(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要求については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要求は図示を省略する。
【0016】
図1は、解析装置1の構成を示すブロック図である。解析装置1は、
図1に示すように、CPU(Central Processing Unit)2、ROM(Read Only Memory)3およびRAM(Random Access Memory)4を含むコンピュータである。解析装置1は、記憶装置5、入力インターフェイス(入力I/O)6、表示装置7および通信装置8が設けられる。
【0017】
解析装置1では、CPU2、ROM3、RAM4、記憶装置5、入力インターフェイス6、表示装置7および通信装置8がバス9を介して接続される。
【0018】
CPU2は、ROM3または記憶装置5に記憶されたプログラムをRAM4に展開して実行することで、解析装置1全体を制御する。
【0019】
記憶装置5は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SDD(Solid State Drive)などからなり、CPU2が実行可能なプログラム(ソフトウエア)、および、各種データ等の多数のデータが記憶される。なお、記憶装置5に記憶されたデータについて、詳しくは後述する。
【0020】
入力インターフェイス6は、例えばマウス、キーボード、タッチパネルなどからなり、ユーザによる入力操作を受け付ける。入力インターフェイス6は、ユーザによる入力操作に応じた情報をCPU2に出力する。
【0021】
表示装置7は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどからなり、CPU2の制御に応じて画像を表示する。
【0022】
通信装置8は、CPU2の制御に応じて、ネットワークを介して有線または無線によって外部機器と接続および通信する。
【0023】
図2は、CPU2の機能ブロックを説明する図である。
図2に示すように、CPU2は、ROM3または記憶装置5に記憶されたプログラムをRAM4に展開して実行することで、言語解析部10、出力部11、言語比較部12、モデル解析部13およびモデル比較部14として機能する。なお、言語解析部10、出力部11、言語比較部12、モデル解析部13およびモデル比較部14について、詳しくは後述する。
【0024】
図3は、記憶装置5に記憶されたプログラムおよびデータを説明する図である。記憶装置5には、3次元CAD(Computer Aided Design)ソフトウエア20、規格データベース21および3次元CADデータ22が記憶されている。CPU2は、3次元CADソフトウエア20をRAM4に展開して実行することで、3次元CADを実行可能とする。
【0025】
規格データベース21には、各国の標準規格、および、民間会社の規格等の既知の規格データが記憶されている。規格データベース21には、例えば、公知規格データ(例えばASME規格データ等)11a、および、製造メーカー固有の規格またはスペック規格データ(メーカー規格データ)11bが記憶されている。
【0026】
3次元CADデータ22は、3次元CADソフトウエア20を介して生成される3次元CADのデータである。なお、3次元CADデータ22は、記憶装置5に記憶されている必要はない。例えば、解析装置1では、通信装置8を介して3次元CADデータ22を取得するようにしてもよい。
【0027】
図4は、3次元CADデータ22を説明する図である。なお、
図4では、3次元CADデータ22が3次元CADソフトウエア20により読み出されて表示装置7に表示されている状態を示している。
【0028】
図4に示すように、3次元CADデータ22は、3次元モデル30および階層的なツリー構造31が含まれている。3次元モデル30は、線や点によって形状、位置、向き等が示される。ツリー構造31は、3次元モデル30に含まれるアセンブリや部品等を階層に分けて管理する。具体的には、ツリー構造31では、最上位の階層に、3次元CADデータ22のファイル名が配置される。また、ツリー構造31では、2番目以降の階層に、3次元モデル30のアセンブリ、部品および図面要求項目(例えば加工条件項目、締結条件項目等)が1または複数の階層に亘って配置される。また、ツリー構造31では、図面要求項目に、文字情報が含まれている。
【0029】
図4の例では、ファイル名「FILE1」(階層0)の下位階層に、アセンブリ「ASSY1」、・・・(階層1)が配置される。また、アセンブリ「ASSY1」の下位階層に、部品「PART1」、部品「PART2」、・・・(階層2)が配置される。また、部品「PART1」の下位階層に、図面要求項目「DEFINITION1」、図面要求項目「DEFINITION2」・・・(階層3)が配置される。図面要求項目「DEFINITION1」には、孔の直径が示された文字情報「Drill per M−Spec1_D−1」が含まれている。図面要求項目「DEFINITION2」には、接合方法が示された文字情報「Fastening per M−Spec2_F−1」が含まれている。
【0030】
ここで、文字情報「Drill per M−Spec1_D−1」は、メーカー規格である「M−Spec1_D−1」に基づいてドリル加工を施すことが文字情報として示される。また、文字情報「Fastening per M−Spec2_F−1」は、メーカー規格である「M−Spec2_F−1」に基づいて締結を施すことが文字情報として示される。
【0031】
このように、3次元CADデータ22には、3次元モデル30によるモデル要求だけでなく、ツリー構造31によって、文字情報を含む様々な文字要求が付加されている。例えば、航空機の3次元CADデータ22では、ツリー構造31に含まれる要求(モデル要求および文字要求)が50万点以上になることもある。
【0032】
そして、従来の設計では、図面製作部門において3次元CADデータ22が作成される。その後、生産技術部門および品質保証部門によって、制作された3次元CADデータ22がチェックされる。ここでは、3次元CADデータ22のツリー構造31の要求が手作業によってすべてチェックされることになる。例えば、図面要求項目に示された文字情報に基づいて、孔の直径や締結方法等が、既知の規格に照らし合わせてチェックされる。また、品質保証部門では、3次元CADデータ22のツリー構造31の各図面要求項目について品質記録が作成される。
【0033】
そして、生産技術部門および品質保証部門でエラーが発見された場合には、図面製作部門において3次元CADデータ22が修正される。このような作業が繰り返し行われることによって、最終的な3次元CADデータ22および品質記録が作成されることになる。
【0034】
しかしながら、このような方法では、重複作業の発生、確認や作業漏れ等のヒューマンエラーが内在するとともに、作業者の気が付かないエラーが発生したりする。また、3次元CADデータ22のツリー構造31において定義された要求と、既知の規格によって定義された要求との組み合わせ等で優先順位が変わることがある。
【0035】
したがって、従来の設計においては、作業者による3次元CADデータ22の確認作業、修正作業および品質記録の作成作業に膨大な時間を要してしまう。
【0036】
また、3次元モデル30のコピーによっては、実際には変更していないにも拘らず、変換誤差等によって寸法情報等が誤差として出現することもある。このような場合に、作業者がチェックすると、誤差として判定されることになる。後述する確認強度を作業者が変更することで回避することができる。
【0037】
そこで、解析装置1は、3次元CADデータ22に対して自然言語解析を行うとともに、自然言語解析の解析結果を出力することで、全ての作業者が共通して解析結果を使用することができ、作業効率を向上することができる。以下では、具体的な解析処理について説明する。
【0038】
解析装置1では、ツリー構造31に含まれる文字情報を自然言語解析する言語解析処理と、2つの3次元CADデータ22におけるツリー構造31の解析結果を比較する言語比較処理と、2つの3次元CADデータ22における3次元モデル30を比較するモデル比較処理とが行われる。
【0039】
解析装置1は、言語解析処理、言語比較処理またはモデル比較処理のいずれかが、入力インターフェイス6を介して作業者により選択されると、選択された処理を実行する。
【0040】
<言語解析処理>
言語解析部10は、言語解析処理が選択され、処理対象となる3次元CADデータ22が入力インターフェイス6を介して選択されると、選択された3次元CADデータ22を、3次元CADソフトウエア20を介してRAM4に展開する。これにより、言語解析部10は、3次元CADデータ22を解析可能となる。
【0041】
そして、言語解析部10は、処理対象の3次元CADデータ22がRAM4に展開されると、3次元モデル30およびツリー構造31を解析する。具体的には、言語解析部10は、ツリー構造31に配置された各項目の中から、文字情報を抽出する。そして、言語解析部10は、抽出した文字情報に対して自然言語解析を行う。
【0042】
例えば、言語解析部10は、文字情報「Drill per M−Spec1_D−1」を抽出する。そして、言語解析部10は、抽出した文字情報「Drill per M−Spec1_D−1」のうち、規格データベース21に記憶された規格データと一致する文字情報(文字列)があるか判定する。
【0043】
例えば、メーカー規格データ11bに規格「M−Spec1_D−1」が記憶されているとする。そうすると、言語解析部10は、文字情報「Drill per M−Spec1_D−1」のうち、文字列「M−Spec1_D−1」が規格データと一致していると判定する。
【0044】
この場合、言語解析部10は、メーカー規格データ11bから規格「M−Spec1_D−1」を読み出す。そして、言語解析部10は、規格「M−Spec1_D−1」を参照して、文字情報「Drill per M−Spec1_D−1」に対応する孔の直径を導出する。
【0045】
言語解析部10は、図面内の複数の条件から、規格内の要求を導く。例えば
図5は、規格「M−Spec1_D−1」を説明する図である。
図5に示すように、規格「M−Spec1_D−1」には、ボルト、スクリュー、ファスナー等の締結部品の呼び径と長さに対して、孔の直径が対応付けられている。
【0046】
そこで、言語解析部10は、文字情報「Drill per M−Spec1_D−1」の上位階層であるアセンブリ「ASSY1」、部品「PART1」の3次元モデル30に基づいて、文字情報「Drill per M−Spec1_D−1」が施される部品の厚さ、位置、および、孔に施される向きを解析する。
【0047】
そして、言語解析部10は、解析した部品の厚さに基づいて、読み出した規格「M−Spec1_D−1」を参照して、孔の直径(文字要求)を導出する。また、言語解析部10は、導出した孔の直径を、図面要求項目「DEFINITION1」の属性データとして、図面要求項目「DEFINITION1」に付す。
【0048】
言語解析部10は、3次元CADデータ22のツリー構造31の各図面要求項目に示される文字情報について、上記したように、規格データベース21に記憶された規格データと一致する文字情報があるか判定する。そして、言語解析部10は、規格データベース21に記憶された規格データと一致する文字情報について、規格データベース21を参照して、規格データに示される文字要求(例えば、孔の直径、締結方法等)を導出する。また、言語解析部10は、導出した文字要求を属性データとして、対応する項目を付す。
【0049】
ここで、ツリー構造31において各図面要求項目として文字情報ではなく数値や材料等で具体的に規定された要求と、自然言語解析によって属性データとして付された文字要求とが、同一の処理に対する要求であることもある。例えば、同一の位置に施されるシーリングの要求として、ツリー構造31内に具体的に数値および材料が規定されており、かつ、自然言語解析によって文字要求も導出されたとする。このような場合、言語解析部10は、ツリー構造31内に具体的に規定された要求を優先的に選択する。そして、言語解析部10は、自然言語解析によって属性データとして付される文字要求を削除する。このようにすることで、同一の位置に同一種類の異なる要求が重畳されることを防止することができる。
【0050】
出力部11は、言語解析部10による自然言語解析の解析結果(文字要求)を、文字解析結果データとして出力する。具体的には、出力部11は、文字解析結果データを所定のフォーマットで記憶装置5に記憶させてもよく、また、表示装置7に表示してもよい。
【0051】
図6は、文字解析結果データを説明する図である。
図6に示すように、文字解析結果データは、解析番号、階層、項目および解析結果(文字要求)が示される。解析番号は、言語解析部10によって自然言語解析された解析結果が、通し番号で示される。階層には、自然言語解析された図面要求項目の階層が示される。項目には、自然言語解析された図面要求項目が示される。文字要求には、自然言語解析の解析結果(文字要求)が示される。
【0052】
例えば、解析番号「1」には、階層が「3」である図面要求項目「DEFINITION1」について、自然言語解析の解析結果(文字要求)として、直径が10mmであることを示す「直径10」が記載される。文字解析結果データには、自然言語解析の解析結果の全てが記載される。
【0053】
これにより、文字解析結果データを参照することで、全ての部門における作業者は、3次元CADデータ22のツリー構造31をそれぞれチェックする必要がなくなり、作業効率を向上することができる。また、品質管理部門では、文字解析結果データをそのまま品質記録として用いることができ、作業の簡略化を図ることができる。また、各部門において、文字解析結果データを共有することができ、各部門における再確認等の重複作業を低減することができる。また、解析装置1は、作業者による作業エラーを低減することができる。
【0054】
<言語比較処理>
言語解析部10は、言語比較処理が選択され、比較対象となる2つの3次元CADデータ22が入力インターフェイス6を介して選択されると、まず、選択された2つの3次元CADデータ22に対して、上記したような自然言語解析を行う。また、言語解析部10は、ツリー構造31の各項目の項目名である文字情報も抽出する。なお、比較対象となる2つの3次元CADデータ22としては、例えば、修正前の3次元CADデータ22と、修正後の3次元CADデータ22とが選択される。
【0055】
図7は、言語比較処理の比較結果を表示する画像を説明する図である。言語比較部12は、2つの解析結果データおよび項目名を比較する。具体的には、言語比較部12は、同一階層および同一項目において、文字要求が不一致である場合、その文字要求を抽出する。また、言語比較部12は、同一階層において項目名が不一致である場合、その項目名を抽出する。そして、出力部11は、抽出された文字要求および項目名を比較結果(文字比較結果データ)として出力する。
【0056】
具体的には、出力部11は、3次元CADデータ22に基づく3次元CAD画像とともに、文字比較結果データを表示装置7に表示する。なお、出力部11は、文字比較結果データを所定のフォーマットで記憶装置5に記憶させてもよい。
【0057】
出力部11は、3次元CADソフトウエア20上において2つの3次元CADデータ22を展開し、
図7に示すように、2つの3次元CADデータ22に基づく3次元CAD画像100、101を表示装置7に表示する。なお、
図7において図中左側の3次元CAD画像100は、
図4に示した3次元CADデータ22に基づくものである。一方、
図7において図中右側の3次元CAD画像101は、
図4に示した3次元CADデータ22から一部が修正(変更)されたものである。
【0058】
また、出力部11は、3次元CAD画像100、101とともに、文字比較結果データ102を表示装置7に表示する。文字比較結果データ102では、解析番号、階層、項目とともに比較結果が示されている。例えば、階層が「3」である締結条件項目「DEFINITION1」について、文字要求が「直径10」から「直径8」に変更されたことが示されている。
【0059】
そして、出力部11は、作業者によって、文字比較結果データ102に示されるいずれかの比較結果が入力インターフェイス6を介して選択されると、選択された比較結果に対応する項目を、ツリー構造31上でハイライト表示する。これにより、作業者は、変更された項目を瞬時に発見することができ、作業効率を向上することができる。また、解析装置1は、作業者による作業エラーを低減することができる。
【0060】
<モデル比較処理>
モデル解析部13は、モデル比較処理が選択され、比較対象となる2つの3次元CADデータ22が入力インターフェイス6を介して選択されると、まず、選択された2つの3次元CADデータ22の3次元モデル30を解析する。具体的には、モデル解析部13は、選択された2つの3次元CADデータ22に対して、アセンブリ、部品および図面要求項目の形状、大きさ、重心位置、面積、体積、方向等のモデル要求を解析し、解析結果(モデル要求)をモデル解析結果データとして出力する。また、モデル解析部13は、3次元モデル30におけるアセンブリ、部品および図面要求項目に対して、言語解析部10により解析された属性データを付与し、モデル解析結果データに記憶する。
【0061】
図8は、モデル比較処理の比較結果を表示する画像を説明する図である。モデル比較部14は、2つのモデル解析結果データを比較する。ここで、モデル比較部14は、モデル解析処理において、比較する階層および確認強度が入力インターフェイス6を介して作業者に選択されると、選択された確認強度およびモードに基づいて、2つのモデル解析結果データを比較する。確認強度は、モデル解析結果データを小数点第何位まで比較するかが示される。確認強度は、例えば5段階設けられており、確認強度「1」は、小数点第1位まで比較し、確認強度が高くなるごとに、比較する小数点以下の位が1つずつ増加するよう設定されている。確認強度は、どの強度で一致または不一致しているかといった曖昧さをレベル分けするものである。
【0062】
そして、モデル比較部14は、選択された階層のアセンブリ、部品および図面要求項目について、モデル解析結果データを参照して、選択された確認強度に対応する桁数まで、一致しているか否か判定する。そして、モデル比較部14は、選択された確認強度に対応する桁数までの間で不一致であるモデル要求を抽出する。その後、出力部11は、抽出されたモデル要求を比較結果(モデル比較結果データ)として出力する。
【0063】
具体的には、出力部11は、3次元CADデータ22に基づく3次元CAD画像とともに、モデル比較結果データを表示装置7に表示する。なお、出力部11は、モデル比較結果データを所定のフォーマットで記憶装置5に記憶させてもよい。
【0064】
出力部11は、3次元CADソフトウエア20上において2つの3次元CADデータ22を展開し、
図8に示すように、2つの3次元CADデータ22に基づく3次元CAD画像200、201を表示装置7に表示する。なお、
図8において図中左側の3次元CAD画像200は、
図4に示した3次元CADデータ22に基づくものである。一方、
図8において図中右側の3次元CAD画像201は、
図4に示した3次元CADデータ22から一部が修正(変更)されたものである。
【0065】
また、出力部11は、3次元CAD画像200、201とともに、モデル比較結果データ202を表示装置7に表示する。モデル比較結果データ202では、解析番号、階層、項目とともに比較結果が示されている。モデル比較結果データ202では、例えば、
図8に示すように、階層が「2」である部品「PART1」について、重心位置が「0,0,0」から「0,100,0」に変更されたことが比較結果として示されている。
【0066】
出力部11は、作業者によって、モデル比較結果データ202に示されるいずれかの比較結果が入力インターフェイス6を介して選択されると、選択された比較結果に対応するアセンブリ、部品または図面要求項目を、3次元モデル30上で全体像内にハイライト表示、または、その選択されたもののみを表示する。これにより、作業者は、変更されたアセンブリ、部品または図面要求項目を瞬時に発見することができ、作業効率を向上することができる。また、解析装置1は、作業者による作業エラーを低減することができる。
【0067】
図9は、解析処理の流れを示すフローチャートである。
図9に示すように、CPU2は、言語解析処理が選択されたか否か判定する(S1)。その結果、言語解析処理が選択されていれば(S1におけるYES)、言語解析部10は、処理対象となる3次元CADデータ22が入力インターフェイス6を介して選択されると、選択された3次元CADデータ22を取得し(S2)、3次元CADソフトウエア20を介してRAM4に展開する。
【0068】
続いて、言語解析部10は、3次元CADデータ22のツリー構造31の各図面要求項目の文字情報を抽出し、抽出した文字情報、および、3次元モデル30に基づいて、対応する規格データを参照して、文字情報を自然言語解析する(S3)。
【0069】
その後、出力部11は、自然言語解析の解析結果(文字要求)を文字比較結果データとして出力し(S4)、当該解析処理を終了する。
【0070】
一方、言語解析処理が選択されていなければ(S1におけるNO)、CPU2は、言語比較処理が選択されたか否か判定する(S5)。その結果、言語比較処理が選択されていれば(S5におけるYES)、言語解析部10は、処理対象となる2つの3次元CADデータ22が入力インターフェイス6を介して選択されると、選択された3次元CADデータ22を取得し(S6)、3次元CADソフトウエア20を介してRAM4に展開する。
【0071】
続いて、言語解析部10は、2つの3次元CADデータ22に対して、ツリー構造31の各図面要求項目の文字情報を抽出し、抽出した文字情報、および、3次元モデル30に基づいて、対応する規格データを参照して、文字情報を自然言語解析する(S7)。また、言語解析部10は、2つの3次元CADデータ22に対して、ツリー構造31の項目名の文字情報を抽出する。
【0072】
その後、言語比較部12は、2つの文字解析結果データを比較し、同一階層において文字要求または項目名が不一致である場合、その文字要求または項目名を抽出する。出力部11は、抽出結果を文字比較結果データとして表示装置7に表示し(S8)、当該解析処理を終了する。
【0073】
一方、言語比較処理が選択されていない(S5におけるNO)、つまり、モデル比較処理が選択され、モデル解析部13は、処理対象となる2つの3次元CADデータ22が入力インターフェイス6を介して選択されると、選択された3次元CADデータ22を取得し(S9)、3次元CADソフトウエア20を介してRAM4に展開する。
【0074】
続いて、モデル解析部13は、選択された2つの3次元CADデータ22に対して、モデル要求を解析するとともに、言語解析部10により解析された属性データを付与し、モデル解析結果データとして出力する(S10)。
【0075】
その後、モデル比較部14は、作業者によって選択された階層および確認強度に基づいてモデル解析結果データを比較し、出力部11は、不一致であるモデル要求をモデル比較結果データとして表示装置7に表示し(S11)、当該解析処理を終了する。
【0076】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0077】
例えば、上述した実施形態では、図面データとして3次元CADデータ22を用いた場合について説明した。しかしながら、図面データは、2次元CADデータであってもよい。
【0078】
また、上記した実施形態では、言語解析処理、言語比較処理およびモデル比較処理が行われるようにした。しかしながら、言語解析処理、言語比較処理およびモデル比較処理のいずれか1つまたは2つが行われるようにしてもよい。
【0079】
また、上記した実施形態では、言語解析処理において出力された文字解析結果データを品質記録とするようにした。しかしながら、言語解析処理において出力された文字解析結果データ、および、モデル解析部13によって出力されたモデル解析結果データを合わせて品質記録としてもよい。
【0080】
また、上記した実施形態における解析装置1では、出力された文字解析結果データと、実際に製造された部品の寸法等とを比較し、合否判定を行うようにしてもよい。
【0081】
また、上述した実施形態における言語比較処理では、比較する階層や、比較するための位置、向き等を作業者に選択させ、選択された階層や、位置、向き等のみで比較するようにしてもよい。