(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記少なくとも一つのプロセッサのうちの少なくとも一つが、前記第1報酬を示し、かつ、前記第1ユーザが属するランクを前記第2ランクに変更することが可能な手続画面へのリンクを含む報酬画面を生成し、
前記少なくとも一つのプロセッサのうちの少なくとも一つが、前記報酬画面を前記第1ユーザの第1端末に送信することで、該報酬画面を該第1端末上に表示させる、
請求項1に記載の報酬管理システム。
前記少なくとも一つのプロセッサのうちの少なくとも一つが、前記オンラインイベントへの参加を受け付けるための申込画面を前記第1ユーザに提供する場合には、前記第1ユーザが属するランクを前記第2ランクに変更することが可能な手続画面へのリンクを含むように該申込画面を生成し、
前記少なくとも一つのプロセッサのうちの少なくとも一つが、前記申込画面を前記第1ユーザの第1端末に送信することで、該申込画面を該第1端末上に表示させ、
前記少なくとも一つのプロセッサのうちの少なくとも一つが、前記第1ユーザが自分のランクを前記第2ランクに変更した場合に、該第1ユーザを前記第2ユーザとして処理する、
請求項1または2に記載の報酬管理システム。
前記少なくとも一つのプロセッサのうちの少なくとも一つが、前記複数のイベントセクションのそれぞれにおいて、前記複数のユーザのそれぞれについて、該イベントセクションの通過条件を満たすか否かを判定し、
前記少なくとも一つのプロセッサのうちの少なくとも一つが、前記第1ユーザが前記複数のイベントセクションのすべてを通過した場合に、該第1ユーザに前記第1報酬を付与し、
前記少なくとも一つのプロセッサのうちの少なくとも一つが、前記第2ユーザが前記複数のイベントセクションのすべてを通過した場合に、該第2ユーザに前記第2報酬を付与する、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の報酬管理システム。
前記少なくとも一つのプロセッサのうちの少なくとも一つが、前記第2ユーザが前記イベントセクションの通過条件を満たす場合には、該第2ユーザを前記オンラインイベントでの次の段階に誘導し、
前記少なくとも一つのプロセッサのうちの少なくとも一つが、前記第2ユーザが前記通過条件を満たさない場合には、該第2ユーザが該通過条件を満たすと見做すための処理へのリンクを含むセクション結果画面を生成し、該セクション結果画面を該第2ユーザの第2端末に送信することで、該セクション結果画面を該第2端末上に表示させ、
前記少なくとも一つのプロセッサのうちの少なくとも一つが、前記リンクが選択されたことに応答して、前記第2ユーザを前記オンラインイベントでの次の段階に誘導する、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の報酬管理システム。
前記少なくとも一つのプロセッサのうちの少なくとも一つが、前記第2ユーザが前記イベントセクションをスキップした場合には、該第2ユーザが該イベントセクションの通過条件を満たすか否かを判定することなく該第2ユーザを前記オンラインイベントでの次の段階に誘導する、
請求項1〜5のいずれか一項に記載の報酬管理システム。
前記少なくとも一つのプロセッサのうちの少なくとも一つが、前記第2ユーザが最初の前記イベントセクションより前に前記オンラインイベントに参加し、途中のイベントセクションから前記イベントセクションを通過するための操作を行い始め、かつ、該途中のイベントセクション以降のすべてのイベントセクションを通過した場合にも、該第2ユーザに前記第2報酬を付与する、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の報酬管理システム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら本開示での実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一または同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0010】
[システムの概要]
本実施形態では、本開示に係る報酬管理システムをコンテンツ配信システムに適用する。コンテンツ配信システムは、ユーザに向けてコンテンツを配信するコンピュータシステムである。コンテンツとは、コンピュータまたはコンピュータシステムによって提供され、人が認識可能な情報のことをいう。コンテンツを示す電子データのことをコンテンツデータという。コンテンツの表現形式は限定されず、例えば、コンテンツは画像(例えば、写真、映像など)、文書、音声、音楽、またはこれらの中の任意の2以上の要素の組合せによって表現されてもよい。コンテンツの目的および利用場面は限定されず、例えば、コンテンツはエンターテインメント、ニュース、教育、医療、ゲーム、チャット、商取引、講演、セミナー、研修などの様々な目的で利用され得る。配信とは、通信ネットワークまたは放送ネットワークを経由して情報をユーザに送信する処理のことをいう。本開示では、配信は放送を含み得る概念である。
【0011】
コンテンツ配信システムはコンテンツデータを視聴者端末に送信することで、コンテンツを視聴者に提供する。一例では、そのコンテンツは配信者から提供される。配信者とは視聴者に情報を伝えようとする人であり、すなわち、コンテンツの発信者である。視聴者とはその情報を得ようとする人であり、すなわち、コンテンツの利用者である。
【0012】
本実施形態ではコンテンツは少なくとも画像を用いて表現される。コンテンツを示す画像を「コンテンツ画像」という。コンテンツ画像とは、人が視覚を通して何らかの情報を認識することができる像のことをいう。コンテンツ画像は動画像(映像)でもよいし静止画でもよい。コンテンツデータはコンテンツ画像を含み得る。
【0013】
コンテンツ画像は現実世界を映してもよいし、仮想空間を映してもよい。仮想空間とは、コンピュータ上に表示される画像によって表現される仮想の2次元または3次元の空間のことをいう。コンテンツ画像が仮想空間を含む場合には、コンテンツ画像は、仮想空間内に設定された仮想カメラから見える風景を示す画像であるといえる。仮想カメラは、コンテンツ画像を見るユーザの視線に対応するように仮想空間内に設定される。仮想空間は少なくとも一つの仮想オブジェクトによって表現される。仮想オブジェクトとは、現実世界には実際に存在せずコンピュータシステム上でのみ表現される物体のことをいう。
【0014】
コンテンツ画像は、出演者である人を映してもよいし、出演者の代わりにアバターを映してもよい。配信者は、出演者としてコンテンツ画像上に現われてもよいし、出演者でなくてもよい。コンテンツ画像は現実世界と、仮想空間または仮想オブジェクトとの双方を含んでもよい。コンテンツ画像が仮想空間または仮想オブジェクトを含むことで、視聴者は拡張現実(Augumented Reality(AR))、仮想現実(Virtual Reality(VR))、または複合現実(Mixed Reality(MR))を体験することができる。
【0015】
アバターとは、コンピュータによって表現されるユーザの分身である。アバターは、現実世界には実際に存在せずコンピュータシステム上でのみ表現される物体である仮想オブジェクトの一種である。アバターは、撮影された人そのものではなく(すなわち、原画像で示されるユーザそのものではなく)、原画像とは独立した画像素材を用いて、2次元または3次元のコンピュータグラフィック(CG)によって表現される。アバターの表現方法は限定されない。例えば、アバターはアニメーション素材を用いて表現されてもよいし、実写画像に基づいて本物に近いように表現されてもよい。アバターはコンテンツ配信システムのユーザ(例えば、配信者または視聴者)によって自由に選択されてもよい。
【0016】
コンテンツを配信する手法は限定されない。例えば、コンテンツ配信システムはライブコンテンツを配信してもよい。この場合には、コンテンツ配信システムは配信者端末から提供されるリアルタイムの映像を処理することでコンテンツデータを生成し、そのコンテンツデータを視聴者端末に向けてリアルタイムに送信する。これはインターネット生放送の一態様であるといえる。あるいは、コンテンツ配信システムは、過去に撮影および生成された映像を配信してもよい。コンテンツ配信システムは、リアルタイム配信後の所与の期間においてコンテンツを視聴することが可能なタイムシフトのために用いられてもよい。あるいは、コンテンツ配信システムは、任意のタイミングでコンテンツを視聴することが可能なオンデマンド配信のために用いられてもよい。
【0017】
本開示において、データまたは情報を第1コンピュータから第2コンピュータ“に送信する”との表現は、該第2コンピュータに最終的にデータまたは情報を届けるための送信を意味する。この表現は、その送信において別のコンピュータまたは通信装置がデータまたは情報を中継する場合も含む意味であることに留意されたい。
【0018】
上述したようにコンテンツの目的および利用場面は限定されない。本実施形態では、コンテンツは、報酬を獲得する機会を視聴者に与えるオンラインイベントを映すものとする。オンラインイベントとは、通信ネットワークを介してユーザ(すなわち、視聴者)に配信されるコンテンツによって表現されるイベントのことをいう。オンラインイベントの種類は限定されず、例えばクイズでもよいし、ゲームでもよい。一例ではオンラインイベントは複数のイベントセクションを含む。イベントセクションとはオンラインイベントの他の部分と区別される一部分のことをいう。例えば、オンラインイベントがクイズであれば、イベントセクションは、そのクイズを構成する一つの問題に対応する部分であってもよい。
【0019】
報酬とは、オンラインイベントにおいてユーザが所定の条件を満たしたことに応じて該ユーザに付与される利益のことをいう。報酬の種類は限定されない。例えば、報酬は賞金、ポイントなどの金銭的価値でもよいし、任意の有体物(例えば賞品)でもよいし、任意の権利(例えば、サービスを受ける権利)でもよい。
【0020】
本実施形態に係るコンテンツ管理システム(報酬管理システム)では、報酬の決定方法がユーザのランクによって異なる。ランクとは、所定の基準に基づいて分類された個々のレベルのことをいう。例えば、ランクは、所定の基準に基づいて設定された階層における個々のレベルのことをいう。階層におけるランクの個数は限定されず、2以上であればいくつでもよい。個々のランクの意味は限定されず、コンテンツ配信システム(報酬管理システム)の運営者は任意の方針で個々のランクを定義してよい。階層は、第1ランクと、該第1ランクよりも高い第2ランクとを少なくとも含む。第2ランクは、資格を維持するために第1ランクよりも大きな負担をユーザに求めることと引き換えに、第1ランクでは得られない特典を該ユーザに提供するランクである。見方を変えると、第1ランクでは、資格を維持するための負担は第1ランクよりも小さいが、得られる特典も第2ランクより小さい。例えば、第2ランクに属するユーザ(第2ユーザ)は、サービスの利用に際して、第1ランクに属するユーザ(第1ユーザ)よりも多くの金額を支払う見返りに、該サービスをより快適に享受することができる。
【0021】
[システムの構成]
図1は、実施形態に係るコンテンツ配信システム1の構成の一例を示す図である。本実施形態では、コンテンツ配信システム1は通信ネットワークNを介して配信者端末50および少なくとも一つの視聴者端末60と接続する。通信ネットワークNの構成は限定されない。例えば、通信ネットワークNはインターネットを含んで構成されてもよいし、イントラネットを含んで構成されてもよい。
【0022】
一例では、コンテンツ配信システム1は、配信サーバ10、コンテンツデータベース20、会員管理サーバ30、および報酬管理サーバ40を備える。コンテンツ配信システム1では、これらの装置が通信ネットワークを介して通信し合うことで互いに連携する。
【0023】
配信サーバ10はコンテンツを配信するコンピュータである。コンテンツデータベース20は、生成されたコンテンツデータを記憶する非一時的な記憶媒体または記憶装置である。配信サーバ10は配信者端末50から送られてきた映像データに基づいてコンテンツデータを生成して、そのコンテンツデータを視聴者端末60に送信してもよい。あるいは、配信サーバ10はコンテンツデータベース20から読み出したコンテンツデータを視聴者端末60に送信してもよい。
【0024】
会員管理サーバ30は、コンテンツ配信などのサービスの会員に関する情報を管理するコンピュータである。会員とは、サービスを受けるための所定の手続きを行うことで、該サービスの利用者として登録された人のことをいう。会員登録を行うことで、会員は、非会員が受けることができないサービスを利用したり、非会員よりも簡単な操作でサービスを利用したりすることができる。会員管理サーバ30は会員データベース31を備える。会員データベース31は個々の会員の会員情報を記憶する非一時的な記憶媒体または記憶装置である。例えば、会員情報の各レコードは、会員を一意に特定する識別子であるユーザIDと、名前、住所、電話番号、メールアドレス、ランク、獲得報酬などの様々なユーザ属性に対応する1以上のデータ項目とを示す。
【0025】
報酬管理サーバ40は、オンラインイベントにおける報酬およびその付与に関する管理を実行するコンピュータである。報酬管理サーバ40は報酬マスタデータベース41を備える。報酬マスタデータベース41は報酬およびその付与に関する報酬ルールを記憶する非一時的な記憶媒体または記憶装置である。報酬ルールの各レコードは、オンラインイベントを一意に特定するイベントIDと、総報酬、ランク毎の基準報酬などの様々なルールに対応する1以上のデータ項目とを示す。総報酬とは、オンラインイベントのために用意された報酬の全体のことをいう。報酬が賞金、ポイントなどの金銭的価値であれば、総報酬とは報酬総額である。報酬が有体物または権利である場合には、総報酬はn個の有体物またはn個の権利である(ここで、nは自然数を示す)。基準報酬とは、ユーザに付与する報酬を決定するために用いられる基準である。基準報酬は第1クラスと第2クラスとで異なり、具体的には、第2クラスの基準報酬(第2基準報酬)は第1クラスの基準報酬(第1基準報酬)よりも高い。
【0026】
配信者端末50は配信者によって用いられるコンピュータである。一例では、配信者端末50は、映像を撮影する機能と、コンテンツ配信システム1にアクセスしてその映像を示す電子データ(映像データ)を送信する機能とを有する。配信者端末50の種類および構成は限定されない。例えば、配信者端末50は映像を撮影、収録、および送信する機能を有する撮影システムであってもよい。あるいは、配信者端末50は高機能携帯電話機(スマートフォン)、タブレット端末、ウェアラブル端末(例えば、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)、スマートグラスなど)、ラップトップ型パーソナルコンピュータ、携帯電話機などの携帯端末でもよい。あるいは、配信者端末50はデスクトップ型パーソナルコンピュータなどの据置型端末でもよい。
【0027】
視聴者端末60は視聴者によって用いられるコンピュータである。視聴者端末60は、コンテンツ配信システム1にアクセスしてコンテンツデータを受信および表示する機能を有する。視聴者端末60の種類および構成は限定されない。例えば、視聴者端末60は高機能携帯電話機(スマートフォン)、タブレット端末、ウェアラブル端末(例えば、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)、スマートグラスなど)、ラップトップ型パーソナルコンピュータ、携帯電話機などの携帯端末でもよい。あるいは、視聴者端末60はデスクトップ型パーソナルコンピュータなどの据置型端末でもよい。
【0028】
配信者は配信者端末50を操作してコンテンツ配信システム1にログインし、これによりコンテンツを視聴者に提供することが可能になる。視聴者は視聴者端末60を操作してコンテンツ配信システム1にログインし、これにより視聴者はコンテンツを視聴することができる。本実施形態では、コンテンツ配信システム1のユーザが既にログインしていることを前提とする。
【0029】
図2はコンテンツ配信システム1に関連するハードウェア構成の一例を示す図である。
図2は、配信サーバ10として機能するサーバコンピュータ100と、配信者端末50または視聴者端末60として機能する端末コンピュータ200とを示す。
【0030】
一例として、サーバコンピュータ100はハードウェア構成要素として、プロセッサ101、主記憶部102、補助記憶部103、および通信部104を備える。
【0031】
プロセッサ101は、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムを実行する演算装置である。プロセッサの例としてCPU(Central Processing Unit)およびGPU(Graphics Processing Unit)が挙げられるが、プロセッサ101の種類はこれらに限定されない。例えば、プロセッサ101はセンサおよび専用回路の組合せでもよい。専用回路はFPGA(Field−Programmable Gate Array)のようなプログラム可能な回路でもよいし、他の種類の回路でもよい。
【0032】
主記憶部102は、配信サーバ10、会員管理サーバ30、または報酬管理サーバ40を実現するためのプログラム、プロセッサ101から出力された演算結果などを記憶する装置である。主記憶部102は例えばROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)のうちの少なくとも一つにより構成される。
【0033】
補助記憶部103は、一般に主記憶部102よりも大量のデータを記憶することが可能な装置である。補助記憶部103は例えばハードディスク、フラッシュメモリなどの不揮発性記憶媒体によって構成される。補助記憶部103は、サーバコンピュータ100を配信サーバ10、会員管理サーバ30、または報酬管理サーバ40として機能させるためのサーバプログラムP1と各種のデータとを記憶する。例えば、補助記憶部103はアバターなどの仮想オブジェクトと仮想空間とのうちの少なくとも一つに関するデータを記憶してもよい。本実施形態では、報酬管理プログラムはサーバプログラムP1として実装される。
【0034】
通信部104は、通信ネットワークNを介して他のコンピュータとの間でデータ通信を実行する装置である。通信部104は例えばネットワークカードまたは無線通信モジュールにより構成される。
【0035】
サーバの各機能要素は、プロセッサ101または主記憶部102の上に、対応するサーバプログラムP1を読み込ませてプロセッサ101にそのプログラムを実行させることで実現される。サーバプログラムP1は、対応するサーバの各機能要素を実現するためのコードを含む。プロセッサ101はサーバプログラムP1に従って通信部104を動作させ、主記憶部102または補助記憶部103におけるデータの読み出しおよび書き込みを実行する。このような処理により、対応するサーバの各機能要素が実現される。
【0036】
個々のサーバは一つまたは複数のコンピュータにより構成され得る。一つのサーバのために複数のコンピュータが用いられる場合には、通信ネットワークを介してこれらのコンピュータが互いに接続されることで、論理的に一つのサーバが構成される。
【0037】
一例として、端末コンピュータ200はハードウェア構成要素として、プロセッサ201、主記憶部202、補助記憶部203、および通信部204、入力インタフェース205、出力インタフェース206、および撮像部207を備える。
【0038】
プロセッサ201は、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムを実行する演算装置である。プロセッサ201は例えばCPUまたはGPUであり得るが、プロセッサ201の種類はこれらに限定されない。
【0039】
主記憶部202は、配信者端末50または視聴者端末60を実現させるためのプログラム、プロセッサ201から出力された演算結果などを記憶する装置である。主記憶部202は例えばROMおよびRAMのうちの少なくとも一つにより構成される。
【0040】
補助記憶部203は、一般に主記憶部202よりも大量のデータを記憶することが可能な装置である。補助記憶部203は例えばハードディスク、フラッシュメモリなどの不揮発性記憶媒体によって構成される。補助記憶部203は、端末コンピュータ200を配信者端末50または視聴者端末60として機能させるためのクライアントプログラムP2と各種のデータとを記憶する。例えば、補助記憶部203はアバターなどの仮想オブジェクトと仮想空間とのうちの少なくとも一つに関するデータを記憶してもよい。
【0041】
通信部204は、通信ネットワークNを介して他のコンピュータとの間でデータ通信を実行する装置である。通信部204は例えばネットワークカードまたは無線通信モジュールにより構成される。
【0042】
入力インタフェース205は、ユーザの操作または動作に基づいてデータを受け付ける装置である。例えば、入力インタフェース205は、キーボード、操作ボタン、ポインティングデバイス、マイクロフォン、センサ、およびカメラのうちの少なくとも一つによって構成される。キーボードおよび操作ボタンはタッチパネル上に表示されてもよい。入力インタフェース205の種類が限定されないことに対応して、入力されるデータは限定されない。例えば、入力インタフェース205はキーボード、操作ボタン、またはポインティングデバイスによって入力または選択されたデータを受け付けてもよい。あるいは、入力インタフェース205は、マイクロフォンにより入力された音声データを受け付けてもよい。あるいは、入力インタフェース205はカメラによって撮影された画像データ(例えば、映像データまたは静止画データ)を受け付けてもよい。
【0043】
出力インタフェース206は、端末コンピュータ200で処理されたデータを出力する装置である。例えば、出力インタフェース206はモニタ、タッチパネル、HMDおよびスピーカのうちの少なくとも一つによって構成される。モニタ、タッチパネル、HMDなどの表示装置は、処理されたデータを画面上に表示する。スピーカは、処理された音声データで示される音声を出力する。
【0044】
撮像部207は、現実世界を写した画像を撮影する装置であり、具体的にはカメラである。撮像部207は動画像(映像)を撮影してもよいし静止画(写真)を撮影してもよい。動画像を撮影する場合には、撮像部207は映像信号を所与のフレームレートに基づいて処理することで、時系列に並ぶ一連のフレーム画像を動画像として取得する。撮像部207は入力インタフェース205としても機能し得る。
【0045】
配信者端末50または視聴者端末60の各機能要素は、プロセッサ201または主記憶部202の上にクライアントプログラムP2を読み込ませてそのプログラムを実行させることで実現される。クライアントプログラムP2は、配信者端末50または視聴者端末60の各機能要素を実現するためのコードを含む。プロセッサ201はクライアントプログラムP2に従って通信部204、入力インタフェース205、出力インタフェース206、または撮像部207を動作させ、主記憶部202または補助記憶部203におけるデータの読み出しおよび書き込みを行う。この処理により配信者端末50または視聴者端末60の各機能要素が実現される。
【0046】
サーバプログラムP1およびクライアントプログラムP2の少なくとも一つは、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリなどの有形の記録媒体に固定的に記録された上で提供されてもよい。あるいは、これらのプログラムの少なくとも一つは、搬送波に重畳されたデータ信号として通信ネットワークを介して提供されてもよい。これらのプログラムは別々に提供されてもよいし、一緒に提供されてもよい。
【0047】
図3はコンテンツ配信システム1に関連する機能構成の一例を示す図である。配信サーバ10は機能要素としてコンテンツ管理部11、送信部12、受信部13、および応答処理部14を備える。コンテンツ管理部11はコンテンツデータを管理する機能要素である。送信部12は、そのコンテンツデータを視聴者端末60に送信する機能要素である。受信部13は視聴者端末60から送信されたデータ信号を受信する機能要素である。応答処理部14はそのデータ信号に基づく処理を実行する機能要素である。
【0048】
[システムの動作]
コンテンツ配信システム1の動作を説明するととともに、本実施形態に係る報酬管理方法について説明する。以下の説明では、オンラインイベントがクイズであり、イベントセクションが個々の問題に対応し、報酬が賞金であるとする。さらなる前提として、第1ランクが一般であり、第1ランクよりも高い第2ランクがプレミアムであり、第1ユーザが一般会員であり、第2ユーザがプレミアム会員であるとする。例えば、一般会員は会費が0円であるが、コンテンツを視聴する際に広告が表示されたり、所定の状況下でコンテンツの画質が低減されたり、バックグラウンド再生が不可であったりするなどの制限を受ける。一方、プレミアム会員は月額、年額などの定期的な会費を支払う必要があるが、広告が非表示になったり、常に高画質でコンテンツを視聴できたり、バックグラウンド再生が可能であったりするなどの利便性を享受できる。以下の例では、プレミアム会員は一般会員よりも有利な条件で報酬を受け取ることができる。
【0049】
図4および
図5はいずれも、コンテンツ配信システム1により提供されるオンラインイベントの画面の例を示す図である。
図4は一般会員向けのイベント進行E1を示し、
図5はプレミアム会員向けのイベント進行E2を示す。
【0050】
イベント進行E1,E2に示すように、コンテンツ配信システム1は、一般会員とプレミアム会員との双方に対して同じ条件でクイズへの参加を受け付ける。具体的には、コンテンツ配信システム1は、クイズへの参加のためにコンテンツ配信システム1にアクセスした個々の視聴者端末60に、ランクに関係なく申込画面310を表示することで、個々のユーザの参加を受け付ける。本開示では、オンラインイベントに参加したユーザを参加者ともいう。
【0051】
参加申込が締め切られた後に、コンテンツ配信システム1は問題を一つずつ個々の視聴者端末60に配信することで出題する。この出題もランクに関係なく実行される。イベント進行E1,E2の双方に示す出題画面320は択一式であり、参加者は三つの選択肢から解答を選ぶ。正解である場合には、ランクにかかわらず正解画面330が表示され、続いて次の出題画面が出題される。
【0052】
一方、不正解の場合に表示される画面は参加者のランクに依って異なる。一般会員に対して表示される不正解画面340Aはクイズの終了を示す。この不正解画面340Aは、プレミアム会員であった場合に受けることができた特典(この例では敗者復活の権利)を示す表示341と、プレミアム会員になるための申込画面へのリンク342とを含む。一般会員はそのリンク342をクリックしてプレミアム会員の申込画面を表示させ、その申込画面上で所定の手続きを行うことで、プレミアム会員になることができる。一方、プレミアム会員に対して表示される不正解画面340Bは、プレミアム会員の特典(この例では敗者復活の権利)を享受するための343を含む。プレミアム会員はそのリンク343をクリックすることで、不正解という結果を取り消して次の問題に進むことができ、これによりクイズに参加し続けることができる。
【0053】
参加者が全問正解した場合には、報酬を獲得できたことを示す報酬画面が表示される。この報酬画面の内容は一般会員の場合とプレミアム会員の場合とで異なる。一般会員に対して表示される報酬画面350Aは、実際に付与される報酬(231円)と、その参加者がプレミアム会員であったならば獲得できた報酬(462円)とを示す。一方、プレミアム会員に対して表示される報酬画面350Bは、実際に付与される報酬(462円)を示す。すなわち、全問正解したプレミアム会員が得る報酬は、全問正解した一般会員の2倍である。一般会員のための第1基準報酬よりもプレミアム会員のための第2基準報酬の方が高いので、報酬にこのような差が生じる。
【0054】
イベント進行E1,E2に示すように、コンテンツ配信システム1は、第1ランクに属する第1ユーザと第2ランクに属する第2ユーザとの双方に対して同じ条件でオンラインイベントへの参加を受け付ける。そして、コンテンツ配信システム1は、オンラインイベントにおいて第1ユーザの結果が所定の基準を達成した場合には、第1基準報酬に基づいて該第1ユーザに第1報酬を付与し、オンラインイベントにおいて第2ユーザの結果が該所定の基準を達成した場合には、第1基準報酬よりも高い第2基準報酬に基づいて該第2ユーザに第2報酬を付与する。イベント進行E1,E2において参加者が全問正解することは、オンラインイベントにおけるユーザの結果が所定の基準を達成したことの一例である。
【0055】
第1ユーザおよび第2ユーザの間で基準報酬が異なることで、両者が同じ結果を出した場合でも、実際の報酬は双方の間で異なる。ただし、一例では、報酬を獲得するための条件はランクにかかわらず同じである。例えば、イベント進行E1,E2では、一般会員もプレミアム会員も全問正解しなければ報酬を獲得することができない。敗者復活の特典を行使したプレミアム会員の不正解は取り消しにより無かったものと見做されるので、コンテンツ配信システム1はこのプレミアム会員も全問正解した参加者として処理する。
【0056】
図6は、コンテンツ配信システム1の動作および報酬管理方法の一例を処理フローS1として示すフローチャートである。ステップS11では、コンテンツ管理部11が、クイズを開始する前の所定の期間においてクイズへの参加を受け付ける。コンテンツ管理部11は視聴者端末60からの要求に応答して、申込画面のコンテンツデータを生成して送信部12に出力し、送信部12はそのコンテンツデータをその視聴者端末60に送信する。視聴者端末60はそのコンテンツデータを受信および表示する。クイズに参加するユーザ(視聴者)はその申込画面に対して所定の入力を行うことで、クイズに参加するための手続きをする。視聴者端末60はその操作に応答して、参加するための要求信号を配信サーバ10に送信する。コンテンツ管理部11はその要求信号を処理して、そのユーザをクイズへの参加者として管理する。コンテンツ管理部11は、ランクにかかわらず個々のユーザの参加を受け付ける。すなわち、コンテンツ管理部11は一般会員およびプレミアム会員の双方に対して同じ条件で参加を受け付ける。
【0057】
一例では、コンテンツ管理部11は参加者リストを生成する。このリストは、個々の参加者についての属性およびクイズにおける状況を示す。例えば、リストの各レコードは、ユーザID、ランク、およびクイズにおける状況を示す。クイズにおける状況は、例えば、クイズにおける解答の履歴、または正答数を含んでもよい。コンテンツ管理部11はユーザIDに対応するランクを会員管理サーバ30に問い合わせることでそのランクを特定することができる。
【0058】
ステップS12では、コンテンツ管理部11がクイズを開始する。コンテンツ管理部11はクイズの導入部に対応するコンテンツデータを、配信者端末50から受信した映像データに基づいて生成するか、またはコンテンツデータベース20から読み出す。そして、コンテンツ管理部11はそのコンテンツデータを送信部12に出力する。送信部12はそのコンテンツデータを各参加者の視聴者端末60に送信する。各視聴者端末60はそのコンテンツデータを受信および表示し、これにより各参加者はクイズのコンテンツを視聴し始めることができる。クイズ(オンラインイベント)を開始するタイミングはランクにかかわらず共通であり、これにより、各参加者に共通のタイミングで最初の問題(イベントセクション)が開始される。
【0059】
ステップS13では、コンテンツ管理部11および送信部12が協働して一つの問題を送信する。コンテンツ管理部11は各参加者に出す問題を任意の手法で設定してよい。例えば、コンテンツ管理部11は配信者端末50から受信したデータに基づいて問題を設定してもよいし、予め用意されたシナリオに基づいて問題を設定してもよい。コンテンツ管理部11は出題のためのコンテンツデータを生成するかまたはコンテンツデータベース20から読み出し、そのコンテンツデータを送信部12に出力する。送信部12はそのコンテンツデータを各参加者の視聴者端末60に送信する。各視聴者端末60はそのコンテンツデータを受信および表示し、これにより各参加者は出された問題を確認することができる。
【0060】
ステップS14では、受信部13が問題に対する解答を個々の視聴者端末60から受信する。それぞれの参加者は視聴者端末60を操作して解答を入力し、視聴者端末60はその操作に応答して、参加者を一意に特定するユーザIDと、入力された解答とを示す解答データを配信サーバ10に送信する。受信部13はその解答データを受信する。
【0061】
ステップS15では、応答処理部14が個々の参加者に応じた処理を実行する。
図7を参照しながらステップS15の詳細を説明する。
図7は、個々の問題(イベントセクション)における、参加者に応じた処理の一例を示すフローチャートである。
【0062】
ステップS151では、応答処理部14は処理する参加者を選択する。具体的には、応答処理部14は一つの解答データを選択する。
【0063】
ステップS152では、応答処理部14はその参加者が正解したか否かを判定する。すなわち、応答処理部14は参加者がイベントセクションの通過条件を満たすか否かを判定する。応答処理部14は選択した解答データで示される解答と正解とを比較することでその判定を行う。
【0064】
参加者が正解した場合には(ステップS152においてYES)、処理はステップS153に進む。ステップS153では、応答処理部14は参加者リストの対応するレコードの状況を回答データに基づいて更新し、参加者をクイズでの次の段階に誘導する。次の処理は、例えば、次の問題の提示か、または、全問正解を受けての最終処理である。
【0065】
一方、参加者が正解しなかった場合には(ステップS152においてNO)、処理はステップS154に進む。ステップS154では、応答処理部14は参加者のランクを特定する。応答処理部14は、解答データで示されるユーザIDに対応するランクを参加者リストから特定する。
【0066】
ランクが「一般」(第1ランク)である場合には処理はステップS155に進む。ステップS155では、応答処理部14が一般会員用の処理を実行する。一例では、応答処理部14は、処理対象の参加者をクイズから退出させるための不正解画面を生成する。この不正解画面はセクション結果画面の一例である。例えば、応答処理部14は上記の不正解画面340Aを生成する。一例では、応答処理部14は、ランクをプレミアム(第2ランク)に変更するための手続き(すなわち、プレミアム会員になるための手続き)に進むことができる手続画面へのリンクを少なくとも含む不正解画面を生成する。手続画面は、プレミアム会員の申込画面でもよいし、該申込画面へのリンクを含む画面でもよい。不正解画面は、プレミアム会員であった場合に受けることができた特典を示す表示をさらに含んでもよい。いずれにしても、ステップS155で生成される不正解画面は、現在は一般会員であるユーザが属するランクをプレミアムに変更するためのアクセスを一般会員に提供するためのユーザインタフェースである。
【0067】
応答処理部14は生成した不正解画面のコンテンツデータを送信部12に出力する。送信部12はそのコンテンツデータを、処理対象の参加者の視聴者端末60に送信する。この視聴者端末60はそのコンテンツデータを受信および表示する。その参加者は不正解画面を見て、解答を間違えたのでこれ以上クイズに参加できないことを知る。その参加者は、不正解画面内のリンクをクリックして、ランクをプレミアムに変更するための手続画面にアクセスして、その変更の手続きを行うことができる。もし参加者がその手続きを行った場合には、この参加者は次のオンラインイベントからプレミアム会員として参加して、そのランクに対応する報酬を受けることが可能になる。
【0068】
ステップS154においてランクが「プレミアム」(第2ランク)である場合には、処理はステップS156に進む。ステップS156では、応答処理部14がプレミアム会員用の処理を実行する。一例では、応答処理部14は、プレミアム会員の特典を享受するためのリンクを少なくとも含む不正解画面を生成する。この不正解画面もセクション結果画面の一例である。例えば、応答処理部14は上記の不正解画面340Bを生成する。プレミアム会員の特典は、例えば、不正解を取り消して該プレミアム会員をクイズに参加させ続けることでもよい。この処理は、第2ユーザがイベントセクションの通過条件を満たすと見做して、該第2ユーザをオンラインイベントにおける次の段階に誘導することの一例である。特典の内容は限定されず、任意の方針で設定されてよい。
【0069】
応答処理部14は生成した不正解画面のコンテンツデータを送信部12に出力する。送信部12はそのコンテンツデータを、処理対象の参加者の視聴者端末60に送信する。この視聴者端末60はそのコンテンツデータを受信および表示する。その参加者は不正解画面を見て、解答を間違えたことと、特典を享受できることとを知ることができる。その参加者は特典へのリンクをクリックすることでその特典を享受することができる。例えば、参加者はそのリンクをクリックすることで、不正解を無かったことにしてクイズに参加し続けることができる。典型的には、応答処理部14は、或る一人の参加者に対するプレミアム会員用の特典を所定の回数に限って提供し、例えば、該特典を一回のみ提供する。或る一人の参加者が特典の機会を使い切った後に再び解答を間違えた場合には、応答処理部14はその参加者をクイズから退出させるための不正解画面を生成する。この場合には、視聴者端末60は送信部12から送られてきたその不正解画面を受信および表示し、参加者はクイズから退出する。
【0070】
ステップS157で示すように、応答処理部14は処理対象のすべての参加者についてS151以降の処理を実行する。未処理の参加者、すなわち未処理の解答データが存在する場合には(ステップS157においてNO)、応答処理部14はステップS151において、処理する次の参加者を選択し、その参加者についてステップS152以降の処理を実行する。すべての参加者を処理した場合には(ステップS157においてYES)、ステップS15が終了する。
【0071】
図6に戻って、ステップS16では、コンテンツ管理部11がすべての問題を出したか否かを判定する。次の問題が存在する場合には(ステップS16においてNO)、その問題についてステップS13以降の処理が実行される。
【0072】
一方、すべての問題を出した場合には(ステップS16においてYES)、処理はステップS17に進む。ステップS17では、応答処理部14が個々の参加者に応じた最終処理を実行する。
図8を参照しながらステップS17の詳細を説明する。
図8は、クイズ(オンラインイベント)における、参加者に応じて実行される最終処理の一例を示すフローチャートである。
【0073】
ステップS171では、応答処理部14は、報酬を付与する参加者の人数をランク毎に特定する。応答処理部14は全問正解した参加者を所定の基準を達成したユーザとして処理し、その参加者を、報酬を付与する対象として特定する。具体的には、応答処理部14は参加者リストを参照して、全問正解した一般会員の人数と、全問正解したプレミアム会員の人数とを特定する。
【0074】
ステップS172では、応答処理部14は、総報酬と各ランクの人数および基準報酬とに基づいてそれぞれの参加者の報酬を決定する。応答処理部14は報酬管理サーバ40にアクセスすることで、実施したクイズに対応する報酬ルールを取得し、その報酬ルールを参照することで、総報酬と各ランクの基準報酬とを特定することができる。プレミアム会員の基準報酬は一般会員の基準報酬よりも高く設定される。一般会員の第1基準報酬をrとすると、プレミアム会員の第2基準報酬は、1より大きい係数αを用いて、α×rで表される。例えば、αは2でもよいし、3でもよいし、他の数値でもよい。
【0075】
例えば、総報酬が10万円であり、全問正解した一般会員およびプレミアム会員の人数がそれぞれ250人、50人であり、αが3であるとする。すなわち、プレミアム会員は一般会員の3倍の報酬を得るとする。この例では、下記の式(1)が満たされるように、値rが決まる。
250×r+50×(3×r)=100000 …(1)
r=250なので、応答処理部14は、それぞれの一般会員の報酬を250円に決定し、それぞれのプレミアム会員の報酬を750円に決定する。
【0076】
応答処理部14は第1基準報酬および第2基準報酬を、報酬を付与する一般会員およびプレミアム会員の比率に応じて動的に変更してもよい。例えば、プレミアム会員の比率が所定の閾値より高い場合には、第1基準報酬と第2基準報酬との差を初期値より大きくしてもよい。例えば、第1基準報酬および第2基準報酬の初期値がそれぞれr、3×rであるとし、プレミアム会員の比率がその所定の閾値より高いとする。この場合に、応答処理部14は第1基準報酬および第2基準報酬をそれぞれr、3.5×rに設定した上で、それぞれの参加者の報酬を決定してもよい。このように第2基準報酬をより高く設定することで、プレミアム会員の割合が大きい場合にも彼らに分配する獲得報酬を高くすることができる。この処理により、第2ランクを維持し続けようとする動機を第2ユーザに与えることが可能になる。
【0077】
ステップS173では、応答処理部14および送信部12が協働して、決定された報酬を各参加者に通知する。一般会員への通知の一例では、応答処理部14は、獲得する報酬と、プレミアム会員であった場合に得られた報酬との双方を示す報酬画面を生成する。上記の報酬画面350Aは、このステップS173で生成される報酬画面の一例である。応答処理部14は、獲得する報酬と、ランクをプレミアムに変更するための手続きに進むことができる画面へのリンクとを含む報酬画面を生成してもよい。この場合には、報酬画面は、現在は一般会員であるユーザが属するランクをプレミアムに変更するためのアクセスをそのユーザに提供するためのユーザインタフェースである。あるいは、応答処理部は、獲得する報酬と、プレミアム会員の場合の報酬と、そのリンクとを含む報酬画面を生成してもよい。
【0078】
応答処理部14は生成した報酬画面のコンテンツデータを送信部12に出力する。送信部12はそのコンテンツデータを、全問正解した一般会員の視聴者端末60に送信する。その視聴者端末60はそのコンテンツデータを受信および表示する。一般会員はその報酬画面を確認することで、得られた報酬を知ることができる。さらに、一般会員は、プレミアム会員であれば獲得できた報酬を知るか、またはランクをプレミアムに変更するための画面にリンクから辿ることができる。
【0079】
応答処理部14はさらに、プレミアム会員に報酬を示すための報酬画面を生成し、その報酬画面のコンテンツデータを送信部12に出力する。上記の報酬画面350Bも、このステップS173で生成される報酬画面の一例である。送信部12はそのコンテンツデータを、全問正解したプレミアム会員の視聴者端末60に送信する。その視聴者端末60はそのコンテンツデータを受信および表示する。プレミアム会員はその報酬画面を確認することで、得られた報酬を知ることができる。
【0080】
ステップS174では、応答処理部14は各参加者の報酬を登録する。応答処理部14は各参加者の報酬を示すデータ信号である登録指示を生成して、この登録指示を会員管理サーバ30に送信する。会員管理サーバ30はその登録指示に従って、全問正解した各参加者の会員情報に今回の報酬を登録する。
【0081】
図6に戻って、ステップS18では、コンテンツ管理部11がクイズを終了する。クイズの終了に対応するコンテンツデータが存在する場合には、コンテンツ管理部11はそのコンテンツデータを送信部12に出力する。送信部12はそのコンテンツデータを1以上の参加者(例えば、最後まで残った参加者)の視聴者端末60に送信する。それぞれの視聴者端末60はそのコンテンツデータを受信および表示する。この一連の処理により、すべての参加者がクイズから退出する。クイズ(オンラインイベント)を終了するタイミングはランクにかかわらず共通である。
【0082】
ステップS11,S12に関連して、コンテンツ管理部11は、一般会員とプレミアム会員との間の報酬の差を示す表示と、ランクをプレミアムに変更するための手続画面へのリンクとのうちの少なくとも一方を含む申込画面を一般会員のために生成してもよい。一般会員はそのリンクをクリックしてプレミアム会員の手続画面を表示させ、その手続画面上で所定の手続きを行うことで、プレミアム会員になることができる。コンテンツ配信システム1は、クイズ(オンラインイベント)が開始される前にその手続画面上でランクを一般からプレミアムに変更したユーザをプレミアム会員としてクイズに参加させてもよい。
【0083】
ステップS14,S15に関連して、コンテンツ配信システム1はプレミアム会員(第2ユーザ)に対して、所定の回数(例えば1回のみ)以内で問題(イベントセクション)をスキップできるという特典を付与してもよい。この場合には、プレミアム会員は視聴者端末60を操作して問題をスキップするための指示を入力し、視聴者端末60はその操作に応答して、そのプレミアム会員のユーザIDと、スキップとを示す解答データを配信サーバ10に送信する。配信サーバ10では、応答処理部14がその回答データに応答して、解答の正否を判定することなくステップS153の処理を実行し、これによりそのプレミアム会員をクイズに参加させ続ける。この処理は、イベントセクションの通過条件を満たすか否かを判定することなく第2ユーザをオンラインイベントにおける次の段階に誘導することの一例である。
【0084】
コンテンツ配信システム1は、最初の問題より前にクイズに参加したプレミアム会員に対して、途中の問題から解答し始めることができるという特典を付与してもよい。途中の問題とは、2番目以降の問題のことをいう。この場合には、応答処理部14は、解答データを送信してこないプレミアム会員の状況を判定する処理を保留し、クイズの途中で初めて解答データを受信した時点から、上記実施形態と同様の処理で解答の判定と後続処理とを実行する。コンテンツ配信システム1は、その特典を行使したプレミアム会員に対しては、参加した後のすべての問題を正しく解答した場合に報酬を付与する。すなわち、コンテンツ配信システム1は、第2ユーザが最初のイベントセクションより前にオンラインイベントに参加し、途中のイベントセクションからイベントセクションを通過するための操作を行い始め、かつ、該途中のイベントセクション以降のすべてのイベントセクションを通過した場合にも、該第2ユーザに第2報酬を付与してもよい。参加者間の公平性を考慮して、コンテンツ配信システム1は、途中参加したプレミアム会員に対して、所定の割合(例えば、50%、60%、70%、80%など)以上の問題を正しく解答した場合に限って報酬を付与してもよい。
【0085】
コンテンツ配信システム1は、スキップまたは途中参加の特典を行使したプレミアム会員に対して、基準報酬を用いて算出される獲得報酬を、問題の総数に対する解答数の割合に基づいて減じてもよい。
【0086】
コンテンツ配信システム1は、プレミアム会員に対して、不正解の取り消し、スキップ、および途中参加から任意に選択される2以上の特典の機会を提供してもよい。
【0087】
[効果]
以上説明したように、本開示の一側面に係る報酬管理システムは、複数のユーザに配信されるオンラインイベントでの報酬を管理する。報酬管理システムは少なくとも一つのプロセッサを備える。少なくとも一つのプロセッサのうちの少なくとも一つは、第1ランクに属する第1ユーザと該第1ランクよりも高い第2ランクに属する第2ユーザとの双方に対して同じ条件でオンラインイベントへの参加を受け付ける。少なくとも一つのプロセッサのうちの少なくとも一つは、オンラインイベントにおいて第1ユーザの結果が所定の基準を達成した場合には、第1基準報酬に基づいて該第1ユーザに第1報酬を付与し、オンラインイベントにおいて第2ユーザの結果が所定の基準を達成した場合には、第1基準報酬よりも高い第2基準報酬に基づいて該第2ユーザに第2報酬を付与する。
【0088】
本開示の一側面に係る報酬管理方法は、少なくとも一つのプロセッサを備え、且つ複数のユーザに配信されるオンラインイベントでの報酬を管理する報酬管理システムによって実行される。報酬管理方法は、第1ランクに属する第1ユーザと該第1ランクよりも高い第2ランクに属する第2ユーザとの双方に対して同じ条件でオンラインイベントへの参加を受け付けるステップと、オンラインイベントにおいて第1ユーザの結果が所定の基準を達成した場合には、第1基準報酬に基づいて該第1ユーザに第1報酬を付与し、オンラインイベントにおいて第2ユーザの結果が所定の基準を達成した場合には、第1基準報酬よりも高い第2基準報酬に基づいて該第2ユーザに第2報酬を付与するステップとを含む。
【0089】
本開示の一側面に係る報酬管理プログラムは、複数のユーザに配信されるオンラインイベントでの報酬を管理する報酬管理システムとしてコンピュータシステムを機能させる。報酬管理プログラムは、第1ランクに属する第1ユーザと該第1ランクよりも高い第2ランクに属する第2ユーザとの双方に対して同じ条件でオンラインイベントへの参加を受け付けるステップと、オンラインイベントにおいて第1ユーザの結果が所定の基準を達成した場合には、第1基準報酬に基づいて該第1ユーザに第1報酬を付与し、オンラインイベントにおいて第2ユーザの結果が所定の基準を達成した場合には、第1基準報酬よりも高い第2基準報酬に基づいて該第2ユーザに第2報酬を付与するステップとをコンピュータシステムに実行させる。
【0090】
このような側面においては、互いに異なるランクのユーザに対して同じ条件でオンラインイベントへの参加を許容するので、ランクにかかわらずユーザをオンラインイベントに惹きつけることができる。一方、第1ユーザよりも高いランクを有する第2ユーザが該第1ユーザよりも高い基準報酬に基づく報酬を得るように各ユーザの報酬が設定され、このことは、第2ユーザが第2ランクを維持し続けようとする動機付けになる。特許文献1に記載されていないこのようなオンラインイベントへの応募条件および報酬付与の手法を採用することで、オンラインイベントに参加する幅広いユーザを満足させることが可能になる。例えば、第1ユーザは第2ユーザと同じ条件でオンラインイベントに参加でき、これはユーザの裾野を拡大することに貢献し得る。第2ユーザは報酬の獲得に関して第1ユーザよりも有利であり、これは第2ユーザにとって、第2ランクを維持し続けるインセンティブになり得る。上記の側面によってこれら複数の利点を両立させることができる。
【0091】
他の側面に係る報酬管理システムでは、少なくとも一つのプロセッサのうちの少なくとも一つが、第1報酬を示し、かつ、第1ユーザが属するランクを第2ランクに変更することが可能な手続画面へのリンクを含む報酬画面を生成し、少なくとも一つのプロセッサのうちの少なくとも一つが、報酬画面を第1ユーザの第1端末に送信することで、該報酬画面を該第1端末上に表示させてもよい。このようなリンクを第1ユーザに対して表示することで、報酬の面で有利な第2ランクへの変更の機会を第1ユーザに提供することができる。
【0092】
他の側面に係る報酬管理システムでは、少なくとも一つのプロセッサのうちの少なくとも一つが、オンラインイベントへの参加を受け付けるための申込画面を第1ユーザに提供する場合には、第1ユーザが属するランクを第2ランクに変更することが可能な手続画面へのリンクを含むように該申込画面を生成し、少なくとも一つのプロセッサのうちの少なくとも一つが、申込画面を第1ユーザの第1端末に送信することで、該申込画面を該第1端末上に表示させ、少なくとも一つのプロセッサのうちの少なくとも一つが、第1ユーザが自分のランクを第2ランクに変更した場合に、該第1ユーザを第2ユーザとして処理してもよい。このようなリンクを第1ユーザに対して表示することで、報酬の面で有利な第2ランクへの変更の機会を第1ユーザに提供することができる。
【0093】
他の側面に係る報酬管理システムでは、オンラインイベントが複数のイベントセクションを含み、少なくとも一つのプロセッサのうちの少なくとも一つが、オンラインイベントへの複数のユーザの参加の受け付けを終了した後に、最初のイベントセクションを開始し、少なくとも一つのプロセッサのうちの少なくとも一つが、複数のユーザに共通のタイミングでオンラインイベントを終了させてもよい。このようにオンラインイベントの開始および終了のタイミングを複数のユーザの間で共通にすることで、報酬を獲得できる機会を該複数のユーザに公平に与えることができる。
【0094】
他の側面に係る報酬管理システムでは、少なくとも一つのプロセッサのうちの少なくとも一つが、複数のイベントセクションのそれぞれにおいて、複数のユーザのそれぞれについて、該イベントセクションの通過条件を満たすか否かを判定し、少なくとも一つのプロセッサのうちの少なくとも一つが、第1ユーザが複数のイベントセクションのすべてを通過した場合に、該第1ユーザに第1報酬を付与し、少なくとも一つのプロセッサのうちの少なくとも一つが、第2ユーザが複数のイベントセクションのすべてを通過した場合に、該第2ユーザに第2報酬を付与してもよい。個々のイベントセクションに通過条件を設けることで、趣向を凝らしたオンラインイベントをユーザに提供することができる。
【0095】
他の側面に係る報酬管理システムでは、少なくとも一つのプロセッサのうちの少なくとも一つが、第1ユーザがイベントセクションの通過条件を満たす場合には、該第1ユーザをオンラインイベントでの次の段階に誘導し、少なくとも一つのプロセッサのうちの少なくとも一つが、第1ユーザが通過条件を満たさない場合には、該第1ユーザが属するランクを第2ランクに変更することが可能な手続画面へのリンクを含むセクション結果画面を生成し、該セクション結果画面を該第1ユーザの第1端末に送信することで、該セクション結果画面を該第1端末上に表示させてもよい。このようなリンクを第1ユーザに対して表示することで、報酬の面で有利な第2ランクへの変更の機会を第1ユーザに提供することができる。
【0096】
他の側面に係る報酬管理システムでは、少なくとも一つのプロセッサのうちの少なくとも一つが、第2ユーザがイベントセクションの通過条件を満たす場合には、該第2ユーザをオンラインイベントでの次の段階に誘導し、少なくとも一つのプロセッサのうちの少なくとも一つが、第2ユーザが通過条件を満たさない場合には、該第2ユーザが該通過条件を満たすと見做すための処理へのリンクを含むセクション結果画面を生成し、該セクション結果画面を該第2ユーザの第2端末に送信することで、該セクション結果画面を該第2端末上に表示させ、少なくとも一つのプロセッサのうちの少なくとも一つが、リンクが選択されたことに応答して、第2ユーザをオンラインイベントでの次の段階に誘導してもよい。このようなリンクを第2ユーザに対して表示することで、有利なイベント進行の機会を第2ユーザに提供することができる。
【0097】
他の側面に係る報酬管理システムでは、少なくとも一つのプロセッサのうちの少なくとも一つが、第2ユーザが第1イベントセクションをスキップした場合には、該第2ユーザが該第1イベントセクションの通過条件を満たすか否かを判定することなく該第2ユーザをオンラインイベントでの次の段階に誘導してもよい。このような処理により、有利なイベント進行を第2ユーザに提供することができる。
【0098】
他の側面に係る報酬管理システムでは、少なくとも一つのプロセッサのうちの少なくとも一つが、第2ユーザが最初のイベントセクションより前にオンラインイベントに参加し、途中のイベントセクションからイベントセクションを通過するための操作を行い始め、かつ、該途中のイベントセクション以降のすべてのイベントセクションを通過した場合にも、該第2ユーザに第2報酬を付与してもよい。この場合には、途中参加という有利なイベント進行の機会を第2ユーザに提供することができる。
【0099】
[変形例]
以上、本開示の実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本開示は上記実施形態に限定されるものではない。本開示は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【0100】
報酬管理システムの内部の構成は上記実施形態に限定されず、任意の方針で設計されてよい。例えば、報酬管理システムは、配信サーバ10、コンテンツデータベース20、会員管理サーバ30、および報酬管理サーバ40の機能を有する一つのサーバを用いて実現されてもよい。あるいは、報酬管理システムはより多くの種類のサーバを含んで構成されてもよい。個々のデータベースの設置場所は限定されない。例えば、コンテンツデータベース20は、コンテンツ配信システム1とは別のコンピュータシステム内に設けられてもよい。
【0101】
本実施形態では第1ユーザおよび第2ユーザがいずれも会員であるが、第1ユーザおよび第2ユーザの少なくとも一方が非会員であってもよい。したがって、第1ランクおよび第2ランクの少なくとも一方は、非会員に関するランクでもよい。
【0102】
本開示において、「少なくとも一つのプロセッサが、第1の処理を実行し、第2の処理を実行し、…第nの処理を実行する。」との表現、またはこれに対応する表現は、第1の処理から第nの処理までのn個の処理の実行主体(すなわちプロセッサ)が途中で変わる場合を含む概念である。すなわち、この表現は、n個の処理のすべてが同じプロセッサで実行される場合と、n個の処理においてプロセッサが任意の方針で変わる場合との双方を含む概念である。
【0103】
少なくとも一つのプロセッサにより実行される方法の処理手順は上記実施形態での例に限定されない。例えば、上述したステップ(処理)の一部が省略されてもよいし、別の順序で各ステップが実行されてもよい。また、上述したステップのうちの任意の2以上のステップが組み合わされてもよいし、ステップの一部が修正又は削除されてもよい。あるいは、上記の各ステップに加えて他のステップが実行されてもよい。
【解決手段】一実施形態に係る報酬管理システムは、複数のユーザに配信されるオンラインイベントでの報酬を管理する。報酬管理システムは、第1ランクに属する第1ユーザと該第1ランクよりも高い第2ランクに属する第2ユーザとの双方に対して同じ条件でオンラインイベントへの参加を受け付け、オンラインイベントにおいて第1ユーザの結果が所定の基準を達成した場合には、第1基準報酬に基づいて該第1ユーザに第1報酬を付与し、オンラインイベントにおいて第2ユーザの結果が所定の基準を達成した場合には、第1基準報酬よりも高い第2基準報酬に基づいて該第2ユーザに第2報酬を付与する。