(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記材料供給部は、前記プッシャを駆動するプッシャ駆動装置または前記スクリュを駆動するスクリュ駆動装置によって前記成形材料を前記材料受給部に供給する速度を調整可能に構成され、
前記装置本体が前記成形材料を前記射出室内に供給する速度に対して前記材料供給部が前記成形材料を前記材料受給部に供給する速度を遅くするように前記プッシャ駆動装置または前記スクリュ駆動装置を制御する制御装置を備えてなる
請求項1に記載の射出装置。
前記装置本体は、前記成形材料を前記射出室内に供給する供給スクリュ、可塑化スクリュまたはインラインスクリュを有し、前記供給スクリュを駆動する供給スクリュ駆動装置、前記可塑化スクリュを駆動する可塑化スクリュ駆動装置または前記インラインスクリュを駆動するインラインスクリュ駆動装置によって前記成形材料を前記射出室内に供給する速度を調整可能に構成され、
前記材料供給部が前記成形材料を前記材料受給部に供給する速度に対して前記装置本体が前記成形材料を前記射出室内に供給する速度を速くするように前記供給スクリュ駆動装置、前記可塑化スクリュ駆動装置または前記インラインスクリュ駆動装置を制御する制御装置を備えてなる
請求項1に記載の射出装置。
前記装置本体は、前記成形材料を前記射出室内に供給する供給スクリュ、可塑化スクリュまたはインラインスクリュを有し、前記供給スクリュを駆動する供給スクリュ駆動装置、前記可塑化スクリュを駆動する可塑化スクリュ駆動装置または前記インラインスクリュを駆動するインラインスクリュ駆動装置によって前記成形材料を前記射出室内に供給する速度を調整可能に構成され、
前記材料受給部に滞留する前記成形材料の量に応じて前記装置本体が前記成形材料を前記射出室内に供給する速度を調整するように前記供給スクリュ駆動装置、前記可塑化スクリュ駆動装置または前記インラインスクリュ駆動装置を制御する制御装置を備えてなる
請求項1に記載の射出装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。特に、本明細書において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報(プログラム、各コンテンツ等)を取り扱うが、これら情報は、0又は1で構成される2進数のビット集合体として信号値の高低によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0010】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0011】
1.実施例1
図1は、本発明の実施形態に係る射出装置101の構成を示した図である。同図に示すように、射出装置101は、材料供給部20と、材料受給部30と、ダイス40とを備え、装置本体10に形成された材料供給口11を介して装置本体10の射出室16内に供給された成形材料を金型m内に射出する。ダイス40は、材料供給部20と材料受給部30との間に設けられ、材料供給部20から材料受給部30へ貫通する少なくとも1つの貫通孔を有する。材料供給部20は、ダイス40を介して材料受給部30に成形材料を供給可能に構成される。材料受給部30は、ダイス40を介して供給された成形材料を材料供給口11へ誘導可能に構成される。
【0012】
なお、装置本体10、材料供給部20、材料受給部30及びダイス40を含む射出装置101は、成形材料を加熱する必要があれば、必要な箇所に加熱装置、例えば、ヒータ又は加熱媒体が流れる配管などを設けるとよい。また、装置本体10、材料供給部20、材料受給部30及びダイス40を含む射出装置101は、成形材料を冷却する必要があれば、必要な箇所に冷却装置、例えば、冷却媒体が流れる配管などを設けるとよい。
【0013】
詳細に説明すると、装置本体10は、材料供給口11と、供給シリンダ12と、供給スクリュ13と、ジャンクション14と、連通路14aと、ノズル15と、射出室16と、射出シリンダ17と、射出プランジャ18とを備える。なお、ジャンクション14、ノズル15、射出シリンダ17は、説明の都合上、それぞれ、断面を示している。供給シリンダ12と射出シリンダ17は、ジャンクション14によって連結されている。供給シリンダ12の中と射出シリンダ17の中は、ジャンクション14の中に形成されている連通路14aによって連通されている。
【0014】
供給シリンダ12は、材料供給口11が形成されていて、供給スクリュ13を回転可能に収容する。供給スクリュ13は、回転することで材料供給口11から誘導された成形材料を連通路14aを介して射出シリンダ17の中に供給する。供給スクリュ13は、後述する供給スクリュ駆動装置131(
図1では不図示)により回転させられる。回転する供給スクリュ13は、供給スクリュ13の基部から先端部に向かう方向に成形材料を送り出す。供給スクリュ13は、回転速度を速めれば、材料供給口11から誘導された成形材料を射出室16内に送り出す速度を速めることができる。
【0015】
射出シリンダ17は、供給シリンダ12から連通路14aを介して供給された成形材料を収容する射出室16が形成されていて、射出プランジャ18を前後に移動可能に収容する。射出室16は、射出プランジャ8の前方に形成されて、射出プランジャ18が前後に移動することで容積が増減する。射出プランジャ18は、後退することで射出室16内に成形材料を計量し、前進することでノズル15を介して射出室16内の成形材料を金型m内に射出する。前進とは、射出プランジャ18が金型mの方向に移動することで、後退とは、その反対方向に移動することである。また、射出プランジャ18は、後述する射出プランジャ駆動装置181(
図1では不図示)により移動させられる。連通路14aは、逆流防止装置(
図1では不図示)によって計量時に開かれて、射出時に閉じられる。逆流防止装置は、例えば、供給スクリュ13を前進させて、供給スクリュ13の先端で連通路14aの供給シリンダ12側開口を閉じて、供給スクリュ13を後退させて、供給スクリュ13の先端を連通路14aの供給シリンダ12側開口から離して、供給シリンダ12側開口を開く。また、逆流防止装置は、連通路14aの流路途中に設けられたロータリ弁又はチェック弁などの弁機構でもよい。なお、ジャンクション14、ノズル15については、ここでのより詳細な説明は省略する。
【0016】
材料供給部20は、材料排出口21と、シリンダ22と、プッシャ23とを備える。なお、シリンダ22は、説明の都合上、断面を示している。
【0017】
材料排出口21は、シリンダ22内に収容されている成形材料であるゴム又はシリコンゴムsの排出口であり、ダイス40が取り付けられている。このダイス40は、着脱可能である。
【0018】
シリンダ22は、成形材料であるゴム又はシリコンゴムsを収容し、プッシャ23を前後に移動可能に収容する。シリンダ22は、外部からシリンダ22の中にゴム又はシリコンゴムsが供給される。例えば、シリンダ22は、所定の位置に材料供給口(
図1では不図示)が形成されていてもよい。また例えば、シリンダ22は、一端部に材料排出口21が形成されていて、他端部に着脱可能な蓋部材(
図1では不図示)が取り付けられていてもよい。蓋部材は、プッシャ23を前後に移動可能に貫通させて、プッシャ23と一緒に取り外すことでシリンダ22の中に成形材料であるゴム又はシリコンゴムsを供給するようにしてもよい。
【0019】
プッシャ23は、前進することでシリンダ22内の成形材料であるゴム又はシリコンゴムsを、ダイス40を介して材料受給部30に押し出す。プッシャ23は、前進する速度を速めれば、シリンダ22内の成形材料を材料受給部30内に送り出す速度を速めることができる。前進とは、プッシャ23が材料排出口21(ダイス40)の方向に移動することで、後退とは、その反対方向に移動することである。また、プッシャ23は、後述するプッシャ駆動装置231(
図1では不図示)により移動させられる。
【0020】
材料受給部30には、材料導入口32と材料導出口33とが設けられている。ダイス40から押し出された成形材料であるゴム又はシリコンゴムsは、材料導入口32から材料受給部30の内部に入り、材料受給部30の内部を通過して、材料導出口33から装置本体10の材料供給口11へと誘導される。材料受給部30は、例えば、チャンバ31であるとよい。チャンバ31の材料導入口32は、材料供給部20の材料排出口21に接続されている。チャンバ31の材料導入口32は、材料供給部20の材料排出口21に取り付けられているダイス40に接続されていてもよい。材料排出口21及びダイス40は、材料導入口32から材料受給部30の内部に突き出していてもよい。材料導入口32は、チャンバ31の任意の箇所に設けることができるが、好ましくは、チャンバ31の上面又は側面上方に設けられるとよい。
図1では、例えば材料導入口32をチャンバ31の上面に設けられている場合を示している。チャンバ31の材料導出口33は、装置本体10の材料供給口11に接続されている。材料導出口33は、チャンバ31の任意の箇所に設けることができるが、好ましくは、チャンバ31の下面又は側面下方に設けられるとよい。さらにチャンバ31は、減圧口34が設けてられていてもよい。射出装置101は、減圧装置35(
図1では不図示)を備えてもよい。例えば、減圧口34には、減圧装置35が接続され、チャンバ31の内部は、減圧装置35により減圧されている。なお、減圧口34は、チャンバ31の任意の箇所に設けることができるが、好ましくは、チャンバ31の上面又は側面上方、つまり、ダイス40又はダイス40が取り付けられる材料排出口21よりも上方に設けることとなる。これは、チャンバ31の内部を通過する成形材料であるゴム又はシリコンゴムsが減圧装置35によるチャンバ31内の減圧に伴って減圧装置35に吸引され難くするためである。またこれは、チャンバ31内に滞留した成形材料であるゴム又はシリコンゴムsが減圧装置35によるチャンバ31内の減圧に伴って減圧装置35に吸引され難くするためである。
【0021】
ダイス40は、成形材料であるゴム又はシリコンゴムsが材料供給部20を出てから材料受給部30に入るまでの間に設けられているとよい。ダイス40は、例えば、材料供給部20の材料排出口21に設けられているとよい。このダイス40は、材料排出口21に着脱可能に構成されるとよい。
【0022】
ここで、ダイス40の詳細を数例説明する。
図2は、ダイス40の上面を示した図である。なお、ダイス40の上面は、材料排出口21に接する面である。
【0023】
ダイス40aは、端部断面が円形である貫通孔401を複数有するものである。このダイス40aを用いた場合、ゴム又はシリコンゴムsは、糸状となって材料排出口21から排出される。ゴム又はシリコンゴムsに空気などのガスが混入していた場合、減圧されたチャンバ31内で、ゴム又はシリコンゴムs内の空気などのガスが膨張してゴム又はシリコンゴムsの一部が割れる、裂ける又は破れるなどして、ゴム又はシリコンゴムs内から空気などのガスが抜けることになる。
【0024】
ダイス40bは、端部断面が長方形である貫通孔402を複数有するものである。このダイス40bを用いた場合、ゴム又はシリコンゴムsは、帯状となって材料排出口21から排出される。ゴム又はシリコンゴムsに空気などのガスが混入していた場合、減圧されたチャンバ31内で、ゴム又はシリコンゴムs内の空気などのガスが膨張してゴム又はシリコンゴムsの一部が割れる、裂ける又は破れるなどして、ゴム又はシリコンゴムs内から空気などのガスが抜けることになる。
【0025】
ダイス40は、着脱可能であるため、ゴム又はシリコンゴムsの性質や射出室16からの射出の間隔等に応じて、適切なものを選択することが可能となる。
【0026】
また、ダイス40cは、端部断面が連続したS字形状を有する貫通孔403を有するものである。このダイス40cは、調整機構404を有しており、貫通孔403の大きさを調整可能に構成されている。調整機構404は、例えば、ねじにより、貫通孔403の幅を変更することが可能なもので、ダイス40cを材料排出口21に装着した状態で、貫通孔403の幅を変更することができる。
【0027】
ここで、チャンバ31を貫通孔403の幅の調整に対応させる場合の例を説明する。
図3は、チャンバ31を貫通孔403の幅の調整に対応させる場合を説明するための図である。また
図3は、チャンバ31の減圧口34に接続されている減圧装置35も示す。
【0028】
同図に示すように、チャンバ31には、調整口37を設ける。この調整口37は、チャンバ31内が減圧されている場合には、キャップ38が装着されている。一方、貫通孔403の幅を調整する際には、チャンバ31内を常圧にした後に、キャップ38を取り外し、調整口37から調整工具405をチャンバ31内に差し入れて貫通孔403の幅の調整を行う。
【0029】
なお、ここで、ダイス40の上面が円形又は略円形であるものを説明したが、ダイス40の形状は、これに限らず、例えば、上面の形状が方形や楕円であるものを利用することができる。もちろん、その場合には、材料排出口21の形状も、ダイス40の形状に合わせることとなる。また、ここで、端部断面が円形の貫通孔401、長方形の貫通孔402及び連続したS字形状の貫通孔403を形成したダイス40を説明したが、ダイス40に形成された貫通孔の端部断面の形状は、これに限らず、減圧されたチャンバ31内でゴム又はシリコンゴムs内の空気などのガスが膨張してゴム又はシリコンゴムsの一部が割れる、裂ける又は破れるなどして、ゴム又はシリコンゴムs内から空気などのガスが抜ければ、各種形状を採用してもよい。また、ここで、ねじにより貫通孔403の幅を変更する調整機構404を説明したが、調整機構404は、これに限らず、貫通孔403の幅を変更することができれば、各種機構を採用してもよい。また、調整機構404は、単にスペーサでもよい。貫通孔の幅は、ダイス40を形成する2つの分割体の間に挟まれたスペーサの厚みによって設定されてもよい。スペーサは、厚みの異なるものが複数用意されて、必要な貫通孔の幅になるように選択的にダイス40に取り付けられるとよい。また、ここで、端部断面が連続したS字形状の貫通孔403の幅のサイズを変更する調整機構404を説明したが、調整機構404は、これに限らず、例えば、端部断面が円形の貫通孔401の内径のサイズ、及び、端部断面が長方形の貫通孔402の幅のサイズなどのような貫通孔の端部断面の各種形状における所定のサイズを変更するようにし、そのサイズを変更可能にする各種機構を採用してもよい。
【0030】
また、射出装置101は、
図1には示していない制御装置1を備える。ここで、制御装置1について説明する。
図4は、制御装置1と、制御装置1に接続される他の構成部との関係を示したブロック図である。
【0031】
同図に示すように、制御装置1は、プッシャ駆動装置231、材料量検出部36、減圧装置35、供給スクリュ駆動装置131、射出プランジャ駆動装置181の各部と電気的に接続される。制御装置1は、例えば、供給スクリュ駆動装置131を制御して、成形材料を射出室16内に供給する速度を制御することができる。したがって、装置本体10は、成形材料を射出室16内に供給する速度を調整可能に構成することができる。なお、詳細は後述するが、材料量検出部36は、必ずしも必要な構成ではない。また、減圧装置35、供給スクリュ駆動装置131、射出プランジャ駆動装置181は、いずれも、制御装置1とは異なる1又は複数の制御手段により制御するようにしてもよい。また、減圧装置35は、チャンバ31内の圧力を一定の圧力以下に常に維持できれば、単独で制御されてもよい。
【0032】
プッシャ駆動装置231は、プッシャ23を移動させ、ゴム又はシリコンゴムsを材料排出口21から押し出す。減圧装置35は、チャンバ31の内部を減圧させる。減圧装置35は、例えば、真空ポンプである。供給スクリュ駆動装置131は、供給スクリュ13を回転させ、成形材料を射出シリンダ17に供給させる。射出プランジャ駆動装置181は、射出プランジャ18を移動させ、射出室16内の成形材料を射出させる。
【0033】
制御装置1は、プッシャ駆動装置231を制御して、成形材料を材料受給部30に供給する速度を制御する。したがって、材料供給部20は、成形材料を材料受給部30に供給する速度を調整可能に構成されることとなる。
【0034】
制御装置1は、例えば、装置本体10が成形材料を射出室16内に供給する速度よりも材料供給部20が成形材料を材料受給部30に供給する速度の方が遅くなるように、装置本体10又は材料供給部20のうちの少なくとも一方を制御するとよい。好ましくは、制御装置1は、例えば、装置本体10が成形材料を射出室16内に供給する速度に対して、材料供給部20が成形材料を材料受給部30に供給する速度を遅くするように、材料供給部20を制御するとよい。制御装置1は、例えば、装置本体10が成形材料を射出室16内に供給する速度に対して、材料供給部20が成形材料を材料受給部30に供給する速度を遅くするように、プッシャ駆動装置231を介してプッシャ23の移動速度を制御することができる。制御装置1は、例えば、材料供給部20が成形材料を材料受給部30に供給する速度に対して、装置本体10が成形材料を射出室16内に供給する速度を速くするように、供給スクリュ駆動装置131を介して供給スクリュ13の回転速度を制御することができる。
【0035】
また制御装置1は、例えば、材料受給部30に滞留する成形材料の量に応じて装置本体10が成形材料を射出室16内に供給する速度又は材料供給部20が成形材料を材料受給部30に供給する速度のうちの少なくとも一方を調整するように制御するとよい。好ましくは、制御装置1は、例えば、材料受給部30に滞留する成形材料の量に応じて材料供給部20が成形材料を材料受給部30に供給する速度を調整するように制御するとよい。制御装置1は、例えば、材料受給部30に滞留する成形材料の量に応じて材料供給部20が成形材料を材料受給部30に供給する速度を調整するように制御することもできる。制御装置1は、例えば、材料受給部30に滞留する成形材料の量に応じて装置本体10が成形材料を射出室16内に供給する速度を調整するように制御することもできる。この場合には、制御装置1に、材料量検出部36を接続する必要がある。材料量検出部36は、材料受給部30のチャンバ31内に滞留する成形材料の量を検出するもので、例えば、光センサ等が用いられる。
【0036】
ここで、制御装置1が材料受給部30に滞留する成形材料の量に応じて成形材料の供給速度を制御する場合の動作を説明する。
図5は、制御装置1の動作の流れを示すアクティビティ図である。
【0037】
制御装置1は、動作を開始すると、まず、プッシャ駆動装置231を制御してプッシャ23を第1の速度で移動させる(A101)。そして、射出装置101の運転が継続している間、材料量検出部36が検出するチャンバ31内に滞留する成形材料の量が第1の量未満であれば、そのままプッシャ23を第1の速度で移動させる。
【0038】
その後、材料量検出部36が検出するチャンバ31内に滞留する成形材料の量が第1の量以上になると、制御装置1は、プッシャ駆動装置231を制御してプッシャ23を第2の速度で移動させる(A102)。第2の速度は、第1の速度よりも遅い速度であり、速度0、つまり、プッシャ23を停止させてもよい。そして、射出装置101の運転が継続している間、材料量検出部36が検出するチャンバ31内に滞留する成形材料の量が第2の量以上であれば、そのままプッシャ23を第2の速度で移動させる。第2の量は、第1の量よりも少ない量である。
【0039】
その後、材料量検出部36が検出するチャンバ31内に滞留する成形材料の量が第2の量未満になると、制御装置1は、プッシャ駆動装置231を制御してプッシャ23を第1の速度で移動させる(A101)。
【0040】
また、制御装置1は、射出装置101の運転が停止されると、プッシャ駆動装置231を制御してプッシャ23の移動を停止させる。
【0041】
なお、プッシャ23の移動速度の調整をオペレータが手動で行うことも可能であり、この場合には、チャンバ31にガラス等の光を透過する素材を用いた窓を設けることになる。オペレータは、チャンバ31内の成形材料の量をチャンバ31に設けた窓から視認できる。また、材料量検出部36は、窓を介してチャンバ31内に滞留する成形材料の量を検出することもできる。
【0042】
装置本体10は、供給シリンダ12と射出シリンダ17とを有し、一般にプリプラ方式と称される射出装置である。また、後述される装置本体60も可塑化シリンダ62と射出シリンダ67とを有するプリプラ方式の射出装置である。プリプラ方式は、後述されるインライン方式に比べて計量の精度が高く、成形サイクル毎に金型m内に射出される成形材料の充填量のばらつきが小さい。本発明の装置本体としてプリプラ方式を採用すれば、不要な空気などのガスが除去されたあとの成形材料をより高い精度で計量して金型m内に射出することができるので、例えば、成形サイクル毎に成形される成形品は、重量のばらつきがより抑えられて、歩留まりがより向上するとともに品質もより向上する。
【0043】
2.実施例2
図6は、本発明の実施形態に係る射出装置102の構成を示した図である。同図に示すように、射出装置102は、材料供給部50と、材料受給部30と、ダイス40とを備え、装置本体10に形成された材料供給口11を介して装置本体10の射出室16内に供給された成形材料を金型mに射出する。なお、装置本体10と、材料受給部30、ダイス40の構成は、実施例1(
図1参照)の場合と同様であるため、ここでは、材料供給部50についてのみ説明する。
【0044】
同図に示すように、材料供給部50は、材料排出口51と、シリンダ52と、スクリュ53とを備える。なお、シリンダ52は、説明の都合上、断面を示している。
【0045】
材料排出口51は、スクリュ53によりシリンダ52から押し出されるゴム又はシリコンゴムsの排出口であり、ダイス40が取り付けられている。このダイス40は、着脱可能である。例えば、材料受給部30がチャンバ31であれば、材料排出口51又はダイス40は、チャンバ31の材料導入口32に接続されているとよい。また例えば、材料受給部30がチャンバ31であれば、材料排出口51及びダイス40は、材料導入口32からチャンバ31の内部に突き出していてもよい。
【0046】
シリンダ52は、成形材料であるゴム又はシリコンゴムsを収容し、スクリュ53を回転可能に収容する。
図6では、例えば、スクリュ53の軸方向が上下方向に向くように、シリンダ52及びスクリュ53が配置されている場合を示している。
【0047】
スクリュ53は、回転することでシリンダ52内の成形材料であるゴム又はシリコンゴムsを、ダイス40を介して材料受給部30に押し出す。スクリュ53は、回転速度を速めれば、シリンダ52内の成形材料を材料受給部30内に送り出す速度を速めることができる。なお、ゴム又はシリコンゴムsは、リボン状に形成されているものである。
【0048】
このスクリュ53は、図示しないスクリュ駆動装置により回転させられる。このスクリュ駆動装置も、前述したプッシャ駆動装置231と同様に、制御装置1により制御され、装置本体10が成形材料を射出室16内に供給する速度に対して、材料供給部50が成形材料を材料受給部30に供給する速度を遅くするようにしたり、材料供給部50が材料受給部30に滞留する成形材料の量に応じて成形材料を材料受給部30に供給する速度を調整するようすることができる。
3.実施例3
図7は、本発明の実施形態に係る射出装置103の構成を示した図である。同図に示すように、射出装置103は、材料供給部50と、材料受給部30と、ダイス40とを備え、装置本体10に形成された材料供給口11を介して装置本体10の射出室16内に供給された成形材料を金型mに射出する。なお、射出装置103は、実施例2(
図6参照)の射出装置102と、材料供給部50の配置と材料受給部30の材料導入口32の配置が異なるのみであるため、詳細な説明については省略する。
図7では、例えば、材料導入口32をチャンバ31の側面上方に設けている場合を示している。また
図7では、例えば、スクリュ53の軸方向が左右方向に向くように、シリンダ52及びスクリュ53が配置されている場合を示している。
4.実施例4
図8は、本発明の実施形態に係る射出装置104の構成を示した図である。同図に示すように、射出装置104は、材料供給部70と、材料受給部30と、ダイス40とを備え、装置本体60に形成された材料供給口61を介して装置本体60の射出室66内に供給された成形材料を金型mに射出する。材料供給部70は、ダイス40を介して材料受給部30に成形材料を供給可能に構成される。装置本体60の材料供給口61は、例えば、材料受給部30がチャンバ31であれば、チャンバ31の材料導出口33に接続されているとよい。なお、装置本体60、材料供給部70、材料受給部30及びダイス40を含む射出装置104は、成形材料を加熱する必要があれば、必要な箇所に加熱装置、例えば、ヒータ又は加熱媒体が流れる配管などを設けるとよい。また、装置本体60、材料供給部70、材料受給部30及びダイス40を含む射出装置104は、成形材料を冷却する必要があれば、必要な箇所に冷却装置、例えば、冷却媒体が流れる配管などを設けるとよい。なお、材料受給部30とダイス40は、実施例1(
図1参照)の場合と同様のものであるため、ここでの説明は省略する。
図8では、例えば、材料導入口32をチャンバ31の上面に設けている場合を示している。また
図8では、例えば、スクリュ73の軸方向が左右方向に向くように、シリンダ72及びスクリュ73が配置されている場合を示している。
【0049】
装置本体60は、材料供給口61と、可塑化シリンダ62と、可塑化スクリュ63と、ジャンクション64と、ノズル65と、射出室66と、射出シリンダ67と、射出プランジャ68とを備える。なお、ジャンクション64、ノズル65、射出シリンダ67は、説明の都合上、それぞれ、断面を示している。可塑化シリンダ62と射出シリンダ67は、ジャンクション64によって連結されている。可塑化シリンダ62の中と射出シリンダ67の中は、ジャンクション64の中に形成されている連通路64aによって連通されている。
【0050】
可塑化シリンダ62は、材料供給口61が形成されていて、可塑化スクリュ63を回転可能に収容する。可塑化スクリュ63は、回転することで材料供給口61から誘導された成形材料を、連通路64aを介して可塑化して溶融するとともに射出シリンダ67の中に供給する。可塑化スクリュ63は、図示しない可塑化スクリュ駆動装置により回転させられる。回転する可塑化スクリュ63は、可塑化スクリュ63の基部から先端部に向かう方向に成形材料を送り出す。射出シリンダ67は、可塑化シリンダ62と連通路64aを介してから供給された溶融状態の成形材料を収容する射出室66が形成されていて、射出プランジャ68を前後に移動可能に収容する。射出室66は、射出プランジャ8の前方に形成されて、射出プランジャ68が前後に移動することで容積が増減する。射出プランジャ68は、後退することで射出室66内の溶融状態の成形材料を計量し、前進することでノズル15を介して射出室66内の溶融状態の成形材料を金型m内に射出する。前進とは、射出プランジャ68が金型mの方向に移動することで、後退とは、その反対方向に移動することである。また、射出プランジャ68は、図示しない射出プランジャ駆動装置により移動させられる。連通路64aは、逆流防止装置(
図8では不図示)によって計量時に開かれて、射出時に閉じられる。逆流防止装置は、例えば、可塑化スクリュ63を前進させて、可塑化スクリュ63の先端で連通路64aの可塑化シリンダ62側開口を閉じて、可塑化スクリュ63を後退させて、可塑化スクリュ63の先端を連通路64aの可塑化シリンダ62側開口から離して、可塑化シリンダ62側開口を開く。また、逆流防止装置は、連通路64aの流路途中に設けられたロータリ弁又はチェック弁などの弁機構でもよい。なお、ジャンクション64、ノズル65については、ここでのより詳細な説明は省略する。
【0051】
材料供給部70は、材料排出口71と、シリンダ72と、スクリュ73と、ホッパ74とを備える。なお、シリンダ72及びホッパ74は、説明の都合上、断面を示している。
【0052】
材料排出口71は、シリンダ72内に収容されている成形材料である熱可塑性樹脂rの排出口であり、ダイス40が取り付けられている。このダイス40は、着脱可能である。例えば、材料受給部30がチャンバ31であれば、材料排出口71又はダイス40は、チャンバ31の材料導入口32に接続されているとよい。また例えば、材料受給部30がチャンバ31であれば、材料排出口71及びダイス40は、材料導入口32からチャンバ31の内部に突き出していてもよい。
【0053】
シリンダ52は、成形材料である熱可塑性樹脂rを収容し、スクリュ73を回転可能に収容する。
【0054】
スクリュ73は、回転することでシリンダ72内の成形材料である熱可塑性樹脂rを、ダイス40を介して材料受給部30に押し出す。また、スクリュ73は、図示しないスクリュ駆動装置により移動させられる。
【0055】
なお、スクリュ73で熱可塑性樹脂rの可塑化を行ってもよいが、装置本体60の可塑化スクリュ63で可塑化が行われるため、ここでは、完全な可塑化は必要ない。
【0056】
また、スクリュ73は、図示しないスクリュ駆動装置により回転させられる。このスクリュ駆動装置も、前述したプッシャ駆動装置231と同様に、制御装置1により制御され、装置本体60が成形材料を射出室66内に供給する速度に対して、材料供給部70が成形材料を材料受給部30に供給する速度を遅くするようにしたり、材料供給部70が材料受給部30に滞留する成形材料の量に応じて成形材料を材料受給部30に供給する速度を調整するようすることができる。
【0057】
5.実施例5
図9は、本発明の実施形態に係る射出装置105の構成を示した図である。同図に示すように、射出装置105は、材料供給部20と、材料受給部30と、ダイス40とを備え、装置本体80に形成された材料供給口81を介して装置本体80の射出室84内に供給された成形材料を金型mに射出する。装置本体80の材料供給口81は、例えば、材料受給部30がチャンバ31であれば、チャンバ31の材料導出口33に接続されているとよい。なお、装置本体80、材料供給部20、材料受給部30及びダイス40を含む射出装置105は、成形材料を加熱する必要があれば、必要な箇所に加熱装置、例えば、ヒータ又は加熱媒体が流れる配管などを設けるとよい。また、装置本体80、材料供給部20、材料受給部30及びダイス40を含む射出装置105は、成形材料を冷却する必要があれば、必要な箇所に冷却装置、例えば、冷却媒体が流れる配管などを設けるとよい。なお、材料供給部20と、材料受給部30、ダイス40の構成は、実施例1(
図1参照)の場合と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0058】
装置本体80は、材料供給口81と、射出シリンダ82と、インラインスクリュ83、射出室84、ノズル85とを有するもので、一般にインライン方式と称される射出装置である。
【0059】
射出シリンダ82は、材料供給口81が形成されていて、インラインスクリュ83を回転可能にかつ前後に移動可能に収容する。インラインスクリュ83は、図示しないインラインスクリュ回転駆動装置により回転させられる。回転するインラインスクリュ83は、材料供給口81から誘導された成形材料をインラインスクリュ83の基部から先端部に向かう方向に送り出す。インラインスクリュ83は、回転速度を速めれば、材料供給口81から誘導された成形材料を射出室84内に送り出す速度を速めることができる。回転するインラインスクリュ83によって送り出された成形材料は、射出シリンダ82の中に形成された射出室84の中に収容されるとともにインラインスクリュ83を後退させる。射出室84は、射出シリンダ82内に形成されるとともにインラインスクリュ83の前方に形成されて、インラインスクリュ83が前後に移動することで容積が増減する。
【0060】
ノズル85は、射出シリンダ82の先端部に取り付けられている。インラインスクリュ83は、回転しながら後退することで射出室内の成形材料を計量し、回転を停止してから前進することでノズル85を介して射出室84内の成形材料を金型m内に射出する。前進とは、インラインスクリュ83が金型mの方向に移動することで、後退とは、その反対方向に移動することである。また、インラインスクリュ83は、図示しないインラインスクリュ前後駆動装置により移動させられる。インラインスクリュ83は、先端部にチェックリング83aが取り付けられている。チェックリング83aは、インラインスクリュ83に対して前後に移動する。チェックリング83aは、インラインスクリュ83が回転しながら後退する際に、所定の位置まで前進して射出室84内に成形材料を収容することを許容し、インラインスクリュ83が回転を停止したあと前進する際に、所定の位置まで後退して射出室84内の成形材料がチェックリング83aの後方に漏れることを防止する。ただし、射出室84内の成形材料は、チェックリング83aが所定の位置まで前進した状態でインラインスクリュ83が前進を開始してから、チェックリング83aが所定の位置まで後退するまでの短い期間に、チェックリング83aの後方にわずかに漏れる場合がある。なお、射出装置105のより詳細な動作については、上述の説明から類推可能であるため、説明は省略する。
【0061】
6.実施例6
図10は、本発明の実施形態に係る射出装置106の構成を示した図である。同図に示すように、射出装置106は、材料供給部50と、材料受給部30と、ダイス40とを備え、装置本体80に形成された材料供給口81を介して装置本体80の射出室84内に供給された成形材料を金型mに射出する。なお、射出装置106は、実施例2(
図6参照)と実施例5(
図9参照)の組み合わせであるため、詳細な説明は省略する。
【0062】
7.実施例7
図11は、本発明の実施形態に係る射出装置107の構成を示した図である。同図に示すように、射出装置107は、材料供給部50と、材料受給部30と、ダイス40とを備え、装置本体80に形成された材料供給口81を介して装置本体80の射出室84内に供給された成形材料を金型mに射出する。なお、射出装置107は、実施例3(
図7参照)と実施例5(
図9参照)の組み合わせであるため、詳細な説明は省略する。
【0063】
8.実施例8
図12は、本発明の実施形態に係る射出装置108の構成を示した図である。同図に示すように、射出装置108は、材料供給部70と、材料受給部30と、ダイス40とを備え、装置本体80に形成された材料供給口81を介して装置本体80の射出室84内に供給された成形材料を回転かつ後退するインラインスクリュ83によって可塑化して溶融したあと、溶融状態の成形材料を前進するインラインスクリュ83によって金型mに射出する。なお、射出装置108は、実施例4(
図8参照)と実施例5(
図9参照)の組み合わせであるため、詳細な説明は省略する。
【解決手段】装置本体10に形成された材料供給口11を介して前記装置本体の射出室16内に供給された成形材料を射出する射出装置101であって、ダイス40と、材料供給部20と、材料受給部30とを備え、前記ダイスは、前記材料供給部と前記材料受給部との間に設けられ、前記材料供給部から前記材料受給部へ貫通する少なくとも1つの貫通孔を有し、前記材料供給部は、前記ダイスを介して前記材料受給部に成形材料を供給可能に構成され、前記材料受給部は、前記ダイスを介して供給された前記成形材料を前記材料供給口へ誘導可能に構成される射出装置。