(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
本出願は、VR環境におけるユーザの眼球動作をリアルタイムにシミュレートする仮想眼球モデルを出力して、眼球の生理学的特徴の収集が完了したことをユーザに通知し、収集された眼球の生理学的特徴に基づいてユーザに対してID認証を実行するための技術的解決手段を提案する。
【0011】
仮想現実端末デバイスは、ユーザID認証要求を受信した後、仮想現実環境において眼球の生理学的特徴の収集が完了したことをユーザに通知するために使用されるプロンプトインターフェースを出力することができる。プロンプトインターフェースは、ユーザの眼球動作をシミュレートする仮想眼球モデルを含む。仮想現実端末デバイスは、ユーザの眼球の生理学的特徴を収集し、収集された眼球の生理学的特徴に基づいてユーザに対してID認証を実行する。
【0012】
一態様では、ユーザの眼球動作をリアルタイムにシミュレートする仮想眼球モデルが仮想現実環境において出力される。したがって、ユーザは、眼球の生理学的特徴を収集するプロセスにおいて仮想現実環境におけるユーザの眼球動作をリアルタイムに見ることができ、さらにユーザは、仮想眼球モデルのプロンプトに従って、眼球姿勢を適切に調整して、眼球の生理学的特徴を収集する精度を向上させることができる。
【0013】
別の態様では、ユーザの眼球の生理学的特徴が収集され、収集された眼球の生理学的特徴に基づいてユーザに対してID認証が実行される。したがって、仮想現実環境においてユーザID認証を迅速に完了することができ、ユーザID認証時のインタラクションの複雑さが低減される。
【0014】
たとえば、本出願の技術的解決手段は、VR環境における迅速決済に適用される。ユーザは、VR環境における迅速決済サービスをトリガした後、決済クライアントデバイスを使用することによってVR端末デバイスに対してユーザID認証要求を開始することができる。VR端末デバイスは、ユーザID認証要求を受信した後、VR環境においてユーザの眼球動作をシミュレートする仮想眼球モデルをリアルタイムに出力し、眼球の生理学的特徴の収集が完了したことをユーザに通知することができる。ユーザの眼球の生理学的特徴は、VR端末デバイスに搭載された眼球識別ハードウェアを使用することによって収集され(アイプリント特徴および虹彩特徴など)、次いで収集された眼球の生理学的特徴に基づいてユーザに対してID認証が実行され、ユーザはもはやユーザに対してID認証を実行する場合にVR環境において複雑なインタラクションによって決済パスワードを入力する必要がなくなる。さらに、眼球の生理学的特徴を収集するプロセスでは、ユーザは、ユーザの眼球動作をリアルタイムに見ることができ、次いでユーザは仮想眼球モデルのプロンプトに従って、眼球姿勢を適切に調整して、眼球の生理学的特徴を収集する精度を向上させることができる。
【0015】
以下では、特定のアプリケーションシナリオを参照して特定の実装形態を使用することによって本出願について説明する。
【0016】
図1は、本出願の一実装形態による、仮想現実環境ベースのID認証方法を示す。この方法は、VR端末デバイスに適用され、以下のステップを含む。
【0017】
ステップ101:ユーザID認証要求を受信する。
【0018】
ステップ102:仮想現実環境において眼球の生理学的特徴の収集が完了したことをユーザに通知するために使用されるプロンプトインターフェースを出力する。プロンプトインターフェースは仮想眼球モデルを含み、ユーザの眼球が動いたときに、仮想眼球モデルがユーザの眼球動作をシミュレートする。
【0019】
ステップ103:ユーザの眼球の生理学的特徴を収集する。
【0020】
ステップ104:収集された眼球の生理学的特徴に基づいてユーザに対してID認証を実行する。
【0021】
VR端末デバイスは、ユーザにVR3次元没入経験をもたらすことのできる任意の形態の端末デバイス、たとえばヘッドマウントVR端末デバイスを含む。
【0022】
実際には、VR技術に基づいて開発されたクライアントソフトウェア(APPなど)またはオペレーティングシステムを事前に前述のVR端末デバイスに搭載することができる。VR端末デバイスは、搭載されたクライアントソフトウェアまたはオペレーティングシステムを使用することにより開発者によって開発されたVRシーンモデルを事前にユーザに出力することができ、それによってVR端末デバイスを装着したユーザは、VR環境において3次元没入を経験することができる。
【0023】
眼球はユーザの目蓋、目尻、虹彩、強膜などのうちの少なくとも1つを含むことができる。眼球動作は、ユーザの眼球回転動作、瞬き動作、または開眼動作のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0024】
ユーザID認証要求は、VR環境においてユーザによって開始され、ユーザのIDを認証するために使用される要求メッセージである。実際には、ユーザがVR環境においてユーザのIDに対する認証を必要とするターゲットサービスをトリガした後、VR端末デバイスに搭載されたクライアントソフトウェアまたはオペレーティングシステムを使用することによってID認証要求を開始することができる。
【0025】
ターゲットサービスは、VR環境においてユーザによって開始されるユーザのIDを認証するローカルタスクを含むことができ、またはVR環境においてユーザによって開始されるユーザのIDを認証するオンラインタスクを含むことができる。
【0026】
たとえば、実際には前述のターゲットサービスは、いくつかの特定のVRシーンにおける迅速決済サービス、たとえばVRショッピングシナリオにおける注文決済、VRライブブロードキャスティングシナリオにおけるリワード還元、VRゲームシナリオにおける再チャージ、およびVRビデオシナリオにおけるビデオオンデマンド決済であってもよい。代替として、ターゲットサービスは、ユーザのIDに対する認証を必要とする迅速決済サービス以外の種類のローカルサービス、たとえばVR端末デバイス用のユーザのロック解除サービスを含むことができる。
【0027】
以下では、本出願の技術的解決手段について4つのフェーズ、すなわちVRシーンモデルの作成、ID認証の開始、眼球の生理学的特徴の収集および登録、ならびにユーザIDに対する認証を詳細において説明する。
【0029】
この実装形態では、開発者は、特定のモデリングツールを使用することによってVRシーンモデルの作成を完了することができる。モデリングツールはこの実装形態には限定されない。たとえば、開発者は、Unity、3dsMax、およびPhotoshopなどの比較的成熟したモデリングツールを使用してVRシーンモデルの作成を完了することができる。
【0030】
開発者がモデリングツールを使用することによってVRシーンモデルを作成するプロセスでは、VRシーンモデル、VRシーンのテクスチャ、およびVRシーンの地図を現実世界の現実のシーンから導出することができる。たとえば、現実環境のマテリアル、テクスチャ、ならびに地図および平面モデルをビデオ撮影によって事前に収集することができる。次いで、Photoshopまたは3dmaxなどのモデリングツールを使用してテクスチャが処理され現実環境の3次元モデルが構成され、次にモデリングツールがunity3Dプラットフォーム(単にU3Dと呼ぶ)にインポートされる。音響効果、グラフィカルインターフェース、プラグイン、およびライトなどの複数の次元において画像レンダリングが実行され、次いでインタラクションコードが書き込まれる。最後に、VRシーンモデルのモデリングが完了する。
【0031】
この実装形態では、開発者は、ユーザがVR環境において前述のターゲットサービスを実行するのを可能にするために、VR環境モデルを作成することに加えて前述のモデリングツールを使用することによってVRシーンモデルにおける前述のターゲットサービスに対応する2Dサービスインターフェースまたは3Dサービスインターフェースをさらに作成することができる。
【0032】
たとえば、図示の実装形態では、前述のサービスインターフェースは、モデリングツール、たとえば仮想レジカウンタインターフェースに基づいて作成される迅速決済インターフェースであってもよい。ユーザは、特定のインタラクション動作(たとえば、決済インターフェースにおける動作フォーカスを見つけること)によって決済インターフェースと対話してVR環境において迅速決済をトリガすることができる。
【0034】
この実装形態では、開発者がVRシーンモデルおよびサービスインターフェースのモデリングを完了した後、VRクライアントデバイスは、VR端末デバイスに搭載されたクライアントソフトウェアまたはオペレーティングシステムを使用することによってVRシーンモデルおよびサービスインターフェースをユーザに出力することができる。
【0035】
デフォルトでは、VR端末デバイスはVRシーンモデルのみをユーザに出力することができることに留意されたい。VRシーンにおいてユーザが没入を経験するプロセスでは、ユーザは、VR端末デバイスと対話しVR端末デバイスをトリガしてVRシーンにおいてサービスインターフェースを出力することができる。
【0036】
この実装形態では、前述のターゲットサービスをトリガするために使用される所定の仮想要素をVRシーンモデル内に与えることができる。ユーザがVRシーンにおいて没入を経験するプロセスでは、ターゲットサービスを実行する必要がある場合、ユーザは、VR端末デバイスに搭載されたジャイロスコープなどの検知ハードウェアを特定のインタラクションによって操作し、仮想要素を選択してターゲットサービスをトリガすることができる。
【0037】
ユーザがVRシーンにおいて前述のターゲットサービスをトリガする際に使用される特定のインタラクションは、本出願では限定されない。実際には、当業者は、実際の要件に基づいて適切なインタラクションを選択することができる。
【0038】
たとえば、実際にはユーザは3次元ジェスチャ、頭部の姿勢、眼球運動(眼球運動追跡)などのインタラクションによって、またはVR端末デバイスの外部制御装置を使用することによって視覚焦点の動きを制御し、仮想要素が位置する領域に視覚焦点を維持し、仮想要素を選択して前述のターゲットサービスをトリガすることができる。代替として、ユーザは、視覚焦点の移動軌跡を仮想要素が位置する領域を特定の方法で通過させることによってターゲットサービスを選択し、そのターゲットサービスをトリガすることができる。
【0039】
本出願では、説明を簡単にするために、前述のインタラクションによって前述の仮想要素を選択して視覚焦点の動きを制御する特定の実施プロセスについては省略する。このプロセスについては、当業者は関連技術における記録を参照することができる。
【0040】
上記に示したインタラクションに加えて、ユーザが前述のターゲットサービスをより自然な方法でトリガすることが考えられる場合、前述のVRクライアントデバイスが音声認識モジュールを搭載できることは明らかである。この場合、ユーザがVRシーンにおいて没入を経験するプロセスでは、前述のターゲットサービスをトリガするために使用される音声命令を直接送信することによって前述のターゲットサービスをトリガすることができる。
【0041】
ユーザがVRシーンにおいて前述のターゲットサービスをトリガした後、ターゲットサービスが、ユーザIDに対するセキュリティ認証を必要とするサービスであることを理由として、ユーザは、VR端末デバイスに搭載されたクライアントソフトウェアまたはオペレーティングシステムを使用することによってVR端末デバイスへのユーザID認証要求を開始することができる。
【0042】
(3)眼球の生理学的特徴の収集および登録
【0043】
この実装形態では、VRシーン環境においてユーザのIDに対するセキュリティ認証をより迅速に実行するために、VR端末デバイスに搭載された眼球認識ハードウェアを使用してユーザの眼球の生理学的特徴を収集し、収集された眼球の生理学的特徴を使用することによってユーザに対するID認証を迅速に完了することができる。
【0044】
実際には、VR端末デバイスによって複数の眼球の生理学的特徴を収集することができる。たとえば、図示の実装形態では、ユーザのアイプリント特徴と虹彩特徴の両方を含むことができる。虹彩認識とアイプリント認識は組織的に組み合わされ、したがって互いに補完する。したがって、ユーザのIDを認証する精度を顕著に向上させることができる。
【0045】
以下では、説明のために、前述の眼球の生理学的特徴が虹彩特徴とアイプリント特徴とを含む例を使用する。
【0046】
この場合、眼球認識ハードウェアは、VR端末デバイスに搭載され、ユーザの眼球の位置に対応するレンズと、アイプリント特徴を収集するために使用される視覚モジュールと、虹彩特徴を収集するために使用される視覚モジュールとを含むことができる。
【0047】
アイプリント特徴を収集するために使用される視覚モジュールは、レンズとともに使用されるRGBカメラと、RGBカメラに対する光補償を実行するために使用されかつRGBカメラとともに使用されるLED光源とを含むことができる。虹彩特徴を収集するために使用される視覚モジュールは、レンズとともに使用される赤外線カメラと、赤外線カメラに対する光補償を実行するために使用されかつ赤外線カメラとともに使用される赤外線LED光源とを含むことができる。すなわち、本適用用途では、VR端末デバイスは、アイプリント特徴を収集するために使用されるRGBカメラと、虹彩特徴を収集するために使用される赤外線カメラとを同時に搭載することができる(たとえば、RGBカメラと赤外線カメラは、ユーザの眼球に対応するVR端末デバイスの位置の一方の位置に別々に設置することができる)。
【0048】
VR端末デバイスに搭載される前述の眼球認識ハードウェアが、VR端末デバイスもしくは外部ハードウェアのハードウェアアーキテクチャにおける内蔵ハードウェアであってもよく、またはVR端末デバイスと相互接続されたサードパーティモバイルデバイス(スマートフォンなど)における内蔵ハードウェアであってもよいことに留意されたい。実装形態は本願において限定されない。
【0049】
この実装形態において、初期ステータスでは、ユーザは、VRクライアントデバイスを使用することによってユーザのアイプリント特徴および虹彩特徴を事前に登録し、ユーザのユーザ識別子とユーザのアイプリント特徴および虹彩特徴の各々との結合関係をサービスサーバ上に確立することができる。
【0050】
ユーザのユーザ識別子は、ユーザが前述のターゲットサービスを実行するときにユーザによって使用されるアカウント情報を含むことができる。たとえば、ターゲットサービスが決済サービスであるとき、ユーザのユーザ識別子はユーザの決済アカウントであってもよい。ユーザは、アイプリントおよび虹彩を登録し、サービスサーバ上で決済アカウントをユーザのアイプリント特徴および虹彩特徴と結合することができる。
【0051】
ユーザがアイプリントおよび虹彩の登録を完了した後、続いてVR環境においてID認証を必要とするターゲットサービスを開始する際、ユーザのアイプリント特徴および虹彩特徴を使用することによってユーザに対するID認証を実行することができる。したがって、もはやユーザに対するID認証のためにサービスパスワードなどの情報を入力する必要はなくなる。
【0052】
ユーザが、上述のように、VR端末デバイスを使用することによってアイプリント特徴および虹彩特徴を事前に登録し、VR端末デバイスを使用することによってユーザのアカウント情報とユーザのアイプリント特徴および虹彩特徴の各々との結合関係を確立することができ、さらにユーザが、VRクライアントデバイスを使用することによって関連するユーザをカスタマイズし、関連するユーザのアイプリント特徴および虹彩特徴をユーザのユーザ識別子に結合することができることに留意されたい。たとえば、実際にはユーザは、家族を関連するユーザとして設定することもでき、さらに家族のアイプリント特徴および虹彩特徴をユーザのアカウント情報に結合することができる。
【0053】
実際には、アイプリントおよび虹彩登録プロセスのセキュリティを向上させるために、ユーザのアイプリント特徴および虹彩特徴が収集される前に、ユーザの登録行動に関してさらにID認証を実行できることは明らかである。たとえば、ユーザにプロンプトを出して、ログインパスワードまたはユーザのIDを表すことのできる他の情報を入力し、このときに登録を実行するユーザのIDを認証するように促すことができる。認証が成功した後、VRクライアントデバイスは、サービスサーバに登録メッセージを送信してアイプリントおよび虹彩登録を完了する。
【0054】
したがって、許可されていないユーザについては、ユーザのアイプリント特徴または虹彩特徴を使用して別の許可されたユーザのログインアカウントへの結合を完了することを妨げることができ、それによってアイプリントおよび虹彩登録のセキュリティを向上させることができる。
【0055】
この実装形態において、VR端末デバイスが前述の眼球認識ハードウェアを起動してユーザの眼球の生理学的特徴を収集し、眼球の生理学的特徴を収集する精度を最適化するプロセスでは、VR端末デバイスは、VR環境において眼球特徴収集が完了したことをユーザに通知するために使用されるプロンプトインターフェースを出力することができる。前述のプロンプトインターフェースは、2Dインターフェースであってもよく、または3Dインターフェースであってもよい。実装形態は本願において限定されない。
【0056】
図2は、この実装形態による、VR環境において前述のプロンプトインターフェース出力を示す概略図である。
【0057】
図2に示すように、VR環境においてVR端末デバイスによって出力される前述のプロンプトインターフェースは、以下の2つの部分を含むことができる。
【0058】
一態様では、前述のプロンプトインターフェースは、眼球の生理学的特徴の収集が完了したことをユーザに通知するために使用されるプロンプト情報を含むことができる。前述のプロンプト情報は、VR端末デバイスによって出力されるテキストプロンプト情報を含むことができる。
【0059】
実際には、テキストプロンプト情報において、眼球の生理学的特徴を収集する間ユーザによって維持する必要のある眼球動作または注視方向を指定することができる。ユーザは、VR端末デバイスによって出力されるテキストプロンプト情報のプロンプトに従って、特定の眼球動作または注視をテキストプロンプト情報に指定されたように特定の方向に維持し、眼球の生理学的特徴収集の完了を向上させることができる。
【0060】
たとえば、
図2に示すように、実際には前述のプロンプト情報はテキストプロンプト情報「システムはN秒後にデータの収集を開始します。まっすぐ前を見つめてください」であってもよい。
【0061】
別の態様では、前述のプロンプトインターフェースは、眼球の生理学的特徴の収集が完了したことをユーザに通知するために使用されるプロンプト情報に加えて仮想眼球モデルをさらに含むことができる。仮想眼球モデルは、ユーザの眼球が動いたときにユーザの眼球動作をリアルタイムにシミュレートすることができる。
【0062】
前述の仮想眼球モデルは、VR端末デバイスに搭載されたモデリングツールを使用することによって前述の仮想眼球モデルを作成することができる。実施時には、VR端末デバイスは、ユーザの眼球画像からいくつかの特徴点を抽出し、次いで入力パラメータとしての抽出された特徴点を、モデリングを実行するためにVR端末デバイスに搭載されたモデリングツールに入力して、仮想眼球モデルの作成を完了することができる。
【0063】
仮想眼球モデルの具体的な形態は、本願において限定されない。
【0064】
たとえば、実際には前述のモデリングツールは2Dグラフィカルモデリングツールまたは3Dグラフィカルモデリングツールであってもよく、前述の仮想モデルはグラフィカルモデリングツールであってもよい。ユーザの入力された眼球特徴点に基づいて、2D眼球画像または3D眼球画像が漫画アニメーションまたは画像処理の形態で描画される。
【0065】
仮想眼球モデルが、ユーザの眼球画像から収集された特徴点に基づくモデリングによって取得されるので、仮想眼球モデルにおける作成された眼球特徴点がユーザの眼球の特徴点にマップされることに留意されたい。すなわち、抽出される眼球特徴点ごとに、仮想眼球モデルにおいて、特徴点にマップされる1つの眼球特徴点を識別することができる。
【0066】
この実装形態では、VR端末デバイスがVR環境において前述のプロンプトインターフェースを出力した後、ユーザは、前述のプロンプトインターフェースのプロンプトに従って眼球の生理学的特徴の収集を完了することができる。
【0067】
ユーザの眼球の生理学的特徴を収集するプロセスでは、前述のプロンプトインターフェースにおける仮想眼球モデルがユーザの眼球動作をリアルタイムにシミュレートするのを可能にするために、VR端末デバイスは、ユーザの眼球動作データをさらに収集し、収集された眼球動作データに基づいて仮想眼球モデルを調整することができる。
【0068】
実際には、ユーザの眼球動作が一般には、眼球回転動作、瞬き動作、開眼動作などを含むことに留意されたい。眼球動作データは、ユーザの収集された眼球画像から抽出され、ユーザの眼球回転動作、瞬き動作、および開眼動作に対応する眼球特徴点の座標変更データを含むことができる。
【0069】
たとえば、ユーザの眼球回転動作に関して、当業界では、通常ユーザの虹彩または強膜から抽出された特徴点に対して運動追跡を実行し、これらの特徴点の座標変更データを取得してユーザの眼球回転動作を復元することができる。したがって、ユーザの眼球回転動作に対応する眼球特徴点は、ユーザの虹彩特徴点または強膜特徴点であってもよい。
【0070】
別の例では、ユーザの瞬き動作または開眼動作に関して、当業界では、通常ユーザの目蓋または目尻から抽出された特徴点に対して運動追跡を実行し、これらの特徴点の座標変更データを取得してユーザの瞬き動作または開眼動作を復元することができる。したがって、ユーザの瞬き動作および開眼動作に対応する眼球特徴点は、ユーザの目蓋特徴点または目尻特徴点であってもよい。
【0071】
一実装形態では、ユーザの眼球の生理学的特徴を収集する間、VR端末デバイスはカメラを起動してユーザの眼球画像をリアルタイムに収集し、次いで収集された眼球画像からユーザの眼球動作に対応する眼球特徴点を抽出することができる。
【0072】
たとえば、ユーザの眼球回転動作に関して、ユーザの虹彩特徴点または強膜特徴点を抽出することができる。ユーザの瞬き動作および開眼動作に関して、ユーザの目蓋特徴点または目尻特徴点を抽出することができる。
【0073】
収集された眼球画像から対応する眼球特徴点が抽出された後、VR端末デバイスは、搭載された眼球特徴点追跡アルゴリズムに基づいて各々の抽出された眼球特徴点に対して運動追跡を実行し、各眼球特徴点の座標データをリアルタイムに収集し、バックエンドにおいて各眼球特徴点の座標データ変化を記録し、各眼球特徴点の座標変更データを取得することができる。
【0074】
VR端末デバイスが各々の抽出された眼球特徴点に対応する座標変更データを収集した後、仮想眼球モデルにおける特徴点同士が互いにマップされることに起因して、VR端末デバイスは、仮想眼球モデルにおいて、抽出された眼球特徴点に対応するマッピング側特徴点をさらに探索し、次いで収集された座標変更データに基づいて、識別されたマッピング側特徴点の位置を同期的に調整して、仮想眼球モデルによってシミュレートされるユーザの眼球動作をユーザによって実際に生成される眼球動作に完全に整合させることができる。
【0075】
したがって、ユーザの眼球の生理学的特徴を収集するプロセスでは、ユーザがVR環境においてユーザの眼球動作をリアルタイムに見ることができることがわかる。
【0076】
一態様において、従来の生体特徴収集プロセスでは通常、収集ハードウェアの初期設定の遅延があり、すなわち収集が開始した後、ユーザがある期間待機することが必要になることがある。しかし、そのような待機期間には、ユーザは、収集が開始したかどうかを判定することはできず、ユーザの眼球姿勢のずれが生じやすく、収集される特徴点の精度が不十分になる。したがって、ユーザが収集プロセスにおいてユーザの眼球動作をリアルタイムに見ることができる場合、ユーザは、テキストプロンプト情報のプロンプトに従って仮想眼球モデルに基づいて眼球姿勢を適切に調整することができ、それによって眼球の特徴点をより正確に取得することができ、眼球の生理学的特徴を収集する精度が向上する。
【0077】
別の態様では、仮想モデルがユーザのリアルタイム眼球動作を完全にシミュレートするので、VRクライアントデバイスは、眼球の生理学的特徴が収集されるユーザに対して、出力された仮想眼球モデルに基づく生体検知を直接実行することができ、それによって許可されないユーザが眼球画像などの不正な手段によってユーザIDを使用する問題が軽減される。
【0078】
上述のように、作成された仮想モデルをVR環境において眼球の生理学的特徴が収集されるユーザに出力することができ、さらに実際には、ユーザに対して実行される眼球の生理学的特徴の収集に関してサードパーティからのユーザ支援が存在する場合があることが明らかである。
【0079】
したがって、この場合、VR端末デバイスを事前にサードパーティ端末デバイスに関連付けることができ、VR端末デバイスはまた、作成された仮想モデルを関連付けられたサードパーティ端末デバイスに伝送して仮想モデルを同期的に出力することができる。
【0080】
前述の関連付けられたサードパーティ端末デバイスは、ユーザによって装着されるVR端末デバイスと同じネットワークに存在するローカル端末デバイスであってもよく、またはインターネットを使用することによってユーザが装着したVR端末デバイスに接続されるリモートデバイスであってもよい。実際には、関連付けられたサードパーティ端末デバイスは、VR端末デバイスのユーザインターフェースを介してユーザによってカスタマイズすることができる。説明を簡単にするために、この実装形態では詳細を省略する。
【0081】
たとえば、サードパーティ端末デバイスはPC端末デバイスであってもよい。VR端末デバイスが搭載された生体認識カメラを起動してユーザの虹彩特徴およびアイプリント特徴を収集するプロセスでは、VR端末デバイスは、VR環境において仮想モデルを出力し、PC端末デバイスとの通信リンクを介して仮想モデルをPC端末デバイスに送信し仮想モデルを同期的に出力することができる。
【0082】
したがって、ユーザ以外のサードパーティユーザ(たとえば、眼球の生理学的特徴の収集の完了においてユーザを支援する人)もユーザの眼球動作をリアルタイムに見ることができる。
【0084】
この実装形態では、VR端末デバイスは、VR環境においてターゲットサービスをトリガすることによりユーザによって開始されたユーザID認証要求を受信すると、まずユーザのユーザ識別子に基づいてサービスサーバへの問合せを開始し、ユーザのユーザ識別子がアイプリント特徴サンプルおよび虹彩特徴サンプルに結合されているかどうかを問い合わせることができる。
【0085】
ユーザの識別子情報が現在どの形態の眼球の生理学的特徴サンプルにも結合されていないか、またはアイプリント特性サンプルと虹彩特性サンプルの一方に結合されている場合、ユーザが完全な登録手順を完了していないことを示す。VRクライアントデバイスは、「アイプリントおよび虹彩を登録すべきかどうか」を示すプロンプト情報をユーザインターフェースを介してユーザに出力し、対応するユーザオプションを示すことができ、それによってユーザは、アイプリントおよび虹彩登録手順を有効化すべきかどうかを判定することを選択する。
【0086】
ユーザがアイプリントおよび虹彩登録手順を有効化することを選択すると、VRクライアントデバイスは、上記に示したアイプリントおよび虹彩登録手順を繰り返して、VR環境において前述のプロンプトインターフェースを出力し、アイプリント特徴および虹彩特徴の収集および登録が完了したことをユーザに通知することができる。説明を簡単にするために、この実装形態では詳細を省略する。
【0087】
ユーザの識別子情報がアイプリント特徴サンプルおよび虹彩特徴サンプルに首尾よく結合された場合、以下の動作が実行されることが明らかである。
【0088】
一態様では、この場合VR端末デバイスは依然としてVR環境において眼球の生理学的特徴の収集が完了したことをユーザに通知するために使用される前述のプロンプトインターフェースを出力し、アイプリント特徴および虹彩特徴の高精度の収集が完了したことをユーザに通知することができる。プロンプトインターフェースは依然として前述のプロンプト情報と前述の仮想眼球モデルとを含むことができる。説明を簡単にするために詳細を省略する。
【0089】
別の態様では、VR端末デバイスは、眼球認識ハードウェアを起動してユーザのアイプリント特徴および虹彩特徴を収集することができる。VR端末デバイスが前述の眼球認識ハードウェアを起動してユーザの眼球の生理学的特徴を収集するプロセスでは、VR端末デバイスは、所定の輝度検出ハードウェア(光センサなど)をさらに起動しVR端末デバイスにおける収集環境に対して輝度検出を実行して輝度値を取得し、検出された輝度値が所定のしきい値よりも低いかどうかを判定することができる。検出された輝度値が所定のしきい値よりも低い場合、VR端末デバイスにおける収集環境の輝度値が比較的低いことを示す。比較的低い輝度値は収集精度に影響を及ぼすことがある。この場合、VR端末デバイスは、LED光源がカメラに対して光補償を実行することを直ちに可能にすることができる。
【0090】
この実装形態では、VR端末デバイスは、眼球認識ハードウェアを起動することによってユーザのアイプリント特徴および虹彩特徴を首尾よく収集すると、収集されたアイプリント特徴に基づいてサービスサーバと対話してユーザに関するID認証を完了することができる。
【0091】
図示の実装形態では、前述のサービスサーバは、アイプリントおよび虹彩認識サービスを有効化し、VRクライアントデバイス用の識別インターフェースを生成することができる。
【0092】
たとえば、サービスサーバがサービスクラスタに基づいて構成されるサービスプラットフォームであるとき、VR端末デバイスにアイプリント認識サービスおよび虹彩認識サービスを提供する識別サーバを有効化することができ、VRクライアントデバイスに対してアクセスインターフェースが提供される。
【0093】
VR端末デバイスは、ユーザのアイプリント特徴および虹彩特徴を首尾よく収集した後、VRクライアントデバイスにログインするためにユーザによって現在使用されているアカウント情報、ならびにユーザの収集されたアイプリント特徴および虹彩特徴に基づいてアイプリント検証要求を作成し、次いでサービスサーバによって提供されたアイプリント識別インターフェースにアクセスし、アイプリント検証要求をサービスサーバに送出することができる。
【0094】
サービスサーバは、VRクライアントデバイスからアイプリント検証要求を受信した後、アイプリント検証要求を解析し、要求において伝達されたユーザのアイプリント特徴、虹彩特徴、およびアカウント情報を取得し、アカウント情報に基づいて、前述の特徴データベースにユーザによって登録されたアイプリント特徴サンプルおよび虹彩特徴サンプルを問い合わせ、次いでアイプリント特徴および虹彩特徴を前述の所定の特徴データベースに記憶され、ユーザによって登録されたアイプリント特徴サンプルおよび虹彩特徴サンプルと比較することができる。
【0095】
この実装形態において、デフォルトでは、サービスサーバは、ユーザのアイプリント特徴および虹彩特徴の一方を前述の特徴データベース内の対応する特徴サンプルと比較し、比較結果に基づいてユーザのIDに対して認証を実行することができる。
【0096】
実際には、サービスサーバによって使用される眼球の生理学的特徴のデフォルトタイプおよびデフォルト比較シーケンスは、限定されない場合がある。デフォルトでは、アイプリント特徴を前述の特徴データベースにユーザによって登録されたアイプリント特徴サンプルと比較することができ、またはデフォルトで虹彩特徴を前述の特徴データベースにユーザによって登録された虹彩特徴と比較することができる。
【0097】
サービスサーバが、ユーザのアイプリント特徴および虹彩特徴の一方を前述の特徴データベース内の対応する特徴サンプルと比較すると、眼球の生理学的特徴の一方がユーザによって登録された対応する眼球の生理学的特徴サンプルに完全に整合すると判定される。この場合、サービスサーバは、ユーザに対するID認証が成功したと判定し、次いで認証結果をVR端末デバイスに返すことができる。
【0098】
そうでない場合、サービスサーバがユーザのアイプリント特徴および虹彩特徴の一方を前述の特徴データベース内の対応する特徴サンプルと比較すると、眼球の生理学的特徴の一方がユーザによって登録された対応する眼球の生理学的特徴サンプルに整合しないと判定される(この場合、収集された眼球の生理学的特徴が歪むことによって不整合が生じることがある)。サービスサーバは引き続き、ユーザのアイプリント特徴および虹彩特徴における他方の眼球の生理学的特徴を前述の特徴データベース内の対応する特徴サンプルと比較し、比較結果に基づいてユーザに対して再びID認証を実行し、次いで対応するID認証結果をVR端末デバイスに返すことができる。
【0099】
サービスサーバによってVR端末デバイスに返される認証結果がブール式の戻り値(すなわち、偽および真)であってもよいことに留意されたい。
【0100】
たとえば、前述のユーザに対するID認証が成功すると、サービスサーバは、VR端末デバイスに戻り値「真」を返すことができる。そうでない場合、セキュリティ認証が失敗した場合、サービスサーバは、VR端末デバイスに戻り値「偽」を返すことができる。
【0101】
図示の実装形態では、前述の複数の種類の収集された眼球の生理学的特徴とユーザによって登録された対応する眼球の生理学的特徴との比較結果をすべて参照として使用してユーザに対するID認証を実行することができる。さらに、より高いセキュリティ要件を有する適用シナリオでは、比較結果の少なくともいくつかを参照として使用してユーザに対してID認証を実行することができる。
【0102】
比較結果の少なくともいくつかを参照として使用できることは、ユーザに対するID認証が成功したかどうかが判定されるときに、比較結果を、ユーザに対するID認証が成功したかどうかを判定するための唯一の因子として使用するか、またはユーザに対するID認証が成功したかどうかを判定するための複数の因子のうちの1つとして使用することができることを意味する。
【0103】
VR端末デバイスがユーザの収集されたアイプリント特徴および収集された虹彩特徴をサービスサーバにアップロードすることができ、サービスサーバが、アイプリント特徴および虹彩特徴に基づいてユーザに対するID認証を実行し、実際には前述のID認証プロセスをVR端末デバイスによってローカルに完了することもできることに留意されたい。
【0104】
この場合、ユーザは、アイプリント特徴および虹彩特徴をVR端末デバイス上にローカルに保存し、アイプリント特徴および虹彩特徴をユーザのアカウント情報にローカルに結合することができる。VR端末デバイスは、ユーザID認証要求を受信すると、ユーザのアイプリント特徴および虹彩特徴を収集し、サービスサーバの実施プロセスと同じ前述の実施プロセスに基づいてユーザに対するID認証を実行することができる。説明を簡単にするために、具体的な実施プロセスにおける詳細を省略する。
【0105】
この実装形態では、ユーザに対するID認証が成功した後、VR端末デバイスはターゲットサービスを実行することができる。
【0106】
ターゲットサービスがオンラインサービスであるとき、VR端末デバイスは、サービスサーバとのさらなるサービスインタラクションを実行することによってサービスを実行することができる。
【0107】
この場合、VR端末デバイスがターゲットサービスに関してサービスサーバによって返されるセキュリティ認証結果を受信した後、セキュリティ認証が成功した場合(たとえば、戻り値「真」が返される)、VR端末デバイスは、VR環境においてターゲットサービスに対応するサービスインターフェースを出力し、ターゲットサービスに関するサービスパラメータをサービスインターフェースを介して収集してサービス要求を作成することができる。VR端末デバイスは、サービスサーバによってVR端末デバイスに対して提供されるサービスアクセスインターフェースにアクセスすることによってサービスサーバにサービス要求を送出し、サービスサーバとのさらなるサービスインタラクションを実行してターゲットサービスを完了することができる。
【0108】
たとえば、前述のターゲットサービスがVR環境における迅速決済サービスであるとき、VR端末デバイスは、決済インターフェースを出力し、ユーザ情報、注文情報、および価格情報などの決済サービスに関するサービスパラメータを決済インターフェースを介して収集し、次いで対応する決済要求を作成し、決済要求をサービスサーバに送信することができる。サービスサーバは、決済要求を処理して決済手順を完了する。
【0109】
ターゲットサービスがVR端末デバイスのローカルサービスである場合、ローカルサービスのセキュリティ認証が成功したことの結果に応答してサービスをローカルに実行できることは明らかである。
【0110】
たとえば、前述のターゲットサービスがVR端末デバイスに対するローカルロック解除サービスであるとき、VR端末デバイスによって、比較後に、ユーザの収集されたアイプリント特徴が、ユーザによって登録されたアイプリント特徴サンプルに完全に整合していることが判明した場合、VR端末デバイスを直接ロック解除することができる。
【0111】
以下では、ユーザが、VRショッピングを経験する際に、VR端末デバイスに搭載された眼球認識ハードウェアによって収集されたユーザのアイプリント特徴および虹彩特徴を使用することによってVR環境において迅速で安全な決済を実行する適用環境を参照しながら、本出願の技術的解決手段について説明する。
【0112】
前述の適用シナリオが例に過ぎず、本出願を限定することは意図されないことが明らかであることに留意されたい。実際には、本出願の技術的解決手段が他の同様のサービスシナリオに適用できることは明らかである。
【0113】
たとえば、VRゲームシナリオでは、ユーザはアイプリントおよび虹彩を使用することによってゲームコイン再チャージを迅速に完了することができる。VRライブブロードキャスティングシナリオでは、ユーザは、アイプリントおよび虹彩を使用することによってリワード還元を迅速に完了することができる。VRビデオシナリオでは、ユーザはアイプリントおよび虹彩を使用することによってビデオオンデマンド決済を迅速に完了することができる。ユーザは、アイプリント、虹彩などを使用することによってVRシーンにおいてVR端末デバイスを迅速にロック解除することができる。説明を簡単にするために、この実装形態では例を省略する。
【0114】
図3は、一実装形態による、ユーザがVR環境において眼球の生理学的特徴を使用することによって迅速決済を完了する例を示す概略インタラクション図である。
【0115】
図3に示すように、このシナリオでは、前述のターゲットサービスはVR環境における迅速決済サービスであってもよい。前述のVR端末デバイスは、VR技術に基づいて開発された決済クライアントソフトウェア(たとえば、ALIPAYにおけるVR PAY)を搭載したヘッドマウントVR端末デバイスであってもよい。サービスサーバは決済サーバ、たとえばサーバクラスタに基づいて構成されるALIPAYプラットフォームであってもよい。
【0116】
初期ステータスでは、ユーザは、決済アカウントを使用することによってVR端末デバイスにログインし、VR端末デバイスを使用することによってアイプリントおよび虹彩の登録を完了し、ユーザのアイプリントおよび虹彩を決済アカウントに結合し、アイプリントおよび虹彩をクラウド決済サーバの側の特徴データベースに記憶することができる。
【0117】
登録プロセスでは、VRクライアントデバイスは、VR環境においてアイプリント特徴および虹彩特徴の収集が完了したことをユーザに通知するために使用されるプロンプトインターフェースを出力することができる。
【0118】
一態様では、プロンプトインターフェースは、眼球の生理学的特徴の収集が完了したことをユーザに通知するために使用されるテキストプロンプト情報を含むことができる。たとえば、
図3に示す前述のプロンプトインターフェースでは、前述のテキストプロンプト情報は「システムはN秒後にデータの収集を開始します。まっすぐ前を見つめてください」である。
【0119】
別の態様では、プロンプトインターフェースは、仮想眼球モデルをさらに含むことができる。仮想眼球モデルは、ユーザの眼球が動いたときにユーザの眼球動作をリアルタイムにシミュレートすることができる。
【0120】
ユーザは、プロンプトインターフェースのプロンプトに従って、VR端末デバイスがユーザのアイプリント特徴および虹彩特徴を収集するプロセスにおいてユーザの眼球動作をリアルタイムに見ることができる。したがって、プロンプトインターフェースのプロンプトに従って眼球姿勢を適切に調整することができ、登録プロセスにおいて、VR端末デバイスによって起動されたRGBカメラおよび赤外線カメラによって収集された虹彩特徴サンプルおよびアイプリント特徴サンプルを比較的厳密に収集することができる。
【0121】
ユーザは、VR端末デバイスを装着してVRショッピングを経験するときに、VR環境においてユーザによって選択することができるいくつかの商品を提示することができる。ユーザは、VR環境において提示された商品のリストを見て所望の商品を購入することができる。
【0122】
引き続き
図3を参照する。ユーザは、前述の商品リストから満足いく商品を選択した後、VR環境における視覚焦点の位置を眼球回転などの自然なインタラクションによって制御することができ、VR環境に事前に設けられた「今すぐ購入」ボタンが位置する領域の上に視覚焦点をN秒間維持することによって、VRクライアントデバイスをトリガしてこの商品に対する決済手順を開始することができる。
【0123】
引き続き
図3を参照する。商品に対する決済手順が開始された後、ユーザは、決済クライアントデバイスを使用することによってVR端末デバイスへのユーザID認証要求を開始することができる。VR端末デバイスは、ユーザID認証要求を受信した後、VR環境において前述のプロンプトインターフェースを出力することができる。
【0124】
プロンプトインターフェースのプロンプトに従って、ユーザは、VR端末デバイスがユーザのアイプリント特徴および虹彩特徴を収集するプロセスにおいてユーザの眼球動作をリアルタイムに見ることができる。したがって、プロンプトインターフェースのプロンプトに従って眼球姿勢を適切に調整することができ、VR端末デバイスによって起動されたRGBカメラおよび赤外線カメラによって収集された虹彩特徴およびアイプリント特徴を比較的厳密に収集することができる。
【0125】
ユーザのアイプリントおよび虹彩の収集が完了した後、VR端末デバイスは、収集されたアイプリント特徴および虹彩特徴、およびユーザによって使用される決済アカウントに基づいて検証要求を作成し、検証要求を決済サーバに送出することができる。決済サーバは、ユーザのアイプリント特徴および虹彩特徴の一方をユーザによって登録された対応する眼球の生理学的特徴サンプルと比較する。ユーザのアイプリント特徴および虹彩特徴の一方が、ユーザによって登録された対応する眼球の生理学的特徴サンプルに整合する場合、ユーザに対するID認証が成功し、決済サーバは、ブール式の戻り値「真」をVR端末デバイスに返すことができる。
【0126】
ユーザのアイプリント特徴および虹彩特徴の一方が、ユーザによって登録された対応する眼球の生理学的特徴サンプルに整合しない場合、決済サーバはさらに、アイプリント特徴および虹彩特徴における他方の眼球の生理学的特徴をユーザによって登録された対応する眼球の生理学的特徴サンプルと比較することができる。アイプリント特徴および虹彩特徴における他方の眼球の生理学的特徴が、ユーザによって登録された対応する眼球の生理学的特徴サンプルに整合する場合、ユーザに対するID認証が成功し、決済サーバは、ブール式の戻り値「真」をVR端末デバイスに返すことができる。
【0127】
VR端末デバイスは、決済サーバによって返されたセキュリティ認証成功結果を受信した後、決済インターフェースを出力し、ユーザ情報、注文情報、および価格情報などの決済サービスに関するパラメータを決済インターフェースを介して収集し、次いで対応する決済要求を作成し、決済要求を決済サーバに送信することができる。決済サーバは、決済要求を処理してこの商品に対する迅速決済を完了する。
【0128】
さらに、本出願のこの実装形態における決済に関与する技術的キャリアは、たとえば近距離無線通信(NFC)技術、WIFI技術、3G/4G/5G技術、POSカード読取り技術、2次元バーコード読取り技術、バーコード読取り技術、Bluetooth(登録商標)技術、赤外線技術、ショートメッセージサービス(SMS)、およびマルチメディアメッセージングサービス(MMS)を含むことができることに留意されたい。
【0129】
本出願は、前述の方法実装形態に対応する装置実装形態をさらに提供する。
【0130】
図4を参照するとわかるように、本出願は、VR端末デバイスに適用されるVR環境ベースのID認証装置40を提供する。
【0131】
図5を参照する。VR環境ベースのID認証装置40を搭載したVR端末デバイスに関与するハードウェアアーキテクチャは通常、CPU、メモリ、不揮発性メモリ、ネットワークインターフェース、内部バスなどを含む。ソフトウェア実装形態の例では、VR環境ベースのID認証装置40は通常、CPUがメモリにロードされたコンピュータプログラムを動作させた後に取得されるソフトウェアとハードウェアの組合せの論理装置として理解できる。装置40は、ユーザID認証要求を受信するように構成される受信モジュール401と、仮想現実環境において眼球の生理学的特徴の収集が完了したことをユーザに通知するために使用されるプロンプトインターフェースを出力するように構成される出力モジュール402であって、プロンプトインターフェースが、仮想眼球モデルを含み、ユーザの眼球が動いたときに、仮想眼球モデルがユーザの眼球動作をシミュレートする出力モジュール402と、ユーザの眼球の生理学的特徴を収集するように構成される第1の収集モジュール403と、収集された眼球の生理学的特徴に基づいてユーザに対するID認証を実行するように構成される認証モジュール404とを含む。
【0132】
この実装形態では、装置40は、ユーザの眼球動作データを収集するように構成される第2の収集モジュール405(
図4には示されない)と、収集された眼球動作データに基づいて仮想眼球モデルを調整するように構成される調整モジュール406(
図4には示されない)とをさらに含む。
【0133】
この実装形態では、第2の収集モジュール405は、所定のカメラを起動してユーザの眼球画像を収集し、収集された眼球画像からユーザの眼球動作に対応する眼球特徴点を抽出し、眼球特徴点に対して運動追跡を実行し、眼球特徴点の座標変更データを収集するように構成される。
【0134】
この実装形態では、仮想現実端末デバイスは、サードパーティ端末デバイスに関連付けられる。
【0135】
出力モジュール402は、仮想眼球モデルを含むプロンプトインターフェースを、関連付けられたサードパーティ端末デバイスに送信し、サードパーティ端末デバイス上でプロンプトインターフェースを同期的に出力するようにさらに構成される。
【0136】
この実装形態では、眼球の生理学的特徴はアイプリント特徴と虹彩特徴とを含む。
【0137】
この実装形態では、眼球は目蓋と、目尻と、虹彩と、強膜とを含む。
【0138】
この実装形態では、眼球動作は、眼球回転動作、瞬き動作、または開眼動作のうちの少なくとも1つを含む。
【0139】
この実装形態では、ユーザの眼球回転動作に対応する眼球特徴点は、虹彩特徴点または強膜特徴点を含み、ユーザの瞬き動作および開眼動作に対応する眼球特徴点は、目蓋特徴点または目尻特徴点を含む。
【0140】
当業者は、本明細書を検討し本明細書で開示された発明を実施した後に本出願の別の実施解決策を容易に企図することができる。本出願は、本出願のあらゆる変形、機能、または適応的変更を対象とすることを意図している。これらの変形、機能、または適応的変更は、本出願の一般的原則に準拠し、本出願で開示されない技術分野における一般知識または一般に使用される技術手段を含む。本明細書および実装形態は例と見なされるに過ぎない。本出願の実際の範囲および趣旨は特許請求の範囲によって指摘される。
【0141】
本出願が上記で説明し添付の図面に示された正確な構造に限定されず、本出願の趣旨から逸脱せずに修正および変更を施せることを理解されたい。本出願の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0142】
上記の説明は、本出願の実装形態の例に過ぎず、本出願を限定することは意図されない。本出願の趣旨および原則から逸脱せずに施された任意の修正、均等な置換、または改良は、本出願の保護範囲内であるべきである。