(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
順次搬送される複数の缶蓋に含まれる一の缶蓋と当該一の缶蓋に続いて搬送される他の缶蓋との間に入れられた状態で当該缶蓋とともに搬送され、缶蓋間に作用する力を測定する力測定装置であり、
缶蓋間に作用する力を測定する力測定部と、
前記力測定部により測定された力についての情報を出力する出力部と、
を備える力測定装置。
順次搬送される複数の缶蓋に含まれる一の缶蓋と当該一の缶蓋に続いて搬送される他の缶蓋との間に入れられた状態で当該缶蓋とともに搬送され、缶蓋間に作用する力を測定する力測定装置であり、
缶蓋間に作用する力を測定する力測定部と、
前記力測定部により測定された力についての情報を記憶する情報記憶部と、
を備える力測定装置。
順次搬送される複数の缶蓋に含まれる一の缶蓋と当該一の缶蓋に続いて搬送される他の缶蓋との間に入れられた状態で当該缶蓋とともに搬送され、缶蓋間に作用する力を測定する力測定装置であり、
前記缶蓋とともに搬送される際に先頭となる一端部と、
前記缶蓋とともに搬送される際に後端となる他端部と、
を備え、
前記力測定装置の前記一端部側および前記他端部側の少なくとも一方側が、当該一端部から当該他端部に向かう方向と交差する方向へ変位可能に構成された力測定装置。
前記力測定装置のうちの変位可能となっている部分は、予め定められた箇所を中心として揺動可能に設けられ、揺動することで、前記交差する方向へ変位する請求項10に記載の力測定装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る缶蓋製造システム1を示した図である。
本実施形態の缶蓋製造システム1には、ロール状の基材から、延びた状態の基材を送り出す送り出し装置10が設けられている。
また、缶蓋製造システム1には、第1プレス装置20が設けられている。第1プレス装置20は、送り出し装置10により送り出された基材に対して、打ち抜き加工および粗成形加工を行い、外周縁にフランジを有した円盤状の基材を形成する。
その後、本実施形態では、この円盤状の基材の外周部に対して、カール加工(縁曲げ加工)を行う(不図示)。
【0015】
次いで、シール剤塗布装置30を用い、この円盤状の基材の一方の面に、シール剤を塗布する。
また、本実施形態では、シール剤が塗布された円盤状の基材に対して、金型を押し当てて飲み口の加工などの形成を行うとともにタブの取り付けを行う第2プレス装置40が設けられている。
第2プレス装置40による処理が終わると、タブが取り付けられた缶蓋が完成する。
【0016】
完成した缶蓋は、検査装置50を経て、梱包装置60へ搬送される。
さらに、本実施形態の缶蓋製造システム1には、各装置の間に、缶蓋(製造途中の缶蓋も含む)を搬送する缶蓋搬送装置100が設けられている。
なお、缶蓋製造システム1では、例えば、飲料用缶に取り付けられる缶蓋が製造され、この缶蓋は、飲料が充填された後の缶本体に対して取り付けられる。これにより、飲料が充填された飲料缶が完成する。
【0017】
図2は、缶蓋搬送装置100を説明する図である。なお、
図2では、図中左から右に向けて缶蓋200が搬送されている。
缶蓋搬送装置100には、搬送される缶蓋200の案内を行う案内部材110が設けられている。また、缶蓋搬送装置100には、缶蓋200に駆動力を与えて缶蓋200を下流側へ送り出す駆動力供給装置120(後述)が設けられている。
本実施形態の缶蓋搬送装置100では、缶蓋200を重ねた状態で缶蓋200の厚み方向へ缶蓋200を順次搬送する。言い換えると、重ねた状態の複数枚の缶蓋200を缶蓋200の厚み方向に押し出して、缶蓋200を搬送する。さらに、本実施形態では、圧力測定装置300も、缶蓋200の厚み方向へ搬送する。
【0018】
さらに、本実施形態では、
図2に示すように、順次搬送される缶蓋200間に、力測定装置の一例としての圧力測定装置300を入れた状態で、缶蓋200とともにこの圧力測定装置300を搬送し、缶蓋200間に作用する圧力を測定する。
具体的には、本実施形態では、
図2に示すように、先行する一の缶蓋200Aとこの一の缶蓋200Aに続いて搬送される他の缶蓋200Bとの間に圧力測定装置300を入れた状態で、圧力測定装置300を搬送し、缶蓋200間に作用する圧力(力、荷重)を測定する。
【0019】
ここで、本実施形態のように缶蓋200を重ねた状態で搬送する場合、缶蓋200同士が押し合い、缶蓋200に傷が生じることがある。
より具体的には、缶蓋200を重ねた状態で搬送する場合、缶蓋搬送経路のうちの曲がっている部分やS字となっている部分にて、缶蓋200の積層状態が変化し、缶蓋200のエッジにより、隣に位置する缶蓋200に傷が付くことがある。
特に、より遠くへ缶蓋200を搬送する場合や、上方へ缶蓋200を搬送する場合、搬送荷重が大きくなり、傷が生じやすくなる。
【0020】
本実施形態のように、缶蓋200間に作用する圧力を測定するようにすれば、缶蓋搬送経路の何れの箇所で、缶蓋200間の圧力が高まるかを把握できるようになる。
そして、この場合、例えば、缶蓋搬送経路のうちの、缶蓋200間の圧力が高まる部分の曲率を小さくしたり、缶蓋200を搬送する際の搬送荷重を低下させたりするなどの対策を講じれば、缶蓋200間に作用する圧力が低下し、缶蓋200に傷が生じにくくなる。
【0021】
図2に示すように、圧力測定装置300には、筒状の装置本体310が設けられている。
装置本体310の外径は、被搬送物である缶蓋200の外径と同じとなっている。
また、装置本体310の外周部には、凹凸部320が設けられている。凹凸部320には、装置本体310の周方向に沿う円環状の凸部321と、同じく装置本体310の周方向に沿う円環状の凹部322とが設けられ、さらに、装置本体310の軸方向において、この凸部321と凹部322とが交互に並んでいる。
【0022】
装置本体310の凹凸部320は、複数枚の缶蓋200が積層された積層物の外周部に倣った形状を有する。より具体的には、凹凸部320では、この積層物内の缶蓋200のピッチ間隔と同じピッチ間隔で、凸部321が設けられている。
また、本実施形態では、凹凸部320に含まれる各凸部321は、山形に形成されるとともに、頂部321Aから両側に下る2つの側面321Bの傾斜角度(圧力測定装置300の軸方向に対する傾斜角度)が、45°となっている。
各凸部321は、上記積層物に含まれる缶蓋200の外周部に対応することになるが、本実施形態では、各凸部321の形状を、缶蓋200の外周部の形状と同じとせず、製造の簡易化等のため山形とした。
【0023】
本実施形態のように、装置本体310の外周部に凹凸部320を設けると、缶蓋200の送り出しを行う駆動力供給装置120(後述)と缶蓋200とが接触する際の接触状態と、駆動力供給装置120と圧力測定装置300とが接触する際の接触状態とを近似させることができ、缶蓋200に作用する搬送力と同じ程度の搬送力が、圧力測定装置300にも作用するようになる。
【0024】
図2に示すように、本実施形態では、さらに、圧力測定装置300に、先端側変位部311および後端側変位部312が設けられている。
先端側変位部311は、圧力測定装置300の一端部側(先端部側)に位置し、さらに、圧力測定装置300の径方向への変位が可能に設けられている。
また、後端側変位部312は、圧力測定装置300の他端部側(後端部側)に位置し、さらに、圧力測定装置300の径方向への変位が可能に設けられている。
【0025】
さらに、本実施形態では、先端側変位部311に缶蓋200が一枚取り付けられ、また、後端側変位部312にも、缶蓋200が一枚取り付けられている。
以下、本明細書では、先端側変位部311や後端側変位部312に取り付けられた缶蓋200を、「取り付け缶蓋250」と称する。
【0026】
図3は、駆動力供給装置120を説明する図である。
上記の通り、本実施形態の缶蓋搬送装置100には、缶蓋200に駆動力を与えて缶蓋200の搬送を行う駆動力供給装置120が設けられている。
図3に示すように、駆動力供給装置120には、缶蓋搬送経路の両脇に位置し循環移動を行うベルト部材121が設けられている。本実施形態では、駆動力供給装置120に缶蓋200が達すると、缶蓋200の両脇から、ベルト部材121が接触する。これにより、缶蓋200に対して駆動力(推進力)が与えられて、缶蓋200が下流側へ送られる。
【0027】
図4は、圧力測定装置300を示した図である。なお、図中右方向が、圧力測定装置300の搬送方向下流側であり、図中左方向が、圧力測定装置300の搬送方向上流側である。また、
図4では、取り付け缶蓋250を、断面図で表示している。
圧力測定装置300には、上記にて説明したように、円筒状の装置本体310が設けられている。また、圧力測定装置300の一端部側(先端部側)に、先端側変位部311が設けられ、圧力測定装置300の他端部側(後端部側)に、後端側変位部312が設けられている。
【0028】
先端側変位部311は、圧力測定装置300の径方向への変位が可能に設けられている。さらに、後端側変位部312も、圧力測定装置300の径方向への変位が可能に設けられている。さらに、先端側変位部311および後端側変位部312の各々には、取り付け缶蓋250が取り付けられている。
取り付け缶蓋250は、符号4Aに示すように、筒状に形成され且つテーパーが付された外周壁251を備える。また、取り付け缶蓋250は、この外周壁251の軸方向の一端部に接続した円盤状の基板252を備える。さらに、基板252の一方の面(以下、「タブ取り付け面253」と称する)には、タブ254が取り付けられている。
【0029】
本実施形態では、先端側変位部311に取り付けられた取り付け缶蓋250は、タブ取り付け面253が搬送方向下流側に向くように、先端側変位部311に取り付けられている。
また、後端側変位部312に取り付けられた取り付け缶蓋250も、タブ取り付け面253が搬送方向下流側に向くように、後端側変位部312に取り付けられている。
【0030】
本実施形態では、缶蓋200が搬送されている際(
図2参照)、各缶蓋200は、タブ取り付け面253(
図2では不図示)が搬送方向下流側に向いた状態で搬送される。
また、圧力測定装置300が搬送されている際、圧力測定装置300に設けられた取り付け缶蓋250も、タブ取り付け面253が搬送方向下流側を向くようになる。
【0031】
これにより、本実施形態では、圧力測定装置300を搬送すると、この圧力測定装置300よりも下流側に位置する缶蓋200が、先端側変位部311に取り付けられた取り付け缶蓋250に嵌る。
また、圧力測定装置300よりも上流に位置する缶蓋200に対して、後端側変位部312に取り付けられた取り付け缶蓋250が嵌る。
【0032】
また、本実施形態では、上記のとおり、先端側変位部311および後端側変位部312は、圧力測定装置300の径方向へ変位可能に設けられている。具体的には、
図4の矢印4B、4Cに示す方向へ変位可能に設けられている。
具体的には、先端側変位部311および後端側変位部312は、圧力測定装置300の一端部側(先端部側)から他端部側(後端部側)に向かう方向(図中、矢印4Dで示す方向)に交差する方向へ、移動可能に設けられている。
【0033】
さらに具体的には、後述するように、先端側変位部311および後端側変位部312は、径方向における中心部を中心に揺動可能となっており、この揺動によって、先端側変位部311および後端側変位部312は、圧力測定装置300の径方向へ変位する。
さらに、先端側変位部311および後端側変位部312は、圧力測定装置300が缶蓋搬送経路に沿って移動する際の移動方向と交差する方向へ変位可能に設けられている。言い換えると、本実施形態では、圧力測定装置300が缶蓋搬送経路の形状に倣うように、圧力測定装置300の一部が変位可能となっている。
【0034】
ここで、本実施形態の缶蓋搬送装置100では、
図2に示すように、缶蓋搬送経路が湾曲している場合があり、この場合、この湾曲している缶蓋搬送経路に圧力測定装置300が達すると、圧力測定装置300に対し、上流側および下流側に位置する缶蓋200が傾くようになり、缶蓋200からの圧力が圧力測定装置300に作用しにくくなる。
【0035】
これに対し、本実施形態のように、先端側変位部311および後端側変位部312が変位可能であると、傾いた状態の缶蓋200に対して先端側変位部311および後端側変位部312が追従するようになり、これにより、缶蓋200からの圧力が圧力測定装置300に伝わりやすくなる。
さらに、先端側変位部311および後端側変位部312が変位可能であると、変位可能でない場合にくらべ、圧力測定装置300の形状が、缶蓋搬送経路の形状に倣うようになり、圧力測定装置300がより円滑に移動する。
なお、本実施形態では、先端側変位部311および後端側変位部312を設け、圧力測定装置300の先端部側および後端部側の両側が変位する構成であるが、先端部側および後端部側のうちの一方側のみが変位する構成としてもよい。
【0036】
さらに、本実施形態では、上記の通り、圧力測定装置300よりも下流側に位置する缶蓋200が、取り付け缶蓋250(下流側の取り付け缶蓋250)に嵌り、また、取り付け缶蓋250(上流側の取り付け缶蓋250)が、上流側に位置する缶蓋200に嵌る。
これによっても、缶蓋200からの圧力が圧力測定装置300に伝わりやすくなり、上流側や下流側の缶蓋200と取り付け缶蓋250との嵌り合いがない場合に比べ、缶蓋200間に作用する圧力をより正確に測定できる。
なお、本実施形態では、圧力測定装置300の先端部側および後端部側の両側に、取り付け缶蓋250を設けた場合を説明したが、先端部側および後端部側のうちの一方側のみに、取り付け缶蓋250を設けた構成としてもよい。
【0037】
図5は、装置本体310の断面図である。
本実施形態の装置本体310は、先端側部材316と後端側部材317の2つの部品を組み付けることで形成している。先端側部材316および後端側部材317の各々は、筒状の本体部318と、本体部318の一端側を塞ぐ塞ぎ部319とを備える。
【0038】
先端側部材316には、先端側部材316の径方向における中央部に、塞ぎ部319の外面から突出した先端側突出部331が設けられている。
この先端側突出部331には、環状の磁石335が収容される磁石収容部331Aと、この磁石収容部331Aの内側に位置しロードセル336(後述)が収容されるロードセル収容部331Bとが設けられている。
【0039】
図5の符号5Aは、磁石収容部331Aに、環状の磁石335が収容され、ロードセル収容部331Bに、ロードセル336が収容された状態を示しており、磁石335、ロードセル336が収容されると、磁石335の内側にロードセル336が位置する。また、磁石335の一方の面の位置と、ロードセル336の一方の面の位置と揃う。
【0040】
本実施形態では、ロードセル336が圧力測定部として機能し、缶蓋200から圧力測定装置300に作用した圧力は、先端側変位部311(
図4参照)を介して、このロードセル336に作用する。
そして、ロードセル336は、自身に加わった圧力についての情報を出力する。これにより、缶蓋200間に作用する圧力が測定される。
【0041】
また、後端側部材317にも、後端側部材317の径方向における中央部に、塞ぎ部319の外面から突出した後端側突出部341が設けられている。
後端側突出部341にも、環状の磁石335が収容される磁石収容部341Aが設けられている。さらに、磁石収容部341Aの内側には、円柱状の突出部342が設けられている。
【0042】
図5の符号5Bは、磁石収容部341Aに、環状の磁石335が収容された状態を示しており、磁石335が収容されると、磁石335の内側に突出部342が位置する。
また、磁石335の一方の面の位置と、突出部342の頂部の位置とが揃う。
【0043】
装置本体310の内部は、空洞になっており、装置本体310の内部には、ロードセル336からの出力を受信する受信部360が設けられている。また、装置本体310の内部には、出力部の一例としての発信装置361が設けられている。さらに、受信部360、発信装置361などに電力を供給する電源部362が設けられている。
また、装置本体310の内部には、電源のオンオフのためのスイッチ(不図示)が設けられている。また、装置本体310には、この電源スイッチにアクセスするための開口(不図示)や、ロードセル336と受信部360を接続する電線を通すための開口(不図示)が設けられている。
【0044】
本実施形態では、発信装置361を用い、受信部360が受信した圧力についての情報を無線で送信して、圧力についての情報を圧力測定装置300の外部に出力する。
そして、本実施形態では、不図示の電波受信装置で、発信装置361により送信された、圧力についての情報を受信する。
これにより、圧力測定装置300から離れた箇所で、缶蓋200間に作用する圧力についての情報を得られるようになる。
【0045】
なお、本実施形態では、圧力についての情報を、無線で送信して外部に出力する場合を説明したが、その他に、例えば、圧力測定装置300にケーブルなどを接続し、有線で、圧力についての情報を出力してもよい。
また、
図6(装置本体の他の構成例を示した図)に示すように、装置本体310の内部に、半導体メモリなどにより構成された情報記憶部364を設け、受信部360が受信した圧力についての情報を、この情報記憶部364に格納してもよい。
この場合は、圧力測定装置300の搬送終了後に、この情報記憶部364から、圧力についての情報を読み出して、圧力についての情報を取得する。
【0046】
図7は、圧力測定装置300の先端部側の構造を示した断面図である。
なお、この
図7では、取り付け缶蓋250の図示を省略している。また、
図7では、圧力測定装置300の先端部側の構造を説明するが、ロードセル336が設けられてない点を除き、圧力測定装置300の後端部側も先端部側と同様に構成されている。
【0047】
先端側変位部311は、円盤状に形成され、搬送方向下流側に位置する下流側面311Aと、搬送方向上流側に位置する上流側面311Bとを備える。
下流側面311Aの径方向における中央部には、凹部311Dが形成され、この凹部311Dには、磁石311Eが収容されている。
【0048】
また、上流側面311Bの径方向における中央部にも、凹部311Fが形成されている。さらに、この凹部311Fの底面から突出した突出部311Gが設けられている。
さらに、上流側面311Bには、傾斜が付されており、上流側面311Bは、上流側面311Bの径方向における中央部側から外側方向に向かうに従い下流側面311Aに近づくように傾斜している。
【0049】
本実施形態では、装置本体310に対して、先端側変位部311が取り付けられると、上流側面311Bに形成された凹部311Fの内部に、装置本体310に設けられた先端側突出部331が入り込む。
これにより、本実施形態では、装置本体310に対する先端側変位部311の位置ずれが抑制される。言い換えると、圧力測定装置300の径方向における位置ずれが抑制される。そして、この場合、ロードセル336と突出部311Gとの位置ずれも抑制される。
【0050】
また、本実施形態では、先端側突出部331に設けられた磁石335と、先端側変位部311に設けられた磁石311Eとによって、装置本体310に対して先端側変位部311が引き寄せられ、装置本体310に対して先端側変位部311が揺動可能に固定される。
装置本体310に対して先端側変位部311が固定された状態では、先端側変位部311の突出部311Gが、ロードセル336に接触した状態となる。
なお、本実施形態では、装置本体310および先端側変位部311の両者に磁石(磁石335、磁石311E)を設けたが、両方に磁石を設けずに、一方にのみ磁石を設け、他方には、磁石に引き寄せられる、鉄などの金属を設けてもよい。
【0051】
本実施形態では、先端側変位部311および後端側変位部312は、磁石によって装置本体310に対して固定されるため、先端側変位部311と後端側変位部312との入れ替えを行える。
言い換えると、圧力測定装置300の後端側に、先端側変位部311を取り付けることができ、圧力測定装置300の先端側に、後端側変位部312を取り付けることができる。
【0052】
これにより、搬送される缶蓋200の向きが逆になっても、取り付け缶蓋250の向きと、搬送される缶蓋200の向きとを揃えることができる。
そして、この場合、搬送される缶蓋200の向きが逆になっても、圧力測定装置300よりも下流側に位置する缶蓋200、および、圧力測定装置300よりも上流側に位置する缶蓋200と、取り付け缶蓋250との嵌り合いを実現できる。
【0053】
より具体的には、上記にて説明した例では、タブ取り付け面253が下流側を向いた状態で缶蓋200の搬送が行われたが、タブ取り付け面253が上流側を向いた状態で缶蓋200が搬送されることがある。
この場合でも、取り付け缶蓋250の向きと、搬送される缶蓋200の向きとを揃えることができ、圧力測定装置300よりも下流側に位置する缶蓋200、および、上流側に位置する缶蓋200と、取り付け缶蓋250との嵌り合いを実現できる。
【0054】
ここで、本実施形態では、上記のように、圧力測定装置300の径方向へ先端側変位部311が変位する構成となっているが、この変位は、先端側変位部311(
図7参照)が、予め定められた揺動中心を中心として揺動することにより行われる。
具体的には、先端側変位部311の変位は、突出部311Gとロードセル336との接触部を中心として、先端側変位部311が揺動することにより行われる。
【0055】
なお、本実施形態では、上記のとおり、上流側面311Bに傾斜が付されており、これにより、先端側変位部311が揺動しても、先端側変位部311と装置本体310との干渉が起きにくくなっている。
なお、上流側面311Bの傾斜角度等は、缶蓋搬送経路の「曲がり部」や「S字部」の曲率等に応じて設定する。
【0056】
図8は、飲料缶500を搬送する飲料缶搬送装置600の上面図である。
上記にて説明した圧力測定装置300は、缶蓋200間の圧力の測定に限らず、飲料缶500間の圧力の測定にも適用できる。
図8に示すこの構成例では、上記と同様、飲料缶500の搬送経路の両側に、案内部材110が設けられており、案内部材110の間を、飲料缶500(内容物である飲料が充填され缶蓋が取り付けられた缶体)が一列で移動していく。
【0057】
さらに、この構成例では、上記と同様、順次搬送されていく飲料缶500の間に、圧力測定装置300を入れ、飲料缶500とともに圧力測定装置300を搬送する。
より具体的には、先行して搬送される飲料缶500と、この飲料缶500に続いて搬送される他の飲料缶500との間に、圧力測定装置300を入れた状態で圧力測定装置300を搬送し、飲料缶500間に作用する圧力を測定する。
【0058】
圧力測定装置300は、一対の筒状部材391,392により構成される。ここで、筒状部材391,392の各々は、概ね、飲料缶500と同じ重さで形成され、また、飲料缶500と同じ形状を有して形成されている。
一方の筒状部材391(上流側の筒状部材391)には、ロードセル336、このロードセル336からの出力を受信する受信部360、受信部360にて受信された情報を出力する発信装置361が設けられている。さらに、受信部360、発信装置361などに電力を供給する電源部362が設けられている。
【0059】
発信装置361は、無線により、圧力についての情報を出力する。
なお、上記と同様、有線により、圧力についての情報を出力してもよい。また、上記と同様、情報記憶部364を設け、この情報記憶部364に、圧力についての情報を格納してもよい。
【0060】
他方の筒状部材392には、ロードセル336を押圧する突出部392Aが設けられている。
さらに、一方の筒状部材391には、凹部391Eが形成され、他方の筒状部材392には、この凹部391Eに挿入される挿入部392Fが設けられている。
本実施形態では、一方の筒状部材391の凹部391Eに対して、他方の筒状部材392の挿入部392Fが挿入され、これにより、一方の筒状部材391、他方の筒状部材392の回転が規制される。そして、この場合、ロードセル336が、飲料缶500の搬送経路の側方を向かずに、飲料缶500の搬送方向下流側を向くようになる。
【0061】
ここで、ロードセル336が、飲料缶500の搬送経路の側方を向く場合、圧力測定装置300の上流側および下流側に位置する飲料缶500からの圧力が、ロードセル336に作用しなくなり、圧力の測定ができなくなる。
これに対し、本実施形態では、ロードセル336が、飲料缶500の搬送方向下流側に向くようになり、圧力測定装置300の上流側および下流側に位置する飲料缶500からの圧力(他方の筒状部材392の突出部392Aからの圧力)が、ロードセル336により確実に作用するようになる。
【0062】
なお、本実施形態では、上流側に位置する一方の筒状部材391にロードセル336を設けた場合を説明したが、下流側に位置する他方の筒状部材392にロードセル336を設け、上流側に位置する一方の筒状部材391で、このロードセル336を押圧してもよい。
また、ロードセル336の向きを他の方法により制御できる場合には、ロードセル336を取り付けた一つの筒状部材のみを搬送して、飲料缶500間に作用する圧力を測定してもよい。