(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも前記帽子体の外布の内側に、アルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材と、不織布や樹脂シート等輻射熱に対して低反射率の素材とで構成された遮熱シートが設けられ、
前記アルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材が、前記不織布や樹脂シート等輻射熱に対して低反射率の素材よりも前記外布側に取り付けられている、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の帽子。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の帽子は、人体が静止した状況であったり、全く風が無い状態であったりした場合、頂部に熱溜まりができ、着用者は徐々に暑さを感じる。
さらに、特許文献1及び特許文献2に開示されている帽子は、一番汗のかきやすい着用者の額とスベリは、密着されるため、汗をかきやすく、思ったほどの涼しさは感じられない。
【0006】
そこで、本発明は、帽子体の内部の温度上昇を防ぐとともに、着用者に暑さを感じさせない帽子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る帽子は、帽子体の下部内周縁に取付けられたバンド部材と、帽子体の上部に、帽子体の内側と外側とを貫通して形成された排気口とを備え、バンド部材は、帽子体の前方に対応する位置に形成された前方凸部及び前方凹部と、帽子体の側方に対応する位置に形成された側方凸部及び側方凹部とを有し、前方凸部の外側部分及び側方凸部の外側部分が帽子体に取り付けられることで、前方凹部の外側部分と帽子体との間、又は前方凸部の内側部分と着用者の額との間に、吸気口が形成され、前方凹部の内側部分と着用者の頭部が面接触することを特徴とする。
【0008】
本発明に係る帽子は、側方凹部と着用者の頭部とが面接触することを特徴とする。
【0009】
本発明に係る帽子は、少なくとも帽子体の外布の内側に、アルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材と、不織布や樹脂シート等輻射熱に対して低反射率の素材とで構成された遮熱シートが設けられ、アルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材が、不織布や樹脂シート等輻射熱に対して低反射率の素材よりも外布側に取り付けられていることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る帽子は、帽子体の外側に設けられ、排出口から太陽光が入射することを防止する庇片とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る帽子では、前方及び側方に形成した吸気口から空気が帽子体の内部に流入し、排気口から排出する。そのため、着用者は、涼しさを感じ、僅かな風があると、頭部全体に空気の流れを感じより涼しさを感じる。
したがって、帽子体の内部に空気の流れを生じさせることで、帽子体の内部の温度上昇を防止され、着用者は、暑さを感じなくなり、快適性が向上する。
【0012】
本発明に係る帽子は、バンド部材の前方凹部の内側部分と額とを面接触させる態様で使用することができる。この態様で使用した場合、帽子体の内部の前方や側方に吸気口を形成させつつ、帽子体が着用者の頭部から抜け落ちづらくなる。そのため、激しい運動をする場合でも、使用することができる。
さらに、本発明に係る帽子は、バンド部材の前方凸部の外側部分を帽子体と面接触させ、前方凸部の内側部分と着用者の額との間に吸気口を形成することができる。そうすると、着用者にバンド部材の密着感を生じさせず、空気が着用者の額と接しながら、帽子体の内部に流入するため、快適性が向上する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、スベリ部に凹凸部を設け、吸気口を形成し、帽子の頂部付近に排気口(開口部)を設け、通気性の良い帽子(頭部被覆体)に係るものであり、特に、吸気口の形成の仕方が重要である。
【0015】
代表的なキャップで考えると、帽子は頭に被るクラウン部やツバ部であるバイザーで太陽光を遮断し日影を作り、頭部や顔面の暑さを緩和するものである。しかしながら、近年気温上昇は激しく、以前より頭部の暑さと蒸れが多くなり、帽子を被ることによる快適性は損なわれる状況となっている。太陽からの輻射熱は、帽子の外皮に照射され熱に変化し、さらに外気温も加わって外皮温度を一層上昇させる。外皮の温度が上がれば、頭部には高温の熱が加わり熱さを感じる。さらに、布製の帽子では、外皮を輻射熱が透過し、頭部に直接照射され熱を発生し、汗をかく大きな要因となる。したがって、この輻射熱を阻止できれば、暑さは大幅に軽減することができる。
【0016】
帽子の内部で生じる蒸れは、帽子の外皮と頭部との空間が密封空間であるため、熱が保温状態となり汗をかきやすい条件となることに起因する。布製の帽子では、繊維の間から通気することもあるが、外気が高温であり、帽子内の温度も高温の状態では、空気の出入りも少なく、湿気を排出するまでにはいかない。この蒸れを少なくするには、帽子内の高温多湿の空気の排出が大切である。このように、快適性の高い帽子を追求するには、暑さの大きな要因である輻射熱を阻止すること、帽子内の通気を如何にさせるかが重要である。
【0017】
着用者が最も汗をかきやすいのは額であるが、帽子では汗が垂れることを防止することを目的として、スベリ部材で密着されている。しかし、汗をかきやすい額にスベリ部材が密着されていれば保温性は高まり、汗止めによって汗をかく要因にもなる。本発明の帽子では、本来、スベリ部材が設けられている位置に凹凸部を設け、額を帽子に完全に密着させず、部分的に接触させる構造とした。その結果、この部分の保温性は大幅に低下すると同時に、凹凸部からの空気の流入が容易になり、頭部の皮膚表面のほとんどは、常時空気と接触する状態になる。皮膚が空気と直接接触すると、気化熱で頭部の熱が放出されやすく、汗をかく要因が大幅に減少する。さらに、帽子の頂部付近には排気口(開口部)を設けることにより、帽子の内部に溜まった高温の空気や湿気を排出することができる。
以下、本発明に係る帽子を実施形態で、詳細に述べる。
【0018】
[第一実施形態]
本実施形態に係る帽子を、
図1から
図6を参照し説明する。
【0019】
本実施形態に係る帽子1は、
図1に示すように、頭部Hを覆う帽子体2と、帽子体2の前方に設けられた鍔部3と、帽子体2の内側の下部内周縁に着脱可能に設けられるバンド部材4とを備えている。
【0020】
[帽子体2]
帽子体2は布製であり、
図2に示すように、帽子体2の後方の上部には、帽子体2の内側と外側とを貫通した排気口5が形成されている。この排気口5は、帽子体2の中心部より後方に設けることが好ましい。この後方の位置は、後述する吸気口7から流入した空気Fが、頭部Hの周囲に放物線を描くように流れ、空気抵抗が小さい位置と考えられる。排気口5の形状は、外観上目立たない形状が好ましいが、あくまでも空気抵抗を少なくするようにすることが好ましい。
【0021】
また、帽子体2には、排気口5を上方から覆う庇片6が設けられている。この庇片6は、布製であり、排気口5を介して、太陽光が頭部Hに直接照射されることを防止するために設けられている。庇片6は、適宜角度を調整することができ、この庇片6によって、排気口5の開口を全開にしたり、排気口5全体を覆ったりすることができる。
【0022】
帽子体2の外布2Aの内側全体には、遮熱シート2Bが設けられている。この遮熱シート2Bは、アルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材と、不織布や樹脂シート等輻射熱に対して低反射率の素材とで構成されており、アルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材が、不織布や樹脂シート等輻射熱に対して低反射率の素材よりも外布2A側に取り付けられている。つまり、アルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材が、不織布や樹脂シート等輻射熱に対して低反射率の素材よりも外向きとなるように取り付けられている。遮熱シート2Bは、鍔部3の内側にも取り付けることもできる。なお、アルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材には、例えば、アルミホイル等の輻射熱に対して、反射率が98%から90%のものを使用する。
また、帽子体2の内側に、内布を施工してもよく、内布を施工した場合でも、帽子1の性能には、ほとんど影響しない。
【0023】
[バンド部材4]
バンド部材4は、
図3(a)に示すように、一つの部材からなり、前方に、1つの前方凹部4B及びその両脇に1つずつ設けられた前方凸部4Aを有し、両側の側方に、2つの側方凸部4C及び2つの側方凹部4Dをそれぞれ有している。なお、
図3(a)に示すバンド部材4の状態を第一状態とよぶ。このバンド部材4は、取り付け部材(例えば、ホック、面ファスナ)によって、帽子体2に取り付けられる。このバンド部材4は、着脱可能であるため、汗をかいたら取り外し、洗濯ができる。このバンド部材4は、既存の帽子にも取り付けることが可能である。
【0024】
バンド部材4には、プラスチック、例えば、ポリプロピレンを使用する。
側方凸部4Cや側方凹部4Dの形状は、角型、台形、或いはアール型の何れでも良い。額の部分は、体で一番汗をかく部位であるため、前方凹部4B(前方凸部4A)の長さ6cmから8cmとすることが好ましく、額の周方向の長さの半分以上であることが好ましい。また、凹凸の高さは、高いほど吸気する面積が増えるので好ましいが、その分帽子1のサイズが大きくなるので、適宜用途にあったサイズにすることが好ましい。現実的には、約5mmから10mmの高さとする。
【0025】
バンド部材4は、折り返し(反転させ)、
図3(b)に示すような状態として、帽子体2に取り付けることもできる。なお、
図3(b)に示すバンド部材4の状態を第二状態とよぶ。第二状態のバンド部材4では、第一状態のバンド部材4の側方凸部4C及び側方凹部4Dが入れ替わる。この場合には、前方に、1つの前方凸部4A及びその両脇に前方凹部4Bが形成され、左方及び右方の側方には、2つの側方凸部4C及び2つの側方凹部4Dがそれぞれ形成される。
【0026】
第一状態のバンド部材4を帽子体2に取り付けると、
図4に示すように、前方凸部4Aの外側部分及び側方凸部4Cの外側部分が帽子体2の内周縁と接し、前方凹部4Bの外側部分及び側方凹部4Dの外側部分は、帽子体2の内縁と接しない。そのため、帽子体2と前方凹部4Bの外側部分との間、及び帽子体2と側方凹部4Dの外側部分との間には、
吸気口7が形成される。具体的には、前方には、
吸気口7が1つ形成され、側方の左右
両側には、2つの
吸気口7が形成される。
この状態の帽子1を着用すると、頭部Hの額と前方凹部4Bの内側部分は面接触する。
【0027】
一方、第二状態のバンド部材4を帽子体2に取り付けると、
図5に示すように、前方凸部4Aの外側部分及び側方凸部4Cの外側部分が帽子体2の内周縁と接し、前方凹部4Bの外側部分及び側方凹部4Dの外側部分は、帽子体2の内縁と接しない。この場合も、帽子体2と前方凹部4Bの外側部分との間、及び帽子体2と側方凹部4D外側部分との間には、
吸気口7が形成される。
この状態の帽子1を着用すると、頭部Hの額と前方凹部4Bの内側部分とは接触せず、頭部Hの額と前方凹部4Bの内側部分との間には、
吸気口7が形成される。そして、頭部Hと前方凹部4Bの内側部分は面接触する。
【0028】
次に、本実施形態に係る帽子1の作用効果について、説明する。
【0029】
本実施形態に係る帽子1の重要な点は、三つある。一つ目は、帽子1に吸気口7と排気口5を設け、風の流れを作る点である。二つ目は、本来着用者の頭部Hと密着するスベリ部分に、バンド部材4を取り付けることで、吸気口7を形成し、額とバンド部材4の接触面積を小さくすることで、額からの気化熱を奪いやすくする点である。三つ目は、帽子体2の上方に排気口5を設け、吸気口7を介して帽子体2の内部に侵入した空気Fが頭部全体に触れながら上昇し、その後、排気口5から排出される点である。
【0030】
帽子1を被ると、帽子体2の内側と頭部Hの頂部との間には僅かな隙間が生じる。この時、頭部Hと帽子体2の外皮2Aとの温度差により、この隙間の空気は膨張し、帽子体2の上方の排気口5から排気される。そうすると、
図6に示すように、帽子体2の下部の吸気口7から空気Fが帽子体2の内部に流入し、頭部Hの周囲の隙間を通って排気口5から排気される。
すなわち、着用者が帽子1を被ると、僅かではあるが帽子体2の内部では、対流が発生し、頭部Hの表面に空気Fが流れる。これは、吸気口7と排気口5の面積が大きく、吸排気の空気抵抗が少なくて済むこと、排気口5が上方(頂部)にあり、吸気口7と排気口5の高低差が煙突効果を促進し、空気Fの流れが良くなり、さらには外皮2Aと頭部Hの空間が全周にとれ、空気Fの流れが促進され、帽子体2の内部に空気Fの流れる経路ができる。
【0031】
着用者が歩いている場合、顔に正面から衝突する空気Fは、前方に形成される吸気口7を介して帽子体2の内部に流入し、その後、頭部Hの表面を流れて排気される。さらに、歩行速度が速いほど、頭部Hを流れる空気Fの速度も速くなり、頭部Hは満遍なく冷却される。そのため、帽子体2の内部に空気Fの流れを生じさせ、流れる空気Fが頭部Hから気化熱を奪い、汗をかきにくい状況にし、結果として、蒸れを感じなくさせる。もちろん、僅かな風が吹いた場合でも、同様な効果を得ることができる。さらに、バンド部材4と頭部Hとは部分的に接触し、側方に形成された吸気口7からも、空気Fが流入するため、帽子体2の全周から満遍なく空気Fを流入させることができる。
なお、本実施形態に係る帽子1を実際に被って歩行した場合、頭部全体の汗の量が大幅に少なることを確かめている。
【0032】
バンド部材4を第1状態で取り付けたときの帽子1の効果について説明する。
バンド部材4を第1状態で取り付けた帽子1を被った場合、バンド部材4の前方凸部4Aの内側部分と額とが面接触する。そうすると、帽子1は、頭部Hに安定して着用でき、頭部Hから抜け落ちづらくなる。この帽子1は、額と密着し、安定感があるため、例えば、動きが激しい運動の際に使用される。
【0033】
次に、バンド部材4を第2状態で取り付けたときの帽子1の効果について説明する。
バンド部材4を第2状態で取り付けた帽子1を被った場合、バンド部材4の前方凸部4Aの外側部分は、帽子体2と面接触し、前方凸部4Aの内側部分と額との間には吸気口7(隙間)が形成される。そのため、空気Fが着用者の額に接しながら、帽子体2の内部に流入するため、快適性が向上する。この帽子1は、第1状態のバンド部材4が取り付けられた帽子よりも、安定感はないため、例えば、軽い運動をする場合や通常の屋外に外出する場合の帽子として使用できる。
【0034】
本実施形態に係る帽子1は、帽子1の外皮2Aの内側に、アルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材と不織布や樹脂シート等輻射熱に対して低反射率の素材で構成された遮熱シート2Bを、アルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材が外向きになるように取り付けられている。
帽子1に太陽光が照射された場合、輻射熱は帽子体2に吸収され熱に変化し、二次輻射熱が頭部Hに照射される。この熱を阻止するために、帽体体2の内部に隙間を設け、かつアルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材と不織布や樹脂シート等輻射熱に対して低反射率の素材で構成された遮熱シート2Bを設け、アルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材表面で反射させ、再び帽子体2の外皮2Aに戻す。
アルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材が外向きになるように取り付けることで、帽子1の外部からの輻射熱の侵入を防止することができ、頭部Hは、日陰の下に風が流れているような、非常に涼しい環境を作ることができる。
本実施形態の帽子1は、競歩やゴルフ等の屋外での活動時の熱中症対策に効果的である。
【0035】
[第二実施形態]
本実施形態に係る帽子10について、
図7から
図10を参照し、説明する。
【0036】
本実施形態に係る帽子10は、
図7に示すように、ハット型であり、頭部Hを覆う帽子体2と、帽子体2の全周囲にかけて設けられた鍔部3と、帽子体2の内側の下部内周縁に着脱可能に設けられるバンド部材4とを備えている。
帽子体2は、樹脂層2Cと、樹脂層2Cの上方(外側)に設けられた遮熱シート2Bと、遮熱シート2Bの上方(外側)に設けられた布製の外皮2Aと、樹脂層2Cの下方(内側)に設けられたメッシュ部材2Dとを備えている。外皮2Aと遮熱シート2Bとの間、遮熱シート2Bと樹脂層2Cとの間、樹脂層2Cとメッシュ部材2Dとの間には、それぞれ隙間が設けられている(
図10(b))。
【0037】
樹脂層2Cには、例えばポリウレタンを使用することができる。この樹脂層2Cには、表裏を貫通する楕円状の排気口5Aが形成されている。具体的には、頂部に6つ、側部に6つ形成されている。
遮熱シート2Bは、アルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材と、不織布や樹脂シート等輻射熱に対して低反射率の素材とで構成されており、アルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材が外向きになるように設けられている。この遮熱シート2Bは、樹脂層2Cとの間に隙間が形成されるように設けられている。この遮熱シート2Bには、表裏を貫通する楕円状の排気口5Bが形成されている。この排出口5Bは、上述した排出口5Aと対応する位置に形成されている。なお、遮熱シート2Bは、鍔部3の内側にも設けることができる。
また、布製の外皮2Aには、表裏を貫通する貫通孔が多数形成され、これらの貫通孔により、模様が形成されている。
【0038】
第一実施形態と同様、第一状態のバンド部材4を帽子体2に取り付けると、
図8に示すように、前方凸部4Aの外側部分及び側方凸部4Cの外側部分が帽子体2の内周縁と接し、帽子体2と前方凹部4Bの外側部分との間、及び帽子体2と側方凹部4Dの外側部分との間には、
吸気口7が形成される。この状態の帽子1を着用すると、着用者Hの額と前方凹部4Bの内側部分は面接触する。
【0039】
一方、第二状態のバンド部材4を帽子体2に取り付けると、
図9に示すように、前方凸部4Aの外側部分及び側方凸部4Cの外側部分が帽子体2の内周縁と接し、帽子体2と前方凹部4Bの外側部分との間、及び帽子体2と側方凹部4Dの外側部分との間には、
吸気口7が形成される。この状態の帽子1を着用すると、頭部Hの額と前方凹部4Bの内側部分は接触せず、額と前方凹部4Bの内側部分との間には、
吸気口7が形成される。
【0040】
本実施形態に係る帽子10は、
図10(a)に示すように、空気Fは、前方及び側方に形成された吸気口7から帽子体2の内部に流入し、その後、頭部Hの表面を流れ、頂部や側部に形成された排気口5から排気される。具体的には、
図10(b)に示すように、帽子体2の内部に侵入した空気Fは、樹脂層2Cに形成された排気口5A、遮熱シート2Bに形成された排気口5Bを通り、布製の外皮2Aに模様として形成された貫通孔を介し、外部に排出される。
【0041】
本実施形態に係る帽子10は、第一実施形態に係る帽子1と同様、空気Fが頭部Hから気化熱を奪い、汗をかきにくい状況にし、結果として、蒸れを感じなくさせる。さらに、バンド部材4と頭部Hとは部分的に接触し、側方に形成された吸気口7からも、空気Fが流入するため、帽子体2の全周から満遍なく空気Fを流入させ、頭部全体を冷却することができる。
【0042】
また、遮熱シート2Bを、アルミホイル等輻射熱に対して高反射率の素材が外向きになるように取り付けることで、帽子1の外部からの輻射熱の侵入を防止することができ、帽子体2の内部を快適な環境とすることができる。
【0043】
以上、本実施形態について説明したが、これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
本実施形態では、頭部被覆体として、帽子について説明したが、ヘルメットのヘッドバンドにバンド部材4を設けることもできる
。
【解決手段】本発明に係る帽子1は、帽子体2の下部内周縁に取付けられたバンド部4材と、帽子体2の上部に、帽子体2の内側と外側とを貫通して形成された排気口5とを備え、バンド部材4は、帽子体2の前方に対応する位置に形成された前方凸部4A及び前方凹部4Bと、帽子体2の側方に対応する位置に形成された側方凸部4C及び側方凹部4Dとを有し、前方凸部4Aの外側部分及び側方凸部4Cの外側部分が帽子体2に取り付けられることで、前方凹部4Bの外側部分と帽子体2との間、又は前方凸部4Aの内側部分と着用者の額との間に、吸気口7が形成され、前方凹部4Bの内側部分と着用者の頭部が面接触する構成をとる。