(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の衣料用液体洗浄剤組成物(以下、単に液体洗浄剤ともいう。)は、(A)成分:アニオン界面活性剤、(B)成分:半極性界面活性剤、及び(C)成分:式(1)で表される化合物を含有する。
≪(A)成分:アニオン界面活性剤≫
アニオン界面活性剤としては、例えば直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩;α−オレフィンスルホン酸塩;直鎖状又は分岐鎖状のアルキル硫酸エステル塩;アルキルエーテル硫酸エステル塩;アルケニルエーテル硫酸エステル塩;アルキル基を有するアルカンスルホン酸塩;α−スルホ脂肪酸エステル塩等が挙げられる。
(A)成分の塩形態としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩;マグネシウム等のアルカリ土類金属塩;モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩などのアルカノールアミン塩等が挙げられる。
(A)成分は1種でもよく2種以上を併用してもよい。
【0008】
(A)成分が、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、及びアルキルエーテル硫酸エステル塩からなる群から選ばれる1種以上を含むことが好ましい。
(A)成分が、少なくとも、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩の1種以上を含むことがより好ましい。
(A)成分の合計に対して、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩の合計が20〜100質量%であることが好ましく、50〜100質量%であることがより好ましい。
【0009】
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩としては、直鎖アルキル基の炭素数が8〜16のものが好ましく、炭素数10〜14のものが特に好ましい。
アルキルエーテル硫酸エステル塩としては、炭素数10〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を有し、平均1〜10モルのエチレンオキシドを付加したポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が好ましい。
【0010】
液体洗浄剤に対して、(A)成分の含有量は10質量%以下が好ましく、1〜7質量%がより好ましく、3〜5質量%が特に好ましい。
(A)成分の含有量が上記範囲の下限値以上であると固体脂洗浄力に優れ、上限値以下であると液体洗浄剤の外観に優れる。
【0011】
≪(B)成分:半極性界面活性剤≫
半極性界面活性剤としては、アミンオキシド型界面活性剤が挙げられる。中でも下式(2)で表される化合物が好適である。半極性界面活性剤は1種でもよく2種以上を併用してもよい。
【0013】
[式中、R
1は、炭素数7〜22の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基又は炭素数7〜22の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基であり;Xは、−CONH−、−NHCO−、−COO−又は−OCO−であり;R
2は、炭素数1〜5のアルキレン基であり;R
3及びR
4は、それぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基であり;pは、0又は1である。]
【0014】
式(2)において、R
1は、炭素数7〜22の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数9〜14の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基がより好ましい。
Xは、−CONH−又は−NHCO−が好ましく、−CONH−がより好ましい。
R
2は、炭素数1〜3のアルキレン基が好ましく、プロピレン基がより好ましい。
R
3及びR
4は、それぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。特にR
3及びR
4がいずれもメチル基であることが好ましい。
式(2)で表されるアミンオキシド型界面活性剤の中でも、下記一般式(3)又は一般式(4)で表される化合物がより好ましい。
(B)成分が、一般式(3)で表される化合物及び一般式(4)で表される化合物からなる群から選ばれる1種以上を含むことが好ましい。
【0016】
[式中、R
5は、炭素数8〜18の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基又は炭素数8〜18の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基であり;R
6及びR
7は、それぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基である。]
【0017】
式(3)において、R
5は、炭素数8〜18の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数10〜14の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基がより好ましい。
R
6及びR
7は、それぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。特にR
6及びR
7がいずれもメチル基であることがより好ましい。
【0019】
[式中、R
8は、炭素数7〜22の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基又は炭素数7〜22の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基であり;R
9及びR
10は、それぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基であり、qは、1〜5の整数である。]
【0020】
式(4)において、R
8は、炭素数7〜22の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数9〜13の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基がより好ましい。
R
9及びR
10は、それぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。特にR
9及びR
10がいずれもメチル基であることがより好ましい。
qは、1〜3の整数が好ましく、3がより好ましい。
【0021】
(B)成分は1種でもよく2種以上を併用してもよい。
液体洗浄剤に対して、(B)成分の含有量は1〜10質量%が好ましく、2〜7質量%がより好ましく、3〜5質量%が特に好ましい。
(B)成分の含有量が上記範囲の下限値以上であると固体脂洗浄力に優れ、上限値以下であると液体洗浄剤の安定性に優れる。
【0022】
≪(C)成分≫
(C)成分は下式(1)で表される化合物である。(C)成分は溶剤として働き、液体洗浄剤の布への濡れ広がり性向上に寄与する。
R
11−O−[(EO)
m/(PO)
n]−H ・・・(1)
[式中、R
11は炭素数2〜6のアルキル基である。mはEOの平均繰り返し数、nはPOの平均繰り返し数を表し、mは0〜5、nは0〜5の数であり、1≦m+n≦5である。EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基を表し、EOとPOとは混在していてもよい。]
【0023】
式(1)において、R
11は炭素数2〜4のアルキル基が好ましく、炭素数4のアルキル基がより好ましい。
mは1〜3が好ましく、nは0〜3が好ましく、1≦m+n≦4が好ましい。mが1〜3、nが0〜2、かつ1≦m+n≦3がより好ましい。
【0024】
(C)成分の具体例としては、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ポリアルキレングリコールモノブチルエーテル(m=1,n=1〜3)が挙げられる。
これらのうち、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールイソブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ポリアルキレングリコールモノブチルエーテル(m=1,n=1〜2)が好ましく、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ポリアルキレングリコールモノブチルエーテル(m=1,n=1〜2)がより好ましい。
【0025】
(C)成分は1種でもよく2種以上を併用してもよい。
液体洗浄剤に対して、(C)成分の含有量は0.1〜7質量%が好ましく、0.3〜5質量%がより好ましく、0.5〜3質量%がさらに好ましい。
(C)成分の含有量が上記範囲の下限値以上であると液体洗浄剤の布への濡れ広がり性向上効果に優れ、上限値以下であると臭気が良好に抑えられ、液体洗浄剤の香りに優れる。
【0026】
本発明の液体洗浄剤において、(B)成分の含有量に対する(A)成分の含有量の質量比を表す(A)成分/(B)成分は0超〜2であり、0.2〜1.5が好ましく、0.5〜1.2がより好ましい。(A)成分/(B)成分が上記の範囲であると固体脂洗浄力に優れる。
(C)成分の含有量に対する(B)成分の含有量の質量比を表す(B)成分/(C)成分は0.5以上が好ましく、0.5〜10がより好ましく、1〜10がさらに好ましく、2〜5が特に好ましい。(B)成分/(C)成分が上記の範囲の下限値以上であると臭気が良好に抑えられ、液体洗浄剤の香りに優れる。上限値以下であると布への濡れ広がり性に優れる。
【0027】
≪水≫
本発明の液体洗浄剤は、製造時のハンドリングのし易さ、使用する際の水への溶解性等の観点から、溶媒として水を含有することが好ましい。
液体洗浄剤に対して、水の含有量は、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、80〜95質量%がさらに好ましい。
【0028】
≪任意成分≫
本発明の液体洗浄剤には、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、上述した成分以外の任意成分が配合されてもよい。
任意成分としては、特に限定されず、液体洗浄剤に配合される成分を適宜使用できる。例えば(A)成分又は(B)成分以外のいずれにも該当しない他の界面活性剤、(C)成分又は水のいずれにも該当しない他の溶剤、ハイドロトロープ剤、pH調整剤、漂白成分、金属捕捉成分、ラジカルトラップ剤、香料などが挙げられる。
液体洗浄剤のpH(25℃)は、5〜8が好ましく、6〜7.5がより好ましい。必要に応じてpH調整剤を添加する。
なお、液体洗浄剤(25℃に調温)のpHは、pHメーター(東亜ディーケーケー株式会社製、「HM−30G」)等により測定される値を示す。
【0029】
≪他の界面活性剤≫
(A)、(B)成分以外の他の界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。
[両性界面活性剤]
両性界面活性剤の例としては、アルキルベタイン型、アルキルアミドベタイン型、イミダゾリン型、アルキルアミノスルホン酸型、アルキルアミノカルボン酸型、アルキルアミドカルボン酸型、アミドアミノ酸型又はリン酸型等の両性界面活性剤が挙げられる。
【0030】
[ノニオン界面活性剤]
洗浄力及び液安定性がより向上する点からは、液体洗浄剤がノニオン界面活性剤を含有することが好ましい。
ノニオン界面活性剤における疎水性部分(長鎖炭化水素基)の炭素数は、ノニオン界面活性剤の配合効果が発揮されやすいことから、好ましくは8〜22であり、より好ましくは10〜18であり、さらに好ましくは10〜16であり、特に好ましくは12〜14である。
ノニオン界面活性剤としては、例えば高級アルコール、アルキルフェノール、高級脂肪酸、高級脂肪酸アルキルエステル又は高級アミン等に、アルキレンオキシドを付加したポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー;脂肪酸アルカノールアミン;脂肪酸アルカノールアミド;多価アルコール脂肪酸エステル又はそのアルキレンオキシド付加体;硬化ヒマシ油のアルキレンオキシド付加体;糖脂肪酸エステル;N−アルキルポリヒドロキシ脂肪酸アミド;アルキルグリコシド等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤は1種が単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。上記の中でも、ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤が好ましく、高級アルコールにアルキレンオキシドを付加したポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤がより好ましい。
ノニオン界面活性剤を配合する場合の含有量は、液体洗浄剤に対して、0質量%超15質量%以下が好ましく、0.5〜12質量%がより好ましく、1〜10質量%がさらに好ましい。ノニオン界面活性剤の含有量が、前記範囲の下限値以上であると洗浄力及び液安定性の向上効果に優れ、上限値以下であると固体脂洗浄力及び液安定性がより向上する。
【0031】
液体洗浄剤に対して、界面活性剤の総含有量が5〜20質量%であることが好ましく、5〜18質量%がより好ましく、6〜15質量%がさらに好ましい。
界面活性剤の総含有量に対して、(A)成分と(B)成分の合計量が10〜100質量%であることが好ましく、20〜90質量%がより好ましく、25〜80質量%がさらに好ましい。
【0032】
≪他の溶剤≫
他の溶剤の例としては、炭素数2〜4の1価アルコール、炭素数2〜4の多価アルコールが挙げられる。炭素数2〜4の1価アルコールとしては、例えば、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール等が挙げられる。炭素数2〜4の多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン等が挙げられる。他の溶剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
他の溶剤を配合する場合の含有量は、液体洗浄剤に対して、0質量%超〜15質量%以下が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましく、0.5〜7質量%がさらに好ましい。他の溶剤の含有量が、前記範囲の下限値以上であると液体洗浄剤の安定性向上効果に優れ、上限値以下であると臭気が良好に抑えられ、液体洗浄剤の香りに優れる。
【0033】
≪香料≫
香料としては、香料原料単体、又は、香料原料と香料用溶剤と香料安定化剤等とからなる香料組成物を含むものであり、衣料用などの液体洗浄剤、液体漂白洗浄剤、液体漂白剤等に通常用いられる香料を配合することができる。液体洗剤組成物中、香料の含有量は、液体洗剤組成物の総質量に対して、0.01〜1.0質量%であることが好ましい。
【0034】
≪衣料用液体洗浄剤組成物の製造方法≫
本発明の液体洗浄剤の製造方法は特に制限されず、従来公知の製造方法によって製造される。
例えば、(A)成分と(B)成分と、(C)成分と、必要に応じて配合される任意成分とを、溶媒(例えばイオン交換水等の水)に混合して溶解し、所定のpHになるように調整することにより、製造できる。
【0035】
≪衣料用液体洗浄剤組成物の使用方法≫
液体洗浄剤の使用方法は、例えば、液体洗浄剤を洗濯時に被洗物と一緒に水に投入する方法、液体洗浄剤を予め水に溶解して調製される液体洗浄剤水溶液に被洗物を浸漬する方法等が挙げられる。また液体洗浄剤を被洗物に直接塗布して一定時間放置し、その後、通常の洗濯を行ってもよい(塗布洗浄)。
被洗物の例としては、例えば、衣類、布巾、タオル類、シーツ等の繊維製品が挙げられる。
液体洗浄剤を水に溶解して使用する場合、例えば、5〜5000倍(体積基準)に希釈することが好ましい。
【0036】
本発明の液体洗浄剤は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含み、(A)成分が直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、及びアルキルエーテル硫酸エステル塩からなる群から選ばれる1種以上を含み、(B)成分が一般式(3)で表される化合物及び一般式(4)で表される化合物からなる群から選ばれる1種以上を含み、(C)成分が、ジエチレングリコールモノブチルエーテル及びポリアルキレングリコールモノブチルエーテル(EOの平均繰り返し数m=1,POの平均繰り返し数n=1〜2)からなる群から選ばれる1種以上を含むことが好ましい。
さらに炭素数2〜4の1価アルコール及び炭素数2〜4の多価アルコールからなる群から選ばれる1種以上を含むことが好ましい。
【実施例】
【0037】
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。本実施例において「%」は特に断りがない限り「質量%」を示す。
本実施例において使用した原料は下記の通りである。
【0038】
<(A)成分:アニオン界面活性剤>
A−1:直鎖アルキル(炭素数10〜14)ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ライオン株式会社製、商品名「ライポンLS250」。
A−2:ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(炭素数12〜14の合成アルコールのエチレンオキシド付加体(平均付加モル数1)の硫酸化物、ライオン株式会社製)
<(B)成分:半極性界面活性剤>
B−1:ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド、クラリアント社製、商品名「GENAMINOX AP」;一般式(4)におけるR
8=炭素数11の直鎖状アルキル基、R
9=メチル基、R
10=メチル基、q=3。
B−2:n−ドデシルジメチルアミンオキシド、ライオン・アクゾ株式会社製、商品名「アロモックスDM12D−W」;一般式(3)におけるR
5=炭素数12の直鎖状アルキル基、R
6=メチル基、R
7=メチル基。
<(B’)成分:(B)成分の比較成分>
B’−1:ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、第一工業製薬株式会社製、商品名「アミーゲンS」。両性界面活性剤。
【0039】
<(C)成分>
C−1:ジエチレングリコールモノブチルエーテル(別名ブチルカルビトール)、日本乳化剤株式会社製。
C−2:ポリアルキレングリコールモノブチルエーテル(炭素数4のアルコールに、平均1モルのエチレンオキシドと平均1.9モルのプロピレンオキシドが付加されたもの、ライオンケミカル株式会社製。)
<(C’)成分:(C)成分の比較成分>
PG:1,2−プロパンジオール(ダウ・ケミカル社製)。
PEG:ポリエチレングリコール(重量平均分子量約1000、60%水溶液)、ライオン化学製。
<任意成分>
AE:ノニオン界面活性剤、炭素数12のアルコール(C12OH)と炭素数14のアルコール(C14OH)との混合物(質量比C12OH/C14OH=75/25)に、平均6モルのエチレンオキシドが付加されたもの、ライオン株式会社製、商品名「レオックスCL−60」。
EtOH:エタノール、日本アルコール販売株式会社製、商品名「特定アルコール95度合成」。
香料:特開2002−146399号公報の表11〜18に記載の香料組成物A。
pH調整剤:硫酸(東邦亜鉛株式会社製)、水酸化ナトリウム(鶴見曹達株式会社製)。
<溶媒>
水:精製水。
【0040】
[衣料用液体洗浄剤組成物の製造]
表1〜2に、各例の液体洗浄剤の組成(配合成分、含有量(単位:質量%))を示す。
表中、空欄の配合成分がある場合、その配合成分は配合されていない。
表中、配合成分の含有量は純分換算量を示す。
pH調整剤の含有量を示す「適量」とは、液体洗浄剤のpH(25℃)を、表中のpH値に調整するために添加されたpH調整剤(硫酸又は水酸化ナトリウム)の総添加量を示す。
水の含有量を示す「バランス」は、全配合成分の合計の配合量(質量%)が100質量%となるように加えられた残部を意味する。
【0041】
(例1〜25)
例1〜
8、10〜18は実施例
、例9は参考例、例19〜25は比較例である。
表1〜2に示す組成に従い、(A)成分と、(B)成分(又は(B’)成分)と、(C)成分(又は(C’)成分)と、任意成分(pH調整剤を除く。)とを水に加えて混合し、ここにpH調整剤を添加して、表中に記載した液体洗浄剤のpH値に調整し、各例の液体洗浄剤をそれぞれ製造した。
ただし例19では(B)成分及び(B’)成分のいずれも用いなかった。また例25では(C)成分及び(C’)成分のいずれも用いず、その代わりに任意成分であるエタノールの配合量を増やした。
各例の液体洗浄剤について、固体脂洗浄力及び布への濡れ広がり性を以下の方法でそれぞれ評価した。その評価結果を表1〜2に示す。
【0042】
[固体脂洗浄力の評価]
(1)油汚れ汚垢布の作製
牛脂をクロロホルムで5倍に希釈し、0.01質量%のオイルレッドを添加した溶液0.030mLを、3cm×3cmに裁断したポリエステルトロピカル布(谷頭商店)に滴下し、室温にて2〜3時間風乾したものを油汚れ汚垢布とした。
(2)洗浄試験
油汚れ汚垢布5枚のそれぞれに対して、同じ液体洗浄剤を、油汚れが付着している領域全体を覆うように0.12mL塗布し、5分間静置した。
次いで、15℃の水道水900mLを入れたTerg−O−Tometer(UNITED STATES TESTING社製)に、油汚れ汚垢布5枚と、市販の洗剤(ライオン株式会社製「トップ NANOX」)0.3gを入れ、さらに浴比20倍となるように清浄メリヤス布を入れて、120rpmで10分間洗浄した。
次いで、洗浄後の油汚れ汚垢布5枚を取り出し、前記油汚れ汚垢布に対して、2槽式洗濯機(三菱電機株式会社製、CW−C30A1型)で3分間流水すすぎを行い、次いで脱水1分間を行った後、風乾した。
(3)固体脂洗浄力の評価
測色色差計(日本電色社製、商品名SE2000) を用い、汚れ付着前の原布(ポリエステルトロピカル布)、及び洗浄試験前後の油汚れ汚垢布についてのZ値をそれぞれ測定し、下式より洗浄率を算出した。この洗浄率の値が大きいほど、洗浄力が高いことを意味する。
洗浄率(%)=(洗浄後の油汚れ汚垢布のZ値−洗浄前の油汚れ汚垢布のZ値)/(原布のZ値−洗浄前の油汚れ汚垢布のZ値)×100
そして、5枚の油汚れ汚垢布について算出した洗浄率の平均値を指標として、下記の評価基準に従い、固体脂洗浄力の評価を行った。洗浄率の平均値が20%以上であるとき合格と判定する。
(評価基準)
○:洗浄率の平均値が30%超。
△:洗浄率の平均値が20%以上30%未満。
×:洗浄率の平均値が20%未満。
【0043】
[布への濡れ広がり性の評価]
5cm×5cmに裁断した湿式人工汚垢布(財団法人洗濯科学協会製)の中心に、液体洗浄剤の0.3mLを滴下し、10分間静置して濡れ広がり直径を測定した。前記直径の測定値を指標として、下記の評価基準に従い、布への濡れ広がり性の評価を行った。濡れ広がり直径が3.5cm以上であるとき合格と判定する。
(評価基準)
○:濡れ広がり直径が4cm以上。
△:濡れ広がり直径が3.5cm以上4cm未満。
×:濡れ広がり直径が3.5cm未満。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
表1、2に示す結果から、本発明を適用した実施例1〜18の液体洗浄剤は、固体脂に対して高い洗浄力を示し、布への濡れ広がり性も良好であった。
例19は、(B)成分及び(B’)成分のいずれも含有しない比較例であり、固体脂洗浄力が劣る。
例20は、(A)成分/(B)成分が2を超える比較例であり、固体脂洗浄力が劣る。
例21は、(A)成分/(B)成分が0.5より小さい比較例であり、固体脂洗浄力が劣る。
例22は、(B)成分の代わりに(B’)成分を用いた比較例である。固体脂洗浄力が劣る。
例23、24は、(C)成分の代わりに(C’)成分を用いた比較例であり、布への濡れ広がり性が劣る。
例25は、(C)成分及び(C’)成分のいずれも含有しない比較例であり、布への濡れ広がり性が劣る。