特許第6726595号(P6726595)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6726595スプライシング装置およびスプライシング方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6726595
(24)【登録日】2020年7月1日
(45)【発行日】2020年7月22日
(54)【発明の名称】スプライシング装置およびスプライシング方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 15/04 20060101AFI20200713BHJP
   H05K 13/02 20060101ALI20200713BHJP
   B65H 19/16 20060101ALI20200713BHJP
【FI】
   B65B15/04 L
   H05K13/02 B
   B65H19/16
【請求項の数】12
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2016-203267(P2016-203267)
(22)【出願日】2016年10月17日
(65)【公開番号】特開2018-65570(P2018-65570A)
(43)【公開日】2018年4月26日
【審査請求日】2019年4月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】福田 貴文
【審査官】 家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−042926(JP,A)
【文献】 特開平05−138739(JP,A)
【文献】 特開2011−233600(JP,A)
【文献】 特開平08−113400(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B15/04
B65H19/16
H05K13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の部品を配置することが可能な複数の第1の凹部を有する第1のキャリアテープと、前記第1のキャリアテープ上に配置される第1のトップテープとを有する第1の部品供給テープを移動させる第1のテープ駆動部と、
第2の部品を配置することが可能な複数の第2の凹部を有する第2のキャリアテープと、前記第2のキャリアテープ上に配置される第2のトップテープとを有する第2の部品供給テープを移動させる第2のテープ駆動部と、
前記第1のテープ駆動部および前記第2のテープ駆動部によりそれぞれ前記第1の部品供給テープおよび前記第2の部品供給テープを移動させることによって、前記第1の部品供給テープの終端と前記第2の部品供給テープの始端とが接触された状態で接触部分を溶着することによって、前記第1の部品供給テープと前記第2の部品供給テープとを接続する溶着部と、を備え
前記溶着部は、前記第1の部品供給テープおよび前記第2の部品供給テープの幅方向において、前記第1の部品供給テープおよび前記第2の部品供給テープのテープ幅よりも小さい幅を有し、
前記溶着部は、前記第1の部品供給テープおよび前記第2の部品供給テープのテープ幅よりも小さい幅で、前記接触部分を溶着するように構成されている、スプライシング装置。
【請求項2】
前記溶着部は、前記第1のキャリアテープおよび前記第2のキャリアテープ側から、前記第1のキャリアテープの終端と前記第2のキャリアテープの始端との前記接触部分を溶着することによって、前記第1のキャリアテープと前記第2のキャリアテープとを接続するように構成されている、請求項1に記載のスプライシング装置。
【請求項3】
前記溶着部により溶着する際に、前記接触部分の近傍を冷却する冷却部をさらに備える、請求項2に記載のスプライシング装置。
【請求項4】
前記冷却部は、前記第1のトップテープおよび前記第2のトップテープ側から、前記接触部分の近傍を押さえた状態で、前記第1のトップテープおよび前記第2のトップテープ側の前記接触部分の近傍の熱を放熱する放熱部を含む、請求項3に記載のスプライシング装置。
【請求項5】
前記溶着部は、前記第1のキャリアテープおよび前記第2のキャリアテープ側から、前記接触部分に向かって先端を押し当てた状態で、前記第1のキャリアテープの終端と前記第2のキャリアテープの始端との前記接触部分を溶着するように構成されており、
前記放熱部は、前記溶着部の先端が押し当てられることにより突き上げられる前記接触部分を、前記第1のトップテープおよび前記第2のトップテープ側から押さえる押え部を兼ねる、請求項4に記載のスプライシング装置。
【請求項6】
前記冷却部は、前記第1のキャリアテープおよび前記第2のキャリアテープ側から、前記接触部分に向けて冷却用流体を吹き出すことにより、前記第1のキャリアテープおよび前記第2のキャリアテープ側の前記接触部分の近傍を冷却する冷却用流体吹出部を含む、請求項3〜5のいずれか1項に記載のスプライシング装置。
【請求項7】
前記溶着部を前記第1の部品供給テープおよび前記第2の部品供給テープの幅方向に移動させる溶着部駆動部をさらに備える、請求項1〜のいずれか1項に記載のスプライシング装置。
【請求項8】
前記溶着部は、前記第1のテープ駆動部および前記第2のテープ駆動部によりそれぞれ前記第1の部品供給テープおよび前記第2の部品供給テープを移動させることによって、前記第1の部品供給テープの終端と前記第2の部品供給テープの始端とが接触されることにより突き合わされた状態で前記接触部分としての突き合わせ部分を溶着するように構成されている、請求項1〜のいずれか1項に記載のスプライシング装置。
【請求項9】
第1の部品を配置することが可能な複数の第1の凹部を有する第1のキャリアテープと、前記第1のキャリアテープ上に配置される第1のトップテープとを有する第1の部品供給テープ、および、第2の部品を配置することが可能な複数の第2の凹部を有する第2のキャリアテープと、前記第2のキャリアテープ上に配置される第2のトップテープとを有する第2の部品供給テープを移動させることによって、前記第1の部品供給テープの終端と前記第2の部品供給テープの始端とを接触させ、
前記第1の部品供給テープの終端と前記第2の部品供給テープの始端との接触部分を溶着することによって、前記第1の部品供給テープと前記第2の部品供給テープとを接続し、
前記接触部分から、前記接触部分から離間した位置まで前記第1のトップテープの終端を切断するとともに、前記接触部分から、前記接触部分から離間した位置まで前記第2のトップテープの始端を切断することによって、切断後の前記第1のトップテープの終端と切断後の前記第2のトップテープの始端との間に所定の切断長さを有する切断部をさらに形成し、
前記第1の部品供給テープと前記第2の部品供給テープとを接続することは、前記切断部が形成された状態で、前記第1のキャリアテープおよび前記第2のキャリアテープ側から、前記第1のキャリアテープの終端と前記第2のキャリアテープの始端との前記接触部分を溶着することによって、前記第1のキャリアテープと前記第2のキャリアテープとを接続することを含む、スプライシング方法。
【請求項10】
前記第1の部品供給テープと前記第2の部品供給テープとを接続することは、前記第1のキャリアテープの終端と前記第2のキャリアテープの始端との前記接触部分を溶着することによって、前記第1のキャリアテープと前記第2のキャリアテープとを接続した後、前記接触部分を跨ぐように、前記第1のトップテープと前記第2のトップテープとに接続用テープを貼り付けることによって、前記第1のトップテープと前記第2のトップテープとを接続することを含む、請求項に記載のスプライシング方法。
【請求項11】
前記接続用テープは、粘着部分と、前記所定の切断長さよりも大きい長さを有する非粘着部分とを有し、
前記第1の部品供給テープと前記第2の部品供給テープとを接続することは、前記接続用テープの前記非粘着部分が前記切断部に対応する位置に配置されるように、前記第1のトップテープと前記第2のトップテープとに前記接続用テープを貼り付けることによって、前記第1のトップテープと前記第2のトップテープとを接続することを含む、請求項1に記載のスプライシング方法。
【請求項12】
前記第1の部品供給テープと前記第2の部品供給テープとを接続することは、前記第1の部品供給テープおよび前記第2の部品供給テープを移動させることによって、前記第1の部品供給テープの終端と前記第2の部品供給テープの始端とを接触させることにより突き合わせた状態で前記接触部分としての突き合わせ部分を溶着することを含む、請求項〜1のいずれか1項に記載のスプライシング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、スプライシング装置およびスプライシング方法に関し、特に、部品供給テープ同士を接続するスプライシング装置およびスプライシング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、部品供給テープ同士を接続するスプライシング装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、スプライシングテープを貼り付けることによって、部品実装装置において使用中のキャリアテープ(部品供給テープ)と、新たなキャリアテープとを接続するスプライシング装置が開示されている。このように、使用中のキャリアテープと、新たなキャリアテープとを接続することにより、使用中のキャリアテープが終了する場合に、部品実装装置を停止させることなく、新たなキャリアテープを供給することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−76466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載のスプライシング装置では、キャリアテープ同士を接続するために貼り付けられたスプライシングテープが剥がれてしまう場合があり、キャリアテープ(部品供給テープ)同士を強固に接続することが困難であるという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、部品供給テープ同士を強固に接続することが可能なスプライシング装置およびスプライシング方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の第1の局面によるスプライシング装置は、第1の部品を配置することが可能な複数の第1の凹部を有する第1のキャリアテープと、第1のキャリアテープ上に配置される第1のトップテープとを有する第1の部品供給テープを移動させる第1のテープ駆動部と、第2の部品を配置することが可能な複数の第2の凹部を有する第2のキャリアテープと、第2のキャリアテープ上に配置される第2のトップテープとを有する第2の部品供給テープを移動させる第2のテープ駆動部と、第1のテープ駆動部および第2のテープ駆動部によりそれぞれ第1の部品供給テープおよび第2の部品供給テープを移動させることによって、第1の部品供給テープの終端と第2の部品供給テープの始端とが接触された状態で接触部分を溶着することによって、第1の部品供給テープと第2の部品供給テープとを接続する溶着部と、を備え、溶着部は、第1の部品供給テープおよび第2の部品供給テープの幅方向において、第1の部品供給テープおよび第2の部品供給テープのテープ幅よりも小さい幅を有し、溶着部は、第1の部品供給テープおよび第2の部品供給テープのテープ幅よりも小さい幅で、接触部分を溶着するように構成されている。
【0008】
この発明の第1の局面によるスプライシング装置では、第1の部品供給テープの終端と第2の部品供給テープの始端とが接触された状態で接触部分を溶着することによって、第1の部品供給テープと第2の部品供給テープとを接続する溶着部を設ける。これにより、第1の部品供給テープの終端と第2の部品供給テープの始端とを溶着により一体化することができるので、部品供給テープ同士(第1の部品供給テープおよび第2の部品供給テープ)を強固に接続(スプライシング)することができる。
また、溶着部は、第1の部品供給テープおよび第2の部品供給テープの幅方向において、第1の部品供給テープおよび第2の部品供給テープのテープ幅よりも小さい幅を有し、溶着部は、第1の部品供給テープおよび第2の部品供給テープのテープ幅よりも小さい幅で、接触部分を溶着するように構成されている。ここで、テープフィーダでは、部品供給テープの幅方向の両端部がテープフィーダと接触しながら、部品供給テープが送られる。したがって、上記のように構成すれば、部品供給テープの幅方向の両端部における、テープフィーダとの接触部分を避けるように、接続後の部品供給テープの溶着部分を形成することができる。その結果、接続後の部品供給テープの溶着部分が、テープフィーダの送り精度に影響を及ぼすことをより確実に抑制することができる。
【0009】
上記第1の局面によるスプライシング装置において、好ましくは、溶着部は、第1のキャリアテープおよび第2のキャリアテープ側から、第1のキャリアテープの終端と第2のキャリアテープの始端との接触部分を溶着することによって、第1のキャリアテープと第2のキャリアテープとを接続するように構成されている。このように構成すれば、第1のキャリアテープの終端と第2のキャリアテープの始端とを溶着により一体化することができるので、部品供給テープのキャリアテープ同士(第1のキャリアテープおよび第2のキャリアテープ)を強固に接続することができる。また、第1のキャリアテープおよび第2のキャリアテープ側から、第1のキャリアテープの終端と第2のキャリアテープの始端とが溶着されるので、トップテープとキャリアテープとが溶着されることを抑制することができる。その結果、トップテープとキャリアテープとが溶着されることに起因して、部品実装装置に配置され、部品を供給するために部品供給テープを送るテープフィーダにおいてトップテープが剥がれにくくなることを抑制することができる。
【0010】
この場合、好ましくは、溶着部により溶着する際に、接触部分の近傍を冷却する冷却部をさらに備える。このように構成すれば、キャリアテープ同士を溶着しながら、冷却部による冷却により、トップテープとキャリアテープとが溶着されることをより確実に抑制することができる。その結果、トップテープとキャリアテープとが溶着されることに起因して、テープフィーダにおいてトップテープが剥がれにくくなることをより確実に抑制することができる。また、冷却部により冷却することにより、キャリアテープの溶着部分の温度が高くなり過ぎることを抑制することができる。その結果、キャリアテープの溶着部分の温度が高くなり過ぎることに起因して、キャリアテープの溶着部分の溶着強度が低下することを抑制することができる。
【0011】
上記冷却部をさらに備える構成において、好ましくは、冷却部は、第1のトップテープおよび第2のトップテープ側から、接触部分の近傍を押さえた状態で、第1のトップテープおよび第2のトップテープ側の接触部分の近傍の熱を放熱する放熱部を含む。このように構成すれば、トップテープ側において、溶着により生じた熱を放熱部により効果的に放熱することができる。その結果、トップテープ側の接触部分の近傍を確実に冷却することができるので、トップテープとキャリアテープとが溶着されることをさらに確実に抑制することができる。
【0012】
この場合、好ましくは、溶着部は、第1のキャリアテープおよび第2のキャリアテープ側から、接触部分に向かって先端を押し当てた状態で、第1のキャリアテープの終端と第2のキャリアテープの始端との接触部分を溶着するように構成されており、放熱部は、溶着部の先端が押し当てられることにより突き上げられる接触部分を、第1のトップテープおよび第2のトップテープ側から押さえる押え部を兼ねる。このように構成すれば、押え部を兼ねる放熱部により、部品点数が増加することを抑制しながら、トップテープ側の接触部分の近傍から放熱して冷却を行うことができる。
【0013】
上記冷却部をさらに備える構成において、好ましくは、冷却部は、第1のキャリアテープおよび第2のキャリアテープ側から、接触部分に向けて冷却用流体を吹き出すことにより、第1のキャリアテープおよび第2のキャリアテープ側の接触部分の近傍を冷却する冷却用流体吹出部を含む。このように構成すれば、キャリアテープ側において、溶着により高温となる接触部分の近傍を冷却用流体吹出部から吹き出される冷却用流体により効果的に冷却することができる。その結果、キャリアテープの溶着部分の温度が高くなり過ぎることをより確実に抑制することができる。
【0015】
上記第1の局面によるスプライシング装置において、好ましくは、溶着部を第1の部品供給テープおよび第2の部品供給テープの幅方向に移動させる溶着部駆動部をさらに備える。このように構成すれば、部品供給テープのテープ幅に応じた異なる溶着幅で部品供給テープを溶着部により溶着することができる。その結果、単一の溶着部により、互いに異なるテープ幅を有する複数種類の部品供給テープを溶着することができる。
【0016】
上記第1の局面によるスプライシング装置において、好ましくは、溶着部は、第1のテープ駆動部および第2のテープ駆動部によりそれぞれ第1の部品供給テープおよび第2の部品供給テープを移動させることによって、第1の部品供給テープの終端と第2の部品供給テープの始端とが接触されることにより突き合わされた状態で接触部分としての突き合わせ部分を溶着するように構成されている。このように構成すれば、第1の部品供給テープの終端と第2の部品供給テープの始端とを突き合わせた状態で突き合わせ部分を溶着するので、テープ同士の接続部分に段差が生じることがなく、接続後にテープ厚みが大きくならない。その結果、テープフィーダにより接続後の部品供給テープを送る際に、接続後の部品供給テープの溶着部分が、テープフィーダの送り精度に影響を及ぼすことを抑制することができる。したがって、テープフィーダにおいて、接続後の部品供給テープを円滑に送ることができる。
【0017】
この発明の第2の局面によるスプライシング方法は、第1の部品を配置することが可能な複数の第1の凹部を有する第1のキャリアテープと、第1のキャリアテープ上に配置される第1のトップテープとを有する第1の部品供給テープ、および、第2の部品を配置することが可能な複数の第2の凹部を有する第2のキャリアテープと、第2のキャリアテープ上に配置される第2のトップテープとを有する第2の部品供給テープを移動させることによって、第1の部品供給テープの終端と第2の部品供給テープの始端とを接触させ、第1の部品供給テープの終端と第2の部品供給テープの始端との接触部分を溶着することによって、第1の部品供給テープと第2の部品供給テープとを接続し、接触部分から、接触部分から離間した位置まで第1のトップテープの終端を切断するとともに、接触部分から、接触部分から離間した位置まで第2のトップテープの始端を切断することによって、切断後の第1のトップテープの終端と切断後の第2のトップテープの始端との間に所定の切断長さを有する切断部をさらに形成し、第1の部品供給テープと第2の部品供給テープとを接続することは、切断部が形成された状態で、第1のキャリアテープおよび第2のキャリアテープ側から、第1のキャリアテープの終端と第2のキャリアテープの始端との接触部分を溶着することによって、第1のキャリアテープと第2のキャリアテープとを接続することを含む
【0018】
この発明の第2の局面によるスプライシング方法では、第1の部品供給テープの終端と第2の部品供給テープの始端とを接触させ、第1の部品供給テープの終端と第2の部品供給テープの始端との接触部分を溶着することによって、第1の部品供給テープと第2の部品供給テープとを接続する。これにより、第1の部品供給テープの終端と第2の部品供給テープの始端とを溶着により一体化することができるので、部品供給テープ同士(第1の部品供給テープおよび第2の部品供給テープ)を強固に接続(スプライシング)することができる。
また、第1の部品供給テープと第2の部品供給テープとを接続することは、第1のキャリアテープおよび第2のキャリアテープ側から、第1のキャリアテープの終端と第2のキャリアテープの始端との接触部分を溶着することによって、第1のキャリアテープと第2のキャリアテープとを接続することを含む。このように構成すれば、第1のキャリアテープの終端と第2のキャリアテープの始端とを一体化することができるので、部品供給テープのキャリアテープ同士(第1のキャリアテープおよび第2のキャリアテープ)を強固に接続(スプライシング)することができる。また、第1のキャリアテープおよび第2のキャリアテープ側から、第1のキャリアテープの終端と第2のキャリアテープの始端とが溶着されるので、トップテープとキャリアテープとが溶着されることを抑制することができる。その結果、トップテープとキャリアテープとが溶着されることに起因して、部品実装装置に配置され、部品を供給するために部品供給テープを送るテープフィーダにおいてトップテープが剥がれにくくなることを抑制することができる。
また、接触部分から、接触部分から離間した位置まで第1のトップテープの終端を切断するとともに、接触部分から、接触部分から離間した位置まで第2のトップテープの始端を切断することによって、切断後の第1のトップテープの終端と切断後の第2のトップテープの始端との間に所定の切断長さを有する切断部をさらに形成し、第1の部品供給テープと第2の部品供給テープとを接続することは、切断部が形成された状態で、第1のキャリアテープおよび第2のキャリアテープ側から、第1のキャリアテープの終端と第2のキャリアテープの始端との接触部分を溶着することによって、第1のキャリアテープと第2のキャリアテープとを接続することを含む。このように構成すれば、切断部が形成されることにより、接触部分にトップテープが形成されていない状態で、キャリアテープ同士を接触部分において溶着することができる。その結果、接触部分において溶着により生じた熱がトップテープに伝達されることを抑制することができるので、トップテープとキャリアテープとが溶着されることをより確実に抑制することができる。
【0021】
上記切断部が形成された構成において、好ましくは、第1の部品供給テープと第2の部品供給テープとを接続することは、第1のキャリアテープの終端と第2のキャリアテープの始端との接触部分を溶着することによって、第1のキャリアテープと第2のキャリアテープとを接続した後、接触部分を跨ぐように、第1のトップテープと第2のトップテープとに接続用テープを貼り付けることによって、第1のトップテープと第2のトップテープとを接続することを含む。このように構成すれば、部品供給テープのキャリアテープ同士を、溶着により、強固に接続するだけでなく、部品供給テープのトップテープ同士を、接続用テープにより、容易に接続することができる。
【0022】
この場合、好ましくは、接続用テープは、粘着部分と、所定の切断長さよりも大きい長さを有する非粘着部分とを有し、第1の部品供給テープと第2の部品供給テープとを接続することは、接続用テープの非粘着部分が切断部に対応する位置に配置されるように、第1のトップテープと第2のトップテープとに接続用テープを貼り付けることによって、第1のトップテープと第2のトップテープとを接続することを含む。このように構成すれば、切断部が形成されることによりトップテープが形成されずに露出したキャリアテープの溶着部分に、接続用テープの非粘着部分が配置されるので、露出したキャリアテープの溶着部分に接続用テープの粘着部分が貼り付けられることを防止することができる。その結果、接続用テープの粘着部分による粘着力に起因して、露出したキャリアテープの溶着部分が破断すること、および、テープフィーダにおいてトップテープが剥がれにくくなることを防止することができる。
【0023】
上記第2の局面によるスプライシング方法において、好ましくは、第1の部品供給テープと第2の部品供給テープとを接続することは、第1の部品供給テープおよび第2の部品供給テープを移動させることによって、第1の部品供給テープの終端と第2の部品供給テープの始端とを接触させることにより突き合わせた状態で接触部分としての突き合わせ部分を溶着することを含む。このように構成すれば、第1の部品供給テープの終端と第2の部品供給テープの始端とを突き合わせた状態で突き合わせ部分を溶着するので、接続後にテープ厚みが大きくならない。その結果、テープフィーダにより接続後の部品供給テープを送る際に、接続後の部品供給テープの溶着部分が、テープフィーダの送り精度に影響を及ぼすことを抑制することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、上記のように、部品供給テープ同士を強固に接続することが可能なスプライシング装置およびスプライシング方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一実施形態によるスプライシング装置を示す模式的な平面図である。
図2図1の500−500線に沿った断面を示す模式的な図である。
図3図1の600−600線に沿った断面を示す模式的な図である。
図4】一実施形態のスプライシング装置の制御的な構成を示すブロック図である。
図5】一実施形態のスプライシング装置のテープ押さえ部の近傍の断面を示す模式的な図である。
図6】一実施形態のスプライシング装置の溶着部を説明するための図である。
図7】一実施形態のスプライシング装置の溶着部を説明するための他の図である。
図8】一実施形態のスプライシング装置の溶着部の幅を説明するための図である。
図9】一実施形態のスプライシング装置の溶着部による溶着部分の幅を説明するための図である。
図10】本発明の一実施形態のスプライシング方法を説明するためのフローチャートである。
図11】一実施形態のスプライシング方法のステップS1およびS2を説明するための図である。
図12】一実施形態のスプライシング方法のステップS3およびS4を説明するための図である。
図13】一実施形態のスプライシング方法のステップS5を説明するための図である。
図14】一実施形態のスプライシング方法のステップS7を説明するための図である。
図15】一実施形態の変形例のスプライシング方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。以下の説明では、部品供給テープ1(2)の移動方向をX方向とし、水平面内でX方向と直交する方向をY方向とし、水平面と直交する上下方向をZ方向とする。
【0027】
(スプライシング装置の構成)
まず、主に図1図9を参照して、本発明の一実施形態によるスプライシング装置100の構成について説明する。
【0028】
スプライシング装置100は、図1に示すように、部品実装装置(図示せず)において使用中の部品供給テープ1と、新たな部品供給テープ2とを接続するスプライシング装置である。部品供給テープ1および2は、実質的に同様の構成を有している。
【0029】
部品供給テープ1(2)は、ポリスチレン樹脂などの樹脂により構成されており、部品E1(E2)を配置することが可能な複数の凹部1a(2a)を有するキャリアテープ1b(2b)と、キャリアテープ1b(2b)上に配置されるトップテープ1c(2c)とを有している。なお、部品E1およびE2は、同じ種類の電子部品であり、部品供給テープ1および2は、同じ種類の電子部品を供給する部品供給テープである。また、図1以外の図面では、部品E1およびE2の図示を省略している。また、部品供給テープ1および2は、それぞれ、特許請求の範囲の「第1の部品供給テープ」および「第2の部品供給テープ」の一例であり、部品E1およびE2は、それぞれ、特許請求の範囲の「第1の部品」および「第2の部品」の一例であり、凹部1aおよび2aは、それぞれ、特許請求の範囲の「第1の凹部」および「第2の凹部」の一例であり、キャリアテープ1bおよび2bは、それぞれ、特許請求の範囲の「第1のキャリアテープ」および「第2のキャリアテープ」の一例であり、トップテープ1cおよび2cは、それぞれ、特許請求の範囲の「第1のトップテープ」および「第2のトップテープ」の一例である。
【0030】
また、スプライシング装置100は、図1図4に示すように、テープ配置部10と、2つのテープ駆動部20および30と、テープ検出部40と、溶着機構部50と、制御部60(図4参照)とを備えている。なお、テープ駆動部20および30は、それぞれ、特許請求の範囲の「第1のテープ駆動部」および「第2のテープ駆動部」の一例である。
【0031】
テープ配置部10は、部品供給テープ1および2を配置可能に構成されている。テープ配置部10では、X1方向側に部品供給テープ1が配置され、X2方向側に部品供給テープ2が配置される。また、テープ配置部10では、部品供給テープ1の終端1dと、部品供給テープ2の始端2dとが互いに対向するように、部品供給テープ1の終端1dをX2方向に向けるとともに、部品供給テープ2の始端2dをX1方向に向けた状態で、部品供給テープ1および2が配置される。
【0032】
また、テープ配置部10は、部品供給テープ1および2がX方向に移動可能なように、部品供給テープ1および2の幅方向(Y方向)の両端部を保持するように構成されている。
【0033】
テープ配置部10には、図1図2および図5に示すように、部品供給テープ1および2のY1方向側の端部を保持する保持部11が設けられている。保持部11は、部品供給テープ1のY1方向側の端部および部品供給テープ2のY1方向側の端部の両方を下方(Z2方向)から支持するテープ受け部11aと、部品供給テープ1のY1方向側の端部を上方(Z1方向)から押さえるテープ押え部11bと、部品供給テープ2のY1方向側の端部を上方から押さえるテープ押え部11cとを含んでいる。
【0034】
テープ押え部11bは、上下方向(Z方向)に移動可能に構成されている。また、テープ押え部11bは、それぞれバネからなる複数(2つ)の付勢部11dにより、上方から下方に向かって付勢されている。また、テープ押え部11bには、取っ手部11eが設けられている。また、テープ押え部11bは、L字状に形成されており、部品供給テープ1のY1方向側の端部を上方から押さえる押え部分11fと、溶着の際に部品供給テープ1の終端1dと部品供給テープ2の始端2dとの接触部分3としての突き合わせ部分4をトップテープ1cおよび2c側(Z1方向側)から押さえる押え部分11gとを有している。
【0035】
テープ押え部11cは、上下方向(Z方向)に移動可能に構成されている。また、テープ押え部11cは、それぞれバネからなる複数(2つ)の付勢部11hにより、上方から下方に向かって付勢されている。また、テープ押え部11cには、取っ手部11iが設けられている。
【0036】
また、テープ配置部10には、図1図2図3および図5に示すように、部品供給テープ1および2のY2方向側の端部を保持する保持部12が設けられている。保持部12は、部品供給テープ1のY2方向側の端部を保持するテープ押え部12aと、部品供給テープ2のY2方向側の端部を保持するテープ押え部12bとを含んでいる。テープ押え部12aおよび12bは、実質的に同様の構成を有している。
【0037】
テープ押え部12a(12b)には、図5に示すように、部品供給テープ1(2)のY2方向側の端部を保持する溝部12c(12d)が設けられている。また、部品供給テープ1(2)の幅方向(Y方向)に移動可能に構成されている。これにより、スプライシング装置100では、互いに異なるテープ幅W1(図8参照)を有する複数種類の部品供給テープ1(2)を配置することが可能である。また、テープ押え部12a(12b)は、それぞれバネからなる複数(2つ)の付勢部12e(12f)により、上方から下方に向かって付勢されている。これにより、テープ押え部12a(12b)を部品供給テープ1(2)の幅方向に移動させて、任意の位置で固定することが可能である。また、テープ受け部11aには、テープ送り方向(X方向)に沿って延びるように形成されたテープ送りガイド部11jが設けられている。なお、図5では、理解の容易のために、部品供給テープ1(2)、テープ受け部11aのテープ送りガイド部11jおよびテープ押え部12a(12b)の溝部12c(12d)の大きさを誇張して図示している。
【0038】
テープ駆動部20は、テープ配置部10に配置された部品供給テープ1をX2方向に移動させるように構成されている。テープ駆動部20は、図2および図4に示すように、部品供給テープ1に設けられた送り孔1eと係合するスプロケット21と、スプロケット21を駆動する駆動モータ22とを含んでいる。テープ駆動部20は、部品供給テープ1の送り孔1eとスプロケット21の歯とが係合した状態で、スプロケット21を駆動モータ22により矢印A1方向(図2参照)に回転させることにより、テープ配置部10に配置された部品供給テープ1をX2方向に移動させるように構成されている。
【0039】
テープ駆動部30は、テープ配置部10に配置された部品供給テープ2をX1方向に移動させるように構成されている。テープ駆動部30は、図2図3および図4に示すように、部品供給テープ2に設けられた送り孔2eと係合するスプロケット31と、スプロケット31を駆動する駆動モータ32とを含んでいる。テープ駆動部30は、部品供給テープ2の送り孔2eとスプロケット31の歯とが係合した状態で、スプロケット31を駆動モータ32により矢印A2方向(図2参照)に回転させることにより、テープ配置部10に配置された部品供給テープ2をX1方向に移動させるように構成されている。
【0040】
テープ検出部40は、図1図4に示すように、テープ押え部11bに固定的に設けられており、テープ駆動部20によりテープ検出部40に対応する位置までX2方向に移動された部品供給テープ1の終端1dを検出するように構成されている。テープ検出部40により部品供給テープ1の終端1dが検出された場合に、制御部60は、駆動モータ22によるスプロケット21の駆動を停止することにより、部品供給テープ1のX2方向への移動を停止する制御を行うように構成されている。これにより、スプライシング装置100では、部品供給テープ1の終端1dが溶着位置に配置される。
【0041】
また、テープ検出部40は、テープ駆動部30によりテープ検出部40に対応する位置までX1方向に移動された部品供給テープ2の始端2dを検出するように構成されている。テープ検出部40により部品供給テープ2の始端2dが検出された場合に、制御部60は、駆動モータ32によるスプロケット31の駆動を停止することにより、部品供給テープ2のX1方向への移動を停止する制御を行うように構成されている。これにより、スプライシング装置100では、部品供給テープ2の始端2dが溶着位置に配置される。なお、溶着位置では、部品供給テープ1の終端1dの端面と部品供給テープ2の始端2dの端面とが接触することにより端面同士が突き合わされた状態となる。
【0042】
また、テープ検出部40は、撮像部を含み、テープ押え部11bに設けられた開口部11kを介して、部品供給テープ1の終端1dおよび部品供給テープ2の始端2dを撮像するように構成されている。また、テープ検出部40は、部品供給テープ1の終端1dおよび部品供給テープ2の始端2dを撮像することによって、部品供給テープ1の終端1dおよび部品供給テープ2の始端2dを検出するように構成されている。
【0043】
溶着機構部50は、部品供給テープ1の終端1dと部品供給テープ2の始端2dとの端面同士が接触することにより端面同士が突き合わされた状態で、部品供給テープ1の終端1dと部品供給テープ2の始端2dとの接触部分3としての突き合わせ部分4を溶着するように構成されている。
【0044】
溶着機構部50は、超音波による溶着を行う溶着部51と、溶着部51を上下方向(Z方向)に移動させる溶着部縦駆動部52と、溶着部51を部品供給テープ1(2)の幅方向(Y方向)に移動させる溶着部横駆動部53とを含んでいる。溶着部51は、図4図6および図7に示すように、交流電圧により超音波を発生させるとともに振動する超音波振動子51aと、超音波振動子51aに固定的に接続されるとともに、超音波振動子51aの振動により超音波振動子51aとともに振動する溶着部本体51bとを有している。なお、溶着部横駆動部53は、特許請求の範囲の「溶着部駆動部」の一例である。
【0045】
ここで、本実施形態では、溶着部51は、テープ駆動部20および30によりそれぞれ部品供給テープ1および2を移動させることによって、部品供給テープ1の終端1dと部品供給テープ2の始端2dとの端面同士が接触されることにより端面同士が突き合わされた状態で、接触部分3としての突き合わせ部分4を溶着することによって、部品供給テープ1と部品供給テープ2とを接続するように構成されている。
【0046】
具体的には、溶着部51は、図13に示すように、キャリアテープ1bおよび2b側(Z2方向側)からキャリアテープ1bの終端1dとキャリアテープ2bの始端2dとの接触部分3(突き合わせ部分4)を溶着することによって、キャリアテープ1bとキャリアテープ2bとを接続するように構成されている。
【0047】
より具体的には、溶着部51は、溶着部縦駆動部52により上方に移動されることにより、キャリアテープ1bおよび2b側(Z2方向側)から、接触部分3(突き合わせ部分4)に向かって溶着部本体51bの先端51cを押し当てるように構成されている。また、溶着部51は、接触部分3(突き合わせ部分4)に向かって溶着部本体51bの先端51cを押し当てた状態で、超音波振動子51aにより超音波を発生させることにより、キャリアテープ1bの終端1dとキャリアテープ2bの始端2dとの接触部分3(突き合わせ部分4)を溶着するように構成されている。つまり、溶着部51は、接触部分3(突き合わせ部分4)に向かって溶着部本体51bの先端51cを押し当てた状態で、超音波振動子51aの振動により溶着部本体51bを振動させることにより、キャリアテープ1bの終端1dとキャリアテープ2bの始端2dとの接触部分3(突き合わせ部分4)を溶着するように構成されている。
【0048】
また、本実施形態では、図8に示すように、溶着部51は、部品供給テープ1および2の幅方向において、部品供給テープ1(2)のテープ幅W1よりも小さい溶着部幅W2を有している。溶着部幅W2は、スプライシング装置100に配置される最も小さい部品供給テープ1(2)のテープ幅W1よりも小さい幅である。
【0049】
また、溶着部51は、図9に示すように、部品供給テープ(2)のテープ幅W1よりも小さい溶着幅W3で、接触部分3(突き合わせ部分4)を溶着するように構成されている。また、溶着幅W3は、部品実装装置に配置され、部品E1(E2)を供給するために部品供給テープ1(2)を送るテープフィーダ200におけるテープフィーダ200と部品供給テープ1(2)との接触幅W4よりも小さい。
【0050】
また、本実施形態では、スプライシング装置100には、図1図4に示すように、溶着部51により溶着する際に、接触部分3(突き合わせ部分4)の近傍(接触部分3および接触部分3の周辺)を冷却する冷却部70が設けられている。
【0051】
冷却部70は、トップテープ1cおよび2c側(Z1方向側)から、接触部分3(突き合わせ部分4)の近傍を押さえた状態で、トップテープ1cおよび2c側の接触部分3(突き合わせ部分4)の近傍の熱を放熱する放熱部71を含んでいる。本実施形態では、放熱部71は、アルミニウムなどの熱伝導性が高い金属により構成されており、テープ押え部11bの押え部分11gにより構成されている。つまり、本実施形態では、放熱部71は、溶着部51の溶着部本体51bの先端51cが押し当てられることにより突き上げられる接触部分3(突き合わせ部分4)を、トップテープ1cおよび2c側から押さえる押え部(テープ押え部11bの押え部分11g)を兼ねている。
【0052】
また、冷却部70は、キャリアテープ1bおよび2b側(Z2方向側)から、接触部分3(突き合わせ部分4)に向けて冷却用流体(たとえば、常温の空気)を吹き出すことにより、キャリアテープ1bおよび2b側の接触部分3(突き合わせ部分4)の近傍を冷却する冷却用流体吹出部72を含んでいる。冷却用流体吹出部72は、溶着部51により溶着が行われている間、冷却用流体を接触部分3(突き合わせ部分4)に向けて吹き出すように構成されている。
【0053】
溶着部縦駆動部52は、図3および図4に示すように、溶着部51の溶着部本体51bの先端51cを接触部分3(突き合わせ部分4)に押し当てる上昇位置と、溶着部51の溶着部本体51bの先端51cを接触部分3(突き合わせ部分4)に押し当てない下降位置との間で、溶着部51を上下方向に移動させるように構成されている。具体的には、溶着部縦駆動部52は、上下方向(Z方向)に延びるボールねじ52aと、ボールねじ52aを駆動する駆動モータ52bと、ボールねじ52aに係合するボールナット52cと、ボールナット52cが固定されとともに、溶着部51および冷却用流体吹出部72が配置されるベース部52dとを含んでいる。溶着部縦駆動部52は、駆動モータ52bによりボールねじ52aを回転させることによって、ボールねじ52aに係合するボールナット52cとともに、ベース部52dを上下方向に移動させる。これにより、溶着部縦駆動部52は、ベース部52dに配置された溶着部51および冷却用流体吹出部72を上下方向に移動させるように構成されている。
【0054】
溶着部横駆動部53は、部品供給テープ1(2)の幅方向(Y方向)に延びるボールねじ53aと、ボールねじ53aを駆動する駆動モータ53bと、ボールねじ53aに係合するボールナット53cと、ボールナット53cが固定されるとともに、溶着部縦駆動部52が配置されるベース部53dとを含んでいる。溶着部横駆動部53は、駆動モータ53bによりボールねじ53aを回転させることによって、ボールねじ53aに係合するボールナット53cとともに、ベース部53dをY方向に移動させる。これにより、溶着部横駆動部53は、溶着部縦駆動部52とともに、溶着部縦駆動部52のベース部52dに配置された溶着部51および冷却用流体吹出部72をY方向に移動させるように構成されている。
【0055】
制御部60は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)などを含み、スプライシング装置100の動作を制御する制御回路である。
【0056】
(スプライシング方法)
次に、主に図10図14を参照して、本発明の一実施形態によるスプライシング方法を説明する。本発明の一実施形態によるスプライシング方法は、図10に示すように、ステップS1〜S8の工程を含んでいる。ステップS1〜S8の各工程は、適宜、作業者かまたはスプライシング装置100により行われる。
【0057】
まず、ステップS1では、部品実装装置において使用中の部品供給テープ1の終端が作業者により切断されることにより、部品供給テープ1の不要な部分(部品E1が配置されていない凹部1aなど)が除去される。この結果、部品供給テープ1に、部品供給テープ2の始端2dと接続するための終端1dが形成される。また、ステップS1では、接触部分3(突き合わせ部分4)から、接触部分3(突き合わせ部分4)から部品供給テープ1が延びる方向に所定の距離だけ離間した位置までトップテープ1cの終端が作業者により切断される。そして、ステップS1では、部品供給テープ1が作業者によりスプライシング装置100のテープ配置部10に配置される。
【0058】
具体的には、図11に示すように、テープ配置部10のX1方向側に部品供給テープ1が配置される。より具体的には、まず、取っ手部11eを把持してテープ押え部11bが作業者により上方に引き上げられる。この結果、テープ受け部11aとテープ押え部11bとの間に隙間が生じる。次に、生じた隙間を介して、部品供給テープ1のY1方向側の端部が作業者によりテープ受け部11aに配置される。この際、テープ駆動部20のスプロケット21の歯と、部品供給テープ1の送り孔1eとが係合するように、部品供給テープ1のY1方向側の端部が作業者によりテープ受け部11aに配置される。この結果、部品供給テープ1が幅方向(Y方向)に位置決めされた状態で配置される。次に、取っ手部11eの作業者による把持が解除される。これにより、付勢部11dの付勢力によりテープ押え部11bが下方に移動されるとともに、テープ受け部11aに配置された部品供給テープ1のY1方向側の端部がテープ押え部11bにより上方から押えられる。この結果、部品供給テープ1のY1方向側の端部が、テープ押え部11bおよびテープ受け部11aにより保持される。次に、テープ押え部12aが作業者によりY1方向に移動されることにより、部品供給テープ1のY2方向側の端部が、テープ押え部12aの溝部12cに挿入されるとともに、溝部12cにより保持される。これらの結果、テープ配置部10のX1方向側に部品供給テープ1が配置される。
【0059】
次に、ステップS2(図10参照)では、スプライシング装置100に設けられた位置決め開始ボタン(図示せず)が作業者により操作される。この結果、テープ配置部10のX1方向側に配置された部品供給テープ1が、テープ検出部40により終端1dが検出されるまで(溶着位置まで)、テープ駆動部20によりX2方向に移動される。
【0060】
次に、ステップS3(図10参照)では、部品供給テープ1と同様に、新たな部品供給テープ2の始端が作業者により切断されることにより、部品供給テープ2の不要な部分(部品E2が配置されていない凹部2aなど)が除去される。この結果、部品供給テープ2に、部品供給テープ1の終端1dと接続するための始端2dが形成される。また、ステップS2では、接触部分3(突き合わせ部分4)から、接触部分3(突き合わせ部分4)から部品供給テープ2が延びる方向に所定の距離だけ離間した位置までトップテープ2cの始端が作業者により切断される。そして、ステップS2では、部品供給テープ2が作業者によりスプライシング装置100のテープ配置部10に配置される。
【0061】
具体的には、図12に示すように、テープ配置部10のX2方向側に部品供給テープ2が配置される。より具体的には、まず、取っ手部11iを把持してテープ押え部11cが作業者により上方に引き上げられる。この結果、テープ受け部11aとテープ押え部11cとの間に隙間が生じる。次に、生じた隙間を介して、部品供給テープ2のY1方向側の端部が作業者によりテープ受け部11aに配置される。この際、テープ駆動部30のスプロケット31の歯と、部品供給テープ2の送り孔2eとが係合するように、部品供給テープ2のY1方向側の端部が作業者によりテープ受け部11aに配置される。この結果、部品供給テープ2が幅方向(Y方向)に位置決めされた状態で配置される。次に、取っ手部11iの作業者による把持が解除される。これにより、付勢部11hの付勢力によりテープ押え部11cが下方に移動されるとともに、テープ受け部11aに配置された部品供給テープ2のY1方向側の端部がテープ押え部11cにより上方から押えられる。この結果、部品供給テープ2のY1方向側の端部が、テープ押え部11cおよびテープ受け部11aにより保持される。次に、テープ押え部12bが作業者によりY1方向に移動されることにより、部品供給テープ2のY2方向側の端部が、テープ押え部12bの溝部12dに挿入されるとともに、溝部12dにより保持される。これらの結果、テープ配置部10のX2方向側に部品供給テープ2が配置される。
【0062】
次に、ステップS4(図10参照)では、スプライシング装置100に設けられた位置決め開始ボタン(図示せず)が作業者により操作される。この結果、テープ配置部10のX2方向側に配置された部品供給テープ2が、テープ検出部40により始端2dが検出されるまで(溶着位置まで)、テープ駆動部30によりX1方向に移動される。この結果、ステップS4では、図13に示すように、部品供給テープ1の終端1dと部品供給テープ2の始端2dとが接触されて突き合わされる。また、部品供給テープ1の終端1dと部品供給テープ2の始端2dとを突き合わせた状態では、トップテープ1cの終端とトップテープ2cの始端とが切断されていることによって、切断後のトップテープ1cの終端と切断後のトップテープ2cの始端との間に所定の切断長さL1を有する切断部81が形成される。
【0063】
次に、ステップS5(図10参照)では、スプライシング装置100に設けられた溶着開始ボタン(図示せず)が作業者により操作される。この結果、部品供給テープ1の終端1dと部品供給テープ2の始端2dとの接触部分3(突き合わせ部分4)が溶着部51により溶着される。これにより、部品供給テープ1と部品供給テープ2とが接続される。
【0064】
ステップS5では、まず、溶着部51の溶着部本体51bの先端51cを接触部分3(突き合わせ部分4)に押し当てない下降位置から、溶着部51の溶着部本体51bの先端51cを接触部分3(突き合わせ部分4)に押し当てる上昇位置まで、溶着部51が溶着部縦駆動部52により上方(Z1方向)に移動される。次に、溶着部51の溶着部本体51bの先端51cを接触部分3(突き合わせ部分4)に押し当てた状態で、制御部60による制御に基づいて、溶着部51の超音波振動子51aにより超音波が発生される。つまり、溶着部51の溶着部本体51bの先端51cを接触部分3(突き合わせ部分4)に押し当てた状態で、溶着部51の超音波振動子51aの振動により溶着部本体51bが振動される。次に、予め設定されている溶着時間が経過すると、溶着部51の超音波振動子51aによる超音波の発生が停止される。つまり、溶着部51の超音波振動子51aの振動が停止されることにより、溶着部本体51bの振動が停止される。この結果、切断部81が形成された状態で、キャリアテープ1bおよび2b側(Z2方向側)から、キャリアテープ1bの終端とキャリアテープ2bの始端との接触部分3(突き合わせ部分4)が溶着される。これにより、キャリアテープ1bとキャリアテープ2bとが接続される。
【0065】
また、溶着部51により溶着する際には、接触部分3(突き合わせ部分4)の近傍が冷却部70により冷却される。具体的には、テープ押え部11bの押え部分11gにより構成される放熱部71によりトップテープ1cおよび2c側の接触部分3(突き合わせ部分4)の近傍の熱が放熱される。また、冷却用流体吹出部72から吹き出される冷却用流体により、キャリアテープ1bおよび2b側の接触部分3(突き合わせ部分4)の近傍の熱が放熱される。
【0066】
また、ステップS5では、部品供給テープ1(2)のテープ幅W1よりも小さい溶着幅W3で、接触部分3(突き合わせ部分4)が溶着部51により溶着される。スプライシング装置100に配置される最も小さい部品供給テープ1および2を溶着する場合には、溶着部51の溶着部幅W2と、溶着幅W3とが同じであるので、溶着部51の溶着部本体51bの先端51cを接触部分3に押し当てるだけで、接触部分3(突き合わせ部分4)が溶着部51により溶着される。したがって、この場合、溶着部51は溶着部横駆動部53によりY方向に移動されない。一方、スプライシング装置100に配置される最も小さい部品供給テープ1および2よりも大きい部品供給テープ1および2を溶着する場合には、溶着部51の溶着部幅W2よりも、溶着幅W3が大きいので、溶着幅W3で接触部分3(突き合わせ部分4)が溶着されるように、溶着部51が溶着部横駆動部53によりY方向に移動される。この際、予め設定されている移動速度で、溶着部51が溶着部横駆動部53によりY方向に移動される。
【0067】
また、ステップS5では、溶着部51により溶着した後、溶着部51の溶着部本体51bの先端51cを接触部分3(突き合わせ部分4)に押し当てる上昇位置から、溶着部51の溶着部本体51bの先端51cを接触部分3(突き合わせ部分4)に押し当てない下降位置まで、溶着部縦駆動部52により溶着部51が下方(Z2方向)に移動される。
【0068】
次に、ステップS6では、接触部分3(突き合わせ部分4)がスプライシング装置100外に排出されるように、溶着後の部品供給テープ1(2)がテープ駆動部20のスプロケット21を逆回転(矢印A1方向とは反対方向の回転)されることによりX1方向に移動される。この際、テープ駆動部30のスプロケット31は、空転する。
【0069】
次に、ステップS7では、図14に示すように、接触部分3(突き合わせ部分4)を跨ぐように、トップテープ1cとトップテープ2cとに接続用テープ82が作業者により貼り付けられる。この結果、トップテープ1cとトップテープ2cとが接続される。
【0070】
接続用テープ82は、粘着性を有しない基材82aと、粘着性を有し、基材82a上に形成された粘着材82bとを含むテープである。接続用テープ82は、基材82aにおいて粘着材82bが形成された粘着部分82cと、基材82aにおいて粘着材82bが形成されることなく基材82aが露出した非粘着部分82dとを有している。非粘着部分82dは、切断部81が有する所定の切断長さL1よりも大きい長さL2を有している。
【0071】
ステップS7では、接続用テープ82の非粘着部分82dが切断部81に対応する位置に配置されるとともに、粘着部分82cがトップテープ1cおよび2cに対応する位置に配置されるように、トップテープ1cとトップテープ2cとに接続用テープ82が作業者により貼り付けられる。
【0072】
なお、以上では、ステップS6において、接触部分3(突き合わせ部分4)がスプライシング装置100外に排出されるとともに、ステップS7において、接触部分3(突き合わせ部分4)がスプライシング装置100外に排出された状態で、接続用テープ82の貼り付けが行われた例を説明した。しかしながら、本実施形態では、接触部分3(突き合わせ部分4)がスプライシング装置100に配置された状態で、接続用テープ82の貼り付けが行われてもよい。この場合、まず、接触部分3(突き合わせ部分4)がスプライシング装置100内において、テープ押え部11bの押え部分11gの下側から、接続用テープ82の貼り付けが可能な位置まで移動される。つまり、接触部分3(突き合わせ部分4)が、テープ押え部11bの押え部分11gにより上方から覆われた位置から、上方に露出する位置まで移動される。そして、スプライシング装置100により幅方向の両端を保持された状態で、上方に露出した接触部分3(突き合わせ部分4)を跨ぐように、トップテープ1cとトップテープ2cとに接続用テープ82が作業者により貼り付けられる。これにより、接続用テープ82の貼り付け作業の作業性をより向上させることが可能である。
【0073】
そして、ステップS8では、図10に示すように、キャリアテープ1bおよび2bが溶着により接続されるとともに、トップテープ1cおよび2cが接続用テープ82により接続された部品供給テープ1(2)が作業者によりスプライシング装置100から取り外される。これにより、一実施形態によるスプライシング方法では、スプライシング作業が完了する。
【0074】
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0075】
本実施形態のスプライシング装置100では、上記のように、部品供給テープ1の終端1dと部品供給テープ2の始端2dとが接触された状態で接触部分3(突き合わせ部分4)を溶着することによって、部品供給テープ1と部品供給テープ2とを接続する溶着部51を設ける。これにより、部品供給テープ1の終端1dと部品供給テープ2の始端2dとを溶着により一体化することができるので、部品供給テープ同士(部品供給テープ1および部品供給テープ2)を強固に接続(スプライシング)することができる。
【0076】
また、本実施形態のスプライシング装置100では、上記のように、キャリアテープ1bおよびキャリアテープ2b側から、キャリアテープ1bの終端とキャリアテープ2bの始端との接触部分3(突き合わせ部分4)が溶着することによって、キャリアテープ1bとキャリアテープ2bとを接続するように溶着部51を構成する。これにより、キャリアテープ1bの終端とキャリアテープ2bの始端とを溶着により一体化することができるので、部品供給テープ1(2)のキャリアテープ同士(キャリアテープ1bおよびキャリアテープ2b)を強固に接続することができる。また、キャリアテープ1bおよびキャリアテープ2b側から、キャリアテープ1bの終端とキャリアテープ2bの始端とが溶着されるので、トップテープ1c(2c)とキャリアテープ1b(2b)とが溶着されることを抑制することができる。その結果、トップテープ1c(2c)とキャリアテープ1b(2b)とが溶着されることに起因して、部品実装装置に配置され、部品を供給するために部品供給テープ1(2)を送るテープフィーダ200においてトップテープ1c(2c)が剥がれにくくなることを抑制することができる。
【0077】
また、本実施形態のスプライシング装置100では、上記のように、溶着部51により溶着する際に、接触部分3(突き合わせ部分4)の近傍を冷却する冷却部70を設ける。これにより、キャリアテープ同士を溶着しながら、冷却部70による冷却により、トップテープ1c(2c)とキャリアテープ1b(2b)とが溶着されることをより確実に抑制することができる。その結果、トップテープ1c(2c)とキャリアテープ1b(2b)とが溶着されることに起因して、テープフィーダ200においてトップテープ1c(2c)が剥がれにくくなることをより確実に抑制することができる。また、冷却部70により冷却することにより、キャリアテープ1b(2b)の溶着部分の温度が高くなり過ぎることを抑制することができる。その結果、キャリアテープ1b(2b)の溶着部分の温度が高くなり過ぎることに起因して、キャリアテープ1b(2b)の溶着部分の溶着強度が低下することを抑制することができる。
【0078】
また、本実施形態のスプライシング装置100では、上記のように、冷却部70が、トップテープ1cおよびトップテープ2c側から、接触部分3(突き合わせ部分4)の近傍を押さえた状態で、トップテープ1cおよびトップテープ2c側の接触部分3(突き合わせ部分4)の近傍の熱を放熱する放熱部71を含んでいる。これにより、トップテープ1c(2c)側において、溶着により生じた熱を放熱部71により効果的に放熱することができる。その結果、トップテープ1c(2c)側の接触部分3(突き合わせ部分4)の近傍を確実に冷却することができるので、トップテープ1c(2c)とキャリアテープ1b(2b)とが溶着されることをさらに確実に抑制することができる。
【0079】
また、本実施形態のスプライシング装置100では、上記のように、キャリアテープ1bおよびキャリアテープ2b側から、接触部分3(突き合わせ部分4)に向かって溶着部本体51bの先端51cを押し当てた状態で、キャリアテープ1bの終端とキャリアテープ2bの始端との接触部分3(突き合わせ部分4)を溶着するように溶着部51を構成する。そして、溶着部51の溶着部本体51bの先端51cが押し当てられることにより突き上げられる接触部分3(突き合わせ部分4)を、トップテープ1cおよびトップテープ2c側から押さえる押え部(テープ押え部11bの押え部分11g)を兼ねるように放熱部71を構成する。これにより、押え部を兼ねる放熱部71により、部品点数が増加することを抑制しながら、トップテープ1c(2c)側の接触部分3(突き合わせ部分4)の近傍から放熱して冷却を行うことができる。
【0080】
また、本実施形態のスプライシング装置100では、上記のように、冷却部70が、キャリアテープ1bおよびキャリアテープ2b側から、接触部分3(突き合わせ部分4)に向けて冷却用流体を吹き出すことにより、キャリアテープ1bおよびキャリアテープ2b側の接触部分3(突き合わせ部分4)の近傍を冷却する冷却用流体吹出部72を含んでいる。これにより、キャリアテープ1b(2b)側において、溶着により高温となる接触部分3の近傍を冷却用流体吹出部72から吹き出される冷却用流体により効果的に冷却することができる。その結果、キャリアテープ1b(2b)の溶着部分の温度が高くなり過ぎることをより確実に抑制することができる。
【0081】
また、本実施形態のスプライシング装置100では、上記のように、部品供給テープ1および部品供給テープ2の幅方向において、部品供給テープ1および部品供給テープ2のテープ幅W1よりも小さい溶着部幅W2を有するように溶着部51を構成する。そして、部品供給テープ1および部品供給テープ2のテープ幅W1よりも小さい溶着幅W3で、接触部分3(突き合わせ部分4)を溶着するように溶着部51を構成する。ここで、テープフィーダ200では、部品供給テープ1(2)の幅方向の両端部がテープフィーダ200と接触しながら、部品供給テープ1(2)が送られる。したがって、上記のように構成することにより、部品供給テープ1(2)の幅方向の両端部における、テープフィーダ200との接触部分を避けるように、接続後の部品供給テープ1(2)の溶着部分を形成することができる。その結果、接続後の部品供給テープ1(2)の溶着部分が、テープフィーダ200の送り精度に影響を及ぼすことをより確実に抑制することができる。
【0082】
また、本実施形態のスプライシング装置100では、上記のように、溶着部51を部品供給テープ1および部品供給テープ2の幅方向に移動させる溶着部横駆動部53を設ける。これにより、部品供給テープ1(2)のテープ幅W1に応じた異なる溶着幅W3で部品供給テープ1(2)を溶着部51により溶着することができる。その結果、単一の溶着部51により、互いに異なるテープ幅W1を有する複数種類の部品供給テープ1(2)を溶着することができる。
【0083】
また、本実施形態のスプライシング装置100では、上記のように、テープ駆動部20およびテープ駆動部30によりそれぞれ部品供給テープ1および部品供給テープ2を移動させることによって、部品供給テープ1の終端1dと部品供給テープ2の始端2dとが接触されることにより突き合わされた状態で接触部分3としての突き合わせ部分4を溶着するように溶着部51を構成する。これにより、部品供給テープ1の終端1dと部品供給テープ2の始端2dとを突き合わせた状態で突き合わせ部分4を溶着するので、テープ同士の接続部分に段差が生じることがなく、接続後にテープ厚みが大きくならない。その結果、テープフィーダ200により接続後の部品供給テープ1(2)を送る際に、接続後の部品供給テープ1(2)の溶着部分が、テープフィーダ200の送り精度に影響を及ぼすことを抑制することができる。したがって、テープフィーダ200において、接続後の部品供給テープ1(2)を円滑に送ることができる。
【0084】
また、本実施形態のスプライシング方法では、上記のように、接触部分3(突き合わせ部分4)から、接触部分3(突き合わせ部分4)から離間した位置までトップテープ1cの終端を切断するとともに、接触部分3(突き合わせ部分4)から、接触部分3(突き合わせ部分4)から離間した位置までトップテープ2cの始端を切断することによって、切断後のトップテープ1cの終端と切断後のトップテープ2cの始端との間に所定の切断長さL1を有する切断部81を形成する。そして、切断部81が形成された状態で、キャリアテープ1bおよびキャリアテープ2b側から、キャリアテープ1bの終端とキャリアテープ2bの始端との接触部分3(突き合わせ部分4)を溶着することによって、キャリアテープ1bとキャリアテープ2bとを接続する。これにより、切断部81が形成されることにより、接触部分3(突き合わせ部分4)にトップテープ1c(2c)が形成されていない状態で、キャリアテープ同士を接触部分3(突き合わせ部分4)において溶着することができる。その結果、接触部分3(突き合わせ部分4)において溶着により生じた熱がトップテープ1c(2c)に伝達されることを抑制することができるので、トップテープ1c(2c)とキャリアテープ1b(2b)とが溶着されることをより確実に抑制することができる。
【0085】
また、本実施形態のスプライシング方法では、上記のように、キャリアテープ1bの終端とキャリアテープ2bの始端との接触部分3(突き合わせ部分4)を溶着することによって、キャリアテープ1bとキャリアテープ2bとを接続した後、接触部分3(突き合わせ部分4)を跨ぐように、トップテープ1cとトップテープ2cとに接続用テープ82を貼り付けることによって、トップテープ1cとトップテープ2cとを接続する。これにより、部品供給テープ1(2)のキャリアテープ同士(キャリアテープ1bおよび2b)を、溶着により、強固に接続するだけでなく、部品供給テープ1(2)のトップテープ同士(トップテープ1cおよび2c)を、接続用テープ82により、容易に接続することができる。
【0086】
また、本実施形態のスプライシング方法では、上記のように、接続用テープ82の非粘着部分82dが切断部81に対応する位置に配置されるように、トップテープ1cとトップテープ2cとに接続用テープ82を貼り付けることによって、トップテープ1cとトップテープ2cとを接続する。これにより、切断部81が形成されることによりトップテープ1c(2c)が形成されずに露出したキャリアテープ1b(2b)の溶着部分に、接続用テープ82の非粘着部分82dが配置されるので、露出したキャリアテープ1b(2b)の溶着部分に接続用テープ82の粘着部分82cが貼り付けられることを防止することができる。その結果、接続用テープ82の粘着部分82cによる粘着力に起因して、露出したキャリアテープ1b(2b)の溶着部分が破断すること、および、テープフィーダ200においてトップテープ1c(2c)が剥がれにくくなることを防止することができる。
【0087】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
【0088】
たとえば、上記実施形態では、キャリアテープ同士が溶着により接続され、トップテープ同士が接続用テープにより接続された例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、キャリアテープとトップテープとが溶着されなければ、キャリアテープ同士およびトップテープ同士の両方が溶着により接続されてもよい。
【0089】
また、上記実施形態では、溶着部が、超音波による溶着を行う例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、溶着部が、超音波による溶着以外の溶着を行ってもよい。たとえば、溶着部が、ヒータを含み、ヒータの熱による溶着を行ってもよい。
【0090】
また、上記実施形態では、部品実装装置において使用中の部品供給テープの終端と、新たな部品供給テープの始端との端面同士が接触されることにより端面同士が突き合わされた状態で接触部分としての突き合わせ部分が溶着部により溶着される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図15に示す変形例のように溶着してもよい。図15に示す変形例では、部品実装装置において使用中の部品供給テープ1の終端1dと、新たな部品供給テープ2の始端2dとが接触されることにより重ね合わされた状態で接触部分3aとしての重ね合わせ部分4aが溶着部51により溶着される。この場合、部品実装装置において使用中の部品供給テープ1の終端1dが、新たな部品供給テープ2の始端2dの上側になるように、部品供給テープ1の終端1dと部品供給テープ2の始端2dとが重ね合わされた状態で重ね合わせ部分4aが溶着部51により溶着される。これにより、溶着部分に段差部分が生じたとしても、テープフィーダにより部品供給テープ1(2)が送られる際に段差部分がテープフィーダにおいて引っかかることを抑制することができる。
【0091】
また、上記実施形態では、冷却部が、放熱部および冷却用流体吹出部を含む例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、冷却部が、放熱部または冷却用流体吹出部のいずれか一方のみを含んでいてもよい。また、冷却部が、放熱部または冷却用流体吹出部以外の冷却部を含んでいてもよい。
【0092】
また、上記実施形態では、冷却部の放熱部が、押え部を兼ねる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、冷却部の放熱部が、押え部とは別個に設けられていてもよい。
【0093】
また、上記実施形態では、部品供給テープの幅方向に溶着部を移動させる溶着部横駆動部(溶着部駆動部)を設ける例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、部品供給テープの幅方向に溶着部を移動させる溶着部駆動部を設けなくてもよい。この場合、互いに異なるテープ幅を有する複数種類の部品供給テープのそれぞれに対応して、互いに異なる溶着部幅を有する複数の溶着部を設ければよい。そして、溶着する部品供給テープのテープ幅に応じて、スプライシング装置に対応する溶着部を取り付けて、溶着を行えばよい。また、この場合、複数の溶着部は、それぞれ、対応する部品供給テープのテープ幅よりも小さい幅を有することが好ましい。これにより、いずれの溶着部により溶着を行う場合にも、部品供給テープのテープ幅よりも小さい幅で、接触部分を溶着することが可能である。
【0094】
また、上記実施形態では、部品供給テープのテープ幅よりも小さい幅で、接触部分が溶着部により溶着される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、部品供給テープのテープ幅と同じ幅で、接触部分が溶着部により溶着されてもよい。
【0095】
また、上記実施形態では、2つのトップテープの間に切断部が形成された状態で、キャリアテープ同士が溶着により接続された例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、キャリアテープとトップテープとが溶着されなければ、2つのトップテープの間に切断部を形成しなくてもよい。
【0096】
また、上記実施形態では、接続用テープが作業者により手動で貼り付けられた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、接続用テープが、テープ貼り付け装置により自動で貼り付けられてもよい。
【0097】
また、上記実施形態では、接続用テープが非粘着部分を有する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、接続用テープが非粘着部分を有していなくてもよい。たとえば、接続用テープが、強粘着部分と、強粘着部分よりも粘着力が小さい弱粘着部分とを有していてもよい。そして、接続用テープの弱粘着部分が切断部に対応する位置に配置されるように、トップテープに接続用テープが貼り付けられてもよい。
【0098】
また、上記実施形態では、テープ検出部が、撮像部を含み、部品供給テープの終端および部品供給テープの始端を撮像することによって、部品供給テープの終端および部品供給テープの始端を検出する例を示したが本発明はこれに限られない。本発明では、テープ検出部が、撮像以外の方法により、部品供給テープの終端および部品供給テープの始端を検出してもよい。たとえば、テープ検出部が、レーザ光を用いて、部品供給テープの終端および部品供給テープの始端を検出してもよい。この場合、テープ検出部は、レーザ光発生部およびレーザ光受光部を含み、レーザ光発生部から照射されるレーザ光が部品供給テープの終端または部品供給テープの始端に遮られることにより、レーザ光受光部において受光されるレーザ光の受光量が変化することに基づいて、部品供給テープの終端および部品供給テープの始端を検出してもよい。
【符号の説明】
【0099】
1 部品供給テープ(第1の部品供給テープ)
1a 凹部(第1の凹部)
1b キャリアテープ(第1のキャリアテープ)
1c トップテープ(第1のトップテープ)
1d 部品供給テープの終端(第1の部品供給テープの終端)
2 部品供給テープ(第2の部品供給テープ)
2a 凹部(第2の凹部)
2b キャリアテープ(第2のキャリアテープ)
2c トップテープ(第2のトップテープ)
2d 部品供給テープの始端(第2の部品供給テープの始端)
3、3a 接触部分
4 突き合わせ部分
20 テープ駆動部(第1のテープ駆動部)
30 テープ駆動部(第2のテープ駆動部)
51 溶着部
53 溶着部横駆動部(溶着部駆動部)
70 冷却部
71 放熱部
72 冷却用流体吹出部
81 切断部
82 接続用テープ
82c 粘着部分
82d 非粘着部分
100 スプライシング装置
E1 部品(第1の部品)
E2 部品(第2の部品)
W1 テープ幅
W2 溶着部幅
W3 溶着幅
L1 所定の切断長さ
L2 非粘着部分の長さ
図1
図2
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図15