特許第6726304号(P6726304)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6726304下りデータの送信方法、装置および基地局
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6726304
(24)【登録日】2020年6月30日
(45)【発行日】2020年7月22日
(54)【発明の名称】下りデータの送信方法、装置および基地局
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/12 20090101AFI20200713BHJP
   H04B 7/06 20060101ALI20200713BHJP
【FI】
   H04W72/12 130
   H04B7/06 040
【請求項の数】16
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2018-556874(P2018-556874)
(86)(22)【出願日】2017年4月28日
(65)【公表番号】特表2019-515560(P2019-515560A)
(43)【公表日】2019年6月6日
(86)【国際出願番号】CN2017082569
(87)【国際公開番号】WO2017186179
(87)【国際公開日】20171102
【審査請求日】2018年12月11日
(31)【優先権主張番号】201610281668.7
(32)【優先日】2016年4月29日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】魏継東
【審査官】 石原 由晴
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−239098(JP,A)
【文献】 特開2009−278546(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/034700(WO,A1)
【文献】 特開2000−209145(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第103023545(CN,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0301454(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下りデータの送信方法であって、
端末の上りアクティブセット中のアンテナグループが下りデータの送信を行うか否かの状態情報に基づき、上りアクティブセット中の下りデータを送信するべきアンテナグループにおいて、下りデータを前記端末に送信することと、
前記端末の上りアクティブセット中のアンテナグループが下りデータの送信を行うか否かの状態情報を取得することと、を含み、
前記端末の上りアクティブセット中のアンテナグループが下りデータの送信を行うか否かの状態情報を取得することは、
端末および上りアクティブセット中のアンテナグループのそれぞれの状態を監視して得られる測定情報を取得することと、
前記測定情報に基づき、上りアクティブセット中のアンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させるか否かを判定することと、
アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させる必要がある場合、前記上りアクティブセット中のアンテナグループのそれぞれがデータ送信を行うか否かの状態情報を取得することと、を含み、
前記測定情報は、信号品質情報および伝搬損失情報のうちの少なくとも1つを含む、
下りデータの送信方法。
【請求項2】
前記上りアクティブセットに複数のアンテナグループが含まれ、且つ、前記測定情報に上りアクティブセット中のアンテナグループのそれぞれの周波数オフセット値が含まれる場合、前記測定情報に基づき、上りアクティブセット中のアンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させるか否かを判定するステップは、
上りアクティブセットに周波数オフセット値の絶対値が第1設定閾値以上であるアンテナグループが少なくとも1つ存在すれば、アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させること、あるいは
上りアクティブセットに周波数オフセット値の差分値の絶対値が第2設定閾値以上である2つのアンテナグループが存在すれば、アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させること、あるいは
上りアクティブセットに周波数オフセット値の絶対値が第3設定閾値以上であるアンテナグループが少なくとも1つ存在し、且つアンテナグループの周波数オフセット値が前記アンテナグループの周波数オフセット値の絶対値に等しくなければ、アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させることを含む、
請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記測定情報に上りアクティブセット中のアンテナグループのそれぞれの信号品質が更に含まれる場合、前記測定情報に基づき、上りアクティブセット中のアンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させるか否かを判定するステップは、
上りアクティブセットに周波数オフセット値の絶対値が第1設定閾値以上であるアンテナグループが少なくとも1つ存在し、且つ信号品質の差分値の絶対値が第4閾値以下である2つのアンテナグループが存在する場合、アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させること、あるいは
上りアクティブセットに周波数オフセット値の差分値の絶対値が第2設定閾値以上である2つのアンテナグループが存在し、且つ信号品質の差分値の絶対値が第4閾値以下である2つのアンテナグループが存在する場合、アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させること、あるいは
上りアクティブセットに周波数オフセット値の絶対値が第3設定閾値以上であるアンテナグループが少なくとも1つ存在し、且つアンテナグループの周波数オフセット値が前記アンテナグループの周波数オフセット値の絶対値に等しくなく、並びに信号品質の差分値の絶対値が第4閾値以下である2つのアンテナグループが存在する場合、アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させることを含む、
請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記上りアクティブセットに複数のアンテナグループが含まれ、且つ、前記測定情報に上りアクティブセット中の設定数のアンテナグループの周波数オフセット値が含まれる場合、前記測定情報に基づき、上りアクティブセット中のアンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させるか否かを判定するステップは、
上りアクティブセットに周波数オフセット値の絶対値が第5設定閾値以上であるアンテナグループが少なくとも1つ存在すれば、アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させることを含む、
請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記上りアクティブセットに複数のアンテナグループが含まれ、且つ、前記測定情報に上りアクティブセット中のアンテナグループのそれぞれの信号品質が含まれる場合、前記測定情報に基づき、上りアクティブセット中のアンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させるか否かを判定するステップは、
上りアクティブセットに信号品質の差分値の絶対値が第6閾値以下である2つのアンテナグループが存在すれば、アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させることを含む、
請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記測定情報に端末の状態情報が含まれる場合、前記測定情報に基づき、上りアクティブセット中のアンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させるか否かを判定するステップは、
前記端末の状態情報によって、端末が近点位置に位置しないことを示す場合、アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させることを含む、
請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記上りアクティブセットに複数のアンテナグループが含まれ、且つ、前記測定情報に上りアクティブセット中のアンテナグループのそれぞれの信号対混信比または信号電力が含まれる場合、前記測定情報に基づき、上りアクティブセット中のアンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させるか否かを判定するステップは、
上りアクティブセット中のアンテナグループのそれぞれの信号対混信比または信号電力がいずれも第7設定閾値以下であると、アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させることを含む、
請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記上りアクティブセットに複数のアンテナグループが含まれ、且つ、前記測定情報に上りアクティブセット中のアンテナグループのそれぞれの伝搬損失が含まれる場合、前記測定情報に基づき、上りアクティブセット中のアンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させるか否かを判定するステップは、
上りアクティブセット中のアンテナグループのそれぞれの伝搬損失が第8設定閾値以上であると、アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させることを含む、
請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させる必要がある場合、前記上りアクティブセット中のアンテナグループのそれぞれがデータ送信を行うか否かの状態情報を取得するステップは、
前記上りアクティブセット中の第1アンテナグループの状態情報をデータ送信状態としてマークすること、あるいは
前記上りアクティブセット中の第2アンテナグループの状態情報をデータ不送信状態としてマークすることを含む、
請求項からのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記状態情報に基づき、上りアクティブセット中の下りデータを送信するべきアンテナグループにおいて下りデータを前記端末に送信するステップは、
アンテナグループの状態情報に基づき、上りアクティブセット中の下りデータを送信するべきではないアンテナグループにおけるデータに対して送信端処理を行うことと、
送信端処理が行われた後、上りアクティブセット中の下りデータを送信するべきアンテナグループを介して、下りデータを前記端末に送信することと、を含む、
請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記アンテナグループの状態情報に基づき、上りアクティブセット中の下りデータを送信するべきではないアンテナグループにおけるデータに対して送信端処理を行うステップは、
アンテナグループの状態情報が下りデータ不送信状態であると、アンテナグループのリソースブロックでデータの送信を行わないように制御すること、あるいは
アンテナグループのリソースブロックにおけるデータをクリアすること、あるいは
アンテナグループのリソースブロックにおけるデータの送信電力を低減することを含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記送信端処理が行われた後、上りアクティブセット中の下りデータを送信するべきアンテナグループを介して下りデータを前記端末に送信するステップは、
送信端処理が行われた後、上りアクティブセット中のアンテナグループのそれぞれにおける周波数領域データを時間領域データに変換し、端末が下りデータを送信するアンテナグループにおいて下りデータの受信を行うように、エアインターフェースを介して前記時間領域データを端末に送信する、
請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記送信端処理が行われた後、上りアクティブセット中の下りデータを送信するべきアンテナグループを介して下りデータを前記端末に送信するステップは、
前記周波数領域データまたは時間領域データに対して周波数オフセット補正を行うことを更に含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
端末の上りアクティブセット中のアンテナグループが下りデータの送信を行うか否かの状態情報に基づき、上りアクティブセット中の下りデータを送信するべきアンテナグループにおいて、下りデータを前記端末に送信するように構成される送信モジュールと、
前記端末の上りアクティブセット中のアンテナグループが下りデータの送信を行うか否かの状態情報を取得するように構成される確定モジュールと、を備え、
前記確定モジュールは、
端末および上りアクティブセット中のアンテナグループのそれぞれの状態を監視して得られる測定情報を取得するように構成される監視ユニットと、
前記測定情報に基づき、上りアクティブセット中のアンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させるか否かを判定するように構成される判定ユニットと、
アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させる必要がある場合、前記上りアクティブセット中のアンテナグループのそれぞれがデータ送信を行うか否かの状態情報を取得するように構成される確定ユニットと、を備え、
前記測定情報は、信号品質情報および伝搬損失情報のうちの少なくとも1つを含む、
下りデータ送信装置。
【請求項15】
前記送信モジュールは、
アンテナグループの状態情報に基づき、上りアクティブセット中の下りデータを送信するべきではないアンテナグループにおけるデータに対して送信端処理を行うように構成される処理ユニットと、
送信端処理が行われた後、上りアクティブセット中の下りデータを送信するべきアンテナグループを介して、下りデータを前記端末に送信するように構成される送信ユニットと、を備える、
請求項14に記載の装置。
【請求項16】
請求項1から13のいずれか1項に記載の方法を実行するように構成されるコンピュータ実行可能な命令が記憶される、
非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、通信技術分野に関し、例えば、下りデータの送信方法、装置および基地局に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信技術の発展に伴い、異なる分野、異なるシーンにおいて、それぞれ非常に高い伝送速度が要求される。すると、ある特殊なシーン、例えば高速シーン、航路シーン等において、周波数同期の問題に対する要求が高い。中心周波数が低い場合、速度によるドップラー周波数オフセットの影響は、ロングタームイボリューション(LTE)技術に大きなチャレンジをもたらさないが、中心周波数オフセットが比較的高いまたは非常に高い場合、高速シーンにおけるドップラー周波数オフセットの問題はシステム性能に深刻な影響を与え、周波数オフセット推定の問題をどのように解決するかに巨大なチャレンジをもたらす。
【0003】
それと同時に、高速セルの頻繁な切り替えを回避するために、通常、スーパーセルのネット配置方式を採用するが、これは、下り性能に大きな影響を与え、該影響は、端末が少なくとも一対の2つの異なる到来波方向の信号を受信し、双方向の信号が発生するドップラーシフトの差により、重畳後に信号電力が落ちる現象が現れ、それにより、下りリンク性能が悪化してしまうこととして具体化される。
【0004】
この問題について、いくつかの資料または一般的に採用される方法は、周波数オフセットの事前補償を行い、または、良好な補償効果を達成するためにスケジューリングの角度から検討する。しかしながら、前者では、複数の端末が存在する場合、いずれの補償方法も全てのユーザーを兼ね合うことが困難になり、後者では、サービス品質(QOS)、スケジューリングユーザー数および実現の複雑さに対して大きな衝撃となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示が解決しようとする課題は、従来の周波数オフセット、位相等の原因で下り多重信号が重畳し、通信品質に影響を及ぼす問題を解決するための下りデータの送信方法、装置および基地局を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記技術的問題を解決するために、本開示の実施例は、
端末の上りアクティブセット中のアンテナグループが下りデータの送信を行うか否かの状態情報に基づき、上りアクティブセット中の下りデータを送信するべきアンテナグループにおいて、下りデータを前記端末に送信することを含む下りデータの送信方法を提供する。
【0007】
本開示の実施例は、
端末の上りアクティブセット中のアンテナグループが下りデータの送信を行うか否かの状態情報に基づき、上りアクティブセット中の下りデータを送信するべきアンテナグループにおいて、下りデータを前記端末に送信するように構成される送信モジュールを備える下りデータ送信装置を提供する。
【0008】
本開示の実施例は、上記方法を実行するように構成されるコンピュータ実行可能な命令が記憶される非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を更に提供する。
【0009】
本開示の実施例は、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサと通信接続されるメモリとを備える基地局であって、
前記メモリに前記少なくとも1つのプロセッサにより実行可能な命令が記憶され、前記少なくとも1つのプロセッサが上記方法を実行するように、前記命令は前記少なくとも1つのプロセッサにより実行される基地局を更に提供する。
【発明の効果】
【0010】
本開示の有益な効果として、上記の態様によれば、端末の上りアクティブセットにおいて実際に下りデータを送信するアンテナグループを確定し、該当したアンテナグループで下りデータの送信を行うことにより、下りデータを送信する際にアンテナグループの信号の逆相重畳効果を引き起こし、通信品質に影響を及ぼす問題を回避する。本開示に係る下りデータの送信方式は、データの正確な受信を保証し、基地局と端末の間の通信品質を保証する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の実施例1の下りデータの送信方法のフローを示す模式図1である。
図2】本開示の実施例1の下りデータの送信方法のフローを示す模式図2である。
図3】本開示の実施例2の下りデータ送信装置のモジュールを示す模式図である。
図4】本開示の実施例の電子装置の構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の技術案および利点をより明らかにするために、以下、図面および実施例を参照しながら本開示を詳細に説明する。
【0013】
本開示は、従来の周波数オフセット、位相等の原因で下り多重信号が重畳し、通信品質に影響を及ぼす問題について、下りデータの送信方法、装置および基地局を提供する。
【0014】
[実施例1]
図1に示すように、本開示の実施例1の下りデータの送信方法は、以下のステップを含む。
【0015】
ステップ100、端末の上りアクティブセット中のアンテナグループが下りデータの送信を行うか否かの状態情報を取得する。
【0016】
なお、端末の上りアクティブセットは、基地局が選択する信号の強いアンテナグループのセットとして理解でき、前記状態情報は、下りデータ送信状態または下りデータ不送信状態である。
【0017】
ステップ200、前記状態情報に基づき、上りアクティブセット中の下りデータを送信するべきアンテナグループにおいて、下りデータを前記端末に送信する。
【0018】
本開示の実施例は、端末の上りアクティブセットのアンテナグループから下りデータを送信可能なアンテナグループを選別することにより、下りデータを送信する際にアンテナグループの信号の逆相重畳効果を引き起こし、通信品質に影響を及ぼすという問題を回避する。本開示に係る下りデータの送信方式は、データの正確な受信を保証し、基地局と端末との間の通信品質を保証する。
【0019】
なお、該ステップ100を実現するために、以下のステップを含んでもよい。
【0020】
ステップ110、端末および上りアクティブセット中のアンテナグループのそれぞれの状態を監視して得られる測定情報を取得する。
【0021】
なお、該測定情報は、アンテナグループの周波数オフセット値、信号品質、信号対混信比、信号電力、伝搬損失および端末の状態情報(端末が近点、中点または遠点位置にある状態)のうちの1つまたは複数を含んでもよいが、これらに限定されない。
【0022】
なお、通常の場合、下りデータを受信する時の伝搬損失が第1設定値以下の端末を近点位置と判定し、伝搬損失が第2設定値近くにある端末を中点位置にあると判定し、他の伝搬損失の端末を遠点位置にあると判定する。例えば、実際の適用において、以下のような方式で端末の状態情報を確定することができ、すなわち、下りデータを受信する時の伝搬損失が80dBm以下の端末を近点位置にあると判定し、伝搬損失が90dBm程度の端末を中点位置にあると判定し、他の伝搬損失の端末を遠点位置にあると判定する。
【0023】
ステップ120、前記測定情報に基づき、上りアクティブセット中のアンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させるか否かを判定する。
【0024】
ステップ130、アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させる必要がある場合、前記上りアクティブセット中のアンテナグループのそれぞれがデータ送信を行うか否かの状態情報を取得する。
【0025】
なお、上りアクティブセットは、1つまたは複数のアンテナグループから構成可能であり、端末の上りアクティブセットに1つのみのアンテナグループが存在する場合、該端末の下りデータを送信する時に、該アクティブアンテナグループのみで送信してもよく、つまり、他のアンテナグループの対応するリソースで該端末の下りデータを送信しない。あるいは、力率を調整することにより他のアンテナグループにおける該端末の下りデータの送信電力を低減してもよい。あるいは、他のアンテナグループにおいて該端末の下りデータを送信してもよく、力率の調整等は特別な処理をしない。なお、本実施例において、上りアクティブセットに1つのみのアンテナグループが存在する場合について過分な限定をせず、本実施例の後続の説明はいずれも上りアクティブセットに複数のアンテナグループ(2つまたは2つ以上のアンテナグループ)が含まれることを例として説明する。
【0026】
以下、測定情報に異なるパラメータが含まれることを例として説明する。
【0027】
場合1、測定情報に上りアクティブセット中のアンテナグループのそれぞれの周波数オフセット値のみが含まれる場合、上記ステップ120の実現方式は、以下のようであってもよい。
上りアクティブセットに、周波数オフセット値の絶対値が第1設定閾値以上であるアンテナグループが少なくとも1つ存在すれば、アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させる、または、
上りアクティブセットに、周波数オフセット値の差分値の絶対値が第2設定閾値以上である2つのアンテナグループが存在すれば、アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させる、または、
上りアクティブセットに、周波数オフセット値の絶対値が第3設定閾値以上であるアンテナグループが少なくとも1つ存在し、且つアンテナグループの周波数オフセット値が前記アンテナグループの周波数オフセット値の絶対値に等しくなければ、アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させる。
【0028】
なお、この場合、アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させる3種類の方式を提供し、最も簡単な判定方式は、周波数オフセット値の絶対値が第1設定閾値以上であるアンテナグループが少なくとも1つ存在すれば、アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させる方式である。別の2種類の精確の方式は、周波数オフセット値の絶対値が第3設定閾値以上であるアンテナグループが少なくとも1つ存在し、且つアンテナグループの周波数オフセット値が前記アンテナグループの周波数オフセット値の絶対値に等しくないと、アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させる方式、または、上りアクティブセットに周波数オフセット値の差分値の絶対値が第2設定閾値以上である任意の2つのアンテナグループが存在すれば、アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させる方式である。どの判定方式を選択するかは、実際の適用の場合に応じて選択してもよい。
【0029】
なお、第1設定閾値、第2設定閾値および第3設定閾値は、いずれも実際の適用の場合に応じて設定してもよい。
【0030】
この場合、アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させると、前記上りアクティブセット中の第1アンテナグループの状態情報をデータ送信状態としてマークし、すなわち、信号の最も強いアンテナグループを、該端末の下りデータを送信するアンテナグループとして選択し、上りアクティブセット中の他のアンテナグループは該端末の下りデータの送信を行わない。該信号の最も強いアンテナグループは、主アンテナグループと呼ばれてもよい。なお、1つの端末に主アンテナグループが1つのみ存在する。
【0031】
場合2、測定情報に上りアクティブセット中のアンテナグループのそれぞれの周波数オフセット値のみが含まれ、アンテナグループのそれぞれの信号品質が更に含まれる場合、上記ステップ120の実現方式は、以下のようであってもよい。
上りアクティブセットに周波数オフセット値の絶対値が第1設定閾値以上であるアンテナグループが少なくとも1つ存在し、且つ信号品質の差分値の絶対値が第4閾値以下である2つのアンテナグループが存在すると、アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させる、あるいは
上りアクティブセットに周波数オフセット値の差分値の絶対値が第2設定閾値以上である2つのアンテナグループが存在し、且つ信号品質の差分値の絶対値が第4閾値以下である2つのアンテナグループが存在すると、アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させる、あるいは
上りアクティブセットに周波数オフセット値の絶対値が第3設定閾値以上であるアンテナグループが少なくとも1つ存在し、且つアンテナグループの周波数オフセット値が前記アンテナグループの周波数オフセット値の絶対値に等しくなく、並びに信号品質の差分値の絶対値が第4閾値以下である2つのアンテナグループが存在すると、アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させる。
【0032】
なお、場合2は、場合1の判定方式の上に増加する判別方法である。すなわち、場合1の判定方式を満たすと、アンテナグループにおける周波数オフセット値はアンテナグループの選択的な送信機能を有効化させることを満たすが、主アンテナグループの信号が他のアンテナグループの信号よりも遥かに強いと、この時に強い信号重畳干渉を引き起しないため、アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させなくてもよい。主アンテナグループの信号と他のアンテナグループのうちの少なくとも1つのアンテナグループの信号との差が大きくない場合のみ、アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させる。
【0033】
なお、このような場合、アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させ、信号の最も強いアンテナグループを該端末の下りデータを送信するアンテナグループとして選択し、上りアクティブセット中の他のアンテナグループは、該端末の下りデータの送信を行わない。
【0034】
場合3、測定情報に上りアクティブセット中の設定数のアンテナグループの周波数オフセット値のみが含まれる(すなわち、測定情報に一部のアンテナグループの周波数オフセット値のみが含まれる)場合、上記ステップ120の実現方式は、以下のようであってもよい。
上りアクティブセットに周波数オフセット値の絶対値が第5設定閾値以上であるアンテナグループが少なくとも1つ存在すれば、アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させる。
【0035】
この場合、周波数オフセット値が設定閾値以上のアンテナグループが1つ存在する限り、アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させる。
【0036】
この場合、アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させ、信号の最も強いアンテナグループを、該端末の下りデータを送信するアンテナグループとして選択し、上りアクティブセット中の他のアンテナグループは該端末の下りデータの送信を行わない。
【0037】
場合4、測定情報に上りアクティブセット中のアンテナグループのそれぞれの信号品質のみが含まれる場合、上記ステップ120の実現方式は、以下のようであってもよい。
上りアクティブセットに信号品質の差分値の絶対値が第6閾値以下である2つのアンテナグループが存在すれば、アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させる。
【0038】
この場合、任意の2つのアンテナグループの信号品質の差分値の絶対値が第6閾値以下であれば、アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させ、信号の最も強いアンテナグループを、該端末の下りデータを送信するアンテナグループとして選択し、上りアクティブセット中の他のアンテナグループは該端末の下りデータの送信を行わない。任意の2つのアンテナグループの信号品質の差分値の絶対値が第6閾値よりも大きければ、アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させない。
【0039】
場合5、測定情報に端末の状態情報のみが含まれる場合、上記ステップ120の実現方式は、以下のようであってもよい。
前記端末の状態情報によって端末が近点位置に位置しないことを示す場合、アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させる。
【0040】
この場合、端末が近点位置に位置すると判定すると、アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させない。端末が近点位置(中、遠点位置)に位置しないと、アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させ、信号の最も強いアンテナグループを選択して端末の下りデータの送信を行い、上りアクティブセット中の他のアンテナグループは該端末の下りデータの送信を行わない。
【0041】
場合6、前記測定情報に上りアクティブセット中のアンテナグループのそれぞれの信号対混信比または信号電力のみが含まれる場合、上記ステップ120の実現方式は、以下のようであってもよい。
上りアクティブセット中のアンテナグループのそれぞれの信号対混信比または信号電力がいずれも第7設定閾値以下であると、アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させる。
【0042】
なお、上りアクティブセット中のアンテナグループのそれぞれの信号対混信比または信号電力がいずれも第7設定閾値以下であると、アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させ、信号の最も強いアンテナグループを選択して該端末の下りデータの送信を行い、上りアクティブセット中の他のアンテナグループは該端末の下りデータの送信を行わない。あるいは、前記上りアクティブセット中の第2アンテナグループの状態情報をデータ不送信状態としてマークし、すなわち、信号条件のやや弱いアンテナグループのみにおいて該端末の下りデータの送信を行わず、他のアンテナグループにおいては該端末の下りデータの送信を行う。
【0043】
場合7、前記測定情報に上りアクティブセット中のアンテナグループのそれぞれの伝搬損失のみが含まれる場合、上記ステップ120の実現方式は、以下のようであってもよい。
上りアクティブセット中のアンテナグループのそれぞれの伝搬損失が第8設定閾値以上であると、アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させる。
【0044】
なお、上りアクティブセット中のアンテナグループのそれぞれの伝搬損失が第8設定閾値以上であると、アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させ、信号の最も強いアンテナグループを選択して該端末の下りデータの送信を行い、上りアクティブセット中の他のアンテナグループは該端末の下りデータの送信を行わない。あるいは、信号条件のやや弱いアンテナグループのみにおいて該端末の下りデータの送信を行わず、他のアンテナグループにおいては該端末の下りデータの送信を行う。
【0045】
なお、測定情報に複数のパラメータが含まれる場合、1種類のパラメータのみを選択してアンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させるか否かの判决を行ってもよい。測定情報に周波数オフセット値がある場合、周波数オフセット値を判定パラメータとしてもよい。上記場合により複数のパラメータの重畳判別を行ってもよく、例えば、測定情報に周波数オフセット値および端末の状態が含まれる場合、まず周波数オフセット値で判別し、その後、端末の状態で判別する。
【0046】
なお、上りアクティブセットにおけるアンテナグループのそれぞれの状態情報が確定された後、状態情報をインターフェースまたはシグナリングの方式で物理レイヤ(すなわち、下り送信端)に伝達し、下り送信端は状態情報により端末の下りデータを送信しないアンテナグループに対して送信処理を行い、その後、下りデータを端末に送信する。前記ステップ200の実現方式は、以下のようであってもよい。
ステップ210、アンテナグループの状態情報に基づき、上りアクティブセット中の下りデータを送信するべきではないアンテナグループにおけるデータに対して送信端処理を行い、
ステップ220、送信端処理が行われた後、上りアクティブセット中の下りデータを送信するべきアンテナグループを介して下りデータを前記端末に送信する。
【0047】
なお、端末の下りデータを送信しないアンテナグループとしてマークされたものについて、下記方式で処理してもよい。ステップ210の実現方式は、以下のようであってもよい。
アンテナグループの状態情報が下りデータ不送信状態であると、アンテナグループのリソースブロックでデータの送信を行わないように制御する、あるいは
アンテナグループのリソースブロックにおけるデータをクリアする、あるいは
アンテナグループのリソースブロックにおけるデータの送信電力を低減する。
【0048】
なお、クリアまたは送信電力の低減処理が行われるデータは、リソースブロックにおける有効データであってもよく、リソースブロックにおけるパイロットデータおよび有効データであってもよく、すなわち、クリアまたは送信電力の低減処理が行われるデータは有効データのみであってもよく、パイロットデータおよび有効データであってもよい。なお、リソースブロックにUEレベルのパイロットデータ(例えば、DM−RS、すなわち、UEレベルの固有基準信号)が含まれる場合、処理を行う時に、有効データと共にUEレベルのパイロットデータに対してクリアまたは送信電力の低減処理を行う必要がある。リソースブロックにセルレベルのパイロットデータ(例えば、CRS、すなわち、セルレベルの固有基準信号)が含まれる場合、処理を行う時に、有効データと共に該セルレベルのパイロットデータに対してクリアまたは送信電力の低減処理を行ってもよく、該セルレベルのパイロットデータに対してクリアまたは送信電力の低減処理を行わなくてもよい。
【0049】
なお、上りアクティブセット中の、端末の下りデータを送信しないアンテナグループおよび非アクティブのアンテナグループとしてマークされるものは、これらのアンテナグループにおける端末の下りデータを特別な処理せずに正常の方式でデータを送信してもよい。
【0050】
送信処理を行った後、下りデータの送信である。前記ステップ220の実現方式は、以下のようであってもよい。
送信端処理が行われた後、上りアクティブセット中のアンテナグループのそれぞれにおける周波数領域データを時間領域データに変換し、端末が下りデータを送信するアンテナグループにおいて下りデータの受信を行うように、エアインターフェースを介して前記時間領域データを端末に送信する。
【0051】
なお、アンテナグループがデータを送信する時に、アンテナグループのそれぞれにおいて信号を送信するが、端末の下りデータを担持しないアンテナグループがある。
【0052】
オプションとして、ステップ220では、下りデータの送信を行う時に、送信するデータに周波数オフセット補正を行ってもよく、該周波数オフセット補正はアンテナグループレベルの周波数オフセット補正を用いてもよく、端末レベルの周波数オフセット補正を用いても良く、この2種類の周波数オフセット補正方式は、また、時間領域補正または周波数領域補正を用いてもよい。どの補正方式を用いるかについて、実際の適用の場合に応じて選択してもよく、本実施例では限定しない。
【0053】
なお、該下りデータの送信は基地局側に適用でき、図2に示すように、本実施例の前記下りデータの送信の処理フローは以下のとおりである。
【0054】
ステップ21、基地局の上位レイヤは、各端末の上りアクティブセットを監視して更新する。
【0055】
ステップ22、各端末の測定情報を監視する。
【0056】
ステップ23、各端末の測定情報に基づき、端末の対応する上りアクティブセット中のアンテナグループの選択的な送信機能を有効化させるか否かを判定し、有効化させないと、ステップ24を実行し、有効化させると、ステップ25を実行する。
【0057】
ステップ24、元の方式で下りデータを正常に送信する。
【0058】
ステップ25、アンテナグループの選択的な送信機能を有効化させる命令を発し、該命令に端末の対応する上りアクティブセット中のアンテナグループの下りデータ送信または不送信状態情報が含まれる。
【0059】
ステップ26、下り物理レイヤは、命令に応じて送信端データ処理を行う。
【0060】
ステップ27、基地局は、送信端処理された下りデータを対応する端末に送信する。
【0061】
なお、基地局は、下りデータを送信する時に、現在の方式で下りデータを送信し続けるか否かを判断するために、端末の測定情報をリアルタイムに監視する必要がある。
【0062】
高速鉄道のスーパーセルを応用シーンとし、ネット配置方式は鎖状を採用し、且つ、4つのアンテナグループでネットワークを構築する方式を例とし、本実施例の実現を以下のよう説明する。
【0063】
ステップ1、全てのユーザー端末の上りアクティブセット、信号電力、信号対混信比および周波数オフセット等の測定情報を監視する。第1端末(UE0)のアクティブアンテナグループが第1アンテナグループ(CP0)および第2アンテナグループ(CP1)であれば、主アンテナグループはCP0であり、且つ2つのアンテナグループのいずれにも1つの有効な周波数オフセット情報が保持され、それぞれ
【数1】

【数2】
である。第2端末(UE1)のアクティブアンテナグループがCP1および第3アンテナグループ(CP2)であり、主アンテナグループはCP1であり、且つCP1のみに1つの有効な周波数オフセット値
【数3】
が保持される。第3端末(UE2)のアクティブアンテナグループが第4アンテナグループ(CP3)であり、且つ保持される周波数オフセット値が
【数4】
である。第4端末(UE3)のアクティブアンテナグループがCP2およびCP3であり、いずれも有効な周波数オフセット値が保持されず、且つ各アンテナグループが報告する信号対混信比はそれぞれ
【数5】

【数6】
である。
【0064】
上記保持される各端末の状態情報に基づき、現在の下りサブフレームで上記全てのユーザーがスケジューリングされると、各端末がそれぞれ保持する上り情報を用いてアンテナグループ送信の選択を行う。UE0の2つのアンテナグループに保持される有効な周波数オフセット値
【数7】

【数8】
は、その絶対値がいずれもFHz(実際の測定により確定された閾値)よりも大きければ、UE0のアンテナグループの選択的な送信機能を有効化させ、すなわち、UE0はCP0で送信することを選択し、つまり、送信しないのはCP1である。UE1はCP1に1つの有効な周波数オフセット値
【数9】
を保持し、その絶対値がFHzよりも小さければ、UE1はアンテナグループの選択的な送信機能を有効化させない。UE2はシングルアンテナグループアクティブであり、アンテナグループの選択的な送信機能を有効化させない。UE3は有効な周波数オフセット値を保持しないが、
【数10】

【数11】
はいずれも閾値よりも小さく、且つ、
【数12】
であり、中遠点位置に属し、チャネル条件が最適なアンテナグループを選択して送信し、すなわち、CP2を選択して送信し、送信しないのはCP3である。
【0065】
ステップ2、選択された各端末の送信アンテナグループに基づき、送信端データ処理を行う。上り制御移動減衰コード(CMAC)によって、現在の下りサブフレームで送信する、各端末の送信を選択する状況を判定し、かつ各端末の送信しないと選択したアンテナグループ識別子を下り送信端に伝送し、下り物理レイヤは、発された識別子に応じて各端末の送信しないアンテナグループに対して送信端データ処理を行う。
【0066】
本実施例は、非選択の上りアクティブアンテナグループのみに対して処理し、処理方式はクリアを例とし、つまり、各端末の非選択のアンテナグループにおける対応するリソースブロックで、パイロットデータを含むデータを送信しない。一方、端末は、上りアクティブセット中の他のアンテナグループにおいて正常に送信し、処理しない。例えば、UE0はCP0で送信し、別の上りアクティブCP1でUE0のデータを送信しないと、CP1におけるUE0に対応するリソースブロックにおけるデータのみをクリア処理し、該リソースブロックで送信するパイロットデータを含む。UE1はCPの選択的な送信をアクティブしないと、UE1は全てのCPで正常に送信する。UE2は上りシングルアンテナグループアクティブであり、アンテナグループの選択的な送信をアクティブせず、つまり、アンテナグループのそれぞれ上でUE2のデータを送信する。UE3は送信しないアンテナグループをCP3として選択すると、UE3のCP3における対応するリソースブロックにおけるデータ(パイロットデータを含む)をクリア処理する。
【0067】
ステップ3、アンテナグループのそれぞれにおいて処理されたデータを時間領域データに変換し、その後、エアインターフェースを介して送信する。本実施例は、下り送信データに対して周波数オフセット補正を行わないものを説明したが、本開示はこれに限定されない。つまり、アンテナグループのそれぞれにおける送信データに対して周波数オフセット補正を行ってもよい。端末レベルのものであってもよく、アンテナグループレベルのものであってもよい。
【0068】
[実施例2]
図3に示すように、本実施例は、
端末の上りアクティブセット中のアンテナグループが下りデータの送信を行うか否かの状態情報を取得するように構成される確定モジュール10と、
前記状態情報に基づき、上りアクティブセット中の下りデータを送信するべきアンテナグループにおいて下りデータを前記端末に送信するように構成される送信モジュール20と、を備える下りデータ送信装置を提供する。
【0069】
オプションとして、前記確定モジュール10は、
端末および上りアクティブセット中のアンテナグループのそれぞれの状態を監視して得られる測定情報を取得するように構成される第1取得ユニットと、
前記測定情報に基づき、上りアクティブセット中のアンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させるか否かを判定するように構成される判定ユニットと、
アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させる必要がある場合、前記上りアクティブセット中のアンテナグループのそれぞれがデータ送信を行うか否かの状態情報を取得するように構成される第2取得ユニットと、を備える。
【0070】
オプションとして、前記上りアクティブセットに複数のアンテナグループが含まれ、且つ前記測定情報に上りアクティブセット中のアンテナグループのそれぞれの周波数オフセット値が含まれる場合、前記判定ユニットは、
上りアクティブセットに周波数オフセット値の絶対値が第1設定閾値以上であるアンテナグループが少なくとも1つ存在すれば、アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させる、あるいは
上りアクティブセットに周波数オフセット値の差分値の絶対値が第2設定閾値以上である2つのアンテナグループが存在すれば、アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させる、あるいは
上りアクティブセットに周波数オフセット値の絶対値が第3設定閾値以上であるアンテナグループが少なくとも1つ存在し、且つアンテナグループの周波数オフセット値が前記アンテナグループの周波数オフセット値の絶対値に等しくなければ、アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させるように配置されてもよい。
【0071】
オプションとして、前記測定情報に上りアクティブセット中のアンテナグループのそれぞれの信号品質が更に含まれる場合、前記判定ユニットは、
上りアクティブセットに周波数オフセット値の絶対値が第1設定閾値以上であるアンテナグループが少なくとも1つ存在し、且つ信号品質の差分値の絶対値が第4閾値以下である2つのアンテナグループが存在すると、アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させる、あるいは
上りアクティブセットに周波数オフセット値の差分値の絶対値が第2設定閾値以上である2つのアンテナグループが存在し、且つ信号品質の差分値の絶対値が第4閾値以下である2つのアンテナグループが存在すると、アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させる、あるいは
上りアクティブセットに周波数オフセット値の絶対値が第3設定閾値以上であるアンテナグループが少なくとも1つ存在し、且つアンテナグループの周波数オフセット値が前記アンテナグループの周波数オフセット値の絶対値に等しくなく、および信号品質の差分値の絶対値が第4閾値以下である2つのアンテナグループが存在すると、アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させるように配置されてもよい。
【0072】
オプションとして、前記上りアクティブセットに複数のアンテナグループが含まれ、且つ前記測定情報に上りアクティブセット中の設定数のアンテナグループの周波数オフセット値が含まれる場合、前記判定ユニットは、
上りアクティブセットに周波数オフセット値の絶対値が第5設定閾値以上であるアンテナグループが少なくとも1つ存在すれば、アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させるように配置されてもよい。
【0073】
オプションとして、前記上りアクティブセットに複数のアンテナグループが含まれ、且つ前記測定情報に上りアクティブセット中のアンテナグループのそれぞれの信号品質が含まれる場合、前記判定ユニットは、
上りアクティブセットに信号品質の差分値の絶対値が第6閾値以下である2つのアンテナグループが存在すれば、アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させるように配置されてもよい。
【0074】
オプションとして、前記測定情報に端末の状態情報が含まれる場合、前記判定ユニットは、
前記端末の状態情報によって、端末が近点位置に位置しないことを示す場合、アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させるように配置されてもよい。
【0075】
オプションとして、前記上りアクティブセットに複数のアンテナグループが含まれ、且つ前記測定情報に上りアクティブセット中のアンテナグループのそれぞれの信号対混信比または信号電力が含まれる場合、前記判定ユニットは、
上りアクティブセット中のアンテナグループのそれぞれの信号対混信比または信号電力がいずれも第7設定閾値以下であると、アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させるように配置されてもよい。
【0076】
オプションとして、前記上りアクティブセットに複数のアンテナグループが含まれ、且つ前記測定情報に上りアクティブセット中のアンテナグループのそれぞれの伝搬損失が含まれる場合、前記判定ユニットは、
上りアクティブセット中のアンテナグループのそれぞれの伝搬損失が第8設定閾値以上であると、アンテナグループの選択的な下りデータ送信機能を有効化させるように配置されてもよい。
【0077】
オプションとして、前記第2取得ユニットは、
前記上りアクティブセット中の第1アンテナグループの状態情報をデータ送信状態としてマークする、あるいは
前記上りアクティブセット中の第2アンテナグループの状態情報をデータ不送信状態としてマークするように配置されてもよい。
【0078】
前記送信モジュール20は、
アンテナグループの状態情報に基づき、上りアクティブセット中の下りデータを送信するべきではないアンテナグループにおけるデータに対して送信端処理を行うように構成される処理ユニットと、
送信端処理が行われた後、上りアクティブセット中の下りデータを送信するべきアンテナグループを介して、下りデータを前記端末に送信するように構成される送信ユニットと、を備えてもよい。
【0079】
オプションとして、前記処理ユニットは、
アンテナグループの状態情報が下りデータ不送信状態であると、アンテナグループのリソースブロックでデータの送信を行わないように制御する、あるいは
アンテナグループのリソースブロックにおけるデータをクリアする、あるいは
アンテナグループのリソースブロックにおけるデータの送信電力を低減するように配置されてもよい。
【0080】
オプションとして、前記送信ユニットは、
送信端処理が行われた後、上りアクティブセット中のアンテナグループのそれぞれにおける周波数領域データを時間領域データに変換し、端末が下りデータを送信するアンテナグループにおいて下りデータの受信を行うように、エアインターフェースを介して前記時間領域データを端末に送信するように配置されてもよい。
【0081】
オプションとして、前記送信モジュール20は、
前記周波数領域データまたは時間領域データに対して周波数オフセット補正を行うように構成される補正ユニットを更に備える。
【0082】
なお、該装置の実施例は上記方法と1対1で対応する装置であり、上記方法の全ての実現形態はいずれも該装置実施例に適用し、同じ技術的効果を達成することもできる。
【0083】
[実施例3]
本開示の実施例は、上記いずれかの実施例における方法を実行するように設けられるコンピュータ実行可能な命令が記憶される非一時的コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を更に提供する。
【0084】
本開示の実施例は、電子装置の構造模式図を更に提供する。図4を参照すると、該電子装置は基地局であってもよい。
【0085】
少なくとも1つのプロセッサ(processor)40(図4において、1つのプロセッサ40を例とする)と、メモリ(memory)41とを備え、通信インターフェース(Communications Interface)42およびバス43を更に備えてもよい。そのうち、プロセッサ40、通信インターフェース42、メモリ41はバス43により相互間の通信を完成することができる。通信インターフェース42は情報の伝送に用いることができる。プロセッサ40は、上記実施例の方法を実行するために、メモリ41内の論理命令を呼び出すことができる。
【0086】
また、上記メモリ41内の論理命令はソフトウェアの機能ユニットの形式で実現することができ、独立した製品として販売または使用する時に、1つのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶することができる。
【0087】
メモリ41は1種類のコンピュータ読み取り可能な記録媒体として、ソフトウェアプログラム、コンピュータ実行可能なプログラム、例えば、本開示の実施例における方法に対応するプログラム命令/モジュールを記憶するために用いることができる。プロセッサ40はメモリ41に記憶されるソフトウェアプログラム、命令およびモジュールを実行することにより、機能の応用およびデータ処理を実行し、すなわち、上記方法の実施例における下りデータの送信方法を実現する。
【0088】
メモリ41は、プログラム記憶領域とデータ記憶領域とを備えることができ、そのうち、プログラム記憶領域はオペレーティングシステム、少なくとも1つの機能に必要なアプリケーションを記憶することができ、データ記憶領域は、端末装置の使用により作成されたデータ等を記憶することができる。また、メモリ41は高速ランダムアクセスメモリを含むことができ、不揮発性メモリを更に含むことができる。
【0089】
本開示の実施例の技術案はソフトウェア製品の形式として具現化することができ、該コンピュータソフトウェア製品は1つの記憶媒体に記憶され、1つまたは複数の命令を含むことで、1台のコンピュータ装置(パーソナルコンピュータ、サーバ、またはネットワーク装置等であってもよい)が本開示の実施例に記載の方法の全てまたは一部のステップを実行する。前述した記憶媒体は、USB、リムーバブルハードディスク、読み出し専用メモリ(ROM:Read−Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM:Random Access Memory)、磁気ディスクまたは光ディスク等の複数種のプログラムコードを記憶可能な媒体を含む非一時的記憶媒体であってもよく、一時的記憶媒体であってもよい。
【0090】
なお、本開示は直交周波数分割多重(OFDM)システムに適用し、信号処理、通信等の知識背景を有する任意の一般的な人は、いずれも本開示の実施例の範囲から逸脱しない前提でいくつかの改良および修正を行うことができ、これらの改良および修正も本開示の保護範囲内に含まれる。
図1
図2
図3
図4