【課題を解決するための手段】
【0004】
ここで用いる用語「遠位」は、使用者からより遠くにあると記載されている部分を意味し、また、「近位」は、使用者により近くにあると記載されている部分を意味する。更に、本明細書に記載される態様のいずれか又は全ては、矛盾しない範囲で、本明細書に記載される他の態様のいずれか又は全てと組み合わせて使用されてもよい。
【0005】
本開示の態様によれば、第1シャフト部材と、第1シャフト部材から遠位に延在する顎部材と、第2のシャフト部材と、第2のシャフト部材から遠位に延在し、顎部材に対向するように位置付けられた超音波ブレードと、離間位置と近接位置との間での第1のシャフト部材及び第2のシャフト部材の互いに対する移動により、顎部材及び超音波ブレードが、それらの間に組織をクランプするために開放位置とクランプ位置との間で互いに対して移動するように、第1のシャフト部材及び第2のシャフト部材を互いに動作可能に連結する力制限ヒンジアセンブリと、を備える、超音波手術用器具が提供される。力制限ヒンジアセンブリは、第1のシャフト部材又は第2のシャフト部材のうちの一方にその第1の端部において固定的に係合され、第1のシャフト部材又は第2のシャフト部材の他方にその第2の端部において枢動可能に連結されている、ヒンジアームを含む。ヒンジアームは、屈曲して、顎部材と超音波ブレードとの間にクランプされた組織に加えられるクランプ力を調節するように構成されている。
【0006】
本開示の一態様では、ヒンジアームの第1の端部は、第2のシャフト部材に固定的に係合され、ヒンジアームの第2の端部は、第1のシャフト部材に枢動可能に連結される。
【0007】
本開示の別の態様では、ヒンジアームの第1の端部は、第1のシャフト部材又は第2のシャフト部材のうちの1つと一体的に形成される。
【0008】
本開示の更に別の態様では、ピボットピンは、ヒンジアームの第2の端部を第1のシャフト部材又は第2のシャフト部材の他方と枢動可能に連結する。
【0009】
本開示のなお別の態様では、ヒンジアームは、弾性的に可撓性である。
【0010】
本開示の更になお別の態様では、顎部材は、構造体と、構造体上に支持された組織パッドと、を含む。
【0011】
本開示の別の態様では、トランスデューサ及び導波管アセンブリは、第2のシャフト部材によって支持される。トランスデューサ及び導波管アセンブリは、超音波トランスデューサと、超音波トランスデューサに連結され、超音波トランスデューサから遠位に延在する超音波導波管と、を含む。超音波ブレードは、超音波導波管の遠位端に画定される。
【0012】
本開示の別の態様では、トランスデューサ及び導波管アセンブリは、第2のシャフト部材から取り外し可能である。
【0013】
本開示のなお別の態様では、第1のシャフト部材及び第2のシャフト部材のそれぞれは、その近位端に向かって配設されたハンドルを含む。ハンドルは、第1のシャフト部材及び第2のシャフト部材の、離間位置と近接位置との間の互いに対する移動を容易にするように構成されている。
【0014】
本開示の更に別の態様では、起動ボタンは、第2のシャフト部材上に配設される。起動ボタンは、超音波ブレードに超音波エネルギーを供給するために選択的に起動可能である。
【0015】
本開示の更になお別の態様では、ヒンジアームは、顎部材と超音波ブレードとの間にクランプされた組織に加えられるクランプ力を、クランプ力が最大クランプ力を超えることを阻止するように屈曲することによって調節する。
【0016】
本開示の態様によって提供される別の超音波手術用器具は、シャフト部分及びシャフト部分から遠位に延在する顎部材を含む第1のシャフト部材と、トランスデューサ及び導波管アセンブリを支持する第2のシャフト部材と、力制限ヒンジアセンブリと、を備える。トランスデューサ及び導波管アセンブリは、超音波トランスデューサと、超音波トランスデューサに連結され、超音波トランスデューサから遠位に延在する超音波導波管と、を含む。超音波ブレードは、超音波導波管の遠位端に画定され、顎部材に対向するように位置付けられる。力制限ヒンジアセンブリは、離間位置と近接位置との間での第1のシャフト部材及び第2のシャフト部材の移動により、顎部材及び超音波ブレードが、それらの間に組織をクランプするために開放位置とクランプ位置との間で互いに対して移動するように、第1のシャフト部材及び第2のシャフト部材を互いに動作可能に連結する。力制限ヒンジアセンブリは、第2のシャフト部材にその第1の端部において固定的に係合され、第1のシャフト部材にその第2の端部において枢動可能に連結されている、ヒンジアームを含む。ヒンジアームは、屈曲して、顎部材と超音波ブレードとの間にクランプされた組織に加えられるクランプ力を調節するように構成されている。超音波手術用器具は、上述又は本明細書の別の場所に詳述される他の態様及び/又は特徴のうちのいずれかを更に含んでもよい。
例えば、本願は以下の項目を提供する。
(項目1)
超音波手術用器具であって、
第1のシャフト部材と、
上記第1のシャフト部材から遠位に延在する顎部材と、
第2のシャフト部材と、
上記第2のシャフト部材から遠位に延在し、上記顎部材に対向するように位置付けられている超音波ブレードと、
離間位置と近接位置との間での上記第1のシャフト部材及び上記第2のシャフト部材の互いに対する移動により、上記顎部材及び上記超音波ブレードが、それらの間に組織をクランプするために開放位置とクランプ位置との間で互いに対して移動するように、上記第1のシャフト部材及び上記第2のシャフト部材を互いに動作可能に連結する力制限ヒンジアセンブリと、を備え、上記力制限ヒンジアセンブリが、上記第1のシャフト部材又は上記第2のシャフト部材のうちの一方にその第1の端部において固定的に係合され、上記第1のシャフト部材又は上記第2のシャフト部材の他方にその第2の端部において枢動可能に連結されているヒンジアームを含み、上記ヒンジアームが屈曲して、上記顎部材と上記超音波ブレードとの間にクランプされた組織に加えられるクランプ力を調節するように構成されている、超音波手術用器具。
(項目2)
上記ヒンジアームの上記第1の端部が上記第2のシャフト部材と固定的に係合されており、上記ヒンジアームの上記第2の端部が、上記第1のシャフト部材に枢動可能に連結されている、上記項目に記載の超音波手術用器具。
(項目3)
上記ヒンジアームの上記第1の端部が、上記第1のシャフト部材又は上記第2のシャフト部材のうちの1つと一体的に形成される、上記項目のいずれか一項に記載の超音波手術用器具。
(項目4)
ピボットピンが、上記ヒンジアームの上記第2の端部を上記第1のシャフト部材又は上記第2のシャフト部材の他方と枢動可能に連結する、上記項目のいずれか一項に記載の超音波手術用器具。
(項目5)
上記ヒンジアームが弾性的に可撓性である、上記項目のいずれか一項に記載の超音波手術用器具。
(項目6)
上記顎部材が、構造体と、上記構造体上に支持された組織パッドと、を含む、上記項目のいずれか一項に記載の超音波手術用器具。
(項目7)
上記第2のシャフト部材によって支持されるトランスデューサ及び導波管アセンブリを更に備え、上記トランスデューサ及び導波管アセンブリは、超音波トランスデューサと、上記超音波トランスデューサに連結され、上記超音波トランスデューサから遠位に延在する超音波導波管と、を含み、上記超音波ブレードが、上記超音波導波管の遠位端に画定される、上記項目のいずれか一項に記載の超音波手術用器具。
(項目8)
上記トランスデューサ及び導波管アセンブリが、上記第2のシャフト部材から取り外し可能である、上記項目のいずれか一項に記載の超音波手術用器具。
(項目9)
上記第1のシャフト部材及び上記第2のシャフト部材のそれぞれが、その近位端に向かって配置されたハンドルを含み、上記ハンドルは、上記第1のシャフト部材及び上記第2のシャフト部材の、上記離間位置と上記接近位置との間での互いに対する移動を容易にするように構成されている、上記項目のいずれか一項に記載の超音波手術用器具。
(項目10)
上記第2のシャフト部材上に配設された起動ボタンを更に備え、上記起動ボタンが、上記超音波ブレードに超音波エネルギーを供給するために選択的に起動可能である、上記項目のいずれか一項に記載の超音波手術用器具。
(項目11)
上記ヒンジアームが、上記顎部材と上記超音波ブレードとの間にクランプされた組織に加えられるクランプ力を、上記クランプ力が最大クランプ力を超えることを阻止するように屈曲することによって調節する、上記項目のいずれか一項に記載の超音波手術用器具。
(項目12)
超音波手術用器具であって、
シャフト部分と、上記シャフト部分から遠位に延在する顎部材と、を含む、第1のシャフト部材と、
トランスデューサ及び導波管アセンブリを支持する第2のシャフト部材であって、上記トランスデューサ及び導波管アセンブリが、超音波トランスデューサと、上記超音波トランスデューサに連結され、上記超音波トランスデューサから遠位に延在する超音波導波管とを含み、超音波ブレードが、上記超音波導波管の遠位端に画定され、上記顎部材に対向するように位置付けられている、第2のシャフト部材と、
離間位置と近接位置との間での上記第1のシャフト部材及び上記第2のシャフト部材の互いに対する移動により、上記顎部材及び上記超音波ブレードが、それらの間に組織をクランプするために開放位置とクランプ位置との間で互いに対して移動するように、上記第1のシャフト部材及び上記第2のシャフト部材を互いに動作可能に連結する力制限ヒンジアセンブリと、を備え、上記力制限ヒンジアセンブリが、上記第2のシャフト部材にその第1の端部において固定的に係合され、上記第1のシャフト部材にその第2の端部において枢動可能に連結されているヒンジアームを含み、上記ヒンジアームが屈曲して、上記顎部材と上記超音波ブレードとの間にクランプされた組織に加えられるクランプ力を調節するように構成されている、超音波手術用器具。
(項目13)
上記ヒンジアームの上記第1の端部が、上記第2のシャフト部材と一体的に形成される、上記項目のいずれか一項に記載の超音波手術用器具。
(項目14)
ピボットピンが、上記ヒンジアームの上記第2の端部を上記第1のシャフト部材と枢動可能に連結する、上記項目のいずれか一項に記載の超音波手術用器具。
(項目15)
上記ヒンジアームが弾性的に可撓性である、上記項目のいずれか一項に記載の超音波手術用器具。
(項目16)
上記顎部材が、構造体と、上記構造体上に支持された組織パッドと、を含む、上記項目のいずれか一項に記載の超音波手術用器具。
(項目17)
上記トランスデューサ及び導波管アセンブリが、上記第2のシャフト部材から取り外し可能である、上記項目のいずれか一項に記載の超音波手術用器具。
(項目18)
上記第1のシャフト部材及び上記第2のシャフト部材のそれぞれが、その近位端に向かって配置されたハンドルを含み、上記ハンドルは、上記第1のシャフト部材及び上記第2のシャフト部材の、上記離間位置と上記接近位置との間の互いに対する移動を容易にするように構成されている、上記項目のいずれか一項に記載の超音波手術用器具。
(項目19)
上記第2のシャフト部材上に配設された起動ボタンを更に備え、上記起動ボタンが、上記超音波ブレードに超音波エネルギーを供給するために選択的に起動可能である、上記項目のいずれか一項に記載の超音波手術用器具。
(項目20)
上記ヒンジアームが、上記顎部材と上記超音波ブレードとの間にクランプされた組織に加えられるクランプ力を、上記クランプ力が最大クランプ力を超えることを阻止するように屈曲することによって調節する、上記項目のいずれか一項に記載の超音波手術用器具。
(摘要)
超音波手術用器具は、第1シャフト部材と、第1シャフト部材から遠位に延在する顎部材と、第2のシャフト部材と、第2のシャフト部材から遠位に延在し、顎部材に対向するように位置付けられた超音波ブレードと、離間位置と近接位置との間でのシャフト部材の移動により、顎部材及び超音波ブレードが、それらの間に組織をクランプするために開放位置とクランプ位置との間で移動するように、シャフト部材を互いに動作可能に連結する力制限ヒンジアセンブリと、を備える。力制限ヒンジアセンブリは、シャフト部材のうちの一方にその第1の端部において固定的に係合され、シャフト部材の他方にその第2の端部において枢動可能に連結されている、ヒンジアームを含む。ヒンジアームは、屈曲して、顎部材と超音波ブレードとの間にクランプされた組織に加えられるクランプ力を調節するように構成されている。