(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記操作装置は前記操作位置にあり、前記操作装置は前記第1および第2の通路装置と第1および第2の係合位置のそれぞれにおいて係合している、請求項1に記載のシステム。
前記第1および第2の拡張器が前記のそれぞれの第1および第2の受け入れ位置にあるとき、前記第1の拡張器の第1の係合部が前記第1の係合位置において前記第1の通路装置内に密嵌入され、前記第2の拡張器の第2の係合部が前記第2の係合位置において前記第2の通路装置内に密嵌入される、請求項2に記載のシステム。
前記操作装置は前記第1の通路装置と係合する第1のアームおよび前記第2の通路装置と係合する第2のアームを含み、前記操作装置が前記操作位置にあるときに、前記第1のアームは前記第1の通路装置を受け入れるように構成された第1の開口を有し、前記第2のアームは前記第2の通路装置を受け入れるように構成された第2の開口を有している、請求項2に記載のシステム。
前記第1の拡張器が前記第1の受け入れ位置にあるとき、前記第1の拡張器の前記第1の固定部分は前記第1の接続要素の前記第1のケージ内に受け入れられ、前記第2の拡張器が前記第2の受け入れ位置にあるとき、前記第2の拡張器の前記第2の固定部分は前記第2の接続要素の前記第2のケージ内に受け入れられる、請求項1に記載のシステム。
前記第1の拡張器の前記遠位端は、前記第1の拡張器が前記第1の受け入れ位置にあるときに前記第1の接続要素または前記第1の通路装置に置かれたネジ山と係合可能なネジ部を備えている、請求項7に記載のシステム。
前記第1の拡張器が前記第1の受け入れ位置にあるとき、前記第1の拡張器の前記ネジ部によって係合された前記ネジ山は前記第1の通路装置に位置している、請求項8に記載のシステム。
前記第1の拡張器が前記第1の受け入れ位置にあるとき、前記第1の拡張器の前記ネジ部によって係合された前記ネジ山は前記第1の通路装置の遠位端に位置している、請求項9に記載のシステム。
前記第1の拡張器が前記第1の受け入れ位置にあるとき、前記第1の拡張器の前記ネジ部によって係合された前記ネジ山は前記第1の通路装置および前記第1の接続要素の両方に位置している、請求項8に記載のシステム。
前記第1の通路装置は前記第1のケージに接続されて前記第1のケージから近位側に延在する第1および第2のブレードによって画定されている、請求項1に記載のシステム。
前記第1および第2ブレードが、それぞれの第1および第2脆弱部によって前記第1ケージに接続されるよう、前記第1および第2のブレードは前記第1ケージとの単一片として形成されている、請求項16に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本明細書において「近位側」、「最近位側」、「遠位側」、および「最遠位側」のよう
な方向に関する用語が参照されている場合、「近位側」および「最近位側」は、記載され
ている装置または方法のユーザーまたはオペレータにより近い位置を指しており、「遠位
側」および「最遠位側」は、記載されている装置または方法のユーザーまたはオペレータ
からより遠い位置を指していることを理解されたい。
【0024】
図1は、接続要素30、通路装置31、および脊椎10に接続された脊椎固定要素また
は脊椎固定ロッド44からなるシステムを示している。脊椎10は、頭側方向12、尾側
方向14,前方向16、後方向18、および内/外方向20を有している。これらの方向
は、いずれも同じ参照番号が付された矢印によって示されているように、配向している。
本願において、「左側」および「右側」は、後面図、すなわち、脊椎10の背後から見た
図に基づいている。「内側」は、脊椎10の矢状面(すなわち、左側と右側とを互いに分
離する対称面)に向かう位置または方位を指しており、「外側」は、矢状面から比較的遠
い位置または方位を指している。
【0025】
図1に示されているように、脊椎10は、第1の椎骨22、第2の椎骨24、および第
3の椎骨26を備えている。第1および第2の椎骨22,24間に第1の椎間板23が位
置しており、第2および第3の椎骨24,26間に第2の椎間板25が位置している。本
明細書におけるシステムおよび方法は、任意の椎骨、すなわち、脊椎10の椎骨および/
または仙骨11に適用可能になっている。従って、「椎骨」という用語は、全ての椎骨な
らびに仙骨も含むように広義に解釈されるとよい。図示されているように、接続要素30
および関連する通路装置31は、第1、第2,および第3の椎骨22,24,26の右側
の椎弓根36,38,40のそれぞれに接続されている。
図1に示されているシステムは
、3つの椎骨に跨っているが、本発明によるシステムの他の実施形態は、3つよりも少な
いかまたは3つよりも多い椎骨に跨っていてもよい。例えば、付加的な接続要素30およ
び通路装置31が、脊椎10に沿ってさらなる椎骨に接続されてもよい。本発明によるシ
ステムの他の実施形態は、接続要素30、通路装置31、および脊椎固定ロッド44から
なる多重システムであって、各々が任意の数の椎骨に跨るようになっている、多重システ
ムを備えていてもよい。いくつかのこのような実施形態では、接続要素30、通路装置3
1、および脊椎固定ロッド44からなるこれらのシステムは、脊椎に沿って脊椎突起の両
側(すなわち、脊椎の左側および右側の両方)に配置されてもよい。
【0026】
接続要素30は、各々、椎弓根36,38,40のそれぞれに移植されるアンカー要素
またはスクリュー32(
図2Aおよび
図2B参照)と、脊椎固定ロッド44を受け入れる
ための連結要素またはケージ42とを備えている。ケージ42は、当技術分野において知
られている種々の方法によって、それぞれのスクリュー32に連結されているとよい。例
えば、
図2Bに示されているように、ケージ42およびスクリュー32は、多軸連結され
ているとよい。他の実施形態(図示せず)では、ケージ42とスクリュー32との間の連
結は、単軸連結または単一面連結であってもよく、またはケージ42は、スクリュー32
に剛性的に固定されていてもよい(例えば、ケージ42は、スクリュー32と一体的に形
成されていてもよい)。各接続要素30は、ロッド44をケージ42内に固定するための
止めネジ45も備えているとよい。接続要素30は、米国特許第8,002,798号(
‘798特許)に記載されている接続要素と同一または同様の構造を有しているとよい。
代替的に、接続要素30は、米国特許第7,988,713号(’713特許)に記載さ
れている椎弓根スクリューまたは米国特許第6,074、391号(‘391特許)に記
載されている椎弓根スクリュー、椎弓根フック、または椎弓板フックと同一または同様の
構造を有しているとよい。’713特許および‘391特許の開示内容は、参照すること
によって、それらがここに完全に記載されているかのように含まれるものとする。アンカ
ー要素は、スクリュー32としてここに示されているが、椎骨に固定可能な他の形式のア
ンカー要素、例えば、‘391特許に記載されている前述のフックが用いられもよいこと
を理解されたい。さらに、脊椎固定要素44は、ロッド44としてここに示されているが
、互いに隣接する椎骨を一緒に固定することができる他の形式の要素、例えば、プレート
、ワイヤ、ロッド、または関節式形態が用いられてもよいことを理解されたい。
【0027】
接続要素30は、‘798特許に記載されている方法と同じ方法によって、体内に経皮
的に挿入されるとよい。すなわち、接続要素30の各々は、それぞれのガイドワイヤに沿
って皮膚51の個別の切口46,48,50を通して挿入されるとよい。一連の拡張器を
用いて、切口46,48,50とそれぞれの椎弓根36,38,40との間の経路を拡大
するとよい。接続要素30のスクリュー32が、関連する椎弓根に予め形成されたタップ
孔に移植されてもよいし、またはスクリュー32が椎弓根内に直接ねじ込まれるようにな
っていてもよい。椎弓根内への各スクリュー32の前進は、スクリュー32のヘッド35
のドライバーインターフェイス34(
図2B参照)に係合される遠位端を有するドライバ
ー(図示)によって、すなわち、該ドライバーのシャフトを通路装置31内において近位
側に駆動させることによって、行なわれるとよい。ヘッド35のドライバーインターフェ
イス34は、米国特許第8,231,635号(‘635特許)に開示されている形態を
有しているとよく、ドライバーは、この特許に開示されているスクリュードライバーのい
ずれか1つの形態を有しているとよい。この特許の開示内容は、参照することによって、
その全体がここに完全に記載されているかのように含まれるものとする。ドライバーは、
動力駆動式であってもよいし、または手動式であってもよい。加えて、接続要素30が体
内に挿入される前に、適切な椎弓根36,38,40の位置を定めるのを支援するために
、かつ移植のために、すなわち、椎弓根内への接続要素30の移植の案内を支援するため
に、脊椎ナビゲーションソフトウエアおよび/またはロボットが用いられてもよい。
【0028】
通路装置31は、該通路装置31がそれぞれの切口46,48,50を通して接続要素
30から近位側に延在するように、接続要素30に接続されている。具体的には、
図2A
および
図2Bに示されているように、通路装置31の遠位端52は、ケージ42の近位端
54に接続されている。通路装置31は、各々、ロッド44の経皮的挿入を支援するため
に、軸57に沿って切口46,48,50からそれぞれの接続要素30に延在する通路5
5をもたらしている。軸57(および関連する通路装置31)は、図示されているように
真っ直ぐになっているとよい。しかし、通路装置31は、「腰椎−仙骨スクリュー挿入お
よび操作」という標題で2013年9月23日に出願された米国特許出願第14/034
,021号(‘021出願)のいくつかの実施形態に開示されているように、傾斜または
湾曲した長軸を画定していてもよい。この特許の開示内容は、参照することによって、そ
の全体がここに完全に記載されているかのように含まれるものとする。各通路装置31は
、関連するケージ42の互いに向き合ったアーム58に取り付けられた2つのブレード5
6の形態を有しているとよい。ブレード56は、‘798特許に記載されているように、
ケージ42と別に形成され、ケージ42に取外し可能に接続可能になっていてもよい。代
替的に、ブレード56は、‘798特許に記載されているように、関連するケージ42と
の単一片として形成されていてもよい。例えば、
図1〜
図2Bは、ブレード56が、関連
するケージ42と一体に接続され、一体のブレード−スクリュー60を形成している実施
形態を示している。このような実施形態では、ブレード56は、脆弱部62によって、ケ
ージ42に接続されているとよい。各脆弱部62は、減厚部を備えているとよい。減厚部
は、ブレード56とケージ42のそれぞれのアーム58との間の接合部において、ブレー
ド−スクリュー60の内面および外面の一方または両方に形成された溝によって画定され
ているとよい。
図2Bに示されている実施形態では、脆弱部62は、ブレード−スクリュ
ー60の外側に沿った溝64と、この外部溝64と真っ直ぐに並ぶブレード−スクリュー
60の内側に沿った溝66とによって画定されている。脆弱部62は、所望時にブレード
56がケージ42から破断される位置をもたらしている。
【0029】
各ケージ42の内部は、アーム58に沿ったネジ山68を備えているとよく、通路装置
31は、少なくともその遠位端52に沿って低ネジ山70を備えているとよい。他の実施
形態(図示せず)では、ケージ42のネジ山68が設けられている一方、通路装置31の
低ネジ山70が設けられていなくてもよい。止めネジ45は、通路装置31の低ネジ山7
0およびケージ42のネジ山68に係合するように構成された雄ネジ部である。両方のネ
ジ山68,70は、真っ直ぐに並んでおり、これによって、止めネジ45を通路装置31
の低ネジ山70に沿って遠位側に回転可能に前進させ、その後、止めネジ45を継続して
回転させることによって、止めネジ45をケージ42のネジ山68に係合させ、該ネジ山
68に沿って前進させることができる。
【0030】
ネジ山68および/または低ネジ山70は、‘391特許に開示されているような歯形
状を有しているとよい。すなわち、‘391特許に開示されているように、かつ
図2Bに
示されているように、遠位方向を向く(すなわち、スクリュー32の方を向く)各ネジ山
のフランクは、急勾配であるとよく、好ましくは、略水平であり、近位方向を向く(すな
わち、スクリュー32から離れる方を向く)各ネジ山のフランクは、水平に対して約30
°に傾斜しているとよい。止めネジ45のネジ山106は、好ましくは、ネジ山68およ
び/または低ネジ山70と相補的であるとよい(すなわち、止めネジ45の各ネジ山10
6の急勾配なフランクは、ネジ山68,70の急勾配なフランクと逆向きに一致している
とよい)。
【0031】
前述したように、通路装置31のブレード56は、一体化ブレード−スクリュー60の
ケージ42に一体に接続されている。このようなブレード−スクリュー60は、各ケージ
42をその該当する通路装置31と共に一体品として形成することによって作製されると
よい。例えば、延在する2つのブレード56を有するケージ42は、材料の一体品から機
械加工によって作製されてもよい。他の例では、2つのブレード56を有するケージ42
は、鋳造または成形によって単一部品として作製されてもよい。しかし、他の実施形態で
は、ケージ42および通路装置31のそれぞれの下位構成部品が、別々に形成され、次い
で、溶接などによって一体に接続されてもよい。例えば、ブレード56およびケージ42
は、(例えば、機械加工、鋳造、または成形によって)別々に形成され、通路装置31を
画定するブレード56の遠位端52が、ケージ42のアーム58の近位端54に(例えば
、溶接によって)接続されてもよい。溶接の場合、溶接領域が脆弱部62を形成するよう
になっているとよい。さらに他の実施形態では、各ケージ42は、ケージ42のアーム5
8の各々の近位端54から近位側に延在する2つの短小部61に(例えば、機械加工、鋳
造、または成形によって)一体に形成されていてもよい。短小部61は、望ましくは、低
ネジ山70を備えており、この低ネジ山がブレード56の低ネジ山70を構成することに
なる。2つのブレード延長部63が個別に形成され、これらの延長部63の遠位端65が
、接続部69において、短小部61の近位端67に(例えば、溶接によって)一体に接続
されているとよい。
図2A〜
図2Bに示されているように、各ブレード延長部63は、そ
の長さに沿って変化する特別の形状またはプロフィルを有しているとよい。例えば、これ
らの図に示されているように、各ブレード56の幅は、その長さに沿って1つまたは複数
の段71において狭くなっているとよい。ブレード延長部63の最終形状は、個別に形成
されたブレード延長部63が最初に(機械加工、鋳造、または成形)によって作製される
ときに形作られるとよい。代替的に、ブレード延長部63は、最初、より大きく形成され
、次いで、それらの最終形状に達するようにさらに修正されてもよい。例えば、ブレード
延長部63の最終形状を得るために、ワイヤカット放電加工(EDM)を用いて最初に形
成されたより大きい加工品の形状を修正してもよい。(例えば、ワイヤカットEDMを用
いる)このような修正は、ブレード延長部63が短小部61に一体に接続される前に行わ
れてもよいし、または後に行なわれてもよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、ケージ42の高さ(すなわち、長軸57に沿った長さ)は、
約1.5cmである。ブレード56は、約5cm長さから約15cm長さの範囲内にある
とよい。短小部61は、ブレード56の長さのどのような一部、例えば、約1cmから約
4cmの間の部分であってもよいが、好ましくは、約2cmの長さの部分であるとよい。
本発明の実施形態によるシステムは、例えば、患者の背中に沿った皮膚とその下の椎弓根
との間の距離が種々の体格の患者ごとに異なっているので、種々の長さのブレード45を
有するブレード−スクリュー60を備えているとよい。例えば、このようなシステムは、
図5〜
図6に示されているように、2つの異なる長さのブレード56(すなわち、長いブ
レードおよび短いブレード)を備えているとよい。例示的な実施形態では、長いブレード
は、約11cm長さであるとよく、短いブレードは、約6cm長さであるとよい。短小部
61は、この長さのどのような一部をなしていてもよいが、短小部61は、長いブレード
および短いブレードの両方において同じ長さを有しているとよい。例えば、短小部が前述
したように約2cmである実施形態では、短いブレードのブレード延長部63は、約5c
m長さであるとよく、長いブレードのブレード延長部63は、約9cm長さであるとよい
。
【0033】
図1を参照すると、連結部72が各通路装置31の長さに沿って該通路装置31のブレ
ード56に接続されているとよい。連結部72は、「経皮的脊椎固定のためのシステムお
よび方法」という標題で2013年3月14日に出願された米国仮特許出願第61/78
3,098号(‘098出願)に開示されている連結具の形態を有しているとよい。この
開示内容は、参照することによって、その全体がここに完全に記載されているかのように
含まれるものとする。他の実施形態では、連結具は、‘798特許に開示されている当接
部材の形態を有していてもよい。加えて、連結具72は、‘098出願または‘978特
許に開示されている方法と同じ方法によって、ブレード56に接続されるとよい。例えば
、‘098出願に開示されているように、連結具72は、ブレード56の長さに沿って位
置する孔76に係合するために、内方に延在するボスまたは突起(図示せず)を有する柔
軟タブ74を備えているとよい。また、連結具72は、‘098出願に開示されているよ
うに、移植されるロッド44を賦形または選択するための体外テンプレートをもたらすた
めの凹部78を備えているとよい。このような賦形または選択は、共同所有の米国特許第
8,177,817号(‘817特許)または米国特許出願公開第2007/02330
79号(‘079特許)に開示されている方法によって行なわれるとよい。これらの開示
内容は、参照することによって、それらの全体がここに完全に記載されているかのように
含まれるものとする。
【0034】
いったん所望の輪郭を有するロッド44が選択されたなら、ロッド44は、通路装置3
1によってもたらされた体組織を貫通する通路55を用いて、体内に挿入され、移植され
た接続要素30のケージ42に向かって前進され、最終的にケージ42間に延在すること
になる。ロッド44は、止めネジ45によってケージ42内に固定されるとよく、これに
よって、接続要素30が取り付けられた椎骨22,24,26を安定化させることができ
る。もし体内に挿入された後、ロッド44がケージ42の1つまたは複数に十分に着座し
ていないなら(例えば、ロッド44がいくらか浮き上がっているなら)、ロッド42を種
々の方法によって特定のケージ42内にさらに移動させることができる。例えば、止めネ
ジ45を通路装置31の低ネジ山70に沿って遠位方向にケージ42内まで前進させるこ
とによって、ロッド44をケージ42に向かって、かつケージ42内に押し込むことを支
援することができる。付加的または代替的に、「経皮的後方脊椎固定術のための圧縮およ
び伸延システム」という標題で2013年12月6日に出願された米国特許出願第14/
099,159号(‘159特許)に開示されているように、逆トルクチューブ(図示せ
ず)を用いて、ケージ42へのロッド44の前進および/または固定を支援することがで
きる。この開示内容は、参照することによって、その全体がここに完全に記載されている
かのように含まれるものとする。
【0035】
ケージ42内への止めネジ45の最終的な締付けの前に、椎骨の相対位置が調整される
とよい。例えば、ロッド44がケージ42内に位置しているが、止めネジ45がロッド4
4に対して係止する位置に締付けられる前に、2つ以上の椎骨が頭側方向12および仙骨
方向14において互いに対して移動(すなわち、圧縮)されるとよく、および/または互
いに対して離れる方に移動(すなわち、伸延)されるとよい。このような圧縮および伸延
を行うための1つのシステムおよび方法は、米国特許第8,157,809号(‘809
特許)に開示されている。この開示内容は、参照することによって、その全体がここに記
載されているかのように含まれるものとする。他のこのようなシステムは、‘159出願
に開示されている。圧縮および伸延を行うための他のシステムおよび方法は、
図3〜
図9
に図示されている。以下、このようなシステムおよび方法について説明する。
【0036】
図3Aは、本発明の一実施形態による圧縮/伸延システム100を開示している。
図3
Bの分解図に示されているように、システム100は、ブレード−スクリュー60のそれ
ぞれの通路装置31に係合可能な一組の開創ブレード102を備えている。また、システ
ム100は、ブレード−スクリュー60にしっかりと係合されてかつブレード−スクリュ
ー60内に嵌入されることが可能なシャフト104を備えている。シャフト104は、操
作装置106に係合可能になっている。操作装置106は、接続要素30が接続された椎
骨を変位させるために、シャフト104を互いに向かう方または互いに離れる方に移動さ
せるように構成されている。従って、シャフト104は、体外に位置する操作装置から体
内の椎骨に接続された接続要素30に変位力(例えば、圧縮力および/または伸延力)を
伝達し、これによって、椎骨を互いに対して変位させる拡張器を構成している。操作装置
106は、シャフト104に係合してシャフト104を互いに対して変位せるのに適する
どのような形態を有していてもよい。一実施形態では、
図3Aおよび
図3Bに示されてい
るように、操作装置106は、ラック110によって互いに移動可能に接続された2つの
アーム108,109を備えている。各アーム108,109は、ラック110に接続さ
れた近位端112およびシャフト104の1つに係合可能な遠位端114を有している。
一例では、遠位端114は、各々、開口116を備えているとよい。開口116は、該開
口116を通るシャフト104の該当する1つをしっかりと受け入れるように形作られ、
かつ寸法決めされている。
図3Aに示されているように、開口116は、各々、シャフト
104が内部に配置された状態にある通路装置31の該当する1つをしっかりと受け入れ
るように形作られ、かつ寸法決めされている。アーム108,109の一方または両方は
、ラック110に旋回可能に接続されているとよく、この旋回は、該当する作動機構(図
示せず)によって制御されるようになっているとよい。さらに、一方のアーム108がラ
ック110の長さに沿って移動することができるようにラック110に平行移動可能に接
続される一方、他のアーム109がラック110の一端に固定位置を有するようになって
いるとよい。平行移動アーム108は、駆動機構118を作動させることによって、ラッ
ク110に沿って移動するようになっているとよい。駆動機構118は、アーム108に
接続された歯付きピニオンを回転させ、該ピニオンをラック110の対応する歯に沿って
前進させるようになっているとよい。
【0037】
シャフト104は、各々、遠位部120および近位部122を有している。遠位部12
0は、接続要素30に近接する箇所において該当するアクセス装置31内に配置可能にな
っており、かつ接続要素30に直接的または間接的に固定可能になっているとよい。
図3
Bに示されているように、遠位部120は、シャフト104を接続要素30に対して固定
するためのネジ部124を備えているとよい。ネジ部124は、接続要素30のネジ山6
8に係合するようになっていてもよいし、前述したように、接続要素30に固定された通
路装置31の低ネジ山70に係合するようになっていてもよい。また、シャフト104は
、ネジ部124が接続要素30のネジ山68に沿って少なくとも部分的に延在すると共に
、通路装置31の低ネジ山70に沿って少なくとも部分的に延在するように、配置されて
いてもよい。各シャフト104の遠位部120は、ネジ部124の遠位側に延在する遠位
延長部126も備えているとよい。遠位延在部126は、ネジ部124がネジ山68およ
び/またはネジ山70に固定されたとき、スクリュー32のヘッド35に係合するように
、構成されているとよい。ネジ部124をネジ山68および/またはネジ山70に沿って
前進させることによって、遠位延在部126は、スクリュー32のヘッド35を強制的に
押圧することになる。この強制的係合は、望ましくは、シャフト104を接続要素30に
固定するのを助長する。また、この係合は、スクリュー32のヘッド35を該ヘッド35
が受け入れられるケージ42に対して押し込み、これによって、望ましくは、スクリュー
32に対するケージ42の多軸運動を係止することになる。
【0038】
好ましくは、各シャフト104の近位部122は、操作装置106の該当するアーム1
08,109と係合するための係合部128を備えている。係合部128は、該当するア
ーム108,109の開口116内にしっかりと嵌入されるように形作られ、かつ寸法決
めされている。例えば、係合部分128は、通路装置31内に密嵌入されるように寸法決
めされた外寸法を有しているとよい。シャフト104の幅は、それらの長さに沿って変化
するようになっているとよく、これは、有利には、不要な材料を少くすることができる。
これに関して、係合部128は、シャフト104の他の部分よりも広くなっているとよく
、シャフト104は、係合部128の遠位側に位置するテーパ部130および係合部12
8の近位側に位置する他のテーパ部132を備えているとよい。
【0039】
図4A〜
図4Cに示されているように、開創ブレード102は、各々、ブレード部13
4および係合部136を備えているとよい。係合部136は、開創ブレード102を通路
装置31を固定するように構成されているとよい。これに関して、係合部136は、‘1
59出願に開示されている管状体と同様、通路装置31のブレード56を受け入れるため
の溝または通路を有する管状体を備えていてもよい。他の例では、
図4A〜
図4Cに示さ
れているように、係合部136は、通路装置31の2つのブレード56の各1つを受け入
れるための2つのブレード受容体138を備えているとよい。各ブレード受容体138は
、
図4Bの平面図に示されているように、ブレード56の外側の周りに延在する外側部1
40を備えているとよく、各ブレード受容体138は、ブレード56の内側の少なくとも
一部に沿って、ブレード56の縁144の周りを包む少なくとも1つの内側延長部142
(例えば、このような1つの内側延長部142がブレード56の各側に配置されている)
を備えているとよい。ブレード部134に隣接する内側延長部142は、ブレード部13
4の厚肉部143によって画定されているとよい。厚肉部143は、ブレード56間の空
間を横切って延在し、ブレード部134に隣接して両方の内側延長部142を画定してい
る。各ブレード受容体138によって部分的に包囲された空間は、望ましくは、通路14
6を画定している。通路146は、通路装置31のブレード56を受け入れるように構成
されている。通路146は、通路装置31の軸57と直交する面に沿って円弧形状を有し
ているとよく、この形状は、該面におけるブレード56の形状と実質的に一致している。
内側延長部142は、望ましくは、ブレード56を通路146内に維持するように拘束す
るようになっている。
【0040】
ブレード56が通路146内に配置されたとき、開創ブレード102のブレード部13
4は、好ましくは、
図3Aおよび
図4Aに示されているように、隣接する体組織を開創す
るために、通路装置31に沿って位置している。これに関して、ブレード部134は、好
ましくは、通路装置31の軸57を横切る方向に沿って通路装置31よりも広くなってお
り、ブレード部134は、その幅寸法に沿って円弧状になっているとよい。例えば、ブレ
ード部134は、約2〜3cm幅を有しているとよく、ブレード−スクリュー60の通路
装置31は、約1〜1.5cm幅を有しているとよい。また、ブレード1部34は、好ま
しくは、組織をブレード56間に画定された通路55に巻き込まれないようにするために
、皮膚51の下方に位置する通路装置31の大部分に沿って延在している。ブレード13
4の遠位端148は、好ましくは、体内への開創ブレード102の挿入時に組織への外傷
を低減させるために丸められている。好ましくは、開創ブレード102は、剛性であり、
これによって、ブレード56が係合部136の通路内146内に配置されたとき、開創ブ
レード102は、ブレードを安定化させることができ、特に連結具72がブレード56に
配置されていないとき、ブレード56が接続要素30から時期尚早に離脱するのを防ぐこ
とができる。
【0041】
開創ブレード102が通路装置31内に完全に配置されたとき、ブレード部134の遠
位端148は、
図3Aに示されているように、ケージ42のアーム58の近位端54に近
接して配置されるとよい。この位置によって、望ましくは、アーム58間に配置されたロ
ッド44が、ブレード部134と干渉することなく、ケージ42を通ってかつケージ42
を超えて延在することが可能になる。開創ブレード102が通路装置31に配置されてい
るとき、該開創ブレード102を適切な位置に維持するために、開創ブレード102は、
通路装置31の特徴部に係合するように形作られているとよい。例えば、係合部136の
遠位端150は、
図4Aに示されているように、ブレード56に沿って広幅段71に係合
するようになっているとよく、この箇所において、通路装置31に沿った開創ブレード1
02のさらなる遠位側への運動が抑制されることになる。
【0042】
開創ブレード102の挿入および取外しを助長するために、ブレード部134の近位端
152は、手または工具によって掴むための切抜部154を備えているとよい。また、近
位端150の近くのブレード部134を通る孔156は、工具によって係合可能な特徴部
を設けることによって、開創ブレード102の取外しを助長することができる。
【0043】
図5〜
図6に示されているように、本発明の実施形態によるシステムは、2つの異なる
長さのブレード(すなわち、長いブレードおよび短いブレード)を有するブレード−スク
リュー60を備えていてもよい。また、システムは、種々の生体構造と共に用いるために
、種々の長さの開創ブレード102を備えていてもよい。システムは、ブレード−スクリ
ュー60の長さと異なる多種類の開創ブレード長さを備えていてもよい。例えば、ブレー
ド−スクリュー60の2つの長さを有するシステムは、
図5〜
図6に示されているように
、4つの長さの開創ブレード102(例えば、各ブレード−スクリュー長さと共に用いら
れる2つの開創ブレード長さ)を有しているとよい。ブレード−スクリュー60の長いブ
レードが約11cm長さを有し、ブレード−スクリュー60の短いブレードが約7cm長
さを有する例示的な実施形態では、前述したように、開創ブレード102の4つの長さは
、約3〜4cm長さのブレード部134、約5〜6cm長さのブレード部134、約7〜
8cm長さのブレード部134、および約9〜10cm長さのブレード部134を備えて
いるとよい。2つの長さのブレード−スクリュー60しかシステムに準備されていなくて
もよいが、さらなる長さの開創ブレード102によって、皮膚面51と移植された接続要
素30との間に特別な距離をより緊密に調整することができる。これは、望ましい。何故
なら、操作装置106のシャフト104とアーム108,109との係合の位置を下層の
椎弓根の可能な限り近くに配置させることによって、操作装置106によって加えられる
トルクの量を有利に低減させることができるからである。従って、開創ブレード102の
適切な長さは、開創ブレード102が通路装置31に沿って十分に前進したとき、ブレー
ド部134の近位端152が、可能な限り皮膚の近くにおいて、皮膚面51の上方に配置
されるように、外科医または他のユーザーによって選択されるとよい。これによって、シ
ャフト104と(ブレード部134の近位端152の近位側に配置された)操作装置10
6のアーム108,109との間の係合は、皮膚51の上方であるが、可能な限り下層の
接続要素30および椎弓根に近い位置で達成されることになる。
【0044】
種々の長さのブレード部134を適切に配置するために、種々の長さのブレード102
の各々は、開創ブレード102が通路装置31に沿って十分に前進するときにブレード部
134の近位部152が段71の上方に位置する適切な距離に基づいて、
図5〜
図6に示
されているように、異なる長さの係合部136を有しているとよい。開創ブレード102
の適切な長さを決定する上で外科医または他のユーザーを支援するために、開創ブレード
102は、
図5に示されているように、ブレード56に沿って孔76の1つに対するブレ
ード部134の近位端152からの距離dに基づいて画定されるとよい。付加的または代
替的に、各長さのブレード部134の近位端154の位置は、
図6に示されているように
、シャフト104の1つまたは複数のマーク158(例えば、レーザーマーク)によって
示されるとよい。
図6に示されているように、種々の長さのシャフト104が、システム
に準備されているとよく、ブレードシャフトの長さは、ブレード−スクリュー60の種々
の長さに対応しているとよい。
【0045】
図7は、本発明の他の実施形態による圧縮/伸延システム200を開示している。シス
テム200は、ブレード−スクリュー60のそれぞれの通路装置31および接続要素30
に係合可能な一組のドッキング部材203を備えている。接続要素30が接続された椎骨
を変位させるために、ドッキング部材203は、ドッキング部材203を互いに向かう方
および互いから離れる方に移動させるための操作装置にも係合可能になっている。従って
、ドッキング部材203は、体外に位置する操作装置から体内の椎骨に接続された接続要
素30に変位力(例えば、圧縮力および/または拡張力)を伝達し、これによって、椎骨
を互いに対して変位させるための拡張器を構成している。操作装置は、ドッキング部材2
03に係合し、ドッキング部材を互いに対して変位させるのに適するどのような形態を有
していてもよい。一実施形態では、操作装置は、2つのアーム208,209を備えてい
るとよい。アーム208,209の各々は、ドッキング部材203の1つと係合可能な遠
位端214およびラック(図示せず)に接続された近位端212を有している。これは、
図3A〜
図3Bに示されている操作装置106のラック110と同様である。
図3A〜図
3Bに示されている操作装置106の実施形態におけるように、アーム208,209は
、ラックに対して同様に旋回可能および平行移動可能に接続されているとよい。アーム2
08,209の遠位端214は、各々、それぞれのドッキング部材203のコネクター2
60に係合されているとよい。一例では、遠位端214は、各々、コネクター260の該
当する1つをしっかりと受け入れるように形作られ、かつ寸法決めされた開口216を備
えているとよい。
【0046】
各コネクター260は、ドッキング部材203の近位端252において外方延長部26
4から近位側に突出するシャフト262として構成されているとよい。
図8Aに示されて
いるように、シャフト262は、中空であるとよい。また、シャフト262は、少なくと
も1つ(例えば、2つ)の柔軟タブ266を備えているとよい。柔軟タブ266の各々は
、それぞれのアーム208,209の開口216内の特徴部(図示せず)にしっかりと係
合するように形作られた外面268を有しているとよい。アーム208,209がコネク
ター260に接続されたとき、タブ266の近位端は、開口216から近位側に突出する
とよい。これによって、タブ266の外面268が開口216内の特徴部から離脱するま
で、タブ266を内方に押し込むことによって、アーム208,209をコネクター26
0から離脱させることができる。各シャフト262は、各開口216内の対応する通路2
72内に受け入れられるように形作られた少なくとも1つの外方突出ボス270も備えて
いるとよい。これによって、対応するアーム208,209に対する各ドッキング部材2
03の回転方位が固定されることになる。
【0047】
各ドッキング部材203は、ブレード部234および係合部236を備えているとよい
。ドッキング部203は、その遠位端274においてそれぞれの接続要素30にしっかり
と係合するように構成されているとよい。これに関連して、ドッキング部材203の遠位
端274は、1つまたは複数(例えば、2つ)のタブ276を備えているとよい。これら
のタブ276は、
図8Bに示されているように、内方に突出し、接続要素30のケージ4
2の外面の対応する構造と係合するように構成されているとよい。ドッキング部材203
の係合部236に位置する各タブ276は、ケージ42のアーム58の縁280に沿った
該当する凹部278に係合するように、構成されているとよい。タブ276は、各々、ド
ッキング部材203の遠位端274に形成された長孔284によって画定された柔軟プロ
ング282に配置されているとよい。タブ276は、各々、ケージ42へのドッキング部
材203の遠位端274の挿入を容易にするために、それらの遠位端に傾斜した面取り部
286を有しているとよい。例えば、面取り部286は、以下のように、すなわち、ドッ
キング部材203の遠位端274がケージ42の近位端54に沿って遠位側に移動すると
き、面取り部286がプロング282を外方に撓ませるように、構成されているとよい。
ドッキング部材203のさらなる遠位側への移動によって、タブ276がケージ42の対
応する凹部278に係合されることになる。いったんタブ276が凹部278内に着座し
たなら、ドッキング部材203の遠位端274は、好ましくは、ケージ42からのドッキ
ング部材203の意図しない離脱を少なくともある程度抑えることになる。すなわち、タ
ブ276の近位端の外面が、望ましくは、凹部278の近位端の外面に係合し、これによ
って、ドッキング部材203が近位側に移動してケージ42から離脱するのを防ぐことが
できる。
【0048】
ドッキング部材203は、好ましくは、その遠位端274が接続要素30のケージ42
に係留したときに通路装置31を受け入れるように構成されている。これに関して、係合
部236は、‘159出願に開示されている管状体と同じように、通路装置31のブレー
ド56を受け入れるための溝または通路を有する管状体を備えていてもよい。他の例では
、
図7〜
図8Aに示されているように、係合部236は、通路装置31の2つのブレード
56の各1つを受け入れるための2つのブレード受容体238を備えていてもよい。ブレ
ード受容体238は、
図4Bに示されているブレード受容体138と同様または同一の構
造を有しているとよい。これに関して、通路装置31の長軸57と直交する面における各
ドッキング部材203の断面は、
図4Bに示されている開創ブレード102の平面図と同
様または同一であってもよい。係合部236が通路装置31の全体に沿って遠位側に延在
し、接続要素30のケージ42に係合する実施形態では、ドッキング部材203のブレー
ド受容体238のブレード受容通路246は、好ましくは、段71の遠位側においてブレ
ード56の広い部分を受け入れるように形作られている。
【0049】
ドッキング部材203をブレード−スクリュー60にさらに固定するために、ドッキン
グ部材203のブレード受容体238は、ブレード56の長さに沿って孔76の1つに係
合するために、内方に延在するボスまたは突起(図示せず)を有する柔軟タブ292を備
えているとよい。各ドッキング部材203のブレード受容体238の各々が、
図7に示さ
れているように、このような1つの柔軟タブ292を備えていてもよいし、または各ドッ
キング部材203の両方のブレード受容体238が1つの柔軟タブ292を備えていても
よい。
【0050】
ドッキング部材203がそれぞれの接続要素30に係留され、ブレード56がブレード
受容体238内に配置されたとき、ドッキング部材203のブレード部234は、望まし
くは、隣接する体組織を開創するために、
図7に示されているように、通路装置31に沿
って配置されている。これに関して、ブレード部234は、好ましくは、通路装置31の
軸57を横切る方向に沿って通路装置31よりも広くなっているとよく、ブレード部23
4は、その幅寸法に沿って円弧状になっているとよい。例えば、ブレード部234は、約
2〜3cmの幅を有しているとよく、ブレード−スクリュー60の通路装置31は、約1
〜1.5cm幅を有しているとよい。また、ブレード部234は、好ましくは、組織がブ
レード56間に画定された通路55に巻き込まれないようにするために、皮膚51の下方
に位置する通路装置31の大部分に沿って延在しているとよい。
図7に示されているよう
に、ブレード部234は、係合部236の全長にわたって延在しているとよく、これによ
って、ドッキング部材203の遠位端274がケージ42に係留されたとき、ブレード部
234の遠位端248が接続要素30のケージ42に近接することになる。ブレード部2
34の遠位端248は、体内へのドッキング部材203の挿入時に組織への外傷を低減さ
せるために、丸められているとよい。例えば、ブレード部234の遠位端248は、
図4
Cに示されている開創ブレード102のブレード部134の遠位端148と同じように形
作られているとよい。他の例では、
図8Aに示されているように、ブレード部234の遠
位コーナ249が丸められていてもよい。好ましくは、ドッキング部材203は、剛性で
あるとよく、これによって、ブレード56がブレード受容体によって受け入れられたとき
、ドッキング部材203がブレード56を安定化させることができ、特に連結具72がブ
レード56に配置されていないとき、ブレード56が接続要素30から時期尚早に離脱す
ることを防ぐことができる。
【0051】
ドッキング部材203がケージ42に係留したとき、係合部236およびブレード部2
34の一方または両方が接続要素30のケージ42まで延在するようになっている実施形
態では、ドッキング部材203の遠位端274は、ケージ42のアーム58間に画定され
た開口290と真っ直ぐに並ぶ長孔288を備えているとよい。
図8Aに示されているよ
うに、長孔288は、ブレード部234の遠位端248を貫通しているとよい。望ましく
は、この長孔288によって、アーム58間に配置されたロッド44は、ブレード部23
4と干渉することなく、開口290を通ってケージ42の外に延出することができる。
【0052】
図7〜
図8Aに示されていないが、ドッキング部材203は、ドッキング部材203の
挿入および取外しを助長するために、
図3A〜
図6の開創ブレード102におけるのと同
様の切抜部および/または孔も備えているとよい。ブレード受容体238は、ドッキング
部材203の近位端252において、係合部236が近位端252に管状部を形成するよ
うに、互いに接続されていてもよい。
【0053】
本発明の実施形態によるシステムは、システムと共に設けられる種々の長さのブレード
−スクリュー60に対応するために、異なる長さのドッキング部材203を備えていても
よい。加えて、図示されていないが、
図7〜
図8Bの圧縮/伸延システムは、
図3A〜図
3Bに示されているようなシャフトと併せて用いられてもよい。このようなシャフトは、
変位力を操作装置から接続要素30に伝達するために、操作装置に直接的または間接的に
接続されるとよい。
【0054】
圧縮/伸延システムの他の実施形態(図示せず)は、ブレード部と係合部とを有する開
創ブレードを備えているとよい。ブレード部は、システム100のブレード部134また
はシステム200のブレード部234と同様または同一であるとよい。しかし、係合部は
、通路装置31および/または接続要素30に係合するように構成されず、開創ブレード
を連結具72の1つ(
図1参照)に取外し可能に固定するように構成されているとよい。
例えば、係合部は、開創ブレードの近位端においてクリップの形態を有しているとよい。
好ましくは、このクリップは、該クリップが連結具72の1つに固定されたとき、開創ブ
レードの近位端が凹部78の遠位端の少なくともいくらか遠位側に位置し、これによって
、前述したように、凹部78を用いて、ロッド44の賦形または選択を妨げることがない
ように、構成されている。望ましくは、連結具72へのこのような開創ブレードの取付け
によって、ブレード56の長さに沿った連結具72に付随する開創ブレードの平行移動に
よって、手術中の融通性を高めることができる。このような開創ブレードは、使い捨て部
品であるとよく、プラスチックまたはポリマーから構成されているとよいが、代替的に、
ステンレス鋼または他の生体適合性材料から作製されていてもよい。
【0055】
圧縮/伸延システムのさらに他の実施形態では、ブレード(システム100または20
0のブレード部134と同様のブレード、または「脊椎手術のための器具および方法」と
いう標題で2011年8月5日に出願された米国仮特許出願第61/515,443号(
‘443出願)に開示されている開創器要素のブレードと同様のブレード)自体が、操作
装置から移植された接続要素30に変位力(例えば、圧縮力または拡張力)を伝達するよ
うになっていてもよい。‘443出願の開示内容は、参照することによって、その全体が
ここに完全に記載されているかのように含まれるものとする。一例では、このような圧縮
/伸延システム400は、複数の開創器要素440を備えているとよく、これらの開創器
要素440の各々は、‘443出願に開示されている垂直方向に細長く延びるブレードと
同様のブレード部442から構成されているとよい。具体的には、
図10Aに示されてい
るように、各ブレード部442は、好ましくは、円弧状の水平断面を有しており、ブレー
ド部442は、凸状の組織係合面444および反対側の凹面446を有している。各ブレ
ード部442は、好ましくは、開創器要素440の遠位端447においてテーパが付され
ており、および/または丸められており、これによって、体内への開創器要素440の挿
入時に組織の外傷を低減させることができる。各開創器要素440は、足またはシャフト
448も備えているとよい。シャフト448は、好ましくは、開創器要素440の遠位端
447に隣接する箇所においてブレード部442に固定され、そこから外方に(例えば、
直角に)延在する短い円筒ロッドの形態にある。各開創器要素440の近位端449は、
外方延長部またはブラケット450を備えているとよい。ブラケット450は、ユニット
としてブレード部442と一体に形成されているとよい。ブラケット450は、開創器要
素440の近位端449に隣接する箇所において、ブレード部442から外方に(例えば
、直角に)延在しているとよい。操作装置に接続されるコネクター452が、
図10Aに
示されているように、各開創器要素440の近位端449において、例えば、ブラケット
450上に設けられているとよい。コネクター452は、例えば、ポストの形態を有して
いてもよいし、または前述したシステム200のコネクター260の形態を有していても
よい。
図10A〜
図10Bに示されていないが、開創器要素440は、開創器要素440
の挿入および取外しを助長するために、
図3A〜
図6の開創ブレード102におけるのと
同様の切抜部および/または孔を備えていてもよい。
【0056】
各開創器要素440のシャフト448は、好ましくは、(ケージ42のアーム58間に
画定された開口290内に嵌入されるように設計された)脊椎固定ロッド44の直径と同
じ直径を有している。これによって、開創器要素440は、
図10Bに示されているよう
に、シャフト448を接続要素30のケージ42の各開口290内に配置し、止めネジ4
5をケージ42のネジ山68に沿って前進させ、これによって、シャフト448、従って
、各開創器要素440をケージ42に固定することによって、各接続要素30にしっかり
と係合されることになる。開創器要素440がこのように接続要素30に係合されたとき
、開創器要素440のブレード部442は、好ましくは、隣接する体組織を開創するため
に、
図10Bに示されているように、各通路装置31に沿って配置されることになる。こ
れに関して、各ブレード部442は、好ましくは、通路装置31の軸57を横切る方向に
沿って通路装置31よりも広くなっている。例えば、ブレード部442は、約2〜3cm
幅を有しているとよく、ブレード−スクリュー60の通路装置31は、約1〜1.5cm
幅を有しているとよい。
【0057】
望ましくは、止めネジ45を開創器要素440のシャフト448に対してしっかりと前
進させることによって、シャフト448がスクリュー32の該当するヘッド35を遠位側
に強く押し込む。この強制的な係合によって、各スクリュー32のヘッド35は、該ヘッ
ド35が嵌入されているケージ42に対して押し込まれ、これによって、望ましくは、ス
クリュー32に対するケージ42の多軸運動が係止されることになる。例えば、各スクリ
ュー32のヘッド35の近位端は、各ケージ42の開口290の遠位端の上方に延在して
いるとよく、これによって、開口290内に位置するシャフト448(またはロッド44
)の遠位側への移動が、スクリューヘッド35をシャフト448(またはロッド44)と
ケージ42の内面との間にクランプすることになる。接続要素30の多軸運動のこの係止
は、椎骨を圧縮または伸延するとき、特に望ましい。
【0058】
開創器要素440は、コネクター452によって、操作装置(図示せぜ)に係合可能に
なっており、これによって、操作装置は、接続要素30が接続された椎骨を変位させるた
めに、開創器要素440を互いに向かってまたは互いから離れるように移動させることが
できる。従って、開創器要素440は、体外に配置された操作装置から体内の椎骨に接続
された接続要素30に変位力(例えば、圧縮力および/または伸延力)を伝達させ、これ
によって椎骨を互いに変位させるための拡張器を構成している。操作装置は、開創器要素
440に係合して開創器要素440を互いに対して変位させるのに適するどのような形態
を有していてもよい。例えば、操作装置は、前述した操作装置106,206の形態を有
していてもよい。
【0059】
本発明の実施形態によるシステムは、該システムと共に設けられる種々の長さのブレー
ド−スクリュー60に対応するために、種々の長さの開創器要素440を備えているとよ
い。
【0060】
圧縮/伸延システム(例えば、
図3A〜
図6のシステム100、
図7〜
図8Bのシステ
ム200、または
図10Aおよび
図10Bのシステム400)のいずれも、付加的な組織
開創と併せて用いられてもよい。すなわち、ブレード部134,234,442によって
もたらされる組織開創に加えて、付加的な開創器ブレードが用いられてもよい。例えば、
図9に略示されているように、システム100、システム200,およびシステム400
のいずれかまたは全てと共に用いられる操作装置306は、互いに隣接する2つのブレー
ド−スクリュー60間に配置された中間開創器ブレード334を備えていてもよい。中間
開創器ブレード334は、中間アーム307によって支持されているとよい。中間アーム
307は、
図9に示されているように、アーム308,309間に配置されているとよい
。アーム308,309は、ブレード−スクリュー60に直接的に連結されていてもよい
し、または間接的に連結されていてもよい。中間アーム307は、操作装置306のラッ
ク310を横切る方向に延在しているとよい。中間アーム307は、中間アーム307の
軸に沿って(すなわち、内/外軸20に沿って)中間開創器ブレード334を移動させる
ように構成されているとよく、および/または中間開創器ブレード334は、旋回可能に
なっているとよく、これによって、ブレード334の近位端と比べて体組織をより大きく
開創するようにブレード334の遠位端を構成することができる。中間アーム307は、
手術部位の補助的な照明をもたらすための光源を支持するようになっているとよい。例え
ば、
図11Aおよび
図11Bに示されているように、中間開創器ブレード334は、1つ
または複数のコネクター394(例えば、中間開創器ブレード334の近位端の各側の1
つのコネクター394)を備えているとよい。コネクター394は、
図11Bに示されて
いるように、照明要素396からの光を外科部位に案内するために、照明要素396(例
えば、光ファイバー照明要素)の遠位端を受け入れるように構成された中空の円筒部品と
して形作られているとよい。操作装置306は、必ずしも
図9に示されているように構成
されていなくてもよく、ブレード−スクリュー60に(直接的または間接的に)係合して
ブレード−スクリュー60を互いに対して変位させる一方、中間開創器造ブレード334
をそれらのブレード−スクリュー60間に設けるのに適するどのような構造が用いられて
もよい。中間開創器ブレード334を有するこのような操作装置306は、椎体間固定術
、例えば、PLIFまたはTLIFを行うときに、特に有利である。
【0061】
本発明の実施形態による例示的な方法では、前述したように、少なくとも2つのブレー
ド−スクリュー60が体内に挿入され、隣接する椎骨に接続されるとよい。次いで、前述
した圧縮/伸延システム(例えば、システム100,200,または400)が、以下の
ように、ブレード−スクリュー60に接続されるとよい。
【0062】
まず、圧縮/伸延システム100または200のいずれかの場合、前述したように、シ
ャフト104がそれぞれのブレード−スクリュー60内に挿入され、かつ螺合される。最
初、スクリュー32に対するケージ42の多軸運動をまだ係止させないために、シャフト
104は、十分に前進されないとよい。これによって、有利には、ブレード−スクリュー
60は、所望の位置に移動および/または傾斜し、隣接する組織を部分的に開創し、また
は隣接する開創された組織に対して所望の輪郭を画定することができる。ブレード−スク
リュー60のこのような運動および/または傾斜は、操作装置の作動によってもたらされ
るとよい。次いで、接続要素30が接続された椎骨を伸延する前に、スクリュー32に対
するケージ42の多軸運動を係止するために、シャフト104が十分に前進されるとよい
。しかし、特に圧縮/伸延システム200を用いるとき、必ずしもシャフト104がブレ
ード−スクリュー60内に挿入される必要がない。
【0063】
また、適切な長さの構成部品が、外科医または他のユーザーによって選択されるとよい
。例えば、患者の特定の生体構造に対して適切な長さを有するそれぞれのブレード部13
4,234,442を有する開創ブレード102,ドッキング部材203,または開創器
要素440が、選択されるとよい。
【0064】
圧縮/伸延システム100の場合、開創ブレード102がブレード−スクリュー60の
通路装置31上を適切な位置まで前進されるとよい。ブレード部134は、
図3Aに示さ
れているように、望ましくは、互いに離れるように配置されているが、各ブレード部13
4は、ケージ42およびケージ42が接続されたブレード56と共に、各スクリュー52
を中心として所望の方位に回転されるようになっているとよい。次いで、操作装置106
のアーム108,109が、シャフト104にしっかりと係合されるとよい。
【0065】
圧縮/伸延システム200の場合、ドッキング部材203は、
図7に示されているよう
に、ブレード−スクリュー60の通路装置31の全体にわたって挿入され、ブレード部2
34が互いに離れて配置した状態で、接続要素30にしっかりと係合されるとよい。ドッ
キング部材203は、コネクター260に取り付けられたアーム208,209に挿入さ
れてもよいし、またはドッキング部材203が挿入された後、操作装置がコネクター26
0に係合されてもよい。
【0066】
圧縮/伸延システム400の場合、開創器要素440は、シャフト448がケージ42
の開口290内に受け入れられるような位置まで前進され、この後、止めネジ45を一組
または複数組の止めネジドライバーによってケージ42内に前進させることによって、ケ
ージ42内に固定されるとよい。開創器要素440がこのように接続要素30に係合され
たとき、開創器要素440のブレード部442は、
図10Bに示されているように、各通
路装置31に沿って配置されるとよい。しかし、通路装置31は、ブレード部442に沿
って配置されなくてもよい。例えば、通路装置31は、開創器要素440が接続要素30
に係合して配置される前または後に、各接続要素30から離脱されてもよい。いずれの場
合も、ブレード部442は、接続要素30の近くにおける組織開創の実質的に全てをもた
らすことになる。ブレード部442は、望ましくは、
図10Bに示されているように、互
いに離れるように配置されるとよいが、各開創要素440は、該開創器要素440が接続
されたケージと共に、各スクリュー52を中心として所望の方位に回転されるようになっ
ているとよい。次いで、操作装置のアームが、コネクター452にしっかりと係合される
とよい。
【0067】
圧縮/伸延システムが設置される前または後に、ブレード−スクリュー60の一方から
他方に延在する切口Iが形成されてもよい。次いで、中間開創器ブレード334が、ブレ
ード−スクリュー60間の切口I内に配置されるとよい。最初、中間開創器ブレード33
4が切口I内に配置され、次いで、中間アーム307に接続されてもよいし、またはブレ
ード334が取り付けられた中間アーム307が、ブレード334が切口I内に配置され
るように、ラック310に接続されてもよい。中間開創器ブレード334が切口I内に配
置される前または後に、照明要素396が中間開創器ブレード334のコネクター394
に接続されてもよい。切口I内に配置された後、中間開創器ブレード334は、切口Iを
拡げ、2つのブレード−スクリュー50が接続された椎骨間の椎間板を含む脊椎10の一
部を露出させるために、移動されるとよい。例えば、中間アーム307は、内/外軸20
に沿って(例えば、ラック310に向かって)中間開創器ブレード334を移動させると
よく、および/または中間開創器ブレード334は、ブレード334の遠位端がブレード
334の近位端に近接する体組織の開創の程度よりも大きい程度に脊椎10に近接する体
組織を開創するように、旋回されるとよい。中間開創器ブレード334を切口I内に配置
している最中におよび/またはブレード334によって切口Iを拡げている最中に、組織
および筋肉の掃引および開創を助長するために、(コブエレベータのような)追加的な工
具が用いられてもよい。切口Iは、望ましくは、中間開創器ブレード334とブレード部
134,234,または442との間に画定されている。しかし、ブレード部をブレード
−スクリュー60に隣接して配置することは、必ずしも必要ではないことに留意されたい
。例えば、圧縮/伸延システム100を用いるとき、
図11A〜
図11Bに示されている
ように、開創ブレード102は、用いられなくてもよい。この場合、
図11Bに示されて
いるように、外科部位の周りの組織は、ブレード−スクリュー60自体および(もし用い
られるなら)中間開創器ブレード334によって開いた状態で保持されることになる。
【0068】
中間開創器ブレード334が配置される前または後に、操作装置が、ブレード−スクリ
ュー60に接続された椎骨を互いに対して変位させるように、作動されるとよい。具体的
には、椎骨は、例えば、変性した椎間板を減圧するために、および/または椎骨間への椎
体間移植片の挿入のための空間を設けるために、互いに離れる方に伸延されるとよい。こ
の伸延は、ブレード部123,234,または442をさらに引き離すことによって、ブ
レード−スクリュー60間の切口Iをさらに拡げるのに役立つことになる。付加的または
代替的に、椎骨間の椎腔を寸法決めするのに用いられるパドル伸延器、リーマ伸延器、お
よび/またはトライアルを用いて、椎腔の初期の伸延または完全な伸延を行い、その後、
必要に応じて、操作装置を作動させて、追加的な伸延を行ってもよい。いったん所望量の
伸延が達成されたなら、椎骨の位置を維持するために、操作装置を係止するとよい。
【0069】
次いで、ブレード−スクリュー60と中間開創器ブレード334との間の切口Iを通し
て、PLIFまたはTLIFのような椎体間固定術が行なわれるとよい。このような椎体
間固定術は、椎骨の一部(椎弓板の一部および/または椎間関節の一部)を除去するステ
ップと、椎間板の少なくとも一部を除去するステップと、椎体間移植片を椎腔内に配置す
るステップと、椎腔内の1つまたは複数の位置および椎腔の周りに骨グラフト材料を施す
ステップと、のいくつかまたは全てを含んでいるとよい。椎体間移植片の例として、同種
骨、ポリエステル・エーテル・ケトン(PEEK)、チタン、または他の生体適合性材料
が挙げられる。加えて、生物製剤が椎腔内に配置されてもよい。
【0070】
椎体間移植片が椎腔内に配置された後、特に椎骨が融合する間に椎骨に安定性をもたら
すために、ロッド44が体内に挿入され、次いで、ケージ42内に固定されるとよい。具
体的には、通路装置31によってもたらされた体組織を通る通路55を用いて、所望の輪
郭を有するロッド44は、該ロッド44がケージ42間に延在するまで、移植された接続
要素30のケージ42に向かって前進されるとよい。ロッド44を挿入するステップは、
(開創ブレード102またはドッキング部材203を備える)圧縮/伸延システム100
,200の1つの構成部品がブレード−スクリュー60を覆って適所に配置された状態で
、行なわれてもよいことに留意されたい。しかし、ロッド44が設置される前に、少なく
ともシャフト104が除去される必要がある。例えば、シャフト104は、椎体間固定術
が完了した後でロッド44が設置される前に、取り外されるとよい。圧縮/伸延システム
400の場合、開創器要素440は、ロッド44を受け入れるケージ42の開口290を
空けるために、(止めネジ45を最初に取り外した後に)取り外される必要がある。しか
し、開創器要素440またはシャフト104が取り外された後、椎体間移植片が椎腔を保
持するのに十分な安定性をもたらすべきである。
【0071】
いったんロッド44がケージ42内に配置されたなら、止めネジ45がケージ42内に
挿入されるとよい。止めネジ45は、通路装置31内に挿入され、‘159出願に開示さ
れているような止めネジドライバーを用いて、ネジ山68および/またはネジ山70に沿
って前進されるとよい。止めネジドライバーは、シャフトと、前進中にドライバーを回転
させるための工具に係合するための近位駆動インターフェイスと、止めネジ45のインタ
ーフェイス(図示せず)と係合するための遠位インターフェイスと、を有しているとよい
。例えば、止めネジ45は、止めネジドライバーシャフトの遠位端の対応する異形突起を
受け入れるための異形凹部(例えば、六角凹部)を備えているとよい。多重止めネジドラ
イバーが設けられてもよく、この場合、各止めネジ45は、それ自体の対応する止めネジ
ドライバーによって挿入されるとよい。止めネジ45が挿入された後、止めネジドライバ
ーが取り外されるとよい。
【0072】
止めネジ45は、最初、ネジ山68および/またはネジ山70に沿って部分的にしか前
進されないとよく、または止めネジ45の1つしかロッド44に対して完全に締付けられ
ないとよく、これによって、椎骨は、互いに対してさらに変位することができる。具体的
には、椎骨は、システム100またはシステム200のような圧縮/伸延システムを用い
て、互いに向かって圧縮されるとよい。他の例では、椎骨を互いに向かって圧縮するため
に、‘159出願に開示されているような圧縮および伸延システムが用いられてもよい。
この場合、開創ブレード102またはドッキング部材203は、このような圧縮および伸
延システムを挿入する前に取り外されるとよい。もしシステム100が圧縮のために用い
られるなら、シャフト104がそれぞれのブレード−スクリュー60内に再挿入され、該
ブレード−スクリュー60に螺合されるとよい。代替的に、システム100を用いて、止
めネジドライバーが通路装置31によって画定された通路55内に残されてもよい。止め
ネジドライバーは、望ましくは、操作装置のアームによる力の付与時にブレード−スクリ
ュー60に強度をもたらすように、かつ操作装置のアームによって付与された力の少なく
とも一部を接続装置30に伝達するのを助長するように構成されているとよい。例えば、
止めネジドライバーは、シャフト104と同じように寸法決めされ、これによって、止め
ネジドライバーは、ブレード−スクリュー60の通路55内に密嵌入されることになる。
従って、止めネジドライバーの遠位インターフェイスが、ブレード−スクリュー60のネ
ジ山68および/またはネジ山70に少なくとも部分的に係合された止めネジ45のイン
ターフェイスに係合したとき、止めネジドライバーは、操作装置のアームによって加えら
れた力の少なくとも一部を接続要素30に伝達することを助長することができる。他の代
替例では、(前述したように)トルクレンチ、例えば、最終締付けに用いられるトルクレ
ンチが、操作装置によって加えられた少なくともいくらかの力を伝達するために、通路5
5内に配置されてもよい。各トルクレンチは、シャフトと、近位駆動インターフェイスと
、遠位インターフェイスとを備える止めネジドライバーと同様の構造を有しているとよい
。トルクレンチは、望ましくは、トルクレンチによって止めネジ45に加えられるトルク
が予選択量(例えば、8Nm(ニュートン・メータ)に制限されている。さらに他の代替
例では、操作装置からの力を伝達させるために、1つの止めネジドライバーおよび1つの
トルクレンチが、ブレードースクリュー60のそれぞれの通路55内に配置されてもよい
。この配置は、特に「一方向」圧縮に用いられてもよい。一方向圧縮では、その圧縮中に
、一方の止めネジ45が締付けられ、他方の止めネジ4が締付けられないようになってお
り、これによって、締付けられていない接続要素30が圧縮中にロッド44に沿って移動
することになる。例えば、止めネジ45の1つがトルクレンチによって最終的に締付けら
れ、その後、トルクレンチは、通路55内の適所に残されてもよいし、または止めネジド
ライバーと置き換えられてもよい。次いで、圧縮されている椎腔の他の側の接続要素の止
めネジ45が、止めネジドライバーによって、ネジ山68および/または止めネジ70に
沿って部分的に挿入され、その後、止めネジドライバーは、通路55内の適所に残されて
もよいし、またはトルクレンチと置き換えられてもよい。次いで、圧縮が操作装置を用い
て行なわれ、その後、締付けられていない止めネジ45が最終的に締付けられるとよい。
【0073】
いったん椎骨がそれらの意図された位置に置かれたなら、止めネジ45が最終的に締付
けられるとよい。このような最終的締付けは、制限されたトルクが加えられることを確実
なものとするために、1つまたは複数のトルクレンチ(図示せず)によって行なわれると
よい。一例では、各止めネジ45は、それ自体の対応するトルクレンチによって、最終的
に締付けられるとよい。トルクレンチは、椎骨を互いに向かって圧縮するステップのよう
な1つまたは複数のステップの早い段階で挿入され、適所に維持されているとよいことに
留意されたい。
【0074】
ロッド44が設置され、および/または止めネジ45が最終的に締付けられる前または
後に、圧縮/伸延システムは、体から取り外されるとよい。これに関して、開創ブレード
102またはドッキング要素203は、手によってまたは工具を用いて、例えば、
図3A
〜
図6に示されているようなこれらの構成部品に設けられた切抜部154および/または
孔156を用いて取り外されるとよい。トルクレンチも、体から取り外されるとよい。こ
れによって、通路装置31をそれぞれの接続要素30から離脱させ、体から取り外すこと
ができる。例えば、ブレード56は、脆弱部62においてブレード56の各々を接続要素
30から破断させることによって、接続要素30から切り離されるとよい。ブレード−ス
クリュー60のブレード56を接続要素から破断させる1つの方法が、‘159出願に記
載されている。代替的に、もしケージ42と別に形成されて離脱可能に接続可能なブレー
ド56が用いられているなら、通路装置31のこれらのブレード56は、接続要素30か
ら個別に切り離され、体から取り外されるとよい。
【0075】
本明細書に記載されている種々の構成部品、例えば、開創ブレード102、シャフト1
04、およびドッキング部材203は、通路装置31のブレード56と相互作用するよう
に設計されているものとして、記載および図示されているが、これらの構成部品は、種々
の形式の通路装置、例えば、カニューレ、タワー、またはポータル(これらのいくつは、
ブレード56を有していない)と相互作用するように設計可能であることを理解されたい
。このような場合、これらの構成要素は、他の形式の通路装置と同じように相互作用する
ように、設計されてもよい。例えば、開創ブレード102およびドッキング部材203の
係合部136,236は、それぞれ、このような他の形式の通路装置と係合するように構
成されてもよく、これらの係合部の内面は、通路装置の対応する構造を受け入れるかまた
は係合するための対応する種々の形状または他の構造を有していてもよい。さらに、シャ
フト104は、このような他の形式の通路装置内に受け入れられるように、構成されても
よい。
【0076】
加えて、種々の構成部品が、多数の部品または部分を有する単一構成部品として図示さ
れ、および/または記載されているが、本発明の他の実施形態では、このような部品また
は部分は、別々の構成部品であってもよく、これらの部品は、互いに接続されていてもよ
いし、または互いに接続されていなくもよいことに留意されたい。
【0077】
本明細書に記載されている種々の構成部品は、好ましくは、体内での使用に安全な材料
から構成されている。一実施形態では、体内に恒久的に移植される構成要素の多く、例え
ば、ブレード−スクリュー60およびロッド44は、チタンまたはチタン合金から構成さ
れているとよい。代替的な一例では、このような恒久的に移植可能な構成部品のいくつか
または全てが、コバルト−クロム合金、例えば、Howmedica Osteonics Corp. からVIT
ALLIUMの登録商標で市販されている材料から構成されているとよい。恒久的に移植
可能な構成部品、例えば、開創ブレード102、シャフト104、ドッキング部材203
、および開創器要素440を移植し、かつ操作するのに用いられる器具のいくつかまたは
全て、および操作装置106,206,306の構成部品は、ステンレス鋼から完全に、
殆ど、または部分的に構成されているとよい。
【0078】
本発明を特定の実施形態を参照して説明してきたが、これらの実施形態は、本発明の原
理および用途の単なる例示にすぎないことを理解されたい。従って、例示的実施形態に対
して多くの修正がなされてもよいこと、および添付の請求項に記載されている本発明の精
神および範囲から逸脱することなく、他の構成が考案されてもよいことを理解されたい。