(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記所定の動作としての、前記基板の前記固定位置における固定動作、および前記基板の前記固定位置への搬送前の待機動作の少なくともいずれか1つの動作とさらに並行して、前記撮像動作を行うように構成されている、請求項1に記載の基板作業装置。
前記制御部は、前記固定位置から搬出される作業完了済みの基板の搬出待機動作、および作業完了前の前記基板の前記固定位置への搬送前の待機動作と並行して、前記撮像動作を行うように構成されている、請求項2に記載の基板作業装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
[第1実施形態]
(部品実装装置の構成)
図1〜
図4を参照して、本発明の第1実施形態による部品実装装置100の構成について説明する。なお、部品実装装置100は、本発明の「基板作業装置」の一例である。
【0019】
部品実装装置100は、
図1および
図2に示すように、IC、トランジスタ、コンデンサおよび抵抗などの部品E(電子部品)を、プリント基板などの基板Pに実装する装置である。
【0020】
また、部品実装装置100は、基台1と、搬送部2と、ヘッドユニット3と、支持部4と、レール部5と、部品認識カメラ6と、基板認識カメラ7と、複数(3つ)の基板検知センサ8と、制御装置9(
図2参照)とを備えている。なお、ヘッドユニット3は、本発明の「作業部」および「実装部」の一例である。また、基板認識カメラ7は、本発明の「撮像部」の一例である。また、制御装置9は、本発明の「制御部」の一例である。
【0021】
基台1のY方向の両側(Y1側およびY2側)の端部には、複数のテープフィーダ11を配置するためのフィーダ配置部12がそれぞれ設けられている。
【0022】
テープフィーダ11は、複数の部品Eを所定の間隔を隔てて保持したテープが巻き回されたリール(図示せず)を保持している。テープフィーダ11は、リールを回転させて部品Eを保持するテープを送出することにより、テープフィーダ11の先端から部品Eを供給するように構成されている。
【0023】
複数のテープフィーダ11の各々は、フィーダ配置部12に設けられた図示しないコネクタを介して制御装置9に電気的に接続された状態で、フィーダ配置部12に配置されている。これにより、複数のテープフィーダ11の各々は、制御装置9からの制御信号に基づいて、リールからテープを送出するとともに、部品Eを供給するように構成されている。この際、複数のテープフィーダ11の各々は、ヘッドユニット3の実装動作に応じて、部品Eを供給するように構成されている。
【0024】
搬送部2は、一対のコンベア2aを有している。搬送部2は、一対のコンベア2aによって、基板Pを水平方向(X方向)に搬送する機能を有している。具体的には、搬送部2は、上流側(X1側)の図示しない搬送路から実装前の基板Pを搬入するとともに、搬入された基板Pを後述する実装位置Pb(
図4参照)まで搬送し、下流側(X2側)の図示しない搬送路に実装が完了した基板Pを搬出する機能を有している。
【0025】
搬送部2の一対のコンベア2aは、基板Pを下方から支持しながら、水平方向(X方向)に基板Pを搬送することが可能に構成されている。また、一対のコンベア2aは、Y方向の間隔を調整可能に構成されている。これにより、搬入される基板Pの大きさに応じて、一対のコンベア2aのY方向の間隔を調整することが可能である。また、一対のコンベア2aは、後述する待機位置Pa、実装位置Pb、および出口位置Pc(
図4参照)の少なくとも3つの位置で、基板Pを停止させることが可能に構成されている。また、搬送部2は、クランプ機構などの図示しない基板固定機構により、実装位置Pbで停止させた基板Pを保持して固定するように構成されている。なお、実装位置Pbは、本発明の「固定位置」の一例である。
【0026】
ヘッドユニット3は、
図1に示すように、実装位置Pb(
図4参照)において固定された基板Pに作業を行う(部品Eを実装する)ように構成されている。ヘッドユニット3は、ボールナット31と、6本のヘッド32と、6本のヘッド32にそれぞれ設けられた6つのZ軸モータ33(
図2参照)と、6本のヘッド32にそれぞれ設けられた6つのR軸モータ34(
図2参照)とを含んでいる。なお、
図2では、6つのZ軸モータ33および6つのR軸モータ34を示す概念として、1つのZ軸モータおよび1つのR軸モータを図示している。
【0027】
6本のヘッド32は、ヘッドユニット3の下面側にX方向に沿って一列に配置されている。6本のヘッド32の各々の先端には、それぞれ、図示しないノズルが取付けられている。ヘッド32は、図示しない負圧発生機によりノズルの先端部に発生された負圧によって、テープフィーダ11から供給される部品Eを吸着して保持することが可能に構成されている。
【0028】
また、ヘッド32は、上下方向(Z方向)に昇降可能に構成されている。具体的には、ヘッド32は、部品Eの吸着や装着(実装)などを行う際の下降した状態の位置と、部品Eの搬送や撮像などを行う際の上昇した状態の位置との間で昇降可能に構成されている。また、ヘッドユニット3では、6本のヘッド32は、ヘッド32毎に設けられたZ軸モータ33によりヘッド32毎に昇降可能に構成されている。また、6本のヘッド32は、ヘッド32毎に設けられたR軸モータ34によりヘッド32毎にノズルの中心軸回り(Z方向回り)に回転可能に構成されている。
【0029】
また、ヘッドユニット3は、支持部4に沿ってX方向に移動可能に構成されている。具体的には、支持部4は、ボールネジ軸41と、ボールネジ軸41を回転させるX軸モータ42と、図示しないX方向に延びるガイドレールとを含んでいる。ヘッドユニット3は、X軸モータ42によりボールネジ軸41が回転されることにより、ボールネジ軸41が係合(螺合)されるボールナット31とともに、支持部4に沿ってX方向に移動可能に構成されている。
【0030】
また、支持部4は、基台1上に固定された一対のレール部5に沿ってX方向と直交するY方向に移動可能に構成されている。具体的には、レール部5は、
図1に示すように、支持部4のX方向の両端部をY方向に移動可能に支持する一対のガイドレール51と、Y方向に延びるボールネジ軸52と、ボールネジ軸52を回転させるY軸モータ53とを含んでいる。また、支持部4には、ボールネジ軸52が係合(螺合)されるボールナット43が設けられている。また、支持部4は、Y軸モータ53によりボールネジ軸52が回転されることにより、ボールネジ軸52が係合(螺合)されるボールナット43とともに、一対のレール部5に沿ってY方向に移動可能に構成されている。
【0031】
このような構成により、ヘッドユニット3は、基台1上をX方向およびY方向に移動可能に構成されている。これにより、ヘッドユニット3は、たとえばテープフィーダ11の上方に移動して、テープフィーダ11から供給される部品Eを吸着することが可能である。また、ヘッドユニット3は、たとえば実装位置Pb(
図4参照)において固定された基板Pの上方に移動して、吸着された部品Eを基板Pに実装することが可能である。
【0032】
部品認識カメラ6は、部品Eの実装に先立って部品Eの吸着状態を認識するために、ヘッド32に吸着された部品Eを撮像するように構成されている。部品認識カメラ6は、基台1の上面上に固定されており、ヘッド32に吸着された部品Eを、部品Eの下方(Z2方向)から撮像するように構成されている。この撮像結果は、制御装置9により取得される。これにより、吸着された部品Eの撮像結果に基づいて、部品Eの吸着状態(回転姿勢およびヘッド32に対する吸着位置)を制御装置9により認識することが可能である。
【0033】
基板認識カメラ7は、部品Eの実装に先立って基板Pに付された位置認識マーク(フィデューシャルマーク)FMおよびバッドマークBM(
図3参照)を撮像するように構成されている。基板認識カメラ7は、ヘッドユニット3のX2側の側部に取り付けられており、ヘッドユニット3とともに、基台1上をX方向およびY方向に移動可能に構成されている。また、基板認識カメラ7は、基台1上をX方向およびY方向に移動して、基板Pに付された位置認識マークFMおよびバッドマークBMを、基板Pの上方(Z1方向)から撮像するように構成されている。なお、バッドマークBMは、本発明の「マーク」および「良否判定マーク」の一例である。
【0034】
ここで、
図3を参照して、基板Pとして用いられる多面取り基板P2について説明する。多面取り基板P2は、たとえば同一の回路がそれぞれに形成された複数の個片基板P1を含んでいる。このような多面取り基板P2では、1つの多面取り基板P2を部品実装装置100に搬入して、複数(4つ)の個片基板P1に実装を行うことが可能である。複数の個片基板P1の各々は、実装後に分割されて個別に使用される。
【0035】
多面取り基板P2には、基板認識カメラ7により撮像される位置認識マークFMが付されている。位置認識マークFMは、基板Pの位置を認識するためのマークである。
図3に示す多面取り基板P2では、位置認識マークFMは、多面取り基板P2の左下の位置および右上の位置に一対付されている。
【0036】
また、多面取り基板P2に設けられた個片基板P1には、基板認識カメラ7により撮像されるバッドマークBMが付されている。バッドマークBMは、前工程において行われた検査により不良である(欠陥がある)と判断された個片基板P1に付されるマークである。このバッドマークBMは、前工程の検査装置によって自動的に付されるか、または前工程の作業者により手動で付される。
図3では、左上の個片基板P1と左下の個片基板P1との2つの個片基板P1に、バッドマークBMが付されている。バッドマークBMが付される際、バッドマークBMは、予め決められたバッドマークBMの付与予定位置(
図3の個片基板P1では、個片基板P1の左下の位置)に付される。したがって、バッドマークBMの付与予定位置を撮像することにより、基板認識カメラ7によりバッドマークBMを撮像することが可能である。
【0037】
位置認識マークFMおよびバッドマークBMの撮像結果は、制御装置9により取得される。そして、位置認識マークFMの撮像結果に基づいて、図示しない基板固定機構により固定された基板Pの正確な位置および姿勢を制御装置9により認識することが可能である。また、バッドマークBMの付与予定位置の撮像結果に基づいて、バッドマークBMの有無を認識することにより、複数の個片基板P1の各々の良否を判断することが可能である。この際、バッドマークBMがある(付されている)と判断された個片基板P1には、部品Eの実装が行われない。また、バッドマークBMがない(付されていない)と判断された個片基板P1には、部品Eの実装が行われる。したがって、バッドマークBMは、基板Pに実装される部品Eの実装に関する情報を含むとともに、複数の個片基板P1の各々の良否を判断するためのマークであるといえる。
【0038】
基板検知センサ8は、
図1および
図4に示すように、コンベア2aの搬送経路に3つ設けられており、コンベア2aにより搬送される基板Pを、待機位置Pa、実装位置Pb、出口位置Pc(
図4参照)の3つの位置において検知するように構成されている。ここで、待機位置Paは、搬入された基板Pが待機する位置である。また、実装位置Pbは、部品Eが実装される基板Pが固定される位置である。また、出口位置Pcは、搬出される基板Pが待機する位置である。基板検知センサ8は、たとえば、投光部および受光部を含む透過型のセンサとして構成することが可能である。また、基板検知センサ8の検知結果に基づいて、制御装置9によりコンベア2aを制御して、基板Pを待機位置Pa、実装位置Pb、および出口位置Pcの3つの位置において停止させることが可能である。
【0039】
また、コンベア2aの搬送経路には、3つの基板検知センサ8と対応して、3つのストッパ13が設けられている。3つのストッパ13は、コンベア2aにより搬送される基板Pを待機位置Pa、実装位置Pb、および出口位置Pcで停止させて基板Pを位置決めするために設けられている。また、ストッパ13は、コンベア2aの下側(Z2側)に配置されている。また、ストッパ13は、基板Pを停止させる際に、上側に突出するように移動されるように構成されている。また、ストッパ13は、基板Pを通過させる際に、コンベア2aの下側に退くように移動されるように構成されている。
【0040】
制御装置9は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)などを含み、部品実装装置100の動作を制御するように構成されている。具体的には、制御装置9は、搬送部2、X軸モータ42、Y軸モータ53、Z軸モータ33およびR軸モータ34などを予め記憶されたプログラムに従って駆動制御して、基板Pに部品Eの実装を行うように構成されている。
【0041】
(実装に係る制御装置の構成)
ここで、第1実施形態では、制御装置9(
図2参照)は、
図4に示すように、搬送部2により基板P(多面取り基板P2)が待機位置Paに搬入されてから、実装位置Pbにおいて基板Pが固定されるまでの間の所定の動作と並行して、基板認識カメラ7によるバッドマークBM(
図3参照)の撮像動作を行うように構成されている。つまり、制御装置9は、実装位置Pbにおける基板Pの固定完了前に、基板認識カメラ7によるバッドマークBM(の付与予定位置)の撮像動作を行うように構成されている。
【0042】
具体的には、制御装置9は、所定の動作としての、基板Pの実装位置Pbにおける固定動作、および/または基板Pの待機位置Paから固定位置Pbへの搬送動作と並行して、基板認識カメラ7によるバッドマークBM(の付与予定位置)の撮像動作を行うように構成されている。より具体的には、制御装置9は、ヘッドユニット3とともに基板認識カメラ7を基板Pの上方に移動させ、搬送中の各個片基板P1のバッドマークBMの付与予定位置の撮像動作を行うように構成されている。この際、搬送される基板Pに従って基板Pと同じ速度で基板認識カメラ7を移動させながら、搬送される基板PのバッドマークBMの撮像動作を行ってもよいし、基板認識カメラ7を基板Pの搬送経路上の所定位置で静止させた状態で、搬送される基板PのバッドマークBMの撮像動作を行ってもよい。なお、基板認識カメラ7を移動させながらバッドマークBMの撮像動作が行われる場合には、搬送される基板Pと移動する基板認識カメラ7との相対的な位置が分かれば十分であり、搬送される基板Pと移動する基板認識カメラ7とを必ずしも同じ速さにする必要はない。
【0043】
なお、バッドマークBMの撮像動作では、基板作業に要する時間を短縮する観点から、複数(4つ)の個片基板P1の全部についてバッドマークBMの付与予定位置を撮像するのが好ましい。しかしながら、複数(4つ)の個片基板P1の全部についてバッドマークBMの付与予定位置を撮像するための時間が確保できない場合には、複数(4つ)の個片基板P1の全部ではなく、最初に実装される個片基板P1を決定可能な枚数分(バッドマークBMが付されていない個片基板P1を撮像可能な枚数分)の個片基板P1のバッドマークBMの付与予定位置を撮像してもよい。すなわち、最初に撮像される個片基板P1のバッドマークBMの付与予定位置においてバッドマークBMが撮像される場合には、それ以降に付与予定位置にバッドマークBMが付されていない個片基板P1が撮像されるまでの間だけ、個片基板P1のバッドマークBMの付与予定位置を撮像してもよい。
【0044】
これにより、基板認識カメラ7によるバッドマークBMの付与予定位置の撮像結果に基づいて、多面取り基板P2に設けられた複数の個片基板P1のうち、最初に実装される個片基板P1を決定することができるので、最初に吸着すべき部品Eを決定することが可能である。
【0045】
第1実施形態では、制御装置9は、基板Pの実装位置Pbにおける固定動作、および基板Pの待機位置Paから固定位置Pbへの搬送動作と並行して行われた基板認識カメラ7の撮像動作による撮像結果に基づいて、撮像動作の終了後に、ヘッドユニット3による部品Eの吸着動作(保持動作)を開始するように構成されている。つまり、制御装置9は、実装位置Pbにおける基板Pの固定完了前に、ヘッドユニット3による部品Eの吸着動作を開始するように構成されている。具体的には、制御装置9は、ヘッドユニット3をテープフィーダ11の上方に移動させ、テープフィーダ11から供給される部品Eの吸着動作を行うように構成されている。
【0046】
また、制御装置9は、実装位置Pbにおいて基板Pを停止させ、図示しない基板固定機構により基板Pを保持して固定する固定動作を行うように構成されている。また、制御装置9は、固定動作の終了前に、吸着された部品Eを基板Pに実装するために、ヘッドユニット3をテープフィーダ11の上方から基板Pの上方まで移動させるように構成されている。この移動途中、制御装置9は、ヘッドユニット3を部品認識カメラ6の上方を通過するように移動させるとともに、各ヘッド32に吸着された部品Eを部品認識カメラ6により撮像させるように構成されている。
【0047】
そして、ヘッドユニット3が基板Pの上方に到達すると、制御装置9は、基板認識カメラ7により、実装位置Pbにおいて固定された基板Pに付された位置認識マークFMを撮像させるように構成されている。そして、制御装置9は、位置認識マークFMに基づいて、基板Pの位置および姿勢を認識するとともに、認識された基板Pの位置および姿勢に基づいて、ヘッドユニット3を部品Eの実装位置の上方に移動させるように構成されている。その後、制御装置9は、実装位置において各ヘッド32を昇降駆動させるとともに、所定のタイミングでヘッド32への負圧の供給を停止させることによって吸着された部品Eを基板P上に実装(装着)するように構成されている。
【0048】
(バッドマークの撮像動作)
次に、
図4を参照して、上記した基板認識カメラ7によるバッドマークBMの撮像動作について説明する。
【0049】
図4(A)に示すように、実装位置Pbにおいて固定された基板Pの実装が完了すると、基板Pの固定が解除される。そして、実装完了済みの基板Pが、実装位置Pbから出口位置Pcに向けて、搬送部2により下流側(X2側)に搬送される。この際、待機位置Paでは、実装前の基板P(多面取り基板P2)が停止されている。
【0050】
そして、
図4(B)に示すように、実装完了済みの基板Pが出口位置Pcで停止されると、待機位置Paにおいて停止されている基板Pが、待機位置Paから実装位置Pbに向けて、搬送部2により下流側(X2側)に搬送され始める。
【0051】
そして、
図4(C)に示すように、待機位置Paから実装位置Pbに向けて搬送される基板Pの搬送動作、および/または実装位置Pbにおける基板Pの固定動作と並行して、基板認識カメラ7によりバッドマークBM(の付与予定位置)の撮像動作が行われる。また、固定動作の終了前に、基板認識カメラ7の撮像動作による撮像結果に基づいて、ヘッドユニット3による部品Eの吸着動作が開始される。その後、実装位置Pbに到達した基板Pに実装動作が行われる。
【0052】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0053】
第1実施形態では、上記のように、搬送部2により基板P(多面取り基板P2)が搬入されてから、実装位置Pbにおいて基板Pが固定されるまでの間の所定の動作と並行して、基板認識カメラ7によるバッドマークBMの撮像動作を行う制御装置9を設ける。これにより、搬送部2により基板Pが搬入されてから、実装位置Pbにおいて基板Pが固定されるまでの間の所定の動作が行われている間に、基板認識カメラ7により並行してバッドマークBMの撮像を行うことができる。その結果、基板Pの実装位置Pbにおける固定動作の完了後に基板認識カメラ7によるバッドマークBMの撮像動作を別個に独立して行う場合に比べて、バッドマークBMの撮像動作の時間分、基板作業に要する時間を短縮することができる。
【0054】
また、第1実施形態では、上記のように、所定の動作としての、基板Pの実装位置Pbにおける固定動作、および基板Pの実装位置Pbへの搬送動作と並行して、撮像動作を行うように制御装置9を構成する。これにより、基板Pの固定動作完了前の上記動作と並行して撮像動作を行うことによって、容易に、基板Pの搬入から搬出までの間の基板作業に要する時間を短縮することができる。また、搬送動作と並行して撮像動作を行う場合には、固定動作と並行して撮像動作を開始する場合に比べて、より早いタイミングで撮像動作を開始することができるので、撮像動作に係る時間をより確実に確保することができる。また、固定動作および搬送動作と並行して撮像動作を行うことにより、固定動作または搬送動作とだけ並行して撮像動作を行う場合に比べて、撮像動作に係る時間をより確実に確保することができる。
【0055】
また、第1実施形態では、上記のように、所定の動作と並行して、撮像動作を行うとともに、撮像動作による撮像結果に基づく動作を開始するように制御装置9を構成する。これにより、撮像動作を所定の動作と並行して行うだけでなく、実装位置Pbにおいて基板Pが固定される前に、撮像動作に基づく動作を先行して開始することができるので、基板作業に要する時間をより短縮することができる。
【0056】
また、第1実施形態では、上記のように、所定の動作と並行して、撮像動作を行うとともに、撮像動作の終了後にヘッドユニット3による部品Eの保持動作(吸着動作)を開始するように制御装置9を構成する。これにより、撮像動作を所定の動作と並行して行うだけでなく、実装位置Pbにおいて基板Pが固定される前に、部品Eの保持動作(吸着動作)を先行して開始することができるので、基板Pに部品Eを実装する部品実装装置100において、基板作業(基板実装作業)に要する時間をより短縮することができる。
【0057】
また、第1実施形態では、上記のように、基板P(多面取り基板P2)の実装位置Pbへの搬送動作と並行して、基板認識カメラ7による多面取り基板P2のバッドマークBMの撮像動作を行うように制御装置9を構成する。ここで、複数の個片基板P1の各々の良否を判断するためのバッドマークBMは、一般的に詳細な位置精度を必要としない場合が多い。したがって、上記のように構成することによって、基板Pの搬送動作と並行して撮像動作を行う場合にも、撮像結果に基づいて、バッドマークBM(良否判定マーク)を容易に認識することができる。
【0058】
また、第1実施形態では、上記のように、基板Pの上方を移動して、所定の作業を行うようにヘッドユニット3を構成する。そして、ヘッドユニット3に基板認識カメラ7を設ける。これにより、基板認識カメラ7の移動機構(支持部4およびレール部5)とヘッドユニット3の移動機構(支持部4およびレール部5)とを兼用することができるので、装置構成を簡素化することができる。また、基板Pの搬送中には、ヘッドユニット3とともに基板認識カメラ7を移動させ、搬送中の基板PのバッドマークBMを容易に撮像することができる。
【0059】
[第2実施形態]
次に、
図1〜
図3および
図5を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、基板の搬送動作および基板の固定動作と並行して、基板認識カメラによりバッドマークの撮像動作が行われた上記第1実施形態とは異なり、基板の実装位置への搬送前の待機動作と並行して、基板認識カメラによりバッドマークの撮像動作が行われる例について説明する。
【0060】
(部品実装装置の構成)
本発明の第2実施形態による部品実装装置200(
図1参照)は、
図2に示すように、制御装置109を備える点で、上記第1実施形態の部品実装装置100と相違する。なお、部品実装装置200は、本発明の「基板作業装置」の一例である。また、制御装置109は、本発明の「制御部」の一例である。また、上記第1実施形態と同一の構成については、同じ符号を付してその説明を省略する。
【0061】
(実装に係る制御装置の構成)
第2実施形態では、制御装置109は、
図5に示すように、実装位置Pbから搬出される作業完了済みの基板P(多面取り基板P2(
図3参照))が搬出を待っている待機状態である搬出待機動作、および/または作業開始前(作業完了前)の基板Pが実装位置Pbへの搬送前に搬送を待っている待機状態である待機動作と並行して、基板認識カメラ7によるバッドマークBM(
図3参照)の撮像動作を行うように構成されている。つまり、制御装置109は、実装位置Pbにおける基板Pの固定完了前に、待機位置Paにおける基板認識カメラ7によるバッドマークBM(の付与予定位置)の撮像動作を行うように構成されている。
【0062】
具体的には、制御装置109は、ヘッドユニット3とともに基板認識カメラ7を基板Pの上方に移動させ、待機位置Paにおける各個片基板P1のバッドマークBMの付与予定位置の撮像動作を行うように構成されている。
【0063】
これにより、上記第1実施形態と同様に、基板認識カメラ7によるバッドマークBMの付与予定位置の撮像結果に基づいて、多面取り基板P2に設けられた複数の個片基板P1のうち、最初に実装される個片基板P1を決定することができるので、最初に吸着すべき部品Eを決定することが可能である。
【0064】
また、第2実施形態では、制御装置109は、実装位置Pbから搬出される作業完了済みの基板P(多面取り基板P2(
図3参照))の搬出待機動作、および/または作業開始前の基板Pの実装位置Pbへの搬送前の待機動作と並行して行われた基板認識カメラ7の撮像動作による撮像結果に基づいて、ヘッドユニット3による部品Eの吸着動作を開始するように構成されている。つまり、制御装置109は、実装位置Pbにおける基板Pの固定完了前に、ヘッドユニット3による部品Eの吸着動作を開始するように構成されている。具体的には、制御装置109は、ヘッドユニット3をテープフィーダ11の上方に移動させ、テープフィーダ11から供給される部品Eの吸着動作を行うように構成されている。
【0065】
(バッドマークの撮像動作)
次に、
図5を参照して、上記した基板認識カメラ7によるバッドマークBMの撮像動作について説明する。
【0066】
図5(A)に示すように、部品実装装置200では、待機位置Pa、実装位置Pb、および出口位置Pcに、それぞれ、実装前の基板P、実装される基板P、および下流機への搬出待ちの基板Pが停止されている。実装位置Pbにおいて固定された基板Pの実装が完了すると、基板Pの固定が解除されるとともに、固定位置Pbにおける基板Pが搬送待ち状態(出口位置Pcへの搬出待機動作)になる。この際、実装位置Pbから搬出される作業完了済みの基板P(
図5に示す中央の基板P)の搬出待機動作、および作業開始前の基板P(
図5に示す右側の基板P)の実装位置Pbへの搬送前の待機動作と並行して、基板認識カメラ7によりバッドマークBM(の付与予定位置)の撮像動作が行われる。
【0067】
そして、
図5(B)に示すように、出口位置Pcにおいて停止されている基板P(
図5に示す左側の基板P)が、出口位置Pcから下流機に向けて、搬送部2により下流側(X2側)に搬送され始める。この間も、実装位置Pbから搬出される作業完了済みの基板Pの搬出待機動作、および作業開始前の基板Pの実装位置Pbへの搬送前の待機動作が継続されており、これらの動作と並行して、基板認識カメラ7によりバッドマークBM(の付与予定位置)の撮像動作が行われる。また、基板認識カメラ7の撮像動作による撮像結果に基づいて、ヘッドユニット3による部品Eの吸着動作が開始される。
【0068】
そして、
図5(C)に示すように、出口位置Pcで停止されていた基板Pが下流機に搬出されると、実装位置Pbで停止されている実装完了済みの基板Pが、実装位置Pbから出口位置Pcに向けて、搬送部2により下流側(X2側)に搬送される。
【0069】
そして、
図5(D)に示すように、待機位置Paにおいて停止されている基板Pが、待機位置Paから実装位置Pbに向けて、搬送部2により下流側(X2側)に搬送される。その後、実装位置Pbに到達した基板Pに実装動作が行われる。
【0070】
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0071】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0072】
第2実施形態では、上記のように、所定の動作としての、基板Pの固定位置への搬送前の待機動作と並行して、撮像動作を行うように制御装置109を構成する。これにより、基板Pの固定動作完了前の上記動作と並行して撮像動作を行うことによって、容易に、基板Pの搬入から搬出までの間の基板作業に要する時間を短縮することができる。また、待機動作と並行して撮像動作を行うことによって、固定動作や搬送動作と並行して撮像動作を開始する場合に比べて、より一層早いタイミングで撮像動作を開始することができるので、撮像動作に係る時間をより一層確実に確保することができる。
【0073】
また、第2実施形態では、上記のように、固定位置から搬出される作業完了済みの基板Pの搬出待機動作、および作業開始前(作業完了前)の基板Pの固定位置への搬送前の待機動作と並行して、撮像動作を行うように制御装置109を構成する。これにより、作業完了済みの基板Pの搬出が開始される前に、撮像動作を開始することができるので、より一層早いタイミングで撮像動作を開始することができる。その結果、撮像動作に係る時間をより一層確実に確保することができる。
【0074】
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0075】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
【0076】
たとえば、上記第1および第2実施形態では、基板に対して部品の実装作業を行う部品実装装置に本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、部品実装装置以外の基板作業装置に適用されてもよい。たとえば、基板に対して検査作業を行う検査装置や、基板に対してはんだなどの印刷作業を行う印刷装置にも、適用可能である。
【0077】
また、上記第1および第2実施形態では、搬送部により基板が待機位置に搬入されてから、実装位置において基板が固定されるまでの間の所定の動作と並行して、基板認識カメラによるバッドマークの撮像動作を行う例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、所定の動作と並行して、バッドマーク以外のマークの撮像動作を行ってもよい。たとえば、所定の動作と並行して、部品の種類に応じた打ち分けを行うための二次元コードの撮像動作を行ってもよい。この場合、二次元コードを明確に撮像するために、基板認識カメラにピント調整機構が設けられていることが好ましい。
【0078】
また、上記第1実施形態では、所定の動作としての、基板の固定位置における固定動作、基板の固定位置への搬送動作と並行して撮像動作を行う例を示し、上記第2実施形態では、所定の動作としての基板の固定位置への搬送前の待機動作と並行して、撮像動作を行う例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、固定動作、搬送動作、および待機動作以外の動作と並行して、撮像動作を行ってもよい。また、本発明では、固定動作、搬送動作、および待機動作のいずれかとだけ並行して、撮像動作を行ってもよいし、固定動作、搬送動作、および待機動作の2つ以上の動作と並行して、撮像動作を行ってもよい。
【0079】
また、上記第1および第2実施形態では、撮像動作による撮像結果に基づいて、ヘッドユニットによる部品の吸着動作を開始した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、撮像動作による撮像結果に基づいて、ヘッドユニットによる部品の吸着動作以外の動作を開始してもよい。
【0080】
また、上記第1および第2実施形態では、基板として多面取り基板を用いた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、基板として多面取り基板以外の基板を用いてもよい。
【0081】
また、上記第1および第2実施形態では、ヘッドユニットが基板に実装する部品を吸着して保持する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ヘッドユニットが基板に実装する部品を把持して保持してもよい。
【0082】
また、上記第1および第2実施形態では、基板認識カメラをヘッドユニットに取り付けるとともに、ヘッドユニットとともに、基台上をX方向およびY方向に移動可能に構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ヘッドユニット以外の基板の上方を移動する機構(作業部)に基板認識カメラ(撮像部)を取り付けてもよい。