(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
呼吸圧力治療デバイスである患者デバイスの患者の使用に関連した患者データを管理するシステムであって、該システムは、1つまたは複数のコンピューティングデバイスを含み、該コンピューティングデバイスは、
前記患者デバイスによって収集されたデータの送信の1つまたは複数のトリガリングイベントを識別する一組の命令を含むサブスクリプションを遠隔コンピューティングデバイスから受信し、該一組の命令は異なる使用データサブセットをさらに識別し、前記異なる使用データサブセットは(a)デバイス設定、(b)故障ログ、(c)患者状態を含み、前記1つまたは複数のトリガリングイベントは前記患者が前記患者デバイスの使用を中断した後の所定の期間を含み、
前記一組の命令を含む前記サブスクリプションにアクセスし、
呼吸圧力治療デバイスの患者の使用に関連した使用データを収集し、前記収集された使用データは前記異なる使用データサブセットを含み、
前記1つまたは複数のトリガリングイベントのトリガリングイベントが発生したと決定し、前記トリガリングイベントは前記呼吸圧力治療デバイスの患者の使用に少なくとも部分的に関連し、前記トリガリングイベントは前記患者が前記患者デバイスの使用を中断した後の前記所定の期間を含み、
前記サブスクリプションに従って前記使用データの少なくとも一部を送信する、
ように構成され、
前記システムは、前記使用データを収集するステップ、前記トリガリングイベントを識別するステップ、および前記使用データの少なくとも一部を送信するステップ、のうちの少なくとも1つが、サブスクリプションに従って実行されるように構成される、システム。
前記サブスクリプションは、前記使用が送信される前に、満たされるべき複数の状態を識別し、前記トリガリングイベントは、前記状態のそれぞれが満たされたという決定を含む、請求項1に記載のシステム。
前記使用データは、患者の無呼吸指数、呼吸低下指数、無呼吸−呼吸低下指数、 圧力統計、漏れ統計、分当たり換気量、1回換気量、および処方設定、のうちの少なくとも1つに関する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のシステム。
前記サブスクリプションは、患者デバイスによって収集される個々のデータ項目の、ユーザーによる選択に基づいて少なくとも部分的に生成される、請求項1〜6のいずれか一項に記載のシステム。
患者デバイスに対する電源がトリガリングイベントの前にスイッチオフされると、前記患者デバイスが電源オンの状態であるときに、前記トリガリングイベントが発生したことを決定する、請求項1〜11のいずれか一項に記載のシステム。
前記トリガリングイベントは、睡眠データに基づいており、前記トリガリングイベントは、治療後期間、および治療セッションの最小期間、のうちの少なくとも1つを含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載のシステム。
前記サブスクリプションは、概要使用データとして提供される使用データの第1のサブセット、および詳細使用データとして提供される使用データの第2のサブセットを識別する、請求項1〜12のいずれか一項に記載のシステム。
前記一組の命令は、前記使用が送信される前に、満たされるべき複数の状態を識別し、前記トリガリングイベントは、前記状態のそれぞれが満たされたという決定を含む、請求項17に記載の方法。
使用データの送信を受信するステップは、第1の患者デバイスから第1のセットの使用データを受信し、第2の患者デバイスから第2のセットの使用データを受信するステップを含み、前記第1のセットの使用データは、第1のトリガリングイベントに従って送信され、前記第2のセットの使用データは、第2のトリガリングイベントに従って送信される、請求項17または18に記載の方法。
格納された使用データの少なくとも一部に対する要求は、前記複数の患者から第1の患者を識別し、前記使用データの一部は、該第1の患者に関連付けられる、請求項17〜20のいずれか一項に記載の方法。
前記一組の命令は、所定の期間、前記患者デバイスを使用することを終了した患者、または前記使用データの或る側面において発生した変化、のうちの1つとして前記トリガリングイベントを識別する、請求項17〜21のいずれか一項に記載の方法。
前記トリガリングイベントが関連する患者デバイスの患者の使用は、該患者デバイスの動作モードに少なくとも部分的に基づく、請求項1〜16のいずれか一項に記載のシステム。
前記トリガリングイベントが関連する患者デバイスの患者の使用は、該患者が治療を受けた累積時間量に少なくとも部分的に基づく、請求項1〜16のいずれか一項に記載のシステム。
【背景技術】
【0003】
1.2(2)関連技術の説明
1.2.1 人呼吸器系とその疾患
身体の呼吸器系は、ガス交換を促進する。鼻と口は、患者の気道の入口を形成する。
【0004】
気道は一連の気管支を含み、これらの気管支は、肺内に深く入り込むほど狭く、短くなり、数が増える。肺の主要機能は、ガス交換であり、酸素を空気から静脈血中に移動させ、二酸化炭素を外に出すことができる。気管は、左右の気管支に分かれ、さらに最終的に終末細気管支に分かれる。気管支は、導管の気道を作り、ガス交換には関与しない。気道のさらなる分岐は、呼吸細気管支となり、最終的に肺胞になる。肺の胞状領域は、ガス交換が行われる場所であり、呼吸領域と呼ばれる。John B. West著「呼吸生理学」Lippincott Williams & Wilkins、第9版、2011年発行を参照のこと。
【0005】
広範囲な呼吸器疾患が存在する。呼吸器疾患の一部の例としては、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)、チェーン・ストークス呼吸(CSR)、肥満過呼吸症候群(OHS)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、神経筋疾患(NMD)または胸壁疾患を挙げることができる。
【0006】
そうでない場合、健康な個体は、システムおよびデバイスを利用して呼吸器疾患の発症を防ぐことができる。
【0007】
1.2.2 治療
経鼻持続的気道陽圧(CPAP)治療法は、閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)の治療に使用されてきた。この仮説は、持続的気道陽圧が空気圧の副子として作用し、軟口蓋および舌を前に押し出し、後口咽頭壁から離れるようにすることによって、上気道の閉塞を防ぐことができるということである。
【0008】
非侵襲性換気(NIV)は、患者が十分な呼吸を行うことおよび/または体内の酸素レベルを適切に維持することを支援するために、呼吸作業の一部またはすべてを行って、上気道を通して患者に換気補助を提供する。換気補助は、患者のインタフェースを介して提供される。NIVは、CSR、OHS、COPD、MDおよび胸壁障害の治療に使用されてきた。
【0009】
侵襲性換気(IV)は、もはや自ら効果的に呼吸できない患者に換気補助を提供し、気管切開チューブを使用して提供される。
【0010】
人工呼吸器は、患者に注入された呼吸のタイミングおよび圧力を制御し、患者が行う呼吸をモニタリングすることができる。患者の制御およびモニタリング方法は、通常、従量式の方法および従圧式の方法を含む。従量式の方法は、特に、圧力制御従量式換気(PRVC)、従量換気(VV)および従量式調節連続強制換気(VC?CMV)技法を含むことができる。従圧式の方法は、特に、補助調節(AC)、同期的間欠的強制換気(SIMV)、調節機械換気(CMV)、圧力補助換気(PSV)、持続的気道陽圧(CPAP)または呼吸終末陽圧(PEEP)技法を含む。
【0011】
1.2.3 システム
治療システムは、呼吸圧力治療デバイス(RPTデバイス)、空気回路、加湿器、患者インタフェースおよびデータ管理を含むことができる。
【0012】
1.2.4 患者インタフェース
患者インタフェースは、例えば、呼吸できるガスの流れを提供することによって、呼吸デバイスをユーザーにインタフェースするのに使用できる。呼吸できる空気の流れは、鼻および/または口へのマスク、口へのチューブまたはユーザーの気管への気管切開チューブを介して提供され得る。適用される治療法に応じて患者インタフェースは、治療を行うための周囲圧力で十分な変化時の圧力、例えば、約10cmH
2Oの陽圧で、ガスの供給を促進するために、例えば、患者の顔領域にシールを形成することができる。酸素の送達などの他の治療法の場合、患者インタフェースは、約10cmH
2Oの陽圧でのガスの気道への供給を促進するのに十分なシールを含まなくてよいことがある。
【0013】
患者インタフェースのデザインにはいろいろな難問がある。顔面は複雑な3次元の形状をしている。鼻のサイズと形は個人でかなり異なる。頭部には骨、軟骨と軟組織があり、顔面の異なる領域は機械的な力に対して異なる反応をする。顎または下顎は頭蓋のほかの骨に関連して動くことができる。頭全体が呼吸治療の過程で動くことができる。
【0014】
これらの難問のために、マスクによっては、ひどく目立つ、審美的に好ましくない、コストが高い、装着が不十分である、使用困難である、及び、特に長期間の着用または患者がシステムに不慣れの場合に不快である、のうちの1つまたはそれ以上の問題に悩まされる。例えば、飛行士専用にデザインされたマスク、個人の保護装置(例えば、フィルターマスク)の一部としてデザインされたマスク、SCUBAマスク、または麻酔薬投与のためのマスクは、本来の適用には耐えるが、長期間、例えば、数時間着用するのは好ましくないほど不愉快である。この不快感は、治療に対する患者のコンプライアンスの低下につながる。睡眠中にマスクを着用しなければならない場合は、特にそうである。
【0015】
患者が治療に従う限り、CPAP治療は、特定の呼吸器疾患の治療に特に効果的である。マスクが不愉快であるか使用困難であれば、患者は治療に従わないかもしれない。患者は自分のマスクを定期的に洗浄するようしばしば推奨されているので、マスクの洗浄が困難であれば(例えば、組立または分解が困難)、患者は自分のマスクを洗浄しないかもしれず、これは患者のコンプライアンスに影響する。
【0016】
その他の適用(例えば、飛行士)のためのマスクを睡眠呼吸障害に使用するのは適切でないかもしれないが、睡眠呼吸障害に使用するようデザインされたマスクはその他の適用に適しているかもしれない。
【0017】
これらの理由により、睡眠中の鼻CPAPの送達のための患者インタフェースは独特な分野である。
【0018】
1.2.4.1 シール形成部
患者インタフェースは、シール形成部を含むことができる。これは、患者の顔面と直接接触するので、シール形成部の形状と構成とは、患者インタフェースの有効性と快適さに直接影響を与えることができる。
【0019】
患者インタフェースは、シール形成部分が使用中の顔面の何処と係合するべきかがデザイン意図によって、一部特徴付けられる。患者インタフェースの1つの形態において、シール形成部は、左と右のそれぞれの鼻孔に当たる2つのサブ部分を有することができる。患者インタフェースの1つの形態において、シール形成部分は使用中に両方の鼻孔を囲む単一の要素であり得る。このような単一の要素は、例えば、顔面の上唇領域と鼻梁領域を覆うようにデザインすることができる。患者インタフェースの1つの形態において、シール形成部分は、例えば、顔面の下唇領域上にシールを形成するなど、使用中の口の領域を囲む要素からなり得る。患者インタフェースの1つの形態において、シール形成部分は、使用中の両方の鼻孔と口の部分を囲む単一の要素からなり得る。患者インタフェースのこれらの異なるタイプは、それらの製造者が付けた種々の名称で知られており、鼻マスク、フルフェース・マスク、鼻枕、鼻噴霧および口腔鼻マスクが含まれる。
【0020】
患者の顔の1領域で効果的なシール形成部分は、患者の顔の形状、構造、ばらつきおよび敏感な部分が異なるので、別の領域には適していないことがある。例えば、患者の額を覆う水中メガネのシールを患者の鼻に使用するには適当でない。
【0021】
さまざまな異なる顔の形状およびサイズに適し、快適で効果的な1つのデザインのように、大量生産用として特定のシール形成部をデザインすることができる。患者の顔の形状と大量生産された患者のインタフェースのシール形成部の間に不整合ができるまで、一方または両方は、シールを形成するために順応しなければならない。
【0022】
シール形成部分の1つのタイプは、患者インタフェースの周辺付近に伸び、シール形成部分が患者の顔に係合しようとしており、力が患者インタフェースに加えられた時に患者の顔に対してシールするように意図されている。シール形成部分は、空気または液体で満たされたクッション、またはゴムなどのエラストマーでできた弾性シール要素の成形または形成面を含むことができる。このタイプのシール形成部では、適合(fit)が適切でない場合、シール形成部分と顔との間に間隙が存在し、シールを達成するために顔に対して患者インタフェースに追加の力を加える必要がある。
【0023】
シール形成部のもう1つタイプは、マスクの周辺近辺に位置した薄い材料からできたフラップシールを含み、マスク内に陽圧がかかると患者の顔に対抗してセルフシーリングを行う。シール形成部分の以前のタイプのように、顔面とマスクとの間の整合が良好でないと、シールを形成するのに追加の力が必要になるかまたはマスクから漏れが生じる。さらに、シール形成部分の形状が患者のそれに整合しない場合、使用中にしわが生じたり曲がったりすることがあり、漏れが発生する。
【0024】
シール形成部分のもう1つのタイプは、例えば、鼻孔への挿入のような摩擦嵌合要素を含むことができる。
【0025】
シール形成部分のもう1つの形態は、接着剤を使用してシールを達成することができる。顔面に接着剤を絶えず適用し、これを除去するのが不便と感じる患者もいる。
【0026】
ResMed Limitedに譲渡された以下の特許出願に、さまざまな患者インタフェース・シール形成部の技術が開示されている:WO 1998/004,310;WO 2006/074,513;WO 2010/135,785。
【0027】
鼻枕の1つの形態がPuritan−Bennettが製造するAdam Circuitに見出される。また他の鼻枕または鼻噴霧は、Puritan−Bennett Corporationに譲渡された米国特許第4,782,832号(Trimble外)の主題である。
【0028】
ResMed Limitedは、鼻枕を導入する以下の製品を製造した:SWIFT 鼻枕マスク、SWIFT II鼻枕マスク、SWIFT LT鼻枕マスク、SWIFT FX鼻枕マスクおよびLIBERTYフルフェース・マスク。ResMedに譲渡された以下の特許出願に、鼻枕マスクの例を説明している。国際特許出願WO 2004/073,778(特に、ResMed SWIFT鼻枕の特徴を記載)、米国特許出願第2009/0044808号(特に、ResMed SWIFT LT鼻枕の特徴を記載);国際特許出願WO 2005/063,328とWO 2006/130,903(特に、ResMed LIBERTYフルフェース・マスクの特徴を記載);国際特許出願WO 2009/052,560(特に、ResMed SWIFT FX鼻枕の特徴を記載)。
【0029】
1.2.4.2 位置決めと安定化
陽圧空気治療に使用する患者インタフェースのシール形成部は、シールを崩壊しようとする空気圧の相応した力の影響を受ける。このように、シール形成部を位置決めし、顔面の適当な部分とのシーリングの関係を保持するために種々な技術が使用されてきた。
【0030】
1つの技術は、接着剤の使用である。例えば、米国特許出願公開第US2010/0000534号を参照のこと。
【0031】
また他の技術は、1つまたはそれ以上のストラップおよび/または安定化装着帯の使用である。このような装着帯の多くは、1つまたはそれ以上の不適合、かさばる、不快さおよび使用がぎこちない、の問題に悩まされる。
【0032】
1.2.5 呼吸圧力治療(RPT)デバイス
睡眠呼吸障害の治療に使用する1つの既知のRPTデバイスは、ResMedが製造したS9 Sleep Therapy Systemである。RPTデバイスのまた他の例は、人工呼吸器である。成人および小児用の人工呼吸器のResMed Stellar(商標)シリーズのような人工呼吸器は、これらに限定されないが、NMD、OHSおよびCOPDのような多数の状態を治療するために、広範囲な患者に、侵襲性および非侵襲性依存性呼吸に対する支持を提供することができる。RPTデバイスは、また、流れ発生器としても知られている。
【0033】
ResMed Elisee(商標)150人工呼吸器とResMed VSIII(商標)人工呼吸器とは、多数の状態を治療するために、成人または小児患者に適した、侵襲性および非侵襲性依存性換気に対する支持を提供することができる。これらの人工呼吸器は、単一肢または二重肢の回路に容量および大気の換気モードを提供する。
【0034】
RPTデバイスは、一般的に、モータ駆動の送風機(ブロワー)または圧縮ガスリザーバのような圧力発生器を備え、患者の気道に空気の流れを供給するように構成される。いくつかの場合では、空気の流れを陽圧で患者の気道に供給することができる。RPTデバイスの出口は、前述したように、患者のインタフェースに空気回路を介して接続される。
【0035】
RPTデバイスは、また、一般的に、入口フィルター、様々なセンサおよびマイクロプロセッサーベースのコントローラを備えている。送風機は、サーボ制御モータ、渦巻きおよびインペラーを備えている。いくつかの場合では、モータのブレーキは、モータおよびインペラーの慣性を克服するために、送風機の速度をさらに急速に低下させるように実現することができる。ブレーキングにより、送風機が、慣性にもかかわらず、呼気と同期化に合うように、より低圧の条件をさらに急速に達成できるようになる。いくつかの場合では、圧力発生器は、さらに、モータ速度制御に対する代替手段として、患者に運ばれる圧力を変化させるための手段として、発生された空気を大気に排出可能な弁を備えることができる。センサは、例えば、圧力トランスデューサまたはこれに類するものとともに、特に、モータ速度、質量流量および出口の圧力を測定する。コントローラは、一体化したデータ抽出および表示機能の有無にかかわらず、データ記憶容量を含むことができる。
【0036】
【表1】
【0037】
1.2.6 加湿器
加湿せずに呼吸可能な気体の流れを患者の気道に伝えることは、気道の乾燥を引き起こすことができる。医療加湿器は、必要なときに、一般的に、患者が(例えば、病院で)眠っているまたは休んでいるときに、周囲の空気に関連して、呼吸可能な気体の流れの湿度および/または温度を増加させるのに使用される。結果的に、医療加湿器は、ベッドサイドの配置に対して小さいことが好ましく、患者の周囲を加湿および/または加熱せずに、患者に伝えられる呼吸可能な気体の流れを加湿ならびに/あるいは加熱するように構成されるのが好ましい。例えば、部屋ベースのシステム(例えば、サウナ、空気調節器、蒸発冷却器)もまた、患者に吸入される空気を加湿および/または加熱できるが、これらのシステムは、部屋全体を加湿および/または加熱することによって行うため、居住者に対する不快感を引き起こすことがある。
【0038】
流れ発生器またはRPTデバイスおよび患者インタフェースを有する加湿器の使用は、鼻の粘膜の乾燥を最小化し、患者の気道の快適さを増加させる、加湿された空気を生成する。寒冷な気候に加えて、患者インタフェース中および患者インタフェース周囲の顔面領域に通常適用される温暖な空気は、冷たい空気よりさらに快適である。
【0039】
呼吸用加湿器は、多くの形態で利用可能であり、空気回路を介して呼吸デバイスに結合される独立型デバイスであってもよく、関連呼吸デバイスと一体化されるとか、関連呼吸デバイスに直接結合されるように構成される。既知の受動加湿器は、多少救済をもたらすことがあるが、一般的に、熱加湿器は、患者が快適になるように、十分な湿度および温度を空気に提供するために使用され得る。一般的に、加湿器は、数百ミリリットル(ml)の容量を有するウォーターリザーバーまたはウォータータブ、リザーバー中の水を加熱する熱要素、加湿のレベルを変化させ得るコントロール、流れ発生器またはRPTデバイスから空気を受け取る空気入口、および、患者インタフェースに加湿された空気を伝える空気回路に接続されるように適合化された空気出口を備える。
【0040】
加熱パスオーバー型加湿は、RPTデバイスとともに使用される1つの一般的な形態の加湿である。このような加湿器では、加熱要素は、ウォータータブ下にあり、ウォータータブと温熱的に接触するヒータープレートに組み込まれ得る。従って、熱は、伝導により主にヒータープレートからウォーターリザーバーに送達される。RPTデバイスからの空気の流れは、加熱された水をウォータータブにパスオーバーし、結果的に、空気の流れにより含まれる水蒸気となる。ResMed H4i(商標)およびH5i(商標)加湿器は、ResMed S8およびS9 CPAPデバイスと組み合わせてそれぞれ使用されるこのような加熱パスオーバー型加湿器の一例である。
【0041】
バブルまたは拡散加湿器、ジェット加湿器またはウィッキング加湿器のような、他の加湿器も使用され得る。バブルまたは拡散加湿器では、空気は水面下に伝導され、表面にバブルが戻ることを可能にする。ジェット加湿器は、水の噴霧を生成し、整流デバイスまたはフィルターは、加湿器から離れる前に粒子が除去または蒸発するように使用され得る。ウィッキング加湿器は、毛細管作用により水を吸収するために、スポンジまたは紙のような、水吸収物質を使用する。水吸収物質は、空気の流れに含まれることになる吸収物質中の水の蒸発を可能にする空気の流れ経路の少なくとも一部の中、または、こうした経路の隣に位置する。
【0042】
加湿の代替的な形態は、大きな表面領域にわたって空気の流れを第1の方向に向かわせ、加熱された水を大きな表面領域に対して第2の反対方向に供給するCounterStream(商標)技術を使用するResMed HumiCare(商標)D900により提供される。ResMed HumiCare(商標)D900加湿器は、侵襲性および非侵襲性のさまざまな人工呼吸器とともに使用され得る。
【発明を実施するための形態】
【0053】
4.本発明の技術の実施例の詳細な説明
本発明の技術をさらに詳細に説明する前に、本発明の技術が本明細書で説明されている特定の例に限定されず、変更可能であることを理解すべきである。さらに、本開示において使用される用語は、本明細書で説明されている特定の例のみを説明することを目的としており、制限的なことを意図しないことを理解すべきである。
【0054】
4.1 治療システム
一形態において、本発明の技術は、呼吸器疾患を治療するためのデバイスを含む。前記デバイスは、患者インタフェース3000に至る空気送出チューブを経て患者1000に加圧空気を供給するための流れ発生デバイスまたは送風機(ブロワー)を含むことができる。
【0055】
4.2 治療法
一形態において、本発明の技術は、患者1000の気道の入口に陽圧を印加するステップを含む呼吸器疾患を治療するための方法を含む。
【0056】
4.2.1 OSAに対する経鼻CPAP
一形態において、本発明の技術は、患者に経鼻持続気道陽圧を適用することにより、患者の閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)を治療する方法を含む。
【0057】
4.3 患者インタフェース3000
本発明の技術の一態様に従う非侵襲性患者インタフェース3000は、以下の機能的側面として、シール形成構造3100、プレナムチャンバ3200、位置決めおよび安定化構造3300、換気口3400、および空気回路4170に接続するための接続ポート3600を備える。いくつかの形態では、機能的側面は、1つまたは複数の物理的構成要素により提供され得る。いくつかの形態では、1つの物理的構成要素は、1つまたは複数の機能的側面を提供することができる。使用時に、シール形成構造3100は、陽圧で気道への空気の供給を促進するために、患者の気道の入口を取り囲むように構成される。
【0058】
4.3.1 シール形成構造3100
本発明の技術の一形態において、シール形成構造3100は、シール形成面を提供し、さらにクッション機能を提供することができる。
【0059】
本発明の技術によるシール形成構造3100は、シリコーンのような柔らかくて、柔軟性且つ弾力性のある材料から構成することができる。
【0060】
一形態において、シール形成構造3100は、シール用フランジと支持フランジを含む。好ましくは、シール用フランジは、プレナムチャンバ3200の周辺部3210の周りに延びる約1mm未満、例えば、約0.25mm〜約0.45mmの厚さを有する比較的薄い部材を含む。支持フランジは、シール用フランジより相対的により厚くてよい。支持フランジは、シール用フランジとプレナムチャンバ3200の周縁エッジの間に配置され、周辺部3210の少なくとも一部の周りに延びている。支持フランジは、バネ状の要素であるか、またはそれを含み、使用中にシール用フランジを支持して座屈を起こすのを防止する。使用中に、シール用フランジは、プレナムチャンバ3200におけるシステム圧力に容易に対応することができ、その底面に作用して顔にしっかりと係合するよう促す。
【0061】
一形態において、非浸湿性患者インタフェース3000のシール形成部は、一対の鼻噴霧または鼻枕を含み、それぞれの鼻噴霧または鼻枕は、患者の鼻のそれぞれの鼻孔とシールを形成するように構築されて配置される。
【0062】
本発明の技術の態様による鼻枕は次を含む:少なくとも一部分が患者の鼻の下面にシールを形成する截頭円錐、截頭円錐の底面の柔軟な部分で截頭円錐を脚に接続する脚。さらに、本発明の技術の鼻枕が接続される構造は、脚の基部に隣接した柔軟な領域を含む。柔軟な領域は協調して自在継手構造の役目をし、截頭円錐と鼻枕が接続されている構造との変位および角度の両方の相対運動に対応する。例えば、截頭円錐は、脚が接続される構造に向けて軸方向に変位させることができる。
【0063】
1つの形態において、非侵襲性シール形成部3000は、使用中に患者の顔の上唇領域(すなわち、上唇)上にシールを形成するシール形成部を含む。
【0064】
1つの形態において、非侵襲性患者インタフェース3000は、使用中に患者の顔の顎の部分にシールを形成するシール形成部を含む。
【0065】
4.3.2 プレナムチャンバ3200
好ましくは、プレナムチャンバ3200は、使用中にシールが形成される領域における平均的な人の顔の表面輪郭に補完的な形状の周辺部3210を有している。使用中、プレナムチャンバ3200の周縁エッジは、顔の隣接する表面に近接するよう位置決めされる。顔との実際の接触は、シール形成構造3100によって行われる。好ましくは、シール形成構造3100は、使用中にプレナムチャンバ3200の全体周辺部3210に延びる。
【0066】
一形態において、プレナムチャンバ3200は、プレナムチャンバ3200が鼻マスク(例えば、
図1bに示される)の一部であるところの患者の鼻孔を取り囲み、および/またはこれらと流体連通され得る。また他の形態において、プレナムチャンバ3200は、プレナムチャンバ3200がフルフェース・マスク(例えば、
図1cに示される)の一部であるところの患者の鼻孔および口を取り囲み、および/またはこれらと流体連通され得る。また他の形態において、プレナムチャンバ3200は、プレナムチャンバ3200が鼻枕(例えば、
図29に示される)の一部であるところの患者の鼻孔のうち、1つまたは複数と係合および/または流体連通することができる。
【0067】
4.3.3 位置決めおよび安定化構造3300
好ましくは、本発明の技術の患者インタフェース3000のシール形成構造3100は、位置決めと安定化構造3300によって使用中はシーリング位置に保持される。
【0068】
4.4 RPTデバイス4000
本発明の技術の態様を実施するのに適合できる例示的なRPTデバイス4000は、機械的および空気的構成要素4100、電気構成要素4200を含むことができ、本明細書の全般にわたって記載された1つまたは複数の制御方法論またはアルゴリズムを行うようにプログラム化され得る。RPTデバイスは、外部ハウジング4010を有し、好ましくは、外部ハウジング4010の上部4012および外部ハウジング4010の下部4014の2つの部分に形成される。代替的な形態では、外部ハウジング4010は、1つまたは複数のパネル4015を含むことができる。好ましくは、RPTデバイス4000は、該RPTデバイス4000の1つまたは複数の内部構成要素を支持するシャーシ4016を含む。一形態では、空気圧ブロック4020は、シャーシ4016によって支持されるか、またはシャーシ4016の一部として形成される。RPTデバイス4000は、ハンドル4018を含むことができる。
【0069】
RPTデバイス4000の空気圧経路は、空気入口フィルター4112、入口マフラー4122、陽圧で空気を供給することができる制御可能な圧力デバイス4140(好ましくは、送風機4142)および出口マフラー4124を含むのが好ましい。1つまたは複数の圧力センサ4271および流量センサ4274は、空気圧経路に含まれる。
【0070】
好ましい空気圧ブロック4020は、外部ハウジング4010内に配置される空気圧経路の一部を含む。
【0071】
RPTデバイス4000は、好ましくは、電力供給装置4210、1つまたは複数の入力デバイス4220、中央コントローラ4230、治療デバイスコントローラ4240および/または前述のコントローラのいずれか1つ、圧力デバイス4140、1つまたは複数の保護回路4250、メモリ4260、トランスデューサ4270、データ通信インタフェース4280および1つまたは複数の出力デバイス4290を備える。電気構成要素4200は、単一のプリント回路基板アセンブリ(PCBA)4202上に設置され得る。代替的な形態では、RPTデバイス4000は、1つまたは複数のPCBA4202を含むことができる。
【0072】
1つまたは複数のプロセッサーを含むことができるRPT装置4000の中央コントローラ4230は、好ましくは、前処理モジュール、治療エンジンモジュール、圧力制御モジュールおよびさらに好ましくは、故障状態モジュールを含む1つまたは複数のアルゴリズムモジュールを実行するようにプログラム化され得る。これは、本明細書の全般にわたって記述される1つまたは複数の換気制御方法で構成され得る換気制御モジュールを更に含むことができる。
【0073】
4.4.1 RPTデバイスの機械的および空気圧構成要素4100
4.4.1.1 空気フィルター(複数可)4110
本発明の技術の一形態によるRPTデバイスは、1つの空気フィルター4110、または複数の空気フィルター4110を含むことができる。
【0074】
一形態において、空気入口フィルター4112は、送風機4142の空気圧経路上流の先頭に位置している。
図4b参照。
【0075】
一形態において、例えば、抗菌フィルターのような出口空気フィルター4114は、空気ブロック4020の出口と患者インタフェース3000との間に位置している。
図4b参照。
【0076】
4.4.1.2 マフラー4120
本発明の技術の一形態において、入口マフラー4122は、送風機4142の空気圧経路の上流に配置される。
図4b参照。
【0077】
本発明の技術の一形態において、出口マフラー4124は、 送風機4142と患者インタフェース3000との間の空気圧経路内に配置される。
図4b参照。
【0078】
4.4.1.3 圧力デバイス4140
本発明の技術の好ましい一形態において、陽圧の空気の流れを発生するための圧力デバイス4140は、制御可能な送風機4142である。例えば、送風機は、渦巻室内に収納された1つまたは複数のインペラーを有するブラシレスDCモータ4144を含むことができる。送風機は、好ましくは、空気の供給を、例えば、約120リットル/分の速度で、約4cmH
2Oから約20cmH
2O、または他の形態においては約30cmH
2Oまでの範囲の陽圧により送達することができる。
【0079】
圧力デバイス4140は、治療デバイスコントローラ4240の制御下にある。
【0080】
4.4.1.4 トランスデューサ4270
本発明の技術の一形態において、1つまたは複数のトランスデューサ4270は、圧力デバイス4140の上流に配置される。1つまたは複数のトランスデューサ4270は、空気圧経路内のその地点の空気の特性を測定するように製作され、配置される。
【0081】
本発明の技術の一形態において、1つまたは複数のトランスデューサ4270は、圧力デバイス4140の下流および空気回路4170の上流に配置される。1つまたは複数のトランスデューサ4270は、空気圧経路内のその地点の空気の特性を測定するように製作され、配置される。
【0082】
本発明の技術の一形態において、1つまたは複数のトランスデューサ4270は、患者インタフェース3000の近くに配置される。
【0083】
4.4.1.5 アンチスピルバック弁4160
本発明の技術の一形態において、アンチスピルバック弁は、加湿器5000と空気圧ブロック4020との間に配置される。アンチスピルバック弁は、水が加湿器5000から上流に、例えば、モータ4144に流れる危険性を低減するように製作され、配置される。
【0084】
4.4.1.6 空気回路4170
本発明の技術の一形態による空気回路4170は、空気圧ブロック4020と患者インタフェース3000との間に空気の流れを可能にするように製作され、配置構成される。
【0085】
4.4.1.7 酸素送達
本発明の技術の一形態において、補給酸素4180は、空気圧経路内のある地点に送達される。
【0086】
本発明の技術の一形態において、補給酸素4180は、空気圧ブロック4020の上流に送達される。
【0087】
本発明の技術の一形態において、補給酸素4180は、空気回路4170に送達される。
【0088】
本発明の技術の一形態において、補給酸素4180は、患者インタフェース3000に供給される。
【0089】
4.4.2 RPTデバイス電気構成要素4200
4.4.2.1 電源装置4210
本発明の技術の一形態において、電源装置4210は、RPTデバイス4000の外部ハウジング4010の内部にある。本発明の技術の他の形態において、電源装置4210は、RPTデバイス4000の外部ハウジング4010の外部にある。
【0090】
本発明の技術の一形態において、電源装置4210は、電力をRPTデバイス4000のみに供給する。本発明の技術の他の形態において、電源装置4210は、電力をRPTデバイス4000と加湿器5000との両方に供給する。電源装置は、また、本明細書の全般にわたって記載されたように、換気デバイスのための任意のアクチュエータ、コントローラおよび/またはセンサに電力を選択的に供給することができる。
【0091】
4.4.2.2 入力デバイス4220
本発明の技術の一形態において、RPTデバイス4000は、作業者が前記デバイスと交流できるように、ボタン、スイッチまたはダイヤルの形態の1つまたは複数の入力デバイス4220を含む。これらは、換気デバイスのようなRPTデバイスの構成要素の動作設定を入力するために実施され得る。ボタン、スイッチまたはダイヤルは、物理的デバイスであるかまたはタッチスクリーンを介してアクセス可能なソフトウェアデバイスであることができる。これらのボタン、スイッチまたはダイヤルは、一形態では、外部ハウジング4010に物理的に接続されるかまたは他の形態では、中央コントローラ4230に電気的に接続される受信機と無線方式で通信することができる。
【0092】
一形態において、入力デバイス4220は、作業者が値および/またはメニューオプションを選択できるように製作され、配置され得る。
【0093】
4.4.2.3 中央コントローラ4230
本発明の技術の一形態において、中央コントローラ4230は、入力デバイス4220から入力信号(など)を受信し、出力信号(など)を出力デバイス4290および/または治療デバイスコントローラ4240に提供するように構成された専用電子回路である。
【0094】
一形態において、中央コントローラ4230は、アプリケーション特定集積回路である。また他の形態において、中央コントローラ4230は、別の電子構成要素を含む。
【0095】
本発明の技術の別の形態において、中央コントローラ4230は、x86INTELプロセッサーなどのRPTデバイス4000を制御するのに適したプロセッサーである。
【0096】
本発明の技術の別の形態によるRPTデバイス4000を制御するのに適したプロセッサー4230は、ARM HoldingsのARM Cortex−Mプロセッサーに基づいたプロセッサーを含む。例えば、ST MICROELECTRONICSのSTM32シリーズマイクロコントローラが使用され得る。
【0097】
本発明の技術の他の代替的形態によるRPTデバイス4000を制御するのに適した他のプロセッサーは、ファミリARM9ベース32ビットRISC CPUから選択された部材を含む。例えば、ST MICROELECTRONICSのSTR9シリーズマイクロコントローラが使用され得る。
【0098】
本発明の技術の特定代替形態において、16ビットRISC CPUは、RPTデバイス4000に対するプロセッサーとして使用され得る。例えば、TEXAS INSTRUMENTSで製造したマイクロコントローラのMSP430ファミリからのプロセッサーが使用され得る。
【0099】
プロセッサーは、1つまたは複数のトランスデューサ4270、および1つまたは複数の入力デバイス4220から入力信号を受信するように構成される。
【0100】
プロセッサーは、出力信号を出力デバイス4290、治療デバイスコントローラ4240、データ通信インタフェース4280、および加湿器コントローラ5250のうちの1つまたは複数に提供するように構成される。
【0101】
本発明の技術のいくつかの形態において、中央コントローラ4230のプロセッサー、または複数のそのようなプロセッサーは、メモリ4260などの非一時的コンピューター可読記憶媒体に格納されるコンピュータープログラムとして表現される1つまたは複数のアルゴリズム4300などの、本明細書で説明されている1つまたは複数の方法を具現するように構成される。一部の場合には、既に説明されているように、そのようなプロセッサーは、RPTデバイス4000に統合することができる。しかし、本発明の技術のいくつかの形態におおいて、プロセッサーは、呼吸器処置の実施を直接的に制御することなく本明細書で説明されている方法のいずれかを行うことなどを目的として、RPTデバイス4000の空気圧構成要素から個別的に実行され得る。例えば、そのようなプロセッサーは、本明細書で説明されているセンサのいずれかなどからの格納データの解釈によって換気デバイスに対する制御設定またはその他の呼吸器関連イベントを決定することを目的として本明細書で説明されている方法のうちのいずれかを行うことができる。同様に、このようなプロセッサーは、本明細書に記載されている換気デバイスの動作を制御するために、本明細書に記載されている任意の方法のうちのいずれかを実行することができる。
【0102】
4.4.2.4 クロック4232
好ましくは、RPTデバイス4000は、プロセッサーに接続されているクロック4232を含む。
【0103】
4.4.2.5 治療デバイスコントローラ4240
本発明の技術の一形態において、治療デバイスコントローラ4240は、中央コントローラ4230のプロセッサーによって実行されるアルゴリズム4300の一部を形成する圧力制御モジュール4330である。
【0104】
本発明の技術の一形態において、治療デバイスコントローラ4240は、専用モータ制御集積回路である。例えば、ONSEMIで製造したMC33035ブラシレスDCモータコントローラが使用される。
【0105】
4.4.2.6 保護回路4250
好ましくは、本発明の技術によるRPTデバイス4000は、1つまたは複数の保護回路4250を含む。
【0106】
保護回路4250の一形態は、電気保護回路である。
【0107】
本発明の技術による保護回路4250の一形態は、温度、または圧力安全回路である。
【0108】
4.4.2.7 メモリ4260
本発明の技術の一形態によれば、RPTデバイス4000は、メモリ4260、好ましくは不揮発性メモリを含む。いくつかの形態において、メモリ4260は、電池式スタティックRAMを含むことができる。いくつかの形態において、メモリ4260は、揮発性RAMを含むことができる。
【0109】
好ましくは、メモリ4260は、PCBA4202上に配置される。メモリ4260は、EEPROMまたはNANDフラッシュの形態であり得る。
【0110】
追加的に、または代替的に、RPTデバイス4000は、移動可能な形態のメモリ4260、例えば、セキュアデジタルSD規格に従って製作されたメモリカードを含む。
【0111】
本発明の技術の一形態において、メモリ4260は、非一時的コンピューター可読記憶媒体として動作し、この媒体に、1つまたは複数のアルゴリズム4300などの、本明細書で説明されている1つまたは複数の方法を表現するコンピュータープログラム命令が格納される。
【0112】
4.4.2.8 トランスデューサ4270
トランスデューサは、デバイスの内部にあるか、RPTデバイスの外部にあり得る。外部トランスデューサは、例えば、患者インタフェース上で、例えば、空気送達回路上に配置されるか、またはその一部を形成することができる。外部トランスデューサは、データをRPTデバイスに送信または転送するドップラーレーダー移動センサなどの非接触センサの形態のものであり得る。
【0113】
4.4.2.8.1 流量
本発明の技術による流量トランスデューサ4274は、差圧トランスデューサ、例えば、SENSIRION社のSDP600シリーズ差圧トランスデユーサに基づくものであり得る。差圧トランスデューサは、空気圧回路と流体連通し、圧力トランスデューサのそれぞれの1つは流れ制限要素内の各第1および第2の地点に接続される。
【0114】
使用中に、流量トランスデューサ4274からの全流量Qtを表す信号が、プロセッサーによって受信される。
【0115】
4.4.2.8.2 圧力
本発明の技術による圧力トランスデューサ4272は、空気圧回路と流体連通するように配置される。好適な圧力トランスデューサの一例は、HONEYWELL ASDXシリーズセンサである。代替的に好適な圧力トランスデューサは、GENERAL ELECTRIC社のNPAシリーズセンサである。
【0116】
使用中に、圧力トランスデューサ4272は、中央コントローラプロセッサーによって受信される。一形態において、圧力トランスデューサ4272からの信号は、中央コントローラ4230によって受信される前にフィルター処理される。
【0117】
4.4.2.8.3 モータ速度
本発明の技術の一形態において、モータ速度信号4276が生成される。モータ速度信号4276は、好ましくは、治療デバイスコントローラ4240によって送られる。モータ速度は、例えば、ホール効果センサなどの、速度センサによって発生され得る。
【0118】
4.4.2.9 データ通信システム4280
本発明の技術の好ましい一形態において、データ通信インタフェース4280が備えられ、中央コントローラプロセッサーに接続される。データ通信インタフェース4280は、好ましくは、遠隔外部通信ネットワーク4282に接続可能である。データ通信インタフェース4280は、好ましくは、ローカル外部通信ネットワーク4284に接続可能である。好ましくは、遠隔外部通信ネットワーク4282は、遠隔外部デバイス4286に接続可能である。好ましくは、ローカル外部通信ネットワーク4284は、ローカル外部デバイス4288に接続可能である。
【0119】
一形態において、データ通信インタフェース4280は、中央コントローラ4230の一部である。他の形態において、データ通信インタフェース4280は、中央コントローラプロセッサーから分離している集積回路である。
【0120】
一形態において、遠隔外部通信ネットワーク4282は、インターネットである。データ通信インタフェース4280は、有線通信(例えば、Ethernet、または光ファイバーを介する)または無線プロトコルを使用してインターネットに接続することができる。
【0121】
一形態において、ローカル外部通信ネットワーク4284は、Bluetooth(登録商標)などの1つまたは複数の通信規格、または消費者向けの赤外線プロトコルを利用する。
【0122】
一形態において、遠隔外部デバイス4286は、1つまたは複数のコンピューター、例えば、ネットワークコンピューターのクラスタである。一形態において、遠隔外部デバイス4286は、物理的コンピューターではなく、仮想コンピューターであり得る。いずれの場合にも、そのような遠隔外部デバイス4286は、臨床医などの適切な権限を有した作業者によるアクセスが可能であり得る。
【0123】
好ましくは、ローカル外部デバイス4288は、パーソナルコンピューター、携帯電話、タブレット、または遠隔制御である。
【0124】
4.4.2.10 オプションのディスプレイ、警報を含む出力デバイス
本発明の技術による出力デバイス4290は、視覚的ユニット、聴覚的ユニット、および触覚的ユニットのうちの1つまたは複数の形態を取ることができる。視覚的ディスプレイは、液晶ディスプレイ(LCD)または発光ダイオード(LED)ディスプレイであり得る。
【0125】
4.4.2.10.1 ディスプレイドライバ4292
ディスプレイドライバ4292は、入力として、ディスプレイ4294上に表示するために意図される文字、記号、または画像を受け取り、それらをディスプレイ4294にそれらの文字、記号、または画像を表示させる命令に変換する。
【0126】
4.4.2.10.2 ディスプレイ4294
ディスプレイ4294は、ディスプレイドライバ4292から受信された命令に応答して文字、記号、または画像を視覚的に表示するように構成される。例えば、ディスプレイ4294は、8つのセグメントディスプレイであることができ、この場合に、ディスプレイドライバ4292は、数字「0」などの各文字、または記号を8つの論理信号に変換し、この論理信号は、8つの各セグメントが特定の文字、または記号を表示するために活性化することができるか否かを示す。
【0127】
4.5 通信およびデータ管理システム
図7は、本開示の態様などが実施され得る例示的なシステム700を示す。このような例は、本開示の範囲または本明細書に説明された特徴の有用性を制限するものと見なされるべきではない。この例において、システム700は、サーバー710、患者デバイス720、730および740、ストレージシステム750だけでなく、コンピューティングデバイス760を含む。これらのデバイスは、それぞれネットワーク4282を介して通信することができる。
【0128】
各患者デバイス720、730および740は、RPT4000、加湿器5000および患者インタフェース3000を含む1つまたは複数のデバイスを含むことができる。また、それぞれの患者デバイス720、730および740は、遠隔位置で、および異なる患者によって操作され得る。コントローラプロセッサー4230およびメモリ4260のみが患者デバイス720に示されているが、各患者デバイスは、RPT4000、加湿器5000および患者インタフェース3000と関連して前述の構成要素のいずれかを含むことができる。また、患者デバイス720、730および740が4282を介して直接通信するものと示されているが、それぞれの患者デバイスは、外部コンピューティングデバイスを介してネットワーク4282上で通信することもできる。例えば、患者デバイス720は、ネットワーク4282を介してデータを送信するパーソナルコンピューターと通信することができる。
【0129】
サーバー710は、1つまたは複数のプロセッサー712、メモリ714を含むことができ、汎用コンピューティングデバイスに通常的に存在する他の構成要素と組み込まれることができる。サーバー710のメモリ714は、プロセッサー712によって実行され得る命令715を含む、プロセッサー712によってアクセス可能な情報を格納することができる。メモリ714は、また、プロセッサー712によって検索、操作または格納され得るデータ718を含むことができる。メモリは、プロセッサーによってアクセス可能な情報を格納することができる任意の非一時的タイプであり得る。サブスクリプション716は、プロセッサー712によって直接的または間接的に実行される命令などを含むことができる。これと関連して、「命令」、「アプリケーション」、「ステップ」および「プログラム」という用語は、本明細書で相互交換可能に使用され得る。命令の機能、方法およびルーチンは、以下でより詳細に説明する。
【0130】
データ718は、命令715に従ってプロセッサー712によって検索、格納または修正され得る。例えば、本明細書に記載された主題が任意の特定のデータ構造によって制限されないが、データは、コンピューターレジスターに格納されることができ、すなわち、多くの他のフィールドとレコード、または XML文書を有するテーブルとしてリレーショナルデータベースに格納され得る。データ718は、また、数字、説明テキスト、専用コード、ポインタ、他のネットワーク位置などの他のメモリに格納されたデータに対する参照のような関連情報を識別するか計算するのに十分な任意の情報であり得る。1つまたは複数のプロセッサー712は、CPUのような従来のプロセッサーなどを含むことができるか、またはASICのようなハードウェアベース構成要素であり得る。
【0131】
図7は、サーバー710、コンピューティングデバイス760および患者デバイス720、730および740のプロセッサー、メモリおよび他の要素をそれぞれ1つのブロック内にあるように機能的に示しているが、各デバイスの様々な構成要素は、異なる物理的ハウジング内に格納され得る。例えば、メモリ714は、サーバー710のハウジングと異なるハウジングに配置されたハードドライブまたは他の格納媒体であり得る。同様に、プロセッサー712は、複数のプロセッサーを含むことができ、その一部または全部は、サーバー710のハウジングとは異なるハウジングに配置される。従って、プロセッサー、コンピューター、コンピューティングデバイスまたはメモリに対する言及は、並列で動作するか動作しないプロセッサー、コンピューター、コンピューティングデバイスまたはメモリの集合体に対する言及を含むものとして理解されるだろう。一部の機能などが単一のプロセッサーを有する単一のコンピューティングデバイス上で発生するものとして本明細書で説明されたが、本開示の様々な態様などは、ネットワーク4282を介して通信するもののように互いに情報を通信する複数のコンピューティングデバイスによって実施され得る。
【0132】
本明細書に記載されたネットワーク4282および介在ノードは、ネットワークがインターネット、ワールドワイドウェブ、特定のイントラネット、広域ネットワーク、ローカルネットワーク、または携帯電話ネットワークの一部となることができるように、様々なプロトコルおよびシステムを使用して相互接続され得る。ネットワークは、イーサネット(登録商標)、Wi−FiおよびHTTPのような標準的な通信プロトコル、1つまたは複数の会社が独占的に使用するプロトコルおよび前述の様々な組み合わせを利用することができる。前述のように、情報が送信または受信されるときに所定の利点が得られるが、本明細書に記載された主題の他の態様は、情報の特定送信方式に制限されない。
【0133】
サーバー710は、ネットワーク4282を介してストレージシステム750、コンピューティングデバイス760、および患者デバイス720、730および740と通信できる1つまたは複数の通信サーバーを含むことができる。以下により詳細に説明するように、サーバー710は、ネットワーク4282を介して患者デバイス720,730および740にサブスクリプションを送信することができる。次に、患者デバイス720、730および740は、受信されたサブスクリプションに従ってサーバー710にデータを送信することができる。
【0134】
コンピューティングデバイス760は、サーバー710と同様に、前述したようなデータおよび命令を含むことができる1つまたは複数のプロセッサー762、メモリ764から構成され得る。それぞれのコンピューティングデバイス760は、臨床医、技術者、または他のユーザーによる使用を目的とするパーソナルコンピューティングデバイスであることができ、中央処理デバイス(CPU)、データおよび命令を格納するメモリ(例えば、RAMおよび内部ハードドライブ)、ディスプレイ766(例えば、スクリーン、タッチスクリーン、プロジェクタ、テレビ、または情報を表示するように操作できる他のデバイスを有するモニタ)のようなディスプレイ、およびユーザー入力デバイス768(例えば、マウス、キーボード、タッチスクリーンまたはマイクロフォン)と関連して通常使用されるすべての構成要素を備える。
【0135】
4.6 例示的な方法
RPT4000などの患者デバイスは、メモリに格納されたサブスクリプションに従って使用データを収集するか、送信するか、または、収集および送信の両方を行うことができる。使用データは、患者の医療機器の使用に関連する任意のデータを含むことができ、サブスクリプションは、使用データを収集して送信する場合に、医療機器によって使用されるスクリプトのような一組の命令形態を取ることができる。サブスクリプションは、患者デバイスによって収集される特定のデータを選択することができる。例えば、RPT4000は、患者インタフェース3000が患者によって着用されたかまたは着用されなかった期間に関する使用データを含み、患者がRPT4000を使用した期間に関する使用データを収集することができる。また、収集された使用データは、患者が治療にどのように反応するかに関連し得る。例えば、RPT4000によって実行されるサブスクリプションは、患者の無呼吸指数(「AI」)、呼吸低下指数(「HI」)または無呼吸−呼吸低下指数(「AHI」)を計算するために使用され得る使用データの収集を要求することができる。特に、RPT4000は、RPT4000が使用される期間の間にわたって生じる患者呼吸の中断を追跡するために、質量流量および出口圧力を測定するために前述したセンサなどのセンサを使用することができる。臨床医は、患者のAI、HIおよびAHIを含む治療に対する患者の反応を検討することができるように、このような使用データを収集して、サブスクリプションに従ってサーバーに送信することができる。
【0136】
図7に戻って、患者デバイス720は、1つまたは複数のサブスクリプション716をメモリ4260に格納することができる。次に、患者デバイス720は、使用データ728を収集して格納するために、中央コントローラ4230を使用してサブスクリプション726を実行することができる。格納された使用データ728は、また、ネットワーク4282を介してサーバー710などのような遠隔デバイスに送信することができる。次に、臨床医は、コンピューティングデバイス760を使用してサーバー710に格納された送信された使用データ718にアクセスすることができる。一例において、サーバー710は、患者デバイス720によって送信された使用データ718をストレージシステム750に格納することができ、コンピューティングデバイス760は、ストレージシステム750に格納されたデータに直接アクセスすることができる。
【0137】
一態様によれば、サブスクリプション726は、患者デバイス720が収集した使用データ728を送信する特定の時間または出来事を指定することができる。このような指定された時間および出来事は、トリガリングイベントと呼ばれ得る。トリガリングイベントは、サブスクリプションで定義され得る。1つのこのようなトリガリングイベントは、患者デバイス720を使用することを患者が中断した後、所定の期間を含む。例えば、サブスクリプション716は、患者デバイス720を使用することを患者が中断してから1時間後に使用データ728が送信されるべきであることを示すことができる。従って、デバイスを使用してから1時間が経過するとき、データは、サーバー710に送信されるだろう。患者が患者デバイス720を使用することを中断するが、1時間以内にそれを再使用すると、使用データ728は、送信されないだろう。その代わりに、患者デバイス720は、患者デバイス720の患者の使用が1時間の指定された時間の間中断してから使用データ728を送信するまで待機する。患者デバイス720に対する電源が治療後期間に達する前にスイッチオフされると、患者デバイス720は、治療後期間が満たされる場合に、電源オン状態に入ると使用データ728を送信することができる。
【0138】
他の例において、トリガリングイベントは、少なくとも4時間の間持続した個別治療セッションのような、所定の最小期間の間持続した治療セッションであり得る。また他の例において、トリガリングイベントは、4時間の最小治療期間と1時間の治療後期間との組み合わせであることができるので、最小治療期間および治療後期間の両方が満たされるまで使用データ728は送信されないだろう。使用データ728を送信する前に所定の期間待機することによって、サブスクリプション726は、患者が患者インタフェース3000を調整するか一時的に除去するときのような治療に対する短期間の中断による使用データの不要な送信を防止することができる。使用データ728の送信をトリガリングするために使用される所定の期間は、特定の患者デバイスによって実施される特定のサブスクリプション726に対して構成可能であり得る。治療後または最小治療トリガリングイベントに対する経過期間は、特定の患者または患者群に対する睡眠データに基づいて決定することができる。従って、患者デバイス720は、患者デバイス730によって実施される所定の期間とは異なる所定の期間でサブスクリプションを実施することができる。
【0139】
他の実施例において、サブスクリプション726は、患者が患者デバイス720で治療を受けた累積した時間量に基づいてトリガリングイベントを指定することができる。この期間は、サブスクリプション内で構成可能であり、ネットワーク4282を介して送信されるデータの量を制限することと、使用データの適時性を達成することとの間にバランスを見つけることができる。サブスクリプション726は、また、ゼロ使用データ728または所定の期間の間にわたって治療が行われなかったことを示す他のデータを患者デバイス720に送信することができる。例えば、患者デバイス720は、患者デバイス720が過去24時間の間に使用されなかったことを示すゼロ時間/分の使用を含む使用データ728をサーバー710に送信することができる。代替的に、患者デバイス720は、患者デバイス720の使用不足を示す通知をサーバー710に送信することができる。この通知を受信すると、サーバー710は、コンピューティングデバイス760にメッセージを送信することができる。このメッセージは、患者デバイス720の使用不足に関する情報をコンピューティングデバイス760のユーザーに提供することができる、患者デバイス720を使用する患者は、さらなる支援が必要であるということを示すことができる。
【0140】
サブスクリプション726は、患者デバイス720が使用データ728を送信する前に満たされなければならない追加の条件を指定することができる。例えば、患者デバイスは、複数の治療モードのうちのいずれか1つで動作することができる。例えば、RPT4000は、患者インタフェース3000に適用される陽圧の量によって制御されるCPAPモードで動作することができる。RPT4000は、また、換気が非CPAPモードで提供されるモードで動作することができる。また他のモードにおいて、治療は、RPT4000によって循環される空気の量に基づくことができる。一態様によれば、サブスクリプション726は、使用データが特定の動作モードに関連してのみ送信されるということを示すことができる。例えば、患者デバイス720は、CPAPモードで実行中の患者デバイス720に関連して使用データ728が単独に送信されるサブスクリプション726を実施することができる。代替的に、患者デバイス720は、非CPAPモードに関連して使用データ728の送信に関連する別途のサブスクリプションを実施することができる。
【0141】
他の態様において、サブスクリプション726は、使用データ728の或る側面(特徴)において特定の変化が発生したときに、使用データ728を患者デバイス720に送信するように指示することができる。例えば、患者デバイス720は、サブスクリプション726に従って使用データ728を追跡して、最後の使用データ728が送信された時から現在の使用データが何らかの方式で変更されたか否かを判断することができる。使用データ728における変化は、所定の範囲から逸脱した患者の AHI、AIまたはHIを含むことができる。このようにして、臨床医は、治療に対する患者の反応が変化したという表示を直ちに受け取ることができる。しかし、このような「変化時」トリガリングは、患者デバイス720の1つまたは複数の構成要素における処方設定の変更または故障状態のような頻繁に変化しない設定とさらによく関連付けられる。故障状態は、患者デバイス720の1つまたは複数の構成要素が正確に動作しなかったか、または不正確に使用された場合の任意の出来事を含むことができる。処方設定変更および故障状態は、まれにしか報告されないので、このような「変更時」トリガリングは、通常、毎日発生する頻度は少ない。
【0142】
使用データの変化は、また、患者デバイス720の使用が最後の使用データが送信された時から予め決定された量を超えてずれたという決定を含むことができる。このようにして、患者デバイス720は、患者の治療が変更されたとき、または患者が処方された治療から逸脱し始めたときに、使用データを送信することのみを必要とすることができる。通常、これは変更頻度の低い使用データに適用され得る。このような使用データの例には、治療または快適設定の変更を含む。これらは、変更が発生するときにのみ設定の変更をデバイスが報告するように、変更によってサブスクライブすることができる。変化を報告するための他の例は、ハードウェア故障のイベントである。
【0143】
前述したように、使用データ728は、異なるサブセットなどに分割され得る。例えば、使用データ728のサブセットは、デバイス設定、使用ログ、故障ログ、イベントログ、患者状態、例えば、AHI、HI、AI、呼吸数、1回換気量、分当り換気およびRERAデータは勿論、その他の治療データを含むことができる。使用データ728のサブセットは、また、使用データの概要対詳細な使用データを含むことができる。また、使用データのサブセットは、使用中の患者デバイスのタイプに応じて変わることができるので、デバイスタイプに依存することができる。例えば、CPAPデバイスは、BiLevel PAPデバイスに使用されるサブセットと異なる使用データ728のサブセットを有することができる。使用データ728の各サブセットについて、サブスクリプション726は、患者デバイス720がサーバー710に使用データのサブセットを送信する特定のトリガリングイベントまたはトリガリングイベントなどの組み合わせを識別することができる。トリガリングイベントは、周期的に計時されたトリガー、収集されたデータまたは患者の状態における事前定義された変化、遠隔デバイスからの使用データに対する要求、または治療セッションを中止することのようなイベントの発生を含むことができる。例えば、AHIデータは、一日に一回などの周期的なトリガリングイベントに基づいて送信されることができ、患者デバイス720の故障状態の変化が検出されると直ちに、故障ログが患者デバイス720からサーバー710に送信され得る。このようにして、故障ログデータは、潜在的に故障に対処するために、技術者が直ちにアクセスすることができる。他の例において、デバイス設定または故障に関連する使用データは、一日一回送信されることができるが、デバイスの設定または故障が変化した場合にのみ送信される。他の例において、使用データ728の一部サブセットは、使用データ728の特定のサブセットに対するサーバー710などの他のデバイスからの要求を受信するときにのみ送信され得る。さらに他の例において、使用データの概要は、治療セッションの終了時など、またはデバイスを使用しない場合には、一日が終わるときに定期的に送信することができる。反対に、詳細な使用データは、より少ない頻度で、または要求されたときにのみ、送信され得る。概要使用データは、データによって表示される期間の間に使用データの概要を示す1つの代表値として提示され得る。より詳細な使用データは、必要な詳細データがある場合、概要使用データとともに一部の圧縮形式で送信されることもできる。このようにして、患者デバイス720は、データ送信の頻度、量、帯域幅、およびコストを最小化しながら、所望の使用データ728を提供することができる。
【0144】
サブスクリプション726は、患者状態または治療処方の変化に応答して、更新されるか、または他の方法で変更され得る。例えば、患者デバイス720は、製造時に、第1のセット(組)のサブスクリプション726を含むことができる。しかし、一定期間にわたって、サーバー710は、更新されるかまたは全く新しいサブスクリプションを患者デバイス720に送信することができる。これらの新しいサブスクリプションは、患者デバイス720によって格納することができ、サブスクリプションの命令に従って実施される。代替的に、1つの代りに、多数の予め定義されたサブスクリプションまたはサブスクリプション726のセットは、患者デバイスのメモリ4260で特定の時間(例えば、製造時に)に格納され得る。この場合に、現在のサブスクリプションは、依然としてサーバー710によって更新され得る。代替的に、事前インストールされた他のサブスクリプション726は、患者デバイス上の利用可能なサブスクリプションのうちから単純に選択され得る。
【0145】
個々のデータ項目は、ユーザーの必要に基づいてサブスクリプション726の一部として選択されるか選択解除され得る。例えば、個々のデータ項目は、使用時間、AHI、HI、AI呼吸数、1回換気量、1分換気、RERA、デバイス設定などに関連した使用データを含むことができる。サブスクリプション更新は、ユーザーが提供した選択に基づいて、これらの各データ項目をサブスクライブまたはサブスクライブ解除することができる。ユーザーは、患者デバイス720、730および740に対する特定の更新716に含まれるデータ項目を選択するために、サーバー710にアクセスするためにコンピューティングデバイス760を使用して個々のデータ項目を選択することができる。
【0146】
患者の治療が始まると、前記列挙されたデータ項目のような大きいデータ項目セットに対する詳細な治療データを収集するサブスクリプション726を実施することが有益であり得る。時間の経過とともに、サブスクリプション726は、詳細でないデータ項目セットを含むことがある。これは、ユーザーがもはや関心のない個々のデータ項目をサブスクライブ解除することによって発生することができる。例えば、患者が所定期間、例えば、数ヶ月の間に所定の治療を受けた後に、ユーザーは、使用データおよびAHIデータを除いたすべての治療データからサブスクライブ解除を行うことができる。また、患者状態の変化によって、ユーザーは、新しいサブスクリプション726に含まれる個々のデータ項目を選択することによって、1つまたは複数のデータ項目を追加するようにできる。サブスクリプション726への変更は、また、予め決定されたスケジュールに基づいて、自動的に発生することができ、サブスクリプションに従って収集された治療データは、経時的に変化する。このスケジュールは、患者の治療の決定された効能に基づいて、または患者状態の変化に基づいてユーザーによって変更され得る。
【0147】
一態様において、臨床医または技術者は、コンピューティングデバイス760を使用してサーバー710と通信し、また、サブスクリプション更新に関連して1つまたは複数の患者デバイスに送信されるサブスクリプション716を選択することができる。臨床医は、複数の患者デバイスまたは特定の患者デバイスに対するサブスクリプション更新を選択することができる。例えば、サブスクリプション更新は、患者デバイス720のユーザーに対する治療要求事項の変更に関連して患者デバイス720に具体的に提供され得る。従って、臨床医は、サブスクリプション更新を受信するために、患者デバイス720を選択することができる一方、患者デバイス730は、そうではない。代替的に、臨床医は、サブスクリプション更新は、特定のモデルの患者デバイスのような患者デバイスグループに送信され得る。従って、本明細書の一部の実施例は、患者デバイス720などの特定の患者デバイス上で実施されるか更新される特定のサブスクリプションを指すが、患者デバイス730および740などの他の患者デバイスは、同様の方法でそれらのサブスクリプションセットを実施するか更新することができる。
【0148】
臨床医によって選択されたサブスクリプションは、ネットワーク4282を介してサーバー710から送信され得る。患者デバイスへの選択されたサブスクリプション716の送信は、即時であり得るか、または所定のイベントに関連して発生することができる。例えば、サーバー710は、患者デバイス720がネットワーク4282に接続されたと決定されるまで、または患者デバイス720がサーバー710に使用データ728を送信するプロセスに入るまで、選択されたサブスクリプション716を患者デバイス720に送信することを待機することができる。臨床医は、またサーバー710が1つまたは複数の患者デバイスに新しいサブスクリプション716を送信することができる特定の日付を選択することができる。
【0149】
一実施例において、患者デバイス720は、治療の最初の日または数週間などの初期期間にわたって詳細な使用データを提供するサブスクリプション726を実施することができる。この初期期間が経ると、サブスクリプションは、自動的にキャンセルされるかまたは自動的に新しいサブスクリプションに置き換えられ得る。このような新しいサブスクリプションは、1週間以上にわたって収集された使用データの概要を提供するなど、使用頻度の低い詳細な使用データを提供するように設計され得る。サブスクリプション726は、また患者が自分の保険払い戻し基準に達するまで実施されるなど、制限された時間の間に実施され得る。例えば、保険によって払い戻されるためには、患者は、3ヶ月にわたって少なくとも週5日間、患者デバイス720を使用するように要求されることがある。サーバー710は、患者デバイス720から送信された使用データ718を患者の払い戻し基準と比較して基準が満たされた時点を決定することができる。一応、払い戻し基準が満たされると、サーバー710は、患者デバイス720に新しいサブスクリプション716を送信するか、または患者デバイス720によって実施される現在のサブスクリプション726を単純にキャンセルすることができる。他の実施例において、サブスクリプション726は、サブスクリプション726を実施しなければならない所定の日付範囲を含むことができる。患者デバイス720は、患者の治療が所定の日付範囲内にある場合に自動的にサブスクリプション726の実施を開始することができ、治療が所定の日付範囲を逸脱する場合に、サブスクリプション726の実施を自動的に終了することができる。例えば、サブスクリプションは、新たに購入したデバイスを再入金するまでの期間を対象とすることができ、その間に、より詳細なデータが必要であり得る。また他の例は、大部分の場合、その期間後にデータが要求されないように、2年間の保証期間を対象とする処方がある。
【0150】
サーバー710に格納された使用データ718は、臨床医が特定の患者の状態をモニタリングすることができるように、コンピューティングデバイス760によってアクセスすることができる。従って、使用データ718は、使用データを特定の患者デバイス及び患者と関連付ける方式でサーバー710に格納され得る。このようにして、臨床医は、特定の患者の治療に関する問題を容易に検出することができる。患者デバイス720、730および740に格納された使用データ728は、要求時、直ちに再検討のために提供され得る。例えば、サーバー710またはコンピューティングデバイス760は、特定の期間の間に収集されたすべての使用データ728または患者デバイス720に対する現在設定のリストのような患者デバイス720から特定の使用データの即時の送信を要求することができる。これは、サーバー710が患者デバイス720に、患者デバイス720によって提供される特定のデータセットを示す「今すぐ送信」メッセージを送信することにより発生することができる。
【0151】
使用データ728は、送信されるコンテンツまたは使用データ728のタイプに基づいて、ネットワーク4282を介して異なるエンドポイントに、サブスクリプションに従って送信することができる。特に、一部の使用データ728は、コンピューティングデバイス760またはストレージシステム750に直接提供されることができ、一方、他の使用データ728は、1つまたは複数のサーバー710に提供され得る。例えば、臨床医は、患者のAHI、AIまたはHIによって指示されたように、処方された治療に対する非正常的な反応を経験した患者に対する使用データ728を直接受信することができる。従って、サブスクリプション726は、特定のAHI、AIまたはHI値を有する使用データ728がコンピューティングデバイス760に直接送信されるように指定することができる。
【0152】
図8は、前述の開示されたシステムの患者デバイスによって実行され得る流れ
図800である。ブロック802で、患者デバイスは、サブスクリプションに従って使用データを収集する。患者デバイスは、また、トリガリングイベントが発生したか否かを判定する(ブロック804)。一応、トリガリングイベントが識別されると、患者デバイスは、使用データをサーバーに送信するなど、ネットワークを介して収集された使用データの少なくとも一部を送信する(ブロック806)。前述したように、サブスクリプションは、ネットワークを介して送信される使用データを識別する情報だけでなく、トリガリングイベントを識別する情報を含むことができる。従って、サブスクリプションは、異なるトリガリングイベントに基づいて送信されるデータの異なるサブセットを識別することができる。例えば、トリガリングイベントは、患者が所定の期間の間に患者デバイスの使用を中断したことの決定を含むことができ、サブスクリプションは、送信される使用データの一部が最終データ送信以後に収集されたすべての使用データを含むということを識別することができる。他のトリガリングイベントは、患者デバイスの設定の変化であることができ、ここで、サブスクリプションは、患者デバイスの設定に関する特定のデータセットを患者デバイスに送信するように指示することができる。また、サブスクリプションは、周期的状態と「変更時」状態の両方に基づくトリガリングイベントのトリガーなど、トリガーイベントの一部の組み合わせを識別することができる。
【0153】
患者デバイスは、また、サブスクリプション更新が受信されたか否かを決定する(ブロック808)。サブスクリプション更新が受信されていない場合、患者デバイスは、使用データを収集し続けてブロック802および804に従ってトリガリングイベントが発生したか否かを決定することができる。しかし、サブスクリプション更新が受信された場合、患者デバイスは、更新を実行することができる(ブロック810)。更新には、新しいサブスクリプションの追加、現在のサブスクリプションの変更、現在のサブスクリプションの新しいサブスクリプションへの置き換え、および/またはサブスクリプションのキャンセルを含むことができる。前述したように、サブスクリプション更新は、患者デバイスの新しいサブスクリプションに含まれるべき使用データおよびAHIデータなどの個々のデータ項目をユーザーが選択することに基づいて発生することができる。また、サブスクリプション更新は、所定のスケジュールに従って患者デバイスに送信され得る。すべてのサブスクリプションがキャンセルされていない場合(ブロック812)、患者デバイスは、更新されたサブスクリプション命令に従って使用データを収集し続け(ブロック802)、使用日付を送信することができる(ブロック806)。
【0154】
図8に示す動作は、それぞれ単一の患者デバイスによって実行され得るが、一部の動作は、別途のデバイスによって実行され得る。例えば、患者デバイスは、無線ネットワークを介してパーソナルコンピューターと通信することができ、従って、パーソナルコンピューターは、前述の1つ以上の操作を実行することができる。操作などは、ダイヤグラム800に追加するか除去することができる。また、様々な操作などは、ダイヤグラム800に説明されたものと同一の順序で実行される必要はない。
【0155】
4.7 用語解説
本発明の技術の特定の形態において、以下の定義のうちの1つまたは複数が適用され得る。本発明の技術の他の形態では、代替的な定義が適用され得る。
【0156】
4.7.1 一般的な事項
空気:空気は、呼吸可能な気体、例えば、補給酸素を有する空気を含むと解釈される。
【0157】
持続的気道陽圧(CPAP):CPAP処置は、大気に対して連続的に陽圧であり、好ましくは、患者の呼吸サイクルを介してほぼ一定した圧力で気道の入口へ空気または呼吸可能な気体を供給することを意味する。いくつかの形態において、気道の入口における圧力は、単一呼吸サイクル内で数センチメートルの水だけ変化し、例えば、吸気中に高く、呼気中に低い。いくつかの形態において、気道の入口における圧力は、呼気中はわずかに高く、吸気中はわずかに低いだろう。いくつかの形態において、患者の様々な呼吸サイクルの間に圧力が変化し、例えば、患者の一部上気道閉塞の指示が検出されるのに対応して増加し、一部上気道閉塞の徴候がないときは減少する。
【0158】
4.7.2 材料
シリコーンまたはシリコーンエラストマー:合成ゴム。本明細書において、シリコーンが参照される場合、これは、液体シリコーンゴム(LSR)または圧縮形成シリコーンゴム(CMSR)を指す。商業的に販売されているLSRの一形態は、Dow Corningで製造したSILASTIC(この商標で販売されている製品の範囲に含まれる)である。LSRのまた他の製造社は、Wackerである。別に、反対として明示されない限り、LSRの好ましい形態は、ASTM D2240を使用して測定時に、約35〜約45の範囲内のショアA(またはタイプA)圧入硬度を有する。
【0159】
ポリカーボネート:ビスフェノール−A−カーボネートの典型的に透明な熱可塑性重合体。
【0160】
4.7.3 患者インタフェースの諸側面(特徴)
窒息防止弁(AAV):大気圧に対してフェイルセーフで開くことによって患者が過度なCO
2を再呼吸する危険を減らす、マスクシステムの構成要素または部分構成要素。
【0161】
屈曲部:角部を通して方向を変化させるための、空気の流れの軸方向を誘導する導管。一形態において、この角度は、約90度であり得る。また他の形態において、この角度は、90度未満であり得る。導管は、ほぼ円形の断面を有することができる。他の形態において、導管は、楕円形または矩形の断面を有することができる。
【0162】
フレーム:フレームは、ヘッドギアとの2つ以上の接続点の間で張力の負荷を担うマスク構造を意味すると解釈される。マスクフレームは、マスク内の非気密耐荷重性構造であってもよい。しかし、いくつかの形態のマスクフレームは、また、気密であってもよい。
【0163】
ヘッドギア:ヘッドギアは、頭部に対して使用するために設計された位置決めおよび安定化構造の一形態を意味すると解釈される。一実施例において、ヘッドギアは、呼吸治療を送達するために患者インタフェースを患者の顔上の定位置に配置および維持するように構成された1つまたは複数の支柱、紐、および補強材の集合を備える。いくつかの紐は、発泡体および布地の積層複合材のように、柔軟な、可撓性で、弾性の材料から形成される。
【0164】
膜:膜は、好ましくは、実質的に屈曲に対する耐性を有しないが、伸張に対する耐性を有する、典型的に薄い要素を意味すると解釈される。
【0165】
プレナムチャンバ:患者インタフェースプレナムチャンバは、フルフェース・マスク(例:鼻および口マスク)、鼻マスクまたは鼻枕のようなある容積の空間を囲む壁を有する患者インタフェースの一部を意味すると解釈され、容積部は、患者による使用時に大気圧以上に加圧された空気を内部に有する。シェルは、患者インタフェースプレナムチャンバの壁の一部を形成することができる。1つの形態において、患者の顔の領域は、クッションまたはシールのようなプレナムチャンバの壁のうち、1つに接する。
【0166】
シール:名詞形(「a seal」)は、2つの表面の界面を通る空気の流れに意図的に抵抗する構造または障壁を意味すると解釈される。動詞形(「to seal」)は、空気の流れに抵抗することを意味すると解釈される。
【0167】
シェル:シェルは、屈曲、引張および圧縮剛性を有する湾曲構造、例えば、マスクの湾曲構造壁を形成するマスクの一部分を意味すると解釈される。好ましくは、その全体寸法と比較して、シェルは相対的に薄い。いくつかの形態において、シェルはファセット状になっていてもよい。好ましくは、そのような壁は、気密性があるが、いくつかの形態において、それらは気密性がなくてもよい。
【0168】
補強材:補強材は、少なくとも1つの方向において別の構成要素の屈曲耐性を増大させるように設計された構造的構成要素を意味すると解釈される。
【0169】
支柱:支柱は、少なくとも1つの方向において別の構成要素の圧縮耐性を増大させるように設計された構造的構成要素を意味すると解釈される。
【0170】
スイベル:(名詞)例えば、低トルク下で、例えば、独立的に、共通の軸を中心として回転するように構成されている構成要素のサブアセンブリ。一形態において、スイベルは、少なくとも360度の角度、回転するように構成されている。他の形態において、スイベルは、360度未満の角度、回転するように構成されている。空気導管の文脈において使用される場合、例えば、構成要素のサブアセンブリは、一致した対の円筒形導管を含む。好ましくは、使用中、スイベルから空気が漏れる流れはほとんどまたは全くない。
【0171】
紐:紐は、張力に抵抗するように設計された構造的構成要素であると解釈される。
【0172】
換気口:(名詞)マスクの内部からの空気の漏れの速度を慎重に制御することを可能にする構造、または、吐き出された二酸化炭素(CO
2)の流出および酸素(O
2)の供給を可能にするための、外気に対する導管。
【0173】
4.8 その他の備考
本特許明細書の開示の一部は、著作権保護の対象となる資料を含む。特許商標庁の特許包袋または記録において明らかにするために、著作権所有者は、特許文書または特許開示のいずれかによるファクシミリ複製に対しても異論を唱えないが、その他の面では、どんなものであれ、すべての著作権を保有している。
【0174】
文脈上、別に明らかに示していない限り、値の範囲が与えられている場合、下限の単位の10分の1までの、その範囲の上限と下限との間にある介在する値が、本発明の技術内に包含されることと理解される。独立的に介在する範囲内に含まれることができ、これらの介在する範囲の上限および下限も記載している範囲内の任意の具体的に除外される限度の対象となり、同様に、本発明の技術内に含まれる。記載されている範囲が一方または両方の限界値を含む場合、これらの含まれている限界値のうちの一方または両方を除外した範囲も本発明の技術に含まれる。
【0175】
さらに、1つまたは複数の値が本明細書において本発明の技術の一部として実施されるものとして記載される場合、そのような値は、別途の言及がない限り近似値であってもよく、そのような値は、実際の技術的な実施がそれを許容するかまたは必要とする限り、任意の適切な有効数字に利用され得ると理解されなければならない。
【0176】
別に定義されない限り、本明細書において使用するすべての技術用語および科学用語は、本発明の技術が属する技術分野の当業者によって一般に理解されている意味と同じ意味を有する。本明細書に記載されているものと同様または均等な任意の方法および材料を、本発明の技術の実施または実験において同じく使用することができるが、本明細書には、限られた数の例示的な方法および材料しか記載されていない。
【0177】
特定の材料が使用するのに好ましく、または、構成要素を構成するための一実施例であると確認される場合、同様の特性を有する自明の代替的な材料が代替用として使用され得る。さらに、他に明示されない限り、本明細書に記載された任意のおよびすべての構成要素は、製造することができると理解され、従って、一体にまたは別々に製造することができる。
【0178】
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用されているものとしての、単数形「a」、「an」および「the」は、別途文脈が明確に示していない限り、それらの複数の均等物を含むことに留意しなければならない。
【0179】
本明細書において言及されるすべての刊行物は、それらの刊行物が対象とする方法および/または材料を開示および記載するために、参照として本明細書に組み込まれる。本明細書において記述される刊行物は、本出願の出願日よりも前に、それらの開示のために単独で提供されている。本明細書におけるいかなる記載も、本発明の技術が、先行する発明によってそのような刊行物に先行する資格がないことを認めるものとして解釈されるべきではない。さらに、記載されている刊行日は、実際の刊行日とは異なる場合があり、これは個別に確認する必要がある場合がある。
【0180】
さらに、本開示を解釈する上で、すべての用語は、文脈と一致する最も広い合理的な方法で解釈されるべきである。特に、「含む(comprises)」および「含む(comprising)」という用語は、要素、構成要素、またはステップを非排他的に指しているものとして解釈されるべきであり、参照される要素、構成要素、またはステップが、明示的には参照されていない他の要素、構成要素、またはステップと共に存在し、または共に利用されるか、またはそれらと組み合わされてもよいことを示している。
【0181】
詳細な説明において使用される主題の見出しは、読者が参照するのを容易にするためにのみ含まれており、特許請求の範囲の開示全体を通じて見出される主題を限定するように使用されるべきではない。主題の見出しは、特許請求の範囲または特許請求の範囲の限定事項を解釈するのに使用されるべきではない。
【0182】
本発明における技術を、特定の実施形態を参照して説明したが、これらの実施形態は、本発明の技術の原理および応用の例示に過ぎないことを理解されたい。いくつかの事例において、用語および記号は、本発明の技術を実施するのに必要ではない特定の詳細を暗示する場合がある。例えば、「第1の」および「第2の」という用語が使用される場合があるが、別途明記されていない限り、それらは、任意の順序を示すように意図されず、別個の要素の間で区別するために利用され得る。さらに、方法における工程が、ある順序で記載または図示されている場合があるが、そのような順序は必須ではない。そのような順序は変更されてもよく、および/またはそれらの態様は同時に、またはさらには同期して実行されてもよいことを、当業者は認識しよう。
【0183】
従って、本発明の技術の精神および範囲から逸脱することなく、例示的な実施形態に対して多数の変更をなすことができること、および、他の構成を考え出すことができることを理解されたい。
なお、出願当初の特許請求の範囲の記載は以下の通りである。
請求項1:
呼吸圧力治療デバイスの患者の使用に関連した患者データを管理する方法であって、
1つまたは複数のプロセッサーによって、一組の命令を含むサブスクリプションにアクセスするステップと、
前記1つまたは複数のプロセッサーによって、患者デバイスの使用データを収集するステップと、
前記1つまたは複数のプロセッサーによって、トリガリングイベントが発生したと決定するステップと、
前記1つまたは複数のプロセッサーによって、収集された使用データの少なくとも一部を送信するステップと、
を含み、
前記使用データを収集するステップ、前記トリガリングイベントを決定するステップ、および前記使用データの少なくとも一部を送信するステップ、のうちの少なくとも1つは、サブスクリプションに従って実行される、方法。
請求項2:
前記サブスクリプションは、前記使用が送信される前に、満たされるべき複数の状態を識別し、前記トリガリングイベントは、該状態のそれぞれが満たされたという決定を含む、請求項1に記載の方法。
請求項3:
前記トリガリングイベントは、前記使用データの或る側面において発生した特定の変化に基づいている、請求項1または2に記載の方法。
請求項4:
前記患者デバイスは、CPAPデバイスを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
請求項5:
前記トリガリングイベントは、所定の期間の間、患者が患者デバイスを使用することを終了したことに基づく、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
請求項6:
前記使用データは、患者デバイスが使用された期間を識別する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
請求項7:
前記使用データは、患者の無呼吸指数、呼吸低下指数、無呼吸−呼吸低下指数、漏れおよび圧力の統計、分当たり換気量、1回換気量、および処方設定、のうちの少なくとも1つに関する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
請求項8:
前記サブスクリプションは、前記患者デバイスによって収集される個々のデータ項目の、ユーザーによる選択に基づいて、少なくとも部分的に生成される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
請求項9:
前記サブスクリプションは、使用データのサブセットを識別し、使用データの各サブセットに対する1つまたは複数のトリガリングイベントを識別する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
請求項10:
前記使用データのサブセットは、デバイス設定、デバイス使用、故障、およびデバイスタイプに依存するデータ、のうちの少なくとも1つに関連したデータのサブセットを含む、請求項9に記載の方法。
請求項11:
前記サブスクリプションに従って収集される前記使用データは、経時的に変化する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
請求項12:
前記トリガリングイベントは、a)前記患者デバイスの1つまたは複数の設定での変化、b)患者デバイスの1つまたは複数の構成要素での故障状態、c)所定時間、およびd)使用データに対する要求を受信すること、のうちの少なくとも1つである、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
請求項13:
前記患者デバイスに対する電源がトリガリングイベントの前にスイッチオフされると、患者デバイスが電源オンの状態にあるときに、前記トリガリングイベントが発生したことを決定するステップを実行する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
請求項14:
前記トリガリングイベントは、睡眠データに基づき、前記トリガリングイベントは、治療後期間、および治療セッションの最小期間、のうちの少なくとも一方を含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
請求項15:
前記サブスクリプションは、概要使用データとして提供される使用データの第1のサブセット、および詳細使用データとして提供される使用データの第2のサブセットを識別する、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
請求項16:
送信される前記使用データの一部は、経時的に減少する、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
請求項17:
送信される前記使用データの一部は、前記使用データの概要を示す代表値として提供される、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
請求項18:
呼吸圧力治療デバイスの患者の使用に関連した患者データを管理するシステムであって、該システムは、1つまたは複数のコンピューティングデバイスを含み、該コンピューティングデバイスは、
一組の命令を含むサブスクリプションにアクセスし、
呼吸圧力治療デバイスの患者の使用に関連した使用データを収集し、
トリガリングイベントが発生したと決定し、
前記サブスクリプションに従って前記使用データの少なくとも一部を送信する、
ように構成され、
前記システムは、前記使用データを収集するステップ、前記トリガリングイベントを識別するステップ、および前記使用データの少なくとも一部を送信するステップ、のうちの少なくとも1つが、サブスクリプションに従って実行されるように構成される、システム。
請求項19:
前記サブスクリプションは、前記使用が送信される前に、満たされるべき複数の状態を識別し、前記トリガリングイベントは、前記状態のそれぞれが満たされたという決定を含む、請求項18に記載のシステム。
請求項20:
前記トリガリングイベントは、前記使用データの或る側面において発生した変化に基づく、請求項18または19に記載のシステム。
請求項21:
前記トリガリングイベントは、所定の期間の間、患者が患者デバイスを使用することを終了したことに基づく、請求項18または19に記載のシステム。
請求項22:
前記使用データは、患者デバイスが使用された期間を識別する、請求項18〜21のいずれか一項に記載のシステム。
請求項23:
前記使用データは、患者の無呼吸指数、呼吸低下指数、無呼吸−呼吸低下指数、 圧力統計、漏れ統計、分当たり換気量、1回換気量、および処方設定、のうちの少なくとも1つに関する、請求項18〜22のいずれか一項に記載のシステム。
請求項24:
前記サブスクリプションは、患者デバイスによって収集される個々のデータ項目の、ユーザーによる選択に基づいて少なくとも部分的に生成される、請求項18〜23のいずれか一項に記載のシステム。
請求項25:
前記サブスクリプションは、使用データのサブセットを識別し、使用データの各サブセットに対する1つまたは複数のトリガリングイベントを識別する、請求項18〜24のいずれか一項に記載のシステム。
請求項26:
前記使用データのサブセットは、デバイス設定、デバイス使用、故障、およびデバイスタイプに依存するデータ、のうちの少なくとも1つに関連したデータのサブセットを含む、請求項25に記載のシステム。
請求項27:
前記サブスクリプションに従って収集される前記使用データは、経時的に変化する、請求項18〜26のいずれか一項に記載のシステム。
請求項28:
前記トリガリングイベントは、a)患者デバイスの1つまたは複数の設定での変化、b)患者デバイスの1つまたは複数の構成要素での故障状態、c)所定時間、およびd)使用データに対する要求を受信すること、のうちの少なくとも1つである、請求項18〜27のいずれか一項に記載のシステム。
請求項29:
患者デバイスに対する電源がトリガリングイベントの前にスイッチオフされると、前記患者デバイスが電源オンの状態であるときに、前記トリガリングイベントが発生したことを決定する、請求項18〜28のいずれか一項に記載のシステム。
請求項30:
前記トリガリングイベントは、睡眠データに基づいており、前記トリガリングイベントは、治療後期間、および治療セッションの最小期間、のうちの少なくとも1つを含む、請求項18〜29のいずれか一項に記載のシステム。
請求項31:
前記サブスクリプションは、概要使用データとして提供される使用データの第1のサブセット、および詳細使用データとして提供される使用データの第2のサブセットを識別する、請求項18〜29のいずれか一項に記載のシステム。
請求項32:
送信される前記使用データの一部は、経時的に減少する、請求項18〜31のいずれか一項に記載のシステム。
請求項33:
送信される前記使用データの一部は、前記使用データの概要を示す代表値として提供される、請求項18〜32のいずれか一項に記載のシステム。
請求項34:
患者データを管理する方法であって、
1つまたは複数のプロセッサーによって、複数の患者デバイスから使用データの送信を受信するステップであって、使用データのそれぞれの送信は、一組の命令で識別されたトリガリングイベントに従って発生される、ステップと、
前記1つまたは複数のプロセッサーによって、前記使用データをメモリに格納するステップであって、前記使用データは、受信された前記送信の送信元である、前記複数の患者デバイスのうちの各患者デバイスに関連付けて格納される、ステップと、
前記1つまたは複数のプロセッサーによって、格納された使用データの少なくとも一部に対する要求を受信するステップと、
前記1つまたは複数のプロセッサーによって、要求された使用データの一部を送信するステップと、
を含む、方法。
請求項35:
前記一組の命令は、前記使用が送信される前に、満たされるべき複数の状態を識別し、前記トリガリングイベントは、前記状態のそれぞれが満たされたという決定を含む、請求項34に記載の方法。
請求項36:
使用データの送信を受信するステップは、第1の患者デバイスから第1のセットの使用データを受信し、第2の患者デバイスから第2のセットの使用データを受信するステップを含み、前記第1のセットの使用データは、第1のトリガリングイベントに従って送信され、前記第2のセットの使用データは、第2のトリガリングイベントに従って送信される、請求項34または35に記載の方法。
請求項37:
前記第1のトリガリングイベントおよび前記第2のトリガリングイベントは、異なる基準に基づく、請求項36に記載の方法。
請求項38:
格納された使用データの少なくとも一部に対する要求は、前記複数の患者から第1の患者を識別し、前記使用データの一部は、該第1の患者に関連付けられる、請求項34〜37のいずれか一項に記載の方法。
請求項39:
前記一組の命令は、所定の期間、前記患者デバイスを使用することを終了した患者、または前記使用データの或る側面において発生した変化、のうちの1つとして前記トリガリングイベントを識別する、請求項34〜38のいずれか一項に記載の方法。
請求項40:
前記使用データは、前記複数の患者デバイスのうちの各患者デバイスが使用された期間に関連する、請求項34〜39のいずれか一項に記載の方法。