(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る決定装置、決定方法、及び決定プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る決定装置、決定方法、及び決定プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
(実施形態)
〔1.決定処理〕
まず、実施形態に係る決定処理について説明する。
図1は、実施形態に係る決定処理の一例を示す図である。
図1では、広告配信装置100は、対象を広告枠、決定処理を行うコンテンツを広告とする場合を例に説明する。すなわち、
図1では、広告配信装置100は、複数の広告枠の各々への配信における複数の広告の配信実績に関する情報に基づいて、広告枠に配信する広告を決定する場合を説明する。なお、以下においては、広告枠Aである広告枠AR11を含む媒体であるコンテンツCT11がウェブページである場合を説明するが、媒体は、ウェブページ以外の媒体であってもよい。例えば、媒体は、ゲームアプリケーション、書籍閲覧アプリケーション、音楽配信アプリケーション、動画配信アプリケーションによって表示される媒体などであってもよい。以下では、広告配信装置100が、広告枠に関する情報(以下、「広告枠情報」とする場合がある)に基づいて決定された広告を端末装置10へ配信する場合を示す。また、
図1では、配信実績に関する情報として、CTRを用いる場合を示す。
【0011】
図1に示すように、実施形態に係る配信システム1には、端末装置10と、コンテンツ配信装置50と、広告配信装置100とが含まれる。端末装置10と、コンテンツ配信装置50と、広告配信装置100とは、所定のネットワークを介して通信可能に接続される。なお、
図1に示した配信システム1には、複数の端末装置10、複数のコンテンツ配信装置50、複数の広告配信装置100が含まれてもよい。
【0012】
端末装置10は、ユーザによって利用される情報処理装置である。端末装置10は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。なお、以下では、端末装置10をユーザと表記する場合がある。すなわち、以下では、ユーザを端末装置10と読み替えることもできる。
【0013】
コンテンツ配信装置50は、コンテンツを配信する情報処理装置である。
図1に示す例において、コンテンツ配信装置50は、端末装置10からの要求に応じて、端末装置10において起動されたブラウザに表示されるウェブページであるコンテンツを配信する。
【0014】
広告配信装置100は、一の広告枠へコンテンツを配信する際に、一の広告枠と類似する広告枠として分類された広告枠への配信における複数の広告の配信実績に関する情報に基づいて、一の広告枠に配信する広告を決定する決定装置である。具体的には、広告配信装置100は、各広告枠の配信実績に関する情報に基づく類似度に応じて、複数の広告枠を各群(以下、「グループ」とする場合がある)に分類し、一の広告枠が分類されたグループに属する他の広告枠の配信実績に関する情報に基づいて、一の広告枠に配信する広告を決定する。
【0015】
以下、
図1を用いて、決定処理の一例を説明する。
図1に示す例においては、ユーザがユーザID「U1」により識別されるユーザ(以下、「ユーザU1」とする場合がある)である場合を示す。具体的には、広告配信装置100がユーザU1が利用する端末装置10に表示されたコンテンツCT11中の広告枠AR11、すなわち広告枠Aに表示する広告を決定する場合を示す。なお、以下では、ユーザU1をユーザU1が利用する端末装置10と読み替えることもできる。
【0016】
まず、広告配信装置100は、複数の広告枠の各々への配信における複数の広告の配信実績に関する情報に基づいて、各広告枠を分類する(ステップS11)。具体的には、広告配信装置100は、各広告枠に表示された複数の広告のCTRの類似度に応じて、各広告枠を複数のグループに分類する。すなわち、広告配信装置100は、各広告枠に表示された複数の広告のCTRに基づく類似度に応じて、各広告枠を複数のグループに分類する。
【0017】
例えば、広告配信装置100は、種々のクラスタリング手法を適宜用いて、各広告枠を複数のグループに分類する。なお、広告配信装置100が用いるクラスタリング手法は各広告枠を複数のグループに分類可能であれば、どのようなクラスタリング手法であってもよい。例えば、広告配信装置100は、広告枠ごとに複数の広告のCTRのテーブルを生成し、広告枠間における距離行列を生成してもよい。例えば、広告配信装置100は、広告枠間における距離行列の生成において、例えば相関係数(1-相関係数)、マンハッタン距離、ユークリッド距離、マハラノビス距離などを用いてもよい。すなわち、広告配信装置100は、広告枠間の広告のCTRの類似に関する種々の情報を適宜用いて、広告枠間における距離行列を生成してもよい。そして、広告配信装置100は、広告枠間における距離行列に基づいて、各広告枠を複数のグループに分類する。なお、広告配信装置100は、所定のグループ数(クラスタ数)を設定して各広告枠を複数のグループに分類してもよい。例えば、広告配信装置100は、グループ数(クラスタ数)を200と設定した場合、複数の広告枠を200個のグループに分類する。例えば、広告配信装置100は、グループ数(クラスタ数)を200と設定した場合、50000本の広告枠を200個のグループに分類する。なお、上記は一例であって、広告配信装置100は、各広告枠に表示された複数の広告の配信実績に関する情報であるCTRの類似度に応じて分類可能であれば、どのような手法を用いて各広告枠を複数のグループに分類してもよい。
【0018】
図1では、広告配信装置100は、広告枠A、広告枠B、広告枠C、広告枠Dを含む複数の広告枠の各々における広告AD1〜AD8等の複数の広告の各々のCTRに基づいて、各広告枠を複数のグループに分類する。
図1中の広告リストAL11は、広告枠Aにおける複数の広告の各々のCTRを示す。例えば、広告リストAL11は、広告枠Aにおける広告AD1のCTRは0.015%であり、広告枠Aにおける広告AD2のCTRは0.08%であることを示す。なお、
図1では、説明の簡単化のために、各広告枠が配置される場所(媒体やその位置)のバイアス(偏り)がないものとして説明する。すなわち、
図1では、各広告枠におけるCTRを用いて各広告枠を複数のグループに分類可能であるものとする。なお、各広告枠が配置される場所(媒体やその位置)のバイアス(偏り)がある場合、例えば、スムージングや正規化等の所定の手法により、各広告枠における配信実績に関する情報を比較可能(分類可能)な情報に変更した後、ステップS11の処理を行う。例えば、
図1に示す広告リストAL11〜AL14は、所定の手法により、各広告枠における配信実績に関する情報を比較可能(分類可能)な情報に変更した後の情報であってもよい。
【0019】
また、
図1中の広告リストAL12は、広告枠Bにおける複数の広告の各々のCTRを示す。例えば、広告リストAL12は、広告枠Bにおける広告AD1のCTRは0.1%であり、広告枠Bにおける広告AD2のCTRは0.09%であることを示す。また、
図1中の広告リストAL13は、広告枠Cにおける複数の広告の各々のCTRを示す。例えば、広告リストAL13は、広告枠Cにおける広告AD3のCTRは0.2%であり、広告枠Cにおける広告AD4のCTRは0.05%であることを示す。また、
図1中の広告リストAL14は、広告枠Dにおける複数の広告の各々のCTRを示す。例えば、広告リストAL14は、広告枠Dにおける広告AD3のCTRは0.24%であり、広告枠Dにおける広告AD4のCTRは0.15%であることを示す。
【0020】
例えば、広告枠Aにおける広告AD5を除く広告のCTRは、広告枠Cにおける対応する広告のCTRと略一致する。例えば、広告枠Aにおける広告AD1のCTRは、広告枠Cにおける広告AD1のCTRとの差は、「−0.005(=0.01−0.015)」。また、例えば、広告枠Aにおける広告AD3のCTRは、広告枠Cにおける広告AD3のCTRとの差は、「0(=0.2−0.2)」である。そのため、
図1では、広告枠Aにおける各広告のCTRは、広告枠Cにおける各広告のCTRとの類似度が高く、広告枠B及び広告枠Dを含む他の広告枠における各広告のCTRとの類似度が低いものとする。また、広告枠Bにおける各広告のCTRは、広告枠A、広告枠C及び広告枠Dにおける各広告のCTRとの類似度が低いものとする。また、広告枠Cにおける各広告のCTRは、広告枠Aにおける各広告のCTRとの類似度が高く、広告枠B及び広告枠Dを含む他の広告枠における各広告のCTRとの類似度が低いものとする。また、広告枠Dにおける各広告のCTRは、広告枠A、広告枠B及び広告枠Cにおける各広告のCTRとの類似度が低いものとする。
【0021】
そのため、
図1では、広告配信装置100は、広告枠Aと広告枠CとがCTRが類似する広告枠として分類する。具体的には、広告配信装置100は、広告枠Aと広告枠Cとを、Aグループとして分類する。そして、広告配信装置100は、広告枠Aの配信実績と広告枠Cの配信実績とを合成し、AグループのCTRを算出する。なお、各グループに分類された広告枠の配信実勢の合成についての具体例は後述するが、例えば、各グループにおける各広告のCTRは、以下の式(1)により算出される。
【0022】
各広告のCTR= Σ各広告枠でのクリック数/Σ各広告枠への配信回数 … (1)
【0023】
上記の式(1)において、「Σ各広告枠でのクリック数」は、グループに含まれる全広告枠でのクリック数の合算を示す。また、上記の式(1)において、「Σ各広告枠への配信回数」は、グループに含まれる全広告枠への広告の配信回数の合算を示す。このように、広告配信装置100は、各グループに分類された各広告枠における広告のクリック数の合計値を各グループに分類された各広告枠における広告の配信回数で除(割り算)することにより、各グループにおける広告のCTRを算出する。すなわち、広告配信装置100は、各グループにおける広告のCTRを各グループに分類された広告枠におけるCTRの平均とするのではなく、各グループに分類された広告枠における広告のクリック数や配信回数を用いて、各グループにおける広告のCTRを算出する。例えば、広告配信装置100は、各グループに分類された広告枠における広告のクリック数の合計や配信回数の合計を用いて、各グループにおける広告のCTRを算出する。これにより、広告配信装置100は、各グループに分類された広告枠の配信実績の多寡を適切に反映して、各グループにおける広告のCTRを算出することができる。
【0024】
ここで、
図1では、広告枠Aにおける配信実績は広告枠Cにおける配信実績よりも少ないものとする。すなわち、広告枠Aにおける配信実績は、配信実績が不足しており、配信実績に基づく各広告のCTRの精度が低いものとする。
図1では、広告枠Aにおける配信実績は、広告枠Cにおける配信実績の100分の1であるものとする。例えば、広告枠Cにおける配信実績の全体数が1万回である場合、広告枠Aにおける配信実績の全体数は100回となる。
【0025】
図1中の合成リストGL11は、Aグループにおける複数の広告の各々のCTRを示す。例えば、合成リストGL11は、Aグループにおける広告AD1のCTRは0.01%であり、Aグループにおける広告AD2のCTRは0.09%であり、Aグループにおける広告AD5のCTRは0.07%であることを示す。このように、Aグループにおける各広告のCTRは、広告枠Aよりも配信実績が多い広告枠Cにおける広告のCTRに近い値になる。つまり、Aグループにおける複数の広告間のCTRの(大小)関係は、配信実績が多い、すなわち信頼度が高い広告枠における各広告のCTRの(大小)関係に近くなる。
【0026】
例えば、
図1中の広告リストAL11において、広告枠Aにおける広告AD5のCTRは5%であり、広告枠Aにおける広告AD5以外の他の広告のCTRよりも大幅に高い数値を示す。一方、
図1中の合成リストGL11において、Aグループにおける広告AD5のCTRは0.07%であり、Aグループにおける広告AD5と他の広告間のCTRの(大小)関係は、配信実績が多い、すなわち信頼度が高い広告枠Cにおける広告AD5と他の広告間のCTRの(大小)関係に近くなる。このように、広告配信装置100は、ステップS11の合成により、配信実績が不足する広告枠Aにおける複数の広告の各々のCTRを適切に補正することができる。
【0027】
また、
図1では、広告配信装置100は、広告枠BとCTRが類似する他の広告枠とを、Bグループとして分類する。そして、広告配信装置100は、広告枠Bの配信実績と他の広告枠の配信実績とを合成し、BグループのCTRを算出する。
図1中の合成リストGL12は、Bグループにおける複数の広告の各々のCTRを示す。また、広告配信装置100は、広告枠DとCTRが類似する他の広告枠とを、Cグループとして分類する。そして、広告配信装置100は、広告枠Dの配信実績と他の広告枠の配信実績とを合成し、CグループのCTRを算出する。
図1中の合成リストGL13は、Cグループにおける複数の広告の各々のCTRを示す。なお、ステップS11の処理は定期的に行ってもよいし、広告要求がされた際に対象となる広告枠が含まれるグループに関する情報(以下、「グループ情報」とする場合がある)のみを生成してもよい。
【0028】
図1に示すように、端末装置10は、コンテンツ配信装置50にコンテンツの配信要求を送信する(ステップS12)。例えば、端末装置10は、ユーザU1による操作に応じて、コンテンツ配信装置50にコンテンツの配信要求を送信する。
【0029】
端末装置10から配信要求を受け付けたコンテンツ配信装置50は、端末装置10にコンテンツを配信する(ステップS13)。
図1に示す例においては、コンテンツ配信装置50は、端末装置10にコンテンツCT11を配信する。
図1に示す例において、コンテンツ配信装置50が配信するコンテンツCT11には、スポーツに関するニュース記事や広告枠AR11が含まれる。
【0030】
広告枠AR11を含むコンテンツCT11を受信した端末装置10は、受信したコンテンツCT11に含まれる広告枠AR11に表示する広告を要求する広告要求を広告配信装置100に送信する(ステップS14)。このとき、端末装置10は、広告枠AR11に関する情報として、広告を表示する広告枠AR11が広告枠Aであることを示す情報を広告配信装置100に送信する。
【0031】
端末装置10から広告要求を取得した広告配信装置100は、広告枠Aが分類されたAグループに属する他の広告枠CのCTRに基づいて、広告枠Aに配信する広告を決定する(ステップS15)。具体的には、広告配信装置100は、広告枠Aと広告枠Cとが含まれるAグループのCTRに基づいて、広告枠Aに配信する広告を決定する。
図1では、広告配信装置100は、広告AD1〜AD8等の複数の広告のうち、最もCTRの高い広告AD3を、広告枠Aに配信する広告として決定する。その後、広告配信装置100は、決定した広告AD3を端末装置10に配信する(ステップS16)。
【0032】
上述したように、広告配信装置100は、配信対象となる広告枠が含まれるグループのCTRに基づいて、広告枠に配信する広告を決定する。これにより、広告配信装置100は、配信する広告を適切に決定することができる。例えば、広告配信装置100は、実績が不足する広告枠Aに対して、広告枠Aにおける各広告のCTRに基づいて配信する広告を決定する場合、広告リストAL11中の最もCTRの高い広告AD5を広告枠Aに配信する広告として決定する。一方、広告配信装置100は、配信実績が不足する広告枠Aに対して、Aグループにおける各広告のCTRに基づいて配信する広告を決定する場合、合成リストGL11中の最もCTRの高い広告AD3を広告枠Aに配信する広告として決定する。このように、広告配信装置100は、配信実績が不足する広告枠に対して広告を配信する場合であっても、配信する広告を適切に決定することができる。すなわち、広告配信装置100は、配信実績が不足する広告枠に対して広告を配信する場合であっても、各広告のCTRが類似し、配信実績が十分な信頼度が高い広告枠の情報と合成したグループ情報を用いることにより、配信実績が不足する広告枠における複数の広告の各々のCTRを適切に補正することができる。
【0033】
なお、上記例では、広告配信装置100が、広告リストAL11〜AL14等の広告枠ごとの情報から合成リストGL11〜GL13等のグループ情報を生成する例を示したが、広告配信装置100が、合成リストGL11〜GL13等を外部の情報処理装置から取得してもよい。例えば、グループ情報を生成する装置が広告配信装置100とは別体であって、グループ情報を生成する装置が生成したグループ情報に基づいて、広告配信装置100がグループ情報に基づいて決定した広告を配信してもよい。この場合、広告配信装置100は、広告リストAL11〜AL14等の広告枠ごとの情報を有しなくてもよい。これにより、広告配信装置100は、保有するデータ量を削減することができる。すなわち、広告配信装置100は、使用するメモリ量を抑制することができる。また、
図1では、広告配信装置100は、ユーザ操作に関する情報に基づく広告のクリック率(CTR)をコンテンツへのユーザ行動率として複数の対象を各群に分類するが、コンテンツへのユーザ行動率は、コンテンツである広告におけるコンバージョン率、コンテンツの所定の範囲がユーザ操作により可視領域に入った率等、目的に応じて種々の指標が用いられてもよい。すなわち、ここでいうコンテンツへのユーザ操作に関する情報やユーザ行動率は、コンテンツに対するユーザ操作等のユーザの行動に関する情報であれば、どのような情報が用いられてもよい。
【0034】
なお、
図1では、配信実績に関する情報として、CTRを用いる場合を示したが、配信実績に関する情報は、目的に応じて種々の評価値が適宜選択されてもよい。例えば、配信実績に関する情報として、CTRの他にも、例えば、eCPM(effective Cost Per Mille)や、CPC(Cost Per Click)、CVR(Conversion Rate)などであってもよいし、またこれらを組み合わせた情報であってもよい。また、
図1に示す広告枠A、広告枠B、広告枠C、広告枠Dは、広告AD1〜AD8等の配信実績を有する場合を示したが、各広告枠における配信実績中の全ての広告が一致しなくてもよい。例えば、各広告枠において配信実績がない広告については、CTRを0としてもよいし、所定の値(例えば、配信実績のある広告のCTRの平均値)としてもよい。また、広告枠A、広告枠B、広告枠C、広告枠D等の各広告枠が表示される端末装置(デバイス)は、スマートフォンやPC等どのようなデバイスであってもよい。また、
図1では、広告配信装置100が配信する広告を決定する例を示したが、コンテンツは広告に限らず、不動産情報やオークションの出品情報やショッピングの商品情報等であってもよい。すなわち、配信する対象として決定されるコンテンツは、上記の決定処理を適用可能であればどのようなコンテンツであってもよい。また、
図1では、広告配信装置100が対象を広告枠として、配信する広告を決定する例を示したが、対象は広告枠に限らず、上記の決定処理を適用可能であればどのような対象であってもよい。
【0035】
〔2.広告配信装置の構成〕
次に、
図2を用いて、実施形態に係る広告配信装置100の構成について説明する。
図2は、実施形態に係る広告配信装置100の構成例を示す図である。
図2に示すように、広告配信装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、広告配信装置100は、広告配信装置100の管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0036】
(通信部110)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークと有線または無線で接続され、端末装置10との間で情報の送受信を行う。
【0037】
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。実施形態に係る記憶部120は、
図2に示すように、配信実績情報記憶部121と、グループ情報記憶部122と、広告情報記憶部123とを有する。
【0038】
(配信実績情報記憶部121)
実施形態に係る配信実績情報記憶部121は、広告の配信実績に関する各種情報を記憶する。
図3に、実施形態に係る配信実績情報記憶部121の一例を示す。
図3に示す配信実績情報記憶部121は、「広告枠A」、「広告枠B」、「広告枠C」、「広告枠D」といった項目を有する。また、「広告枠A」〜「広告枠D」等は、「配信回数」、「クリック回数」、「CTR(%)」といった項目を有する。なお、配信実績情報記憶部121は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。
【0039】
「広告枠A」〜「広告枠D」には、各広告枠における各広告の配信実績に関する情報が記憶される。また、「配信回数」は、対応する広告の配信回数を示す。
図3中の「配信回数」に示す「DSA1」等は、広告「AD5」に対応する「配信回数」である「100」(回)といった具体的な数値であってもよい。また、「クリック回数」は、対応する広告のクリック回数を示す。
図3中の「クリック回数」に示す「CLA1」等は、広告「AD5」に対応する「クリック回数」である「5」(回)といった具体的な数値であってもよい。「CTR(%)」は、対応する広告のクリック率を示す。「CTR(%)」は、対応するクリック回数を配信回数で除した値を示す。例えば、広告「AD5」の「CTR」は、「5(%)」(=5/100)となる。
【0040】
例えば、
図3に示す例において、「広告枠A」における、広告AD1の配信回数は「DSA1」であり、広告AD1のクリック回数は「CLA1」であり、広告AD1のCTRは「0.015」であることを示す。また、例えば、
図3に示す例において、「広告枠C」における、広告AD2の配信回数は「DSC2」であり、広告AD2のクリック回数は「CLC2」であり、広告AD1のCTRは「0.09」であることを示す。
【0041】
(グループ情報記憶部122)
実施形態に係るグループ情報記憶部122は、グループ情報を記憶する。
図4に、実施形態に係るグループ情報記憶部122の一例を示す。
図4に示すグループ情報記憶部122は、「Aグループ(広告枠A、C)」、「Bグループ(広告枠B等)」、「Cグループ(広告枠D等)」といった項目を有する。また、「Aグループ(広告枠A、C)」、「Bグループ(広告枠B等)」、「Cグループ(広告枠D等)」等は、「CTR(%)」といった項目を有する。なお、グループ情報記憶部122は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。
【0042】
「Aグループ(広告枠A、C)」、「Bグループ(広告枠B等)」、及び「Cグループ(広告枠D等)」には、各グループにおける各広告の配信実績に関する情報が記憶される。「CTR(%)」は、各グループにおける対応する広告のクリック率を示す。
【0043】
例えば、
図4に示す例において、「Aグループ(広告枠A、C)」における、広告AD1のCTRは「0.01」であり、広告AD2のCTRは「0.09」であることを示す。また、例えば、
図4に示す例において、「Bグループ(広告枠B等)」における、広告AD3のCTRは「0.1」であり、広告AD4のCTRは「0.05」であることを示す。
【0044】
(広告情報記憶部123)
実施形態に係る広告情報記憶部123は、広告に関する各種情報を記憶する。
図5に、実施形態に係る広告情報記憶部123の一例を示す。
図5に示す広告情報記憶部123は、「広告ID」、「広告」、「入札価格」といった項目を有する。
【0045】
「広告ID」は、広告を識別するための識別情報を示す。「広告」は、広告主から入稿された広告を示す。
図5では「広告」に「AD1」といった概念的な情報が格納される例を示したが、実際には、静止画像や動画像やテキストデータやURL、または、これらの格納場所を示すファイルパス名などが格納される。また、「入札価格」は、対応する広告の入札価格に関する情報を示す。
図5中の「入札価格」に示す「BT1」等は例えば「100円」といった具体的な数値であってもよい。
【0046】
例えば、
図5に示す例において、広告ID「AC1」により識別される広告AD1は、入札価格が「BT1」であることを示す。また、例えば、
図5に示す例において、広告ID「AC2」により識別される広告AD2は、入札価格が「BT2」であることを示す。
【0047】
なお、広告情報記憶部123は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、広告情報記憶部123は、広告主に関する情報を記憶してもよい。なお、広告主は、入稿作業等を代理店に依頼する場合もある。以下では、「広告主」といった表記は、広告主だけでなく代理店を含む概念であるものとする。例えば、広告情報記憶部123は、商品に関する情報を記憶してもよい。例えば、広告情報記憶部123は、広告の対象となる商品名やサービス名を示す情報を記憶してもよい。また、広告情報記憶部123は、各広告のCTRやeCPM等に関する情報を記憶してもよい。
【0048】
(制御部130)
図2の説明に戻って、制御部130は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、広告配信装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(決定プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0049】
図2に示すように、制御部130は、取得部131と、分類部132と、決定部133と、配信部134とを有し、以下に説明する決定処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、
図2に示した構成に限られず、後述する決定処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、
図2に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0050】
(取得部131)
取得部131は、複数の対象の各々への配信における複数のコンテンツの配信実績に関する情報(以下、「配信実績情報」とする場合がある)を取得する。例えば、取得部131は、配信実績情報を配信実績情報記憶部121から取得する。例えば、取得部131は、複数のコンテンツとして複数の広告の配信実績に関する情報を取得する。また、例えば、取得部131は、複数の対象として複数の広告枠の各々への配信における複数の広告の配信実績に関する情報を取得する。また、取得部131は、端末装置10から広告要求を取得する。また、例えば、取得部131は、端末装置10から広告枠に関する情報を取得する。
【0051】
また、取得部131は、広告主から広告の入稿を取得してもよい。なお、取得部131は、広告主から広告の入稿を依頼された代理店から広告の入稿を取得してもよい。この場合、例えば、取得部131は、広告主や代理店が利用する情報処理装置から広告の入稿を取得する。また、例えば、取得部131は、取得した広告を広告情報記憶部123に記憶する。
【0052】
(分類部132)
分類部132は、各対象の配信実績に関する情報に基づく類似度に応じて、複数の対象を各群(グループ)に分類する。例えば、分類部132は、各対象の各々への配信における複数のコンテンツへのユーザ操作に関する情報を配信実績に関する情報として、複数の対象を各グループに分類する。分類部132は、各対象の各々への配信における複数のコンテンツへのユーザ行動率を配信実績に関する情報として、複数の対象を各群に分類する。例えば、分類部132は、各対象の各々への配信における複数のコンテンツへのユーザ行動率であるクリック率(CTR)を配信実績に関する情報として、複数の対象を各群に分類する。
【0053】
例えば、分類部132は、複数の広告枠の各々への配信における複数の広告の配信実績に関する情報に基づいて、各広告枠を分類する。具体的には、分類部132は、各広告枠に表示された複数の広告のCTRの類似度に応じて、各広告枠を複数のグループに分類する。この場合、分類部132は、各広告枠に表示された複数の広告のCTRに基づく類似度に応じて、各広告枠を複数のグループに分類する。
【0054】
例えば、分類部132は、種々のクラスタリング手法を適宜用いて、各広告枠を複数のグループに分類する。なお、分類部132が用いるクラスタリング手法は各広告枠を複数のグループに分類可能であれば、どのようなクラスタリング手法であってもよい。例えば、分類部132は、広告枠ごとに複数の広告のCTRのテーブルを生成し、広告枠間における距離行列を生成してもよい。例えば、分類部132は、広告枠間の広告のCTRの相関係数(例えば、1−相関係数)等を用いて、広告枠間における距離行列を生成してもよい。そして、分類部132は、広告枠間における距離行列に基づいて、各広告枠を複数のグループに分類する。なお、分類部132は、所定のグループ数(クラスタ数)を設定して各広告枠を複数のグループに分類してもよい。例えば、分類部132は、グループ数(クラスタ数)を200と設定した場合、複数の広告枠を200個のグループに分類する。例えば、分類部132は、グループ数(クラスタ数)を200と設定した場合、50000本の広告枠を200個のグループに分類する。なお、上記は一例であって、分類部132は、各広告枠に表示された複数の広告の配信実績に関する情報であるCTRの類似度に応じて分類可能であれば、どのような手法を用いて各広告枠を複数のグループに分類してもよい。
【0055】
図1では、分類部132は、広告枠A、広告枠B、広告枠C、広告枠Dを含む複数の広告枠の各々における広告AD1〜AD8等の複数の広告の各々のCTRに基づいて、各広告枠を複数のグループに分類する。例えば、分類部132は、広告枠Aと広告枠CとがCTRが類似する広告枠として分類する。具体的には、分類部132は、広告枠Aと広告枠Cとを、Aグループとして分類する。そして、分類部132は、広告枠Aの配信実績と広告枠Cの配信実績とを合成し、AグループのCTRを算出する。
【0056】
ここで、
図6を用いて、分類部132が広告枠Aの配信実績と広告枠Cの配信実績とを合成してAグループにおける各広告のCTRを算出する例を示す。
図6は、実施形態に係るグループ情報の生成の一例を示す図である。
図6には、広告枠Aの配信実績と広告枠Cの配信実績を示す広告リストAL100と合成リストGL11を示す。また、
図6には、広告枠Aの配信実績と広告枠Cの配信実績の合成における広告AD5のCTR算出の計算CR11を示す。
【0057】
例えば、分類部132は、広告リストAL100の情報に基づいて、広告枠Aの配信実績と広告枠Cの配信実績とを合成してAグループに関するグループ情報である合成リストGL11を生成する(ステップS11−1)。ステップS11−1において、分類部132は、上記の式(1)を用いてAグループにおける各広告のCTRを算出する。例えば、計算CR11を示すように、分類部132は、上記の式(1)を用いてAグループにおける広告AD5のCTRを算出する。具体的には、分類部132は、広告枠AにおけるAD5の配信回数「100」とクリック回数「5」、及び広告枠CにおけるAD5の配信回数「10000」とクリック回数「2」を用いてAグループにおける広告AD5のCTRを算出する。すなわち、分類部132は、以下の式(2)により、Aグループにおける広告AD5のCTRを算出する。
【0058】
AD5のCTR = (5+2)/(100+10000) … (2)
【0059】
上記の式(2)及び
図6中の計算CR11により、分類部132は、Aグループにおける広告AD5のCTRを0.000693、すなわち約0.07(%)と算出する。このように、分類部132は、Aグループにおける各広告のCTRを算出することにより、Aグループに関するグループ情報である合成リストGL11を生成する。また、分類部132は、生成したグループ情報をグループ情報記憶部122に格納する。
【0060】
(決定部133)
決定部133は、一の対象へコンテンツを配信する際に、一の対象と類似する対象として分類された対象への配信における複数のコンテンツの配信実績に関する情報に基づいて、一の対象に配信するコンテンツを決定する。例えば、決定部133は、分類部132により一の対象が分類された群に属する他の対象の配信実績に関する情報に基づいて、一の対象に配信するコンテンツを決定する。例えば、決定部133は、一の対象へ広告を配信する際に、一の対象と類似する対象として分類された対象への配信における複数の広告の配信実績に関する情報に基づいて、一の対象に配信する広告を決定する。例えば、決定部133は、一の広告枠へ広告を配信する際に、各広告枠への配信における複数の広告の配信実績に関する情報に基づいて、一の広告枠に配信する広告を決定する。例えば、決定部133は、グループ情報記憶部122に記憶されたグループ情報に基づいて広告枠に配信する広告を決定する。
【0061】
図1では、決定部133は、広告枠Aが分類されたAグループに属する他の広告枠CのCTRに基づいて、広告枠Aに配信する広告を決定する。具体的には、決定部133は、広告枠Aと広告枠Cとが含まれるAグループのCTRに基づいて、広告枠Aに配信する広告を決定する。例えば、決定部133は、広告AD1〜AD8等の複数の広告のうち、最もCTRの高い広告AD3を、広告枠Aに配信する広告として決定する。
【0062】
(配信部134)
配信部134は、決定部133により決定された広告を端末装置10に配信する。例えば、配信部134は、決定部133により決定された広告AD3を端末装置10に表示された広告枠Aに表示する広告として配信する。
【0063】
〔3.処理フロー〕
次に、
図7及び
図8を用いて、実施形態に係る配信システム1による決定処理の手順について説明する。
図7は、実施形態に係るグループ情報の生成の一例を示すフローチャートである。
図8は、実施形態に係る広告の決定の一例を示すフローチャートである。
【0064】
まず、
図7を用いてグループ情報の生成の一例について説明する。
図7に示すように、広告配信装置100の取得部131は、配信実績情報を取得する(ステップS101)。例えば、取得部131は、配信実績情報記憶部121から配信実績情報を取得する。
【0065】
その後、広告配信装置100の分類部132は、類似度に応じて広告枠を分類する(ステップS102)。例えば、分類部132は、取得部131により取得された配信実績情報に基づいて、類似する広告枠ごとに複数のグループに分類する。そして、分類部132は、類似する広告枠の配信実績情報を合成する(ステップS103)。例えば、分類部132は、類似する広告枠の配信実績情報を合成し、グループ情報を生成する。
【0066】
次に、
図8を用いて広告の決定の一例について説明する。
図8に示すように、取得部131は、広告要求を取得する(ステップS201)。例えば、取得部131は、端末装置10から広告要求を取得する。また、取得部131は、広告要求に対応する広告枠に関する情報を取得する(ステップS202)。例えば、取得部131は、端末装置10から広告要求に対応する広告枠に関する情報を取得する。
【0067】
その後、広告配信装置100の決定部133は、広告枠が属するグループの配信実績情報に基づいて配信する広告を決定する(ステップS203)。例えば、決定部133は、広告枠が属するグループのグループ情報に基づいて配信する広告を決定する。その後、広告配信装置100の配信部134は、決定部133により決定された広告を配信する(ステップS204)。例えば、配信部134は、決定部133により決定された広告を端末装置10に配信する。
【0068】
〔4.変形例〕
入札する広告の決定は、上述した実施形態の決定処理に限らず、種々の情報や条件に基づいて決定処理を行ってもよい。そこで、以下では、広告配信装置による他の決定処理について説明する。なお、実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0069】
(変形例)
〔5.決定処理〕
まず、変形例に係る決定処理について説明する。
図9は、変形例に係る決定処理の一例を示す図である。また、
図9では、広告配信装置200は、対象をユーザ、決定処理を行うコンテンツを広告とする場合を例に説明する。すなわち、
図9では、広告配信装置200は、複数の広告枠の各々への配信における複数の広告の配信実績に関する情報に基づいて、広告枠に配信する広告を決定する場合を説明する。なお、以下においては、広告枠Xである広告枠AR21を含む媒体の一例としてウェブページであるコンテンツCT21を説明するが、媒体は、ウェブページ以外の媒体であってもよい。例えば、媒体は、ゲームアプリケーション、書籍閲覧アプリケーション、音楽配信アプリケーション、動画配信アプリケーションによって表示される媒体などであってもよい。以下では、広告配信装置200が、ユーザに関する情報(以下、「ユーザ情報」とする場合がある)に基づいて決定された広告を端末装置10へ配信する場合を示す。また、
図9では、配信実績に関する情報として、CTRを用いる場合を示す。
【0070】
図9に示すように、変形例に係る配信システム2には、端末装置10と、コンテンツ配信装置50と、広告配信装置200とが含まれる。端末装置10と、コンテンツ配信装置50と、広告配信装置200とは、所定のネットワークを介して通信可能に接続される。なお、
図9に示した配信システム2には、複数の端末装置10、複数のコンテンツ配信装置50、複数の広告配信装置200が含まれてもよい。
【0071】
広告配信装置200は、一のユーザへコンテンツを配信する際に、一のユーザと類似するユーザとして分類されたユーザへの配信における複数の広告の配信実績に関する情報に基づいて、一のユーザに配信する広告を決定する。具体的には、広告配信装置200は、各ユーザの配信実績に関する情報に基づく類似度に応じて、複数のユーザを各群(以下、「グループ」とする場合がある)に分類し、一のユーザが分類されたグループに属する他のユーザの配信実績に関する情報に基づいて、一のユーザに配信する広告を決定する。
【0072】
以下、
図9を用いて、決定処理の一例を説明する。
図9に示す例においては、ユーザがユーザID「A」により識別されるユーザ(以下、「ユーザA」とする場合がある)である場合を示す。具体的には、広告配信装置200がユーザAが利用する端末装置10に表示されたコンテンツCT21中の広告枠AR21である広告枠Xに表示する広告を決定する場合を示す。なお、以下では、例えば、ユーザAをユーザAが利用する端末装置10と読み替えることもできる。
【0073】
まず、広告配信装置200は、複数のユーザの各々への配信における複数の広告の配信実績に関する情報に基づいて、各ユーザを分類する(ステップS21)。具体的には、広告配信装置200は、各ユーザに配信された複数の広告のCTRの類似度に応じて、各ユーザを複数のグループに分類する。すなわち、広告配信装置200は、各ユーザに配信された複数の広告のCTRに基づく類似度に応じて、各ユーザを複数のグループに分類する。
【0074】
例えば、広告配信装置200は、種々のクラスタリング手法を適宜用いて、各ユーザを複数のグループに分類する。なお、広告配信装置200が用いるクラスタリング手法は各ユーザを複数のグループに分類可能であれば、どのようなクラスタリング手法であってもよい。例えば、広告配信装置200は、ユーザごとに複数の広告のCTRのテーブルを生成し、ユーザ間における距離行列を生成してもよい。例えば、広告配信装置200は、ユーザ間の広告のCTRの相関係数(例えば、1−相関係数)等を用いて、ユーザ間における距離行列を生成してもよい。そして、広告配信装置200は、ユーザ間における距離行列に基づいて、各ユーザを複数のグループに分類する。なお、広告配信装置200は、所定のグループ数(クラスタ数)を設定して各ユーザを複数のグループに分類してもよい。例えば、広告配信装置200は、グループ数(クラスタ数)を200と設定した場合、複数のユーザを200個のグループに分類する。例えば、広告配信装置200は、グループ数(クラスタ数)を200と設定した場合、50000人のユーザを200個のグループに分類する。なお、上記は一例であって、広告配信装置200は、各ユーザに配信された複数の広告の配信実績に関する情報であるCTRの類似度に応じて分類可能であれば、どのような手法を用いて各ユーザを複数のグループに分類してもよい。
【0075】
図9では、広告配信装置200は、ユーザA、ユーザB、ユーザC、ユーザDを含む複数の広告枠の各々における広告AD1〜AD8等の複数の広告の各々のCTRに基づいて、各ユーザを複数のグループに分類する。
図9中の広告リストAL21は、ユーザAにおける複数の広告の各々のCTRを示す。例えば、広告リストAL21は、ユーザAにおける広告AD1のCTRは0.015%であり、ユーザAにおける広告AD2のCTRは8%であることを示す。
【0076】
また、
図9中の広告リストAL22は、ユーザBにおける複数の広告の各々のCTRを示す。例えば、広告リストAL22は、ユーザBにおける広告AD1のCTRは0.1%であり、ユーザBにおける広告AD2のCTRは0.09%であることを示す。また、
図9中の広告リストAL23は、ユーザCにおける複数の広告の各々のCTRを示す。例えば、広告リストAL23は、ユーザCにおける広告AD3のCTRは0.15%であり、ユーザCにおける広告AD4のCTRは0.2%であることを示す。また、
図9中の広告リストAL24は、ユーザDにおける複数の広告の各々のCTRを示す。例えば、広告リストAL24は、ユーザDにおける広告AD3のCTRは0.15%であり、ユーザDにおける広告AD4のCTRは0.2%であることを示す。
【0077】
図9では、ユーザAにおける各広告のCTRは、ユーザC及びユーザDにおける各広告のCTRとの類似度が高く、ユーザBを含む他の広告枠における各広告のCTRとの類似度が低いものとする。また、ユーザBにおける各広告のCTRは、ユーザA、ユーザC及びユーザDにおける各広告のCTRとの類似度が低いものとする。また、ユーザCにおける各広告のCTRは、ユーザA及びユーザDにおける各広告のCTRとの類似度が高く、ユーザBを含む他の広告枠における各広告のCTRとの類似度が低いものとする。また、ユーザDにおける各広告のCTRは、ユーザA及びユーザCにおける各広告のCTRとの類似度が高く、ユーザBを含む他の広告枠における各広告のCTRとの類似度が低いものとする。
【0078】
そのため、
図9では、広告配信装置200は、ユーザAとユーザCとユーザDとがCTRが類似する広告枠として分類する。具体的には、広告配信装置200は、ユーザAとユーザCとユーザDとを、Aグループとして分類する。そして、広告配信装置200は、ユーザAの配信実績とユーザCの配信実績とユーザDの配信実績とを合成し、AグループのCTRを算出する。なお、各グループに分類されたユーザの配信実勢の合成についての具体例は後述するが、例えば、各グループにおける各広告のCTRは、以下の式(3)により算出される。
【0079】
各広告のCTR= Σ各ユーザのクリック数/Σ各ユーザへの配信回数 … (3)
【0080】
上記の式(3)において、「Σ各ユーザのクリック数」は、グループに含まれる全ユーザのクリック数の合算を示す。また、上記の式(3)において、「Σ各ユーザへの配信回数」は、グループに含まれる全ユーザへの広告の配信回数の合算を示す。このように、広告配信装置200は、各グループに分類された各ユーザにおける広告のクリック数の合計値を各グループに分類された各ユーザにおける広告の配信回数で除(割り算)することにより、各グループにおける広告のCTRを算出する。すなわち、広告配信装置200は、各グループにおける広告のCTRを各グループに分類されたユーザにおけるCTRの平均とするのではなく、各グループに分類されたユーザにおける広告のクリック数や配信回数を用いて、各グループにおける広告のCTRを算出する。これにより、広告配信装置200は、各グループに分類されたユーザの配信実績の多寡を適切に反映して、各グループにおける広告のCTRを算出することができる。
【0081】
ここで、
図9では、ユーザAにおける配信実績はユーザCやユーザDにおける配信実績よりも少ないものとする。すなわち、ユーザAにおける配信実績は、配信実績が不足しており、配信実績に基づく各広告のCTRの精度が低いものとする。
図9では、ユーザAにおける配信実績は、ユーザCにおける配信実績の100分の1であるものとする。例えば、ユーザCにおける配信実績の全体数が1万回である場合、ユーザAにおける配信実績の全体数は100回となる。
【0082】
図9中の合成リストGL21は、Aグループにおける複数の広告の各々のCTRを示す。例えば、合成リストGL21は、Aグループにおける広告AD1のCTRは0.01%であり、Aグループにおける広告AD2のCTRは0.12%であり、Aグループにおける広告AD3のCTRは0.15%であることを示す。このように、Aグループにおける各広告のCTRは、ユーザAよりも配信実績が多いユーザCやユーザDにおける広告のCTRに近い値になる。つまり、Aグループにおける複数の広告間のCTRの(大小)関係は、配信実績が多い、すなわち信頼度が高い広告枠における各広告のCTRの(大小)関係に近くなる。
【0083】
例えば、
図9中の広告リストAL21において、ユーザAにおける広告AD2のCTRは8%であり、ユーザAにおける広告AD2以外の他の広告のCTRよりも大幅に高い数値を示す。一方、
図9中の合成リストGL21において、Aグループにおける広告AD5のCTRは0.07%であり、Aグループにおける広告AD5と他の広告間のCTRの(大小)関係は、配信実績が多い、すなわち信頼度が高いユーザCやユーザDにおける広告AD2と他の広告間のCTRの(大小)関係に近くなる。このように、広告配信装置200は、ステップS21の合成により、配信実績が不足するユーザAにおける複数の広告の各々のCTRを適切に補正することができる。
【0084】
また、
図9では、広告配信装置200は、ユーザBとCTRが類似する他の広告枠とを、Bグループとして分類する。そして、広告配信装置200は、ユーザBの配信実績と他の広告枠の配信実績とを合成し、BグループのCTRを算出する。
図9中の合成リストGL22は、Bグループにおける複数の広告の各々のCTRを示す。なお、ステップS21の処理は定期的に行ってもよいし、広告要求がされた際に対象となるユーザが含まれるグループに関する情報(以下、「グループ情報」とする場合がある)のみを生成してもよい。
【0085】
図9に示すように、端末装置10は、コンテンツ配信装置50にコンテンツの配信要求を送信する(ステップS22)。例えば、端末装置10は、ユーザAによる操作に応じて、コンテンツ配信装置50にコンテンツの配信要求を送信する。
【0086】
端末装置10から配信要求を受け付けたコンテンツ配信装置50は、端末装置10にコンテンツを配信する(ステップS23)。
図9に示す例においては、コンテンツ配信装置50は、端末装置10にコンテンツCT21を配信する。
図9に示す例において、コンテンツ配信装置50が配信するコンテンツCT21には、芸能に関するニュース記事や広告枠AR21が含まれる。
【0087】
広告枠AR21を含むコンテンツCT21を受信した端末装置10は、受信したコンテンツCT21に含まれる広告枠AR21に表示する広告を要求する広告要求を広告配信装置200に送信する(ステップS24)。このとき、端末装置10は、ユーザ情報として、広告を要求する端末装置10を利用するユーザがユーザAであることを示す情報を広告配信装置200に送信する。
【0088】
端末装置10から広告要求を取得した広告配信装置200は、ユーザAが分類されたAグループに属する他のユーザCやユーザDのCTRに基づいて、ユーザAに配信する広告を決定する(ステップS25)。具体的には、広告配信装置200は、ユーザAとユーザCとユーザDとが含まれるAグループのCTRに基づいて、ユーザAに配信する広告を決定する。
図9では、広告配信装置200は、広告AD1〜AD8等の複数の広告のうち、最もCTRの高い広告AD4を、ユーザAに配信する広告として決定する。その後、広告配信装置200は、決定した広告AD4を端末装置10に配信する(ステップS26)。
【0089】
上述したように、広告配信装置200は、配信対象となるユーザが含まれるグループのCTRに基づいて、ユーザに配信する広告を決定する。これにより、広告配信装置200は、配信する広告を適切に決定することができる。例えば、広告配信装置200は、実績が不足するユーザAに対して、ユーザAにおける各広告のCTRに基づいて配信する広告を決定する場合、広告リストAL21中の最もCTRの高い広告AD2をユーザAに配信する広告として決定する。一方、広告配信装置200は、配信実績が不足するユーザAに対して、Aグループにおける各広告のCTRに基づいて配信する広告を決定する場合、合成リストGL21中の最もCTRの高い広告AD4をユーザAに配信する広告として決定する。このように、広告配信装置200は、配信実績が不足するユーザに対して広告を配信する場合であっても、配信する広告を適切に決定することができる。すなわち、広告配信装置200は、配信実績が不足するユーザに対して広告を配信する場合であっても、各広告のCTRが類似し、配信実績が十分な信頼度が高いユーザの情報と合成したグループ情報を用いることにより、配信実績が不足するユーザにおける複数の広告の各々のCTRを適切に補正することができる。
【0090】
〔6.広告配信装置の構成〕
次に、
図10を用いて、変形例に係る広告配信装置200の構成について説明する。
図10は、変形例に係る広告配信装置200の構成例を示す図である。
図10に示すように、広告配信装置200は、通信部110と、記憶部220と、制御部230とを有する。なお、広告配信装置200は、広告配信装置200の管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0091】
(記憶部220)
記憶部220は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。変形例に係る記憶部220は、
図10に示すように、配信実績情報記憶部221と、グループ情報記憶部222と、広告情報記憶部123とを有する。
【0092】
(配信実績情報記憶部221)
変形例に係る配信実績情報記憶部221は、広告の配信実績に関する各種情報を記憶する。
図11に、変形例に係る配信実績情報記憶部221の一例を示す。
図11に示す配信実績情報記憶部221は、「ユーザA」、「ユーザB」、「ユーザC」、「ユーザD」といった項目を有する。また、「ユーザA」〜「ユーザD」等は、「配信回数」、「クリック回数」、「CTR(%)」といった項目を有する。なお、配信実績情報記憶部221は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。
【0093】
「ユーザA」〜「ユーザD」には、各ユーザにおける各広告の配信実績に関する情報が記憶される。また、「配信回数」は、対応する広告の配信回数を示す。
図11中の「配信回数」に示す「DSA1」等は、「2000」(回)といった具体的な数値であってもよい。また、「クリック回数」は、対応する広告のクリック回数を示す。
図11中の「クリック回数」に示す「CLA1」等は、「10」(回)といった具体的な数値であってもよい。「CTR」は、対応する広告のクリック率を示す。「CTR」は、対応するクリック回数を配信回数で除した値を示す。
【0094】
例えば、
図11に示す例において、「ユーザA」における、広告AD1の配信回数は「DSA11」であり、広告AD1のクリック回数は「CLA11」であり、広告AD1のCTRは「0.015」であることを示す。
【0095】
(グループ情報記憶部222)
変形例に係るグループ情報記憶部222は、グループ情報を記憶する。
図12に、変形例に係るグループ情報記憶部222の一例を示す。
図12に示すグループ情報記憶部222は、「Aグループ(ユーザA、C、D)」、「Bグループ(ユーザB等)」といった項目を有する。また、「Aグループ(ユーザA、C、D)」、「Bグループ(ユーザB等)」等は、「CTR(%)」といった項目を有する。なお、グループ情報記憶部222は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。
【0096】
「Aグループ(ユーザA、C、D)」、「Bグループ(ユーザB等)」には、各グループにおける各広告の配信実績に関する情報が記憶される。「CTR(%)」は、各グループにおける対応する広告のクリック率を示す。
【0097】
例えば、
図12に示す例において、「Aグループ(ユーザA、C、D)」における、広告AD1のCTRは「0.01」であり、広告AD2のCTRは「0.12」であることを示す。また、例えば、
図12に示す例において、「Bグループ(ユーザB等)」における、広告AD3のCTRは「0.15」であり、広告AD4のCTRは「0.04」であることを示す。
【0098】
(制御部230)
図10の説明に戻って、制御部230は、例えば、CPUやMPU等によって、広告配信装置200内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(決定プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部230は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0099】
図10に示すように、制御部230は、取得部131と、分類部232と、決定部233と、配信部134とを有し、以下に説明する決定処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部230の内部構成は、
図10に示した構成に限られず、後述する決定処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部230が有する各処理部の接続関係は、
図10に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0100】
(分類部232)
分類部232は、各対象の配信実績に関する情報に基づく類似度に応じて、複数の対象を各群(グループ)に分類する。例えば、分類部232は、各対象の各々への配信における複数のコンテンツへのユーザ操作に関する情報を配信実績に関する情報として、複数の対象を各グループに分類する。分類部232は、各対象の各々への配信における複数のコンテンツへのクリック率(CTR)を配信実績に関する情報として、複数の対象を各群に分類する。
【0101】
例えば、分類部232は、複数のユーザの各々への配信における複数の広告の配信実績に関する情報に基づいて、各ユーザを分類する。具体的には、分類部232は、各ユーザに配信された複数の広告のCTRの類似度に応じて、各ユーザを複数のグループに分類する。この場合、分類部232は、各ユーザに配信された複数の広告のCTRに基づく類似度に応じて、各ユーザを複数のグループに分類する。
【0102】
例えば、分類部232は、種々のクラスタリング手法を適宜用いて、各ユーザを複数のグループに分類する。なお、分類部232が用いるクラスタリング手法は各ユーザを複数のグループに分類可能であれば、どのようなクラスタリング手法であってもよい。例えば、分類部232は、ユーザごとに複数の広告のCTRのテーブルを生成し、ユーザ間における距離行列を生成してもよい。例えば、分類部232は、ユーザ間の広告のCTRの相関係数(例えば、1−相関係数)等を用いて、ユーザ間における距離行列を生成してもよい。そして、分類部232は、ユーザ間における距離行列に基づいて、各ユーザを複数のグループに分類する。なお、分類部232は、所定のグループ数(クラスタ数)を設定して各ユーザを複数のグループに分類してもよい。例えば、分類部232は、グループ数(クラスタ数)を200と設定した場合、複数のユーザを200個のグループに分類する。例えば、分類部232は、グループ数(クラスタ数)を200と設定した場合、50000人のユーザを200個のグループに分類する。なお、上記は一例であって、分類部232は、各ユーザに配信された複数の広告の配信実績に関する情報であるCTRの類似度に応じて分類可能であれば、どのような手法を用いて各ユーザを複数のグループに分類してもよい。
【0103】
図9では、分類部232は、ユーザA、ユーザB、ユーザC、ユーザDを含む複数のユーザの各々における広告AD1〜AD8等の複数の広告の各々のCTRに基づいて、各ユーザを複数のグループに分類する。例えば、分類部232は、ユーザAとユーザCとユーザDとがCTRが類似するユーザとして分類する。具体的には、分類部232は、ユーザAとユーザCとユーザDとを、Aグループとして分類する。そして、分類部232は、ユーザAの配信実績とユーザCの配信実績とユーザDの配信実績とを合成し、AグループのCTRを算出する。また、分類部232は、Aグループにおける各広告のCTRを算出することにより、Aグループに関するグループ情報である合成リストGL21を生成する。また、分類部232は、生成したグループ情報をグループ情報記憶部222に格納する。
【0104】
(決定部233)
決定部233は、一の対象へコンテンツを配信する際に、一の対象と類似する対象として分類された対象への配信における複数のコンテンツの配信実績に関する情報に基づいて、一の対象に配信するコンテンツを決定する。例えば、決定部233は、分類部232により一の対象が分類された群に属する他の対象の配信実績に関する情報に基づいて、一の対象に配信するコンテンツを決定する。例えば、決定部233は、一の対象へ広告を配信する際に、一の対象と類似する対象として分類された対象への配信における複数の広告の配信実績に関する情報に基づいて、一の対象に配信する広告を決定する。例えば、決定部233は、一のユーザへ広告を配信する際に、各ユーザへの配信における複数の広告の配信実績に関する情報に基づいて、一のユーザに配信する広告を決定する。例えば、決定部233は、グループ情報記憶部222に記憶されたグループ情報に基づいてユーザに配信する広告を決定する。
【0105】
図9では、決定部233は、ユーザAが分類されたAグループに属する他のユーザCやユーザDのCTRに基づいて、ユーザAに配信する広告を決定する。具体的には、決定部233は、ユーザAとユーザCとユーザDとが含まれるAグループのCTRに基づいて、ユーザAに配信する広告を決定する。例えば、決定部233は、広告AD1〜AD8等の複数の広告のうち、最もCTRの高い広告AD4を、ユーザAに配信する広告として決定する。
【0106】
〔7.処理フロー〕
次に、
図13及び
図14を用いて、変形例に係る配信システム2による決定処理の手順について説明する。
図13は、変形例に係るグループ情報の生成の一例を示すフローチャートである。
図14は、変形例に係る広告の決定の一例を示すフローチャートである。
【0107】
まず、
図13を用いてグループ情報の生成の一例について説明する。
図13に示すように、広告配信装置200の取得部131は、配信実績情報を取得する(ステップS301)。例えば、取得部131は、配信実績情報記憶部221から配信実績情報を取得する。
【0108】
その後、広告配信装置200の分類部232は、類似度に応じてユーザを分類する(ステップS302)。例えば、分類部232は、取得部131により取得された配信実績情報に基づいて、類似するユーザごとに複数のグループに分類する。そして、分類部232は、類似するユーザの配信実績情報を合成する(ステップS303)。例えば、分類部232は、類似するユーザの配信実績情報を合成し、グループ情報を生成する。
【0109】
次に、
図14を用いて広告の決定の一例について説明する。
図14に示すように、取得部131は、広告要求を取得する(ステップS401)。例えば、取得部131は、端末装置10から広告要求を取得する。また、取得部131は、広告要求に対応するユーザに関する情報を取得する(ステップS402)。例えば、取得部131は、端末装置10から広告要求に対応するユーザのユーザ情報を取得する。
【0110】
その後、広告配信装置200の決定部233は、ユーザが属するグループの配信実績情報に基づいて配信する広告を決定する(ステップS403)。例えば、決定部233は、ユーザが属するグループのグループ情報に基づいて配信する広告を決定する。その後、広告配信装置200の配信部134は、決定部233により決定された広告を配信する(ステップS404)。例えば、配信部134は、決定部233により決定された広告をユーザが利用する端末装置10に配信する。
【0111】
〔8.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る広告配信装置100及び変形例に係る広告配信装置200は、取得部131と、決定部133、233とを有する。取得部131は、複数の対象の各々への配信における複数のコンテンツの配信実績に関する情報を取得する。決定部133、233は、一の対象へコンテンツを配信する際に、一の対象と類似する対象として分類された対象への配信における複数のコンテンツの配信実績に関する情報に基づいて、一の対象に配信するコンテンツを決定する。
【0112】
これにより、実施形態に係る広告配信装置100及び変形例に係る広告配信装置200は、配信対象となる対象に類似する他の対象の配信実績に関する情報に基づいて、対象に配信するコンテンツを決定する。したがって、広告配信装置100、200は、配信するコンテンツを適切に決定することができる。すなわち、広告配信装置100、200は、配信実績が不足する対象に対してコンテンツを配信する場合であっても、各コンテンツの配信実績に関する情報が類似し、配信実績が十分な信頼度が高い対象の情報と合成したグループ情報を用いることにより、配信実績が不足する対象における複数のコンテンツの各々の配信実績に関する情報を適切に補正することができる。
【0113】
実施形態に係る広告配信装置100及び変形例に係る広告配信装置200は、分類部132、232を有する。分類部132、232は、各対象の配信実績に関する情報に基づく類似度に応じて、複数の対象を各群(実施形態においては「グループ」。以下同じ)に分類する。決定部133、233は、分類部132、232により一の対象が分類された群に属する他の対象の配信実績に関する情報に基づいて、一の対象に配信するコンテンツを決定する。
【0114】
これにより、実施形態に係る広告配信装置100及び変形例に係る広告配信装置200は、各対象の配信実績に関する情報に基づく類似度に応じて対象をグループに分類し、配信対象となる対象が含まれるグループの他の対象の配信実績に関する情報に基づいて、対象に配信するコンテンツを決定する。したがって、広告配信装置100、200は、配信するコンテンツを適切に決定することができる。
【0115】
また、実施形態に係る広告配信装置100及び変形例に係る広告配信装置200において、分類部132、232は、各対象の各々への配信における複数のコンテンツへのユーザ操作に関する情報を配信実績に関する情報として、複数の対象を各群に分類する。
【0116】
これにより、実施形態に係る広告配信装置100及び変形例に係る広告配信装置200は、配信対象となる対象に類似する他の対象のユーザ操作に関する情報に基づいて、対象に配信するコンテンツを決定する。したがって、広告配信装置100、200は、配信するコンテンツを適切に決定することができる。すなわち、広告配信装置100、200は、配信実績が不足する対象に対してコンテンツを配信する場合であっても、各コンテンツのユーザ操作に関する情報が類似し、配信実績が十分な信頼度が高い対象の情報と合成したグループ情報を用いることにより、配信実績が不足する対象における複数のコンテンツの各々のユーザ操作に関する情報を適切に補正することができる。
【0117】
また、実施形態に係る広告配信装置100及び変形例に係る広告配信装置200において、分類部132、232は、各対象の各々への配信における複数のコンテンツへのユーザ行動率を配信実績に関する情報として、複数の対象を各群に分類する。
【0118】
これにより、実施形態に係る広告配信装置100及び変形例に係る広告配信装置200は、配信対象となる対象に類似する他の対象へのユーザ行動率であるCTRに基づいて、対象に配信するコンテンツを決定する。したがって、広告配信装置100、200は、配信するコンテンツを適切に決定することができる。すなわち、広告配信装置100、200は、配信実績が不足する対象に対してコンテンツを配信する場合であっても、各コンテンツのCTRが類似し、配信実績が十分な信頼度が高い対象の情報と合成したグループ情報を用いることにより、配信実績が不足する対象における複数のコンテンツの各々のCTRを適切に補正することができる。
【0119】
また、実施形態に係る広告配信装置100及び変形例に係る広告配信装置200において、取得部131は、複数のコンテンツとして複数の広告の配信実績に関する情報を取得する。決定部133、232は、一の対象へ広告を配信する際に、一の対象と類似する対象として分類された対象への配信における複数の広告の配信実績に関する情報に基づいて、一の対象に配信する広告を決定する。
【0120】
これにより、実施形態に係る広告配信装置100及び変形例に係る広告配信装置200は、配信対象となる対象に類似する他の対象の配信実績に関する情報に基づいて、対象に配信する広告を決定する。したがって、広告配信装置100、200は、配信する広告を適切に決定することができる。すなわち、広告配信装置100、200は、配信実績が不足する対象に対して広告を配信する場合であっても、各広告の配信実績に関する情報が類似し、配信実績が十分な信頼度が高い対象の情報と合成したグループ情報を用いることにより、配信実績が不足する対象における複数の広告の各々の配信実績に関する情報を適切に補正することができる。
【0121】
また、実施形態に係る広告配信装置100において、取得部131は、複数の対象として複数の広告枠の各々への配信における複数の広告の配信実績に関する情報を取得する。決定部133は、一の広告枠へ広告を配信する際に、各広告枠への配信における複数の広告の配信実績に関する情報に基づいて、一の広告枠に配信する広告を決定する。
【0122】
これにより、実施形態に係る広告配信装置100は、配信対象となる広告枠に類似する他の広告枠の配信実績に関する情報に基づいて、広告枠に配信する広告を決定する。したがって、広告配信装置100は、配信する広告を適切に決定することができる。すなわち、広告配信装置100は、配信実績が不足する広告枠に対して広告を配信する場合であっても、各広告の配信実績に関する情報が類似し、配信実績が十分な信頼度が高い広告枠の情報と合成したグループ情報を用いることにより、配信実績が不足する広告枠における複数の広告の各々の配信実績に関する情報を適切に補正することができる。
【0123】
また、変形例に係る広告配信装置200において、取得部131は、複数の対象として複数のユーザの各々への配信における複数のコンテンツの配信実績に関する情報を取得する。決定部233は、一のユーザへコンテンツを配信する際に、各ユーザへの配信における複数のコンテンツの配信実績に関する情報に基づいて、一のユーザに配信するコンテンツを決定する。
【0124】
これにより、変形例に係る広告配信装置200は、配信対象となるユーザに類似する他のユーザの配信実績に関する情報に基づいて、ユーザに配信する広告を決定する。したがって、広告配信装置200は、配信する広告を適切に決定することができる。すなわち、広告配信装置200は、配信実績が不足するユーザに対して広告を配信する場合であっても、各広告の配信実績に関する情報が類似し、配信実績が十分な信頼度が高いユーザの情報と合成したグループ情報を用いることにより、配信実績が不足するユーザにおける複数の広告の各々の配信実績に関する情報を適切に補正することができる。
【0125】
〔9.ハードウェア構成〕
上述してきた実施形態に係る広告配信装置100及び変形例に係る広告配信装置200は、例えば
図15に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図15は、広告配信装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0126】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0127】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータをネットワークNを介して他の機器へ送信する。
【0128】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0129】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0130】
例えば、コンピュータ1000が広告配信装置100、200として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130、230の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0131】
以上、本願の実施形態及び変形例のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の行に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0132】
〔10.その他〕
また、上記実施形態及び変形例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0133】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0134】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0135】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。