(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御手段は、遊技場に複数の前記遊技装置が設けられている場合に、前記演出手段に、他の遊技装置において前記特定設定値としていずれの特定設定値が設定されているかを示唆する演出を行わせる
ことを特徴とする請求項1または2に記載の遊技装置。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明に係る遊技装置の好ましい実施形態について、各図を参照して説明する。
遊技装置としては、様々な形態や種類のものがあるが、本実施形態では、遊技機に併設される呼出ランプ1について説明する。
呼出ランプ1は、LED、液晶表示器等の表示手段、音声や効果音などをスピーカから発する音出力手段などの報知手段を備えており、遊技者による操作に基づく所定の呼出演出によって遊技場の店員を呼び出すことができる。
【0008】
本実施形態の呼出ランプ1は、スロットマシン50から出力される遊技信号に基づいて当該スロットマシン50に関する遊技データ(遊技情報)を収集・表示可能でありながら、スロットマシン遊技とは異なるRPGゲーム、ボードゲーム、これらを組み合わせたRPG風ボードゲームなどのゲーム(以下、特定ゲームという。)を特定演出として実行可能にしている。
このような呼出ランプ1は、遊技場における遊技システムSを構成する一遊技装置として組み込まれている。
【0009】
遊技システムSは、
図1に示すように、スロットマシン50、メダル貸出機40、及び呼出ランプ1に加え、データ通信可能に接続された、台コンピュータ10、島コンピュータ20などの中継情報処理装置、ホールコンピュータ30などの集中情報処理装置を備え、スロットマシン50、及びメダル貸出機40から呼出ランプ1に入力される遊技信号が、呼出ランプ1を介して、台コンピュータ10と島コンピュータ20を中継してホールコンピュータ30に入力されるようになっている。
なお、スロットマシン50やメダル貸出機40から出力される遊技信号は、必ずしも呼出ランプ1を介する必要がなく、上位のコンピュータに直接入力される構成であってもよい。
【0010】
スロットマシン50は、遊技媒体となるメダルを投入してスタートレバーを押下することにより、絵柄や数字,文字等からなる複数の図柄が表された複数のリール(通常3個のリール)が回転を開始するとともに、当選役を抽選にて決定する内部抽選処理を行い、任意のタイミングで停止ボタンが操作されることでリールが停止するとともに、停止したときの図柄の組合せに応じてメダルが払い出されるようにしてスロットマシン遊技を実行する。
スロットマシン50には、遊技場の店員の操作によって予め設定された遊技設定値がRAMなどの記憶手段において内部的に記憶されており、遊技設定値(内部設定値)に対応した当選確率で小役やボーナスが当選するように制御される。
遊技設定値は、複数からなり、設定された遊技設定値に応じて有利度合が異なるように制御される。
本実施形態の遊技設定値は、6段階(1〜6)からなり、遊技設定値が高い(高設定)ほど当選確率が高くスロットマシン遊技を有利に進行させることができる。
【0011】
スロットマシン50から呼出ランプ1に向けて出力される遊技信号には、
図2に示すように、投入信号、払出信号、ボーナス信号等がある。
投入信号は、スロットマシン50への投入メダル数に対応する数のパルス列からなり、スロットマシン50に備えるスタートレバーの操作タイミングで出力が開始される。
払出信号は、投入信号と同様、スロットマシン50からの払出メダル数に対応する数のパルス列からなり、スロットマシン50に備える複数のリールに表された図柄が小役入賞及びリプレイに係る図柄の組合せで停止したときに、出力される。
ボーナス信号は、スロットマシン50のボーナス遊技中に出力される。
また、スロットマシン50の遊技状態として、内部抽選処理における所定の抽選対象(例えば、「リプレイ」)の当選確率が低い低確率状態と、当該当選確率が高い高確率状態とを移行可能に有しており、当該遊技状態を特定可能な信号を遊技信号として出力することもできる。
また、メダル貸出機40から出力される売上信号を遊技信号として呼出ランプ1に入力させることもできる。
売上信号は、例えば、100円を1度数とし、1000円使用された場合には10度数の消費を示す信号であり、最終的にはホールコンピュータ30に入力される。
【0012】
[呼出ランプ]
呼出ランプ1は、
図3に示すように、スロットマシン50等から出力される遊技信号を受信するとともに、この遊技信号を台コンピュータ10に送信する通信部5と、液晶表示器から構成され、数字、文字、図形等の情報を表示することができる表示部2と、複数のLED(フルカラーLED)が内蔵され、スロットマシン50に関する情報を所定の光出力パターンで報知する発光部3と、スロットマシン50に関する情報を音声や効果音により報知する音出力部4と、CPUなどの中央演算処理装置、ROM、RAMなどの記憶手段を備えるコンピュータとしての制御部(制御手段)6を備える。
なお、図示しないが、店員や管理者が携行するリモコンから送信される赤外線信号を受信可能な赤外線受信部を設けることもできる。
このような構成からなる呼出ランプ1は、表示部2の所定領域が、タッチ操作可能なタッチパネルを備えており、当該タッチ操作による呼出ボタンの操作に基づき、制御部6が、発光部3や音出力部4を駆動制御することで遊技場の店員を呼び出すことを基本動作としている。
本実施形態の呼出ランプ1は、このような基本動作に加え、制御部6が、通信部5を介して受信した遊技信号に基づいて、スロットマシン50における様々な遊技データを求め、当該求めた遊技データを表示部2に表示させたり、遊技データと関連する特定ゲームを実行する演出手段としての動作を表示部2に行わせるようにしている。
また、
図4に示すように、呼出ランプ1は、スロットマシン50の内部設定値である遊技設定値とは別に、内部設定値として特定設定値をRAMなどの記憶手段に記憶しており、当該特定設定値と遊技データに基づいてゲームの制御を行うようにしている。
【0013】
呼出ランプ1の制御部6により求められる遊技データには、以下のものがある。
例えば、制御部6は、投入信号の出力パルスを計数することにより、対応するスロットマシン50に投入された投入メダルの累計を算出することができる。
投入信号は、スロットマシン遊技が1回実行されるごとに一塊のパルス列として出力されることから、このパルス列を一単位として計数することにより、スロットマシン50におけるゲーム回数を算出することができる。
投入信号が一定時間受信されない場合は、スロットマシン50において遊技が行われていない状態(空き台)を検出することができる。
また、払出信号の出力パルス数を計数することにより、スロットマシン50から払い出された払出メダル数の累計を算出することができる。
また、ボーナス信号の出力の有無を監視することで、スロットマシン50がボーナス遊技中の状態であるか否かの判定を行うことができる。
また、ボーナス信号の出力回数を計数することにより、スロットマシン50におけるボーナス遊技回数を算出することができる。
【0014】
制御部6は、このようにして求めた遊技データを表示部2に表示させることができる。
例えば、
図5に示すように、表示部2の上部の表示領域2aを遊技データの表示領域とし、当日のボーナス遊技回数である「大当り回数」や、当日のゲーム回数である「ゲーム数」や、前日、前々日などにおける大当り回数やゲーム数からなる「過去履歴」等の遊技情報を表示することができる。
これにより、遊技者は、スロットマシン50に関する現在又は過去の稼働状態等を把握することができる。
また、
図5に示すように、表示部2の下部の表示領域2bを特定ゲームの表示領域とすることができる。
ここで、本実施形態の呼出ランプ1は、特定ゲームとして、RPGゲーム、ボードゲーム、RPG風ボードゲームを実行可能であり、表示領域2bには、このような特定ゲームのゲーム画面を表示することができる。
RPGゲーム、ボードゲーム、RPG風ボードゲームは、以下の態様のゲームを例示することができる。
【0015】
RPGゲームは、例えば、所定のタイミング(例えば、大当り時)で表示領域2b上に出現(表示)される敵キャラクターを倒す態様のゲームである。
敵キャラクターには、予め所定数の最大HP(最大ヒットポイント)が与えられており、攻撃により減らすことができる。例えば、スロットマシン50におけるゲーム1回ごとに、1〜5のヒットポイントのうちのいずれかが選択され、選択されたヒットポイント数が敵キャラクターに対する攻撃として最大HPから減じられる。そして、このような攻撃により、最大HPを0にすることで敵キャラクターを倒すことができる。
【0016】
ボードゲームは、例えば、スロットマシン50のゲーム回数に応じて1〜6の目からなるサイコロが自動的に振られ、出た目に応じてスタート地点からコマを進め、コマをゴールに到達させることを目的とした態様のゲームである(
図5参照)。
【0017】
RPG風ボードゲームは、上記RPGゲームの要素と上記ボードゲームの要素とを組み合わせたゲームである。
例えば、スロットマシン50のゲーム回数に応じてサイコロが振られ、出た目に応じてスタート地点からコマを進め、各マスで出現する敵キャラクターと倒しながら、コマをゴールに到達させることを目的とした態様のゲームを挙げることができる(
図5参照)。
【0018】
このような特定ゲームにおいては、ゲームの進行によって所定条件を満たした場合に遊技者に特典を付与することができる(特典付与手段)。
例えば、RPGゲームやRPG風ボードゲームにおいて敵キャラクターを倒した場合や、ボードゲームやRPG風ボードゲームにおいてゴールに到達した場合は、特典として、華やかな演出(特別演出)を表示部2に表示させたり、一般には閲覧できないような遊技情報(例えば、1週間前の大当りの情報などの特別遊技情報)を表示部2に表示させることができる。
また、他の特典として、ポイントを付与することもできる。
ポイントは貯めることができ、所定ポイントに到達すると、前記特別演出を表示部2に表示させたり、前記特別遊技情報を表示部2に表示させることができる。
さらに、RPGゲームやRPG風ボードゲームにおいては、貯めたポイントを、武器や防具などのアイテムと交換することができ、これらのアイテムを敵キャラクターとの対戦に用いることでゲームを有利に進めることができる。
【0019】
このようなポイントは、遊技データに基づいて付与することもできる。
例えば、大当り回数が所定回数に到達したときにポイントを付与することができ、このようにスロットマシン50の遊技により獲得したポイントを特定ゲームにおいて使用することができる。
例えば、RPGゲームやRPG風ボードゲームにおいては、獲得したポイントを武器や防具などのアイテムと交換することができ、これらのアイテムを敵キャラクターとの対戦に用いることでゲームを有利に進めることができる。
また、ボードゲームやRPGゲーム風ボードゲームにおいては、獲得したポイントを2つのサイコロを示すアイテムと交換することができ、このアイテムを用いることにより一度に2つのサイコロが振られ、ゲームを有利に進めることができる。
また、この場合、
図6に示すように、「大当り回数」の表示領域から、特定ゲームの表示領域である表示領域2bに向かうような矢印のアニメーション等を表示部2に表示させることができる。
このようにすると、遊技データによる効果が特定ゲームに移動して及ぶことを示すことができる。
すなわち、対応するスロットマシン50の遊技データと関連する演出により、単にスロットマシン遊技や特定ゲームを個別に行う場合に比べ、複合的なゲーム要素が付加された特定のゲームであることを示すことができる。
このため、遊技者に対し、スロットマシン50や呼出ランプ1における遊技意欲を高めさせることができる。
【0020】
前述したように、呼出ランプ1は、スロットマシン50の遊技設定値とは別に、特定ゲームの有利度合を定めた特定設定値を有している(
図4参照)。
特定設定値は、例えば、1〜3の3段階に設定可能であり、遊技設定値と同様、遊技場の店員による操作(例えば、管理者用リモコンによる操作)によって呼出ランプ1ごとに任意の設定値に設定することができる。設定値は、RAMなどの記憶手段に記憶される。
なお、特定設定値の設定は、表示部2のタッチ操作によって行うこともできる。
また、特定設定値は、上位装置(例えば、台コンピュータ10、島コンピュータ20、ホールコンピュータ30)に対する入力操作により、対象となる複数台の呼出ランプ1に対し設定信号を送信することでまとめて設定することもできる。
また、特定設定値は、遊技場の営業中は、変更できないように禁止設定を行うこともできる。
また、特定設定値は、3段階ではなく任意の段階に変更することができる。例えば、遊技設定値と同様に6段階(1〜6)に変更することができる。
この場合、各呼出ランプ1の特定設定値は、遊技店の運用により、対応するスロットマシン50の遊技設定値と同じ値にすることができる。
【0021】
また、本実施形態の呼出ランプ1は、特定設定値と遊技データとに基づいて特定ゲームの内容を制御可能にすることができる(
図4参照)。
例えば、RPGゲームやRPG風ボードゲームにおいては、敵キャラクターとの対戦時において1〜5のヒットポイントが所定の選択割合に基づいて選択されるが、特定設定値「3」の場合におけるヒットポイント「5」の選択割合は、特定設定値「1」の場合におけるヒットポイント「5」の選択割合より多い割合値に設定している。
また、ボードゲームやRPG風ボードゲームにおいては、1〜6の目のサイコロが振られるが、特定設定値が「3」の場合における目「6」の選択割合は、特定設定値「1」の場合における「6」の選択割合より多い割合値に設定している。
これにより、例えば、第1の特定設定値(例えば、「1」)が設定されている場合と、第1の特定設定値とは異なる第2の特定設定値(例えば、「3」)が設定されている場合とでは、第2の特定設定値が設定されている場合の方が、前記特別演出や前記特別遊技情報を表示させ易くすることができ、高い有利度合でゲームを進行させることができる。
【0022】
また、特典付与手段の他の動作として、特定設定値に関連した特典を付与することができる。
例えば、大当り回数が所定回数に到達したときなど、スロットマシン50の遊技に基づきポイントが付与される場合においても、特定設定値「3」が設定されている場合と特定設定値「1」が設定されている場合とでは、特定設定値「3」が設定されている場合の方が高いポイントが獲得し易いように設定することができる。
このような特典付与の動作について、
図7〜
図9のポイント設定テーブルt1〜t3を用いた例を説明する。
ポイント設定テーブルt1〜t3は、異なる条件ごとに設定されたテーブルデータであり、各特定設定値に対応して、255を母数とした各獲得ポイント(1,3,5,10,30,50)の付与数が割り当てられている(
図7〜
図9参照)。
【0023】
図7は、大当りが所定回数達成するごとにポイントを付与する場合に用いられるポイント設定テーブルt1である。
具体的には、「大当りが所定回数達成するごと」を条件として、当該条件を達成するたびに所定の乱数発生手段により1〜255の乱数値を発生させ、予め定められた当り値と比較し、一致しているところのポイントを付与する。
例えば、特定設定値「1」に対しては、5ポイントの当り値として1〜175(175個)を、10ポイントの当り値として176〜215(40個)を、30ポイントの当り値として216〜235(20個)を、50ポイントの当り値として236〜255(20個)をそれぞれ予め割り当てているものとする(
図7参照)と、特定設定値「1」が設定されている呼出ランプ1において、上記条件が達成して乱数発生手段により乱数値5を得たときには、5ptが遊技者に付与される。
ポイント設定テーブルt1における獲得ポイントの平均値は、特定設定値が「1」の場合は、(5pt×175+10pt×40+30pt×20+50pt×20)/255)≒11.3pt、特定設定値が「2」の場合は、(5pt×145+10pt×50+30pt×30+50pt×30)/255)≒14.2pt、特定設定値が「3」の場合は、(5pt×95+10pt×60+30pt×50+50pt×50)/255)≒19.9ptとなる。
また、ポイント設定テーブルt1における獲得ポイントは、特定設定値が「1」の場合、5ptが175/255、10ptが40/255、30ptが20/255、50ptが20/255と設定され、特定設定値が「2」の場合、5ptが145/255、10ptが50/255、30ptが30/255、50ptが30/255と設定され、特定設定値が「3」の場合、5ptが95/255、10ptが60/255、30ptが50/255、50ptが50/255と設定されている。
このようなポイント設定テーブルt1によれば、特定設定値が高い場合には、高ポイントが獲得し易いように特定ゲームの内容を制御することができる。
なお、ポイント設定テーブルは、各獲得ポイントの付与数や特定設定値間の獲得ポイント差に、適度なばらつきをもたせたり、逆に重み付けをもたせることもできる。
例えば、ポイント設定テーブルt1では、条件を満たす頻度が低いことが想定されるため、50pt等の高ポイントの付与数(ポイント付与率)を高く設定するとともに、5ptの低ポイントの付与数(ポイント付与率)を低く設定するなどして、1回当りの獲得ポイントが高くなるようにしている(
図7参照)。
【0024】
図8は、ポイント付与の条件が「ゲーム1回ごと」である場合のポイント設定テーブルt2である。
ポイント設定テーブルt2における獲得ポイントの平均値は、特定設定値「1」の場合は約1.7pt、特定設定値「2」の場合は約2.1pt、特定設定値「3」の場合は約3.0ptであり、ポイント設定テーブルt1や後記ポイント設定テーブルt3に比べ低い値に設定されている。
ポイント設定テーブルt2における獲得ポイントは、1ptと3ptといった低ポイントに対しても設定されている点で、ポイント設定テーブルt1と異なる。
すなわち、ポイント設定テーブルt2は、ポイント付与の条件を満たす頻度が高いことが想定されるため、低ポイントを付与するとともにその付与率を高くすることで、1回当りの獲得ポイントが低くなるようにしている(
図8参照)。
【0025】
図9は、ポイント付与の条件が「大当り1回ごと」である場合のポイント設定テーブルt3である。
ポイント設定テーブルt3における獲得ポイントの平均値は、特定設定値「1」の場合は約7.8pt、特定設定値「2」の場合は約11.1pt、特定設定値「3」の場合は約15.7ptであり、ポイント設定テーブルt1に比べ低く、ポイント設定テーブルt2に比べ高い値に設定されている。
ポイント設定テーブルt3における獲得ポイントは、3ptについて設定されている点でポイント設定テーブルt1と異なり、1ptについて設定されていない点でポイント設定テーブルt2と異なる。
すなわち、ポイント設定テーブルt3は、ポイント付与の条件を満たす頻度が、「大当り所定回数ごと」と「ゲーム1回ごと」の間の程度であることから、1ptを付与せず、3ptのポイント付与率を高くするなどしてバランスをとって振り分けている。
【0026】
このように、ポイント設定テーブルt1〜t3では、それぞれのポイント付与の条件に応じて各ポイント付与率は異なるものの、特定設定値「1」は、比較的低ポイントを獲得し易い「低設定」、特定設定値「3」は、比較的高ポイントを獲得し易い「高設定」となっている。
これにより、例えば、第1の特定設定値(例えば、「1」)が設定されている場合と、第1の特定設定値とは異なる第2の特定設定値(例えば、「3」)が設定されている場合とでは、第2の特定設定値が設定されている場合の方が、高いポイントを獲得し易く、高い有利度合でゲームを進行させることができる。
なお、ポイント設定テーブルt1〜t3は、特定設定値が1〜3の3段階であることに対応してそれぞれ獲得ポイントが設定されているが、特定設定値が6段階である場合など、任意の段階に対応して獲得ポイントを設定したポイント設定テーブルに変更することができる。
この場合、各獲得設定値に対応する獲得ポイントの付与率が、適度なばらつきがでるように振り分けることができる。
【0027】
また、上述した特定設定値に基づく特定ゲームにおいては、以下のような演出を行うことができる。
例えば、制御部6は、特定設定値が1〜3のうちのいずれかに設定されていることを示唆する演出表示を表示部2に行わせることができる。
具体的には、所定の条件を達成した場合に、RAMなどの記憶手段に記憶している特定設定値を参照して、当該特定設定値が設定されていることをほのめかす表示を表示部2に行わせることができる。
例えば、特定設定値「3」が設定されている場合には、
図10に示すように、特定ゲームの表示領域2bに、「高設定かも?」といった内容を表示させることができる。
所定の条件としては、例えば、特定の敵キャラクターとの対戦に勝ったときや、スロットマシン50のゲーム回数や大当り回数が所定回数に到達したときなどを挙げることができる。
これにより、遊技者は、特定ゲームの有利度合が高いことを知ることができ、遊技意欲を高めさせることができる。
【0028】
また、制御部6は、特定ゲームの進行に基づいて、表示部2に、対応するスロットマシン50の遊技設定値を示唆する演出表示を行わせることができる。
これは、スロットマシン50の内部設定値(遊技設定値)が高い場合を一般に「高設定」と称することから、「高設定かも?」の表示は、それだけで「スロットマシン50の内部設定値が高設定かも知れない」といった暗示を遊技者に与える効果がある。
このため、上記制御動作によって、スロットマシン50における遊技設定値と呼出ランプ1における特定設定値との関連性を示唆させることもできる。
また、前述したように、スロットマシン50の遊技設定値と呼出ランプ1の特定設定値はいずれも店員により設定可能であることから、対応する双方の内部設定値を同じ値に設定する運用を行うことで、「高設定かも?」(
図10参照)は特定設定値が高設定であることを示唆するだけでなく、遊技設定値が高設定であることや、双方の内部設定値が等しいことを示唆することになる。
このほか、「高設定かも?」の吹き出し表示を遊技データに係る表示領域2aを起点として配置したり(
図10参照)、「高設定かも?」の表示を表示領域2aと表示領域2bの中間に配置したり、それぞれの領域内に交互に表示することでも、同様の作用効果を奏することができる。
なお、示唆する内容と特定設定値とは必ず一致する必要はなく、特定設定値が「1」や「2」の場合にも、「高設定かも?」と表示することができる。
また、このような表示は、所定条件を満たしたときや、一定間隔で行うこともできる。
【0029】
また、呼出ランプ1は、スロットマシン50の遊技状態とは別の内部状態として、通常状態と、当該通常状態とは異なる特定状態とを有し、制御部6が管理手段として動作することで、これらの内部状態を管理することもできる。
そして、制御部6は、内部状態が特定状態である場合に、通常状態の有利度合よりも高い有利度合で特定ゲームを進行させることができる。
例えば、特定状態としては、特定ゲームにおいて高ポイントの付与率が高確率な状態(高確率状態)、通常状態としては、高確率状態でない状態(低確率状態)があり、
図11に示すように、通常状態において所定の条件(条件A)を満たしたときに特定状態(高確率状態)に移行し、特定状態において所定の条件(条件B)を満たしたときに通常状態(低確率状態)に移行するように制御することができる。
例えば、通常状態に出現した特別な敵キャラクターを倒したとき(条件A達成)に特定状態に移行し、特定状態に移行した後、スロットマシン50のゲーム回数が所定回数に到達したとき(条件B達成)に通常状態に移行するようにすることができる。
制御部6は、通常状態では、通常のポイント設定テーブルt1〜t3(
図7〜
図9参照)を用いてポイント付与の制御を行い、特定状態では、高確率状態用のポイント設定テーブル(高確率テーブル)を用いてポイント付与の制御を行うようにすることができる。
例えば、
図12は、特定状態において、大当りが所定回数達成するごとにポイントを付与する場合に用いられるポイント設定テーブルt11である。
ポイント設定テーブルt11は、ポイント設定テーブルt1(
図7参照)とは、ポイント付与の条件は同じであるが、高ポイント(50pt)の付与率が高く設定されている点で異なり、このため、高ポイントが比較的高確率で付与されることから高確率テーブルと定義することができる。
このため、このような高確率テーブルを用いることで、通常状態に比べ高ポイントを獲得し易くすることができ、特定ゲームを有利に進行させることができる。
なお、例えば、ポイント設定テーブルt1に0ポイントの付与率(ハズレ)を所定数設定し、ポイント設定テーブルt11における0ポイントの付与率を前記所定数より小さい値に設定したものを高確率テーブルとして用いることもできる。
この高確率テーブルによっても、通常状態に比べポイントを獲得し易くなり、特定ゲームを有利に進行させることができる。
また、制御部6は、呼出ランプ1の内部状態を管理可能な場合において、内部状態を示唆する演出表示を表示部2に行わせることができる。
具体的には、
図13に示すように、「高確率かも?」といった表示を表示部2に表示させることができる。
これにより、遊技者に対し、特定ゲームの内部状態が高確率状態であることを期待させることができる。
また、スロットマシン50の遊技状態が高確率状態であることを一般に「高確率」と称するため、「高確率かも?」の表示は、スロットマシン50の遊技状態が高確率状態であることを期待させることができることからも、遊技者の遊技意欲を高めさせることができる。
【0030】
本実施形態の呼出ランプ1及び遊技システムSでは、ある呼出ランプ1の内部設定値が高設定であることや内部状態が高確率状態であることを、他の呼出ランプ1において示唆する演出を行うことができる。
このような演出は、呼出ランプ1の内部設定値や内部状態の識別情報とスロットマシン50の識別番号(台番号など)を、島コンピュータ20やホールコンピュータ30などの上位装置や隣接する呼出ランプ1等を介して他の呼出ランプ1に出力することで実施可能なとなる。
このような構成によれば、
図14に示すように、579番台のスロットマシン50に併設されている呼出ランプ1の内部設定値が高設定であることを、他のスロットマシン50に併設されている呼出ランプ1において示唆させることができる。
また、上記構成に限らず、例えば、呼出ランプ1に可動物が設けられている場合には、所定のタイミングで、高設定となっている他の呼出ランプ1の方向に可動物が向くように制御することもできる。
これにより、遊技者に対し、高設定かも知れないスロットマシン50や呼出ランプ1への移動を促すことができる。
また、このような制御は、高設定であるスロットマシン50が空き台のときに行うようにすることができる。
併設するスロットマシン50が空き台であることは、前述したように、スロットマシン50からの投入信号が一定時間受信されない場合に検出することができる。
これにより、他のスロットマシン50で遊技中の遊技者に対し、高設定かもしれない空き台への確実な移動をサポートすることができる。
【0031】
以上説明したように、本実施形態の遊技装置の一例である呼出ランプ1によれば、遊技データを表示したり、遊技データに基づいて演出を行うだけでなく、呼出ランプ1やスロットマシン50の内部設定値や遊技データに基づいて特定ゲームの進行や演出を制御するようにしている。
このため、内部設定値を調整することで、例えば、高設定とした場合には、呼出ランプ1の特定の演出を目当てにした遊技者の遊技意欲を高めることができる。
また、スロットマシン50の遊技における有利度合を示す内部設定値を推測させるだけでなく、呼出ランプ1の特定ゲームにおける有利度合を示す内部設定値を推測させることができるため、このような複合的な遊技要素を付加することによっても遊技者に遊技意欲を高めることができる。
【0032】
一方、従来の遊技装置は、遊技機(特にスロットマシン)における当たり発生状況によって演出の発生状況が大きく変化してしまい、当たりがなかなか発生しないと演出がほとんど起こらず、遊技客の集客及び遊技機の稼働アップに貢献しきれていなかった。
特に、特定の呼出ランプが設置されていることを目当てに遊技機が選択されることがなかった。
本発明の遊技機によれば、従来の遊技装置が改善すべきこのような課題の全部又は一部を解決することができる。
【0033】
以上、本発明の遊技装置の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技装置は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
【0034】
例えば、本実施形態では、本発明に係る遊技装置を呼出ランプに適用したが、台コンピュータ10、島コンピュータ20、ホールコンピュータ30、遊技機に対応して設けられる表示機、遊技機の間に設置され表示手段を備える台間表示機等にも適用することもできる。
また、呼出ランプ1には、NFC対応のリーダライタを設けることもできる。
この場合、リーダライタに遊技者が所持するNFC(Near Field Radio communication)対応端末をかざすことで当該端末の識別情報等をキーとしてゲームの進行を保存し、また、再度、そのNFC対応端末をかざすことで、当該端末の識別情報等をキーとして、保存したところからゲームを再開することができる。
また、遊技者が所持するスマートフォンなどの携帯端末のアプリケーションを、特定ゲームと連動させることもできる。
例えば、敵キャラクターが出現したタイミングで、呼出ランプ1から所定信号を無線送信することにより、これを受信したスマートフォンではバイブレーション機能により振動したり、AR(Augmented Reality)機能によってスマートフォンの画面上の現実空間に敵キャラクターを表示させることができる。
これにより、遊技者に対し、一層遊技意欲を高めさせることができる。
【0035】
また、呼出ランプ1における呼出ボタンを操作したときの報知動作等において、発光部3による特別な発光態様によって内部設定値を示唆する演出を行うこともできる。
例えば、高設定の場合に呼出ボタンの操作があったときは、LEDを高速点滅させるなどLEDの発光態様を通常とは異ならせる割合を高めることによって高設定を示唆することができる。
また、呼出ランプ1における呼出操作があったときから店員が対応するまでの時間が所定時間を超えた場合には、お詫びの意味を含め上述のポイントに加えてボーナスポイントを付与することもできる。
また、呼出ランプ1は、スロットマシン50の内部設定値(遊技設定値)を記憶することができ、自身の内部設定値(特定設定値と)一致している場合に、双方の内部設定値が一致していることや一致している可能性を示唆することもできる。また、一致していない場合でも、一致している可能性を示唆することができる。
【0036】
また、本発明の「示唆」には、「それとなく知らせる」や「ほのめかす」といった意味のみならず、明確に報知することも含めている。
このため、「高設定かも?」、「高確率かも?」といった表示だけでなく、「高設定!」、「高確率!」、「呼出ランプが高設定!」、「スロットマシンが高確率!」といった表示にすることもできる。
また、設定値が高い場合に、高設定であることを示唆するだけでなく、設定値が低い場合に高設定であることを示唆することもできる。
また、特定ゲームの進行の早い/遅いを所定の基準に基づき判別することができる。
例えば、ゴールまでに要した時間やゲーム回数が基準回数よりも少ない場合は早いと判断することができる。
そして、ゲームの進行が早いと多いと判断された場合に高設定であることを示唆することができる。また、これとは反対に、ゲームの進行が遅い場合に高設定であることを示唆することもできる。
【0037】
また、特定ゲームは、呼出ランプ1における遊技者の所定操作(例えば、表示部2のタッチ操作)によって、RPGゲーム、ボードゲーム、RPG風ボードゲームの中から任意のゲームを選択できるようにすることができる。
これにより、遊技者は、好みの特定ゲームを遊技することができ、遊技場にとっても、特定ゲームを利用して遊技者を遊技場に誘引することができる。
また、遊技場の運営により、曜日ごとに、呼出ランプ1において遊技可能な特定ゲームを設定することができる。
この場合も、遊技者は特定の曜日に遊技場に赴くことで好みの特定ゲームを遊技することができ、遊技場にとっても、遊技者を遊技場に誘引することができる。
この他、遊技機の島や機種ごとに、遊技可能な特定ゲームを設定することができる。
この場合も、遊技者は遊技機の島や機種によって好みの特定ゲームを選択して遊技することができ、遊技場にとっては、特定ゲームを利用して特定の遊技機による遊技を誘引することができる。
【0038】
また、呼出ランプ1の表示部2には、対応するスロットマシン50のキャラクターを表示させることができる。
例えば、ボードゲーム等におけるコマや、RPGゲーム等における敵キャラクターやプレイヤーとして、併設するスロットマシン50に固有のキャラクターを表示することができる。
これにより、遊技者は、好みのキャラクターがゲームに登場するためよりゲームを楽しむことができ、遊技場にとっても、キャラクターを利用して遊技者を遊技場に誘引することができる。