(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記乾燥マットは、前記チューブが内側となるように折り畳んだ状態で、重なり合う前記外包シートを固定する第2の固定部を有することを特徴とする請求項1に記載の布団乾燥機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の構成では、小物の乾燥時に、布団乾燥マットを略半分に折り畳んで固定する際に、2対の固定部を貼り合わせなければならず、手間がかかるという課題があった。
【0005】
また、小物乾燥時に、布団乾燥マットの床面との接触面から床面に逃げる熱のロスが大きく、乾燥性能が低減するという課題があった。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決する為になされたもので、布団と小物の乾燥の使い分けおよび乾燥作業が容易で、乾燥性能の高い布団乾燥機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するためには、温風を発生させる本体と、本体が発生する温風を内部に取り込み布団を乾燥させる乾燥マットと、本体と乾燥マットを接続するホースとを備えた布団乾燥機において、乾燥マットは、布団の表面から裏面を覆う外包シートと、複数の開口を有する非通気生地からなる風路となるチューブとを有し、チューブは、外包シートの面に重なるように装着され、外包シートは、外包シートの端部が、外包シートのチューブが装着されている面の反対側の面に
着脱自在に固定する第1の固定部を有するように構成すればよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、布団と小物の乾燥の使い分けおよび乾燥作業が容易で、乾燥性能の高い布団乾燥機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施の形態1の布団乾燥機の外包シートの斜視図である。
【
図2】本発明の実施の形態1の布団乾燥機の布団乾燥運転時の掛け布団を除く斜視図である。
【
図3】本発明の実施の形態1の布団乾燥機の布団乾燥運転時の掛け布団を除く分解斜視図である。
【
図4】本発明の実施の形態1の布団乾燥機の温風供給口周辺の縦断面の説明図である。
【
図5】本発明の実施の形態1の布団乾燥機の乾燥運転状態における縦断面の説明図である。
【
図6】本発明の実施の形態1の布団乾燥機の乾燥運転状態における横断面の説明図である。
【
図7】本発明の実施の形態1の布団乾燥機の外包シートの開口周辺端部を上側に折り畳んだ状態の斜視図である。
【
図8】本発明の実施の形態1の布団乾燥機の布団乾燥マットの簡易装着方法による乾燥運転状態における縦断面の説明図である。
【
図9】本発明の実施の形態1の布団乾燥機の布団乾燥マットの簡易装着方法による乾燥運転状態における横断面の説明図である。
【
図10】本発明の実施の形態1の布団乾燥機の衣類などの小物乾燥時の準備手順(1)を示す説明図である。
【
図11】本発明の実施の形態1の布団乾燥機の衣類などの小物乾燥時の準備手順(2)を示す説明図である。
【
図12】本発明の実施の形態1の布団乾燥機の衣類などの小物乾燥時の準備手順(3)を示す説明図である。
【
図13】本発明の実施の形態1の布団乾燥機の衣類などの小物乾燥時の斜視図である。
【
図14】本発明の実施の形態1の布団乾燥機の衣類などの小物乾燥時の縦断面の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1
図1〜
図14を参照して、実施の形態1に係る布団乾燥機を説明する。
図1は実施の形態1の布団乾燥機の外包シート6の斜視図、
図2は実施の形態1の布団乾燥機の布団乾燥運転時の掛け布団を除く斜視図、
図3は掛け布団を除く分解斜視図、
図4は温風供給口11周辺の縦断面の説明図(
図2のX−X断面の部分拡大図)、
図5は布団乾燥機の乾燥運転状態における縦断面の説明図(
図2のX−X断面図)、
図6は横断面の説明図(
図2のY−Y断面図)である。
図7は外包シート6の開口周辺端部22を上側に折り畳んだ状態の斜視図、
図8は布団乾燥マット5の簡易装着方法による乾燥運転状態における縦断面の説明図、
図9は同横断面の説明図である。
【0011】
布団乾燥マット5は、
図1〜
図3に示すように、略長方形で袋状に形成された外包シート6の下面に、略長方形のロ字状風路のチューブ7を複数箇所縫着して構成される。外包シート6は非通気のポリエステル繊維生地からなり、縦2100[mm]、横2050[mm]の長方形のシートで、縦方向両端に幅300[mm]を折り返して縫着した袋状部42、43を有する。外包シート6の上方中央部には縦700[mm]、横500[mm]の通気性を有するポリエステル繊維生地からなる通気部9を有する。(ここで、布団乾燥マットの長手方向を縦方向、短手方向を横方向と定義する。)
【0012】
図5〜
図6に示すように、布団乾燥マット5の敷き布団への装着は以下のように行う。袋状部42、43を敷き布団Uの縦方向端部にそれぞれ被せた後に、外包シート6の横方向の左右端部をそれぞれ敷き布団Uの下側に折り込むことにより、外包シート6を開口周辺端部22と開口8を有する袋状に形成して、敷き布団Uを包む。つまり、開口8は、布団Uの下方であって、開口周辺端部22と袋状部42,43に囲まれた位置である。また、開口周辺端部22は、外包シート6を布団Uの下側に織り込む前の左右の端である。外包シート6には敷き布団Uを包んだときに、外包シート6の端部となる位置にホース接続用開口10を備える。
【0013】
チューブ7は非通気のポリエステル繊維生地からなり、略長方形でロ字状に縫製された中空の風路を構成する。ロ字短辺側の1辺と長辺側の2辺は2列の並進する風路に構成される。また、チューブ7のロ字外側辺端部に温風供給口11を備える。温風供給口11はチューブ7が外包シート6と一体になった時に、ホース接続用開口10から外包シート6の外側に突出するように構成される。チューブ7の温風供給口11付近は、縦方向と横方向の両方に向かってそれぞれ2列の並進風路が構成されるため、風路抵抗が小さくなり温風供給口11から流入した温風が流れ易くなり、敷き布団Uの温度上昇効果が高まる。
【0014】
チューブ7の温風供給口11の端部内周には、
図4に示すように、一対の面状ファスナー18、19が縫着されており、ホース4を差し込んだ後にこれらを密着させることにより、ホース4と温風供給口11の間に生じる隙間を塞ぎ、温風を漏れなくすることができる。外包シート6のホース接続用開口10の端部内周には面状ファスナー20が縫着されており、これと対向するチューブ7の温風供給口11の外周に面状ファスナー21が縫着されている。温風供給口11はホース接続用開口10に通してから面状ファスナー20、21を密着させることにより、外包シート6に固定される。これにより、ホース接続用開口10と温風供給口11の間から温風を漏れなくすることができる。このように、ホース接続用開口10と温風供給口11のそれぞれに面状ファスナーを備えることにより、それぞれを独立に縫製した後に一体化させることができる。これにより、ホース接続用開口10と温風供給口11を一体にした後に縫着する縫製工程を簡素化できる。
【0015】
チューブ7の上部には、ロ字内側を覆い、外包シート6内の空間を下空間S1と上空間S2の2層に分ける層間シート27を備える。層間シート27の温風供給口11側のロ字短辺付近には、下空間S1と上空間S2を連通する開口幅200[mm]の層間開口28を備える。チューブ7のロ字内側辺の層間シート27との境界部には、内側開口29、内側開口30、内側開口31、内側開口32、内側開口33、内側開口34が設けられ、内側開口29と内側開口30の反対側の外側辺に開口幅150[mm]の外側開口41を備える。
【0016】
各内側開口は温風供給口11の下流風路の一辺を除く3辺の風路に設けられ、温風供給口11に温風が供給されるとチューブ7が膨らみ、温風は各内側開口よりロ字内側に向けて送出される。チューブ7は膨らんだ状態で外側開口41と外包シート6との間に端部空間S3が形成されるように構成される。つまり、ロ字長辺の長さが、外包シート6の長辺よりも短く構成される。また、層間開口28と外側開口41にはファスナーを有し、開口部が開閉可能に構成される。
【0017】
各内側開口から送出された温風は、
図5、
図6に示すように、下空間S1の中で対流して敷き布団Uを温めた後、層間開口28から上空間S2に送出されるとともに、外側開口41から敷き布団Uの端部空間S3に送出される。外側開口41から端部空間S3に送出された温風は敷き布団Uの端部表面を温め、上空間S2に送出される。上空間S2に送出された温風は外包シート6を膨らませた後、通気部9より送出される。以上のように層間シート27によって敷き布団Uに近接する狭い下空間S1が形成されることにより、温風の敷き布団Uへの熱伝達効果が高まる。また、温風供給口11から遠く温度上昇しにくい部分である敷き布団Uの端部空間S3での熱伝達効率が高まる。また、外包シート6の外部に逃げる熱のロスを上空間S2からのみに留めることにより、下空間S1内の温度を上空間S2内の温度よりも高く保つことができ、敷き布団Uの温め効果を高めることができる。
【0018】
チューブ7が設けられていない面である外包シート6の上面には、開口周辺端部22がシート6の上側に位置した状態で、外包シート6を折り畳んで固定するための固定部(第1の固定部)となる面状ファスナーが縫着されている。
面状ファスナー80aと81a、面状ファスナー80bと81b、面状ファスナー80cと81c、面状ファスナー80dと81d、面状ファスナー8
3aと82a、面状ファスナー8
3bと82b、面状ファスナー8
3cと82c、面状ファスナー8
3dと82dをそれぞれ密着させることにより、
図7に示すように、外包シート6の横方向の両端部である開口周辺端部22を上側に固定することができる。
【0019】
図8、
図9に示すように、布団乾燥マット5を、外包シート6の開口周辺端部22を上側に固定し、敷き布団Uを外包シート6で包まずに、掛け布団Tとの間に簡易に装着する方法でも布団乾燥を行うことができる。この布団乾燥マット5を敷き布団Uと掛け布団Tとの間に簡易に装着する場合、層間開口28と外側開口41のファスナーを閉じて、チューブ7の外側への温風の漏れをなくし、敷き布団Uと層間シート27の間の空間S1を形成するように構成する。布団乾燥機本体1から温風供給口11に温風が供給されると、チューブ7はロ字状の風路内の圧力が上昇して膨らみ、掛け布団Tは端部周辺から持ち上げられる。その後、層間シート27が膨らみ、空間S1内部の圧力が上昇すると、掛け布団Tの中央部も持ち上げられて空間S1が形成される。敷き布団Uはチューブ7の接触する風路部が熱伝導により温められ、空間S1内では各内側開口から送出される温風の対流により熱伝達により温められる。また、空間S1の温風は、チューブ7の風路下の隙間や敷き布団U内部を通過するため、敷き布団Uは熱伝達により温められる。掛け布団Tはチューブ7の風路部や層間シート27に接触することによる熱伝導により温められる。
【0020】
以上のように、布団乾燥マット5を、敷き布団Uを外包シート6で包まずに、外包シート6の開口周辺端部22を上側に折り畳んで固定した状態で敷き布団Uと掛け布団の間に入れて使用する簡易的な方法によっても、敷き布団U、掛け布団Tを乾燥させることができる。これにより、布団乾燥マット5の使い方を、乾燥効果と使い勝手の重要とのうちで項目に応じて、布団乾燥機の使用方法を選択することができる。
【0021】
次に、
図10〜
図15に示すように、布団乾燥マット5を使用して衣類などの小物を乾燥させる場合の使用形態と動作について説明する。
図10は、布団乾燥マット5を、チューブ7側を上にして床に置いた状態の斜視図である。
図11は、布団乾燥マット5を折り畳む途中の斜視図である。
図12は、布団乾燥マット5を折り畳んだ状態の斜視図である。
図13は、布団乾燥マット5の小物乾燥時の斜視図である。
図14は、布団乾燥マット5の小物乾燥時の縦断面の説明図である。
【0022】
布団乾燥マット5を使用して衣類などの小物を乾燥させる場合、
図10に示すように布団乾燥マット5をチューブ7側が上になるように床に広げる。この時、外包シート6の開口周辺端部22が、事前にチューブ7と反対側の面に位置するように折り畳んで固定しておく。そして、チューブ7および層間シート27の上に衣類Aなどの乾燥させる小物を広げて置く。このとき、チューブ7と床面との間に外包シート6の2枚の生地が介在する構成となる。また、層間シート27と床面との間に外包シート6の2枚の生地が介在する部分と、外包シート6と通気部9の生地の1枚ずつが重なった2枚の生地が介在する部分のある構成となる。
【0023】
次に、
図11、
図12に示すように、乾燥マット5をチューブ7が内側となるように、長手方向の中央付近で折り畳む。
外包シート6のホース接続用開口10側の辺の端部中央に輪状固定部84が設けられている。また、ホース接続用開口10の対向側の辺の端部中央に固定紐85が設けられている。
そして、外包シート6のホース接続用開口10側の辺の端部中央に設けられた輪状固定部84に、ホース接続用開口10の対向側の辺の端部中央に設けられた固定紐85を固定する。固定紐85には面状ファスナー86aと86bが設けられており、固定紐85を輪状固定部84に通して面状ファスナー86aと86bを密着させることにより輪状固定部84と固定紐85が固定される。
【0024】
本体1よりホース4を介して布団乾燥マット5に温風を供給すると、
図13に示すように布団乾燥マット5は膨らむ。折り畳まれた布団乾燥マット5は膨らむにつれて、広がろうとするが、輪状固定部84と固定紐85は外包シート6の対向する短辺を略中央で固定しているため、折り畳まれた状態を保つ。
つまり、輪状固定部84と固定紐85は、それぞれ固定部材であり、一対で折り畳まれた状態で重なり合う外包シート6を広がらないように固定する第2の固定部である。
【0025】
ホース4から温風供給口11を介してチューブ7内に供給された温風は、チューブ7および外包シート6を膨らませる。このとき、チューブ7は
図14に示すように、二つに折り畳まれているため、チューブ7の床面側が主に膨らむ。そして、内側開口32、内側開口33、内側開口34から折り畳まれた層間シート27によって形成される空間に温風が送出されて、外包シート6全体が膨らむ。温風は折り畳まれたチューブ7の隙間から外包シート6の外部に抜ける。このように構成することにより、温風が外包シート6内で衣類Aなどの小物の間を通過して乾燥させる。ここで、層間開口28と外側開口41のファスナーは閉じて使用することが望ましいが、これらの開口への温風の流れはほとんどないため、ファスナーを閉じなくても同様の作用となる。
【0026】
温風はチューブ7に供給されてから外部に抜けるまでに外包シート6内に滞留するが、この間、温風の熱は床面や外気と熱交換するため、衣類Aなどの小物を乾燥させる熱が外部に逃げる。
本実施の形態においては、チューブ7と床面との間に外包シート6の2枚の生地が介在し、層間シート27と床面との間に外包シート6の2枚の生地、もしくは外包シート6と通気部9の生地の1枚ずつが重なった2枚の生地が介在する構成とすることにより、チューブ7が直接外気や床面に接しない断熱構造となり、外部に逃げる熱を低減することができるため、乾燥性能を高めることができる。
【0027】
また、衣類Aをチューブ7の上に置いて乾燥させると、衣類Aが床面から浮いた状態となるため、衣類A下側からの温風の熱伝導による温め効果により乾燥性能を高めることができる。
【0028】
外包シート6は、折り畳み時の固定箇所が、輪状固定部84と固定紐85とを固定する部分の1箇所で、対向する短辺の略中央で固定されるため、温風によって膨らんでも折り畳み状態が乱れて広がることがない。このように、折り畳み時の固定箇所を1箇所となるように構成することにより、衣類などの小物を乾燥させる場合の準備や片づけが容易になる。