(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
方立と無目とにより形成される枠体の開口部にパネル体を取付けてなるカーテンウォールにおいて、前記方立および無目を、室外側から方立の縦ラインが見えるマリオン仕様と、方立が見えないバックマリオン仕様との両仕様に対応可能に構成するにあたり、無目は、マリオン仕様、バックマリオン仕様の両仕様に共通の無目を用いる一方、方立は、躯体側に支持され、パネル体の室内側においてパネル体の左右縦辺部を支持するパネル体室内側支持部と縦押縁が取付けられる押縁取付け部とを有する方立部材を、マリオン仕様、バックマリオン仕様の両仕様に共通の部材として用いるとともに、マリオン仕様では、前記方立部材の押縁取付け部に、パネル体の室外側においてパネル体の左右縦辺部を支持するパネル体室外側支持部を有する縦押縁を取付け、バックマリオン仕様では縦押縁を取付けない構成にする一方、
前記方立部材は、躯体側に支持される左右の分割方立本体部と、該左右の分割方立本体部から互いに間隔を存する状態で室外側に向けて突設された左右の支持脚片にそれぞれ取付けられる左右の分割方立アタッチメントとから構成される左右分割型のものであって、前記左右の分割方立アタッチメントは、室内側面部と、パネル体室内側支持部となる室外側面部と、室内側面部から室外側面部に至る左右の面部とを有した矩形状のものであり、左右の分割方立アタッチメントの左右の面部のうち一方の面部同士は、その室内側半部が前記支持脚片に取付けられることで互いに間隔を存して対向し、該対向する面部の室外側半部に前記縦押縁を取付けるための押縁取付け部を形成することで、該押縁取付け部を、パネル体室内側支持部よりも室内側に位置せしめたことを特徴とするカーテンウォール構造。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
まず、本発明の第一の実施の形態について、
図1〜
図7に基づいて説明すると、1は建造物の外壁等に用いられるカーテンウォールであって、該カーテンウォール1は、方立(縦材、マリオン)2と無目(横材)3とにより形成される枠体の開口部にパネル体5を取付けて形成されている。尚、本実施の形態では、パネル体5としてガラスが採用されている。
ここで、本実施の形態では、カーテンウォール1を形成する工法として、方立2を左右分割型のものにする一方、分割された方立2を左右の縦枠として該分割方立間に無目3を組付けてユニット化した枠組ユニットを予め形成しておき、これら枠組ユニットを施工現場にて順次躯体側に組付けて枠体全体を形成するとともに、該枠体の開口部にパネル体5を取り付けてカーテンウォール1を形成する、所謂ユニット式スプリットマリオン工法が採用されているが、その手順については後述する。
さらに、前記カーテンウォール1は、外観意匠のバリエーションとして、室外側から方立2の縦ラインが見えるマリオン仕様と、方立2が見えないバックマリオン仕様とを選択できるようになっているとともに、パネル体5を支持する方立2および無目3は、マリオン仕様とバックマリオン仕様の両仕様に対応できるように構成されており、これら方立2および無目3の構成について、以下に説明する。
尚、本実施の形態を説明するにあたり、後述する方立本体部6に対してパネル体5が配設される側を室外側とし、パネル体5に対して方立本体部6が配設される側を室内側とする。また、パネル体5の面方向に沿う方向を上下方向および左右方向として説明する。
【0009】
前記方立2は、マリオン仕様とバックマリオン仕様の両仕様に共通の部材として方立部材4を用いて構成されているとともに、該方立部材4は、躯体側に支持される方立本体部6と、該方立本体部6の室外側に組付けられる方立アタッチメント7とを用いて構成されているが、本実施の形態の方立部材4は、左右対の分割方立部材4A、4Bから形成される左右分割型のものであって、方立本体部6および方立アタッチメント7も、それぞれ左右対の分割方立本体部6A、6B、左右対の分割方立アタッチメント7A、7Bから形成される左右分割型のものとなっている。
【0010】
前記左右の分割方立本体部6A、6Bは、室内側面部6Aa、6Ba、室外側面部6Ab、6Bb、左右内方側面部6Ac、6Bcを備え、左右の分割方立本体部6A、6B同士を連結した状態で互いに対向する左右外方側が開口した水平断面半矩形状のものであって、一方の分割方立本体部6A(
図2、
図6では左側の分割方立本体部6A)の室内側面部6Aaおよび室外側面部6Abの左右外方側端部には、他方の分割方立本体部6B(
図2、
図6では右側の分割方立本体部6B)の室内側面部6Baおよび室外側面部6Bbの左右外方側端部に係合する係合部6Ad、6Aeが突出形成されている。そして、これら分割方立本体部6A、6B同士は、上記係合部6Ad、6Aeを他方の分割方立本体部6Bの室内側面部6Baおよび室外側面部6Bbの左右外方側端部に係合させた状態で、一方の分割方立本体部6Aにビス9で止着され他方の分割方立本体部6Bに係合される方立ジョイント部品(連結部材)8により隙間があかないように連結され、これにより水平断面が矩形中空状の方立本体部6が形成されるようになっているが、前記係合部6Ad、6Aeにはシール材10が嵌合されるリップ状溝6Af、6Agが形成されており、該リップ状溝6Af、6Agに嵌合されたシール材10によって、分割方立本体部6A、6B同士の連結部のシール性が確保されるようになっている。
尚、前記分割方立本体部6A、6B同士の連結は、前述した枠組ユニットを躯体側に取付ける場合に行われる。また、本実施の形態の説明において、左右の分割方立本体部6A、6B同士を連結した状態で分割方立本体部6A、6B同士が互いに対向する側(連結側)は、無目3と方立2により形成される枠体の開口部に取付けられたパネル体5にとって左右外方側となるため、分割方立本体部6A、6B同士の連結側を左右外方側とし、反対側を左右内方側とする。
【0011】
さらに、前記左右の分割方立本体部6A、6Bの室外側面部6Ab、6Bbの左右外方側部位には、室外側面部6Ab、6Bbから垂直状に室外側に突出する支持脚片6Ah、6Bhが形成されている。これら左右の分割方立本体部6A、6Bの支持脚片6Ah、6Bhの左右内方側には、ビス29を介して後述する無目3の左右外端部が取付けられるとともに、上下の無目3間に位置する状態で左右の分割方立アタッチメント7A、7Bが取付けられるが、これら支持脚片6Ah、6Bh同士は、分割方立本体部6A、6B同士を連結した状態で、所定間隔を存する状態で平行状となるように設けられているとともに、その室外側先端部間にはバックアップ材11が嵌め込まれ、さらに該バックアップ材11の室外側はシーリング材12によってシールされるようになっており、これにより分割方立本体部6A、6B同士の支持脚片6Ah、6Bh間のシール性が確保されるようになっている。
尚、本実施の形態において、左右の分割方立本体部6A、6Bの支持脚片6Ah、6Bhには、上下方向に複数の分割方立アタッチメント7A、7Bが取付けられるとともに、該分割方立アタッチメント7A、7Bの上下に位置する状態で無目3の左右外端面が取付けられるようになっているが、該支持脚片6Ah、6Bhに取付けられた無目3と分割方立アタッチメント7A、7Bの上下間は少し離間しており、該離間部分にはゴム部材27が介装されるようになっている。
【0012】
さらに、左右の分割方立本体部6A、6Bの室外側面部6Ab、6Bbの左右内方側部位には凹溝6Ai、6Biが形成されており、外凹溝6Ai、6Biにはシール材13が嵌合されるとともに、後述する分割方立アタッチメント7A、7Bの係止突起7Af、7Bfが係止するようになっている。
【0013】
一方、左右の分割方立アタッチメント7A、7Bは、室内側面部7Aa、7Ba、室外側面部7Ab、7Bb、左右内方側面部7Ac、7Bc、左右外方側面部7Ad、7Bdを備え、水平断面が略矩形の中空状のものであって、室外側面部7Ab、7Bbは、バックアップ材17およびシーリング材18を介してパネル体5の左右縦辺部の室内側を支持するパネル体室内側支持部7Ab、7Bbを構成している。
【0014】
また、左右の分割方立アタッチメント7A、7Bの左右外方側面部7Ad、7Bdの室内側半部は、前記分割方立本体部6A、6Bの支持脚片6Ah、6Bhに左右内方側から当接する取付面7Ae、7Beになっている。そして、左右の分割方立アタッチメント7A、7Bは、その室内側面部7Aa、7Baを分割方立本体部6A、6Bの室外側面部6Ab、6Bbに室外側から当接させ、且つ、左右外方側面部7Ad、7Bdの取付面7Ae、7Beを分割方立本体部6A、6Bの支持脚片6Ah、6Bhに左右内方側から当接させた状態で、取付面7Ae、7Beと支持脚片6Ah、6Bhとをビス14により固定することで、左右の分割方立本体部6A、6Bの室外側にそれぞれ組付けられるようになっているとともに、該組付けた状態で、分割方立本体部6A、6Bの左右内方側面部6Ac、6Bcと分割方立アタッチメント7A、7Bの左右内方側面部7Ac、7Bcとは面一状となるように設計されている。
尚、左右の分割方立アタッチメント7A、7Bは、同形状の型材を左右の分割アタッチメント7A、7B同士が左右対称状となるように左右逆にして用いる。
【0015】
さらに、左右の分割方立アタッチメント7A、7Bの室内側面部7Aa、7Baには、前記左右の分割方立本体部6A、6Bの室外側面部6Ab、6Bbに形成の凹溝6Ai、6Biに係止する係止突起7Af、7Bfが形成されている。そして、分割方立アタッチメント7A、7Bを分割方立本体部6A、6Bに組付ける場合に、前記係止突起7Af、7Bfを凹溝6Ai、6Biに係止させるようになっているとともに、凹溝6Ai、6Biに嵌合されたシール材13によって、分割方立アタッチメント7A、7Bの室内側面部7Aa、7Baと分割方立本体部6A、6Bの室外側面部6Ab、6Bbとの間のシール性が確保されるようになっている。
【0016】
さらに、左右の分割方立アタッチメント7A、7Bの左右外方側面部7Ad、7Bdには、取付面7Ae、7Beの室外側端部に、シール材15が嵌合される凹溝7Ag、7Bgが形成されているとともに、該凹溝7Ag、7Bgの室外側部位には、分割方立本体部6A、6Bの支持脚片6Ah、6Bhの室外側端部が当接する当接片7Ah、7Bhが形成されている。そして、分割方立アタッチメント7A、7Bを分割方立本体部6A、6Bに組付ける場合に、前記当接片7Ah、7Bhが支持脚片6Ah、6Bhの室外側端部に当接することで室内外方向の位置決めがなされるとともに、凹溝7Ag、7Bgに嵌合されたシール材15によって、支持脚片6Ah、6Bhと取付面7Ae、7Beとの間のシール性が確保されるようになっている。
【0017】
さらに、左右の分割方立アタッチメント7A、7Bの左右外方側面部7Ad、7Bdには、前記当接片7Ah、7Bhよりも室外側となる室外側半部に、後述する縦押縁16A、16Bを取付けるための押縁取付け部7Ai、7Biが形成されている。該押縁取付け部7Ai、7Biは、後述する縦押縁16A、16Bの係止突片16Ad、16Bdを係止するための二条の係止溝7Ak、7Bkが形成されているとともに、分割方立アタッチメント7A、7Bのパネル体室内側支持部(室外側面部)7Ab、7Bbよりも室内側に位置するように設けられている。
【0018】
そして、パネル体5は、前記左右の分割方立アタッチメント7A、7Bのパネル体室内側支持部(室外側面部)7Ab、7Bbの室外側に取付けられることになるが、この場合に、マリオン仕様では、前記分割方立アタッチメント7A、7Bの押縁取付け部7Ai、7Biに縦押縁16A、16Bを取付ける一方、バックマリオン仕様では縦押縁16A、16Bを取付けない構成になっている。
【0019】
前記縦押縁16A、16Bは、本実施の形態では、左右の分割方立アタッチメント7A、7Bの押縁取付け部7Ai、7Biにそれぞれ取付けられる左右分割型のものであって、パネル体5の室外側に位置する見付け片16Aa、16Baと、該見付け片16Aa、16Baの左右外方側端部から室内側に向けて突出形成される取付け片16Ab、16Bbを備えている。そして、前記見付け片16Aa、16Baは、バックアップ材17およびシーリング材18を介してパネル体5の左右縦辺部の室外側を支持するパネル体室外側支持部16Aa、16Baを構成しているとともに、取付け片16Ab、16Bbの室内側部位には、前記押縁取付け部7Ai、7Biの二条の係止溝7Ak、7Bkに係止する鈎状の係止突片16Ad、16Bdが形成されている。
尚、図中、16Aeは左右の縦押縁16A、16Bのうち一方の縦押縁16A(
図2では左側の縦押縁16A)の取付け片16Abに形成される防水用突片、また、16Bfは他方の縦押縁16B(
図2では右側の縦押縁16B)の取付け片16Bbに取付けられる防水板であって、これら防水用突片16Aeと防水板16Bfとは、係止突片16Ad、16Bdの室外側において室内外方向にオーバーラップするように設けられている。
また、左右の縦押縁16A、16Bは、一方に防水用突片16Aeが形成されている点が異なるだけで、他の部分は全て左右対称状に形成されている。
【0020】
そして、パネル体5を取付けるにあたり、マリオン仕様では、分割方立アタッチメント7A、7Bの押縁取付け部7Ai、7Biに縦押縁16A、16Bを取付けて、分割方立アタッチメント7A、7Bのパネル体室内側支持部(室外側面部)7Ab、7Bbと縦押縁16A、16Bのパネル体室外側支持部(見付け片)16Aa、16Baとの間に、バックアップ材17およびシーリング材18を介してパネル体5の左右縦辺部を挟持支持せしめる。この場合に、縦押縁16A、16Bは、室内側に突出する取付け片16Ab、16Bbを、左右に隣接するパネル体5の左右縦辺部間を貫通させ、該取付け片16Ab、16Bbの室外側半部に設けられた係止突片16Ad、16Bdを押縁取付け部7Ai、7Biの係止溝7Ak、7Bkに係止することで押縁取付け部7Ai、7Biに取付けられるようになっているが、この状態では、縦押縁16A、16Bの見付け片(パネル体室外側支持部)16Aa、16Baが方立2の縦ラインとして室外側から見えるようになっている。
【0021】
これに対し、バックマリオン仕様では、パネル体5を取付けるにあたり、縦押縁16A、16Bを取付けずに、パネル体5の左右縦辺部の室内側を、バックアップ材17およびシーリング材18を介して分割方立アタッチメント7A、7Bのパネル体室内側支持部(室外側面部)7Ab、7Bbに支持せしめるとともに、左右に隣接するパネル体5の左右縦辺部同士を突き付け、該突き付け部をシーリング材19で充填して封止するが、この状態では、方立2全体がパネル体5の室内側に位置していて室外側から見えないようになっている。
尚、バックマリオン仕様に用いられるバックアップ材17は、一方の分割方立アタッチメント7Aのパネル体室内側支持部(室外側面部)7Abから他方の分割方立アタッチメント7Bのパネル体室内側支持部(室外側面部)7Bbまで亘るように形成されており、該バックアップ材17に左右に隣接する両パネル体5の左右縦辺部の室内側を当接させた状態で、左右縦辺部同士間にシーリング材19が充填されるようになっている。
また、マリオン仕様、バックマリオン仕様の両仕様において、方立アタッチメント7に対するパネル体5の左右縦辺部の取付けは、後述する無目3に対するパネル体5の上下辺部の取付けの後に行われるようになっている。
【0022】
一方、前記無目3は、無目部材59と該無目部材59に取付けられる横押縁23とから構成され、さらに上記無目部材59は、左右外端面が前記分割方立本体部6A、6Bの支持脚片6Ah、6Bhの左右内方側にビス29を介して取付けられる無目本体部20と、該無目本体部20に取付けられる第一、第二無目アタッチメント21、22とを用いて構成されるとともに、これら無目3を構成する無目部材59(無目本体部20、第一、第二無目アタッチメント21、22)および横押縁23は、マリオン仕様とバックマリオン仕様の両仕様に共通して用いられるように構成されている。
【0023】
前記無目本体部20は、その室内側半部に、上面部20a、下面部20b、室内側面部20c、室外側面部20dにより形成される縦断面が略矩形状の中空体を備え、該中空体には、無目本体部20を前記分割方立本体部6A、6Bの支持脚片6Ah、6Bhに取付けるためのビス29が螺入される複数のビスホール20qが形成されているとともに、上面部20aおよび下面部20bの室外側端部には、第一、第二無目アタッチメント21が取付けられるリップ溝状の第一、第二アタッチメント取付け溝20e、20fが形成されている。
【0024】
さらに、前記無目本体部20の室外側面部20dからは、第一見込み片20gと第二見込み片20hとが上下に平行となる状態で室外側に向けて突出形成されているとともに、これら第一、第二見込み片20g、20hの室内外方向中間部同士は、連結片20pにより連結されている。そして、上側に位置する第一見込み片20gの室外側端部には、横押縁23が取付けられる押縁取付け片20iが上方に向けて屈曲形成される一方、下側に位置する第二見込み片20hの室外側端部には、パネル体5の上辺部の室外側に位置する見付け片20kが下方に向けて屈曲形成されているとともに、該見付け片20kは、バックアップ材17およびシーリング材18を介してパネル体5の上辺部の室外側を支持するパネル体室外側支持部20kを構成している。尚、図中、20nは無目本体部20に穿設される水抜き孔である。
【0025】
そして、前記無目本体部20は、その左右外端面を分割方立本体部6A、6Bの支持脚片6Ah、6Bhの左右内方側面に当接させた状態で、支持脚片6Ah、6Bhの左右外方側から挿入したビス29をビスホール20qに螺入することにより分割方立本体部6A、6Bに取付けられるが、この場合に、無目本体部20の左右外端面は、室内側から室外側に至るまでストレートに切断加工されている(
図4参照)。そして、左右に隣接する無目3の左右外端面同士は所定間隔を存する状態で対向し、該対向間にはシーリング材57が充填されるようになっている。尚、本実施の形態では、左右に隣接する無目3の左右外端面同士の対向間隔(シーリング材57の横幅)は、前記マリオン仕様における左右に隣接する縦押縁16A、16の見付け片16Aa、16Baの左右外端部同士の対向間隔、およびバックマリオン仕様における左右に隣接するパネル体5の左右縦辺部同士の対向間隔(シーリング材19の横幅)と等しくなるように設定されている。
【0026】
また、前記横押縁23は、パネル体5の室外側に位置する見付け片23aと、該見付け片23aの室内側に形成される鈎状の取付け片23bとを備えているとともに、上記見付け片23aは、バックアップ材17およびシーリング材18を介してパネル体5の下辺部の室外側を支持するパネル体室外側支持部23aを構成している。
【0027】
一方、前記第一、第二無目アタッチメント21、22は、無目本体部20の上面部20a、下面部20bに形成の第一、第二アタッチメント取付け溝20e、20fにそれぞれ取付けられるが、該第一、第二無目アタッチメント21、22の室内側半部には、第一、第二アタッチメント取付け溝20e、20fに係止する係止突起21a、22aと、シール材24が嵌合される凹溝21b、22bとが形成され、また、第一、第二無目アタッチメント21、22の室外側半部には、バックアップ材17およびシーリング材18あるいはビード25を介してパネル体5の下辺部、上辺部の室内側を支持するパネル体室内側支持部21c、22cが形成されている。
尚、無目本体部20の上面部20aに取付けられる第一無目アタッチメント21と下面部20bに取付けられる第二無目アタッチメント22とは、同形状の型材を上下対称状となるように天地逆にして用いる。
【0028】
そして、パネル体5は、その下辺部が、第一無目アタッチメント21のパネル体室内側支持部21cと横押縁23のパネル体室外側支持部(見付け片)23aとの間に、バックアップ材17およびシーリング材18あるいはビード25を介して挟持支持され、また上辺部が、第二無目アタッチメント22のパネル体室内側支持部22cと無目本体部20のパネル体室外側支持部(見付け片)20kとの間に、バックアップ材17およびシーリング材18あるいはビード25を介して挟持支持されるようになっており、このようにしてパネル体5の上下辺部が無目3に支持されるようになっているが、該無目3は、前述したように、マリオン仕様とバックマリオン仕様の両仕様に共通して用いられるとともに、無目3に対するパネル体5の取付けも、両仕様で同様に行われるようになっている。そして、このようにしてパネル体5の上下辺部が無目3に取付けられた状態において、無目本体部20の見付け片(パネル体室外側支持部)20kおよび横押縁23の見付け片(パネル体室外側支持部)23aが無目3の横ラインとして室外側から見えるようになっている。
尚、図中、26はパネル体5の下端部を支持するとともにパネル体5の上下位置を調整するためのパネル体支持部材である。
【0029】
ここで、前記方立2および無目3の組付け手順と、躯体側への取付け方法の概略について説明する。まず、工場等の製造現場において、分割方立本体部6A、6Bに分割方立アタッチメント7A、7Bを組付けて分割方立部材4A、4Bを形成する。さらに、これら分割方立部材4A、4Bの左右内方側間(反連結側間)に無目3を組付けることで、パネル体5が取付けられる開口部が上下方向に複数形成された梯子状の枠組ユニットを製作する。
さらに、カーテンウォール1の施工現場にて、前記枠組ユニットを、図示しない方立取付ブラケットおよびファスナーを介して躯体側に取付ける。そして、左右方向に隣接する枠組ユニットを、同様にして順次躯体側に取付けていく。この場合に、分割方立部材4A、4B同士の室外側端が開いて隙間があかないように、本実施の形態では前記方立ジョイント部品(連結部材)8により挟み込んで分割方立部材4A、4B同士を連結しているが、ネジ等の締結部材で分割方立部材4A、4B同士を連結するようにしても良い。また、建物高さが高く、分割方立部材4A、4Bを上下に繋いで施工する場合には、下半側が下側の分割方立部材4A、4Bの上部に内嵌され上半側が上側の分割方立部材4A、4Bの下部に内嵌される方立スリーブ(接合部材)56を用いて、分割方立部材4A、4Bを上下方向に連続して繋いでいくが、この場合に、上下に隣接する方立部材4同士を少し離間させて目地を設けるようになっている。尚、前記方立取付ブラケットおよびファスナーによる躯体側への取付けは、後述する第五の実施の形態でも同様であるため、該第五の実施の形態において説明する。
そして、前記枠組ユニットの躯体側への取付け終了後に、方立2と無目3により形成される枠体の開口部にパネル体5を嵌め、横押縁23や縦押縁16A、16B(マリオン仕様のみ)の取付け、シーリング材19の充填(バックマリオン仕様のみ)を含めた各種シール処理等を行うことで、カーテンウォール1が形成されるようになっている。
【0030】
叙述の如く構成された本発明の第一の実施の形態において、カーテンウォール1は、方立2と無目3とにより形成される枠体の開口部にパネル体5を装着して構成されるが、このものにおいて、前記方立2および無目3は、室外側から方立2の縦ラインが見えるマリオン仕様と、方立2が見えないバックマリオン仕様との両仕様に対応可能に構成されている。つまり、無目3は、マリオン仕様、バックマリオン仕様の両仕様に共通の無目3を用いる。また、方立2は、躯体側に支持され、パネル体5の室内側においてパネル体5の左右縦辺部を支持するパネル体室内側支持部(室外側面部)7Ab、7Bbと縦押縁16A、16Bが取付けられる押縁取付け部7Ai、7Biとを有する方立部材4を、マリオン仕様、バックマリオン仕様の両仕様に共通の部材として用いるとともに、マリオン仕様では、前記方立部材4の押縁取付け部7Ai、7Biに、パネル体5の室外側においてパネル体5の左右縦辺部を支持するパネル体室外側支持部(見付け片)16Aa、16Baを有する縦押縁16A、16Bを取付ける一方、バックマリオン仕様では縦押縁16A、16Bを取付けない構成になっているが、このものにおいて、前記方立部材4の押縁取付け部7Ai、7Biは、パネル体室内側支持部7Ab、7Bbよりも室内側に形成されており、これにより、押縁取付け部7Ai、7Biを有する方立部材4を、縦押縁16A、16Bを取付けないバックマリオン仕様に用いても、押縁取付け部7Ai、7Biがパネル体5の取付けの邪魔にならず、部材の共通化を達成できることになる。
【0031】
この結果、マリオン仕様とバックマリオン仕様とでは、縦押縁16A、16Bを用いるか否かの違いだけで、無目3も、方立2を構成する方立部材4も共通の部材を用いることができることになって、部材の共通化が図れ、製造コストの削減、在庫管理の簡素化、工場や施工現場での組み立て作業の共通化に大きく貢献できて、コストダウンを達成できることになる。また、1つの壁面内でマリオン仕様とバックマリオン仕様とを組み合わせることも容易となる。
【0032】
さらにこのものにおいて、前記方立部材4は、躯体側に支持される方立本体部6と、該方立本体部6の室外側に組付けられ、パネル体5の左右縦辺部を支持するパネル体室内側支持部7Ab、7Bbおよび押縁取付け部7Ai、7Biを有する方立アタッチメント7とから構成されている。そして、このように方立部材4が方立本体部6と方立アタッチメント7とに分割されていることにより、方立アタッチメント7を、上下の無目3の間の長さに切断加工されたものとし、これら方立アタッチメント7の上下に無目3を配設する構成にすることができるから、無目3を方立アタッチメント7に干渉しない状態で方立本体部6に取付けることができ、これにより、無目3の左右外端面の形状を、方立アタッチメント7に左右されることなくストレートな切断加工とすることができて、加工の簡素化に貢献できる。
さらに、方立部材4が方立本体部6と方立アタッチメント7とに分割されていることにより、方立アタッチメント7のみの仕様変更(例えば、パネル体として単板ガラス、複層ガラスを用いる場合の単板ガラス用、複層ガラス用の方立アタッチメント)、あるいは方立本体部6のみの仕様変更(例えば、低層から中高層までの建物に対応するべく見込み寸法や強度の異なる方立本体部)が可能となり、而して、部材の一部については共通化を達成できながら、種々のバリエーションへの対応も可能となる。
【0033】
さらにこのものにおいて、方立部材4(方立本体部6および方立アタッチメント7)は、左右対の分割方立部材部4A、4B(左右対の分割方立本体部6A、6Bおよび方立アタッチメント7A、7B)を組合わせて形成される左右分割型のものであって、本実施の形態では、このように左右分割型の方立部材4が用いられているカーテンウォール1に本発明が実施されている。さらに、本実施の形態では、押縁16A、16Bについても、左右の分割方立部材4A、4Bにそれぞれ取付けられ、左右の分割方立部材4A、4Bのパネル体室内側支持部(室外側面部)7Ab、7Bbに対向するパネル体室外側支持部(見付け片)16Aa、16Baをそれぞれ有した左右対の縦押縁16A、16Bから構成される左右分割型のものが用いられているが、このような左右分割型の押縁16A、16Bは、後述する第四の実施の形態のように、カーテンウォール1に窓が設けられている場合の窓用の縦押縁としても用いることができる。
【0034】
尚、本発明は上記第一の実施の形態に限定されないことは勿論であって、例えば、第一の実施の形態の縦押縁は左右分割型のものであるが、
図8に示す第二の実施の形態の如く、縦押縁28を左右一体型のものとすることもできる。尚、第二の実施の形態のものは、縦押縁28以外の部材、つまり、方立部材4を構成する方立本体部6や方立アタッチメント7、無目3は第一の実施の形態と同一のものであるため、同一の符号を付すとともに、説明を省略する。
【0035】
前記第二の実施の形態の縦押縁28は、パネル体5の室外側に位置する見付け片28aと、該見付け片28aの左右方向中央部から室内側に向けて突出する取付け片28bとを備えている。前記見付け片28aは、左右に隣接する一方のパネル体5の縦辺部の室外側から他方のパネル体5の縦辺部の室外側に至るように形成されているとともに、その左右方向中央部には凹部28cが形成されているが、該凹部28cの左右両側部分は、左右の分割方立アタッチメント7Aのパネル体室内側支持部7Ab、7Bbにそれぞれ対向する左右のパネル体室外側支持部28d、28eを構成している。また、取付け片28bには、左右の分割方立アタッチメント7A、7Bのうち一方の分割方立アタッチメント7A(
図8において左側の分割方立アタッチメント7A)の押縁取付け部7Aiの係止溝7Akに係止する鈎状の係止突片28fが形成されている。そして、該係止突片28fを係止溝7Akに係止させて縦押縁28を押縁取付け部7Aiに取付けることによって、左右の分割方立アタッチメント7A、7Bのパネル体室内側支持部7Ab、7Bbと縦押縁28の左右のパネル体室外側支持部28d、28eとの間に、バックアップ材17およびシーリング材18を介して左右に隣接する両パネル体5の縦辺部を支持せしめることができるようになっている。そして、このように左右一体型の縦押縁28を用いることにより、部品点数の削減、縦押縁28の取付け作業数の削減に貢献できる。
【0036】
さらに、本発明は、
図9に示す第三の実施の形態の如く、無目部材58を、前述した第一の実施の形態における無目本体部と第一、第二無目アタッチメントとが一体形成されたものとすることもできる。つまり、第三の実施の形態の無目部材58は、第一の実施の形態の無目本体部20と同様に、無目部材58を方立部材に取付けるための図示しないビスが螺入される複数のビスホール58a、横押縁23が取付けられる押縁取付け片58b、パネル体の上辺部の室外側を支持するパネル体室外側支持部(見付け片)58c等を備えているとともに、バックアップ材14およびシーリング材18あるいはビード25(
図9には図示せず)を介してパネル体の下辺部、上辺部の室内側を支持するパネル体室内側支持部58d、58eが一体形成されている。
尚、上記第三の実施の形態の無目部材58は、パネル体の下辺部および上辺部の室内側を支持するパネル体室内側支持部58d、58eが一体形成されているが、パネル体の下辺部、上辺部のうち何れか一方を支持するパネル体室内側支持部のみが一体形成されたものであっても良く、この場合には、下辺部、上辺部のうち他方を支持する無目アタッチメントが装着される。
【0037】
さらに、本発明は、
図10〜
図15に示す第四の実施の形態のように、枠体の開口部に障子30が開閉自在に取付けられた窓部31を備えたカーテンウォール32にも実施することができる。尚、第四の実施の形態では、窓部31は外倒し窓であってカーテンウォール32の横一列に設けられており、該窓部31の上下は第一の実施の形態と同様のパネル体5が取付けられているとともに、窓部31以外の部分の方立2および無目3は、第一の実施の形態と同様である。また、第四の実施の形態において、第一の実施の形態と同一のものは同一の符号を付すとともに、説明を省略する。
【0038】
前記窓部31の方立34は、マリオン仕様、バックマリオン仕様に共通の窓用方立34から構成されるが、該窓用方立34は、窓部31以外の部分の方立2を構成する方立本体部6(第一の実施の形態の方立本体部6)と共通の方立本体部6と、該方立本体部6の室外側に組付けられる窓用方立アタッチメント35とを用いて構成されている。つまり、窓部31においては、窓部31以外の部分と共通する方立本体部6に、窓部31以外の部分に組付けられる方立アタッチメント7(第一の実施の形態の方立アタッチメント7)に替えて窓用方立アタッチメント35が組付けられることになるが、該窓用方立アタッチメント35は、マリオン仕様、バックマリオン仕様の両仕様に共通して用いられる。
【0039】
前記窓用方立アタッチメント35は、左右の分割方立本体部6A、6Bにそれぞれ組付けられる左右の分割窓用方立アタッチメント35A、35Bから形成される左右分割型のものであって、室内側面部35Aa、35Ba、左右内方側面部35Ab、35Bb、左右外方側面部35Ac、35Bcを備え、室外側が開口したコ字形状をしている。そして、左右の窓用方立アタッチメント35A、35Bは、その室内側面部35Aa、35Baを分割方立本体部6A、6Bの室外側面部6Ab、6Bbに室外側から当接させ、且つ、左右外方側面部35Ac、35Bcを分割方立本体部6A、6Bの支持脚片6Ah、6Bhに左右内方側から当接させた状態で、左右外方側面部35Ac、35Bcと支持脚片6Ah、6Bhとをビス14により固定することで、左右の分割方立本体部6A、6Bの室外側にそれぞれ組付けられるようになっているとともに、該組付けた状態で、分割方立本体部6A、6Bの左右内方側面部7Ac、7Bcと窓用分割方立アタッチメント35A、35Bの左右内方側面部35Ab、35Bbとは面一状となるように設計されている。
尚、左右の窓用方立アタッチメント35A、35Bの室内外方向の寸法(見込み寸法)は、分割方立本体部6A、6Bの支持脚片6Ah、6Bhの室内外方向の寸法よりも小さく設定されていて、支持脚片6Ah、6Bhが窓用方立アタッチメント35A、35Bよりも室外側に突出する状態になっている。
また、左右の窓用分割方立アタッチメント35A、35Bは、同形状の型材を左右の窓用分割アタッチメント35A、35B同士が左右対称状となるように左右逆にして用いる。
【0040】
さらに、左右の窓用分割方立アタッチメント35A、35Bの室内側面部35Aa、35Baには、左右の分割方立本体部6A、6Bの室外側面部6Ab、6Bbに形成の凹溝6Ai、6Biに係止する係止突起35Ad、35Bdが形成されている。そして、窓用分割方立アタッチメント35A、35Bを分割方立本体部6A、6Bに組付ける場合に、前記係止突起35Ad、35Bdを凹溝6Ai、6Biに係止させるようになっているとともに、凹溝6Ai、6Biに嵌合されたシール材13によって、窓用分割方立アタッチメント35A、35Bの室内側面部35Aa、35Baと分割方立本体部6A、6Bの室外側面部6Ab、6Bbとの間のシール性が確保されるようになっている。
【0041】
さらに、左右の窓用分割方立アタッチメント35A、35Bの左右外方側面部35Ac、35Bcの室外側端部には、シール材15が嵌合される凹溝35Ae、35Beが形成されている。そして、該凹溝35Ae、35Beに嵌合されたシール材15によって、窓用分割方立アタッチメント35A、35Bの左右外方側面部35Ac、35Bcと分割方立本体部6A、6Bの支持脚片6Ah、6Bhとの間のシール性が確保されるようになっている。
【0042】
さらに、左右の窓用分割方立アタッチメント35A、35Bの左右内方側面部35Ab、35Bbの室外側端部には、戸当りパッキン38が取付けられる凹溝35Af、35Bfが形成されている。そして、該凹溝35Af、35Bfに嵌合された戸当りパッキン38には、後述する障子30の縦框47の当接部47fが当接するようになっている。
【0043】
一方、窓部31の無目40は、マリオン仕様、バックマリオン仕様の両仕様に共通の窓用無目40が用いられるが、該窓用無目40は、窓部31の上枠となる窓用上側無目40Aと、下枠となる窓用下側無目40Bとから構成される。
【0044】
前記窓用上側無目40Aは、左右外端部が前記分割方立本体部6A、6Bの支持脚片6Ah、6Bhの左右内方側に図示しないビスを介して取付けられる窓用上側無目本体部41と、該窓用上側無目本体部41に取付けられる第一無目アタッチメント21および横押縁23を用いて構成されているが、第一無目アタッチメント21および横押縁23は、窓部31以外の部分の無目3を構成する第一無目アタッチメント21および横押縁23(第一の実施の形態の第一無目アタッチメント21および横押縁23)と共通のものが用いられている。
【0045】
前記窓用上側無目本体部41は、室内側面部41aと、該室内側面部41aの上端部から室外側に突出する上面部41bと、室内側面部41aの上下方向中間部から上面部41bよりもさらに室外側に突出する見込み片41cと、上面部41bと見込み片41cとを連結する連結片41dと、室内側面部41aの下側半部の室外側に形成される中空矩形状の戸当り部41eとを備えるとともに、窓用上側無目本体部41を分割方立本体部6A、6Bの支持脚片6Ah、6Bhに取付けるための図示しないビスが螺入される複数のビスホール41fを有している。さらに、上面部41bの室外側端部には、第一無目アタッチメント21が取付けられるリップ溝状のアタッチメント取付け溝41gが形成され、また、見込み片41cの室外側端部には、横押縁23が取付けられる押縁取付け片41hが上方に向けて屈曲形成されている。そして、上記アタッチメント取付け溝41gに取付けられた第一無目アタッチメント21のパネル体室内側支持部21cと、押縁取付け片41hに取付けられた横押縁23のパネル体室外側支持部(見付け片)23aとの間に、障子30の上側に位置するパネル体5の下辺部がバックアップ材17およびシーリング材18またはビード25を介して挟持支持されるようになっている。
【0046】
さらに、窓用上側無目本体部41に形成される中空矩形状の戸当り部41eの室外側下端部には、戸当りパッキン38が取付けられる凹溝41iが形成されている。そして、該凹溝41iに嵌合された戸当りパッキン38には、後述する障子30の上框45の当接部48cが当接するようになっている。
【0047】
一方、窓用下側無目40Bは、左右外端部が前記分割方立本体部6A、6Bの支持脚片6Ah、6Bhの左右内方側に図示しないビスを介して取付けられる窓用下側無目本体部42と、該窓用上側無目本体部42に取付けられる第二無目アタッチメント22とを用いて構成されているが、第二無目アタッチメント22は、窓部31以外の部分の無目3を構成する第二無目アタッチメント22(第一の実施の形態の第二無目アタッチメント22)と共通のものが用いられている。
【0048】
前記窓用下側無目本体部42は、室内側面部42aと、該室内側面部42aの下端部から室外側に突出する下面部42bと、室内側面部42aの上下方向中間部から下面部42bよりもさらに室外側に突出する見込み片42cと、下面部42bと見込み片4ととを連結する連結片42dと、室内側面部42aの上側半部の室外側に形成される中空矩形状の戸当り部42eとを備えるとともに、窓用下側無目本体部42を分割方立本体部6A、6Bの支持脚片6Ah、6Bhに取付けるための図示しないビスが螺入される複数のビスホール42fを有している。さらに、下面部42bの室外側端部には、第二無目アタッチメント22が取付けられるリップ溝状のアタッチメント取付け溝42gが形成され、また、見込み片42cの室外側端部には、障子30の下側に位置するパネル体5の上辺部の室外側に位置する見付け片42hが下方に向けて屈曲形成されているとともに、該見付け片42hは、バックアップ材17およびシーリング材18を介してパネル体5の上辺部の室外側を支持するパネル体室外側支持部42hを構成している。そして、上記アタッチメント取付け溝42gに取付けられた第二無目アタッチメント22のパネル体室内側支持部22cと、窓用下側無目本体部42のパネル体室外側支持部(見付け片)42hとの間に、障子30の下側に位置するパネル体5の上辺部がバックアップ材17およびシーリング材18を介して挟持支持されるようになっている。
【0049】
さらに、窓用下側無目本体部42に形成される中空矩形状の戸当り部42eの室外側上端部には、戸当りパッキン38が取付けられる凹溝42kが形成されている。そして、該凹溝42kに嵌合された戸当りパッキン38には、後述する障子30の下框46の当接部51cが当接するようになっている。
【0050】
さらに、前記窓用下側無目本体部42の見込み片42cの上面には、障子30を外倒し状態で開閉するためのヒンジ43の一方の羽根43aが取付けられている。
【0051】
一方、前記障子30は、窓用パネル体44と、該窓用パネル体44の上下左右の四周辺部を支持する上框45、下框46および左右の縦框47とを備えて構成されているが、これら上框45、下框46および左右の縦框47は、マリオン仕様とバックマリオン仕様の両仕様に共通して用いられるように構成されている。尚、本実施の形態では、窓用パネル44としてガラスが採用されている。また、上框45、下框46は、本発明の上下の横框に相当する。
【0052】
前記上框45は、上框本体部48と、該上框本体部48に取付けられる上框アタッチメント49とを用いて構成されている。上框本体部48は、その室外側半部に、窓用パネル体44を取付けるためのパネル体取付け部48aが形成され、また、室内側半部には、上框本体部48を左右の縦框47に取付けるための図示しないビスが螺入される複数のビスホール48bが形成されているとともに、室内側端部には、窓用上側無目40Aの戸当り部41eに設けた戸当りパッキン38に当接する当接部48cが形成されている。
【0053】
前記上框本体部48の窓用パネル体取付け部48aは、上面部48dと、該上面部48dの室内側端部から垂下する垂下片48eと、該垂下片48eの下端部に形成されるリップ溝状のアタッチメント取付け溝48fと、上面部48dの室外側端部から下方に向けて屈曲形成され、窓用パネル体44の室外側に位置する見付け片48gとを備えているとともに、該見付け片48gは、バックアップ材17およびシーリング材18を介して窓用パネル体44の上辺部の室外側を支持するパネル体室外側支持部48gを構成している。
【0054】
また、上框アタッチメント49は、その室内側半部に、前記上框本体部48のアタッチメント取付け溝48fに係止する係止突起49aと、シール材24が嵌合される凹溝49bとが形成され、また室外側半部には、バックアップ材17およびシーリング材18を介して窓用パネル体44の上辺部の室内側を支持するパネル体室内側支持部49cが形成されている。そして、該上框アタッチメント49のパネル体室内側支持部49cと、前記上框本体部48のパネル体室外側支持部(見付け片)48gとの間に、窓用パネル体44の上辺部がバックアップ材17およびシーリング材18を介して挟持支持されるようになっている。
尚、図中、50は前記上框本体部48の見付け片48gの上端部に取付けられる防塵材である。
【0055】
一方、下框46は、下框本体部51と、該下框本体部51に取付けられる下框アタッチメント52および窓用横押縁53とを用いて構成されている。下框本体部51は、その室外側半部に、窓用パネル体44を取付けるためのパネル体取付け部51aが形成され、また、室内側半部には、下框本体部51を左右の縦框47に取付けるための図示しないビスが螺入される複数のビスホール51bが形成されているとともに、室内側端部には、窓用下側無目40Bの戸当り部42eに設けた戸当りパッキン38に当接する当接部51cが形成されている。
【0056】
前記下框本体部51の窓用パネル体取付け部51aは、下面部51dと、該下面部51dの室内側端部から立設する立設片51eと、該立設片51eの上端部に形成されるリップ溝状のアタッチメント取付け溝51fと、下面部51dの室外側端部から上方に向けて屈曲形成される押縁取付け片51gとを備えている。
【0057】
また、下框アタッチメント52は、その室内側半部に、前記下框本体部51のアタッチメント取付け溝51fに係止する係止突起52aと、シール材24が嵌合される凹溝52bとが形成され、また室外側半部には、バックアップ材17およびシーリング材18を介して窓用パネル体44の下辺部の室内側を支持するパネル体室内側支持部52cが形成されている。
尚、上框45を構成する上框アタッチメント21と下框46を構成する下框アタッチメント52とは、同形状の型材を上下対称状となるように天地逆にして用いる。
【0058】
また、窓用横押縁53は、パネル体5の室外側に位置する見付け片53aと、該見付け片53aの室内側に形成される鈎状の取付け片53bとを備えているとともに、該上記見付け片53aは、バックアップ材17およびシーリング材18を介して窓用パネル体5の下辺部の室外側を支持するパネル体室外側支持部53aを構成している。そして、前記下框アタッチメント52のパネル体室内側支持部52cと、窓用横押縁53のパネル体室外側支持部(見付け片)53aとの間に、窓用パネル体44の下辺部がバックアップ材17およびシーリング材18を介して挟持支持されるようになっている。
【0059】
さらに、下框本体部51の下面部51dの下面には、前記ヒンジ43の他方の羽43bが取付けられている。そして、障子30は、該ヒンジ43のピン43cを軸として外倒し状態で開閉するようになっている。
尚、図中、54は前記窓用横押縁53の見付け片53aの下端部に取付けられる防塵材である。
【0060】
一方、左右の縦框47は、その室外側部分に、窓用パネル体44を取付けるためのパネル体取付け部47aが形成されている。該パネル体取付け部47aは、室外側面部47b、室内側面部47c、左右内方側面部47d、左右外方側面部47eから形成される水平断面が矩形状の中空体であって、室外側面部47bは、バックアップ材17およびシーリング材18を介して窓用パネル体44の左右縦辺部の室内側を支持するパネル体室内側支持部47bを構成している。また、左右内方側面部47dは、室内側面部47cよりも室内側に突出し、その室内側端部には、前記窓用分割方立アタッチメント35A、35Bの凹溝35Af、35Bfに嵌合されたパッキン38に当接する当接部47fが形成されている。
【0061】
さらに、縦框47の左右外方側面部47eには、縦押縁16Bを取付けるための押縁取付け部47gが形成されている。該押縁取付け部47gは、縦押縁16Bの係止突片16Bdを係止するための二条の係止溝47hを備えているとともに、縦框47のパネル体室内側支持部(室外側面部)47bよりも室内側に位置するように設けられている。
【0062】
そして、窓用パネル体44は、前記縦框47のパネル体室内側支持部(室外側面部)47bの室外側に取付けられることになるが、この場合に、マリオン仕様では、縦框47の押縁取付け部47gに縦押縁16Bを取付ける一方、バックマリオン仕様では縦押縁16Bを取付けない構成になっている。
【0063】
前記縦押縁16Bは、第一の実施の形態の縦押縁16Bと共通のものであって、パネル体室外側支持部16Baを構成する見付け片16Baと、係止突片16Bdが形成された取付け片16Bbとを備えている。
尚、窓用パネル体44の右縦辺部を支持する縦押縁16Bと左縦辺部を支持する縦押縁16Bとは、同形状の型材を左右対称状となるように左右逆にして用いる。
【0064】
そして、窓用パネル体44を取付けるにあたり、マリオン仕様では、縦框47の押縁取付け部47gに縦押縁16Bを取付けて、縦框47のパネル体室内側支持部(室外側面部)47bと縦押縁16Bのパネル体室外側支持部(見付け片)16Baとの間に、バックアップ材17およびシーリング材18を介して窓用パネル体44の左右縦辺部を挟持支持せしめる。この状態では、縦押縁16Bの見付け片(パネル体室外側支持部)16Baが方立2の縦ラインとして室外側から見えるようになっているが、該縦ラインは窓部31以外の方立2の縦ラインと同じであり、而して、窓部31が設けられていても、窓部31が設けられていない場合と同等の外観意匠となるように構成されている。
【0065】
これに対し、バックマリオン仕様では、窓用パネル体44を取付けるにあたり、縦押縁16Bを取付けずに、窓用パネル体44の左右縦辺部の室内側を、バックアップ材17およびシーリング材18を介して縦框47のパネル体室内側支持部(室外側面部)47bに支持せしめる。この場合に、左右に隣接する障子30の窓用パネル体44の左右縦辺部同士の対向間隔は、前記第一の実施の形態において左右に隣接するパネル体5の左右縦辺部同士の対向間隔と同等となるように設定されており、而して、窓部31が設けられていても、窓部31が設けられていない場合と同等の外観意匠となるように構成されている。
【0066】
叙述の如く構成された第四の実施の形態において、カーテンウォール32は、枠体の開口部に障子30が開閉自在に取付けられた窓部31を備えているが、該窓部31の無目40は、マリオン仕様、バックマリオン仕様の両仕様に共通の窓用無目40(窓用上側無目40Aおよび窓用下側無目40B)を用い、窓部31の方立34は、マリオン仕様、バックマリオン仕様の両仕様に共通の窓用方立34(窓部31以外の部分の方立本体部6と共通の方立本体部6、およびマリオン仕様、バックマリオン仕様の両仕様に共通の窓用方立アタッチメント35A、35B)を用いる。さらに、障子30は、窓用パネル体44と、該窓用パネル体44の四周辺部を支持する上框45、下框46および左右の縦框47とを備えて構成されるが、これら上框45、下框46および左右の縦框47を、マリオン仕様、バックマリオン仕様の両仕様に共通のものとする一方、左右の縦框47は、窓用パネル体44の室内側において窓用パネル体44の左右縦辺部を支持するパネル室内側支持部(室外側面部)47bおよび縦押縁16Bが取付けられる押縁取付け部47gを有し、マリオン仕様では、該縦框47の押縁取付け部47gに、窓用パネル体44の室外側において窓用パネル体44の左右縦辺部を支持するパネル体室外側支持部(見付け片)16Baを有する縦押縁16Bを取付け、バックマリオン仕様では縦押縁16Bを取付けない構成になっているとともに、前記縦框47の押縁取付け部47gは、パネル体室内側支持部(室外側面部)47bよりも室内側に形成されており、これにより、押縁取付け部47gを有する縦框47を、縦押縁16Bを取付けないバックマリオン仕様に用いても、押縁取付け部47gが窓用パネル体44の取付けの邪魔にならず、部材の共通化を達成できることになる。
【0067】
この結果、カーテンウォール32に設けられる窓部31においても、マリオン仕様とバックマリオン仕様とでは、縦押縁16Bを用いるか否かの違いだけで、窓用無目40(窓用上側無目40Aおよび窓用下側無目40B)も、窓用方立34を構成する方立本体部6および窓用方立アタッチメント35A、35Bも共通の部材を用いることができることになって、部材の共通化が図れ、製造コストの削減、在庫管理の簡素化、工場や施工現場での組み立て作業の共通化に大きく貢献できて、コストダウンを達成できることになる。また、1つの壁面内の窓部31でマリオン仕様とバックマリオン仕様とを組み合わせることも容易となる。
【0068】
しかもこのものにおいて、障子30の縦框47に取付けられる縦押縁16Bは、窓部31以外の部分の方立2を構成する方立アタッチメント7A、7Bに取付けられる縦押縁16Bと共通のものであり、而して、さらなる部材の共通化が図れてコストダウンに貢献できるとともに、外観意匠においても、窓部31と窓部31以外の部分とが統一された優れた意匠となる。
【0069】
さらに、本発明は、
図16〜
図20に示す第五の実施の形態の如く、方立部材60を、前述した第一の実施の形態における方立本体部と方立アタッチメントとが一体化されたものとすることもできる。尚、第五の実施の形態において、第一の実施の形態と同一のものは同一の符号を付すとともに、説明を省略する。
【0070】
前記第五の実施の形態の方立部材60は、第一の実施の形態と同様、左右対の分割方立部材60A、60Bから形成される左右分割型のものであって、これら左右の分割方立部材60A、60Bは、室内側面部60Aa、60Ba、室外側面部60Ab、60Bb、これら室内側面部60Aa、60Baと室外側面部60Ab、60Bbとの室内外方向中間部に設けられる室内外中間面部60Ac、60Bc、室内側面部60Aa、60Baの左右内方側端部から室外側面部60Ab、60Bbの左右内方側端部に至る左右内方側面部60Ad、60Bd、室内外中間面部60Ac、60Bcの左右外方側端部から室外側面部60Ab、60Bbの左右外方側端部に至る左右外方側面部60Ae、60Be等から形成されているが、上記室外側面部60Ab、60Bbは、第一の実施の形態における分割方立アタッチメント7A、7Bの室外側面部7Ab、7Bbに相当し、バックアップ材17およびシーリング材18を介してパネル体5の左右縦辺部の室内側を支持するパネル体室内側支持部60Ab、60Bbを構成している。
【0071】
また、一方の分割方立部材60Aの室内側面部60Aaおよび室内外中間面部60Acの左右外方側端部には、他方の分割方立部材60Bの室内側面部60Baおよび室内外中間面部60Bcの左右外方側端部に係合する係合部60Af、60Agが突出形成されている。そして、分割方立部材60A、60B同士は、上記係合部60Af、60Agを他方の分割方立部材60Bの室内側面部60Baおよび室内外中間面部60Bcの左右外方側端部に係合させた状態で、一方の分割方立本体部60Aにビス9で止着され他方の分割方立本体部60Bに係合される方立ジョイント部品(連結部材)8により隙間があかないように連結されるようになっているが、該分割方立部材60A、60B同士を連結した状態で、左右の分割方立部材60A、60Bの左右外方側面部60Ae、60Beの室内側半部は、所定間隔を存する状態で平行状になるとともに、その室外側先端部間にはバックアップ材11とシーリング材12によってシールされるようになっている。
【0072】
さらに、分割方立部材60A、60Bの左右外方側面部60Ae、60Beの室外側半部には、縦押縁16A、16Bを取付けるための押縁取付け部60Ah、60Bhが形成されている。該押縁取付け部60Ah、60Bhは、縦押縁16A、16Bの係止突片16Ad、16Bdを係止するための二条の係止溝60Ai、60Biが形成されているとともに、パネル体室内側支持部(室外側面部)60Ab、60Bbよりも室内側に位置するように設けられている。尚、縦押縁16A、16Bは第一の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
【0073】
そして、第五の実施の形態においても、前述した第一の実施の形態と同様に、マリオン仕様では、分割方立部材60A、60Bの押縁取付け部60Ah、60Bhに縦押縁16A、16Bを取付けて、パネル体室内側支持部(室外側面部)60Ab、60Bbと縦押縁16A、16Bのパネル体室外側支持部(見付け片)16Aa、16Baとの間に、バックアップ材17およびシーリング材18を介してパネル体5の左右縦辺部を挟持支持せしめる。一方、バックマリオン仕様では、縦押縁16A、16Bを取付けずに、パネル体5の左右縦辺部の室内側を、バックアップ材17およびシーリング材18を介してパネル体室内側支持部(室外側面部)60Ab、60Bbに支持せしめるとともに、左右に隣接するパネル体5の左右縦辺部同士を突き付け、該突き付け部をシーリング材19で充填して封止する構成になっている。
【0074】
一方、第五の実施の形態の無目3は、第一の実施の形態の無目3と同様の構造であり、また、パネル体5の上下辺部の支持構造も同様であるため説明を省略する(第一の実施の形態の
図3、
図7を参照。)が、該無目3の分割方立部材60A、60Bへの取付けは、
図18に示す如く、無目本体部20の左右外端面を分割方立部材60A、60Bの左右内方側面部60Ad、60Bdに当接させた状態で、左右外方側面部60Ae、60Beに開設された貫通孔60Ak、60Bkを貫通させたビス61を無目本体部20のビスホール20qに螺入して固定する。この場合に、左右に隣接する無目3の室外側部分の左右外端面同士の対向間隔は、第一の実施の形態と同様に、マリオン仕様における左右に隣接する縦押縁16A、16の見付け片16Aa、16Baの左右外端部同士の対向間隔、およびバックマリオン仕様における左右に隣接するパネル体5の左右縦辺部同士の対向間隔(シーリング材19の横幅)と等しくなるように設定されており、而して、無目3の左右外端面は第一の実施の形態のようにストレートな切断加工ではなく、段差状に切欠き加工されるようになっている。
【0075】
そして、この第五の実施の形態のものにおいても、第一の実施の形態と同様に、工場等の製造現場において、分割方立部材60A、60Bの左右内方側間(反連結側間)に無目3を組付けて、パネル体5が取付けられる開口部が上下方向に複数形成された梯子状の枠組ユニットを製作し、該枠組ユニットを、施工現場にてファスナー62および方立取付ブラケット63を介して順次躯体側に取付ける。
前記ファスナー62は、
図19、
図20に示す如く、躯体側に埋設固定されるアンカー金具64に当接する下面部62aと、該下面部62aから立設される支持面部62bと、該支持面部62bの上端部から水平方向に折曲される上面部62cとが一体形成されたものであって、補強板62dを備えている。一方、方立取付ブラケット63は、ファスナー62に取付けられる第一取付面部63aと、分割方立部材60Aまたは60Bに取付けられる第二取付面部63bとを有するアングル形状のものであって、第一取付面部63aの上端部からは、水平方向を向く上側フランジ面部63cが一体形成されている。
そして、前記枠組ユニットを躯体側に取付ける場合には、枠組ユニットを構成する分割方立部材60A、60Bを順次躯体側に固定するが、この場合、まず、前記躯体に埋設固定されたアンカー金具64に、ボルト−ナット65によりファスナー62を固定する。一方、分割方立部材60Aまたは60Bの左右内方側面部60Ad、60Bdにボルト−ナット66により方立取付ブラケット63を固定し、該方立取付ブラケット63と前記ファスナー62とを、間にライナー金具67を介在させた状態でボルト−ナット68により固定する。尚、前記方立取付ブラケット63の上側フランジ面部63cには、上下方向調整用ボルト69が螺合されるネジ孔63dが開設されているとともに、該ネジ孔63dに螺合された上下方向調整用ボルト69の下端部は、ファスナー62の上面部62cに当接するようになっている。そして、該上下方向調整用ボルト69により方立取付ブラケット63の上下位置を調整してダブルナット70で固定することにより、分割方立部材60A、60Bの上下方向の建て付け位置の調整を行えるようになっている。
【0076】
叙述の如く構成された第五の実施の形態において、方立部材60は、第一の実施の形態における方立本体部6と方立アタッチメント7とが一体形成されたものであって、躯体側に支持されるとともに、パネル体5の室内側においてパネル体5の左右縦辺部を支持するパネル体室内側支持部(室外側面部)60Ab、60Bbと縦押縁16A、16Bが取付けられる押縁取付け部60Ah、60Bhとを有しているが、このように方立部材60が一体的に形成されたものであっても、本発明を実施できる。そして、この第五の実施の形態のものにおいても、方立部材60の押縁取付け部60Ah、60Bhは、パネル体室内側支持部60Ab、60Bbよりも室内側に形成されており、これにより、押縁取付け部60Ah、60Bhを有する方立部材60を、縦押縁16A、16Bを取付けないバックマリオン仕様に用いても、押縁取付け部60Ah、60Bhがパネル体5の取付けの邪魔にならず、部材の共通化を達成できることになる。この結果、第五の実施の形態のものにおいても、第一の実施の形態と同様に、マリオン仕様とバックマリオン仕様とでは、縦押縁16A、16Bを用いるか否かの違いだけで、無目3も、方立2を構成する方立部材60も共通の部材を用いることができることになって、部材の共通化が図れ、製造コストの削減、在庫管理の簡素化、工場や施工現場での組み立て作業の共通化に大きく貢献できて、コストダウンを達成できる。