特許第6728992号(P6728992)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6728992
(24)【登録日】2020年7月6日
(45)【発行日】2020年7月22日
(54)【発明の名称】車両のレーダー装置の取り付け構造
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/03 20060101AFI20200713BHJP
   G01S 13/931 20200101ALI20200713BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20200713BHJP
   B60R 21/00 20060101ALI20200713BHJP
【FI】
   G01S7/03 240
   G01S13/931
   G08G1/16 A
   B60R21/00 991
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-108664(P2016-108664)
(22)【出願日】2016年5月31日
(65)【公開番号】特開2017-215186(P2017-215186A)
(43)【公開日】2017年12月7日
【審査請求日】2019年3月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】沢田 崇広
【審査官】 東 治企
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−094151(JP,A)
【文献】 特開2009−287950(JP,A)
【文献】 仏国特許出願公開第03014404(FR,A1)
【文献】 特開2015−140029(JP,A)
【文献】 特開2007−030535(JP,A)
【文献】 特開2003−063445(JP,A)
【文献】 特開2007−085751(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第102005037151(DE,A1)
【文献】 特開2017−121829(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00−7/42
G01S 13/00−13/95
G08G 1/16
B60R 21/00−21/017
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室の前方に位置する車両の前部空間に互いに間隔をおいて配置された第1、第2の車両構成部材と、
前記前部空間に配置され車両前方の対象物を検出するレーダー装置と、
を備える車両であって、
前記第2の車両構成部材から車両前方に延在する前後方向延在部と、前記前後方向延在部の前端から下方に延在し前記第1の車両構成部材に連結される上下方向延在部とを有し、前記レーダー装置を支持するブラケットが設けられ、
前記ブラケットは、前記前後方向延在部および前記上下方向延在部の幅方向両側から起立する起立板部を有し、
前記起立板部に、車両の前部衝突時に受ける衝撃により前記ブラケット変形を誘発する変形誘発部が設けられている、
ことを特徴とする車両のレーダー装置の取り付け構造。
【請求項2】
前記起立板部は、前記前後方向延在部および前記上下方向延在部の幅方向両側から同一方向に起立している
ことを特徴とする請求項1に記載の車両のレーダー装置の取り付け構造。
【請求項3】
前記変形誘発部は、前記ブラケットの延在方向に間隔をおき前記レーダー装置が支持された箇所を挟んだ前記ブラケットの複数箇所に設けられている
ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両のレーダー装置の取り付け構造。
【請求項4】
前記変形誘発部は、前記起立板部の前記前後方向延在部および前記上下方向延在部の幅方向両側に形成された一対の切り欠きである
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両のレーダー装置の取り付け構造。
【請求項5】
前記レーダー装置は、送受信部と、前記送受信部が収納されたケースとを含んで構成され、
前記ブラケットは、前記ケースよりも車両前方に位置する突出壁を有している、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両のレーダー装置の取り付け構造。
【請求項6】
前記レーダー装置は、前記ケースを支持する支持部材が前記ブラケットに取り付けられることで配置され、
前記突出壁は、前記支持部材に設けられている、
ことを特徴とする請求項5に記載の車両のレーダー装置の取り付け構造。
【請求項7】
前記突出壁は、前記レーダー装置の上下にそれぞれ配置され、当該断面が車両前方に向かって広がるように略ハの字状に設けられている
ことを特徴とする請求項6に記載の車両のレーダー装置の取り付け構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両のレーダー装置の取り付け構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自車両と先行車両との間の車間距離の検出、あるいは、自車両の前方の歩行者や障害物の検出を行なうためのレーダー装置(ミリ波レーダー装置)を車体前部に搭載した車両が提供されている。
特許文献1には、以下の構成が開示されている。
すなわち、車両前部のフロントバンパーの上部に上下一対のメンバーを車幅方向に沿って配置し、上方のメンバーを下方のメンバーよりも車両後方に配置する。
上下一対のメンバーの中間部に補強部材を架設し、補強部材の上下中間部にレーダ装置を固定し、レーダー装置の前面を下方のメンバーの前面よりも後方に位置させる。
この場合、車両の軽衝突時、他車両のフロントバンパーなどの侵入物が下方のメンバーおよび補強部材の下部に接触するため、衝撃荷重がレーダー装置に入力されることが抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−287950号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、歩行者保護試験のインパクタが車両前部に衝突したときの衝撃吸収性能の向上を図る観点からは、レーダー装置はなるべく車両後方にオフセットした箇所に配置することが好ましい。
上記従来技術では、このような衝撃吸収性能の向上については特に考慮されておらず、改善の余地がある。
しかしながら、レーダー装置を車両後方にオフセットした箇所に配置すると、送信波(レーダー波)の照射範囲内にバンパビームやアッパバーなどの金属部材や金属パネルが位置しないように車体前面部の構造をレイアウトする必要があり、車体前面部のデザインの自由度が制約される不利がある。
また、車体前面部のデザインを優先してレーダー装置を車両前方寄りに配置すると、衝撃吸収性能の向上を図る上で不利となる。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、その目的は、衝撃吸収性能の向上を図ると共に車体前面部のデザインの自由度を確保する上で有利な車両のレーダー装置の取り付け構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を達成するため、発明は、車室の前方に位置する車両の前部空間に互いに間隔をおいて配置された第1、第2の車両構成部材と、前記前部空間に配置され車両前方の対象物を検出するレーダー装置と、を備える車両であって、前記第2の車両構成部材から車両前方に延在する前後方向延在部と、前記前後方向延在部の前端から下方に延在し前記第1の車両構成部材に連結される上下方向延在部とを有し、前記レーダー装置を支持するブラケットが設けられ、前記ブラケットは、前記前後方向延在部および前記上下方向延在部の幅方向両側から起立する起立板部を有し、前記起立板部に、車両の前部衝突時に受ける衝撃により前記ブラケット変形を誘発する変形誘発部が設けられていることを特徴とする。
また、本発明は、前記起立板部は、前記前後方向延在部および前記上下方向延在部の幅方向両側から同一方向に起立していることを特徴とする。
また、本発明は、前記変形誘発部は、前記ブラケットの延在方向に間隔をおき前記レーダー装置が支持された箇所を挟んだ前記ブラケットの複数箇所に設けられていることを特徴とする。
また、本発明は、前記変形誘発部は、前記起立板部の前記前後方向延在部および前記上下方向延在部の幅方向両側に形成された一対の切り欠きであることを特徴とする。
また、本発明は、前記レーダー装置は、送受信部と、前記送受信部が収納されたケースとを含んで構成され、前記ブラケットは、前記ケースよりも車両前方に位置する突出壁を有していることを特徴とする。
また、本発明は、前記レーダー装置は、前記ケースを支持する支持部材が前記ブラケットに取り付けられることで配置され、前記突出壁は、前記支持部材に設けられていることを特徴とする。
また、本発明は、前記突出壁は、前記レーダー装置の上下にそれぞれ配置され、当該断面が車両前方に向かって広がるように略ハの字状に設けられていることを特徴とす。
【発明の効果】
【0006】
発明によれば、歩行者保護試験のインパクタがブラケットに衝突した際に、変形誘発部が率先して変形し、あるいは、破断され、インパクタに追従してブラケットが後方に変位するため、衝撃を効率よく吸収でき、衝撃吸収性能の向上を図る上で有利となる。
また、本発明によれば、レーダー装置を支持するブラケットを利用して衝撃吸収性能の向上を図るので、衝撃を吸収するための特別な部材を設けることなく衝撃吸収性能の向上を図れ、衝撃吸収性能の向上を図るための部品点数の削減化、軽量化を図る上で有利となる。
また、本発明によれば、ブラケットを介してレーダー装置を配置するので、レーダー装置を車両の前部空間の前方箇所に配置でき、車体前面部のデザインの自由度を確保する上で有利となる。
また、本発明によれば、軽衝突時に、あるいは、インパクタの衝突時に、突出壁によりレーダー装置が保護され、レーダー装置の破損を抑制する上で有利となる。
また、本発明によれば、レーダー装置の取り付けを簡単に行なう上で有利となり、また、突出壁を簡単に形成でき、コストダウンを図る上で有利となる。
また、本発明によれば、変形誘発部は両側の起立板部に切り欠きを設けることで構成されているため、他のブラケットの箇所に比べて剛性が弱く形成され得る。その結果、例えば、歩行者保護試験のインパクタがブラケットに衝突した際に、変形誘発部が率先して変形し、あるいは、率先して破断され、インパクタに追従してブラケットが後方に変位し、衝撃を効率よく吸収することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施の形態に係る車両のレーダー装置の取り付け構造を斜め前方から見た斜視図である。
図2図1のAA線断面図である。
図3】(A)はブラケットの斜視図を示し、(B)は(A)のBB線断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
なお、図1において、符号FRは車両前方、符号UPRは車両上方、符号LHは車幅方向を示している。
車室の前方にダッシュパネルで仕切られた前部空間Sが設けられている。前部空間Sには、エネルギーとして化石燃料を用いる車両10では、化石燃料を使用するエンジンとトランスミッションが搭載され、エネルギーとして電力を用いる車両10では、バッテリーから供給される電力によって駆動される電気モータとインバータが搭載される。
前部空間Sの上方は、例えば、フードにより開閉され、前部空間Sの車幅方向両側はフロントフェンダパネルで覆われ、図2に示すように前部空間Sの前方は合成樹脂製のフロントグリル26で覆われている。
【0009】
前部空間Sの下部で車幅方向両側には、車両10の前後方向に延在する一対のサイドフレーム12の前部が位置している。
一対のサイドフレーム12の前端間はバンパービーム14で連結されると共に、サイドフレーム12の下方においてフロントエンドロアクロス16で連結されている。
バンパービーム14は、図2に示すように、前板部1402と後板部1404とが中間板部1406を介して溶接により接合されることで構成され、バンパービーム14の前方には、バンパカバー18が配置されている。
また、一対のサイドフレーム12の前端からそれぞれヘッドランプサポート20が上方に突設され、車幅方向両側のヘッドランプサポート20の上端間はアッパーバー22で連結されている。アッパーバー22は、図2に示すように閉断面構造で構成されている。
また、車幅方向両側のヘッドランプサポート20の上端は、前部空間Sの上部の車幅方向両側で車両の前後方向に延在するアッパーバーサイド24の前端に連結されている。
【0010】
レーダー装置28は、車両10前方の先行車両、歩行者、障害物などの対象物を検出するものであり、ブラケット30と支持部材32を介して前部空間Sの前部で車幅方向の中央に配置されフロントグリル26の後方に位置している。
レーダー装置28は、送信波をフロントグリル26を透過させて送信し、対象物で反射されフロントグリル26を透過した反射波を受信して、対象物までの距離や方位を検出する送受信部2802と、送受信部2802が収納されたケース2804とを含んで構成されている。
【0011】
図1図2図3に示すように、ブラケット30は、アッパーバー22とその下方に位置するバンパービーム14とにわたって延在し、細長形状を呈している。アッパーバー22とバンパービーム14は、共に車両構成部材であり、車幅方向に延在している。
ブラケット30は、金属製であり、ブラケット30の断面は、本体板部3002と、本体板部3002の両側から起立する起立板部3004とで構成され、平板の断面に比べて剛性が高められている。
アッパーバー22へのブラケット30の取り付けは、ブラケット30の長手方向の一端に位置する本体板部3002が屈曲されて屈曲板部3006とされ、この屈曲板部3006がアッパーバー22へボルト締結されることでなされている。
バンパービーム14へのブラケット30の取り付けは、ブラケット30の長手方向の他端に位置する本体板部3002がバンパービーム14の後面へボルト締結されることでなされている。
ブラケット30は、アッパーバー22から車両10前方に延在する前後方向延在部30Aと、前後方向延在部30Aの前端から下方に延在しバンパービーム14に連結される上下方向延在部30Bとを有している。
【0012】
レーダー装置28は、ブラケット30の延在方向の中間部に設けられ、本実施の形態では、上下方向延在部30Bの上部に支持されている。
また、ブラケット30の延在方向に間隔をおきレーダー装置28が支持された箇所を挟んだブラケット30の2箇所に変形誘発部34が設けられている。
変形誘発部34は、図3(A)に示すように、両側の起立板部3004に切り欠き3010を設けることで構成されている。
変形誘発部34は、他のブラケット30の箇所に比べて剛性が弱く形成され、車両10の前部衝突時に受ける衝撃によりブラケット30に変形を誘発する箇所である。
例えば、歩行者保護試験のインパクタがブラケット30に衝突した際に、変形誘発部34が率先して変形し、あるいは、率先して破断され、インパクタに追従してブラケット30が後方に変位し、衝撃を効率よく吸収する。
【0013】
レーダー装置28は、ケース2804を支持する支持部材32がブラケット30に取り付けられることで配置されている。
支持部材32は金属製であり、取り付け板部3202と、取り付け板部3202の上下から車両10前方に突出する上下の突出壁3204を有している。
支持部材32は、取り付け板部3202の車両10の後方を向いた後面がブラケット30の上下方向延在部30Bの上端に溶接により接合され、レーダー装置28のケース2804は、取り付け板部3202の車両10の前方を向いた前面に着脱可能に設けられている。
取り付け板部3202の上下高さは、レーダー装置28のケース2804の上下高さよりも大きく、また、取り付け板部3202の幅は、レーダー装置28のケース2804の幅よりも大きく、また、上下の突出壁3204の突出長さは、レーダー装置28のケース2804の厚さよりも大きな寸法で形成されている。
したがって、本実施の形態では、上下の突出壁3204がレーダー装置28のケース2804よりも車両前方に位置している。
【0014】
本実施の形態によれば、歩行者保護試験時、インパクタがフロントグリル26を介してブラケット30に衝突する。
インパクタがフロントグリル26を介してブラケット30に衝突すると、変形誘発部34が率先して変形し、あるいは、破断され、インパクタに追従してブラケット30が後方に変位するため、衝撃を効率よく吸収でき、衝撃吸収性能の向上を図る上で有利となる。
また、レーダー装置28を支持するブラケット30を利用して衝撃吸収性能の向上を図るので、衝撃を吸収するための特別な部材を設けることなく衝撃吸収性能の向上を図れ、衝撃吸収性能の向上を図るための部品点数の削減化、軽量化を図る上で有利となる。
また、変形誘発部34は、ブラケット30の延在方向に間隔をおきレーダー装置28が支持された箇所を挟んだブラケット30の2箇所に設けられているので、インパクタがフロントグリル26を介してブラケット30に衝突した際に、レーダー装置28が支持された箇所がより後方に変位し易く、レーダー装置28の破損を抑制する上でも有利となる。
また、変形誘発部34を有するブラケット30を介してレーダー装置28を配置するので、レーダー装置28を前部空間Sのより前方の箇所に配置でき、車体前面部のデザインの自由度を確保する上で有利となる。
【0015】
また、本実施の形態では、他車両による前部軽衝突時、レーダー装置28の車両10前方に位置する例えばフロントグリル26が車両10後方に変位した場合、突出壁3204がレーダー装置28よりも車両10前方に位置するため、フロントグリル26が突出壁3204に衝突し、突出壁3204によりレーダー装置28が保護される。そのため、レーダー装置28の破損を抑制する上で有利となる。
また、インパクタがフロントグリル26を介してブラケット30に衝突した際も、フロントグリル26が突出壁3204に衝突し、フロントグリル26がレーダー装置28に直接衝突することがない。すなわち、突出壁3204によりレーダー装置28が保護され、レーダー装置28の破損を抑制する上で有利となる。
【0016】
また、本実施の形態では、レーダー装置28は、ケース2804を支持する支持部材32がブラケット30に取り付けられることで配置され、突出壁3204は、支持部材32に設けられている。
そのため、レーダー装置28の取り付けを簡単に行なうえで有利となり、また、突出壁3204を簡単に形成でき、コストダウンを図る上で有利となる。
【0017】
なお、本実施の形態では、ブラケット30が、車両構成部材であるアッパーバー22とバンパービーム14とにわたって設けられた場合について説明したが、車両構成部材はアッパーバー22のようなクロスメンバや、バンパービーム14のような車両10の骨格をなす骨格部材に限定されない。すなわち、車両構成部材は、それらクロスメンバや骨格部材で支持されたブラケット30や、このブラケット30で支持されるインバータなどの各種部品、部材のケースであってもよい。
また、本実施の形態では、変形誘発部34を切り欠き3010を用いて構成した場合について説明したが、変形誘発部34は、例えば、幅を狭くした箇所を設けることで、あるいは、肉厚を薄くした箇所を設けることで構成してもよい。要するに、変形誘発部34は、他のブラケット30の箇所に比べて剛性が弱く形成され、衝撃荷重が入力したときに率先して変形し、あるいは、率先して破断される構造であればよく、従来公知の様々な構造が採用可能である。
また、本実施の形態では、ブラケット30が上下方向に延在している場合について説明したが、ブラケット30は車幅方向に延在していてもよく、あるいは、上下方向および車幅方向と交差する方向に延在していてもよい。要するにブラケット30は衝撃を吸収する長さを有していればよく、その延在方向は任意である。
【0018】
また、本実施の形態では、レーダー装置28を支持部材32を介してブラケット30に取り付けた場合について説明したが、レーダー装置28をブラケット30に直接取り付けると共に、ブラケット30に突出壁3204を一体的に設けても良い。ただし、本実施の形態のように、レーダー装置28を支持する支持部材32を設け、この支持部材32に突出壁3204を設けると、突出壁3204を簡単に形成する上で有利となる。
また、突出壁3204は、レーダー装置28の破損を抑制するものであり、少なくとも1箇所に設ければ良いが、本実施の形態のように突出壁3204をレーダー装置28を挟んで互いに対向する2箇所に設けると、レーダー装置28の破損を抑制する上で有利となる。その場合の2つの突出壁3204の位置は、レーダー装置28の上下方向の2箇所であってもよく、レーダー装置28の車幅方向の2箇所であってもよく、あるいは、レーダー装置28の上下方向および車幅方向に対して交差する方向の2箇所であってもよい。
また、本実施の形態では、レーダー装置28を前部空間Sの前部で車幅方向の中央に配置した場合について説明したが、レーダー装置28は車幅方向の中間部や端部に配置してもよく、レーダー装置28の車幅方向の位置は限定されない。また、レーダー装置28を複数設ける場合には、車幅方向の端部や中間部、中央部などレーダー装置28の配置箇所は適宜決定される。
【符号の説明】
【0019】
10 車両
14 バンパビーム(第1の車両構成部材)
22 アッパーバー(第2の車両構成部材)
28 レーダー装置
2802 送受信部
2804 ケース
30 ブラケット
32 支持部材
3204 突出壁
34 変形誘発部
S 前部空間
図1
図2
図3