沈殿物を、Whatman#50フィルタ紙を使用してBuchner濾過によって回収し、ジエチルエーテル(20mL)で洗浄し、黄色固体を得た。
【0147】
得られた固体(1.06g、計算値1.08mmol、1当量)を、40mLバイアルに加え、その後、THF(54mL、0.02M)、トリエチルアミン(0.16mL、1.14mmol、1.05当量)、最後に、ジフェニルホスホリルアジド(0.70mL、3.25mmol、3当量)を加えた。次に、反応を50℃まで加熱し、15時間、攪拌した。
【0148】
別の40mLバイアルに、β−アラニンアリルエステル塩酸塩(7.16g、43.3mmol、40当量)、炭酸ナトリウム(13.75g、129.8mmol、120当量)、及びTHF(14mL)を加えた。得られた懸濁液を、次に、室温で20分間、攪拌した。次に、懸濁液をCeliteで濾過し、続いて、0.2μmのシリンジチップフィルタに通して濾過した。次に、得られたβ−アラニンアリルエステル遊離塩基を50℃の反応混合物に加え、8時間、攪拌した。8時間後、揮発性物質を真空下で除去し、赤色油を得た。これをDMSOに溶解させ、分取用HPLCで直接精製した(C
18、5μm、50×250mm、80mL/分、9分間にわたり80:20〜40:60 0.3% HCO
2H(aq):MeCN)。アセトニトリルとギ酸水溶液を真空下、35℃で除去する際に、C−13メチルケタールがヘミケタールに変換され、AmBCU−アリルエステルを黄色固体として得る(370mg、0.352mmol、ステップあたりの平均収率68%)。
1H NMR(500 MHz, 10:1 ピリジン d-5: メタノール d-4) δ 6.71 - 6.25(m, 13H), 6.01 - 5.89(m, 1H), 5.70 - 5.64(m, 1H), 5.54 - 5.48(m, 1H), 5.33(m, 1H), 5.20(m, 1H), 4.97(s, 1H), 4.79(bs, 1H), 4.70 - 4.59(m, 4H), 4.50(app t, J=10.0 Hz ,1H), 4.43(app t, J=8.8 Hz, 1H), 4.26 - 4.20(m, 1H), 3.99(app t, J=10.0 Hz, 1H), 3.88(app d, J=10.8 Hz, 1H), 3.82-3.77(m, 2H), 3.65-3.60(m, 3H), 3.47(m, 1H), 3.42 - 3.35(m, 1H), 3.35 - 3.31(m, 1H), 2.71 - 2.62(m, 3H), 2.58(m, 1H), 2.52(dd, J=16.8, 9.7 Hz, 1H), 2.41 - 2.33(m, 2H), 2.23-2.13(m, 1H), 2.07 - 1.91(m, 3H), 1.91 - 1.77(m, 2H), 1.75 - 1.57(m, 5H), 1.57 - 1.51(m, 1H), 1.48 - 1.44(m, 4H), 1.37(d, J=6.3 Hz, 3H), 1.26(d, J=6.3 Hz, 3H), 1.18(d, J=7.1 Hz, 3H)。
13C NMR(125 MHz, 10:1 ピリジン-d
5 :
MeOH-d
4) δ 172.31, 171.92, 160.41, 136.83, 136.75, 134.46, 133.84, 133.57, 133.47, 133.45, 133.20, 133.03, 132.91, 132.61, 130.57, 129.55, 117.73, 98.06, 97.90, 77.08, 75.96, 74.89, 74.31, 71.92, 71.61, 70.08, 69.59, 68.65, 68.29, 68.19, 65.31, 57.96, 57.09, 46.84, 45.53, 44.62, 42.59, 40.89, 40.48, 36.41, 36.07, 35.42, 31.22, 18.74, 17.89, 17.02, 12.32。
HRMS(ESI):計算値(C
53H
83N
3O
18+H)
+ 1050.570;観測値 1050.5756
分析用HPLC(Zorbax Eclipse C
18、1.8μm、2.1×50mm、0.4mL/分、8分間にわたりH
2O:MeCN 95:5〜5:95(両方とも0.1% HCO
2Hを含む))、保持時間=6.4分間。
【0149】
実施例4.AmBCU−アリルエステルの脱アリル化によるAmBCUの合成
【化20】
40mLバイアルに、AmBCU−アリルエステル(370mg、352.3μmol、1当量)、及びチオサリチル酸(203.4mg、1.76mmol、5当量)を加えた。次に、バイアルをグローブボックス内に運び入れ、Pd(PPh
3)
4(205mg、0.18mmol、0.5当量)を加えた。バイアルをセプタムキャップで密封し、グローブボックスから取り出し、シリンジによってDMF(17.6mL、0.2M)を加えた。次に、反応を室温で1時間、攪拌した。次に、反応を、複数の50mL遠心分離管内のEt
2O(370mL)に注いだ。得られた懸濁液を、次に、3700Gで5分間、遠心分離にかけた。淡赤色の上清をデカンテーションし、得られた黄色/橙色固体をDMSOに溶解させ、分取用HPLCで精製し(C
18、5μm、50×250mm、80mL/分、9分間にわたり80:20〜40:60 0.3% HCO
2H(aq):MeCN)、AmBCUを黄色固体として得た(124.4mg、0.123mmol、収率35%、1gのAmBからのステップあたりの平均収率58%)。
1H NMR(500 MHz, 1:1 ピリジン d-5: メタノール d-4) δ 6.69 - 6.23(m, 13H), 5.70 - 5.64(m, 1H), 5.54-5.50(m, 1H), 5.00(s, 1H), 4.76(bs, 1H), 4.65(app t, J=10.4 Hz, 1H), 4.57(app bs, 1H), 4.49(app t, J=9.0 Hz, 1H), 4.45 - 4.39(m, 1H), 4.30-4.23(m, 1H), 4.01-3.95(m, 1H), 3.92-3.84(m, 2H), 3.82-3.77(m, 1H), 3.73-3.67(m, 2H), 3.67-3.63(m, 2H), 3.57-3.51(m, 2H), 3.49-3.45(m, 1H), 3.38(app d, J=9.8 Hz, 1H), 2.74-2.63(m, 2H), 2.51(dd, J=17.0, 9.5 Hz 1H), 2.43 - 2.34(m, 2H), 2.23 - 2.14(m, 1H), 2.05-1.98(m, 2H), 2.94-1.89(m, 1H), 1.88-1.80(m, 2H), 1.73-1.59(m, 5H), 1.57 - 1.51(m, 1H), 1.46(d, J=6.1 Hz, 4H), 1.44 - 1.40(m, 1H), 1.38(d, J=6.3 Hz, 3H), 1.26(d, J=6.3 Hz, 3H), 1.19(d, J=7.1 Hz, 3H)。
13C NMR(150 MHz, DMSO-d
6) δ 175.38, 170.58, 158.41, 136.81, 136.33, 133.92, 133.76, 133.64, 133.25, 133.16, 132.57, 132.40, 132.25, 132.17, 131.87, 131.23, 130.28, 129.00, 97.04, 96.87, 77.20, 76.06, 73.86, 73.48, 73.05, 69.50, 69.16, 68.80, 67.98, 67.79, 67.44, 66.84, 66.20, 59.75, 56.23, 55.25, 45.84, 44.88, 44.80, 42.52, 42.01, 40.43, 39.52, 35.11, 30.96, 29.05, 18.52, 17.80, 16.96, 12.10。
HRMS(ESI):計算値(C
50H
79N
3O
18+H)
+ 1010.5437;実測値 1010.5449
分析用HPLC(Zorbax Eclipse C
18、1.8μm、2.1×50mm、0.4mL/分、8分間にわたりH
2O:MeCN 95:5〜5:95(両方とも0.1% HCO
2Hを含む))、保持時間=6.07分間。
【0150】
実施例5.パーシリルAmB中間体4
【化21】
図4に示すように、以下に見られるプロトコルに従って、パーシリル中間体4を合成した:Palacios, D. S., Anderson, T. M. & Burke, M. D. A Post-PKS Oxidation of the Amphotericin B Skeleton Predicted to be Critical for Channel Formation Is Not Required for Potent Antifungal Activity. J. Am. Chem. Soc. 129, 13804-13805, (2007)。
【0151】
実施例6.イソシアナート5の合成
【化22】
40mLバイアルに、4(602.6mg、275.3μmol、1当量)、及びベンゼン(13.7mL)を加えた。トリエチルアミン(115μL、0.822mmol、3当量)を加え、続いてDPPA(71μL、33.0mmol、1.2当量)を加えた。反応を、80℃で予熱した加熱ブロック内に設置し、3.5時間、攪拌した。次に、反応を、水(25mL)及びジエチルエーテル(50mL)とともに、125mLの分液漏斗に移した。層を分離し、有機層を、ブライン(25mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。得られた赤色/橙色の油を、次に、SiO
2クロマトグラフィ(ヘキサン:Et
2O 100:0〜0:100)によって精製し、橙色固体として5を得た(168.7mg、0.077mmol、28%収率)。
1H NMR(500 MHz, アセトン-d
6) δ 7.87(d, J=7.5 Hz, 2H), 7.70(d, J=7.5 Hz, 2H), 7.42(t, J=7.4 Hz, 2H), 7.37 - 7.29(m, 2H), 6.59 - 6.11(m, 12H), 6.06(dd, J=15.6, 5.9 Hz, 1H), 5.51(dd, J=14.8, 9.4 Hz, 1H), 5.36(d, J=9.7 Hz, 1H), 4.70(s, 1H), 4.69 - 4.64(m, 2H), 4.48(dd, J=10.5, 6.5 Hz, 1H), 4.35(dd, J=10.5, 6.6 Hz, 1H), 4.24(app t, J=6.6 Hz, 1H), 4.18(s, 1H), 4.16 - 4.05(m, 2H), 4.04 - 3.98(m, 1H), 3.97(app d, J=3.1 Hz, 1H), 3.86(app dd, J=9.0, 2.9 Hz, 1H), 3.80(app t, J=9.4 Hz, 1H), 3.73 - 3.60(m, 2H), 3.48(app t, J=9.0 Hz, 1H), 3.38 - 3.31(m, 1H), 3.29(app t, J=9.7 Hz, 1H), 3.16(s, 3H), 2.48 - 2.41(m, 1H), 2.38(dd, J=14.8, 6.2 Hz, 1H), 2.20 - 2.14(m, 1H), 1.96 - 1.87(m, 2H), 1.87 - 1.81(m, 4H), 1.69 - 1.60(m, 3H), 1.57 - 1.47(m, 1H), 1.29(s, 4H), 1.25(d, J=6.2 Hz, 3H), 1.18(d, J=6.0 Hz, 3H), 1.10 - 0.88(m, 89H), 0.80 - 0.50(m, 54H)。
IR(薄膜, cm
-1) 2956.35, 2912.00, 2877.29, 2250.53, 1731.77, 1590.99, 1488.78, 1457.93, 1415.50, 1378.86, 1303.65, 1272.79, 1238.08, 1205.29, 1184.08, 1160.94, 1108.87, 1076.09, 1008.59, 966.16, 738.60。
TLC(ヘキサン:Et
2O 7:3、CAM染色):R
f=0.64
HRMS(ESI):計算値(C
117H
210N
2O
18Si
9+Na)
+ 2206.3400;実測値 2206.3413
【0152】
別の合成では、50mLの丸底フラスコにベンゼン(18mL)中、4(781mg、357.2μmol、1当量)を加えた。トリエチルアミン(150μL、1.07mmol、3当量)をゆっくりと加え、続いて、DPPA(92μL、0.429mmol、1.2当量)を滴下添加した。次に、反応を、油浴中、85℃で加熱し、反応の進行をTLCでモニタリングした。5時間後、出発材料が完全に消費され、反応を0℃に冷却し、0℃に冷却した水(25mL)とジエチルエーテル(50mL)の混合液にゆっくりと注いだ。次に、混合物を分液漏斗に移し、水層をジエチルエーテルで抽出した(25mL×3)。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。得られた赤色油を、ベンゼン中の溶液として順相シリカカラム上に負荷し、SiO
2クロマトグラフィ(ヘプタン:Et
2O 19:1〜3:1)で精製し、黄色固体として5を得た(158mg、0.0724mmol、収率20%)。
1H NMR(500 MHz, アセトン-d
6) δ 7.88(d, J=7.6 Hz, 2H), 7.70(d, J=7.5 Hz, 2H), 7.43(t, J=7.5 Hz, 2H), 7.38 - 7.28(m, 2H), 6.61 - 5.99(m, 11H), 4.69(d, J=15.2 Hz, 2H), 4.24(t, J=6.6 Hz, 2H), 4.09(s, 2H), 4.01(s, 1H), 3.86(d, J=7.4 Hz, 1H), 3.80(t, J=9.4 Hz, 1H), 3.74 - 3.55(m, 3H), 3.35(t, J=7.2 Hz, 1H), 3.32 - 3.21(m, 1H), 3.16(s, 2H), 2.60(d, J=6.5 Hz, 2H), 2.43(dt, J=15.1, 7.7 Hz, 2H), 1.87 - 1.60(m, 7H), 1.27(dq, J=14.2, 7.9 Hz, 5H), 1.18(d, J=6.1 Hz, 3H), 1.12 - 0.82(m, 73H), 0.82 - 0.50(m, 46H)。
IR(薄膜): ν 2955, 2911, 2877, 2248, 1736, 1460, 1110, 1005 cm
-1。
【0153】
実施例7.カーボネート6の合成
【化23】
1.5mLのバイアルに、5(原液(1.5mLのベンゼン中、150mgを100μL)として、10mg、4.57μmol、1当量)、及びチタンイソプロポキシド(原液(4.6mLのベンゼン中、25μLを50μL)として、0.27μL、0.914μmol、0.2当量)及びTHF(80μL)を加えた。次に、反応を室温で1時間、攪拌した。次に、反応を水(1.5mL)及びジエチルエーテル(1.5mL)で希釈した。層を分離し、有機層を、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。得られた赤色/橙色の油を、次に、SiO
2クロマトグラフィ(ヘキサン:Et
2O 100:0〜80:20)によって精製し、橙色固体として5を得た。
1H NMR(500 MHz, アセトン-d
6) δ 7.88(d, J=7.5 Hz, 2H), 7.70(d, J=7.5 Hz, 2H), 7.43(t, J=7.3 Hz, 2H), 7.36 - 7.32(m, 2H), 6.59 - 6.08(m, 12H), 6.03(dd, J=15.5, 6.1 Hz, 1H), 5.51(dd, J=14.9, 9.5 Hz, 1H), 5.35(d, J=9.9 Hz, 1H), 4.87(p, J=6.3 Hz, 1H), 4.77 - 4.73(m, 1H), 4.71 - 4.67(m, 1H), 4.65(s, 1H), 4.48(dd, J=10.5, 6.5 Hz, 1H), 4.37(dd, J=10.4, 6.5 Hz, 1H), 4.25(app t, J=6.3 Hz, 2H), 4.18 - 4.09(m, 1H 4.07 - 3.97(m, 2H), 3.87 - 3.84(m, 1H), 3.76(app dd, J=11.8, 6.9 Hz, 1H), 3.70(d, J=8.9 Hz, 1H), 3.74 - 3.66(m, 2H), 3.47 - 3.34(m, 2H), 3.35 - 3.28(m, 1H), 3.15(s, 3H), 2.58(d, J=6.6 Hz, 1H), 2.47 - 2.40(m, 2H), 2.26(app dd, J=15.6, 7.4 Hz, 2H), 2.20 - 2.15(m, 1H), 1.94 - 1.85(m, 4H), 1.84 - 1.80(d, J=13.1 Hz, 3H), 1.79 - 1.68(m, 4H), 1.68 - 1.61(d, J=9.3 Hz, 2H), 1.54 - 1.56(s, 1H), 1.26(app dd, J=6.2, 3.2 Hz, 6H), 1.22(d, J=6.2 Hz, 3H), 1.18(d, J=6.0 Hz, 3H), 1.14 - 0.83(m, 87H), 0.81 - 0.53(m, 54H)。
LRMS(ESI):計算値(C
120H
218N
2O
19Si
9+Na)
+ 2266.4;実測値 2266.6
TLC(ヘキサン:Et
2O 7:3、CAM染色):R
f=0.51
【0154】
実施例8.カーボネート7の合成
【化24】
1.5mLのバイアルに、5(原液(1.5mLベンゼン中150mgを100μL)として、10mg、4.57μmol、1当量)、チタンt−ブトキシド(原液(3.5mLベンゼン中25μLを50μL)として、0.35μL、0.914μmol、0.2当量)、及びFmoc−アルコール(原液(1.58mL中、21.1mg)として、1.33mg、9.15μmol、2当量)を加えた。次に、反応を室温で1時間、攪拌した。次に、反応を水(1.5mL)及びジエチルエーテル(1.5mL)で希釈した。層を分離し、有機層を、Na
2SO
4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。得られた赤色/橙色の油を、次に、SiO
2クロマトグラフィ(ヘキサン:Et
2O 100:0〜80:20)によって精製し、橙色固体として7を得た。
LRMS(ESI):計算値(C
120H
218N
2O
19Si
9+Na)
+ 2402.4;実測値2402.5
TLC(7:3 ヘキサン:Et
2O、CAM染色):R
f=0.53
【0155】
実施例9.アミド8の合成
【化25】
乾燥した20mLバイアルに、THF(2.3mL)中の5(100mg、45.8mmol、1当量)を加えた。反応容器を0℃まで冷却し、Me
2Zn(48μLのTHF中、0.85M溶液、0.041mmol、0.9当量)を反応に滴下して加えた。反応を、0℃で1時間、攪拌し、次に、追加のMe
2Zn(48μLのTHF中、0.85M溶液、0.041mmol、0.9当量)を加えた。反応を、0℃で1時間、攪拌し、次に、H
2O(5mL)の滴下添加によって0℃でクエンチした。混合液を室温まで温め、分液漏斗に移し、ジエチルエーテルで抽出した(10mL×3)。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。得られた油を、ベンゼン中の溶液として順相シリカカラム上に負荷し、SiO
2クロマトグラフィ(ヘキサン:Et
2O 100:0〜3:2)で精製し、黄色固体として8を得た(40mg、0.018mmol、40%)。
1H NMR(500 MHz, アセトン-d
6) δ 7.90(d, J=7.6 Hz, 2H), 7.72(d, J=7.5 Hz, 2H), 7.45(t, J=7.5 Hz, 2H), 7.38(s, 6H), 6.55(td, J=17.4, 16.3, 9.9 Hz, 3H), 6.49 - 5.96(m, 11H), 5.64(s, 5H), 4.71(d, J=16.1 Hz, 3H), 4.26(q, J=7.5, 7.0 Hz, 2H), 4.20 - 4.07(m, 2H), 3.88(dd, J=9.0, 2.8 Hz, 1H), 3.82(t, J=9.4 Hz, 1H), 3.77 - 3.60(m, 3H), 3.50(t, J=8.9 Hz, 1H), 3.43(q, J=7.0 Hz, 4H), 3.40 - 3.35(m, 1H), 3.33(d, J=5.4 Hz, 2H), 3.31(s, 1H), 3.19(s, 3H), 2.62(d, J=6.5 Hz, 2H), 1.98 - 1.92(m, 2H), 1.85(s, 2H), 1.84 - 1.72(m, 5H), 1.72 - 1.61(m, 2H), 1.38 - 1.23(m, 13H), 1.20(d, J=6.0 Hz, 4H), 1.13(t, J=7.0 Hz, 7H), 1.11 - 0.85(m, 110H), 0.85 - 0.54(m, 66H)。
【0156】
実施例10.生物活性のインビトロ評価
本明細書で提案される各誘導体を、その治療指数を決定するために、酵母及びヒト細胞の両方に対する生物活性について試験する。微量液体希釈実験は、S.セレビシエ及び臨床的に関連するC.アルビカンスに対する各誘導体のMIC(最小発育阻止濃度)を決定し、それによって、各新規誘導体の抗真菌活性を確立する。ヒト細胞に対する毒性を試験するため、各化合物を、ヒト赤血球の90%溶解を生じるのに必要とされる濃度(EH
90)を決定する、赤血球に対する溶血アッセイにかける。加えて、腎細胞に対する各化合物の毒性を決定するために、各化合物を、ヒト初代腎細管細胞に接触させる。これらのアッセイは、同一細胞株に対するAmBの既知の値と比較した場合に、各化合物の治療指数の改善を決定する。
【0157】
実施例11.生物活性のインビボ評価
AmBMU及びAmBAUの抗真菌剤の有効性を、播種性カンジダ症のマウスモデルにおいて試験した。この実験では、好中球減少マウスに、尾静脈を介してC.アルビカンスを感染させ、次に、感染2時間後、マウスに、AmB、AmBMU、又はAmBAUの単回の腹腔内注入の処置をした。感染の2、6、12、及び24時間後に、マウスを殺処置し、該マウスの腎臓に存在する真菌量を定量した。結果を
図5に示す。AmBMU及びAmBAUはいずれも、3つの試験量(すなわち、1、4、及び16mg/kg)のすべてにおいて、腎臓に存在する真菌量の低減においてAmBよりも実質的により効果的であった。接種24時間後、差異は、16mg/kg用量において最も顕著であった。AmBと比較して、AmBMUは、真菌量を1.2log単位(p≦0.001)低減し、AmBAUは、真菌量を、ほぼ3log単位(p≦0.0001)低減した。我々は、水溶性の大幅な増加に起因して薬理学的プロファイルが改善されることにより、新しい化合物のインビボでの抗真菌活性における予期しない劇的な改善に寄与しうる可能性があると推測している。
【0158】
実験の別のセットでは、急性毒性を、1、2、4、8、16、32、又は64mg/kgのAmB又はその誘導体の健康なマウスへの単回静脈内投与によって評価し、続いて、致死率についてモニタリングした。結果を
図6に示す。4mg/kgのAmB用量群のマウスはすべて、数秒内に死亡した。AmBAUは、劇的に低毒性であり、64mg/kg用量群に至るまで、>50%の致死率に達しなかった。際立って、64mg/kgのAmBMUを投与されたすべてのマウスが観測可能な毒性なく、生存した。
他の実施形態
1.式(I)によって表される化合物、又はその薬学的に許容される塩:
【化26】
[式中、
R1は、存在ごとに独立して、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、アルキルジアリールシリル、トリアリールシリル、(アルキル)OCH2−、(アルケニル)OCH2−、(アラルキル)OCH2−、(アルコキシアルキル)OCH2−、(アリール)OCH2−、又は((トリアルキルシリル)アルキル)OCH2−を表し;
R2は、(C1−C6)アルキルを表し;
R3は、(アルキル)OC(O)−、(アラルキル)OC(O)−、(アルケニル)OC(O)−、(シクロアルキル)OC(O)−、又は(ハロアルキル)OC(O)−を表す]。
2.R1がトリアルキルシリルを表す、実施形態1に記載の化合物。
3.R1がトリエチルシリルを表す、実施形態1に記載の化合物。
4.R2がメチルを表す、実施形態1から3のいずれかに記載の化合物。
5.R3が(アラルキル)OC(O)−を表す、実施形態1から4のいずれかに記載の化合物。
6.R3が(9−フルオレニルメチル)OC(O)−を表す、実施形態5に記載の化合物。
7.式(II)によって表される化合物、又はその薬学的に許容される塩:
【化27】
[式中、
R1は、存在ごとに独立して、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、アルキルジアリールシリル、トリアリールシリル、(アルキル)OCH2−、(アルケニル)OCH2−、(アラルキル)OCH2−、(アルコキシアルキル)OCH2−、(アリール)OCH2−、又は((トリアルキルシリル)アルキル)OCH2−を表し;
R2は(C1−C6)アルキルを表し;
R3は(アルキル)OC(O)−、(アラルキル)OC(O)−、(アルケニル)OC(O)−、(シクロアルキル)OC(O)−、又は(ハロアルキル)OC(O)−を表す]。
8.R1がトリアルキルシリルを表す、実施形態7に記載の化合物。
9.R1がトリエチルシリルを表す、実施形態7に記載の化合物。
10.R2がメチルを表す、実施形態7から9のいずれかに記載の化合物。
11.R3が(アラルキル)OC(O)−を表す、実施形態7から10のいずれかに記載の化合物。
12.R3が(9−フルオレニルメチル)OC(O)−を表す、実施形態11に記載の化合物。
13.式(III)に従った化合物、又はその薬学的に許容される塩:
【化28】
[式中、
R1は、存在ごとに独立して、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、アルキルジアリールシリル、トリアリールシリル、(アルキル)OCH2−、(アルケニル)OCH2−、(アラルキル)OCH2−、(アルコキシアルキル)OCH2−、(アリール)OCH2−、又は((トリアルキルシリル)アルキル)OCH2−を表し;
R2は(C1−C6)アルキルを表し;
R3は、(アルキル)OC(O)−、(アラルキル)OC(O)−、(アルケニル)OC(O)−、(シクロアルキル)OC(O)−、又は(ハロアルキル)OC(O)−を表し;
R4は、アルキル、アラルキル、アルケニル、アリール、又はシクロアルキルを表す]。
14.R1がトリアルキルシリルを表す、実施形態13に記載の化合物。
15.R1がトリエチルシリルを表す、実施形態13に記載の化合物。
16.R2がメチルを表す、実施形態13から15のいずれかに記載の化合物。
17.R3が(アラルキル)OC(O)−を表す、実施形態13から16のいずれかに記載の化合物。
18.R3が(9−フルオレニルメチル)OC(O)−を表す、実施形態17に記載の化合物。
19.R4がイソプロピル又は9−フルオレニルメチルを表す、実施形態13から18のいずれかに記載の化合物。
20.AmBCU−アリルエステル、又はその薬学的に許容される塩:
【化29】
21.式(IV)の化合物、又はその薬学的に許容される塩を調製する方法であって:
【化30】
[式中、
R1は、存在ごとに独立して、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、アルキルジアリールシリル、トリアリールシリル、(アルキル)OCH2−、(アルケニル)OCH2−、(アラルキル)OCH2−、(アルコキシアルキル)OCH2−、(アリール)OCH2−、又は((トリアルキルシリル)アルキル)OCH2−を表し;
R2は(C1−C6)アルキルを表し;
R3は、(アルキル)OC(O)−、(アラルキル)OC(O)−、(アルケニル)OC(O)−、(シクロアルキル)OC(O)−、又は(ハロアルキル)OC(O)−を表し;
Xは、O、NH、又はN(R6)を表し;及び
R5及びR6は、各々独立して、アルキル、アラルキル、アルケニル、アリール、又はシクロアルキルを表す];
式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩と、R5−XH又はR5−X−Mによって表される化合物とを混合し、それによって前記式(IV)の化合物を生成する工程を含み;
前記式(I)の化合物は、下記式によって表され:
【化31】
ここで、
Mは、アルカリ金属カチオン、アルカリ土類カチオン、又は遷移金属カチオンである、
方法。
22.式(II)の化合物とホスホリルアジドとを混合し、それによって前記式(I)の化合物を生成する工程をさらに含み;該式(II)の化合物は、下記式によって表される、実施形態21に記載の方法:
【化32】
23.前記ホスホリルアジドがジフェニルホスホリルアジドである、実施形態22に記載の方法。
24.XがOであり;MがNa、K、又はTi(OR5)3である、実施形態21から23のいずれかに記載の方法。
25.式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩とR5−XH又はR5−X−Mによって表される化合物とを混合する前記工程が、ルイス酸をさらに含む、実施形態21から24のいずれかに記載の方法。
26.前記ルイス酸がチタンアルコキシドである、実施形態25に記載の方法。
27.式(II)の化合物とホスホリルアジドとを混合する前記工程が、ブレンステッド塩基をさらに含む、実施形態22から26のいずれかに記載の方法。
28.前記ブレンステッド塩基が第三級アミンである、実施形態27に記載の方法。
29.R1がトリアルキルシリルを表す、実施形態21から28のいずれかに記載の方法。
30.R1がトリエチルシリルを表す、実施形態29に記載の方法。
31.R2がメチルを表す、実施形態21から30のいずれかに記載の方法。
32.R3が(アラルキル)OC(O)−を表す、実施形態21から31のいずれかに記載の方法。
33.R3が(9−フルオレニルメチル)OC(O)−を表す、実施形態32に記載の方法。