特許第6729337号(P6729337)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6729337
(24)【登録日】2020年7月6日
(45)【発行日】2020年7月22日
(54)【発明の名称】吸収性物品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/49 20060101AFI20200713BHJP
【FI】
   A61F13/49 315A
【請求項の数】6
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2016-239745(P2016-239745)
(22)【出願日】2016年12月9日
(65)【公開番号】特開2018-93986(P2018-93986A)
(43)【公開日】2018年6月21日
【審査請求日】2018年12月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】黒原 健志
【審査官】 姫島 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−112400(JP,A)
【文献】 特開2015−009070(JP,A)
【文献】 特開2001−333932(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/49
A61F 13/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の腹部を覆う前身頃と、
前記着用者の背部を覆う後身頃と、
前記前身頃と前記後身頃とに繋がるとともに前記着用者の股下を覆う股下部と、を備える吸収性物品であって、
前記前身頃から前記後身頃に向かう方向に延びる前記股下部の端部が、前記着用者の脚が通る開口を区画する開口端部の一部である開口要素であって、複数のひだを含むレッグギャザーが位置する開口要素を含み、
前記レッグギャザーの縁は、前記開口要素の縁を構成し、
前記レッグギャザーは、
前記レッグギャザーの前記縁を含む第1シートと、
前記第1シートに向かい合うとともに、前記縁を含む第2シートと、
前記第1シートと前記第2シートとの間に位置するとともに、前記吸収性物品を展開した状態において、前記開口端部の縁に沿って延びる複数の弾性部材であって、前記弾性部材の延びる方向と直交する方向に並ぶ複数の前記弾性部材と、を含み、
複数の前記弾性部材のなかで、前記レッグギャザーの前記縁からの距離が最も小さい前記弾性部材が先端弾性部材であり、前記先端弾性部材以外の前記弾性部材が基端弾性部材であり、
前記先端弾性部材は、前記第1シートおよび前記第2シートに接着剤によって固定された先端固定部分を含む先端固定領域を備え、
前記先端固定部分は、前記先端固定領域のなかで前記弾性部材の延びる方向における2つの端部の各々に位置し、
前記先端固定領域は、前記第1シートおよび前記第2シートに固定されない非固定部分をさらに含み、
前記基端弾性部材は、前記第1シートおよび前記第2シートに接着剤によって固定された基端固定部分を含む基端固定領域であって、前記基端固定部分が、前記基端固定領域のなかで、少なくとも前記弾性部材が延びる方向における2つの端部の各々に位置する前記基端固定領域を備え、
前記弾性部材が延びる方向において、前記基端固定部分の長さの合計が、前記先端固定部分の長さの合計よりも長い
吸収性物品。
【請求項2】
前記先端固定領域は、2つの前記先端固定部分と1つの前記非固定部分とから構成され、
前記非固定部分は、2つの前記先端固定部分に前記先端弾性部材が延びる方向において挟まれ、
前記先端弾性部材が延びる方向において、前記各先端固定部分の長さが、前記非固定部分の長さよりも短い
請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記先端弾性部材が延びる方向において、前記先端固定部分の長さの合計が、前記非固定部分の長さよりも短い
請求項2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記基端固定領域の全体が、前記基端固定部分である
請求項1から3のうちの何れか一項4に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記第1シートは、1枚のシートの一部を構成する第1シート要素であり、
前記第2シートは、前記シートのうち、前記第1シート要素とは異なる部分を構成する第2シート要素であり、
前記第1シート要素と前記第2シート要素との境界が、前記レッグギャザーの前記縁である
請求項1からのいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
着用者の腹部を覆う前身頃と、
前記着用者の背部を覆う後身頃と、
前記前身頃と前記後身頃とに繋がるとともに前記着用者の股下を覆う股下部と、を備える吸収性物品であって、
前記前身頃から前記後身頃に向かう方向に延びる前記股下部の端部が、前記着用者の脚が通る開口を区画する開口端部の一部である開口要素であって、複数のひだを含むレッグギャザーが位置する開口要素を含み、
前記レッグギャザーの縁は、前記開口要素の縁を構成し、
前記レッグギャザーは、
前記レッグギャザーの前記縁を含む第1シートと、
前記第1シートに向かい合うとともに、前記縁を含む第2シートと、
前記第1シートと前記第2シートとの間に位置するとともに、前記吸収性物品を展開した状態において、前記開口端部の縁に沿って延びる複数の弾性部材であって、前記弾性部材の延びる方向と直交する方向に並ぶ複数の前記弾性部材と、を含み、
複数の前記弾性部材のなかで、前記レッグギャザーの前記縁からの距離が最も小さい前記弾性部材が先端弾性部材であり、
前記先端弾性部材は、前記第1シートおよび前記第2シートに接着剤によって固定された先端固定部分を含む先端固定領域と、前記先端固定領域を挟む先端自由領域とを備え、
前記先端固定部分は、前記先端固定領域のなかで前記弾性部材の延びる方向における2つの端部の各々に位置し、
前記先端固定領域は、前記第1シートおよび前記第2シートに固定されない非固定部分をさらに含む
吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨ておむつなどの吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
吸収性物品の一例である使い捨ておむつでは、パンツ型おむつおよびテープ型おむつが知られている。これらのうち、パンツ型おむつは、吸収性本体を備え、吸収性本体は、着用者が排泄した液体を吸収する吸収体と、液体を吸収体に向けて透過するトップシートと、トップシートよりも液体を透過せず、かつ、トップシートとともに吸収体を挟むバックシートを備えている。パンツ型おむつはさらに、吸収性本体を支持する2枚のシートを備え、吸収性本体が、着用者の股下に位置するように、2枚のシートがパンツ状に成型されている。また、パンツ型おむつが有する3つの開口端部のうち、着用者の脚における付け根を取り囲む開口端部の各々には、レッグギャザーが位置している。着用者がおむつを着用したときには、レッグギャザーが着用者の肌に直に接する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−143469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、レッグギャザーの縁は、着用者の肌に直に接するため、レッグギャザーの肌触りをよくする上で、レッグギャザーの縁における柔軟性を高めることが求められている。なお、こうした事項は、パンツ型おむつに限らず、上述したテープ型おむつや、他の吸収性物品においても同様に求められている。
【0005】
本発明は、レッグギャザーの縁における柔軟性を高めることを可能とした吸収性物品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための吸収性物品は、着用者の腹部を覆う前身頃と、前記着用者の背部を覆う後身頃と、前記前身頃と前記後身頃とに繋がるとともに前記着用者の股下を覆う股下部と、を備える吸収性物品である。前記前身頃から前記後身頃に向かう方向に延びる前記股下部の端部が、前記着用者の脚が通る開口を区画する開口端部の一部である開口要素であって、複数のひだを含むレッグギャザーが位置する開口要素を含み、前記レッグギャザーの縁は、前記開口要素の縁を構成する。前記レッグギャザーは、前記レッグギャザーの前記縁を含む第1シートと、前記第1シートに向かい合うとともに、前記縁を含む第2シートと、前記第1シートと前記第2シートとの間に位置するとともに、前記吸収性物品を展開した状態において、前記開口端部の縁に沿って延びる複数の弾性部材であって、前記弾性部材の延びる方向と直交する方向に並ぶ複数の前記弾性部材と、を含む。複数の前記弾性部材のなかで、前記レッグギャザーの前記縁からの距離が最も小さい前記弾性部材が先端弾性部材である。前記先端弾性部材は、前記第1シートおよび前記第2シートに接着剤によって固定された先端固定部分を含む先端固定領域を備え、前記先端固定部分は、前記先端固定領域のなかで前記弾性部材の延びる方向における2つの端部の各々に位置する。前記先端弾性部材の前記固定領域は、前記第1シートおよび前記第2シートに固定されない非固定部分をさらに含む。
【0007】
上記構成によれば、先端固定領域における全体が第1シートに固定された構成と比べて、レッグギャザーの縁からの距離が小さい位置において、接着剤が塗布される領域を小さくすることができるため、レッグギャザーの縁における柔軟性を高めることができる。
【0008】
上記吸収性物品において、前記先端固定領域は、2つの前記先端固定部分と1つの前記非固定部分とから構成され、前記非固定部分は、2つの前記先端固定部分に前記先端弾性部材が延びる方向において挟まれ、前記先端弾性部材が延びる方向において、前記各先端固定部分の長さが、前記非固定部分の長さよりも短いことが好ましい。
【0009】
上記構成によれば、先端弾性部材が延びる方向に沿う先端固定部分の長さが、先端弾性部材が延びる方向に沿う非固定部分の長さよりも長い構成と比べて、接着剤が塗布される領域を先端弾性部材が延びる方向において小さくすることができるため、レッグギャザーの縁における柔軟性をより高めることができる。
【0010】
上記吸収性物品では、前記先端弾性部材が延びる方向において、前記先端固定部分の長さの合計が、前記非固定部分の長さよりも短いことが好ましい。
【0011】
上記構成によれば、第1シートのうち、接着剤が塗布される領域を先端弾性部材が延びる方向においてさらに小さくすることができるため、レッグギャザーの縁における柔軟性をより高めることができる。
【0012】
上記吸収性物品では、複数の前記弾性部材において、前記先端弾性部材以外の前記弾性部材が基端弾性部材である。前記基端弾性部材は、前記第1シートおよび前記第2シートに接着剤によって固定された基端固定部分を含む基端固定領域であって、前記基端固定部分が、前記基端固定領域のなかで、少なくとも前記弾性部材が延びる方向における2つの端部の各々に位置する前記基端固定領域を備える。前記弾性部材が延びる方向において、前記基端固定部分の長さの合計が、前記先端固定部分の長さの合計よりも長いことが好ましい。
【0013】
上記構成によれば、先端固定領域が非固定部分を含むことによって縁における柔軟性を高めつつも、先端固定部分よりも長い基端固定部分によってレッグギャザーにおける肌に対する密着性が低下することを抑えることができる。
【0014】
上記吸収性物品において、前記基端固定領域の全体が、前記基端固定部分であることが好ましい。
【0015】
上記構成によれば、基端固定領域が非固定部分を含む構成と比べて、レッグギャザーにおける密着性の低下をより抑えることができる。
【0016】
上記吸収性物品において、前記第1シートは、1枚のシートの一部を構成する第1シート要素であり、前記第2シートは、前記シートのうち、前記第1シート要素とは異なる部分を構成する第2シート要素であり、前記第1シート要素と前記第2シート要素との境界が、前記レッグギャザーの前記縁であってもよい。
【0017】
上記構成によれば、複数の弾性部材が1枚のシートによって挟まれる分だけ、立体ギャザーの部品点数を減らすことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、レッグギャザーの縁における柔軟性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】吸収性物品をパンツ型のおむつとして具体化した第1実施形態におけるパンツ型のおむつにおける斜視構造を示す斜視図。
図2】第1実施形態のパンツ型のおむつが展開された状態における平面構造を示す平面図。
図3図2におけるI−I線に沿う断面構造を示す断面図。
図4図3における領域Aの平面構造を拡大して示す拡大平面図。
図5図2におけるII−II線に沿う断面構造を示す断面図。
図6】吸収性物品をパンツ型のおむつとして具体化した第2実施形態におけるパンツ型のおむつが展開された状態における平面構造を示す平面図。
図7図6におけるIII−III線に沿う断面構造を示す断面図。
図8図6におけるIV−IV線に沿う断面構造を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[第1実施形態]
図1から図5を参照して、吸収性物品を使い捨ておむつの一例であるパンツ型のおむつとして具体化した第1実施形態を説明する。以下では、おむつの全体構成、レッグギャザーの構成、立体ギャザーの構成、および、ウエストギャザーの構成を順番に説明する。
【0021】
[おむつの全体構成]
図1および図2を参照しておむつの全体構成を説明する。なお、図1は着用時におけるおむつの斜視構造を示す一方で、図2は、展開時におけるおむつの平面構造であって、おむつにおける着用者の肌に触れる面と対向する平面視での平面構造を示している。
【0022】
図1が示すように、パンツ型のおむつ10は、着用者の腹部を覆う前身頃11と、着用者の背部を覆う後身頃12と、前身頃11と後身頃12とに繋がるとともに、着用者の股下を覆う股下部13とを備えている。
【0023】
おむつ10は、着用者の胴体が通る開口であるウエスト開口10aを有し、ウエスト開口10aを区画する開口端部であるウエスト端部10a1を備えている。前身頃11に含まれる前端部11aと後身頃12に含まれる後端部12aとがウエスト端部10a1を構成している。
【0024】
おむつ10において、前端部11aおよび後端部12aの両方が、ウエストギャザーが位置するギャザー端部であり、ウエストギャザーの縁が、ギャザー端部の縁を構成している。すなわち、おむつ10は、2つのウエストギャザーである第1ウエストギャザー21Aと、第2ウエストギャザー21Bとを備え、第1ウエストギャザー21Aが前端部11aに位置し、第2ウエストギャザー21Bが後端部12aに位置している。第1ウエストギャザー21Aの縁は、前端部11aの縁11a1を構成し、第2ウエストギャザー21Bの縁は、後端部12aの縁12a1を構成している。
【0025】
おむつ10は、着用者の脚が通る開口である2つのレッグ開口を有し、2つのレッグ開口は、第1レッグ開口10b1と第2レッグ開口10b2とから構成されている。着用者がおむつ10を着用するとき、各レッグ開口には、他のレッグ開口を通る脚とは異なる脚が通される。
【0026】
股下部13は、レッグ開口を区画している。股下部13のうち、前身頃11から後身頃12に向かう方向に延びる端部が、複数のひだを含むレッグギャザーの位置する開口端部である。股下部13は、第1レッグ開口10b1を区画する開口端部である第1レッグ端部13aと、第2レッグ開口10b2を区画する開口端部である第2レッグ端部13bとを備えている。第1レッグ端部13aには第1レッグギャザー22Aが位置し、第2レッグ端部13bには第2レッグギャザー22Bが位置している。
【0027】
第1レッグギャザー22Aの縁は、第1レッグ端部13aの縁13a1を構成し、第2レッグギャザー22Bの縁は、第2レッグ端部13bの縁13b1を構成している。
【0028】
図2が示すように、おむつ10において、股下部13は前身頃11と後身頃12とに繋がり、前身頃11、股下部13、および、後身頃12がこの順に並んでいる。
【0029】
第1ウエストギャザー21Aが位置する身頃である前身頃11から股下部13に向かう方向が第1方向D1であり、第2ウエストギャザー21Bが位置する身頃である後身頃12から股下部13に向かう方向も第1方向D1である。すなわち、第1方向D1は、前身頃11、股下部13、および、後身頃12が並ぶ方向であって、かつ、前身頃11から後身頃12に向かう方向と、後身頃12から前身頃11に向かう方向との両方を含む。第1方向D1と直交する方向が第2方向D2である。
【0030】
おむつ10は、第1方向D1に沿って延びる外装体31と、第1方向D1に沿って延びる吸収性本体32とを備え、外装体31における第2方向D2に沿う長さは、吸収性本体32における第2方向D2に沿う長さよりも長い。外装体31と吸収性本体32とは、外装体31における中央と、吸収性本体32における中央とがほぼ一致するように互いに固定されている。
【0031】
外装体31および吸収性本体32の各々は、前身頃11、後身頃12、および、股下部13に位置している。外装体31において、前身頃11に含まれる第1部分31P1、股下部13に含まれる第2部分31P2、および、後身頃12に含まれる第3部分31P3が、第1方向D1に沿ってこの順に並んでいる。吸収性本体32において、前身頃11に含まれる部分、股下部13に含まれる部分、および、後身頃12に含まれる部分が、第1方向D1に沿ってこの順に並んでいる。
【0032】
外装体31は、第1方向D1において2つの端部を有し、2つの端部は、第1端部31aおよび第2端部31bである。第1端部31aが前身頃11に含まれる前端部11aを構成し、第2端部31bが後身頃12に含まれる後端部12aを構成している。
【0033】
第1部分31P1は、第2方向D2における端部として第1接合端部P1aと第2接合端部P1bとを有し、第3部分31P3は、第2方向D2における端部として第1接合端部P3aと第2接合端部P3bとを有している。
【0034】
第2部分31P2は、第2方向D2に沿う幅が第1部分31P1から第3部分31P3に向かう方向に沿って小さくなる部分と、第2方向D2に沿う幅が第3部分31P3から第1部分31P1に向かう方向に沿って小さくなる部分とを含む。これにより、第2部分31P2では、第1方向D1の中央を含む部分において、第2方向D2に沿う幅が最も小さくなる。
【0035】
第2部分31P2のなかで、第2方向D2における一方の縁が第1縁P2aであり、他方の縁が第2縁P2bである。第1縁P2aは、第1レッグ端部13aの縁13a1を構成し、第2縁P2bは、第2レッグ端部13bの縁13b1を構成している。
【0036】
第1縁P2aおよび第2縁P2bの各々では、第1方向D1であって前身頃11から後身頃12に向かう方向において、弧状を有する第1弧状部、直線状を有する直線部、および、弧状を有する第2弧状部がこの順に並んでいる。2つの弧状部の各々は、各弧状部における曲率の中心が、外装体31の外側に位置するような曲率を有している。
【0037】
第2部分31P2において、外装体31の内部には、複数のレッグ弾性部材41が位置している。複数のレッグ弾性部材41の一部は、第1方向D1において第1縁P2aに沿って延び、かつ、レッグ弾性部材41の延びる方向と直交する方向に沿って並んでいる。複数のレッグ弾性部材41の残りの一部は、第1方向D1において第2縁P2bに沿って延び、かつ、レッグ弾性部材41の延びる方向と直交する方向に沿って並んでいる。
【0038】
すなわち、各レッグ弾性部材41は、第1方向D1において、第2部分31P2の各縁が有する第1弧状部に沿って延びる第1弧状要素、直線部に沿って延びる直線要素、および、第2弧状部に沿って延びる第2弧状要素を有している。そして、第2部分31P2の各縁では、複数のレッグ弾性部材41において、複数の第1弧状要素が、第1弧状要素が延びる方向と直交する方向において間隔を空けて並び、複数の直線要素が、直線要素が延びる方向と直交する方向において間隔を空けて並んでいる。また、各縁では、複数のレッグ弾性部材41において、複数の第2弧状要素が、第2弧状要素が延びる方向と直交する方向において間隔を空けて並んでいる。
【0039】
おむつ10では、展開された状態の外装体31のうち、第1部分31P1における第1接合端部P1aと、第3部分31P3における第1接合端部P3aとが接合される。さらに、第1部分31P1における第2接合端部P1bと、第3部分31P3における第2接合端部P3bとが接合される。これにより、おむつ10には、第1部分31P1と第3部分31P3とによってウエスト開口10aが区画され、第2部分31P2によって第1レッグ開口10b1と第2レッグ開口10b2とが区画される。
【0040】
おむつ10は、一対の立体ギャザーを備え、一対の立体ギャザーは、第1立体ギャザー23Aと第2立体ギャザー23Bとから構成されている。各立体ギャザーは、吸収性本体32における着用者の肌と向かい合う面のなかで、吸収性本体32のうち、第1方向D1に沿って延びる端部にそれぞれ固定されている。
【0041】
[レッグギャザーの構成]
図3および図4を参照してレッグギャザーの構成をより詳しく説明する。図3は、図2におけるI−I線に沿う断面構造を示し、図4は、図3における領域Aの平面構造を拡大して示している。
【0042】
第1レッグギャザー22Aと第2レッグギャザー22Bとは、おむつ10における位置が互いに異なる一方で、各レッグギャザーを構成する部材は互いに共通している。そのため、以下では、第1レッグギャザー22Aについて詳しく説明する一方で、第2レッグギャザー22Bの詳しい説明を省略する。
【0043】
図3が示すように、外装体31は、第1シートの一例であるアウターシート51、第2シートの一例であるインナーシート52、および、複数の弾性部材から構成され、複数のレッグ弾性部材41は、外装体31が備える複数の弾性部材の一部である。第1レッグギャザー22Aは、アウターシート51、インナーシート52、および、複数のレッグ弾性部材41を備えている。
【0044】
アウターシート51は第1レッグギャザー22Aの縁、すなわち上述した第2部分31P2の第1縁P2aを含み、インナーシート52はアウターシート51に向かい合うとともに、第1レッグギャザー22Aの縁、すなわち第2部分31P2の第1縁P2aを含んでいる。複数のレッグ弾性部材41は、アウターシート51とインナーシート52との間に位置している。
【0045】
各レッグ弾性部材41は、上述したように、おむつ10を展開した状態において、第1レッグ端部13aの縁である第1縁P2aに沿って延びる線状を有し、複数のレッグ弾性部材41は、レッグ弾性部材41の延びる方向と直交する方向に並んでいる。
【0046】
図4を参照して各レッグギャザーが備えるレッグ弾性部材41について詳しく説明する。なお、図4は、おむつ10が展開され、かつ、レッグ弾性部材41が引き延ばされた状態を模式的に示している。また、図4では、図示の便宜上、各レッグ弾性部材41が沿う第1縁P2aと、各レッグ弾性部材41との両方を第1方向D1において直線状を有する構成として図示している。さらに、図4では、レッグ弾性部材41のうち、アウターシート51およびインナーシート52に固定されている部分と、これら2枚のシートに固定されていない部分とを区別しやすくする目的で、2枚のシートに固定されている部分にドットが付されている。
【0047】
第1レッグギャザー22Aと第2レッグギャザー22Bとは、おむつ10のなかで第2方向D2における位置が互いに異なる一方で、レッグ弾性部材41の構成は共通している。そのため、以下では、第1レッグギャザー22Aについて詳しく説明する一方で、第2レッグギャザー22Bの詳しい説明を省略する。
【0048】
各レッグ弾性部材41は、アウターシート51に接着剤によって固定された固定部分を含む固定領域R1を備えている。各レッグ弾性部材41は固定領域R1に加えて自由領域R2を有し、1つのレッグ弾性部材41は、固定領域R1と2つの自由領域R2とから構成されている。各レッグ弾性部材41において、固定領域R1が、レッグ弾性部材41の延びる方向において2つの自由領域R2に挟まれている。自由領域R2は、アウターシート51およびインナーシート52に固定されていない部分である。各自由領域R2におけるレッグ弾性部材41の延びる方向に沿う長さは、固定領域R1におけるレッグ弾性部材41の延びる方向に沿う長さよりも短い。なお、各レッグ弾性部材41は、自由領域R2を有していなくてもよい。
【0049】
複数のレッグ弾性部材41のなかで、第1レッグギャザー22Aの縁、言い換えればアウターシート51が含む第1縁P2aからの距離が最も小さいレッグ弾性部材41が先端弾性部材41aであり、先端弾性部材41a以外のレッグ弾性部材41が基端弾性部材41bである。
【0050】
先端弾性部材41aの固定領域R1は先端固定領域R1aであり、アウターシート51およびインナーシート52に接着剤によって固定された先端固定部分R1a1を含んでいる。先端固定部分R1a1は、先端固定領域R1aのなかで先端弾性部材41aが延びる方向における2つの端部に位置している。先端固定領域R1aは、アウターシート51およびインナーシート52に固定されない非固定部分R1a2をさらに含んでいる。
【0051】
先端固定領域R1aにおける全体がアウターシート51に固定された構成では、先端固定領域R1aの全体、および、アウターシート51のうち、先端固定領域R1aの全体に接する部分に接着剤が塗布される。これにより、アウターシート51のうち、接着剤が塗布された部分において、接着剤の硬化に伴って、接着剤が塗布されていない状態よりも柔軟性が低くなる。
【0052】
この点で、先端弾性部材41aの固定領域R1における全体がアウターシート51に固定された構成と比べて、第1レッグギャザー22Aの縁からの距離が小さい位置において、接着剤が塗布される領域を小さくすることができる。そのため、第1レッグギャザー22Aの縁における柔軟性を高めることができる。
【0053】
先端固定領域R1aは、2つの先端固定部分R1a1と1つの非固定部分R1a2とから構成され、非固定部分R1a2は、2つの先端固定部分R1a1に先端弾性部材41aが延びる方向において挟まれている。先端弾性部材41aが延びる方向において、各先端固定部分R1a1の長さが、非固定部分R1a2の長さよりも短い。
【0054】
先端弾性部材41aにおいて、先端弾性部材41aが延びる方向に沿う先端固定部分R1a1の長さが、先端弾性部材41aが延びる方向に沿う非固定部分R1a2の長さよりも長い構成と比べて、接着剤が塗布される領域を先端弾性部材41aが延びる方向において小さくすることができる。そのため、第1レッグギャザー22Aの縁における柔軟性をより高めることができる。
【0055】
さらに、先端弾性部材41aが延びる方向において、先端固定部分R1a1の長さの合計が、非固定部分R1a2の長さよりも短い。これにより、接着剤が塗布される領域を先端弾性部材41aが延びる方向においてさらに小さくすることができるため、第1レッグギャザー22Aの縁における柔軟性をより高めることができる。
【0056】
基端弾性部材41bは基端固定領域R1bを備え、基端固定領域R1bは、アウターシート51およびインナーシート52に接着剤によって固定された基端固定部分R1b1を含んでいる。基端固定部分R1b1は、少なくとも基端弾性部材41bが延びる方向における2つの端部の各々に位置していればよく、基端弾性部材41bが延びる方向において、基端固定部分R1b1の長さの合計は、先端固定部分R1a1の長さの合計よりも長い。
【0057】
そのため、先端固定領域R1aが非固定部分R1a2を含むことによって第1レッグギャザー22Aの縁における柔軟性を高めつつも、先端固定部分R1a1よりも長い基端固定部分R1b1によって第1レッグギャザー22Aにおける肌に対する密着性が低下することが抑えられる。
【0058】
しかも、基端固定領域R1bの全体が、基端固定部分R1b1である。そのため、基端固定領域R1bが非固定部分を含む構成と比べて、第1レッグギャザー22Aにおける密着性の低下をより抑えることができる。
【0059】
先端弾性部材41aの先端固定部分R1a1は、第1レッグギャザー22Aの縁である第1縁P2aから離れている。そのため、第1レッグギャザー22Aの縁に先端固定部分R1a1が位置する構成と比べて、第1レッグギャザー22Aの縁には接着剤が塗布されにくくなるため、縁における柔軟性がより高まりやすくなる。
【0060】
なお、先端弾性部材41aの非固定部分R1a2では、非固定部分R1a2における形状の自由度が高まるため、先端固定部分R1a1に比べてひだが大きくなりやすい。第1レッグギャザー22Aの縁と第1レッグギャザー22Aの縁から最も近い基端弾性部材41bとの間の距離d(以下、「距離d」という。)は、ひだの大きさを決める一因となり、距離dが大きいほど、ひだも大きくなる。第1レッグギャザー22Aが有するひだが大きくなるほど、第1レッグギャザー22Aと着用者の肌との間の隙間が大きくなるため、着用者の排泄した液体が漏れやすくなる。
【0061】
こうした理由から、距離dは、9mm以下であることが好ましい。距離dが9mmよりも大きいと、第1レッグギャザー22Aが有するひだが大きくなり、第1レッグギャザー22Aと着用者の肌との間に大きな隙間が形成される。
【0062】
この点、距離dが9mm以下であれば、距離dが9mmよりも大きい構成と比べて、第1レッグギャザー22Aが有するひだが小さくなり、第1レッグギャザー22Aと着用者の肌とが触れる面積が小さくなることを抑えることができる。これによって、第1レッグギャザー22Aが着用者の肌に密着しにくくなること、および、沿いにくくなることが抑えられる。
【0063】
[立体ギャザーの構成]
先に参照した図3を再び参照して、立体ギャザーの構成をより詳しく説明する。第1立体ギャザー23Aと第2立体ギャザー23Bとは、おむつ10における位置が互いに異なる一方で、各立体ギャザーを構成する部材は互いに共通している。そのため、以下では、第1立体ギャザー23Aについて詳しく説明する一方で、第2立体ギャザー23Bの詳しい説明を省略する。
【0064】
図3が示すように、吸収性本体32は、上述したように第1方向D1に沿って延び、トップシート61、バックシート62、および、吸収体63を備えている。トップシート61は、液体、例えばおむつ10の着用者が排泄した液体を透過し、バックシート62は、トップシート61よりも液体を透過しない。吸収体63は、トップシート61とバックシート62との間に位置するとともに、トップシート61を透過した液体を吸収する。
【0065】
おむつ10は、上述したように、吸収性本体32のうち、第1方向D1に沿って延びる端部にそれぞれ固定される一対の立体ギャザー、すなわち、第1立体ギャザー23Aおよび第2立体ギャザー23Bを備えている。
【0066】
このうち、第1立体ギャザー23Aは、サイドシート71と、複数の立体弾性部材72とを備えている。サイドシート71は、本体部71a、折り返し部71b、および、折り返し縁71cを有している。本体部71aは、第1方向D1に沿って延び、かつ、サイドシート71における大部分を占めている。折り返し部71bは、第1方向D1に沿って延びるとともに、本体部71aに向かい合っている。
【0067】
おむつ10が展開された状態において、折り返し部71bは、本体部71aの第2方向D2における一方の端部において、第1方向D1に沿って延びる折り目に沿って、本体部71aに対して折り返された部分である。折り返し縁71cは、第1方向D1に沿って延びる折り目であって、本体部71aと折り返し部71bとは、折り返し縁71cにおいて互いに繋がっている。
【0068】
おむつ10が展開された状態において、折り返し部71bは、本体部71aに対して吸収性本体32が位置する側に折り返し縁71cにおいて折り返されているが、折り返し部71bは、本体部71aに対して吸収性本体32が位置する側とは反対側に折り返し縁71cにおいて折り返されてもよい。
【0069】
本体部71aは、第1方向D1に沿って吸収性本体32に固定された外側縁71a1と、外側縁71a1とは反対側の内側縁とを含み、本体部71aおよび折り返し部71bは内側縁を含んでいる。サイドシート71のなかで、折り返し縁71cが、本体部71aおよび折り返し部71bに含まれる内側縁を構成している。おむつ10が展開された状態において、外側縁71a1は、第2方向D2において内側縁よりも外側に位置し、内側縁は、第2方向D2において外側縁71a1よりも吸収性本体32の中央寄りに位置している。
【0070】
サイドシート71の外側縁71a1は、吸収性本体32のバックシート62と、外装体31のインナーシート52との間に位置し、バックシート62とインナーシート52とに固定されている。なお、サイドシート71の外側縁71a1は、第1方向D1に沿って延びる吸収性本体32の端部に固定されていればよく、外装体31には固定されなくてもよい。
【0071】
複数の立体弾性部材72は、本体部71aと折り返し部71bとの間に位置している。複数の立体弾性部材72は、第1方向D1に沿って延び、かつ、本体部71aが広がる平面において、第1方向D1と直交する方向に沿って並ぶ線状を有している。
【0072】
なお、各立体ギャザーにおいて、サイドシート71の本体部71aにおける各立体弾性部材72の位置は、アウターシート51における各レッグ弾性部材41の位置と同様であることが好ましい。また、各立体弾性部材72が、サイドシート71の本体部71aおよび折り返し部71bに対して接着剤によって固定される状態は、各レッグ弾性部材41が、アウターシート51およびインナーシート52に対して接着剤によって固定される状態と同様であることが好ましい。これにより、各立体ギャザーによっても、各レッグギャザーと同等の効果を得ることができる。
【0073】
[ウエストギャザーの構成]
図5を参照してウエストギャザーの構成をより詳しく説明する。図5は、図2におけるII−II線に沿う断面構造を示している。
図5が示すように、第1ウエストギャザー21Aは、アウターシート51、インナーシート52、および、複数のウエスト弾性部材81から構成されている。アウターシート51は、第1ウエストギャザー21Aの縁を含んでいる。第1ウエストギャザー21Aは、おむつ10の着用時において、第2方向D2に沿って並ぶ複数のひだを有している。
【0074】
アウターシート51は、本体部51a、折り返し部51b、および、折り返し縁51cを有している。本体部51aは、第1方向D1に沿って延び、かつ、アウターシート51における大部分を占めている。折り返し部51bは、本体部51aの第1方向D1における各端部において、第2方向D2に沿って延びる折り目に沿って、本体部51aに対して折り返された部分である。折り返し縁51cは、第2方向D2に沿って延びる折り目であって、本体部51aと折り返し部51bとは、折り返し縁51cにおいて互いに繋がっている。
【0075】
すなわち、本体部51aは、1枚のシートであるアウターシート51を構成する1つのシート要素であり、折り返し部51bは、アウターシート51のうち、本体部51aとは異なる部分を構成する他のシート要素である。本体部51aと折り返し部51bとの境界である折り返し縁51cが、1つのウエストギャザーにおける縁である。
【0076】
アウターシート51の折り返し部51bとインナーシート52とが、アウターシート51の本体部51aに向かい合うとともに、折り返し部51bが、第1ウエストギャザー21Aの縁を含んでいる。インナーシート52の第1方向D1における端部は、アウターシート51の折り返し部51bのうち、折り返し縁51cよりも中央寄りの部分に固定されている。
【0077】
複数のウエスト弾性部材81のうちの一部は、アウターシート51における本体部51aと折り返し部51bとの間に位置し、複数のウエスト弾性部材81のうちの他の一部は、アウターシート51の本体部51aとインナーシート52との間に位置している。複数のウエスト弾性部材81は、第2方向D2に沿って延び、かつ、第1方向D1に並ぶ線状を有している。
【0078】
第2ウエストギャザー21Bは、第1ウエストギャザー21Aと同様、アウターシート51、インナーシート52、および、複数のウエスト弾性部材81から構成されている。なお、第1ウエストギャザー21Aと第2ウエストギャザー21Bとは、第1方向D1における位置が互いに異なる一方で、各ウエストギャザーを構成する部材は共通している。
【0079】
上述したように、外装体31は、アウターシート51、インナーシート52、および、複数の弾性部材から構成されている。アウターシート51およびインナーシート52は、第1方向D1および第2方向D2に沿って二次元的に広がるシート状を有している。インナーシート52における第1方向D1の端部は、アウターシート51の折り返し部51bに固定され、インナーシート52の端部を含む部分が、折り返し部51bによって覆われている。外装体31が備える複数の弾性部材は、上述した複数のレッグ弾性部材41、および、複数のウエスト弾性部材81を含んでいる。
【0080】
吸収性本体32は、インナーシート52に固定され、吸収性本体32の第1方向D1における端部は、それぞれアウターシート51の折り返し部51bに覆われている。
【0081】
外装体31が備える複数の弾性部材は、複数のタミー弾性部材82をさらに含み、複数のタミー弾性部材82は、第1方向D1において、ウエスト弾性部材81よりも外装体31の中央寄りに位置している。
【0082】
複数のタミー弾性部材82は、吸収体63よりも第1接合端部P1a,P3a寄りに位置する複数のタミー弾性部材82と、吸収体63よりも第2接合端部P1b,P3b寄りに位置する複数のタミー弾性部材82とから構成されている。吸収体63よりも第1接合端部P1a,P3a寄りに位置する複数のタミー弾性部材82、および、吸収体63よりも第2接合端部P1b,P3b寄りに位置する複数のタミー弾性部材82は、それぞれ第2方向D2に沿って延びる線状を有し、第1方向D1において間隔を空けて並んでいる。
【0083】
アウターシート51、インナーシート52、および、タミー弾性部材82がタミーギャザーを構成し、タミーギャザーのうち、前身頃11に位置するタミーギャザーが第1タミーギャザー24Aであり、後身頃12に位置するタミーギャザーが第2タミーギャザー24Bである。各タミーギャザーは、おむつ10の着用時において、第2方向D2に沿って並ぶ複数のひだを有している。
【0084】
なお、各ウエストギャザーにおいて、アウターシート51の本体部51aにおける各ウエスト弾性部材81の位置は、アウターシート51における各レッグ弾性部材41の位置と同様であることが好ましい。また、各ウエスト弾性部材81が、アウターシート51およびインナーシート52に対して接着剤によって固定される状態は、各レッグ弾性部材41が、アウターシート51およびインナーシート52に対して接着剤によって固定される状態と同様であることが好ましい。これにより、各ウエストギャザーによっても、各レッグギャザーと同等の効果を得ることができる。
【0085】
以上説明したように、吸収性物品の第1実施形態によれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
(1)各レッグギャザーの縁からの距離が小さい位置において、接着剤が塗布される領域を小さくすることができるため、各レッグギャザーの縁における柔軟性を高めることができる。
【0086】
(2)先端弾性部材41aにおいて、先端弾性部材41aが延びる方向に沿う各先端固定部分R1a1の長さが、先端弾性部材41aが延びる方向に沿う非固定部分R1a2の長さよりも長い構成と比べて、接着剤が塗布される領域を先端弾性部材41aが延びる方向において小さくすることができる。そのため、各レッグギャザーの縁における柔軟性をより高めることができる。
【0087】
(3)先端弾性部材41aにおいて、先端固定部分R1a1の長さの合計が非固定部分R1a2の長さよりも短いため、接着剤が塗布される領域を先端弾性部材41aの延びる方向においてさらに小さくすることができる。それゆえに、各レッグギャザーの縁における柔軟性をより高めることができる。
【0088】
(4)先端固定領域R1aが非固定部分R1a2を含むことによって縁における柔軟性を高めつつも、先端固定部分R1a1よりも長い基端固定部分R1b1によってレッグギャザーにおける肌に対する密着性が低下することを抑えることができる。
【0089】
(5)基端固定領域R1bが非固定部分を含む構成と比べて、各レッグギャザーにおける密着性の低下を抑えることができる。
【0090】
(6)先端固定部分R1a1が第1縁P2aから離れているため、第1レッグギャザー22Aの縁に先端固定部分R1a1が位置する構成と比べて、第1レッグギャザー22Aの縁には接着剤が塗布されにくくなるため、縁における柔軟性がより高まりやすくなる。
【0091】
[第1実施形態の変形例]
なお、上述した第1実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・各レッグギャザーにおいて、アウターシート51およびインナーシート52のいずれかが、第1シート要素および第2シート要素の両方を含んでもよい。すなわち、アウターシート51およびインナーシート52のいずれかが、第1方向D1に沿って延びる本体部と、第2方向D2の縁に沿う折り目である折り返し縁に沿って、本体部に対して折り返された折り返し部とを備えていればよく、本体部が第1シート要素の一例であり、折り返し部が第2シート要素の一例である。そして、本体部と折り返し部との境界である折り返し縁が、レッグギャザーの縁である。
【0092】
・第1レッグギャザー22Aが備える先端弾性部材41aは、第2部分31P2の第1縁P2aに位置してもよいし、第2レッグギャザー22Bが備える先端弾性部材41aは、第2部分31P2の第2縁P2bに位置してもよい。
【0093】
こうした構成によれば、各レッグギャザーの縁から先端固定部分R1a1が離れている構成と比べて、各レッグギャザーの縁に少なからず先端弾性部材41aを位置させることができ、これにより、着用者の肌に先端弾性部材41aが接しやすくなるため、各レッグギャザーの密着性を高めることができる。ひいては、レッグギャザーよりも内側からレッグギャザーよりも外側に、着用者の排泄した液体が漏れることが抑えられる。
【0094】
加えて、先端弾性部材41aの先端固定部分R1a1がレッグギャザーの縁に位置することにより、先端弾性部材41aがレッグギャザーの縁から離れた構成と比べて、基端弾性部材41bの全体が縁寄りに位置することができる。これにより、距離dが小さくなるため、着用者の排泄した液体が漏れにくくなる。
【0095】
また、こうした構成では、おむつ10の製造において、本体部と折り返し部とを含むシートを先端弾性部材41aに沿って折り曲げることができるため、先端弾性部材41aが各レッグギャザーの縁から離れている構成と比べて、シートの折り曲げが容易である。
【0096】
・基端固定領域R1bは、非固定部分を含んでもよい。この場合には、複数の基端弾性部材41bにおいて、レッグ弾性部材41が延びる方向に沿う非固定部分の長さが互いに等しくてもよいし、互いに異なってもよい。これにより、基端固定領域R1bが非固定部分を含まない構成と比べて、立体ギャザーの柔軟性を高めることはできる。
【0097】
複数の基端弾性部材41bにおいて、レッグ弾性部材41が延びる方向に沿う非固定部分の長さが互いに異なる構成では、例えば、複数のレッグ弾性部材41が並ぶ方向において先端弾性部材41aからの距離が小さい基端弾性部材41bほど、レッグ弾性部材41が延びる方向に沿う非固定部分の長さが長くてもよい。こうした構成によれば、レッグギャザーの縁に近い部分ほど、接着剤の塗布される領域を減らすことができるため、レッグギャザーの縁に近付くほど、レッグギャザーの柔軟性が高まりやすくなる。
【0098】
・基端固定領域R1bが非固定部分を含む構成では、基端弾性部材41bは、レッグ弾性部材41が延びる方向における基端固定領域R1bの端に1つずつ基端固定部分R1b1を有することが好ましい。基端固定領域R1bは、レッグ弾性部材41が延びる方向における2つの基端固定部分R1b1の間に、1つ以上の基端固定部分R1b1をさらに有してもよい。
【0099】
・先端固定領域R1aにおいて、2つの先端固定部分R1a1におけるレッグ弾性部材41が延びる方向に沿う長さの合計が、レッグ弾性部材41が延びる方向に沿う非固定部分R1a2の長さよりも長くてもよい。こうした構成であっても、先端固定領域R1aが非固定部分R1a2を含んでいれば、上述した(1)と同等の効果を得ることはできる。
【0100】
・先端固定領域R1aの各先端固定部分R1a1における長さは、非固定部分R1a2における長さよりも長くてもよい。こうした構成であっても、先端固定領域R1aが非固定部分R1a2を含んでいれば、上述した(1)と同等の効果を得ることはできる。
【0101】
・レッグ弾性部材41が延びる方向において、先端固定領域R1aは、互いに離れた2つの先端固定部分R1a1以外に、2つの先端固定部分R1a1に挟まれる1つ以上の他の先端固定部分R1a1を有してもよい。こうした構成であっても、レッグ弾性部材41が延びる方向において、先端固定部分R1a1が非固定部分R1a2を含んでいれば、上述した(1)と同等の効果を得ることはできる。
【0102】
・レッグギャザーは、アウターシート51とインナーシート52とに代えて、例えば、吸収性本体32のバックシート62、サイドシート71、および、これらの間に位置する複数のレッグ弾性部材41を含んでもよい。この場合には、バックシート62が第1シートの一例であり、サイドシート71が第2シートの一例である。
【0103】
・おむつ10を展開した状態において、レッグ開口端部の縁、すなわち第2部分31P2における第2方向D2の縁である第1縁P2aおよび第2縁P2bは、それぞれ第1方向D1に沿って延びる直線状を有してもよい。こうした構成であっても、複数のレッグ弾性部材41は、各縁に沿って延びていればよく、また、レッグ弾性部材41の延びる方向と直交する方向に並んでいればよい。言い換えれば、こうした構成では、複数のレッグ弾性部材41は、各縁の延びる方向である第1方向D1に沿って延び、かつ、第1方向D1と直交する第2方向D2において並んでいればよい。
【0104】
・前端部11aと後端部12aとのうち、いずれか一方のみがウエストギャザーの位置するギャザー端部であってもよい。あるいは、前端部11aと後端部12aとの両方がギャザー端部である一方で、いずれかの端部に位置するウエストギャザーでは、先端固定領域の全体が先端固定部分である構成であってもよい。こうした構成であっても、いずれかの身頃に位置するウエストギャザーであって、先端固定領域が非固定部分を含んでいれば、上述した(1)と同等の効果を得ることはできる。
【0105】
・立体ギャザーは、サイドシート71と、サイドシート71とは異なる他のシートと、サイドシート71と他のシートとに挟まれる複数の立体弾性部材72とから構成されてもよい。この場合には、サイドシート71における折り返し部71bは省略されればよい。こうした構成では、サイドシート71が第1シートの一例であり、他のシートが第2シートの一例である。
【0106】
・ウエストギャザーにおいて、全てのウエスト弾性部材81が、アウターシート51の本体部51aと、アウターシート51の折り返し部51bとの間に位置してもよい。
【0107】
・複数のウエスト弾性部材81の一部は、アウターシート51の本体部51aと折り返し部51bとによって挟まれているが、全てのウエスト弾性部材81が、アウターシート51と他のシート、例えば、インナーシート52あるいはインナーシート52とは異なるシートとの間に挟まれてもよい。この場合には、アウターシート51は折り返し部51bを有さなくてよく、また、アウターシート51とともにウエスト弾性部材81を挟むシートが、アウターシート51に向かい合っていればよい。こうした構成では、アウターシート51が第1シートの一例であり、他のシートが第2シートの一例である。
【0108】
・おむつ10はテープ型のおむつであってもよい。この場合には、ウエストギャザーは、例えば、バックシート62の外側に位置するカバーシート、サイドシート71、および、複数のウエスト弾性部材81から構成されればよい。こうした構成では、カバーシートが第1シートの一例であり、サイドシート71が第2シートの一例である。
【0109】
テープ型のおむつにおいて、レッグギャザーは、例えば、カバーシート、サイドシート71、および、複数のレッグ弾性部材41から構成されてもよく、こうした構成では、カバーシートが第1シートの一例であり、サイドシート71が第2シートの一例である。また例えば、レッグギャザーは、バックシート62、トップシート61、および、複数のレッグ弾性部材41から構成されてもよく、こうした構成では、バックシート62が第1シートの一例であり、トップシート61が第2シートの一例である。
【0110】
また例えば、レッグギャザーは、トップシート61、および、複数のレッグ弾性部材41から構成されてもよく、こうした構成では、トップシート61が、本体部と本体部に対して折り返された折り返し部とを備え、トップシート61が第1シート要素および第2シート要素を含む1枚のシートの一例である。また例えば、レッグギャザーは、バックシート62、サイドシート71、および、複数のレッグ弾性部材41から構成されてもよく、こうした構成では、バックシート62が第1シートであり、サイドシート71が第2シートである。
【0111】
・おむつ10は、レッグギャザー、立体ギャザー、ウエストギャザー、および、タミーギャザーの4種類のギャザーを備えているが、これらのうち、少なくともレッグギャザーを備えていればよい。
【0112】
・吸収性物品はおむつ10に限らず、例えば、尿取りパッド、吸収パッド、および、生理用ナプキンなどであってもよい。
【0113】
[第2実施形態]
図6から図8を参照して、吸収性物品を使い捨ておむつの一例であるパンツ型のおむつとして具体化した第2実施形態を説明する。第2実施形態のおむつは、第1実施形態のおむつと比べて、外装体および吸収性物品の構成が異なっている。そのため、以下では、こうした相違点を詳しく説明する一方で、第1実施形態のおむつと共通する構成についての詳しい説明を省略する。
【0114】
また、第2実施形態のおむつは、着用者によって着用される状態において、第1実施形態のおむつと同様の形状を有している。そのため、以下では、第2実施形態のおむつにおける平面構造および断面構造を詳しく説明する一方で、着用者によって着用される状態における形状の説明を省略する。また、以下では、おむつの全体構成、立体ギャザーの構成、レッグギャザーの構成、および、ウエストギャザーの構成を順番に説明する。
【0115】
[おむつの全体構成]
図6を参照しておむつの全体構成を説明する。
図6が示すように、おむつ90は、腹側外装体91、背側外装体92、吸収性本体93、および、一対のサイドシート94を備えている。腹側外装体91および背側外装体92の各々は、第2方向D2に沿って延びる帯状を有し、腹側外装体91と背側外装体92とは、第1方向D1において間隔を空けて並んでいる。
【0116】
腹側外装体91において、第2方向D2における2つの端部は、第1接合端部91aと第2接合端部91bとから構成されている。背側外装体92において、第2方向D2における2つの端部は、第1接合端部92aと第2接合端部92bとから構成されている。第2方向D2において、腹側外装体91の第1接合端部91aの位置と、背側外装体92の第1接合端部92aの位置とがほぼ等しく、腹側外装体91の第2接合端部91bの位置と、背側外装体92の第2接合端部92bの位置とがほぼ等しい。
【0117】
吸収性本体93は、第1方向D1に沿って延びる帯状を有している。第2方向D2において、吸収性本体93の幅は、腹側外装体91の幅および背側外装体92の幅よりも小さい。吸収性本体93の第1方向D1における2つの端部のうち、一方の端部が、腹側外装体91のなかで第2方向D2における中央を含む部分に固定され、他方の端部が、背側外装体92のなかで第2方向D2における中央を含む部分に固定されている。
【0118】
各サイドシート94は第1方向D1に沿って延びる帯状を有し、一対のサイドシート94は、吸収性本体93における第2方向D2の端部にそれぞれ固定されている。
【0119】
おむつ90では、腹側外装体91の第1接合端部91aと背側外装体92の第1接合端部92aとが互いに接合され、腹側外装体91の第2接合端部91bと背側外装体92の第2接合端部92bとが互いに接合される。これにより、パンツ型を有したおむつ90が形成される。おむつ90において、腹側外装体91と、吸収性本体93のなかで腹側外装体91に重なる部分とが、前身頃11を構成し、背側外装体92と、吸収性本体93のなかで背側外装体92に重なる部分とが、後身頃12を構成している。吸収性本体93のなかで腹側外装体91および背側外装体92のいずれとも重ならない部分が、股下部13を構成している。
【0120】
また、パンツ型を有したおむつ90では、腹側外装体91と背側外装体92とがウエスト開口を区画し、腹側外装体91の一部、背側外装体92の一部、および、吸収性本体93の一部が、レッグ開口を区画する開口端部を構成している。より詳しくは、吸収性本体93のうち、第2方向D2における2つの端部、言い換えれば前身頃11から後身頃12に向かう方向に延びる端部は、第1端部93aおよび第2端部93bから構成されている。第1端部93aのうち、腹側外装体91および背側外装体92に重ならない部分、すなわち股下部13の端部が、第1開口要素93a1である。第1開口要素93a1には、複数のひだを含む第1レッグギャザーが位置している。第2端部93bのうち、腹側外装体91および背側外装体92に重ならない部分、すなわち股下部13の端部が、第2開口要素93b1である。第2開口要素93b1には、複数のひだを含む第2レッグギャザーが位置している。
【0121】
[立体ギャザーの構成]
図7を参照して立体ギャザーの構成を説明する。図7は、図6におけるIII−III線に沿う断面構造を示している。図7では、図示の便宜上、一対のサイドシート94が、吸収性本体93から離れた状態で図示されている。
【0122】
図7が示すように、おむつ90は、第2方向D2において並ぶ第1立体ギャザー101Aと第2立体ギャザー101Bとを備えている。各立体ギャザーは、第1方向D1に沿って延び、かつ、吸収性本体93における着用者の肌と向かい合う面のなかで、吸収性本体93における第2方向D2の端部にそれぞれ位置している。なお、第1立体ギャザー101Aと第2立体ギャザー101Bとは、おむつ90における位置が互いに異なる一方で、各立体ギャザーを構成する部材は共通である。そのため、以下では、第1立体ギャザー101Aについて詳しく説明し、第2立体ギャザー101Bの説明を省略する。
【0123】
第1立体ギャザー101Aは、1枚のサイドシート94と、複数の立体弾性部材95とから構成されている。サイドシート94は、第1シート要素94a、第2シート要素94b、および、折り返し縁94cから構成されている。折り返し縁94cは第1方向D1に沿って延びる直線状を有し、第2シート要素94bは、折り返し縁94cにおいて第1シート要素94aに対して折り返されている。
【0124】
第1シート要素94aは、折り返し縁94cとは反対側の縁である第1縁94a1を含み、第2シート要素94bは、折り返し縁94cとは反対側の縁である第2縁94b1を含んでいる。第1縁94a1と第2縁94b1とは、第1シート要素94aと第2シート要素94bとが重なる方向において、互いに重なっている。
【0125】
第1シート要素94aおよび第2シート要素94bは互いに向かい合い、複数の立体弾性部材95が、第1シート要素94aと第2シート要素94bとの間に挟まれている。複数の立体弾性部材95は、第1シート要素94aと第2シート要素94bとの間のなかで、折り返し縁94cに接する位置から、第2方向D2において間隔を空けて並んでいる。
【0126】
第1シート要素94aおよび第2シート要素94bにおいて、折り返し縁94cが内側縁であり、第1縁94a1と第2縁94b1とが外側縁を構成している。
【0127】
[レッグギャザーの構成]
先に参照した図7を再び参照して、レッグギャザーの構成を説明する。
図7が示すように、吸収性本体93は、トップシート111、バックシート112、カバーシート113、および、吸収体114を備えている。トップシート111、バックシート112、カバーシート113、および、吸収体114の各々は、第1方向D1に沿って延びる帯状を有している。吸収性本体93の厚さ方向において、トップシート111とバックシート112との間に吸収体114が位置している。
【0128】
カバーシート113はバックシート112の外側に位置し、バックシート112のうち、吸収体114と向かい合う面とは反対側の面の全体を覆っている。カバーシート113は、本体部113a、2つの折り返し部113b、および、2つの折り返し縁113cから構成されている。
【0129】
各折り返し縁113cは、第1方向D1に沿って延びる直線状を有し、第2方向D2において、バックシート112の2つの縁は、2つの折り返し縁113cによって挟まれる領域内に位置している。各折り返し部113bは、1つの折り返し縁113cにおいて本体部113aに対して折り返され、かつ、第2方向D2において、各折り返し部113bは、バックシート112の1つの端部を覆っている。各折り返し部113bには、トップシート111の第2方向D2における1つの端部が接合されている。
【0130】
吸収性本体93は、さらに複数のレッグ弾性部材115を備え、各レッグ弾性部材115は、第1方向D1に沿って延びる線状を有し、第2方向D2において間隔を空けて並んでいる。複数のレッグ弾性部材115は、第1レッグ弾性部材群115Aと第2レッグ弾性部材群115Bとから構成されている。第1レッグ弾性部材群115Aは、第2方向D2において、吸収体114よりも一方の折り返し縁113c寄りに位置する複数のレッグ弾性部材115から構成され、第2レッグ弾性部材群115Bは、吸収体114よりも他方の折り返し縁113c寄りに位置する複数のレッグ弾性部材115から構成されている。
【0131】
各レッグ弾性部材群において、折り返し縁113cからの距離が最も小さいレッグ弾性部材115は、本体部113aと折り返し部113bとの間に位置している。一方で、それ以外のレッグ弾性部材115は、折り返し部113bとバックシート112との間に位置している。
【0132】
こうしたおむつ90において、バックシート112の本体部113a、折り返し部113b、カバーシート113、および、第1レッグ弾性部材群115Aが、第1レッグギャザー102Aを構成している。また、バックシート112の本体部113a、折り返し部113b、カバーシート113、および、第2レッグ弾性部材群115Bが、第2レッグギャザー102Bを構成している。第1レッグギャザー102Aにおいて、第1レッグギャザー102Aに含まれる折り返し縁113cが、第1レッグギャザー102Aの縁を構成し、第2レッグギャザー102Bに含まれる折り返し縁113cが、第2レッグギャザー102Bの縁を構成している。
【0133】
なお、吸収性本体93のうち、第2方向D2における各端部では、カバーシート113の折り返し部113bと、トップシート111の一部とに、上述したサイドシート94が接合されている。
【0134】
[ウエストギャザーの構成]
図8を参照してウエストギャザーの構成を説明する。図8は、図6のIV−IV線に沿う断面構造を示している。図8では、図示の便宜上、吸収性本体93を1つのブロックで表している。
【0135】
図8が示すように、腹側外装体91は、第1アウターシート121、第1インナーシート122、および、複数の第1ウエスト弾性部材123を備えている。背側外装体92は、第2アウターシート131、第2インナーシート132、および、複数の第2ウエスト弾性部材133を備えている。
【0136】
おむつ90の厚さ方向において、第1アウターシート121と第1インナーシート122とが重なり、第2アウターシート131と第2インナーシート132とが重なっている。第1インナーシート122のうち、第1アウターシート121と向かい合う面とは反対側の面、および、第2インナーシート132のうち、第2アウターシート131と向かい合う面とは反対側の面には、吸収性本体93が接合されている。
【0137】
第1アウターシート121は、本体部121a、折り返し部121b、および、折り返し縁121cから構成されている。折り返し縁121cは、第2方向D2に沿って延びる直線状を有し、折り返し部121bは、折り返し縁121cにおいて、本体部121aに対して、第1インナーシート122が位置する側に折り返されている。これにより、折り返し部121bは、第1インナーシート122における第1方向D1の1つの端部と、吸収性本体93における第1方向D1の1つの端部とを覆っている。
【0138】
複数の第1ウエスト弾性部材123は、第1方向D1において、第1アウターシート121と第1インナーシート122との間のなかで、吸収性本体93よりも折り返し縁121c寄りに位置している。各第1ウエスト弾性部材123は、第2方向D2に沿って延びる線状を有し、第1方向D1において間隔を空けて並んでいる。
【0139】
こうしたおむつ90では、第1アウターシート121、第1インナーシート122、および、複数の第1ウエスト弾性部材123が、第1ウエストギャザー103Aを構成している。第1アウターシート121の折り返し縁121cが、第1ウエストギャザー103Aの縁を構成している。
【0140】
これに対して、第2アウターシート131は、第1アウターシート121と同様、本体部131a、折り返し部131b、および、折り返し縁131cから構成されている。折り返し縁131cは、第2方向D2に沿って延びる直線状を有し、折り返し部131bは、折り返し縁131cにおいて、本体部131aに対して、第2インナーシート132が位置する側に折り返されている。これにより、折り返し部131bは、第2インナーシート132における第1方向D1の1つの端部と、吸収性本体93における第1方向D1の1つの端部とを覆っている。
【0141】
複数の第2ウエスト弾性部材133は、第1方向D1において、第2アウターシート131と第2インナーシート132との間のなかで、吸収性本体93よりも折り返し縁131c寄りに位置している。各第2ウエスト弾性部材133は、第2方向D2に沿って延びる線状を有し、第1方向D1において間隔を空けて並んでいる。
【0142】
こうしたおむつ90では、第2アウターシート131、第2インナーシート132、および、複数の第2ウエスト弾性部材133が、第2ウエストギャザー103Bを構成している。第2アウターシート131の折り返し縁131cが、第2ウエストギャザー103Bの縁を構成している。
【0143】
腹側外装体91において、第1アウターシート121と第1インナーシート122との間には、複数の第1タミー弾性部材124が位置している。複数の第1タミー弾性部材124は、全ての第1ウエスト弾性部材123よりも、第1方向D1において、吸収性本体93の中央寄りに位置している。
【0144】
複数の第1タミー弾性部材124は、吸収性本体93よりも第1接合端部91a寄りに位置する複数の第1タミー弾性部材124と、吸収性本体93よりも第2接合端部91b寄りに位置する複数の第1タミー弾性部材124とから構成されている。吸収性本体93よりも第1接合端部91a寄りに位置する複数の第1タミー弾性部材124、および、吸収性本体93よりも第2接合端部91b寄りに位置する複数の第1タミー弾性部材124は、それぞれ第2方向D2に沿って延びる線状を有し、第1方向D1において間隔を空けて並んでいる。
【0145】
第1アウターシート121、第1インナーシート122、および、第1タミー弾性部材124が、第1タミーギャザー104Aを構成している。第1タミーギャザー104Aは、おむつ10の着用時において、第2方向D2に沿って並ぶ複数のひだを有している。
【0146】
背側外装体92において、第2アウターシート131と第2インナーシート132との間には、複数の第2タミー弾性部材134が位置している。複数の第2タミー弾性部材134は、全ての第2ウエスト弾性部材133よりも、第1方向D1において、吸収性本体93の中央寄りに位置している。
【0147】
複数の第2タミー弾性部材134は、吸収性本体93よりも第1接合端部92a寄りに位置する複数の第2タミー弾性部材134と、吸収性本体93よりも第2接合端部92b寄りに位置する複数の第2タミー弾性部材134とから構成されている。吸収性本体93よりも第1接合端部92a寄りに位置する複数の第2タミー弾性部材134、および、吸収性本体93よりも第2接合端部91b寄りに位置する複数の第2タミー弾性部材134は、それぞれ第2方向D2に沿って延びる線状を有し、第1方向D1において間隔を空けて並んでいる。
【0148】
第2アウターシート131、第2インナーシート132、および、第2タミー弾性部材134が、第2タミーギャザー104Bを構成している。第2タミーギャザー104Bは、おむつ10の着用時において、第2方向D2に沿って並ぶ複数のひだを有している。
【0149】
[第2実施形態の変形例]
なお、上述した第2実施形態は、以下のように適宜変更して実施することができる。
・第1レッグギャザー102Aにおいて、第1レッグ弾性部材群115Aを構成する全てのレッグ弾性部材115が、カバーシート113の折り返し部113bと、バックシート112との間に位置してもよい。また、第2レッグギャザー102Bにおいて、第2レッグ弾性部材群115Bを構成する全てのレッグ弾性部材115が、カバーシート113の折り返し部113bと、バックシート112との間に位置してもよい。
【0150】
・第1インナーシート122のうち、第1アウターシート121の折り返し部121bで覆われた端部が、第1方向D1において、全ての第1ウエスト弾性部材123よりも吸収性本体93寄りに位置してもよい。すなわち、第1ウエストギャザー103Aにおいて、全ての第1ウエスト弾性部材123が、第1アウターシート121の本体部121aと折り返し部121bとの間に位置してもよい。また、第2インナーシート132のうち、第2アウターシート131の折り返し部131bで覆われた端部が、第1方向D1において、全ての第2ウエスト弾性部材133よりも吸収性本体93寄りに位置してもよい。すなわち、第2ウエストギャザー103Bにおいて、全ての第2ウエスト弾性部材133が、第2アウターシート131の本体部131aと折り返し部131bとの間に位置してもよい。
【0151】
・腹側外装体91および背側外装体92の各々は、1枚の外装シートのみを備える構成であってもよい。この場合には、各外装シートが、第1シート要素、第2シート要素、および、ウエストギャザーの縁を構成する折り返し縁から構成されていればよい。そして、折り返し縁が第2方向D2に沿って延びる直線状を有し、第2シート要素が、折り返し縁において、第1シート要素に対して吸収性本体93の位置する側に折り返されていればよい。また、複数のウエスト弾性部材は、第1シート要素と第2シート要素との間に位置していればよい。なお、吸収性本体93は、第2シート要素のうち、第1シート要素と向かい合う面とは反対側の面に接合されていればよい。
【0152】
・おむつ90は、レッグギャザー、立体ギャザー、ウエストギャザー、および、タミーギャザーの4種類のギャザーを備えているが、これらのうち、少なくともレッグギャザーを備えていればよい。
【符号の説明】
【0153】
10,90…おむつ、10a…ウエスト開口、10a1…ウエスト端部、10b1…第1レッグ開口、10b2…第2レッグ開口、11…前身頃、11a…前端部、11a1,12a1,13a1,13b1…縁、12…後身頃、12a…後端部、13…股下部、13a…第1レッグ端部、13b…第2レッグ端部、21A,103A…第1ウエストギャザー、21B,103B…第2ウエストギャザー、22A,102A…第1レッグギャザー、22B,102B…第2レッグギャザー、23A,101A…第1立体ギャザー、23B,101B…第2立体ギャザー、24A,104A…第1タミーギャザー、24B,104B…第2タミーギャザー、31…外装体、31a…第1端部、31b…第2端部、31P1…第1部分、31P2…第2部分、31P3…第3部分、32,93…吸収性本体、41,115…レッグ弾性部材、41a…先端弾性部材、41b…基端弾性部材、51…アウターシート、51a,71a,113a,121a,131a…本体部、51b,71b,113b,121b,131b…折り返し部、51c,71c,94c,113c,121c,131c…折り返し縁、52…インナーシート、61,111…トップシート、62,112…バックシート、63,114…吸収体、71,94…サイドシート、71a1…外側縁、72,95…立体弾性部材、81…ウエスト弾性部材、82…タミー弾性部材、91…腹側外装体、91a,92a,P1a,P3a…第1接合端部、91b,92b,P1b,P3b…第2接合端部、92…背側外装体、93a…第1端部、93a1…第1開口要素、93b…第2端部、93b1…第2開口要素、94a…第1シート要素、94a1,P2a…第1縁、94b…第2シート要素、94b1,P2b…第2縁、113…カバーシート、115A…第1レッグ弾性部材群、115B…第2レッグ弾性部材群、121…第1アウターシート、122…第1インナーシート、123…第1ウエスト弾性部材、124…第1タミー弾性部材、131…第2アウターシート、132…第2インナーシート、133…第2ウエスト弾性部材、134…第2タミー弾性部材、R1…固定領域、R1a…先端固定領域、R1a1…先端固定部分、R1a2…非固定部分、R1b…基端固定領域、R1b1…基端固定部分、R2…自由領域。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8