(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ベース部と前記ベース部から突出して被取付部材と係合する係止突部とを備えたクリップをクリップ供給口から1つずつ送り出して、前記被取付部材に前記クリップを取り付けるクリップ取付具であって、
前記クリップ供給口から直線状に延びて、前記係止突部の先端が前記クリップ供給口を向くように配置された複数の前記クリップを前記係止突部の突出方向に重ねて収容するクリップ収容部と、
前記クリップの前記クリップ供給口からの脱落を規制する抜止機構と、
前記クリップ収容部に収容された前記クリップを前記クリップ供給口へ向けて間欠的に押し出す押出機構と、を有し、
前記クリップには、前記ベース部から前記係止突部と反対側に突出する連結突部が設けられると共に、
複数の前記クリップは、前記係止突部の突出方向を同じにして重ね合わされたときに、前記係止突部の突出方向で前側に配される前記クリップの前記連結突部が後側に配される前記クリップの前記係止突部と係合することで、連結するように構成され、
前記押出機構には、前記クリップの前記連結突部と係合するクリップ係合突部が設けられ、
前記抜止機構は、前記クリップ係合突部を備えるクリップ取付具。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[第1実施形態]
本実施形態のクリップ取付具10(
図1,2参照)について説明する前に、まず、クリップ100について説明する。
図3(A),3(B)に示されるように、クリップ100は、第1面101Aと第2面101Bを表裏に備えたベース板101(本発明の「ベース部」に相当する。)と、ベース板101の第1面101Aから突出する係止突部102と、を備える。
【0022】
図3(A),3(B)に示されるように、ベース板101は、平面視矩形状をなし、係止突部102は、ベース板101の短手方向で対向し、互いに接近又は離間するように弾性変形する1対の係止片103,103で構成されている。1対の係止片103,103は、ベース板101の長手方向に延在し、ベース板101から離れるに従って互いに離れる円弧状をなす。なお、クリップ100は、ベース板101の長手方向に係止突部102を1対備えている。
【0023】
図4(A),4(B)に示されるように、クリップ100は、シートパッド150に一体的に固定される。シートパッド150は、ウレタン樹脂の発泡成形品である。具体的には、シートパッド150の座面150Mには、複数の吊込溝151が形成され、クリップ100は、ベース板101の第2面101Bが吊込溝151の底部に固定され、係止突部102が吊込溝151の上部開口へ向かって突出するように配置される。そして、クリップ100は、シートカバー153に取り付けられた係止具155と係合して、シートパッド150とシートカバー153とを連結する。
【0024】
クリップ100のシートパッド150への固定は、インサート成形によって行われる。インサート成形にあたって、クリップ100は、
図5(A),5(B)に示すように、シートパッド150を成形するための発泡成形金型160に備えられたクリップ保持部163(本発明の「被取付部材」に相当する。)に取り付けられる。クリップ保持部163は、発泡成形金型160の成形面160M上に形成される溝形成壁160Hの一部を切り欠いた部位に固定されている。クリップ保持部163は、溝形成壁160Hを切り欠いた部位に固定される固定ベース164と、固定ベース164から突出する支持突部165と、からなる。支持突部165は、成形面160Mと反対側へ向かって延びる略矢尻状をなす。
【0025】
ところで、クリップ100は、シートパッド150に複数固定される。従って、クリップ100は、発泡成形金型160に設けられた複数のクリップ保持部163に取り付けられる。そして、本実施形態のクリップ取付具10(
図1,2参照)は、発泡成形金型160に備えた複数のクリップ保持部163にクリップ100を取り付ける際に使用される。
【0026】
図1,2に示されるように、クリップ取付具10は、複数のクリップ100を収容するクリップ収容部11と、クリップ収容部11に収容された複数のクリップ100をクリップ供給口12から1つずつ送り出す押出機構30と、を有する。クリップ収容部11に収容される複数のクリップ100は、係止突部102の先端がクリップ供給口12を向くようにして重ねられる(
図2参照)。
【0027】
具体的には、クリップ収容部11は、両端が開放した筒形ボディ15によって構成されている。クリップ供給口12は、筒形ボディ15の一端側の開口によって形成されている。筒形ボディ15の断面形状は、クリップ100のベース板101と同様の矩形状になっている。また、筒形ボディ15の側壁には、筒形ボディ15の軸方向に沿って直線状に延びたスリット16が形成されている。スリット16は、筒形ボディ15の軸方向の全体に亘って形成されている。
【0028】
なお、筒形ボディ15の断面形状の大きさは、ベース板101よりも若干大きくなっている。これにより、筒形ボディ15内に収容されたクリップ100は、筒形ボディ15の軸方向と直交する面内での回転を規制される。また、クリップ100のベース板101の外周部には、複数の切欠101Kが形成され(
図3(A),3(B)参照)、筒形ボディ15の側壁には、切欠101Kと係合する側壁突部15Tが設けられている(
図1参照)。これにより、クリップ100がベース板101の厚み方向に回転することが抑えられ、ベース板101の第1面101Aと第2面101Bが反転することが規制される。
【0029】
図1に示されるように、押出機構30は、筒形ボディ15の軸方向に直動するスライダ31と、筒形ボディ15の軸方向でスライダ31を一定の間隔ごとに位置決めするスライダ位置決め機構50と、を有している。
【0030】
図6(A)に示されるように、スライダ31は、筒形ボディ15内(即ち、クリップ収容部11内)に配置される可動ベース32と、筒形ボディ15の外側を覆うアウタースリーブ33と、スリット16に挿通されて可動ベース32とアウタースリーブ33とを連結する連結部34と、を有している。
【0031】
図6(A)に示されるように、可動ベース32の断面形状は、クリップ100のベース板101と同様の形状になっている。言い換えれば、可動ベース32の断面形状は、筒形ボディ15の内側部分の断面形状と略同じになっている。これにより、可動ベース32が筒形ボディ15の軸方向に対して斜めに移動することが抑制される。
【0032】
図1に示されるように、アウタースリーブ33は、筒形ボディ15より一回り大きな角筒状をなしている。アウタースリーブ33は、クリップ取付具10の使用者によって把持される(
図9(A)参照)。
【0033】
図2に示されるように、押出機構30は、スライダ31の可動ベース32とクリップ100との間に挟まれるプッシャー41をさらに有している。プッシャー41は、可動ベース32に支持されて筒形ボディ15の軸方向に直動する。具体的には、プッシャー41は、クリップ100と当接するクリップ当接部42と、クリップ当接部42から可動ベース32側に突出した直動シャフト43と、を備えている。直動シャフト43は、可動ベース32に形成されたシャフト支持孔45に挿通されている。
【0034】
図6(B)に示されるように、直動シャフト43には、直線状をなす第1直動シャフト43Aと、先端部が側方に張り出した略T字状の第2直動シャフト43Bと、が備えられている。また、シャフト支持孔45には、第1直動シャフト43Aが挿通される第1シャフト支持孔45Aと、第2直動シャフト43Bが挿通される第2シャフト支持孔45Bと、が備えられている。第2シャフト支持孔45Bは、プッシャー41のクリップ当接部42に近い側の端部が縮径された形状になっている。そして、第2直動シャフト43BにおけるT字の張出部分と第2シャフト支持孔45Bの縮径部分とが係合することで、第2支持シャフト43Bが第2シャフト支持孔45Bから抜け止めされている。
【0035】
プッシャー41のクリップ当接部42は、クリップ当接部42と可動ベース32との間に介装された圧縮バネ44(本発明の「圧縮バネ」に相当する。)によって、可動ベース32から離れる方向に付勢されている。なお、圧縮バネ44の内側には、第1直動シャフト43Aが挿通されている。
【0036】
図1,7に示されるように、スライダ位置決め機構50は、筒形ボディ15の軸方向に沿って延びるスライドレール部51と、スライダ31に設けられたロック部材52と、で構成されている。スライドレール部51は、筒形ボディ15のスリット16の内側面から突出した複数の係合突部51Tが筒形ボディ15の軸方向に一定の間隔で並べられてなる。ロック部材52は、スライダ31の連結部34に備えられ、筒形ボディ15の軸方向と直交する方向(即ち、スリット16の延在方向と直交する方向)に移動する。そして、ロック部材52は、スライドレール部51において係合突部51T,51T同士の間に形成された係合凹部51Aと係合するロック位置と、係合凹部51Aとの係合が外れたアンロック位置とに配置される。
【0037】
図7に示されるように、ロック部材52は、スリット16の延在方向に延びる板ばね材を折り曲げることにより形成されていて、略半円状に湾曲した係合部52Tと、係合部52Tの両端から略ハの字状に広がる脚部52Kと、を一体的に有している。そして、ロック部材52の係合部52Tが、スライドレール部51に突き合わされ、係合凹部51Aと係合する。
【0038】
詳細には、連結部34には、スライドレール部51と対向する開口部34Aを有するロック部材収容部34Sが形成され、ロック部材52は、ロック部材収容部34Sに収容されている。ロック部材52の係合部52Tは、ロック部材収容部34Sの開口部34Aに嵌め込まれ、ロック部材52の脚部52Kは、ロック部材収容部34Sの開口部34Aと反対側の面に圧接する。そして、ロック部材52は、係合部52Tが開口部34Aから外側に突出したときにロック位置に配置され、係合部52Tがロック部材収容部34S内に収まったときにアンロック位置に配置される。なお、ロック部材52は、脚部52Kの弾発力によってロック位置に付勢されている
【0039】
図8には、スライダ31が移動するときのスライダ位置決め機構50の動作が示されている。
図8(A)に示されるように、スライダ31が停止している状態では、ロック部材52は、ロック位置に配置され、ロック部材52の係合部52Tがスライドレール部51の係合凹部51Aと係合している。
【0040】
スライダ31が筒形ボディ15に対して筒形ボディ15の軸方向に移動すると、
図8(B)に示されるように、ロック部材52の係合部52Tがスライドレール部51の係合突部51Tに押されてロック部材収容部34S内に収まり、ロック部材52がアンロック位置に配置される。
図8(B)の状態からスライダ31が更に移動すると、
図8(C)に示されるように、ロック部材52の係合部52Tが隣の係合凹部51Aと係合して、ロック部材52が再びロック位置に配置される。そして、スライダ31が筒形ボディ15に対して筒形ボディ15の軸方向で位置決めされる。ここで、スライドレール部51の複数の係合凹部51Aは、筒形ボディ15の軸方向で一定の間隔で並べられる。従って、
図8(A)〜
図8(C)の動作が繰り返されることで、スライダ31は、筒形ボディ15の軸方向で一定の間隔ごとに位置決めされる。なお、係合凹部51A同士の間隔は、クリップ100の係止突部102の高さと略同じになっている。
【0041】
また、
図1,2に示されるように、クリップ取付具10には、クリップ供給口12からクリップ100が抜け出ることを規制する抜止機構60が備えられている。具体的には、抜止機構60は、クリップ供給口12の縁部から筒形ボディ15の内側に張り出した可撓片61で構成されている。このように、本実施形態では、簡易な構成でクリップ100を抜け止めすることができる。
【0042】
可撓片61は、クリップ100の短手方向でクリップ100を挟むように対をなして配置される。1対の可撓片61,61は、クリップ供給口12側からベース板101に当接することでクリップ100を抜け止めする。押出機構30によってクリップ100がクリップ供給口12側に押し出されると、可撓片61は、クリップ100の短手方向の外側へ広がるように弾性変形して、クリップ100の移動を許容する。言い換えれば、押出機構30は、可撓片61の係止力に抗してクリップ100をクリップ供給口12側へ押し出す。クリップ100がクリップ供給口12から排出されると、可撓片61は、クリップ100の短手方向の内側に窄まるように弾性復元して、再びクリップ100がクリップ供給口12から抜け出ることを規制する。なお、本実施形態では、1対の可撓片61,61をクリップ100の短手方向でクリップ100を挟むように配置したが、クリップ100の長手方向でクリップ100を挟むように配置してもよい。
【0043】
詳細には、筒形ボディ15のうちクリップ供給口12側の端部の外面には、筒形ボディ15内に収容されたクリップ100の短手方向で対向する対向突片62,62が固定されている。対向突片62は、クリップ供給口12の縁部から筒形ボディ15の軸方向に突出すると共に筒形ボディ15の内側に折れ曲がった略くの字状をなしている。そして、対向突片62のうち筒形ボディ15の内側に折れ曲がった部分により可撓片61が形成されている。
【0044】
クリップ取付具10の構成に関する説明は以上である。次に、クリップ取付具10の使用例を説明する。
【0045】
上述したように、クリップ取付具10は、複数のクリップ100を発泡成形金型160のクリップ保持部163に取り付ける際に用いられる。クリップ100をクリップ保持部163に取り付けるには、
図9(A),9(B)に示されるように、複数のクリップ100をクリップ収容部11(筒形ボディ15)に収容しておく。クリップ取付具10は、クリップ供給口12が下方を向くように配される。このとき、複数のクリップ100は、係止突部102がクリップ供給口12を向く姿勢(即ち、係止突部102が下方を向く姿勢)で、係止突部102の突出方向(即ち、上下方向)に積み重ねられる。複数のクリップ100のうちクリップ供給口12の最も近くに配されるクリップ100(最下端のクリップ100)は、可撓片61(抜止機構60)によって抜け止めされる。また、スライドレール部51の係合凹部51Aとロック部材51との係合により、スライダ31が筒形ボディ15の軸方向に位置決めされる。プッシャー41のクリップ当接部42は、複数のクリップ100のうちクリップ供給口12から最も離れて配されるクリップ100(最上端のクリップ100)に上方から当接する。
【0046】
次いで、
図10(A),10(B)に示されるように、クリップ取付具10がクリップ保持部163に近付けられ、最下端のクリップ100の係止突部102がクリップ保持部163の支持突部165に宛がわれる。クリップ取付具10の移動に際して、作業者は、スライダ31のアウタースリーブ33のみを把持する(
図10(A)参照)。上述したように、スライダ31は、筒形ボディ15に対して軸方向に位置決めされているので、スライダ31を下方に移動させると、筒形ボディ15がスライダ31と一体に移動する。なお、
図9〜
図19では、作業者の手が2点鎖線で示されている。
【0047】
次いで、スライダ31を更に下方に移動させる。ここで、[a]クリップ100の係止突部102をクリップ保持部163の支持突部165に係合させるための力(即ち、1対の係止片103,103を弾性変形させる力)よりも圧縮バネ44を弾発力が小さい場合と、[b]クリップ100の係止突部102をクリップ保持部163の支持突部165に係合させるための力よりも圧縮バネ44の弾発力が大きい場合とで、最下端のクリップ100がクリップ保持部163に取り付けられるまでのクリップ取付具10の動作が異なる。[a]の場合のクリップ取付具10の動作は、
図11→
図12→
図13の流れに示されている。一方、[b]の場合のクリップ取付具10の動作は、
図15→
図16の流れに示されている。
【0048】
以下では、まず、[a]の場合の流れについて説明する。[a]の場合では、
図10(A),10(B)に示す状態からスライダ31を更に下方に移動させると、
図11(A),11(B)に示されるように、圧縮バネ44が圧縮され、筒形ボディ15におけるクリップ供給口12の開口縁がクリップ保持部163に突き当てられる。なお、このとき、最下端のクリップ100のベース板101が可撓片61から浮き上がる。
【0049】
図11(A),11(B)に示す状態からスライダ31を更に下方に移動させると、
図12(A),12(B)に示されるように、ロック部材52がロック位置からアンロック位置(
図8(B)参照)に配置され、スライダ31が筒形ボディ15に対して下方に移動する。そして、圧縮バネ44の縮み代がゼロになる。このとき、ロック部材52は、アンロック位置に配置された状態のまま、
図11(A)に示す状態で係合していた係合凹部51A(上から4番目の係合凹部51A)と、その1つ下の係合凹部51A(上から5番目の係合凹部51A)との間の係合突部51Tに突き当てられる。
【0050】
図12(A),12(B)に示す状態からスライダ31を更に下方に移動させると、
図13(A),13(B)に示されるように、複数のクリップ100が下方に押されて、最下端のクリップ100がクリップ保持部163の支持突部165と係合する。このとき、ロック部材52は、アンロック位置からロック位置に配置され、
図11(A)に示す状態で係合していた係合凹部51Aの1つ下の係合凹部51A(上から5番目の係合凹部51A)と係合する。以上が、上述した[a]の場合におけるクリップ取付具10の動作の流れである。
【0051】
次に、[b]の場合におけるクリップ取付具10の動作の流れについて説明する。[b]の場合では、
図10(A),10(B)に示す状態からスライダ31を更に下方に移動させると、
図15(A),15(B)に示されるように、圧縮バネ44は圧縮されず、最下端のクリップ100の係止突部102がクリップ保持部163の支持突部165と係合する。そして、最下端のクリップ100がクリップ保持部163に取り付けられる。このとき、筒形ボディ15におけるクリップ供給口12の開口縁がクリップ保持部163に突き当てられる。
【0052】
図15(A),15(B)に示す状態からスライダ31を更に下方に移動させると、
図16(A),16(B)に示されるように、ロック部材52がロック位置からアンロック位置(
図8(B)参照)に配置され、スライダ31が筒形ボディ15に対して下方に移動する。このとき、圧縮バネ44が圧縮される。そして、ロック部材52が再び係合凹部51A(具体的には、上から5番目の係合凹部51A)と係合して、スライダ31が筒形ボディ15の軸方向で位置決めされる。なお、
図16(A),16(B)に示したクリップ取付具10の状態は、
図13(A),13(B)に示したクリップ取付具10の状態と同じである。以上が、上述した[b]の場合におけるクリップ取付具10の動作の流れである。
【0053】
最下端のクリップ100がクリップ保持部163に取り付けられると(
図13,16参照)、
図14に示されるように、スライダ31を上方に移動させる。すると、筒形ボディ15がスライダ31と一体に上方に移動する。そして、最下端のクリップ100が可撓片61の係止力に抗してクリップ供給口102から脱落する。これにより、クリップ100がクリップ保持部163にセットされる。このとき、圧縮バネ44の復元に伴ってプッシャー41が下方に移動する。クリップ収容部11(筒形ボディ15)内に残されたクリップ100は、プッシャー41によってクリップ供給口12側に押される。そして、圧縮バネ44が
図9(A)の状態と同じ長さになると、残されたクリップ100のうち一番下に配されるクリップ100が可撓片61と当接して、抜け止めされる。
【0054】
以上が、クリップ100がクリップ保持部163にセットされるときのクリップ取付具10の動作である。そして、このクリップ取付具10の動作が繰り返されることで、クリップ収容部11(筒形ボディ15)内に収容された複数のクリップ100が、順次、複数のクリップ保持部163にセットされる。
【0055】
図17〜
図18には、クリップ取付具10においてクリップ収容部11に複数のクリップ100が装填される様子が示されている。複数のクリップ100をクリップ収容部11に装填するには、まず、
図17(A),17(B)に示されるように、筒形ボディ15からスライダ31及びプッシャー41を取り外す。なお、クリップ収容部11に収容されていた複数のクリップ100の全てをクリップ供給口12から排出した状態では、スライダ31はクリップ供給口12の近くに配置されるので、スライダ31及びプッシャー41をクリップ供給口12から取り出すことが好ましい。
【0056】
次いで、
図18(A),18(B)に示されるように、筒形ボディ15のうちクリップ供給口12と反対側の開口から、複数のクリップ100を筒形ボディ15内に入れる。このとき、各クリップ100は、係止突部102がクリップ供給口12側を向く姿勢で筒形ボディ15内に入れられる。そして、クリップ供給口12と反対側の開口からスライダ31の可動ベース32とプッシャー41を筒形ボディ15内に挿入して、スライダ31を筒形ボディ15に取り付ける。以上により、
図9(A),9(B)に示したように、クリップ収容部11内に複数のクリップ100が装填される。
【0057】
次に、本実施形態のクリップ取付具10の作用効果について説明する。クリップ取付具10では、クリップ収容部11に収容された複数のクリップ100は、押出機構30によってクリップ供給口12から1つずつ送り出される。ここで、クリップ取付具10では、クリップ収容部11に収容される複数のクリップ100は、係止突部102の先端がクリップ供給口12を向くように配置され、係止突部102の突出方向に重ねられる。従って、クリップ取付具では、係止突部102を先頭にしてクリップ100がクリップ供給口12から供給される。そうすると、複数のクリップ100を発泡成形金型160のクリップ保持部163に取り付ける際にクリップ取付具10を用いれば、クリップ供給口12をクリップ保持部163に向けた状態でクリップ収容部11からクリップ100を送り出すことで、各クリップ100について、係止突部102がクリップ保持部163を向くようにクリップ100の向きを揃える必要がなくなる。このように、本実施形態のクリップ取付具10によれば、クリップ100の取り付けにかかる手間を少なくすることが可能となる。
【0058】
また、クリップ取付具10では、スライダ31を移動させることで、スライダ31の可動ベース30によってクリップ100をクリップ供給口12側へと押し出すことが可能となる。しかも、可動ベース32とクリップ100との間に挟まれたプッシャー41がクリップ100側に付勢されるので、クリップ収容部11に収容された複数のクリップ100からクリップ100がクリップ供給口12から送り出されたときに、残りのクリップ100をプッシャー41によってクリップ供給口12側に押すことが可能となる。これにより、クリップ収容部11に収容されたクリップ100をクリップ供給口12側へとスムーズに移動させることが可能となる。
【0059】
さらに、クリップ取付具10では、スライダ31を位置決めする際に、スライダ31をスライドレール部51に沿って移動させる。すると、スライドレール部51の係合凹部51Aにロック部材52が係合して、スライダ31が位置決めされる。このように、クリップ取付具10では、スライダ31の位置決めを簡単な操作で行うことが可能となる。
【0060】
しかも、クリップ取付具10では、スライダ31を移動させる際に、筒形ボディ15の外側からアウタースリーブ33を操作するだけでよい。即ち、簡易な操作でスライダ31を移動させることができる。そのうえ、筒形ボディ15内に配置される可動ベース32とアウタースリーブ33とを連結する連結部34にロック部材52が設けられ、且つ、連結部34が挿通されるスリット16の内側面にスライドレール部51が形成されているので、クリップ取付具10のコンパクト化が図られる。
【0061】
[第2実施形態]
図19に示されるように、本実施形態のクリップ取付具10Vは、上記第1実施形態のクリップ取付具10を変形したものである。以下では、クリップ取付具10Vの構成の中でクリップ取付具10と異なっている部分についてのみ説明する。
【0062】
クリップ取付具10では、スリット16が筒形ボディ15の軸方向の一部にのみ形成されている。筒形ボディ15の軸方向において、クリップ供給口12が配される側を一端、クリップ供給口12と反対側を他端とすると、スリット16は、筒形ボディ15の軸方向の他端から中間位置(詳細には、一端寄りの位置)に亘って形成されている。これにより、クリップ取付具10では、クリップ供給口12からのスライダ31の脱落を防ぐことができる。
【0063】
クリップ取付具10Vは、
図20(A),20(B)に示されるクリップ100Vを収容する。クリップ100Vは、上記第1実施形態のクリップ100を変形したものであり、ベース板101の第2面101Bから突出する連結突部110を有している。連結突部110は、ベース板101の長手方向に沿って延在する。連結突部110における突出方向の中間位置より基端側部分は、ベース板101の短手方向の幅が一定のストレート部111構成する。また、連結突部110のうちストレート部111より先端側に配される部分が、ベース板101の短手方向に張り出した張出部112を構成する。張出部112は、ベース板101の長手方向から見て矢尻状に形成されている。なお、ベース板101の短手方向の中央部には、ベース板101の長手方向に延在する中央突部114が形成され、連結突部110は、中央突部114が1対の区画壁113,113により区画されることで形成されている。
【0064】
図21(B)に示されるように、複数のクリップ100Vは、係止突部102が同じ向きとなるように重ねられると、ベース板101の厚み方向に連結される。ここで、係止突部102がベース板101から突出する方向を前方と、連結突部110がベース板101から突出する方向を後方と定義すると、連結状態において、後側のクリップ100Vの係止突部102は、前側のクリップ100Vの連結突部110と係合する。なお、クリップ100V同士の係合力は、クリップ100Vとクリップ保持部163の係合力より小さくなっている。また、クリップ100Vとクリップ係合突部47の係合力は、クリップ100Vとクリップ保持部163の係合力より小さくなっている。
【0065】
クリップ取付具10Vは、抜止機構60として、クリップ供給口12の縁部から筒形ボディ15の内側に張り出した可撓片61に加え、クリップ100Vの連結突部110と係合するクリップ係合突部47を有している。クリップ係合突部47は、プッシャー41のクリップ当接部42に突設されている。クリップ係合突部47は、クリップ100Vの係止突部102と同様の形状をなす。即ち、クリップ係合突部47は、クリップ100Vの短手方向で対向して互いに接近又は離間する1対の弾性片48,48からなる。なお、クリップ100Vの係止突部102の配置に応じて、クリップ係合突部47は、クリップ100Vの長手方向に1対備えられている。
【0066】
図21〜
図23には、クリップ取付具10Vにおいてクリップ収容部11に複数のクリップ100Vが装填される様子が示されている。なお、
図21(A),22(A),23(A)では、クリップ100Vの連結突部110が簡略化して示されている。
【0067】
複数のクリップ100Vをクリップ収容部11に装填するには、まず、
図21(A),21(B)に示されるように、複数のクリップ100Vをベース板101の厚み方向、即ち、前後方向に連結しておく。また、クリップ取付具10Vにおいては、スライダ31をクリップ供給口12に近い位置に配置しておく。具体的には、
図21(A)に示されるように、ロック部材52の係合部52Tを、スライドレール部51における複数の係合凹部51Aのうちクリップ供給口12に最も近い係合凹部51Aに係合させる。このとき、プッシャー41のクリップ係合突部47がクリップ供給口12から外側に飛び出す。
【0068】
次いで、クリップ取付具10Vのクリップ供給口12を、連結状態の複数のクリップ100Vのうち最後尾に配されるクリップ100Vの連結突部110に向けて近づける。すると、
図22(A),22(B)に示されるように、プッシャー41のクリップ係合突部47が最後尾のクリップ100Vの連結突部110と係合し、プッシャー41に複数のクリップ100Vが連結される。
【0069】
次いで、
図23(A),23(B)に示されるように、スライダ31を筒形ボディ15に対して軸方向の他端側に移動させてクリップ供給口12から遠ざける。そして、
図23(A)に示されるように、ロック部材52の係合部52Tを、スライドレール部51における複数の係合凹部51Aのうちクリップ供給口12から離れた係合凹部51A(
図23(A)では、上から2番目の係合凹部51A)に係合させる。すると、プッシャー41のクリップ係合突部47に連結したクリップ複数のクリップ100Vがクリップ収容部11内に引き込まれる。以上により、複数のクリップ100Vがクリップ収容部11に装填される。
【0070】
なお、
図21〜
図23に示す例は、クリップ100Vの装填の一例である。本実施形態のクリップ取付具10Vでは、スライダ31の可動ベース32とプッシャー41を筒形ボディ15から取り外してから、複数のクリップ100Vを装填することもできる。具体的には、スライダ31の可動ベース32とプッシャー41をクリップ供給口12と反対側の開口から取り外し、その開口から複数のクリップ100を筒形ボディ15内に入れる。そして、クリップ供給口12と反対側の開口からスライダ31の可動ベース32とプッシャー41を筒形ボディ15内に挿入して、スライダ31を筒形ボディ15に取り付ける。また、別の例としては、プッシャー41のクリップ係合突部47と最後尾のクリップ100Vの連結突部110を係合させ、筒形ボディ15におけるクリップ供給口12と反対側の開口から複数のクリップ100Vとプッシャー41と可動ベース32を筒形ボディ15内に挿入してもよい。
【0071】
本実施形態のクリップ取付具10Vによれば、上記第1実施形態のクリップ取付具10と同様の効果を奏することができる。また、クリップ取付具10Vでは、筒形ボディ15のクリップ供給口12から可動ベース32及びプッシャー41が脱落することが抑制される。
【0072】
[他の実施形態]
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0073】
(1)上記実施形態において、クリップ100,100Vは、係止突部102を1つだけ備えてもよいし、3つ以上備えてもよい。
【0074】
(2)上記実施形態では、本発明の「ベース部」が板状であったが、ブロック状であってもよい。また、上記実施形態において「ベース部」を構成するベース板101は、円板状であってもよいし、三角形板状であってもよいし、五角形以上の多角形の板状であってもよい。
【0075】
(3)上記実施形態において、押出機構30がスライダ31のみで構成されてもよい。
【0076】
(4)上記実施形態において、スリット16が筒形ボディ15の軸方向における中間部にのみ形成されてもよい。この場合、複数のクリップ100,100Vは、クリップ供給口12からクリップ収容部11(筒形ボディ15)内に装填される。
【0077】
(5)上記第2実施形態において、抜止機構60が可撓片61を備えずに、クリップ係合突部47のみを備える構成であってもよい。
【0078】
(6)可撓片61は、取り外し可能な構成であってもよい。また、抜止機構60に、可撓片61の抜け止め力を調整可能な機構を設けてもよい。これらの構成によれば、クリップ収容部11に複数のクリップ100,100Vを装填する際に、可撓片61が妨げになることが抑制される。