特許第6729903号(P6729903)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ NECプラットフォームズ株式会社の特許一覧

特許6729903POSシステム、POS端末、テーブル端末、テーブル使用可能判定方法、及びプログラム
<>
  • 特許6729903-POSシステム、POS端末、テーブル端末、テーブル使用可能判定方法、及びプログラム 図000002
  • 特許6729903-POSシステム、POS端末、テーブル端末、テーブル使用可能判定方法、及びプログラム 図000003
  • 特許6729903-POSシステム、POS端末、テーブル端末、テーブル使用可能判定方法、及びプログラム 図000004
  • 特許6729903-POSシステム、POS端末、テーブル端末、テーブル使用可能判定方法、及びプログラム 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6729903
(24)【登録日】2020年7月6日
(45)【発行日】2020年7月29日
(54)【発明の名称】POSシステム、POS端末、テーブル端末、テーブル使用可能判定方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20200716BHJP
   G07G 1/06 20060101ALI20200716BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20200716BHJP
【FI】
   G07G1/12 361D
   G07G1/12 361C
   G07G1/06 B
   G07G1/12 351Z
   G06Q30/06
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-91977(P2019-91977)
(22)【出願日】2019年5月15日
【審査請求日】2019年5月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】重松 宏和
【審査官】 木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】 特開2019−032606(JP,A)
【文献】 特開2011−048418(JP,A)
【文献】 特開2019−091188(JP,A)
【文献】 特開2016−110463(JP,A)
【文献】 特開2018−041137(JP,A)
【文献】 特開2018−108671(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第3483812(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00−1/14
G06Q 30/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗内での飲食と持ち帰りとが選択可能な商品について、客の注文を受け付けて精算を行うPOS端末と、
店舗内に設置されたテーブルに配置されているテーブル端末とを備え、
前記POS端末は、客が店舗内での飲食を選択した場合、レシートの発行時刻を含むコードを前記レシートに印刷して出力し、
前記テーブル端末は、前記コードを読み取る読取装置を含み、該読取装置が前記コードを読み取り、
前記POS端末又は前記テーブル端末が、前記コードが読み取られた時刻と、前記レシートの発行時刻との差が、所定時間以内の場合、前記テーブルの使用が可能と判定するPOSシステム。
【請求項2】
前記テーブル端末は、前記テーブルに対応して配置された表示器を更に含み、前記テーブルの使用が可能であると判定された場合、前記表示器を点灯する請求項1に記載のPOSシステム。
【請求項3】
前記テーブル端末は、客がテーブルの使用の終了を入力した場合、前記表示器を消灯する請求項2に記載のPOSシステム。
【請求項4】
前記コードは、2次元バーコードを用いて作成される請求項1から3何れか1項に記載のPOSシステム。
【請求項5】
前記POS端末は、客が店舗内での飲食を選択した場合と、客が持ち帰りを選択した場合とで、異なる税率で消費税を計算する請求項1から何れか1項に記載のPOSシステム。
【請求項6】
店舗内での飲食と持ち帰りとが選択可能な商品について、客の注文を受け付けて精算を行う電子レジスタと、
客が店舗内での飲食を選択した場合、レシートの発行時刻を含むコードを前記レシートに印刷して出力するプリンタとを備え、
店舗内に設置されたテーブルに配置されているテーブル端末から、前記レシートの発行時刻と、前記テーブル端末が前記コードを読み取った時刻とを受信し、
前記コードが読み取られた時刻と、前記レシートの発行時刻との差が、所定時間以内の場合、前記テーブルの使用が可能と判定するPOS端末。
【請求項7】
店舗内に設置されたテーブルに配置され、
店舗内での飲食と持ち帰りとが選択可能な商品について、客が店舗内での飲食を選択した場合に発行された、レシートの発行時刻を含むコードが印刷された前記レシートを読み取る読取装置と、
前記読取装置で前記コードが読み取られた場合、前記コードが読み取られた時刻と、前記レシートの発行時刻との差が、所定時間以内の場合、前記テーブルの使用が可能と判定する制御装置とを備えるテーブル端末。
【請求項8】
店舗内での飲食と持ち帰りとが選択可能な商品について、客が店舗内での飲食を選択した場合に発行された、レシートの発行時刻を含むコードが印刷された前記レシートを読み取り、
前記コードが読み取られた場合、前記コードが読み取られた時刻と、前記レシートの発行時刻との差が、所定時間以内の場合、テーブルの使用が可能と判定し、該判定の結果を出力するテーブル使用可能判定方法。
【請求項9】
店舗内での飲食と持ち帰りとが選択可能な商品について、客が店舗内での飲食を選択した場合に発行された、レシートの発行時刻を含むコードが印刷された前記レシートを読み取り、
前記コードが読み取られた場合、前記コードが読み取られた時刻と、前記レシートの発行時刻との差が、所定時間以内の場合、テーブルの使用が可能と判定し、該判定の結果を出力する処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、POS(Point of sale)システム、POS端末、テーブル端末、テーブル使用可能判定方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
消費税では、軽減税率制度が導入される予定である。軽減税率制度では、飲食料品について、店内飲食の場合は軽減税率が適用されないのに対し、店外飲食の場合は軽減税率が適用される。このため、客が同じ飲食料品を購入した場合でも、店外飲食であるか、店内飲食であるかで、税額が異なる。例えば、店外飲食の予定で飲食料品を購入した客が店内で飲食した場合、店員が客に対応する必要が生じる。また、店外飲食であるとして購入された飲食料品が店内で飲食された場合、店内飲食であるとして飲食料品を購入した客が席を使用できなくなる可能性がある。
【0003】
ここで、特許文献1は、飲食店において客が商品(調理メニュー)に対応する食券を購入するために設置される券売機を開示する。客は、券売機に設けられたタッチパネルを操作し、発券する商品を選択する。その際、客は、商品を店内で飲食せずに持ち帰る場合は、商品が持ち帰り商品であることを宣言するためのテイクアウトボタンを押す。券売機は、テイクアウトボタンが押された場合は、選択された商品の食券を発行すると共に、消費期限や原材料などが記載されたラベルを自動的に発行する。店員は、自動発行されたラベルを商品に貼付し、商品を客に手渡す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−111390号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、客がテイクアウトボタンを押した場合、商品に貼付されるラベルが自動的に発行され、店員は、自動発行されたラベルを商品に貼付する。このようにすることで、店員が商品にラベルを貼付せずに商品を客に手渡すことを防止できる。しかしながら、特許文献1では、ラベルを商品に貼付し忘れることは防止できても、テイクアウトを宣言して商品を購入した客が、店内で着席して飲食することを防止することはできない。
【0006】
本開示は、上記事情に鑑み、店外飲食で飲食料品を購入した客が店内で着席して飲食することを抑制できるPOSシステム、POS端末、テーブル端末、テーブル使用可能判定方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本開示は、店舗内での飲食と持ち帰りとが選択可能な商品について、客の注文を受け付けて精算を行うPOS端末と、店舗内に設置されたテーブルに配置されているテーブル端末とを備え、前記POS端末は、客が店舗内での飲食を選択した場合、店内での飲食の可否の判定に用いる情報を含むコードをレシートに印刷して出力し、前記テーブル端末は、前記コードを読み取る読取装置を含み、該読取装置が前記コードを読み取り、前記POS端末又は前記テーブル端末が、前記コードに含まれる店内での飲食の可否の判定に用いる情報に基づいて、前記テーブルの使用の可否を判定するPOSシステムを提供する。
【0008】
本開示は、店舗内での飲食と持ち帰りとが選択可能な商品について、客の注文を受け付けて精算を行う電子レジスタと、客が店舗内での飲食を選択した場合、店内での飲食の可否の判定に用いる情報を含むコードをレシートに印刷して出力するプリンタとを備えるPOS端末を提供する。
【0009】
本開示は、店舗内に設置されたテーブルに配置され、店舗内での飲食と持ち帰りとが選択可能な商品について、客が店舗内での飲食を選択した場合に発行された、店内での飲食の可否の判定に用いる情報を含むコードが印刷されたレシートを読み取る読取装置と、前記読取装置で前記コードが読み取られた場合、前記店内での飲食の可否の判定に用いる情報に基づいてテーブルの使用の可否を判定する制御装置とを備えるテーブル端末を提供する。
【0010】
本開示は、店舗内での飲食と持ち帰りとが選択可能な商品について、客が店舗内での飲食を選択した場合に発行された、店内での飲食の可否の判定に用いる情報を含むコードが印刷されたレシートを読み取り、前記コードが読み取られた場合、前記店内での飲食の可否の判定に用いる情報に基づいてテーブルの使用の可否を判定し、該判定の結果を出力するテーブル使用可能判定方法を提供する。
【0011】
本開示は、店舗内での飲食と持ち帰りとが選択可能な商品について、客が店舗内での飲食を選択した場合に発行された、店内での飲食の可否の判定に用いる情報を含むコードが印刷されたレシートを読み取り、前記コードが読み取られた場合、前記店内での飲食の可否の判定に用いる情報に基づいてテーブルの使用の可否を判定し、該判定の結果を出力する処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0012】
本開示に係るPOSシステム、POS端末、テーブル端末、テーブル使用可能判定方法、及びプログラムは、店外飲食で飲食料品を購入した客が店内で着席して飲食することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示に係るPOSシステムの概略的な構成を示すブロック図。
図2】本開示の第1実施形態に係るPOSシステムを示すブロック図。
図3】POSシステムにおいて用いられるレシートの具体例を示す図。
図4】POSシステムにおける処理の流れを示すシーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示の実施の形態の説明に先立って、本開示の概要を説明する。図1は、本開示に係るPOSシステムの概略的な構成を示す。POSシステム10は、POS端末11、及びテーブル端末12を有する。テーブル端末12は、読取装置13を含む。
【0015】
POS端末11は、店舗内での飲食と持ち帰りとが選択可能な商品について、客の注文を受け付けて精算を行う。POS端末11は、客が店舗内での飲食を選択した場合、店内での飲食の可否の判定に用いる情報を含むコードをレシート20に印刷して出力する。
【0016】
読取装置13は、レシート20に印刷されたコードを読み取る。テーブル端末12は、店舗内に設置されたテーブルに配置されている。テーブル端末12は、店内での飲食の可否、すなわち配置されているテーブルの使用の可否を判定し、その結果を出力する。テーブル端末12は、読取装置13が、店内での飲食の可否の判定に用いる情報を含むコードを読み取った場合、店内での飲食の可否、すなわち配置されているテーブルの使用の可否を判定する。
【0017】
本開示では、POS端末11は、商品を店舗内で購入する客に対して、店舗内での飲食の可否の判定に用いる情報を含むコードをレシート20に印刷する。テーブル端末12は、レシート20を読み取り、店舗内での飲食の可否の判定に用いる情報を含むコードが印刷されていた場合、このコードを用いてテーブル使用が可能であるか否かを判定する。このようにすることで、店舗内での飲食を選択した客は、店舗内のテーブルを使用して飲食することが可能である。
【0018】
一方、客が商品の持ち帰りを選択した場合、POS端末11は、店舗内での飲食の可否の判定に用いる情報を含むコードをレシート20に印刷しない。この場合、テーブル端末12は、テーブル使用が可能ではないと判定する。このようにすることで、店内飲食を選択した客のテーブル使用を可能にしつつ、商品の持ち帰りを選択した客が店内で着席して飲食することを抑制することができる。
【0019】
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施の形態を詳細に説明する。図2は、本開示の第1実施形態に係るPOSシステムを示す。POSシステム100は、POS端末101、及びテーブル端末102を有する。POSシステム100は、図1のPOSシステム10に対応する。
【0020】
POS端末101は、例えばレジカウンタに配置される。テーブル端末102は、例えば店舗内のテーブル又は座席に対応して配置される。POS端末101は図1のPOS端末11に対応し、テーブル端末102は図1のテーブル端末12に対応する。なお、図1ではテーブル端末102が1つ図示されているが、POSシステム100は、複数のテーブル端末102を有していてもよい。
【0021】
POS端末101は、電子レジスタ111、及びプリンタ112を有する。客は、飲食が可能な商品を販売する店に来店後、購入する商品を選択し、レジカウンタで会計を行う。電子レジスタ111は、客が商品を購入する場合に、その売上げを記録する。客は、商品の購入に際して、購入した商品を店内で飲食するか、又は持ち帰るかを店員に伝える。店員は、電子レジスタ111に、店内飲食、又は持ち帰りを設定する。電子レジスタ111は、店内飲食、又は持ち帰りに応じた消費税率で、会計処理を行う。電子レジスタ111は、例えばプロセッサ及びメモリを含み、プロセッサがメモリから読み出したプログラムに従って動作することで、各種処理を実行する。
【0022】
プリンタ112は、レシート103を発行する。電子レジスタ111は、客が会計を済ませると、プリンタ112に、会計処理の内容と、店内飲食が可能であるか否かを判定するためのコードとを含むレシート103を発行させる。電子レジスタ111は、客が店内飲食を選択した場合、店舗内での飲食の可否の判定に用いる情報を含むコードをレシート103に印刷させる。電子レジスタ111は、客が商品を持ち帰る場合は、プリンタ112に、会計処理の内容を含み、店舗内での飲食の可否の判定に用いる情報を含むコードを含まないレシート103を発行させる。
【0023】
図3は、店内飲食に関するコードが印刷されたレシートの具体例を示す。レシートには、通常の会計処理の内容に加えて、コードが印刷される。コードは、少なくとも会計処理日時を含む。コードは、店内飲食を示す識別子を含むようにしてもよい。コードは、例えば2次元バーコードを用いて作成される。2次元バーコードに店内飲食を示す識別子が含まれる場合には、レシートに印刷された2次元バーコードを所定の規則でデコードすることで、会計処理日時と、店内飲食を示す識別子とが得られる。店内飲食を示す識別子には、有効期間が設定されていてもよい。有効期間は、例えばレシートの発行から30分以内などの時間に設定される。なお、コードは1次元バーコードを用いて作成されてもよい。
【0024】
図2に戻り、テーブル端末102は、読取装置121、制御装置122、時計123、タイマ124、表示器125、及び終了ボタン126を有する。読取装置121は、レシートに印刷された店舗内での飲食の可否の判定に用いる情報を含むコードを読み取る。読取装置121は、例えばレシート103に印刷された2次元バーコードの画像情報を取得する。読取装置121は、例えば店舗内に設置されたテーブル(座席)に対応して配置される。読取装置121は、図1の読取装置13に対応する。
【0025】
制御装置122は、2次元バーコードをデコードし、少なくとも会計処理日時を含むか否かを判断する。制御装置122は、少なくとも会計処理日時を含むと判断した場合、店内での飲食が可能であるか否か、すなわち、テーブルの使用が可能であるか否かを判定する。制御装置122は、例えばプロセッサ及びメモリを含み、プロセッサがメモリから読み出したプログラムに従って動作することで、各種処理を実行する。
【0026】
制御装置122は、時計を参照し、2次元バーコードが読み取られた時刻(現在時刻)を取得する。制御装置122は、2次元バーコードが読み取られた時刻と、会計処理日時、すなわち、レシート103の発行時刻との差が、所定時間以内であるか否かを判断する。制御装置122は、予め、所定時間を記憶しているが、前述したように、2次元バーコードから取得するようにしてもよい。制御装置122は、時刻の差が所定時間以内である場合、テーブル使用が可能と判定する。制御装置122は、時刻の差が所定時間より大きい場合、テーブル使用が不可と判定する。このようにすることによって、客のテーブル使用に対して有効期間を設けることができる。
【0027】
表示器125は、テーブルに対応して配置される。表示器125は、テーブルが利用中であるかどうかを示す。制御装置122は、テーブル使用が可能と判定した場合、表示器125を点灯する。表示器125が点灯することで、店員は、テーブルを利用する客が店内飲食で商品を購入した客であることを、容易に知ることができる。店員は、表示器125が点灯していないテーブルを客が利用している場合、その客は、持ち帰りで商品を購入した客であると判別できる。
【0028】
終了ボタン126は、例えば、物理的なボタン、又はタッチパネル上に表示されるボタンとして構成される。客は、テーブルの使用後、終了ボタン126を押すことで、テーブル使用の終了を制御装置122に入力する。制御装置122は、客が終了ボタン126を押した場合、表示器125を消灯する。制御装置122は、客がテーブルの使用を開始した後、タイマ124を用いて、会計処理日時の時刻からの経過時間を監視してもよい。制御装置122は、表示器125の点灯後、所定時間の経過後に、表示器125を消灯してもよい。その場合、客が終了ボタン126を押し忘れた場合でも、表示器125が点灯し続けることを防止できる。
【0029】
図4は、POSシステムにおける動作手順(レシート発行方法、及びテーブル使用可能判定方法)を示す。客は、飲食店に来店後、購入する商品を選択する(ステップS11)。客は、レジカウンタで、購入する商品の会計処理を行う。その際、客は、購入した商品を店内で飲食することを店員に伝える(ステップS13)。客は、商品を持ち帰る場合は、その旨を店員に伝える。
【0030】
レジカウンタの店員は、客が店内飲食を希望する場合は、電子レジスタ111に店内飲食の設定を行う(ステップS13)。店員は、電子レジスタ111を用いて会計処理を行う(ステップS14)。会計処理では、ステップS13で店内飲食が設定されている場合は、消費税率を通常の10%として消費税額を計算する。客が商品を持ち帰る場合、電子レジスタ111は、消費税率を軽減税率である8%でとして消費税額を計算する。プリンタ112は、会計処理の結果をレシート103に印刷する(ステップS15)。プリンタ112は、ステップS15では、例えば、少なくとも会計処理日時を含む2次元バーコードをレシート103に印刷する。
【0031】
客は、店員からレシート103を受領する(ステップS16)。客は、店内で飲食するために店舗内の座席(テーブル)に移動する(ステップS17)。客は、座席への移動後、座席に置かれた読取装置121にレシート103を提示する(ステップS18)。読取装置121は、レシート103に印刷された2次元バーコード(識別情報)を読み取る(ステップS19)。
【0032】
制御装置122は、2次元バーコードに、会計処理日時が含まれるか否かを判断する(ステップS20)。制御装置122は、2次元バーコードに会計処理日時が含まれると判断した場合、時計123を参照し、会計処理日時と現在時刻との差が所定時間内であるか否かを判断する(ステップS21)。制御装置122は、2次元バーコードに会計処理日時が含まれ、かつ会計処理日時と現在時刻との差が所定時間以内、例えば30分以内の場合、テーブル(座席)の利用が可能であると判定する。
【0033】
制御装置122は、座席の利用が可能と判定した場合、座席が利用中であることを示すための表示器125を点灯する(ステップS22)。また、制御装置122は、タイマ124を用いて、会計処理日時の時刻からの経過時間を監視する(ステップS23)。客は、テーブルを利用して、購入した商品を飲食する。客は、飲食を終了した後、終了ボタン126を押す(ステップS24)。制御装置122は、終了ボタン126が押された場合、点灯していた表示器125を消灯する(ステップS24)。制御装置122は、終了ボタン126が押されない場合でも、会計処理日時の時刻からの経過時間が所定時間(例えば45分)を過ぎれば、点灯していた表示器125を消灯する。なお、座席利用の経過時間の監視は、会計処理日時の時刻を開始時刻とするのではなく、客が座席の利用を開始した時刻としてもよい。すなわち、座席利用の経過時間の監視は、読取装置121が、レシート103に印刷された2次元バーコードを読み取った時刻を開始時刻としてもよい。
【0034】
本実施形態では、POS端末101は、購入した商品の店内飲食を希望する客に対して、店舗内での飲食の可否の判定に用いる情報を含む2次元バーコードが印刷されたレシート103を発行する。客は、テーブル端末102の読取装置121に2次元バーコードを読み取らせる。制御装置122は、2次元バーコードが含む情報が、店内飲食を許容する情報である場合、表示器125を点灯させる。店員は、表示器125の点灯状態を確認することで、テーブルで飲食する客が店内飲食で商品を購入した客であるか、又は持ち帰りで商品を購入した客であるかを、目視で判断可能である。このため、商品を持ち帰りで購入した客が、店舗内のテーブルを利用して飲食することを抑止できる効果が期待できる。また、電子レジスタ111において、店内飲食か持ち帰りかに応じた税率で消費税額を計算するのに連動させて2次元バーコードが印刷されたレシートを発行することで、電子レジスタ111の操作手数を削減することができる。
【0035】
次いで、本開示の第2実施形態を説明する。本実施形態に係るPOSシステムの構成は、図2に示される第1実施形態に係るPOSシステム100と同様である。本実施形態に係るPOSシステムにおいて、POS端末101とテーブル端末102とは、有線又は無線で通信可能である。本実施形態において、店内飲食の場合にレシート103に印刷されるコードは、会計処理日時の情報は含まず、レシートを識別する情報、すなわち、どの会計処理であるかを識別する情報を含む。レシートを識別する情報には、例えばレシート番号が用いられる。コードは2次元バーコードであってもよいし、1次元バーコードであってもよい。
【0036】
テーブル端末102は、レシート103に印刷されたコードを読み取ると、レシートを識別する情報をPOS端末101に送信する。POS端末101は、受信したレシートを識別する情報に対応する会計処理の会計処理日時の情報を、テーブル端末102に送信する。テーブル端末102は、受信した会計処理日時の情報に基づいて、店舗内での飲食の可否の判定、すなわちテーブル使用の可否の判定を行う。他の点は、第1実施形態と同様でよい。上述した第2実施形態でも、第1実施形態と同様な効果が得られる。
【0037】
なお、上記各実施形態では、テーブル使用の可否の判定をテーブル端末102において行う例を説明したが、本開示はこれには限定されない。例えば、テーブル端末102においてテーブル使用の可否の判定を行うのに代えて、POS端末101においてテーブル使用の可否の判定を行ってもよい。その場合、POS端末101は、テーブル使用の可否の判定結果をテーブル端末102に送信してもよい。
【0038】
例えば、第2実施形態において、テーブル端末102は、レシートを識別する情報とコードを読み取った時刻とを、POS端末101に送信する。POS端末101は、受信したレシートを識別する情報に対応する会計処理の会計処理日時の時刻と、コードが読み取られた時刻との差に基づいて、テーブル使用の可否を判定する。POS端末101は、テーブル使用が可能と判定した場合、その旨をテーブル端末102に送信する。テーブル端末102は、テーブル使用が可能であるという判定結果を受信した場合、表示器125を点灯する。
【0039】
POS端末101は、テーブル使用が可能と判断した場合、会計処理日時の時刻からの経過時間を監視する。POS端末101は、所定時間が経過したとき、その旨をテーブル端末102に送信する。テーブル端末102は、所定時間が経過した旨を受信した場合、点灯していた表示器125を消灯する。テーブル使用の可否の判定をPOS端末101において行う場合でも、上記各実施形態で説明したものと同様な効果が得られる。なお、POS端末101における座席利用の経過時間の監視は、会計処理日時の時刻を開始時刻とするのではなく、客が座席の利用を開始した時刻としてもよい。すなわち、POS端末101における座席利用の経過時間の監視は、読取装置121がレシート103に印刷された2次元バーコードを読み取った時刻を開始時刻としてもよい。
【0040】
以上、本開示の実施形態を詳細に説明したが、本開示は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に対して変更や修正を加えたものも、本開示に含まれる。
【0041】
例えば、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0042】
[付記1]
店舗内での飲食と持ち帰りとが選択可能な商品について、客の注文を受け付けて精算を行うPOS端末と、
店舗内に設置されたテーブルに配置されているテーブル端末とを備え、
前記POS端末は、客が店舗内での飲食を選択した場合、店内での飲食の可否の判定に用いる情報を含むコードをレシートに印刷して出力し、
前記テーブル端末は、前記コードを読み取る読取装置を含み、該読取装置が前記コードを読み取り、
前記POS端末又は前記テーブル端末が、前記コードに含まれる店内での飲食の可否の判定に用いる情報に基づいて、前記テーブルの使用の可否を判定するPOSシステム。
【0043】
[付記2]
前記テーブル端末は、前記テーブルに対応して配置された表示器を更に含み、前記テーブルの使用が可能であると判定された場合、前記表示器を点灯する付記1に記載のPOSシステム。
【0044】
[付記3]
前記テーブル端末は、客がテーブルの使用の終了を入力した場合、前記表示器を消灯する付記2に記載のPOSシステム。
【0045】
[付記4]
前記テーブル端末は、前記表示器の点灯後、所定時間の経過後に前記表示器を消灯する付記2又は3に記載のPOSシステム。
【0046】
[付記5]
前記コードは、2次元バーコードを用いて作成される付記1から4何れか1つに記載のPOSシステム。
【0047】
[付記6]
前記POS端末又は前記テーブル端末は、前記コードが読み取られた時刻と、前記レシートの発行時刻との差が、所定時間以内の場合、前記テーブルの使用が可能と判定する付記1から5何れか1つに記載のPOSシステム。
【0048】
[付記7]
前記POS端末は、客が店舗内での飲食を選択した場合と、客が持ち帰りを選択した場合とで、異なる税率で消費税を計算する付記1から6何れか1つに記載のPOSシステム。
【0049】
[付記8]
店舗内での飲食と持ち帰りとが選択可能な商品について、客の注文を受け付けて精算を行う電子レジスタと、
客が店舗内での飲食を選択した場合、店内での飲食の可否の判定に用いる情報を含むコードをレシートに印刷して出力するプリンタとを備えるPOS端末。
【0050】
[付記9]
前記コードは、2次元バーコードを用いて作成される付記8に記載のPOS端末。
【0051】
[付記10]
前記電子レジスタは、客が店舗内での飲食を選択した場合と、客が持ち帰りを選択した場合とで、異なる税率で消費税を計算する付記8又は9に記載のPOS端末。
【0052】
[付記11]
店舗内に設置されたテーブルに配置され、
店舗内での飲食と持ち帰りとが選択可能な商品について、客が店舗内での飲食を選択した場合に発行された、店内での飲食の可否の判定に用いる情報を含むコードが印刷されたレシートを読み取る読取装置と、
前記読取装置で前記コードが読み取られた場合、前記店内での飲食の可否の判定に用いる情報に基づいてテーブルの使用の可否を判定する制御装置とを備えるテーブル端末。
【0053】
[付記12]
前記テーブルに対応して配置された表示器を更に含み、
前記制御装置は、前記テーブルの使用が可能であると判定した場合、前記表示器を点灯する付記11に記載のテーブル端末。
【0054】
[付記13]
前記制御装置は、客がテーブルの使用の終了を入力した場合、前記表示器を消灯する付記12に記載のテーブル端末。
【0055】
[付記14]
店舗内での飲食と持ち帰りとが選択可能な商品について、客の注文を受け付けて精算を行い、
客が店舗内での飲食を選択した場合、店内での飲食の可否の判定に用いる情報を含むコードをレシートに印刷して出力するレシート発行方法。
【0056】
[付記15]
店舗内での飲食と持ち帰りとが選択可能な商品について、客が店舗内での飲食を選択した場合に発行された、店内での飲食の可否の判定に用いる情報を含むコードが印刷されたレシートを読み取り、
前記コードが読み取られた場合、前記店内での飲食の可否の判定に用いる情報に基づいてテーブルの使用の可否を判定し、該判定の結果を出力するテーブル使用可能判定方法。
【0057】
[付記16]
店舗内での飲食と持ち帰りとが選択可能な商品について、客の注文を受け付けて精算を行い、
客が店舗内での飲食を選択した場合、店内での飲食の可否の判定に用いる情報を含むコードをレシートに印刷して出力する処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0058】
[付記17]
店舗内での飲食と持ち帰りとが選択可能な商品について、客が店舗内での飲食を選択した場合に発行された、店内での飲食の可否の判定に用いる情報を含むコードが印刷されたレシートを読み取り、
前記コードが読み取られた場合、前記店内での飲食の可否の判定に用いる情報に基づいてテーブルの使用の可否を判定し、該判定の結果を出力する処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0059】
10:POSシステム
11:POS端末
12:テーブル端末
13:読取装置
20:レシート
100:POSシステム
101:POS端末
102:テーブル端末
103:レシート
111:電子レジスタ
112:プリンタ
121:読取装置
122:制御装置
123:時計
124:タイマ
125:表示器
126:終了ボタン
【要約】
【課題】店外飲食で飲食料品を購入した客が店内で着席して飲食することを抑制可能とする。
【解決手段】POS端末11は、店舗内での飲食と持ち帰りとが選択可能な商品について、客の注文を受け付けて精算を行う。テーブル端末12は、店舗内に設置されたテーブルに対応して配置されており、テーブルの使用の可否を判定し、その結果を出力する。POS端末11は、客が店舗内での飲食を選択した場合、店内での飲食の可否の判定に用いる情報を含むコードをレシート20に印字して出力する。テーブル端末12は読取装置13を含む。読取装置13は、レシート20に印字されたコードを読み取る。テーブル端末12は、読取装置13がレシート20に印字されたコードを読み取った場合、店内での飲食の可否の判定に用いる情報に基づいてテーブル使用が可能であるか否かを判定する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4