特許第6727503号(P6727503)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 泉工医科工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6727503-医療機器固定システム 図000002
  • 特許6727503-医療機器固定システム 図000003
  • 特許6727503-医療機器固定システム 図000004
  • 特許6727503-医療機器固定システム 図000005
  • 特許6727503-医療機器固定システム 図000006
  • 特許6727503-医療機器固定システム 図000007
  • 特許6727503-医療機器固定システム 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6727503
(24)【登録日】2020年7月3日
(45)【発行日】2020年7月22日
(54)【発明の名称】医療機器固定システム
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/14 20060101AFI20200713BHJP
   A61M 1/00 20060101ALI20200713BHJP
【FI】
   A61M5/14 532
   A61M1/00 130
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2019-184432(P2019-184432)
(22)【出願日】2019年10月7日
【審査請求日】2019年11月29日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000200677
【氏名又は名称】泉工医科工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100209668
【弁理士】
【氏名又は名称】樋田 成人
(72)【発明者】
【氏名】片岡 大輔
(72)【発明者】
【氏名】四十万 順
【審査官】 上石 大
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−520779(JP,A)
【文献】 特開2004−283436(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/14
A61M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支柱状の支持部材に嵌合締結固定が可能で且つ上面に凹溝部を有するフック部と、前記凹溝部に挿入するだけでロック固定するロック部を有するホルダーであって医療機器を固定保持する当該ホルダーとを具備し、
前記フック部の前記溝部に前記ホルダーの前記ロック部を挿入ロック固定することにより、前記支柱状の支持部材に医療機器が懸架され連結固定され
前記フック部の凹溝部と前記ロック部のロック固定の解除方式が、前記ホルダーの把持部近傍に位置し、押しボタン解除式又はスライドボタン解除式又は軸回転解除式又は電気スイッチ解除式又は電磁解除式又は指紋認証解除式又はパスワード解除式の片手によるツーアクションによるワンタッチロック固定解除式であることに特徴を有する医療機器固定システム。
【請求項2】
前記ホルダーの前記ロック部は、前記医療機器を前記ホルダーと共に片手で把持したまま前記フック部の前記凹溝部に挿入するだけで施錠ロック固定することができ、且つ片手で把持したまま持ち換えることなくロック解錠することができることに特徴を有する請求項1に記載の医療機器固定システム。
【請求項3】
前記フック部の凹溝部と前記ロック部のロック固定の前記解除方式が、前記押しボタン解除式のロック固定であって、
前記押しボタンの下部には、圧縮バネ又は引っ張りバネ又は板バネ等のバネ部を介して回動する回動ツメ部を有し、前記回動ツメ部が前記フック部の前記凹溝部への挿入時に前記凹溝部に形成された受け部に掛かり止め固定され、且つ、前記押しボタンを押すことにより前記回動ツメ部が前記受け部から外れて前記押しボタン解除式の前記ロック固定が解除される構造であることに特徴を有する請求項1又は2に記載の医療機器固定システム。
【請求項4】
前記支柱状の支持部材に嵌合締結固定する前記フック部は、2分割された円筒状フックが前記支柱状の支持部材に外周嵌合固定される構造を有し、前記支柱状の支持部材が点滴支柱又は車椅子構成支柱又はベッド支柱又は移動可能な一般的部材の支柱状の支持部材であることに特徴を有する請求項1乃至のいずれか1項に記載の医療機器固定システム。
【請求項5】
前記医療機器は、胸腔ドレナージユニット又はシリンジポンプ又は輸液ポンプ又は生体観察測定機器(血圧計、心電図計等)の人体に装着接続される医療機器であって、
前記医療機器固定の前記ホルダーは、前記医療機器の外周部又は後面部及び/若しくは下面部の外周を装着脱着可能な形態で固定し、前記ロック部及び前記フック部を介して前記支持部材に懸架され連結固定されることに特徴を有する請求項1乃至のいずれか1項に記載の医療機器固定システム。
【請求項6】
前記医療機器固定の前記ホルダーの前記医療機器の外周部又は後面部及び/若しくは下面部への外周装着脱着可能な前記形態は、前記ホルダーに取り付けられた一端部を軸に回転するだけで前記医療機器の外周の端部を固定保持することが可能な構造を有する回転ショルダーを具備する形態である
ことに特徴を有する請求項1乃至のいずれか1項に記載の医療機器固定システム。
【請求項7】
前記医療機器固定の前記ホルダーの前記医療機器の外周部又は後面部及び/若しくは下面部への外周装着脱着可能な前記形態は、前記医療機器を固定保持することが可能な医療機器外周収納レールを具備する形態であることに特徴を有する請求項1乃至のいずれか1項に記載の医療機器固定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機器に係り、特に、人体接続型医療機器の点滴支柱等への固定に用いることができるホルダー固定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、カテーテルやプローブ等を介して人体に接続する医療機器(人体接続型医療機器)には、胸腔ドレナージユニットやシリンジポンプ又は輸液ポンプ、生体観察測定機器(血圧計、心電図計、パルスオキシメーター等)その他各種の医療機器がある。それぞれの医療機器は様々な状況で使用されるが、それぞれの固定にはそれぞれの機器の特性に応じて特別な注意が必要である。例えば、胸腔ドレナージユニットは、胸腔内に貯留した水や空気を体外に排出するために用いる医療機器であるが、この機器の固定には、一般的な精密機器に求められる固定方法より厳格な条件が必要となる。
【0003】
手術や外傷による開胸状態や胸膜表面に孔があき肺が虚脱する気胸、さらには、胸腔内に胸水や膿が貯留して肺が押しつぶされる胸水貯留などの病態に対して、押しつぶされた肺を拡張させるために胸腔ドレナージと呼ばれる胸腔内に溜まった液体や空気を体外に排出して胸腔内を陰圧に保つ処置がおこなわれるが、これには水封式ドレナージユニットの水封部にある逆流防止弁の機能を用いる。しかし、水封部は傾けると逆流防止機能が破綻して空気が胸腔内に逆流し、肺が再び虚脱してしまうのでドレナージユニットの傾斜・転倒に注意しなければならない。また、胸腔内に貯留していた胸水が胸腔内の陰圧によって再び胸腔内へ吸い込まれることがないように胸腔ドレナージユニットは患者の胸腔より低くなるように高さにも注意する必要がある。
【0004】
寝たきり状態の患者を対象とした治療であればベッド柵や床などに固定してもよいが、治療中に移動や歩行する患者に実施する治療では移動中も移動先でも適正な場所に固定できるものでなければならない。さらに、適正な固定ができないために患者に不要な安静を強いるものであってはならない。
【0005】
すなわち胸腔ドレナージユニットの適正な固定ができないと言う理由で「ドレナージ期間中はとりあえずベッド上で安静、歩行は禁止」という指示はリスクを回避し安全に配慮しているように見えるが、実際はドレーンを抜去するまでリハビリテーションを開始させないという治療の機会を喪失させるだけでなく、トイレにも行かせないという人間の尊厳を踏みにじるものでもある。状況に合わせて医療機器の適切な固定方法を選択できることが大切なのは言うまでもない。
【0006】
上記の胸腔ドレナージユニットは、その機能を保つためには、傾斜・転倒させてはいけないし、衝撃・振動を与えてもいけない。したがって、医療スタッフの介助が必要となることは多い。
【0007】
しかし、医療スタッフが絶えず付き添うことはできないので、自己管理が可能な限られた範囲内でその機器の特性を十分に理解させた上で患者自身にその管理を任せられるのが望ましく、そのためには固定方法を単純でわかりやすくする工夫が必要である。
【0008】
上記胸腔ドレナージユニット同様に、シリンジポンプ又は輸液ポンプ、生体観察測定機器である血圧計、心電図計その他各種の医療機器についても、それらを装着接続された患者でも、ベッド上で安静にしているより、車椅子などの介助が必要であっても、トイレまで移動できるのであればそれを希望する患者は多い。また、安全が確保されれば介助なしで単独で移動できる自由な行動を希望する事例も多い。そこで、経済性もよく、安全も確保できる人体接続型医療機器の固定方法として、下記に挙げるような選考文献によって各種提案がなされてきた。
【0009】
たとえば、特許文献1(特開2009−233331号公報)では、支持体にポンプまたは類似機器を取外し可能に固定する一方、支持体へのポンプの連結を外さないでポ ンプの調整ができるようにする単純かつ効率的な締結器具の提供のため、下記の技術開示がある。
【0010】
医療機器を支持体に連結するためのクランプであって、前記クランプは、ほぼ対向する第1および第2のクランプエレメントと、前記第1および第2のクランプエレメントを相互連結する連結具とを備え、前記第1および第2クランプエレメントは、前記支持体の一端を受けるための第1レセプタクルと、前記医療機器の取付構造体を受けるための第2レセプタクルとを画成し、前記第1および第2クランプエレメントの少なくとも一方は、第2レセプタクル内に機器キャッチ部を画成し、前記連結具が、前記両クランプエレメントが前記支持体の一端と、前記医療機器の前記取付構造体とを摩擦係止して、前記支持体、前記クランプおよび前記医療機器の間の相対的な回転を防止する第1位置と、前記両クランプエレメントが前記第1位置の場合よりも相対的に遠くに離れ、前記機器キャッチ部が、前記医療機器の取付構造体の前記第2レセ プタクルからの離脱を防止するように位置して、前記支持体への連結を解除することなく前記医療機器の前記支持体に対する回転を許容する第2位置との間を選択的に移動できるようにしたクランプという技術開示である。
【0011】
しかし、上記特許文献1の機能は、固定状態にある医療機器そのものの自由自在な移動を可能とさせることに目的があり、医療機器を装着された患者の移動を確保し、患者とともに移動することについては何ら言及がなく、つまり患者と共に安全移動を確保する技術には至っていない。
【0012】
特許文献2(特開2016−120396号公報)には、ベッド、ストレッチャ又は車椅子に取り付け可能な補助部材と、この補助部材に着脱自在に取り付けられる第1取付部材と、点滴台の支柱に係合可能の第2取付部材と、前記第1取付部材と前記第2取付部材とを連結する連結部材とを有し、前記第2取付部材は、前記支柱の出入を可能にする開口部を備えて前記支柱に係合する枠状の本体部と、前記本体部に設けられ前記本体部への前記支柱の出入を可能にする開口部と、前記開口部の一端部側にて前記本体部に回転可能に設けられ、その先端が前記開口部の他端部側にて前記本体部の内面に係止される開閉部材とを有することを特徴とする連結治具についての技術開示がある。
【0013】
上記内容は患者への点滴治療を施すための点滴グッズを保持した点滴支柱(点滴ポール、点滴台とも言う。)を車椅子に連結させて、患者の車椅子移動と共に点滴支柱を移動させるための点滴支柱と車椅子との連結技術についての技術開示である。しかし、この特許文献2においても、点滴支柱の移動は車椅子の移動に対して完全同一とはなり得ず、点滴支柱の転倒の可能性が排除できず、且つ人体装着型医療機器としての点滴グッズの安全性を確実に確保したものとは成り得ていない。
【0014】
また、上記特許文献1及び特許文献2には、人体に装着接続された医療機器が回転移動や位置移動がしやすいように考案された固定器具であって、移動時の転倒防止、脱落防止、安全固定、安全解除取り外し、取り扱いやすさ等に関する記載はなく、技術開示もない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2009−233331号公報
【特許文献2】特開2016−120396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明はこうした従来技術上の問題点を解決することを企図したものであり、例えば胸腔ドレナージユニットやシリンジポンプ又は輸液ポンプ、生体観察測定機器(血圧計、心電図計等)その他各種の医療機器を患者である人体に装着接続したままで、患者の簡易的な移動や歩行を確保するための安全で且つ医療機器の機能を完全に確保することができる患者と人体接続型医療機器との連結システムを開発し提供することを目的とする。
【0017】
具体的には、点滴支柱や車椅子などの患者と共に移動する機器支柱への人体接続型医療機器の接続固定方法及び固定システムの開発が本発明の目的である。
【0018】
人体接続型医療機器の代表的な事例として胸腔ドレナージユニットを考えると、例えば、胸腔ドレナージユニット本体を片手で保持したまま、点滴支柱に懸架し固定するシステムであって、胸腔ドレナージユニットの取手を把持したまま持ち換えることなく点滴支柱に施錠し、且つ取外しにおいては同様に取手を把持したまま持ち換えることなく解錠することができる連結システムを提供することにある。また、この解錠方法は簡単なワンタッチアクション(一操作)であっては自然解錠の危険があるため、ツーアクション(2段階操作)であることが望まれ、且つ簡易に片手でできるツーアクションであることが必要である。
【0019】
つまり胸腔ドレナージユニット本体を固定するフレームの取手を把持したまま、例えば支柱のフックに懸架することで連結施錠することができ、且つ、この連結は解錠しなければ固定状態が確実に維持される。また解錠時は、胸腔ドレナージユニット本体を固定したフレームの取手部分を把持しながら、例えばその手の親指等でプッシュ(押す)し二段階で解錠(ツーアクション操作)することで胸腔ドレナージユニット本体を点滴支柱から離脱することができる装置システムであって、一連の動作はフレームの取手を把持したまま実施可能である装置システムである。
【0020】
患者の移動と共に絶えず看護スタッフや医師が同行し胸腔ドレナージユニットの機能の安全性を確認する必要性のない安全・確実な点滴支柱への連結固定方法であって、医療機器及び患者の安全性と簡易な作業性を格段に向上させつつ、経済効率も格段に向上させることの可能な人体接続型の医療機器の固定システムを開発し提供することを本発明の課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0021】
かかる課題を解決するため、本発明に係る医療機器固定システムは、支柱状の支持部材に嵌合締結固定し且つ上面に凹溝部を有するフック部と、前記凹溝部に挿入するだけでロック固定するロック部を有するホルダーであって医療機器を固定保持する当該ホルダーとを具備して構成され、前記フック部の前記溝部に前記ホルダーの前記ロック部を挿入ロック固定することにより、前記支柱状の支持部材に医療機器が懸架され連結固定され、前記フック部の凹溝部と前記ロック部のロック固定の解除方式が、前記ホルダーの把持部近傍に位置し、押しボタン解除式又はスライドボタン解除式又は軸回転解除式又は電気スイッチ解除式又は電磁解除式又は指紋認証解除式又はパスワード解除式の片手によるツーアクションによるワンタッチロック固定解除式である特徴を有する。
【0022】
また本発明に係る医療機器固定システムに係る前記ホルダーの前記ロック部は、前記医療機器を前記ホルダーと共に片手で把持したまま前記フック部の前記凹溝部に挿入するだけで施錠ロック固定することができ、且つ片手で把持したまま持ち換えることなくロック解錠することができる形態をとることもできる。
【0023】
この発明によれば、医療機器を患者である人体に装着接続したままで、患者の移動が歩行から車椅子、車椅子からストレッチャなど変化しても介助スタッフは片手で瞬時にそれぞれに移し替えることが可能になる。器具の固定のために患者から視線を離したり操作に両手を使ったりする必要もなく、患者の病状の変化にも気づき易く対応もしやすい。患者の簡易的な移動や歩行を確保するための安全で且つ医療機器の機能を完全に確保することができる患者と人体接続型医療機器との連結システムを提供することができる。上記フック部は、点滴支柱などの支柱に嵌合締結して固定される。このフック部の上面には凹溝部が構成されており、その凹溝部には、人体接続型の医療機器を固定したホルダーに構成されたロック部が例えば挿入されて固定される。つまり上記点滴支柱と医療機器とが一体化連結されて且つ患者に装着されることになる。
【0025】
つまり、本発明に係る医療機器固定システムは、上記フック部の凹溝部へホルダーのロック部はワンタッチで挿入されてロック固定される。そして、そのロック解除には、例えば医療機器を固定したホルダーの把持部を持って片手で医療機器とともにホルダーを凹溝部より引き抜き解除する場合、ホルダーの把持部近傍にロック解除するための押しボタン等を備えるため、ホルダー把持部を握ったまま指(親指等)でロックボタンを押し下げ、ロックを解除することができる。つまりロック解除は、把持部を凹溝部から持ち上げる操作と親指でロック解錠押しボタンを押す操作を同時に行うツーアクション操作である。このロック解除は異なる方向への動作を同時に行うことによってはじめて成立するので、ロック解除を意図していなければ解除できない。脱落事故防止対策として有効な手段となり得る。
【0026】
このように本発明に係る医療機器固定システムは、ロックの解錠方法において簡単にワンタッチアクション(一操作)であっては自然解錠すなわち脱落の危険があるため、何らかの予期せぬ事故を防止する機能を有する。つまり片手によるツーアクション(2段階操作)であることが安全性を大きく確保することになる。
【0027】
また、上記ロック方式及びロック解錠方式は、押しボタン解除式の他に、スライドボタン解除式又は軸回転解除式又は電気スイッチ解除式又は電磁解除式又は指紋認証解除式又はパスワード解除式であってもよい。これらのロック方式及びロック解錠方式は、従来技術において種々対応できるため具体化時において方式を選択すればよいだけである。本発明に係る医療機器固定システムにおいては、ロック解除において、ツーアクション操作を規定し万全な安全性を確保することを意図するものである。
【0028】
そして、本発明に係る医療機器固定システムの上記ロック機構の詳細は、前記フック部の凹溝部と前記ロック部のロック固定の前記解除方式が、前記押しボタン解除式のロック固定であって、前記押しボタンの下部には、圧縮バネ又は引っ張りバネ又は板バネ等のバネ部を介して回動する回動ツメ部を有し、前記回動ツメ部が前記フック部の前記凹溝部への挿入時に前記凹溝部に形成された受け部に掛かり止め固定され、且つ前記押しボタンを押すことにより前記回動ツメ部が前記受け部から外れて前記押しボタン解除式の前記ロック固定が解除される構造を取ることもできる。
【0029】
上記ロック機構は、発明を実施するための形態においてその実施例を後述する。
【0030】
本発明に係る医療機器固定システムの前記支柱状の支持部材に嵌合締結固定する前記フック部は、2分割された円筒状フックが前記支柱状の支持部材に外周嵌合固定される構造を有し、前記支柱状の支持部材が点滴支柱又は車椅子構成支柱又はベッド支柱又は移動可能な一般的部材の支柱状の支持部材である態様をとることもできる。
【0031】
円筒状フック部は2分割されている構造を有することにより、円筒状の支柱状の支持部材を内径に挟み込み強固に固定される構造であってもよい。また円筒状の支持部材とは具体的には点滴支柱又は車椅子構成支柱又はベッド支柱であり、患者及び医療機器と共に移動することが可能になる。但し円筒状の支持部材は、移動可能な一般的部材の支柱状の支持部材であってもよいことは言うまでもない。
【0032】
本発明に係る医療機器固定システムの前記医療機器は、胸腔ドレナージユニット又はシリンジポンプ又は輸液ポンプ又は生体観察測定機器(血圧計、心電図計等)の人体に装着接続される医療機器であって、前記医療機器固定の前記ホルダーは、前記医療機器の外周部又は後面部及び/若しくは下面部の外周を装着脱着可能な形態で固定し、前記ロック部及び前記フック部を介して前記支持部材に懸架され連結固定される形態を取ることもできる。
【0033】
そして前記医療機器固定の前記ホルダーの前記医療機器の外周部又は後面部及び/若しくは下面部への外周装着脱着可能な前記形態は、前記ホルダーに取り付けられた一端部を軸に回転するだけで前記医療機器の外周の端部を固定保持することが可能な構造を有する回転ショルダーを具備する形態であることもできる。
【0034】
また、前記医療機器固定の前記ホルダーの前記医療機器の外周部又は後面部及び/若しくは下面部への外周装着脱着可能な前記形態は、前記医療機器を固定保持することが可能な医療機器外周収納レールを具備する形態であることもできる。
【0035】
つまり本発明に係る医療機器固定システムのホルダーは、胸腔ドレナージユニット又はシリンジポンプ又は輸液ポンプ又は生体観察測定機器(血圧計、心電図計等)の人体に装着接続される医療機器を、例えば外周を覆って強固に固定し、ホルダーと共に医療機器とを強固に一体化させるための治具である。当然のことではあるがホルダーの形状は、保持される医療機器の外形などの形状に相応した形状となる。また底面の広い医療機器にあっては底面を保持し且つスライド移動させることが可能なレール状形態であってもよい。
【0036】
ホルダーが医療機器を保持するためには、前記医療機器の外周部又は後面部及び/若しくは下面部の外周を装着脱着可能な形態で固定することが好ましいことは当然である。そして、ホルダーのロック部及びフック部を介して医療機器は、点滴支柱又は車椅子構成支柱又はベッド支柱等の支持部材に懸架され連結固定される形態を取る。
【0037】
本発明に係る医療機器固定システムのホルダーに取り付けられた一端部を軸に回転するだけで医療機器の外周の端部を固定保持することが可能な構造を有する回転ショルダーについては、発明を実施するための形態において図を用いてその実施例を後述する。
【0038】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。それらの用途別の適した形態は全て本発明の技術思想に含まれるものである。そして、従来技術を用いた均等方法も全て本発明の技術思想に内包されるものである。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、胸腔ドレナージユニット本体を固定するフレームの取手を把持したまま例えば支柱のフックに懸架することで連結施錠することができ、且つ、この連結は解錠しなければ固定状態が確実に維持される。フレームの取手部分を把持しながら解錠することで胸腔ドレナージユニット本体などの医療機器を点滴支柱から離脱することができる装置システムであって、一連の動作はフレームの取手を把持したまま実施可能となる。
【0040】
また本発明によれば、ロックの解錠方法においても、簡単なワンタッチアクション(一操作)の場合、不用意な解錠などの危険やチューブを引っ掛けたことによるドレナージユニットの牽引など何らかの予期せぬ解錠事故の可能性があり、これらの事故を防止する機能である片手によるツーアクション(2段階操作)であることにより安全性を大きく確保することができる。
【0041】
本発明は、患者の移動と共に絶えず看護者や医師が同行し胸腔ドレナージユニットの機能の安全性を担保する必要性のない安全・確実な点滴支柱への連結固定方法であって、医療機器及び患者の安全性と簡易な作業性を格段に向上させつつ、経済効率も格段に向上させることの可能な医療機器の固定システムを開発し提供することができる。
【0042】
つまり、本発明によれば、胸腔ドレナージユニットやシリンジポンプ又は輸液ポンプ、生体観察測定機器(血圧計、心電図計等)その他各種の医療機器を患者である人体に装着接続したままで、患者の簡易的な移動や歩行を確保するための安全で且つ医療機器の機能を完全に確保することができる患者と人体接続型医療機器との連結システムを開発し提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】本発明の一実施形態に係る医療機器固定システムの全体のイメージを示した斜視概念図である。
図2】本発明の一実施形態に係る医療機器固定システムのフック部のイメージを示した斜視概念図である。
図3】本発明の一実施形態に係る医療機器固定システムのホルダーのイメージを示した斜視概念図である。
図4】本発明の一実施形態に係る医療機器固定システムのホルダーのロック部のイメージを示した斜視概念図である。
図5】本発明の一実施形態に係る医療機器固定システムのロック部及び凹溝部のロック形態のイメージを示した断面概念図である。
図6】本発明の一実施形態に係る医療機器固定システムのロック部及び凹溝部のロック形態のイメージを示した断面概念図である。
図7】本発明の一実施形態に係る医療機器固定システムのロック部及び凹溝部のロック形態のイメージを示した断面概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。なお、以下では本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。
【0045】
図1は、本発明の一実施形態に係る医療機器固定システムの全体イメージを示した斜視概念図である。同図に示すように本発明の一実施形態に係る医療機器固定システム1は、支柱状の支持部材11、フック部12、ホルダー13、医療機器14を備えて構成される。ホルダー13は、押しボタン16を有するロック部15が連結されている。フック部12は、ホルダー13のロック部15が挿入しロックされる凹溝部17を有する。
【0046】
図1に示すように、フック部12は、支柱状の支持部材11を外周より嵌合締結固定される。支柱状の支持部材11は、点滴支柱又は車椅子構成支柱又はベッド支柱又は移動可能な一般的部材の支柱状の支持部材であってもよいが、図1においては、支柱状の支持部材11は点滴支柱(移動式点滴ポール又は点滴台車とも言う。)を示している。
【0047】
人体接続型の医療機器14は、ホルダー13によって背面外周を覆い固定把持されている。医療機器14は、胸腔ドレナージユニット又はシリンジポンプ又は輸液ポンプ又は生体観察測定機器(血圧計、心電図計等)の人体に装着接続される医療機器である。そして図1において医療機器は、胸腔ドレナージユニットを表現している。医療機器14は、ホルダー13によって固定把持されているため、フック部12に固定ロックされていない場合は、医療機器14及びホルダー13は一体物として持ち運び移動させることができる。医療機器14には把持部18があり、把持部18を持って持ち運ぶが、把持部18はホルダー13に付随していてもよい。
【0048】
図1に示すように、ホルダー13の略中央上部には押しボタン16による解除式のロック部15があり、そのロック部15は、フック部12のホルダー13側の上部に有する凹溝部17に挿入されロック固定されている。図1においては、ホルダー13のロック部15が挿入されてロック状態であるため、フック部12の凹溝部17は見えない。
【0049】
押しボタン16解除式のロック部15は、もちろんスライドボタン解除式又は軸回転解除式又は電気スイッチ解除式又は電磁解除式又は指紋認証解除式又はパスワード解除式であってもよいことは既に述べた。これらの様々なロック施錠及び解除式は従来の技術において各々対応でき、またその方式は適時選択し対応することができる。例えばスライドボタン解除式を採用した場合は、スライドボタンが取手部18の近傍にあり取手を握る手の親指などでスライドボタンをスライドできる方式が望ましい。つまり片手によるツーアクション解除を可能にする。
【0050】
図2は、本発明の一実施形態に係る医療機器固定システムのフック部のイメージを示した斜視概念図である。同図に示すように、本発明の一実施形態に係る医療機器固定システムのフック部12は、挟み込む支柱状の支持部材11の径に合わせた空洞がある円筒構造であり、フックA部20とフックB部21に分割された構造で、支柱状の支持部材11を嵌合して固定される形態をとっている。
【0051】
図2においてはネジ19によってフックA部20とフックB部21とが支柱状の支持部材11を挟んで嵌合固定されている。しかし支柱状の支持部材11もフック部12も共に円柱状又は円筒状形状に限定される必要はない。支柱状の支持部材11にフック部12が強固に嵌合固定される構造であればよい。またネジ締め固定でなくても従来方式による種々の固定方式を採用し得る。
【0052】
図2に示すように、フック部12のフックB部21側には、ロック部受け部22を有し、その上面に例えば円筒状の凹溝部7を有する。凹溝部7には、前述のホルダー13のロック部15が挿入される構造となっている。また、同図に示すようにロック部受け部22の外周にはピン23があってもよい。ピン23は、ホルダー13のロック部15に形成されたスリットによって嵌合し位置合わせをされてホルダー13の自由回転を防止することができる。
【0053】
図2においては、フック部12の凹溝部7にホルダー13のロック部15が挿入される構造となっているが、これは一実施例であって、本発明に係る医療機器固定システムは、フック部とホルダーのロック部との嵌合ロック方式を図2のような円筒体挿入方式に限定するものではない。このようなフック部とホルダーのロック部との嵌合接続ロック方式は、従来技術においても種々の方式が対応できることは言うまでもない。本発明の技術思想は、これらの類似技術を包含するものである。
【0054】
図3は、本発明の一実施形態に係る医療機器固定システムのホルダーのイメージを示した斜視概念図である。同図に示すように本発明の一実施形態に係る医療機器固定システムのホルダー13は、医療機器14を外周から覆い固定する言わば固定治具であり、ホルダー本体部24、ホルダー底部25、ロック部15、回転ショルダー部26から構成される。前述のようにロック部15には、押しボタン式解除ロックが選択されたのであれば、図3に示すように押しボタン16が好ましい。
【0055】
図3に示すように、ホルダー13のホルダー本体部24は、ホルダー底部25と共に医療機器14の形状にあわせて医療機器の外周又は底面を覆うような構造をとり医療機器を強固に確実に固定する。同様に取り外しも容易にできることが好ましい。本発明はホルダー13の材質を限定するものではないが板金部材等であれば成形性も固定性もよく好ましい。
【0056】
医療機器には人体装着接続型の医療機器である胸腔ドレナージユニット又はシリンジポンプ又は輸液ポンプ又は生体観察測定機器(血圧計、心電図計等)等があるが、各々の外周固定にふさわしい形状を有するホルダー13形状であればよく、本発明はホルダー形状を図3のように限定するものではない。
【0057】
図3に示すように、例えばホルダー13は、回転ショルダー部26を有していてもよい。長い腕棒状の回転ショルダー部26は、医療機器14の外周を強固に固定する目的で設置されるもので、例えばその一端部に回転中心部27を有し、回転中心部27を起点に回転し、もう一方の端部に有する掛かり止め部28が医療機器14の外周の上側端部に掛かることによって、ホルダー底部25と共に医療機器14を上下方向から挟み込み、強固な固定に供することができる。
【0058】
上記のように回転ショルダー部26は、ホルダー底部25と共に医療機器14を上下方向から挟み込む形態であるが、強固な固定に供することが主目的であるため、本発明に係る医療機器固定システムの回転ショルダー部による固定方向は必ずしも上下方向の固定に限定するものではない。左右横方向での固定又は前後方向での固定であってもよく、つまり固定把持される医療機器の外形状によって回転ショルダー部の長さ大きさ回転方向等の形態は種々変形することができる。これは、ホルダー13の大枠な全体形状においても同様に医療機器の外形状によって長さ大きさ等の形態は種々変形することが可能であり、本発明の技術思想は、これらの類似技術を包含するものである。
【0059】
図4は、本発明の一実施形態に係る医療機器固定システムのホルダーのロック部のイメージを示した斜視概念図である。同図に示すように本発明の一実施形態に係る医療機器固定システムのホルダーのロック部は、押しボタン16、ロック部外形部29、ホルダー接続部30から構成される。内部構造は後述する。
【0060】
図4に示すように、ロック部15のロック部外形部29は、例えば円筒構造であり、内周にフック部12のロック部受け部22が下から挿入固定されてロックされる構造をとる。ロック部外形部29のホルダー13側には、ホルダー13と連結固定されているホルダー接続部30を有する。ホルダー接続部30は、ホルダー本体部24の略中央上部に強固に接続固定される部分である。もちろん医療機器の重量重心を考慮してホルダー接続部30はホルダー本体部24の略中央上部でない場合もあってよい。スリット31は、前述のフック部12のピン23と嵌合することによって位置を合わせて固定されてホルダー13の自由回転を防止することができる。
【0061】
図5は、本発明の一実施形態に係る医療機器固定システムのロック部及び凹溝部のロック形態のイメージを示した断面概念図である。同図に示すように、ロック部15は、内筒部39、ロック部外形部29、バネ32、回動ツメ部33、ホルダー接続部30で主に構成されている。また、フック部12は、ロック部受け部22、凹溝部17で構成されている。
【0062】
図5においては、ロック部15及びフック部12は両方とも円筒体形状であり、互いに嵌合し接合固定される構造である。但し再び記載するが、本発明は、これらの円筒体形状を嵌合形状として限定しているわけではない。嵌合形状は従来技術によって様々な形状が選択し得ることは言うまでもない。
【0063】
上記に加えて、図5は、本発明の一実施形態に係る医療機器固定システムのロック部及び凹溝部の嵌合ロックする直前の状態を表している。ロック部15の押しボタン16は、内筒部39の内径に沿ってバネ32を介して上下移動可能な形態を有する。また内筒部39は、ロック部外形部29及びホルダー接続部30と一体化された構成となっている。押しボタン16の下部はバネ34を介して回動ツメ部33に連接している。
【0064】
図5に示すように、回動ツメ部33は、回動中心軸35を軸として回転する構造であり、押しボタン16の最下部と接して傾斜部38とフック部12の凹溝部17の内径に沿って接するツメ34を有する。またロック部15のスリット31は、フック12のピン23と位置合わせのため嵌合する向きに構成されている。
【0065】
図5は、本発明の一実施形態に係る医療機器固定システムのロック部及び凹溝部の嵌合ロックする直前の状態を表しており、図5図6そして図7の順に、ロック部15がフック12の凹溝部17に挿入され嵌合ロック固定され、その後、嵌合ロックが解除されるまでの構成を次に説明する。
【0066】
図6は、本発明の一実施形態に係る医療機器固定システムのロック部及び凹溝部のロック形態のイメージを示した断面概念図である。そして図6は、ロック部15がフック部12の凹溝部17に挿入され、嵌合ロック固定された状態を示している。ロック部15がフック部12の凹溝部17に挿入された際、フック部12のロック部受け部22は、円筒体状であるため、当該円筒体より一回り大きな円筒体状であるロック部15のロック部外形部29と、当該円筒体より一回り小さな円筒体状である内筒体39との間の間隙に挿入される。
【0067】
この挿入の際、ロック部15の回動ツメ部33のツメ34は、フック部12のロック部受け部22の凹溝部17の内壁に沿って下方に移動する。一方、フック部12のロック部受け部22の内壁の入り口近傍には、内壁溝部40が形成されているため、ロック部15の回動ツメ部33のツメ34は、この内壁溝部40に入り込み、ツメ受け部36に掛かり止めされる。こうして本発明の一実施形態に係る医療機器固定システムのロック部とフック部12の凹溝部との強固な嵌合ロック形態が完了する。
【0068】
つまり本発明の一実施形態に係る医療機器固定システムの医療機器を固定把持したロック部15と支柱に固定されたフック部12は、ロック部のフック部への挿入というワンタッチ操作で嵌合固定されて強固にロックされることになる。また、この状態では、ホルダー13及びロック部15を上方に引き抜こうとしても一切動かず、強固な安全ロック状態となる。
【0069】
上記によって本発明の目的である移動可能な点滴支柱等への人体接続型医療機器の連結固定が安全且つ確実になされたことになる。医療機器は、支柱からは容易には外れたり倒れたりはしない。装着接続された人間と共に安全に移動することができる。支柱状の支持部材11は車イスの支柱であってもよい。車イスと共に安全に移動することができる。ベッドの装着された支柱であっても同様であり、患者をベッドと共に医療機器を装着したまま移動させることができる。
【0070】
図7は、本発明の一実施形態に係る医療機器固定システムのロック部及び凹溝部のロック形態のイメージを示した断面概念図である。同図に示すように、次は、ロック部15がフック部12の凹溝部17から押しボタン16によって嵌合ロックが解除される状態を示している。
【0071】
図7に示すように、ロック部15とフック部12との強固な嵌合ロックを解除する際は、押しボタン16を下方に押す。押しボタン16が内筒部39の内壁に沿って下方にバネ32を強く押し下げると同時に、押しボタン16の最下部の押しボタン凸部37は回動ツメ部33の傾斜部38を傾斜方向に押すことになる。その時、回動ツメ部33は、回動中心軸35を軸に右回転(図7の場合)される。それにより回動ツメ部33のツメ34は、フック部12の凹溝部17の内壁溝部40及びツメ受け部36から外れて、嵌合ロック固定が解除されることになる。その後、ホルダー13と共に医療機器は、支柱のフック部12から上方に抜き取られ、強固な嵌合接続から分離されることになる。
【0072】
以上が、本発明の一実施形態に係る医療機器固定システムのロック部及び凹溝部の挿入嵌合ロック固定される状態から、その後、嵌合ロックが解除されるまでの内部機構状態の説明である。但し、このロック部及び凹溝部の挿入嵌合ロック固定される状態から、その後、嵌合ロックが解除されるまでの内部機構は一実施例であり、限定するものではない。同一目的を果たす嵌合ロック機構は、従来技術の中で様々考えられるが、これらは本発明思想に包含される。
【0073】
加えて、本発明において主張する技術思想の本質は、上記本発明の一実施形態に係る医療機器固定システムにおいて、上記の嵌合ロック機構の構造にのみ着目すべきではなく、重要なことは、医療機器を他の点滴支柱などに固定する際、簡単に挿入固定されるが、ロックされて容易には解除されてはずれはしない機構であること。そして、医療機器を点滴支柱などから外す際は、片手でもロックを解除できるが、医療機器ホルダーと共にホルダーを引き抜き外す方向と、指先でロックを解除する押しボタンを押す方向は逆であり、まさにツーアクション(2段階操作)によって操作が成されるという最高の安全性に配慮された技術思想であるということである。不用意なロック解除を完全に避ける仕組みを提示するものである。
【0074】
これは、前述の本発明の大きな目的である安全第一の人体医療機器と移動支柱への連結固定システムを具現化した一例である。つまり具体的には、胸腔ドレナージユニット本体を固定するフレームの取手を把持したまま、移動体である支柱のフックに懸架することで連結施錠することができ、且つ、この連結は解錠しなければ固定状態が確実に維持される。
【0075】
また解錠時は、胸腔ドレナージユニット本体を固定したフレームの取手部分を把持したまま、その手の親指等でプッシュボタンを押し二段階で解錠(ツーアクション操作)することで胸腔ドレナージユニット本体を点滴支柱から離脱することができる。且つこのツーアクションは操作する手又は腕の移動方向が同一ではないため、意図をもって解除するという操作がないと簡単には解除できないという危険防止の完全な安全装置システムである。このロック解除は異なる方向への動作を同時に行うことによってはじめて成立するので、ロック解除を意図していなければ解除できない。脱落事故防止対策として有効な手段となり得る。
【0076】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。それらの用途別の適した形態は全て本発明の技術思想に含まれるものである。そして、従来技術を用いた均等方法も全て本発明の技術思想に内包されるものである。
【産業上の利用可能性】
【0077】
上述したように、本願に係る発明によれば、胸腔ドレナージユニットやシリンジポンプ又は輸液ポンプ、生体観察測定機器(血圧計、心電図計等)その他各種の医療機器を患者である人体に装着接続したままで、患者の簡易的な移動や歩行を確保するための安全で且つ医療機器の機能を完全に確保することができる患者と人体接続型医療機器との連結システムを開発し提供することができる。
【0078】
つまり、本願に係る発明によれば、人体接続型医療機器の患者との一体移動において、安全性と作業性を格段に向上させつつ、経済効率も格段に向上させることの可能な医療機器固定システムが実現される。
【0079】
したがって、本発明は、病院等の医療現場に限定されることなく、あらゆる医療関連施設において利用・適用可能である。よって、本願は、医療分野を含めて各種産業に対して大きな有益性をもたらすものである。
【符号の説明】
【0080】
1 医療機器固定システム、 11 支柱状の支持部材(点滴ポール等)、 12 フック部、 13 ホルダー、 14 医療機器(胸腔ドレナージユニット等)、 15 ロック部(ホルダーのロック部)、 16 押しボタン、 17 凹溝部、 18 把持部、 19 ネジ、 20 フックA部、 21 フックB部、 22 ロック部受け部、 23 ピン、 24 ホルダー本体部、 25 ホルダー底部、 26 回転ショルダー部、 27 回転中心部、 28 掛かり止め部、 29 ロック部外形部、 30 ホルダー接続部、 31 スリット、 32 バネ、 33 回動ツメ部、 34 ツメ、 35 回動中心軸、 36 ツメ受け部、 37 押しボタン凸部、 38 傾斜部、 39 内筒部、 40 内壁溝部

【要約】
【課題】胸腔ドレナージユニットやシリンジポンプ又は輸液ポンプ、生体観察測定機器(血圧計、心電図計等)その他各種の医療機器を患者である人体に装着接続したままで、患者の簡易的な移動や歩行を確保するための安全で且つ医療機器の機能を完全に確保することができる患者と人体接続型医療機器との連結システムを開発し提供すること。
【解決手段】本発明に係る医療機器固定システムは、支柱状の支持部材に嵌合締結固定することができ且つ上面に凹溝部を有するフック部と、前記凹溝部に挿入するだけでロック固定することができるロック部を有するホルダーであって医療機器を固定保持する当該ホルダーとを具備し、前記フック部の前記溝部に前記ホルダーの前記ロック部を挿入ロック固定することにより、前記支柱状の支持部材に医療機器が懸架され連結固定されることを特徴とする。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7