(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能であり、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせることも可能である。
【0018】
[第一実施形態]
図1は、第一実施形態に係る電動圧縮機の断面図である。
図2は、第一実施形態に係る電動圧縮機の部分断面図である。
図3は、第一実施形態に係る電動圧縮機用冷却構造を示す断面部である。
図1、
図2に示すように、電動圧縮機1は、圧縮機構2と、電動モータ3と、回転軸4と、軸受5と、電動圧縮機用冷却構造(以下、「冷却構造」という。)6とを有している。電動圧縮機1は、電動モータ3によって回転軸4が回転することによって、圧縮機構2において流体を昇圧する。そして、圧縮した流体の動圧を静圧に変換して、図示しない吐出口から外部に吐出する。
【0019】
圧縮機構2は、回転軸4が回転することによって、インペラ24が回転して、流体を吸入通路22を介して第一ハウジング21に吸い入れる。吸い入れた流体を、回転するインペラ24によって昇圧して、排出通路23から排出する。圧縮機構2においては、流体を昇圧する際に、風損によって発熱を生じる。圧縮機構2は、第一ハウジング21と、吸入通路22と、排出通路(ディフューザ)23と、インペラ24と、ハブ25とを有する。
【0020】
第一ハウジング21は、熱伝導性の高い金属材料で構成されている。第一ハウジング21は、中空形状に形成されている。第一ハウジング21は、内部の空間に回転軸4とインペラ24とを収容している。
【0021】
吸入通路22は、回転軸4の軸線方向(以下、「軸線方向」という。)に沿って、流体を第一ハウジング21に吸い入れる。吸入通路22は、第一ハウジング21のシュラウド211によって区画されている。吸入通路22は、吸い入れた流体をインペラ24の前面部に対して供給する。
【0022】
排出通路23は、回転軸4の径方向(以下、「径方向」という。)の外側に、インペラ24によって昇圧された流体を排出する。排出通路23は、第一ハウジング21のシュラウド211によって区画されている。
【0023】
インペラ24は、吸入通路22から吸い入れた流体を昇圧して、圧縮した流体を排出通路23を介して排出する。インペラ24は、ハブ25と、ブレード26とを有する。
【0024】
ハブ25は、軸線方向の断面形状が円形に形成された環状に形成されている。ハブ25は、外周面が軸線方向に沿って吸入通路22から離れるにつれて、径方向の内側から外側へ凹状に湾曲した形状に形成されている。ハブ25は、回転軸4の外周面に固定されている。ハブ25は、回転軸4の回転に連動して、軸線回りに回転する。ハブ25の外周面には、複数のブレード26が配置されている。
【0025】
ブレード26は、ハブ25の外周面に沿って複数枚が配置されている。
【0026】
電動モータ3は、圧縮機構2を駆動する駆動装置である。電動モータ3は、高速、かつ、高出力である。電動モータ3には、回転軸4が連結されている。
【0027】
回転軸4は、一方の端部に電動モータ3が連結されている。回転軸4は、他方の端部側が軸受5に回転自在に軸支されている。より詳しくは、回転軸4は、ハブ25を介して外周部にインペラ24が固定されている。回転軸4は、電動モータ3によって軸線回りに回転する。回転軸4は、他方の端部に圧縮機構2が接続されている。
【0028】
軸受5は、回転軸4を回転自在に軸支する。軸受5は、軸線方向において、圧縮機構2と電動モータ3との間に配置されている。
【0029】
冷却構造6は、軸受5が高温になることを抑制する。冷却構造6は、軸受5への熱の伝達を規制する。冷却構造6は、圧縮機構2と電動モータ3とを冷却する。冷却構造6は、空冷フィン(放熱部材)61と、第二ハウジング62と、断熱材63とを有する。
【0030】
空冷フィン61は、電動圧縮機1において生じた熱を外部に放出する。より詳しくは、空冷フィン61は、空冷フィン61が外部の空気より高温のとき、外周面において外部の空気と熱交換を行う。空冷フィン61は、熱伝導性の高い金属材料で構成されている。より詳しくは、空冷フィン61は、空気より高い熱伝導率を有する金属材料で構成されている。空冷フィン61は、第一ハウジング21と第二ハウジング62より高い熱伝導率を有することが好ましい。空冷フィン61は、圧縮機構2を駆動するための電動モータ3と回転軸4との外周を覆っている。空冷フィン61は、径方向の外側において、第一ハウジング21と第二ハウジング62と接触している。
【0031】
第二ハウジング62は、圧縮機構2の背面側と電動モータ3との間に配置されている。第二ハウジング62は、電動モータ3で生じた熱を空冷フィン61に伝達する。第二ハウジング62は、圧縮機構2において生じた熱を排出通路23近傍から空冷フィン61に伝達する。第二ハウジング62は、熱伝導性の高い金属材料で構成されている。より詳しくは、第二ハウジング62は、排出通路23を通過する流体より高い熱伝導率を有する金属材料で構成されている。
【0032】
第二ハウジング62は、第一接触部621と、第二接触部622と、第三接触部623とを有する。
【0033】
第一接触部621は、電動モータ3に接触している。第一接触部621は、電動モータ3が第一接触部621より高温のとき、電動モータ3において生じた熱を受け取る。第一接触部621は、第一接触部621が第二接触部622より高温のとき、受け取った熱を第二接触部622を介して空冷フィン61へ伝達する。
【0034】
第二接触部622は、空冷フィン61に接触している。第二接触部622は、第一接触部621および第三接触部623が電動圧縮機1の周囲の空気より温度が高いとき、第一接触部621および第三接触部623より温度が低い。第二接触部622は、第一接触部621が第二接触部622より高温のとき、第一接触部621から熱を受け取る。第二接触部622は、第三接触部623が第二接触部622より高温のとき、第三接触部623から熱を受け取る。第二接触部622は、第二接触部622が空冷フィン61より高温のとき、受け取った熱を空冷フィン61へ伝達する。
【0035】
第三接触部623は、圧縮機構2の排出通路23に面している。第三接触部623は、空冷フィン61に接触している第二接触部622に接触している。第三接触部623は、排出通路23を流れる流体が第三接触部623より高温のとき、圧縮機構2において生じた熱を受け取る。第三接触部623は、第三接触部623が第二接触部622より高温のとき、受け取った熱を第二接触部622を介して空冷フィン61へ伝達する。上述したように、第二接触部622が空冷フィン61に接触しているので、第二接触部622は第一接触部621および第三接触部623より温度が低い。このため、第三接触部623で受け取った熱は、第一接触部621側に伝達されず、第二接触部622側に伝達される。
【0036】
断熱材63は、圧縮機構2において生じた熱が軸受5に伝達されるのを規制する。断熱材63は、圧縮機構2と第二ハウジング62との間に配置されている。本実施形態では、断熱材63は、径方向外側の端部が圧縮機構2のインペラ24における径方向外側の端部より径方向外側に位置している。本実施形態では、断熱材63の背面63bは、第二ハウジング62の表面62aと接触している。断熱材63は、圧縮機構2のハブ25と軸受5と第二ハウジング62より低い熱伝導率を有する材料で構成されている。断熱材63は、例えば、常温で0.1W/m/K以下の熱伝導率であることが好ましい。断熱材63は、例えば、樹脂、ベークライト、エポキシガラスなどで構成されている。または、断熱材63は、金属材料の表面を、例えば、ジルコニア、ムライトなどのセラミックで被覆したもので構成してもよい。断熱材63は、第一壁部631と、第二壁部632と、第三壁部633とを有する。
【0037】
第一壁部631は、圧縮機構2のインペラ24の背面側に面して配置されている。第一壁部631は、円環状に形成されている。本実施形態において、第一壁部631は、径方向の外側において圧縮機構2のハブ25の背面25bに面で接触している。
【0038】
第二壁部632は、軸受5の外周に接触している。第二壁部632は、第一壁部631の径方向内側の端部から、圧縮機構2に対して反対側に立設された円筒状に形成されている。第二壁部632は、軸方向の長さが軸受5の軸方向の長さより長い。第二壁部632は、内周面が軸受5の外周全面に接触している。第二壁部632は、先端部が軸受5より電動モータ3側に突出している。
【0039】
第三壁部633は、圧縮機構2の排出通路23に面している。第三壁部633は、第一壁部631の径方向外側の端部から、圧縮機構2側に立設された円筒状に形成されている。第三壁部633は、圧縮機構2のハブ25の径方向の外側の端部より、外側に位置している。
【0040】
次に、このように構成された冷却構造6の作用について説明する。
【0041】
電動モータ3によって回転軸4が回転してインペラ24が回転すると、吸入通路22から吸い込まれた流体がインペラ24に流入する。流体は、インペラ24において昇圧されて、排出通路23から排出される。圧縮機構2は、流体を昇圧する際に、風損によって発熱を生じる。電動モータ3は、電動モータ3の駆動によって発熱を生じる。
【0042】
圧縮機構2において生じた熱は、流体が第一ハウジング21のシュラウド211より高温のとき、第一ハウジング21のシュラウド211に伝達する。第一ハウジング21のシュラウド211に伝達された熱は、第一ハウジング21が空冷フィン61より高温のとき、空冷フィン61に伝達する。
【0043】
圧縮機構2において生じた熱は、排出通路23を流れる流体が第二ハウジング62の第三接触部623より高温のとき、第三接触部623に伝達する。第三接触部623は、第三接触部623が第二接触部622より高温のとき、伝達された熱を第二接触部622に伝達する。第二接触部622は、第二接触部622が空冷フィン61より高温のとき、伝達された熱を空冷フィン61へ伝達する。
【0044】
圧縮機構2において生じた熱によって排出通路23の周面およびハブ25の温度が上昇しても、圧縮機構2のインペラ24の背面側に面して断熱材63が配置されているため、熱が軸受5に伝達される経路が遮断される。言い換えると、断熱材63は、圧縮機構2において生じた熱が軸受5に伝達されることを規制する。
【0045】
電動モータ3において生じた熱は、電動モータ3が空冷フィン61より高温のとき、空冷フィン61に伝達する。
【0046】
電動モータ3において生じた熱は、電動モータ3が第二ハウジング62の第一接触部621より高温のとき、第一接触部621に伝達する。第一接触部621は、第一接触部621が第二接触部622より高温のとき、伝達された熱を第二接触部622に伝達する。第二接触部622は、第二接触部622が空冷フィン61より高温のとき、伝達された熱を空冷フィン61へ伝達する。
【0047】
第二接触部622は、第一接触部621および第三接触部623が高温のとき、第一接触部621および第三接触部623より温度が低い。
【0048】
空冷フィン61に熱が伝達されて、空冷フィン61が外部の空気より高温のとき、空冷フィン61は、外周面において外部の空気と熱交換を行う。空冷フィン61は、圧縮機構2において生じた熱と電動モータ3において生じた熱とを外部の空気と熱交換して冷却する。
【0049】
このようにして、冷却構造6は、軸受5が高温になることを抑制する。冷却構造6は、圧縮機構2と電動モータ3とを冷却する。
【0050】
以上説明したように、本実施形態によれば、断熱材63を圧縮機構2のインペラ24の背面側に配置することによって、軸受5が高温になることを抑制することができる。
【0051】
比較のために、
図6を用いて、従来の電動圧縮機100の冷却構造160について説明する。
図6は、従来の電動圧縮機の断面図である。電動圧縮機100は、基本的な構成は電動圧縮機1と同様である。電動圧縮機100の各構成には、電動圧縮機1の各構成に対応する符号を付し、その詳細な説明は省略する。冷却構造160は、空冷フィン161と、第二ハウジング162と、インサート部163とを有する。インサート部163は、熱伝導性の高い金属材料で構成されている。インサート部163は、圧縮機構120のインペラ124の背面側に面している。インサート部163は、軸受150の外周面と接触している。このため、インサート部163は、圧縮機構120において生じた熱がハブ125を介して伝達され、その熱が軸受150に伝達するおそれがある。
【0052】
これに対して、本実施形態は、断熱材63によって、圧縮機構2において生じた熱が軸受5に伝達される経路を遮断することができる。圧縮機構2において生じた熱が伝達されて、軸受5が高温になることを抑制することができる。
【0053】
本実施形態によれば、圧縮機構2において生じた熱を、第一ハウジング21のシュラウド211に伝達する。圧縮機構2において生じた熱を、排出通路23近傍において、第三接触部623を介して第二ハウジング62に伝達する。そして、本実施形態は、圧縮機構2において生じた熱を、第一ハウジング21および第二ハウジング62から空冷フィン61を介して冷却することができる。
【0054】
このようにして、本実施形態によれば、軸受5が高温になることが抑制されるので、電動圧縮機1の稼働が制限されることを抑制することができる。本実施形態は、電動圧縮機1の稼働時間を長くすることができる。
【0055】
[第二実施形態]
図4を参照しながら、本実施形態に係る冷却構造6Aについて説明する。
図4は、第二実施形態に係る電動圧縮機用冷却構造を示す断面部である。冷却構造6Aは、基本的な構成は第一実施形態の冷却構造6と同様である。以下の説明においては、冷却構造6と同様の構成要素には、同一の符号または対応する符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0056】
第二ハウジング62Aは、第一接触部621Aと、第二接触部622Aと、第三接触部623Aとを有する。
【0057】
第三接触部623Aは、圧縮機構2のインペラ24における径方向外側の端部に面している。第三接触部623Aは、断熱材63Aの径方向の外周面に接触する。
【0058】
本実施形態では、断熱材63Aは、径方向外側の端部が圧縮機構2のインペラ24における径方向外側の端部より径方向の内側に位置している。断熱材63Aは、第一壁部631Aと、第二壁部632Aとを有する。
【0059】
第一壁部631Aは、径方向の外側の端部が圧縮機構2のハブ25の径方向の外側の端部より径方向の内側に位置している。
【0060】
次に、このように構成された冷却構造6Aの作用について説明する。
【0061】
圧縮機構2において生じた熱は、排出通路23を流れる流体が第二ハウジング62Aの第三接触部623Aより高温のとき、第三接触部623Aに伝達する。
【0062】
以上説明したように、本実施形態によれば、断熱材63Aを圧縮機構2のインペラ24の背面側に配置することによって、軸受5が高温になることを抑制することができる。
【0063】
本実施形態によれば、第一実施形態の第二ハウジング62に比べて、第二ハウジング62Aの体積が大きいので、より効率的に、電動モータ3において生じた熱と圧縮機構2において生じた熱とを、空冷フィン61に伝達して冷却することができる。
【0064】
[第三実施形態]
図5を参照しながら、本実施形態に係る冷却構造6Aについて説明する。
図5は、第三実施形態に係る電動圧縮機用冷却構造を示す断面部である。冷却構造6Bは、基本的な構成は第二実施形態の冷却構造6Aと同様である。
【0065】
冷却構造6Bは、空冷フィン61と、第二ハウジング62Bと、断熱材63Bと、熱伝導部材64Bとを有する。
【0066】
第二ハウジング62Bは、第一接触部621Bと、第二接触部622Bと、第三接触部623Bと、第四接触部624Bとを有する。
【0067】
第三接触部623Bは、圧縮機構2のインペラ24における流体の流れ方向の下流側の端部に位置している。
【0068】
第四接触部624Bは、断熱材63Bの径方向の外周面と、熱伝導部材64Bの径方向の外周面に接触する。第四接触部624Bは、空冷フィン61に接触している第二接触部622Bに接触している。第四接触部624Bは、熱伝導部材64Bが第四接触部624Bより高温のとき、熱を受け取る。第四接触部624Bは、第四接触部624Bが第二接触部622Bより高温のとき、受け取った熱を第二接触部622Bを介して空冷フィン61へ伝達する。第二接触部622Bが空冷フィン61に接触しているので、第二接触部622Bは第一接触部621と第三接触部623Bと第四接触部624Bより温度が低い。このため、第四接触部624Bで受け取った熱は、より低温の第二接触部622B側に伝達される。
【0069】
本実施形態では、断熱材63Bは、径方向外側の端部が圧縮機構2のインペラ24における径方向外側の端部より径方向の内側に位置している。断熱材63Bは、熱伝導部材64Bと第二ハウジング62Bとの間に配置されている。本実施形態では、断熱材63Bの背面63Bbは、第二ハウジング62Bの表面62Baと接触している。断熱材63Bは、熱伝導部材64Bと軸受5と第二ハウジング62Bより低い熱伝導率を有する材料で構成されている。断熱材63Bは、第一壁部631Bと、第二壁部632Bとを有する。
【0070】
第一壁部631Bは、熱伝導部材64Bの背面64Bbに面して配置されている。第一壁部631Bは、円環状に形成されている。本実施形態において、第一壁部631Bは、径方向の外側の端部が圧縮機構2のハブ25の径方向の外側の端部より径方向の内側に位置している。
【0071】
第二壁部632Bは、第一壁部631Bの径方向内側の端部から、円筒状に形成されている。言い換えると、第二壁部632Bの外周面における軸方向の中央部から、第一壁部631Bが円環状に形成されている。第二壁部632Bは、軸方向の長さが軸受5の軸方向の長さより長い。第二壁部632Bは、内周面が軸受5の外周全面に接触している。第二壁部632Bは、先端部が軸受5より電動モータ3側に突出している。
【0072】
熱伝導部材64Bは、圧縮機構2のインペラ24の背面側に面して配置されている。熱伝導部材64Bは、伝導性の良い金属材料で構成されている。より詳しくは、熱伝導部材64Bは、排出通路23を通過する流体より高い熱伝導率を有する金属材料で構成されている。熱伝導部材64Bは、断熱材63Bより高い熱伝導率を有する金属材料で構成されている。熱伝導部材64Bは、排出通路23を通過する流体が熱伝導部材64Bより高温のとき、圧縮機構2において生じた熱を受け取る。熱伝導部材64Bは、熱伝導部材64Bが第二ハウジング62Bの第四接触部624Bより高温のとき、受け取った熱を第四接触部624Bを介して空冷フィン61へ伝達する。
【0073】
次に、このように構成された冷却構造6Bの作用について説明する。
【0074】
圧縮機構2において生じた熱は、排出通路23を流れる流体が第二ハウジング62Bの第三接触部623Bより高温のとき、第三接触部623Bに伝達する。
【0075】
圧縮機構2において生じた熱は、圧縮機構2のインペラ24の背面側が熱伝導部材64Bより高温のとき、熱伝導部材64Bに伝達する。熱伝導部材64Bは、熱伝導部材64Bが第四接触部624Bより高温のとき、伝達された熱を第二接触部622Bに伝達する。第二接触部622Bは、第二接触部622Bが空冷フィン61より高温のとき、伝達された熱を空冷フィン61へ伝達する。
【0076】
以上説明したように、本実施形態によれば、圧縮機構2のインペラ24の背面側に熱伝導部材64Bを配置することによって、圧縮機構2において生じた熱を受け取ることができる。また、熱伝導部材64Bと軸受5と第二ハウジング62Bとの間に断熱材63Bを配置することによって、軸受5が高温になることを抑制することができる。このようにして、本実施形態によれば、圧縮機構2において生じた熱を、第一ハウジング21と第二ハウジング62Bと熱伝導部材64Bとから空冷フィン61を介してより冷却することができる。
【0077】
本実施形態によれば、熱伝導部材64Bに圧縮機構2において生じた熱が移動することで、圧縮機構2のインペラ24が金属材料など高い熱伝導率を有する材料で構成されている場合、圧縮機構2において生じた熱のインペラ24への移動量を小さくすることができる。このように、本実施形態によれば、排出通路23近傍においてより効率的に冷却することができる。
【0078】
本実施形態によれば、熱伝導部材64Bに圧縮機構2において生じた熱が移動することで、圧縮機構2のインペラ24が樹脂などの低い熱伝導率を有する材料で構成されている場合、圧縮機構2において生じた熱の熱伝導部材64Bへの移動量をより大きくすることができる。このように、本実施形態によれば、排出通路23においてより効率的に冷却することができる。