特許第6726500号(P6726500)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6726500
(24)【登録日】2020年7月1日
(45)【発行日】2020年7月22日
(54)【発明の名称】ナースコールシステム
(51)【国際特許分類】
   H04M 9/00 20060101AFI20200713BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20200713BHJP
   A61G 12/00 20060101ALI20200713BHJP
【FI】
   H04M9/00 D
   H04M11/00 302
   A61G12/00 E
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-66410(P2016-66410)
(22)【出願日】2016年3月29日
(65)【公開番号】特開2017-183926(P2017-183926A)
(43)【公開日】2017年10月5日
【審査請求日】2019年1月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000100908
【氏名又は名称】アイホン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121142
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 恭一
(72)【発明者】
【氏名】楠 浩和
(72)【発明者】
【氏名】土屋 陽
(72)【発明者】
【氏名】和田 真
【審査官】 田畑 利幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−061228(JP,A)
【文献】 特開平09−331395(JP,A)
【文献】 特開2015−216565(JP,A)
【文献】 特開2005−130132(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0244993(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 9/00−9/10
H04M 11/00−11/10
H04M 3/38− 3/58
A61G 9/00−15/12
A61G 99/00
H04N 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベッド毎に設置されて患者が看護師を呼び出して通話するためのナースコール子機と、ナースステーションに設置されて前記ナースコール子機による呼び出しに応答するためのナースコール親機と、看護師が携行して前記ナースコール子機からの呼び出しに応答するための複数の携帯端末と、前記ナースコール子機、前記ナースコール親機、前記携帯端末の間の通信を制御する制御機とを有するナースコールシステムにおいて、
患者の担当看護師、ベッド番号を含む患者情報を記憶する患者情報記憶部と、
看護師と前記携帯端末の対応関係を記憶する携帯端末テーブル記憶部と、
患者を撮像するための複数のカメラと、
患者と前記カメラとの対応関係を記憶するカメラテーブル記憶部とを有すると共に、
前記携帯端末は、前記カメラの撮像映像を表示する端末ディスプレイと、
所定の操作で選択した患者に対応する前記カメラを起動させて前記端末ディスプレイに表示させるモニタ操作を可能とするモニタ制御部と、
前記携帯端末がモニタ動作中に前記ナースコール子機による呼び出しを受けても、前記モニタ動作を継続して呼出発生の表示のみ実施する呼出制御部とを有する一方、
前記ナースコール親機は、前記カメラの撮像映像を表示する親機ディスプレイ、及び所定の操作で患者を選択して前記カメラを起動させて前記親機ディスプレイに表示させるモニタ操作を可能とするモニタ制御部と、
前記ナースコール親機がモニタ動作中に、前記ナースコール子機による呼び出しを受けたら、前記モニタ動作を終了して呼出モードに移行して呼出音を鳴動させる呼出制御部と、
を有することを特徴とするナースコールシステム。
【請求項2】
前記ナースコール親機は前記親機ディスプレイを複数具備し、
前記ナースコール親機の呼出制御部は、前記ナースコール親機が前記モニタ動作中に、前記ナースコール子機による呼び出しを受けたら、前記モニタ動作中の親機ディスプレイのモニタ動作を継続させ、他の親機ディスプレイを呼出モードに移行させて呼出音を鳴動させることを特徴とする請求項1記載のナースコールシステム。
【請求項3】
前記携帯端末の呼出制御部は、前記モニタ動作中に前記ナースコール子機による呼び出しを受けたら、前記患者情報記憶部及び前記携帯端末テーブル記憶部を参照して自端末が関連付けられている患者からの呼び出しであるか判別し、関連付けられている患者からの呼び出しであれば、前記モニタ動作を終了して呼出モードに移行させて呼出音を鳴動させることを特徴とする請求項1又は2記載のナースコールシステム。
【請求項4】
ベッド毎に設置されて患者が看護師を呼び出して通話するためのナースコール子機と、ナースステーションに設置されて前記ナースコール子機による呼び出しに応答するためのナースコール親機と、看護師が携行して前記ナースコール子機からの呼び出しに応答するための複数の携帯端末と、前記ナースコール子機、前記ナースコール親機、前記携帯端末の間の通信を制御する制御機とを有するナースコールシステムにおいて、
患者の担当看護師、ベッド番号を含む患者情報を記憶する患者情報記憶部と、
看護師と前記携帯端末の対応関係を記憶する携帯端末テーブル記憶部とを有すると共に、
前記携帯端末は、所定の操作で選択した患者に対応する前記ナースコール子機のマイクを能動状態として音声をモニタするモニタ操作を可能とするモニタ制御部と、
前記携帯端末が前記モニタ操作によるモニタ動作中に、前記ナースコール子機による呼び出しを受けても、前記モニタ動作を継続して呼出発生の表示のみ実施する呼出制御部とを有し、
前記携帯端末の呼出制御部は、前記モニタ動作中に前記ナースコール子機による呼び出しを受けたら、前記患者情報記憶部及び前記携帯端末テーブル記憶部を参照して自端末が関連付けられている患者からの呼び出しであるか判別し、関連付けられている患者からの呼び出しであれば、前記モニタ動作を終了して呼出モードに移行させて呼出音を鳴動させることを特徴とするナースコールシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はナースコールシステムに関し、特に患者の映像や音声を入手可能として見守り機能を備えたナースコールシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
患者の状態を把握するために患者の映像や音声を入手できる見守り機能を備えたナースコールシステムがある。例えば、特許文献1では、呼び出しを受けて患者の映像がナースコール親機に表示されたし、ナースコール親機において患者を選択して見守り設定にすると、選択された患者の撮像映像が表示された。
また、看護師が携行する携帯端末にも患者からの呼び出しに合わせて患者の映像を表示するインターホンシステムがある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−90913号公報
【特許文献2】特開2014−158228号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1のナースコールシステムは、映像から患者の起き上がり等の姿勢を認識して判断するための見守り映像を表示するものであるため、患者からの呼び出しが発生しても映像の表示は継続された。
一方で、引用文献2にあるように患者映像を表示可能な携帯端末を使用する場合、携帯端末からカメラを選択して特定の患者の撮像映像を入手してモニタを可能としたものもあるが、携帯端末の場合は患者からの呼び出しが発生すると、モニタが終了となった。そのため、他の看護師が応対した場合であっても、モニタを継続する場合は最初からモニタ設定操作をしなければならず、操作が煩わしかった。
【0005】
そこで、本発明はこのような問題点に鑑み、携帯端末でモニタ中にナースコール子機から呼び出しがあっても、モニタは終了しないナースコールシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する為に、請求項1の発明は、ベッド毎に設置されて患者が看護師を呼び出して通話するためのナースコール子機と、ナースステーションに設置されてナースコール子機による呼び出しに応答するためのナースコール親機と、看護師が携行してナースコール子機からの呼び出しに応答するための複数の携帯端末と、ナースコール子機、ナースコール親機、携帯端末の間の通信を制御する制御機とを有するナースコールシステムにおいて、患者の担当看護師、ベッド番号を含む患者情報を記憶する患者情報記憶部と、看護師と携帯端末の対応関係を記憶する携帯端末テーブル記憶部と、患者を撮像するための複数のカメラと、患者とカメラとの対応関係を記憶するカメラテーブル記憶部とを有すると共に、携帯端末は、カメラの撮像映像を表示する端末ディスプレイと、所定の操作で選択した患者に対応するカメラを起動させて端末ディスプレイに表示させるモニタ操作を可能とするモニタ制御部と、携帯端末がモニタ動作中にナースコール子機による呼び出しを受けても、モニタ動作を継続して呼出発生の表示のみ実施する呼出制御部とを有する一方、ナースコール親機は、カメラの撮像映像を表示する親機ディスプレイ、及び所定の操作で患者を選択してカメラを起動させて親機ディスプレイに表示させるモニタ操作を可能とするモニタ制御部と、ナースコール親機がモニタ動作中に、ナースコール子機による呼び出しを受けたら、モニタ動作を終了して呼出モードに移行して呼出音を鳴動させる呼出制御部と、を有することを特徴とする。
この構成によれば、モニタ動作中の携帯端末が呼び出しを受けても呼び出し発生を表示するだけでモニタは継続される。よって、呼び出しを受けたからといって最初からモニタ操作をやり直す必要がない。
加えて、ナースコール親機では、患者からの呼び出しが発生したら、モニタ中であっても呼出モードに移行するため、速やかな応答操作が可能であり、患者を待たせる状態を削減できる。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の構成において、ナースコール親機は親機ディスプレイを複数具備し、ナースコール親機の呼出制御部は、ナースコール親機がモニタ動作中に、ナースコール子機による呼び出しを受けたら、モニタ動作中の親機ディスプレイのモニタ動作を継続させ、他の親機ディスプレイを呼出モード移行させて呼出音を鳴動させることを特徴とする。
この構成によれば、ナースコール親機が複数のディスプレイを備えている場合は、モニタ動作と呼出動作の双方を両立でき、呼び出しが発生する度に設定し直す必要がない。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の構成において、携帯端末の呼出制御部は、モニタ動作中にナースコール子機による呼び出しを受けたら、患者情報記憶部及び携帯端末テーブル記憶部を参照して自端末が関連付けられている患者からの呼び出しであるか判別し、関連付けられている患者からの呼び出しであれば、モニタ動作を終了して呼出モードに移行させて呼出音を鳴動させることを特徴とする。
この構成によれば、呼び出し元の患者が携帯端末を携行している看護師が担当している患者である場合は、モニタ動作を終了して呼出モードに移行するので、看護師は担当患者からの呼び出しであることを容易に認識でき、担当でない看護師が応答する比率を下げて遅滞のない看護業務に役立つ。
【0009】
請求項4の発明は、ベッド毎に設置されて患者が看護師を呼び出して通話するためのナースコール子機と、ナースステーションに設置されてナースコール子機による呼び出しに応答するためのナースコール親機と、看護師が携行してナースコール子機からの呼び出しに応答するための複数の携帯端末と、ナースコール子機、ナースコール親機、携帯端末の間の通信を制御する制御機とを有するナースコールシステムにおいて、患者の担当看護師、ベッド番号を含む患者情報を記憶する患者情報記憶部と、看護師と携帯端末の対応関係を記憶する携帯端末テーブル記憶部とを有すると共に、携帯端末は、所定の操作で選択した患者に対応するナースコール子機のマイクを能動状態として音声をモニタするモニタ操作を可能とするモニタ制御部と、携帯端末がモニタ操作によるモニタ動作中に、ナースコール子機による呼び出しを受けても、モニタ動作を継続して呼出発生の表示のみ実施する呼出制御部とを有し、携帯端末の呼出制御部は、モニタ動作中にナースコール子機による呼び出しを受けたら、患者情報記憶部及び携帯端末テーブル記憶部を参照して自端末が関連付けられている患者からの呼び出しであるか判別し、関連付けられている患者からの呼び出しであれば、モニタ動作を終了して呼出モードに移行させて呼出音を鳴動させることを特徴とする。
この構成によれば、モニタ中の携帯端末が呼び出しを受けても呼び出し発生を表示するだけでモニタは継続される。よって、呼び出しを受けたからといって最初からモニタ操作をやり直す必要がない。
【0010】
加えて、呼び出し元の患者が携帯端末を携行している看護師が担当している患者である場合は、モニタ動作を終了して呼出モードに移行するので、看護師は担当患者からの呼び出しであることを容易に認識でき、担当でない看護師が応答する比率を下げて遅滞のない看護業務に役立つ。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、モニタ動作中の携帯端末が呼び出しを受けても呼び出し発生を表示するだけでモニタは継続される。よって、呼び出しを受けたからといって最初からモニタ操作をやり直す必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係るナースコールシステムの一例を示す構成図である。
図2】ナースコール親機の回路ブロック図である。
図3】携帯端末の表示説明図である。
図4】携帯端末のモニタ中の表示説明図である。
図5】ナースコール親機のモニタ中の表示説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明に係るナースコールシステムの一例を示す構成図であり、1はベッド毎に設置されて患者が看護師を呼び出して通話するためのナースコール子機、2は病室の出入口に設置されて患者からの呼出発生を通知する廊下灯、3はナースステーションに設置されて呼出発生を受けて応答するためのナースコール親機、4は呼出/応答に加えて機器間の通信を制御する制御機、5は患者を撮像するためのカメラ、6は看護師が携行して呼び出しに応答するための携帯端末、7は携帯端末6との通信を管理する交換機、8は携帯端末6と通信するために病院内に所定の間隔で複数設置された基地局である。
【0014】
廊下灯2、ナースコール親機3、制御機4、カメラ5等はそれぞれHUB10を介して互いにLAN接続されている。一方、ナースコール子機1は病室毎に廊下灯2に伝送線L1を介して接続され、交換機7は制御機4に伝送線L2で接続されている。また、基地局8は交換機7に接続されている。
【0015】
ナースコール子機1は、呼出ボタン1aと壁面に設置されたプレート子機1bを有し、プレート子機1bは、呼出ボタン1aの接続部及びマイク及びスピーカを備えた通話部(図示せず)を有している。また、廊下灯2は、呼出発生をLED等の点灯或いは点滅で通知する表示灯2a、患者氏名等の患者情報を表示する液晶表示部2b等を備えている。
【0016】
ナースコール親機3は、患者からの呼び出しに応答するためのハンドセット31a、及び呼出元情報等を表示する表示部32、更に患者情報の一覧を表示するボード部としてのディスプレイ(第1ディスプレイ)33を備えたボード型親機30と、別途患者情報を表示するディスプレイ(第2ディスプレイ)34と、第1ディスプレイ33と第2ディスプレイ34の表示を管理する管理装置35とを備えている。
第1ディスプレイ33は縦長に形成されて、従来のボード型親機のボード部として使用し易く構成されている。
一方、第2ディスプレイ34は、離れた位置からでも患者情報を確認出来るよう比較的大型のディスプレイが使用され、例えば第1ディスプレイ33は24型の液晶ディスプレイが使用されるのに対して、第2ディスプレイ34は例えば40型の液晶ディスプレイが使用される。
【0017】
図2は、このナースコール親機3の要部回路ブロック図を示している。図2に示すように、ボード型親機30は、ハンドセット31aを備えた通話部31、通話先等を表示する表示部32に加えて、呼出音等の報音や通話音声を制御する音声処理部38、ボード型親機30を制御する親機CPU39、HUB10に接続して制御機4と通信する親機IF40等を備えている。
【0018】
一方、管理装置35は、第1ディスプレイ33、第2ディスプレイ34に加えて、第1ディスプレイ33の表示を制御する第1表示制御部33a、第2ディスプレイ34の表示を制御する第2表示制御部34a、第1ディスプレイ33に組み付けられたタッチパネルから成る第1操作部33b、第2ディスプレイ34に組み付けられたタッチパネルから成る第2操作部34b、担当医師、担当看護師、診療科目、救護区分、感染症有無等の患者情報を記憶する患者情報記憶部36a、患者とカメラ5との対応関係を記憶するカメラテーブル記憶部36c、看護師と携帯端末6の対応関係を記憶する携帯端末テーブル記憶部36b、管理装置35全体を制御する管理装置CPU41、HUB10に接続して制御機4と通信する管理装置IF42等を備えている。
【0019】
携帯端末6は、所謂スマートフォンが使用され、操作画面を表示すると共にカメラ5の撮像映像を表示するディスプレイ6aを有している。尚、6bは携帯端末全体を制御する携帯端末CPUを示している。
【0020】
上記の如く構成されたナースコールシステムの動作を次に説明する。但し、ナースコール子機1による呼び出し、ナースコール親機3或いは携帯端末6によるその応答動作は、従来と同様であるため説明を省略し、ここでは携帯端末6或いはナースコール親機3において、患者の映像或いは音声をモニタしている状態での呼出動作を中心に説明する。
【0021】
先ず、携帯端末6により患者を映像でモニタし、その後呼び出しを受けた場合の動作を説明する。携帯端末6には、患者のモニタを可能とするためのアプリケーションソフトウェアがインストールされており、所定の操作により図3に示す操作画面であるメニュー画面がディスプレイ6aに表示される。
この操作画面から「モニタ」ボタンB3がタッチされると、携帯端末CPU6bの制御によりモニタモードに移行する。
尚、「呼出」ボタンB1は患者と通話する際に操作するボタン、「放送」ボタンB2は病棟全体に放送する場合に操作するボタン、「処置入力」ボタンB4は処置内容を入力する際に操作するボタン、「履歴確認」ボタンB5は処置履歴を確認する際に操作するボタンである。
【0022】
モニタモードに移行すると、患者氏名或いは病室番号を含むベッド番号の入力画面が表示される(図示せず)。この画面で例えばベッド番号「101−1」が入力されたら、携帯端末CPU6bの制御により101号室の1番のベッド選択信号が基地局8、交換機7を介してナースコール親機3の管理装置35に送信される。
この信号を受けた管理装置35は、管理装置CPU41の制御によりカメラテーブル記憶部36cからベッド番号に関連付けられているカメラ5を読み取って、選択したベッドを撮像するカメラ5を起動させて、撮像映像を携帯端末6に送信する。また、対応するベッドのナースコール子機1のマイクが能動状態となり、集音した音声等が送信されて携帯端末6で報音される。
【0023】
こうしてモニタ動作を開始した携帯端末6のディスプレイ6aの表示を図4に示している。図4において、E1はディスプレイ6a上の表示エリアを示し、E1がモニタ表示エリアでE1aはモニタ中の患者撮像映像である。またE2が詳細表示エリアであり、ディスプレイ6aを操作して上方にスクロールすることで患者情報の詳細を見ることができる。尚、C1はカメラ5のパン/チルト操作ボタン、C2はカメラ5の明るさ調整ボタンである。モニタは「終話」ボタンC3をタッチすれば終了される。
【0024】
そして、このモニタ中にナースコール子機1による患者からの呼び出しが発生すると、ディスプレイ6aに「次呼出があります」E1bと表示される。このとき呼出音の鳴動はなくモニタ動作が継続される。但し、担当患者からの呼び出しの場合は、モニタ動作は終了となり、呼出モードに移行して呼出音が鳴動する。
具体的に携帯端末CPU6bは、呼出信号を受信する度に、ナースコール親機3に対して呼出元の患者が自端末6を携行している看護師が担当している患者からかどうかナースコール親機3に対して確認信号を出して確認している。
【0025】
この確認は、管理装置35の患者情報記憶部36a、及び携帯端末テーブル記憶部36bを参照して判断され、この確認動作により他の看護師が担当する患者からの呼び出しであれば、上述したように「次呼出があります」E1bが表示される。
しかし、呼び出しが自端末6を携行している看護師の担当患者からの呼び出しであることが確認されたら、モニタ動作を終了して呼出モードに移行し、呼出音を鳴動すると共に呼出元の情報を表示する。呼出モードへの移行により、担当患者からの呼び出しであることを認識した看護師は、通常の応答操作で通話が可能となる。
【0026】
ナースコール親機3により患者を映像でモニタし、その後呼び出しを受けた場合の動作は以下のようである。ナースコール親機3からでも患者のモニタは可能であり、所定の操作でボード型親機30の第1ディスプレイ33に患者の撮像映像が表示され、またナースコール子機1で集音した音声を報音することができる。
図5はこの表示状態を示し、第1ディスプレイ33は患者情報一覧等を表示する一覧表示部F1と、その下部に各種看護情報を表示する看護情報表示部F2とを備えて、看護情報表示部F2にモニタ映像が表示される。尚、図5において、Pは患者の氏名等を表示した患者情報表示部、Qは病室を示している。
【0027】
そして、ナースコール子機1による患者からの呼び出しが発生すると、患者を限定せずナースコール親機3は呼出モードに移行して呼出音を鳴動する。
但し、モニタモードに移行して患者映像を表示するディスプレイは、第2ディスプレイ34で実施することも可能であり、第2ディスプレイ34を使用してモニタする場合は、患者からの呼び出しを受けて応答操作するボード型親機30は呼出モードに移行するが、第2ディスプレイ34のモニタ表示は継続される。
【0028】
このように、モニタ動作中の携帯端末6が呼び出しを受けても呼び出し発生を表示するだけでモニタは継続される。よって、呼び出しを受けたからといって最初からモニタ操作をやり直す必要がない。但し、呼び出し元の患者が携帯端末6を携行している看護師が担当している患者である場合は、モニタ動作を終了して呼出モードに移行するので、看護師は担当患者からの呼び出しであることを容易に認識でき、担当でない看護師が応答する比率を下げて遅滞のない看護業務に役立つ。
また、ナースコール親機3では、患者からの呼び出しが発生したら、モニタ中であっても呼出モードに移行するため、速やかな応答操作が可能であり、患者を待たせる状態を削減できる。
【0029】
但し、モニタ操作による患者映像の表示を第2ディスプレイ34で実施すれば、呼び出しに応答する際に使用されるボード型親機30の第1ディスプレイ33には、モニタを終了させなくとも呼出元の患者情報を表示できるため、モニタを継続しても差し支えが無く、応答操作とモニタを両立でき、呼び出しを受けたからといって最初からモニタ操作をやり直す必要がなくなる。
この場合、他の看護師と協力すれば2つの表示に対して良好に対応することができる。
【0030】
尚、上記実施形態では、モニタ操作でカメラ5とナースコール子機1のマイクを使用して映像と音声の双方をモニタしているが、映像だけのモニタであっても良いし、音声だけのモニタであっても良い。
また、患者情報記憶部36a、携帯端末テーブル記憶部36b、カメラテーブル記憶部36c等をナースコール親機3に設けているが制御機4に設けても良いし、図示しないサーバに設けても良い。
【符号の説明】
【0031】
1・・ナースコール子機、3・・ナースコール親機、5・・カメラ、6・・携帯端末、6a・・ディスプレイ(端末ディスプレイ)、6b・・携帯端末CPU(モニタ制御部、呼出制御部)、30・・ボード型親機、33・・第1ディスプレイ(親機ディスプレイ)、33・・第2ディスプレイ(親機ディスプレイ)、35・・管理装置、36a・・患者情報記憶部、36b・・携帯端末テーブル記憶部、36c・・カメラテーブル記憶部、39・・親機CPU、41・・管理装置CPU(モニタ制御部、呼出制御部)、
図1
図2
図3
図4
図5