(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6726691
(24)【登録日】2020年7月1日
(45)【発行日】2020年7月22日
(54)【発明の名称】可変型前弯椎体間スペーサ
(51)【国際特許分類】
A61F 2/44 20060101AFI20200713BHJP
【FI】
A61F2/44
【請求項の数】18
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-564853(P2017-564853)
(86)(22)【出願日】2016年6月17日
(65)【公表番号】特表2018-520754(P2018-520754A)
(43)【公表日】2018年8月2日
(86)【国際出願番号】US2016038019
(87)【国際公開番号】WO2016205607
(87)【国際公開日】20161222
【審査請求日】2019年4月3日
(31)【優先権主張番号】14/741,939
(32)【優先日】2015年6月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507400686
【氏名又は名称】グローバス メディカル インコーポレイティッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】フォールヘイバー,カート
【審査官】
白土 博之
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2014/151172(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0270965(US,A1)
【文献】
特表2015−500706(JP,A)
【文献】
特表2005−509487(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
脊椎固定処置を可能にするための、可変型前弯椎体間スペーサを含む装置であって、
前表面及び後表面を有するフェイスプレートであって、前記フェイスプレートの一部を貫いて形成された、少なくとも1つの作動溝と少なくとも2つの安定部溝とを更に有するフェイスプレートと、
略U字状の構成のエンドプレートベースによって連結された第1及び第2のエンドプレートアームをそれぞれが有する上側及び下側エンドプレートであって、各エンドプレートアームが前記ベースの反対側の蝶番を介して前記フェイスプレートの前記後表面に連結され、各エンドプレートアームが上表面及び下表面上に傾斜凹部を有する、上側及び下側エンドプレートと、
前記上側エンドプレートと前記下側エンドプレートとの間に位置付けられ、略U字状の構成のフレームベースによって連結された第1及び第2のフレームアームを有する作動フレームであって、各フレームアームが前記フレームベースの反対側に安定部特徴を有しかつ対応する安定部溝を通るように構成され、各フレームアームが上表面上及び下表面上に、対応する傾斜凹部に嵌合する作動傾斜ピンを有し、前記作動フレームが、各フレームアーム間の前記フレームベースの内側に形成される受け部を更に備える、作動フレームと、
頭部と、本体部と、螺刻端部とを有する作動ねじであって、前記作動ねじ本体部が前記作動溝を通り、前記頭部が前記前表面に保持され、前記螺刻端部が前記作動フレームの前記受け部に螺着され、操作されると、前記上側エンドプレートと前記下側エンドプレートとの間で前記作動フレームを移動させて、その間に形成される角度を調節する作動ねじと、を備える、装置。
【請求項2】
前記少なくとも2つの安定部溝が、それぞれ前記第1及び第2のフレームアームを受け入れるように寸法設定及び構成された十字形の凹部の形態をしている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記作動ねじは、回転させられると、前記フェイスプレートに向かって前記作動フレームを移動させて、前記上側エンドプレートと下側エンドプレートとの間に形成される前記角度を調節する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記フェイスプレートの前記前表面に形成された少なくとも1つのブロックアセンブリを更に備え、各ブロックアセンブリは、ブロックねじ及びブロックねじ溝を備え、前記ブロックアセンブリによって前記ブロックねじを前記対応するブロックねじ溝に螺挿できる、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
1つのブロックアセンブリが前記作動ねじの前記頭部に隣接して配置され、前記1つのブロックアセンブリの前記ブロックねじは、締め付けられると、前記作動ねじの動作を妨げる、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記フェイスプレートを貫いて前記前表面と前記後表面との間に形成された少なくとも1つの骨ねじ溝を更に備え、1つのブロックアセンブリが対応する骨ねじ溝に隣接して配置され、前記1つのブロックアセンブリの前記ブロックねじは、締め付けられると、前記対応する骨ねじ溝内に骨ねじを保持する、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記上側エンドプレート及び前記下側エンドプレートの各々は、中央ハウジングを更に含み、前記中央ハウジングは、各対応するエンドプレートアームの間に、前記各対応するエンドプレートアームと平行に形成され、一端が前記対応するエンドプレートベースに連結され、前記上側エンドプレートの中央ハウジング及び前記下側エンドプレートの中央ハウジングは間に受け溝を形成し、前記作動フレームが前記フェイスプレートに対して移動すると、前記作動フレームの前記受け部が前記受け溝によって案内される、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記フェイスプレートの前記前表面に形成された、少なくとも1つのツールキー止め凹部及び少なくとも1つのねじ凹部を更に備え、前記少なくとも1つのツールキー止め凹部及び前記少なくとも1つのねじ凹部は、前記装置を対応するツールに固定するように形成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記フェイスプレートの前記後表面は、前記作動ねじの前記本体部を通過させて案内する前記作動溝を有する突起を含み、前記突起は前記蝶番に更に連結されている、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記蝶番は、ピンを介して前記フェイスプレートの前記後表面に連結される前記各エンドプレートアームの一端に配置されるタブを備え、前記タブは、前記ピンを介して前記フェイスプレートの前記後表面の対応するピン凹部に固定される、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記蝶番のための隙間を提供するように前記フェイスプレートの前記後表面にテーパ状壁が形成される、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記上側エンドプレート及び前記下側エンドプレートの各々が、前記作動フレームの外側フレームベース上に形成されたつまみを受容するように前記エンドプレートベースに形成された凹部を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記上側エンドプレート、前記下側エンドプレート、及び作動フレームの前記略U字状の構成の内側のエリアがグラフト窓領域を形成し、前記グラフト窓領域により前記可変型前弯椎体間スペーサ内にグラフト材料を挿入できる、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
隣接する2つの椎骨間に移植されるように構成されたスタンドアロン可変型前弯椎体間スペーサであって、
前表面及び後表面を有するフェイスプレートであって、前記フェイスプレートが、前記フェイスプレートの一部を貫いて形成された少なくとも1つの作動溝と、少なくとも1つの安定部溝とを更に有し、前記少なくとも1つの安定部溝が十字状の凹部を有する、フェイスプレートと、
エンドプレートベースによって連結された第1及び第2のエンドプレートアームを各々が有する上側及び下側エンドプレートであって、各エンドプレートアームが前記ベースの反対側の蝶番を介して前記フェイスプレートの前記後表面に連結され、各エンドプレートアームが上表面及び下表面上に傾斜凹部を有する、上側及び下側エンドプレートと、
前記上側エンドプレートと前記下側エンドプレートとの間に位置付けられ、フレームベースによって連結された第1のフレームアーム、第2のフレームアーム、及び中央コアを有する作動フレームであって、各フレームアームが、各フレームアームの一部に沿って延び、前記フェイスプレートの前記十字状の凹部に受容するように構成された傾斜した突起を有する、作動フレームと、
頭部と、本体部と、螺刻端部とを有する作動ねじであって、前記作動ねじ本体部が前記作動溝を通り、前記頭部が前記フェイスプレートに保持され、前記螺刻端部が前記作動フレームの受け部に螺着され、前記スペーサが、前記上側及び下側エンドプレートが互いに接触している折り畳んだ位置と、前記上側及び下側エンドプレートが互いに距離をおいて離れている拡張した位置とを有する、作動ねじと、を備えるスペーサ。
【請求項15】
前記作動フレームが、前記作動フレームの上表面及び下表面上に分散した垂直な突起の形態で作動傾斜ピンを含む、請求項14に記載のスペーサ。
【請求項16】
前記作動傾斜ピンが前記第1及び第2のフレームアームから垂直に延びている、請求項15に記載のスペーサ。
【請求項17】
前記拡張した位置にあるとき、上側エンドプレートと下側エンドプレートとの間に間隙が形成される、請求項14に記載のスペーサ。
【請求項18】
前記作動ねじは、回転させられると、前記フェイスプレートに向かって前記作動フレームを移動させて、前記上側エンドプレートと下側エンドプレートとの間に形成される角度を調節する、請求項14に記載のスペーサ。
【発明の詳細な説明】
【0003】
本発明は、人工椎間板に関し、特に、椎体間で所望の空間を占めるようにインサイチュで調節または拡張される前弯椎体間スペーサに関する。
【0005】
脊椎固定術は、2つの椎骨の間の骨の成長を促進するため用いられる外科手術である。この処置は、2つの椎骨間で骨が成長する間、脊椎を安定させるために、例えば、移植材料を詰めた椎体間デバイスなどのスペーサを椎間板腔に移植することを含む。骨移植材料が癒着するにつれ、隣接する椎骨とともに1本の長い骨が形成される。その目的は、痛み及び神経刺激を軽減するために椎骨間の動きをなくすことである。
【0006】
椎体間固定術は、椎間板の切除を伴う場合がある。椎間板隙が空にされると、隣接する2つの椎間板腔に椎体間デバイスが移植される。これらのデバイスは、骨治癒を促進して癒着を促す骨移植材料を含むこともできる。挿入後、脊椎を更に安定させるために、外科医が(例えば、骨)ねじ、プレート、及びロッドを使用する場合がある。椎体間固定術は、種々の異なる手法を用いて実施することができ、前方経路腰椎椎体間固定術では、患者の前方から処置が行われる。
【0007】
前弯角は、腰椎のカーブの測度として使用される、第2腰椎の上部(上表面)と第5腰椎の下部(下表面)との間の角度である。場合によっては、脊椎固定術中に前弯角を調節または固定して、脊椎の前弯を調節することが望ましい。
[発明の概要]
【0008】
この「発明の概要」は、「発明を実施するための形態」で以下に更に説明される一連の概念を簡素な形で紹介するように記載されている。この「発明の概要」は、請求項記載の主題の主要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図するものでも、請求項記載の主題の範囲を限定するために使用されることを意図するものでもない。
【0009】
一実施形態において、本発明は、フェイスプレート、上側及び下側エンドプレート、作動フレーム、及び作動ねじを含む可変型前弯椎体間スペーサを組み合わせた脊椎固定処置を可能とする。フェイスプレートは前表面及び後表面を含み、少なくとも1つの作動溝と、前表面から後表面へフェイスプレートを貫いて形成された少なくとも2つの安定部溝を更に有する。上側及び下側エンドプレートの各々は、略U字状構成のベースによって連結された第1及び第2のエンドプレートアームを有し、各エンドプレートアームは、ベースの反対側にある蝶番を介してフェイスプレートの後表面に連結されている。各エンドプレートアームは、上表面上及び下表面上に傾斜凹部を含む。作動フレームは、上側エンドプレートと下側エンドプレートとの間に位置付けられ、作動フレームは、略U字状の構成のフレームベースによって連結された第1及び第2のフレームアームを有し、各作動フレームは、フレームベースの反対側に安定部特徴を有しかつ対応する安定部溝を通るように構成され、作動フレームは、フレームベースの内側に形成される受け部を更に含んでいる。各フレームアームは、上表面上及び下表面上に、対応する傾斜凹部に嵌合する作動傾斜ピンを含む。作動ねじは、頭部と、本体部と、螺刻端部とを有し、作動ねじ本体部が作動溝を通り、頭部が前表面に保持され、螺刻端部が作動フレームの受け部に螺着される。作動ねじは、操作されると、上側エンドプレートと下側エンドプレートとの間で作動フレームを移動させて、その間の角度を調節する。
【0010】
別の実施形態によれば、処置の方法は、隣接する椎骨の間の椎間板腔に可変型前弯椎体間スペーサを挿入すなわち移植することを含む。可変型前弯椎体間スペーサは、例えば、折り畳んだ位置すなわち閉位置で挿入してもよい。可変型前弯椎体間スペーサは、椎間板腔に移植されて、適切な位置に取り付けた後、拡張した位置すなわち開位置に動かしたり広げたりすることができる。詳細には、椎体間固定術中にインサイチュで前弯角の調節を介して、可変型前弯椎体間スペーサの位置を広げて患者の脊柱前弯の位置を調節できる。1つ以上の可変型前弯椎体間スペーサまたは他の固定装置を椎間腔に挿入できると考えられる。また、各可変型前弯椎体間スペーサを完全に拡張した状態で最終的に取り付けなくてもよいと考えられる。それどころか、椎間板腔内の可変型前弯椎体間スペーサの位置に応じて、可変型前弯椎体間スペーサの高さを拡張していない状態から完全に拡張した状態に変更させることもできる。
[図面の簡単な説明]
【0011】
本発明の他の態様、特徴、及び利点は、以下の詳細な説明、添付請求項、及び同様の参照番号が同様または同一の構成要素を示す添付図面から更に明らかになるであろう。
【0012】
[
図1]一実施形態による、フェイスプレート、上側及び下側エンドプレート、作動フレーム、作動ねじなどの分離された構成要素を備える可変型前弯椎体間スペーサの分解上方正面図を示す。
[
図2]折り畳んだ位置にある、
図1の可変型前弯椎体間スペーサの上方斜視図を示す。
[
図3]折り畳んだ位置にある、
図1の可変型前弯椎体間スペーサの右側面図を示す。
[
図4]開位置すなわち拡張した位置にある、
図1の可変型前弯椎体間スペーサの上方斜視背面図を示す。
[
図5]開位置すなわち拡張した位置にある、
図1の可変型前弯椎体間スペーサの右側を示す。
[
図6]
図1の可変型前弯椎体間スペーサのフェイスプレートの後面の背面図を示す。
[
図7]
図1の可変型前弯椎体間スペーサのフェイスプレートの前面の正面図を示す。
[
図8]
図1の可変型前弯椎体間スペーサのフェイスプレートの前面に位置付けられたブロックねじ、作動ねじ、及びねじ保持部プレートを示す。
[
図9]
図1の可変型前弯椎体間スペーサの上側エンドプレートの上面図を示す。
[
図10]
図1の可変型前弯椎体間スペーサの上側エンドプレートの下面図を示す。
[
図11]
図1の可変型前弯椎体間スペーサの下側エンドプレートの下面図を示す。
[
図12]
図1の可変型前弯椎体間スペーサの下側エンドプレートの上面図を示す。
[
図13]
図1の可変型前弯椎体間スペーサの作動フレームの上方正面図を示す。
[
図14]
図1の可変型前弯椎体間スペーサの作動フレームの下方背面図を示す。
[
図15]
図1の可変型前弯椎体間スペーサのフェイスプレート及び作動フレームから形成されたサブアセンブリの斜視図を示す。
[
図16]
図1の可変型前弯椎体間スペーサのフェイスプレート、下側エンドプレート、及び作動フレームから形成されたサブアセンブリの別の斜視図を示す。
[
図17]
図1の可変型前弯椎体間スペーサのフェイスプレートの後面の保持用蝶番接続部を示す。
[
図18]折り畳んだ位置への作動ねじの動作を示す、
図1の可変型前弯椎体間スペーサの中心軸に沿って切った右側面図を示す。
[
図19]開位置への作動ねじの動作を示す、
図1の可変型前弯椎体間スペーサの中心軸に沿って切った右側面図を示す。
[
図20]折り畳んだ位置への作動ねじの動作を示す、
図1の可変型前弯椎体間スペーサの右側アームに沿って切った右側面図を示す。
[
図21]開位置への作動ねじの動作を示す、
図1の可変型前弯椎体間スペーサの右側アームに沿って切った切断右側面図を示す。
[
図22]
図1の可変型前弯椎体間スペーサの骨ねじを含むフェイスプレートの前面の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
記載される実施形態によれば、可変型前弯椎体間スペーサは、フェイスプレートと、蝶番を介してフェイスプレートに連結される上側及び下側エンドプレートと、エンドプレート間の作動フレームと、作動ねじとを含む。フェイスプレートは、作動溝と安定部溝を含む。エンドプレートの各々は、エンドプレートベースによって連結されたエンドプレートアームを有し、作動傾斜凹部を含む。作動フレームは、略U字状の構成のフレームベースによって連結されたフレームアームを含み、各作動フレームアームは、対応する安定部溝を通り、対応する傾斜凹部に嵌合する作動傾斜ピンを有する安定部特徴を有する。作動ねじは、頭部が前表面に保持され、螺刻端部が作動フレームに連結された状態で、作動溝を通る。作動ねじは、操作されると、上側エンドプレートと下側エンドプレートとの間で作動フレームを移動させて、その間の角度を調節する。記載された実施形態による可変型前弯椎体間スペーサにより、外科医が椎体間固定術中にインサイチュで前弯角の調節を介して患者の脊柱前弯の位置を調節できる。
【0014】
図1は、本発明の例示実施形態による、フェイスプレート10、上側エンドプレート11、下側エンドプレート12、作動フレーム13、及び作動ねじ14を含む、分離された構成要素を備える可変型前弯椎体間スペーサ100の分解上方正面斜視図を示す。フェイスプレート10は、正面10a、背面10b、上部10c、及び下部10dを含む。本明細書で使用されるとき、「面(face)」という用語は、一般に、表面に1つ以上の特徴を有することがある特定の表面のことを指す。上側エンドプレート11は、第1のアーム11aと、第2のアーム11bと、略U字状のベース11cと、中央ハウジング11dと、ベース11cの中央に形成された凹部11eとを含む。上側エンドプレート12は、第1のアーム12aと、第2のアーム12bと、略U字状のベース12cと、中央ハウジング12dと、ベース12cの中央に形成された凹部12eとを含む。
【0015】
作動フレーム13は、第1のアーム13aと、第2のアーム13bと、略U字状のベース13cと、中央コア13dと、ベース13cの中央に形成されたつまみ13eとを含む。ベース13cの中央に形成されたつまみ13eは、図示されるように、凹部11eと12eに嵌合するように構成してもよい。以下に説明されるように、つまみ13eは、凹部11eと12eに嵌合して、力による横方向の動きを防止するように上側エンドプレート11と下側エンドプレート12との間で作動フレーム13を案内し、また、作動ねじ14が操作されると、上側エンドプレート11と下側エンドプレート12を離間させ始めるように構成してもよい。作動ねじ14は、頭部14aと、下部と、螺刻端部14bと、本体部14cと、を含む。作動ねじ14は、前面10aに固定されたねじ保持部プレート200によってフェイスプレート10内に保持される。
【0016】
以下に説明されるように、前弯椎体間スペーサ100は、対応するブロックねじ溝17b、18b、及び19bに螺挿できるブロックねじ17a、18a、及び19aを備えるブロックアセンブリ17、18、及び19を含む。
【0017】
上側エンドプレート11及び下側エンドプレート12は、蝶番21と22を介してフェイスプレート10の背面10bに連結される。蝶番21は、ピン21a、ならびに上側エンドプレート11及び下側エンドプレート12のそれぞれの連結用の耳部21bと21cを含む。同様に、蝶番22は、ピン22a、ならびに上側エンドプレート11及び下側エンドプレート12のそれぞれの耳部22bと22cを含む。
【0018】
図2は、折り畳んだ位置にある
図1の可変型前弯椎体間スペーサ100の上方背面斜視図を示す。
図3は、例示実施形態による折り畳んだ位置にある
図1の可変型前弯椎体間スペーサ100の右側を示す。明らかなように、上側エンドプレート11及び下側エンドプレート12は、実質的に互いに接触している。特に、つまみ13eは、上側及び下側エンドプレート11、12が最小の高さとなるように上側及び下側エンドプレート11、12の凹部11e及び12eの少なくとも一部に嵌合するように寸法設定及び構成されている。つまみ13eは、上側及び下側エンドプレート11、12の最も外側の端部と実質的に同一平面上であってもよい。また、椎間板腔に入るように設計された上側及び下側エンドプレート11、12の端部は、スペーサ100が椎間腔に挿入されると隣接する椎体を分けるよう作用する少なくとも1つの傾斜表面を含んでいてもよい。
図3に最も分かりやすく示されているように、スペーサ100が椎間腔に挿入されると隣接する椎体を分ける略くさび形を形成する、向かい合う少なくとも2つの傾斜表面があってもよい。
【0019】
図4は、開位置すなわち拡張した位置にある、
図1の可変型前弯椎体間スペーサ100の上方背面斜視図を示す。
図4に示され、
図2及び
図3と比較されるように、開位置すなわち完全に拡張した位置では、作動フレーム13がフェイスプレート10の背面10aに向かって動かされて、上側エンドプレート11及び下側エンドプレート12を分離させる。開位置のとき、上側エンドプレート11と下側エンドプレート12との間に間隙30が形成される。
図5は、開いた、すなわち、完全に拡張した位置にある、
図1の可変型前弯椎体間スペーサ100の右側を示す。
図5に示されるように、開位置のとき、上側エンドプレート11と下側エンドプレート12との間に形成された間隙30は、上側エンドプレート11と下側エンドプレート12との間に角度φを成す。したがって、上側及び下側エンドプレート11、12それぞれの上及び下接触表面は、平行配置を維持しない。そうではなく、上側及び下側エンドプレート11、12の上及び下接触表面は、対応する患者の解剖学的構造に合うように傾けられる。その結果、上側エンドプレート11と下側エンドプレート12との間の角度φにより、外科医は、前湾角度の調節を介して患者の脊柱前湾の位置を調節することが可能となる。作動フレーム13が引っ張られると、上側エンドプレート11と下側エンドプレート12の間との角度φが増加する。すなわち、作動フレーム13がスペーサ100の端部からの距離を決めると、上側エンドプレート11と下側エンドプレート12との間の角度φが増加することにより、上側及び下側エンドプレート12の端部間の離れ度合いが大きくなり、角度φが大きくなり、間隙30が大きくなる。
図4及び
図5では、最大角度φの完全拡張構成で示されているが、完全拡張状態までスペーサ100を作動させなくてもよいと考えられる。むしろ、完全に折り畳んだ位置から完全に拡張した位置までの任意の適切な位置及びその間のどこかに対して、スペーサ100の高さ、角度φ、及び間隙30を最適化できる。
【0020】
図6は、
図1のフェイスプレート10の背面10bの斜視図を示す。背面10bは、安定部溝15と16及び作動溝20を含む。安定部溝15と16は、作動フレーム13の第1のアーム13a及び第2のアーム13bをそれぞれ受け入れるように寸法設定及び構成される。安定部溝15と16、第1のアーム13a、及び第2のアーム13bは、キー止めされるように構成されているので、力を受けると第1のアーム13a及び第2のアーム13bを案内して、その回転動を防止する。特に、
図6に示されるように、安定部溝15と16は、作動フレーム13のアーム13a、13b上の対応するT字状の延長部を受け入れるように寸法設定及び構成された実質的に十字状の凹部を備えていてもよい。十字状の凹部の他の部分は、ピン21aと22aをそれぞれ受け入れることができる(
図1の分解図に最も分かりやすく示されている)。安定部溝15と16と、アーム13a、13b上の対応する延長部とにより、スペーサ100の拡張時または折りたたみ時に作動フレームを動かせることが好ましい。
【0021】
また
図6に示されるように、作動溝20は、フェイスプレート10を通り、突起60を貫通してもよい。蝶番21と22の保持ピン21aと22aを受け入れ、それによって上側エンドプレート11及び下側エンドプレート12をフェイスプレート10の背面10bに連結するための穴38(突起60の反対側の、図示されている穴38aと図示されていない穴38b)を有する突起60が示されている。背面10bは、それぞれ蝶番21及び22のための隙間を提供するための上側テーパ状壁35aと下側テーパ状壁35bを備えて形成されていてもよい。
【0022】
図7は、
図1の可変型前弯椎体間スペーサ100のフェイスプレート10の前面10aの斜視図を示す。(図に示されていない)ツールを用いてユーザが可変型前弯椎体間スペーサ100を保持できるようにするために、フェイスプレート10に、穴36a、36b、及び36cとして示されている1つ以上のキー止め穴36とねじ穴37が設けられていてもよい。キー止め穴36a、36b、及び36cは、スペーサ100を動かないように保持し、可変型前弯椎体間スペーサ100を安定した状態に維持するように、ツールの対応する特徴にキー止めされる。ねじ穴37は、可変型前弯椎体間スペーサ100の前面10aに、対応する螺刻またはツールのテーパ付き構成要素を固定できるように設けられていてもよい。
【0023】
図8は、可変型前弯椎体間スペーサ100のフェイスプレート10の前面10aに位置付けられる、対応するブロックねじ17a、18a及び19aと、ブロックねじ溝17b、18b及び19bとを含むブロックねじアセンブリ17、18及び19を示す。
図8は、可変型前弯椎体間スペーサ100に骨ねじを通し、このスペーサ100を患者の椎骨(脊椎)に固定させる骨ねじ溝40、41、42、及び43も示す。フェイスプレート10の上部10cと下部10dに、突起すなわちアイブローが設けられてもよい。骨ねじ溝40、41、42、及び43は、隣接する上下の椎骨に骨ねじをそれぞれ固定させ、椎骨に最大のねじ式てこ(screw purchase)を提供する角度で設けられていてもよい。骨ねじは、固定角または可変角を含む、当業界で既知の任意の適切なねじであってもよい。示されているように、ブロックねじ17a、18a、及び19aは、その全長がブロックねじ溝17b、18c及び19dに挿入されると、ブロックねじの頭部17c、18c、及び19cが骨ねじ溝40、41、42、及び43の一部を覆い、骨ねじ溝40、41、42、及び43内に骨ねじを保持させる(例えば、骨ねじが可変型前弯椎体間スペーサ100から外れるのを防止する)。
【0024】
図9は、
図1の可変型前弯椎体間スペーサ100の上側エンドプレート11の上面斜視図を示す。図に示されるように、いずれもベース11c及びフェイスプレート10の背面10bで囲まれる、第1のアーム11aと中央ハウジング11dとの間の体積(空所)及び第2のアーム11bと中央ハウジング11dとの間の体積(空所)によってグラフト窓領域45が形成される。グラフト窓領域45により、可変型前弯椎体間スペーサ100内にグラフト材料を挿入できる。窓領域45は、隣接する椎体の固定を促進するように1つ以上の骨グラフトを受け入れて保持するように構成されてもよい。例えば、死体骨、自家骨、骨懸濁液、BMP、または他の同様な材料は、椎間腔内部の組織成長を増強し得る。
【0025】
図10は、作動傾斜凹部46及び47を含む、
図1の可変型前弯椎体間スペーサ100の上側エンドプレート11の下表面を示す。
図10では、アーム表面ごとに傾斜凹部エリアが2つあると記載されているが、本発明は限定されず、当業者は、アーム表面ごとにより多いまたはより少ない傾斜凹部エリアを使用するであろう。作動傾斜凹部46と47の各傾斜凹部エリアは、各傾斜凹部エリアがフェイスプレート10(
図10に示されていない)の背面10bに連結されたアーム11aと11bの端部に向かって狭くなり、ベース11cに向かって深くなる状態で、その下部に傾斜を含む。作動傾斜凹部46と47の各傾斜凹部エリアは、第1のアーム11a及び第2のアーム11bの内部にベース11cに向かって形成された対応する壁止め(壁止め48と49)に囲まれている。また
図10に示されるように、中央ハウジング11dは、以下に説明される作動ねじ受け溝120の半分を形成する中空エリアを下部に含む。
【0026】
図11は、可変型前弯椎体間スペーサ100の下側エンドプレート12の下表面斜視図を示す。下側エンドプレート12は、対応する止め壁52と53をそれぞれ備える作動凹部50と51を含む。
図12は、
図1の可変型前弯椎体間スペーサ100の下側エンドプレート12の上部を示すとともに、グラフト材料のためのグラフト窓領域45を示す。下側エンドプレート12の上部及び下部は、上側エンドプレート11の対応する上部及び下部と同様の特徴を含み、同様に構成され形成されているので、ここでは、これ以上の詳細な説明を省略する。
【0027】
図13は、
図1の可変型前弯椎体間スペーサ100の作動フレーム13の上方後表面を示す。示されているように、上表面は、安定部26と27及び作動傾斜ピン66と67を含む。特に、安定部26と27の各々は、上述した通り、第1のアーム13aと第2のアーム13bの軸線に沿って、第1のアーム13aと第2のアーム13bのフェイスプレート10に向かう対応する端部において、作動フレーム13の上表面上の垂直な突起によって形成されており、フェイスプレート10内の対応する安定部溝でキー止めされる。各安定部26と27の垂直な突起は、実施形態に応じて、対応するアームに沿って先細にしてもよい。特に、安定部26と27は、フレーム13のアーム13aと13bの最外端で最大の高さとなり、アーム13aと13bに沿った距離が最も狭くなる。安定部26と27の傾斜付き突起は、アーム13aと13bの距離の一部(例えば、約半分)またはフレーム13の距離全体に沿って延びていてもよい。
【0028】
更に
図13は、第1のアーム13aと第2のアーム13bの軸線に垂直で、第1のアーム13aと第2のアーム13bのベース13cに向かって対応する端部にある、作動フレーム13の上表面に分散した垂直な突起である作動傾斜ピン66と67を示す。作動傾斜ピン66と67は、対応する作動傾斜凹部46と47に嵌合して内部で移動するように作動フレーム13の上表面に位置付けられている。作動傾斜ピン66と67各々は、66aと66b及び67aと67bでそれぞれ示されている別個の2つのピンを備えるが、当業者であれば、実施形態に応じて1つの作動傾斜ピンまたは3つ以上の作動傾斜ピンを採用するように本明細書の教示事項を拡張させることができるであろう。
【0029】
図14は、その底面に安定部26と27及び作動傾斜ピン66と67も含む作動フレーム13の底面図である。作動フレーム13は、ベース13cの内部に、つまみ13eと反対側に形成された作動ねじ受け13dも含んでいる。作動ねじ受け13dは、(
図14に示されていない)作動ねじ14の螺刻ベース14bを受け入れるように寸法設定及び構成されたねじ穴55を含む。作動ねじ受け13dの外側表面は、(
図14に示されていない)中央ハウジング11dと12dの中空エリアによって形成されている作動ねじ受け溝120内を限定された態様で移動する形状に形成されていてもよい。
【0030】
作動フレーム13の向かい合った下側の前表面及び下側の後表面は、
図13に示される作動フレーム13の対応する上側の前表面及び上側の後表面と同様の特徴を含み、同様に構成及び形成されているので、ここでは、作動フレーム13の下側の前表面及び下側の後表面のこれ以上の詳細な説明を省略する。
【0031】
図15、16、及び17は、スペーサ100の追加的な細部を示す。
図15は、フェイスプレート10と作動フレーム13で形成されたサブアセンブリを示し、作動ねじ14の螺刻端部14bを介した作動フレーム13へのフェイスプレート10の連結、ならびに、対応する安定部溝15と16への安定部26と27のそれぞれの挿入を記載する。
図16は、可変型前弯椎体間スペーサ100のフェイスプレート10の背面10b上の蝶番21と22の構成に関する詳細を示す。特に、
図16は、追加された下側エンドプレート12と一緒に形成される
図15のサブアセンブリを示し、ピン21aと22aによって蝶番21と22にそれぞれ固定されたタブ21cと22cを示す。
図17は、フェイスプレート10の背面10bの保持用蝶番接続部を示し、(
図1の分解図が最も分かりやすく見える)ピン21aと22aを受け入れるためのピン凹部38a〜38dを示す。
【0032】
ここで、
図1の可変型前弯椎体間スペーサ100の動作を、
図18から
図21について説明する。
【0033】
図18は、スペーサ100が折り畳んだ位置でも、作動ねじ14の動作を示す、可変型前弯椎体間スペーサ100の中心軸に沿って切った右側面図を示す。折り畳んで一から開始して、作動ねじ14が時計方向に回転されると、作動ねじ受け13dのねじ穴55の中で螺刻端部14bが回転する。頭部14aがねじ保持部プレート200によって保持されるので、作動ねじ14は、回転することを除き、フェイスプレート10に対する位置を変えず、回転によって作動ねじ受け13dに引張力を印加する。その結果、作動フレーム13がフェイスプレート10に向かって引っ張られ、上側エンドプレート11及び下側エンドプレート12を離間させる。上側エンドプレート11及び下側エンドプレート12は、蝶番21と22を介してフェイスプレート10の背面10bに連結され、これによって、アームのエンドプレートは移動せずに蝶番ピンのまわりを回転する。
【0034】
図19は、スペーサ100を開位置すなわち拡張した位置へ移動させる作動ねじ14の動作を示す、可変型前弯椎体間スペーサ100の中心軸に沿って切った右側を示す。したがって、
図19に示される開位置において、上側エンドプレート11と下側エンドプレート12のと間のそれぞれベースで間隙30が形成され、(
図5に示される)上側エンドプレート11と下側エンドプレート12との間に角度φを生じる。
図19に示されるように、フレーム13のつまみ13eがスペーサ100の本体に差し込まれる。作動ねじ14が回転されると、作動フレーム13がフェイスプレート10に向かって引っ張られ、上側エンドプレート11と下側エンドプレート12との間の角度φが大きくなり、間隙30が増大し、上側エンドプレート11と下側エンドプレート12との間に大きな角度を生成する。
【0035】
図20は、可変型前弯椎体間スペーサ100の右側を切り取った右側のアームを示し、折り畳んだ位置における作動ねじ14を示す。
図21は、可変型前弯椎体間スペーサ100の右側を切り取った右側のアームを示し、開位置すなわち拡張した位置への作動ねじ14の動作を示す。最初に、
図20に示されるように、作動傾斜ピン46が壁止め48と52に抗して傾斜凹部67の下部にあるとき、エンドプレート11と12は閉じられている。作動ねじ14が第1の方向(例えば、時計回り)に回転されると、作動傾斜ピン46が傾斜凹部46と50の底部で傾斜に乗り、それに伴ってエンドプレート11と12が開かれる。その結果、
図21に示されるように上側エンドプレート11及び下側エンドプレート12が互いに離間される。
【0036】
図22は、対応する骨ねじ溝40、41、42、及び43内に骨ねじ70、71、72、及び73を含むフェイスプレート10の前面10aを示す。示されているように、ブロックねじアセンブリ17、18、及び19は、対応する骨ねじ溝40、41、42、及び43内に骨ねじ70、71、72、及び73を保持するように作用する。骨ねじ70、71、72、及び73が、対応する骨ねじ溝40、41、42、及び43に挿通された後、ブロックアセンブリ17、18、及び19を回転して骨ねじが意図せず出てくることをブロックし、防止することができる。特に、ブロックねじアセンブリ17は、骨ねじ70をブロックし、ブロックねじアセンブリ18は、骨ねじ71と72をブロックし、ブロックねじアセンブリ19は、骨ねじ73をブロックする。このように、ブロックねじアセンブリ17、18、及び19は、一旦椎骨に移植されると、骨ねじ70、71、72、及び73がフェイスプレート10から出てくることを防止するように作用する。示されていないが、上側及び下側エンドプレート11と12は、移植後のスペーサ100の移動のようなものを減少させるために、体組織に係合または貫通できる歯または他の突起部を任意で備えることができる。これらの特徴により、スペーサ100は追加の固定を要せずに、スタンドアロンのスペーサとして有利に役立ち得る。
【0037】
本発明によれば、患者の解剖学的構造に最も合うように種々のサイズのインプラントを提供できる。他の関節についてはもっと異なる値が有利な場合があるが、例えば、頸部に適用する場合は0°〜6°、腰部に適用する場合は3°〜16°の自然前弯または矯正前弯のために、所望の拡張度合いを選択できる。前弯の角度は、エンドプレート11、12の一方または両方が相対的に同一平面上にない表面を有するように整形することによって形成されてもよい。スペーサ100は、椎骨の任意の高さに移植することができ、また、手、手首、肘、肩、臀部、膝、足首、足の関節を含む、体の他の関節にも移植できる。
【0038】
本発明における「一実施形態」または「ある実施形態」への言及は、その実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性を本発明の少なくとも1つの実施形態に含むことができることを意味する。本明細書の種々の個所における「一実施形態において」という句の出現は、必ずしも全て同じ実施形態を指すものではなく、また必ずしも他の実施形態と相互排他的な別個のまたは代替の実施形態を指すものでもない。同じことが、用語「実装形態」にも当てはまる。
【0039】
本明細書で使用されるとき、「例示的」という語は、実施例、例、または例示としての役割を果たすことを意味するために本明細書において用いられる。本明細書で「例示的」と記載される任意の態様または設計は、必ずしも他の態様または設計よりも好ましい、または有利であると解釈されるものではない。むしろ、例示的という語の使用は、概念を具体的な形で提示することを目的としている。
【0040】
また、「または」という用語は、排他的な「または」ではなく、包括的な「または」を意味するものとする。すなわち、特に指定がない限り、または文脈から明らでない限り、「XがAまたはBを用いる」は、自然な包括的置き換えのうちのいずれかを意味するものとする。すなわち、XがAを用いる、XがBを用いる、またはXがA及びBの両方を用いるのであれば、「XはAまたはBを用いる」は上記例のうちのいずれかによって満たされる。本明細書及び添付の請求項で使用される冠詞「a」及び「an」は、特に指定がない限り、または単数形を指していることが文脈から明らかでない限り、「1つ以上」を意味すると一般的に解釈されるべきである。
【0041】
本明細書に記載される主題は、ユーザ対話型コンポーネント有する計算用途のための1つ以上の計算用途の構成/操作を処理するための例証的な実施態様の文脈で説明されているかもしれないが、この主題は、これら特定の実施形態に限定されない。むしろ本明細書に記載の技術は、任意の適切なタイプのユーザ対話型コンポーネント実行管理方法、システム、プラットフォーム、及び/または装置に応用できる。
【0042】
特に明示的に述べられていない限り、各数値及び範囲は、「約」または「およそ」という語が数字または範囲の値に先行しているかのように、近似であると解釈されるべきである。
【0043】
特許項における図番号及び/または図参照符号の使用は、請求項の解釈を容易にするために、請求項記載の主題の1つ以上の可能実施形態を特定することを意図する。そのような使用は、それらの請求項の範囲を、対応する図に示される実施形態に必然的に限定するものと解釈されるべきではない。
【0044】
本明細書に記載される例示的な方法のステップは、必ずしも記載される順序で実行される必要はないことを理解すべきであり、そのような方法のステップの順序は例示に過ぎないことを理解すべきである。同様に、追加のステップがそのような方法に含まれてもよく、本発明の種々の実施形態と一致する方法において、特定のステップが省略されてもよく、または組み合わされてもよい。
【0045】
本明細書の目的のために、「連結する」、「連結」、「連結される」、「接続する」、「接続」、または「接続される」という用語は、2つ以上の構成要素間でエネルギーを伝達できるようにする、当該技術分野で既知であるかまたはこれから開発される任意の態様を指し、必要ではないが、1つ以上の付加的構成要素の介入が企図される。反対に、「直接連結される」、「直接接続される」等の用語は、そのような付加的構成要素が存在しないことを暗示している。
【0046】
この文書で使用される「備える、または、含む」及び/または「備えている、または、含んでいる」は、記載されている構成部品、ステップ、動作、及び/または構成要素に加えて、1つ以上の他の構成部品、ステップ、動作、及び/または構成要素の存在または追加を排除しないことを意味する。
【0047】
本明細書において請求項に記載されていない構成要素は、その構成要素が「手段」または「ステップ」の文言を使用して明示されていなければ、米国特許法第112条第6項に基づいて解釈される。
【0048】
本発明の性質を説明するために記載及び図示された部品の細部、材料、配置の種々の変更は、以下の請求項に包含される本発明の実施形態の範囲から逸脱することなく当業者によって行われ得るものであると理解される。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】一実施形態による、フェイスプレート、上側及び下側エンドプレート、作動フレーム、作動ねじなどの分離された構成要素を備える可変型前弯椎体間スペーサの分解上方正面図を示す。
【
図2】折り畳んだ位置にある、
図1の可変型前弯椎体間スペーサの上方斜視図を示す。
【
図3】折り畳んだ位置にある、
図1の可変型前弯椎体間スペーサの右側面図を示す。
【
図4】開位置すなわち拡張した位置にある、
図1の可変型前弯椎体間スペーサの上方斜視背面図を示す。
【
図5】開位置すなわち拡張した位置にある、
図1の可変型前弯椎体間スペーサの右側を示す。
【
図6】
図1の可変型前弯椎体間スペーサのフェイスプレートの後面の背面図を示す。
【
図7】
図1の可変型前弯椎体間スペーサのフェイスプレートの前面の正面図を示す。
【
図8】
図1の可変型前弯椎体間スペーサのフェイスプレートの前面に位置付けられたブロックねじ、作動ねじ、及びねじ保持部プレートを示す。
【
図9】
図1の可変型前弯椎体間スペーサの上側エンドプレートの上面図を示す。
【
図10】
図1の可変型前弯椎体間スペーサの上側エンドプレートの下面図を示す。
【
図11】
図1の可変型前弯椎体間スペーサの下側エンドプレートの下面図を示す。
【
図12】
図1の可変型前弯椎体間スペーサの下側エンドプレートの上面図を示す。
【
図13】
図1の可変型前弯椎体間スペーサの作動フレームの上方正面図を示す。
【
図14】
図1の可変型前弯椎体間スペーサの作動フレームの下方背面図を示す。
【
図15】
図1の可変型前弯椎体間スペーサのフェイスプレート及び作動フレームから形成されたサブアセンブリの斜視図を示す。
【
図16】
図1の可変型前弯椎体間スペーサのフェイスプレート、下側エンドプレート、及び作動フレームから形成されたサブアセンブリの別の斜視図を示す。
【
図17】
図1の可変型前弯椎体間スペーサのフェイスプレートの後面の保持用蝶番接続部を示す。
【
図18】折り畳んだ位置への作動ねじの動作を示す、
図1の可変型前弯椎体間スペーサの中心軸に沿って切った右側面図を示す。
【
図19】開位置への作動ねじの動作を示す、
図1の可変型前弯椎体間スペーサの中心軸に沿って切った右側面図を示す。
【
図20】折り畳んだ位置への作動ねじの動作を示す、
図1の可変型前弯椎体間スペーサの右側アームに沿って切った右側面図を示す。
【
図21】開位置への作動ねじの動作を示す、
図1の可変型前弯椎体間スペーサの右側アームに沿って切った切断右側面図を示す。
【
図22】
図1の可変型前弯椎体間スペーサの骨ねじを含むフェイスプレートの前面の斜視図を示す。