(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(C)がメチレン架橋アルキルフェノールであり、そのヒドロキシル基がキャップされているか又はキャップされていない、請求項1〜4のいずれか1項の添加剤パッケージ又は組成物。
請求項1に記載の添加剤(A)及び(B)を請求項1に記載の比で含有する、船舶用ディーゼル潤滑剤のための添加剤パッケージ中における、前記潤滑剤中における添加剤(A)及び(B)の安定性を改善するための、請求項1又は5に記載の1〜10質量%の添加剤(C)の使用。
クロスヘッド船舶用ディーゼルエンジンの潤滑化方法であって、前記エンジンの作動中に前記エンジンのピストン/シリンダに、請求項2〜6のいずれか1項の組成物を供給する工程を含む方法。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本明細書では、下記用語及び表現を使用する場合及び使用するとき、それらは以下に帰する意味を有する。
「活性成分」又は「(a.i.)」は、希釈剤又は溶媒でない添加剤材料を表し;
「含む」又はいずれの同種の用語も、規定した特徴、工程、又は整数若しくは成分の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、工程、整数、成分、又はそれらの群の存在又は付加を除外せず;「〜から成る」若しくは「本質的に〜から成る」という表現又は同種の表現は、「含む」又は同種の用語に包含され得る。ここで、「本質的に〜から成る」は、それが適用される組成物の特徴に物質的に影響を及ぼさない物質を含めることを許容し;
「ヒドロカルビル」は、分子の残部に直接付着した炭素原子及び主に炭化水素特性を有する置換基又は基(例えばアルキル基)を意味する。基の炭化水素特性を本質的に変えないとう条件でヘテロ原子が存在してもよく;
「大量」は、組成物の40又は50質量%以上、好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、最も好ましくは80質量%以上を意味し;
「少量」は、組成物の50質量%未満、好ましくは40質量%未満、さらに好ましくは30質量%未満、最も好ましくは20質量%未満、最も好ましくは10質量%を意味し;
「TBN」は、ASTM D2896により測定した場合の全塩基価を意味する。
【0007】
さらに本明細書では、使用する場合及び使用するとき、
「カルシウム含量」は、ASTM 4951により測定したものであり;
「リン含量」は、ASTM D5185により測定したものであり;
「硫酸灰分含量」は、ASTM D874により測定したものであり;
「硫黄含量」は、ASTM D2622により測定したものであり;
「KV100」は、100℃でASTM D445により測定した動粘度を意味する。
また、当然のことながら、必須のみならず最適及び慣例的な様々の使用成分は、配合、貯蔵又は使用の条件下で反応することがあり、本発明は、いずれの該反応の結果として得ることができるか又は得られた生成物をも提供する。
さらに、当然のことながら、本明細書で明記するいずれの上限及び下限の量、範囲及び比をも独立に組み合わせてよい。
【0008】
発明の詳細な説明
以下、本発明の特徴をさらに詳細に論じる。
<潤滑粘度の油>
潤滑剤組成物は、大きな割合の潤滑粘度の油を含有する。該潤滑油の粘度は、軽質留分鉱物油から重質潤滑油の粘度に及び得る。一般的に、油の粘度は、100℃で測定した場合に2〜40、例えば3〜15mm
2/秒に及び、80〜100、例えば90〜95の粘度指数を有する。潤滑油は、組成物の60質量%より多く、典型的に70質量%より多くを構成し得る。
天然油には動物油及び植物油(例えば、ヒマシ油、ラード油);液体石油並びにパラフィン、ナフタレン及び混合パラフィン-ナフタレン型の水素化精製、溶媒処理又は酸処理された鉱物油がある。石炭又はシェール由来の潤滑粘度の油も有用な基油として役立つ。
合成潤滑油としては、炭化水素油及びハロ置換炭化水素油、例えば重合及び共重合オレフィン(例えば、ポリブチレン、ポリプロピレン、プロピレン-イソブチレンコポリマー、塩素化ポリブチレン、ポリ(1-ヘキセン)、ポリ(1-オクテン)、ポリ(1-デセン));アルキルベンゼン(例えば、ドデシルベンゼン、テトラデシルベンゼン、ジノニルベンゼン、ジ(2-エチルヘキシル)ベンゼン);ポリフェニル(例えば、ビフェニル、テルフェニル、アルキル化ポリフェノール);並びにアルキル化ジフェニルエーテル及びアルキル化ジフェニルスルフィド並びにその誘導体、類似体及び同族体が挙げられる。
【0009】
アルキレンオキシドポリマー及びインターポリマー並びに末端ヒドロキシル基がエステル化、エーテル化等により修飾されたその誘導体は別分類の既知合成潤滑油を構成する。これらは、エチレンオキシド又はプロピレンオキシドの重合によって調製されるポリオキシアルキレンポリマー、並びにポリオキシアルキレンポリマーのアルキル及びアリールエーテル(例えば、1000の分子量を有するメチル-ポリイソプロピレングリコールエーテル又は1000〜1500の分子量を有するポリエチレングリコールのジフェニルエーテル);並びにそのモノカルボン酸エステル及びポリカルボン酸エステル、例えば、テトラエチレングリコールの酢酸エステル、混合C
3-C
8脂肪酸エステル及びC
13オキソ酸ジエステルによって例示される。
別の適切な分類の合成潤滑油は、ジカルボン酸(例えば、フタル酸、コハク酸、アルキルコハク酸及びアルケニルコハク酸、マレイン酸、アゼライン酸、スベリン酸、セバシン酸、フマル酸、アジピン酸、リノール酸ダイマー、マロン酸、アルキルマロン酸、アルケニルマロン酸)と種々のアルコール(例えば、ブチルアルコール、ヘキシルアルコール、ドデシルアルコール、2-エチルヘキシルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコールモノエーテル、プロピレングリコール)のエステルを含む。該エステルの具体例としては、アジピン酸ジブチル、セバシン酸ジ(2-エチルヘキシル)、フマル酸ジ-n-ヘキシル、セバシン酸ジオクチル、アゼライン酸ジイソオクチル、アゼライン酸ジイソデシル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジデシル、セバシン酸ジエイコシル、リノール酸ダイマーの2-エチルヘキシルジエステル、並びに1モルのセバシン酸を2モルのテトラエチレングリコール及び2モルの2-エチルヘキサン酸と反応させることによって形成される複合エステルが挙げられる。
【0010】
合成油として有用なエステルには、C
5-C
12モノカルボン酸と、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール及びトリペンタエリスリトール等のポリオール及びポリオールエステルとから作製されるものも含まれる。
ケイ素ベース油、例えばポリアルキル-、ポリアリール-、ポリアルコキシ-又はポリアリルオキシシリコーン油及びシリカート油は、合成潤滑油の別の有用な分類を構成し;該油としては、テトラエチルシリカート、テトライソプロピルシリカート、テトラ-(2-エチルヘキシル)シリカート、テトラ-(4-メチル-2-エチルヘキシル)シリカート、テトラ-(p-tert-ブチル-フェニル)シリカート、ヘキサ-(4-メチル-2-エチルヘキシル)ジシロキサン、ポリ(メチル)シロキサン及びポリ(メチルフェニル)シロキサンが挙げられる。他の合成潤滑油には、リン含有酸の液体エステル(例えば、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、デシルホスホン酸のジエチルエステル)及びポリマーテトラヒドロフランがある。
本発明の潤滑剤には未精製油、精製油及び再精製油を使用することができる。未精製油は、さらに精製処理することなく、天然又は合成源から直接得たものである。例えば、レトルト採収操作から直接得られるシェール油;蒸留から直接得られる石油;又はエステル化から直接得られ、さらに精製せずに用いられるエステル油は未精製油である。
【0011】
米国石油協会(API)出版物「エンジン油のライセンス供与及び認可システム(Engine Oil Licensing and Certification System)」(Industry Services Department,第14版,1996年12月,補遺1,1998年12月)は、ベースストックを以下のように分類している。
a)グループIベースストックは、90%未満の飽和物及び/又は0.03%を超える硫黄を含有し、かつ表E-1に特定した試験方法を用いて80以上120未満の粘度指数を有する。
b)グループIIベースストックは、90%以上の飽和物及び0.03%以下の硫黄を含有し、かつ表E-1に特定した試験方法を用いて80以上120未満の粘度指数を有する。
c)グループIIIベースストックは、90%以上の飽和物及び0.03%以下の硫黄を含有し、かつ表E-1に特定した試験方法を用いて120以上の粘度指数を有する。
d)グループIVベースストックは、ポリアルファオレフィン(PAO)である。
e)グループVベースストックは、グループI、II、III、又はIVに含まれない他の全てのベースストックを含む。
ベースストックの分析方法を以下に表にする。
【0013】
本発明は、好ましくは、潤滑粘度の油として90%以上の飽和物及び0.03%以下の硫黄を含有する上記油の当該ベースストック、例えばグループII、III、IV又はVを包含する。それらはフィッシャー・トロプシュ法によって合成された炭化水素由来のベースストックをも含む。フィッシャー・トロプシュ法では、一酸化炭素及び水素を含有する合成ガス(または「シンガス」)が最初に生成され、次にフィッシャー・トロプシュ触媒を用いて炭化水素に変換される。これらの炭化水素は、基油として役立つためには一般的にさらなる加工を必要とする。例えば、それらは技術上周知の方法によって水素異性化;水素化分解及び水素異性化;脱蝋;又は水素異性化及び脱蝋され得る。シンガスは、例えば、ベースストックをガス液化(gas-to-liquid)(「GTL」)基油と呼べるときには、水蒸気改質により天然ガス又は他のガス状炭化水素等のガスから;或いはベースストックをバイオマス液化(biomass-to-liquid)(「BTL」又は「BMTL」)基油と呼べるときには、バイオマスのガス化から;或いはベースストックを石炭液化(coal-to-liquid)(「CTL」)基油と呼べるときには石炭のガス化から製造可能である。
好ましくは、本発明における潤滑粘度の油は50質量%以上の前記ベースストックを含有する。該油は60質量%以上、例えば70、80又は90質量%以上の前記ベースストック又はその混合物を含有し得る。潤滑粘度の油は、実質的に全て前記ベースストック又はその混合物であってよい。
【0014】
<添加剤(A)及び(B)>
これらはそれぞれ清浄剤、すなわち、エンジン内の堆積物、例えば高温ワニス及びラッカー堆積物の形成を減らす添加剤であり;清浄剤は酸中和特性を有し、微粉化固体を懸濁液中で保持することができる。清浄剤は金属「石鹸」、すなわち界面活性剤と呼ばれることもある酸性有機化合物の金属塩に基づいている。
清浄剤は、極性頭部と長い疎水性尾部を含む。過剰の金属化合物、例えば酸化物又は水酸化物を二酸化炭素等の酸性ガスと反応させることによって大量の金属塩基が含められて、金属塩基(例えば、カルボナート)ミセルの外層として中和した清浄剤を含む、過塩基性清浄剤が得られる。
清浄剤は、好ましくは酸から選択される界面活性剤の過塩基性の油溶性又は油分散性カルシウム、マグネシウム、ナトリウム又はバリウム塩等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属添加剤であり、この過塩基性は、界面活性剤の油溶性塩によって油性希釈剤中で安定化される、油不溶性の金属塩、例えば炭酸塩、塩基性炭酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、水酸化物又はシュウ酸塩によってもたらされる。油溶性界面活性剤塩の金属は、油不溶性塩の金属と同一又は異なっていてよい。油溶性塩であろうと油不溶性塩であろうと、金属はカルシウムであるのが好ましい。
清浄剤のTBNは、ASTM D2896によって測定した場合に、低い値、すなわち50mgKOH/g未満、中程度の値、すなわち50〜150mgKOH/g、又は高い値、すなわち150mgKOH/gを超える値であり得る。好ましくはTBNは、中程度又は高い値であり、すなわち50TBNを超える。さらに好ましくは、TBNは、ASTM D2896によって測定した場合に、少なくとも60mgKOH/g、さらに好ましくは少なくとも100mgKOH/g、さらに好ましくは少なくとも150mgKOH/gであり、かつ500mgKOH/gまで、例えば350mgKOH/gまでである。
清浄剤(A)においては、界面活性剤はヒドロキシ安息香酸から選択され、特定例はサリチル酸であり、塩はサリチラートである。サリチラート清浄剤は技術上周知である。
清浄剤(B)においては、界面活性剤はスルホン酸から選択され、塩はスルホナートである。スルホナート清浄剤も技術上周知である。
使用可能な清浄剤は、技術上周知なもののようにヒドロカルビル(例えばアルキル)置換されているものである。
上述したように、石鹸のミリモルとして表される(A)対(B)の比は、90:10〜10:90の範囲内である。範囲の上限の例として、80:20及び75:25を挙げることができる。範囲の下限の例として25:75を挙げることができる。前記上限及び下限を独立に組み合わせて下位範囲を与えることができる。
【0015】
<添加剤(C):例えばメチレン架橋アルキルフェノール(「MBAP」)>
これらは技術上周知であり、オキシアルキル化ヒドロカルビルフェノール縮合物の油溶性混合物を含み得る。ここで、フェノール官能基から調製されるオキシアルキル基は、式-(R'O)
n-を有し、式中、R'はエチレン、プロピレン又はブチレン基であり;かつnは独立に0〜10であり;縮合物のフェノール官能基の45モル%未満、好ましくは30モル%未満はオキシアルキル化されず;縮合物のフェノール官能基の55モル%超えはモノオキシアルキル化されている。
該縮合物は、下記一般構造式で表すことができる。
【0017】
式中:
xは1〜50、好ましくは1〜40、さらに好ましくは1〜30であり;
R
1及びR
2は、H、1〜12個の炭素原子を有するヒドロカルビル基、又は1〜12個の炭素原子と少なくとも1個のヘテロ原子を有するヒドロカルビル基であり;かつ
Rは、9〜100個、好ましくは9〜70個、さらに好ましくは9〜50個の炭素原子を有するヒドロカルビル基である。
EP-A-2,374,866は、該縮合物についてさらに詳細に述べている。MBAPは、該縮合物の一実施形態を構成する。
上述したように、(C)は1〜10質量%、好ましくは3〜5質量%の範囲の量で存在する。下位範囲の例として、1〜7質量%及び1〜5質量%を挙げることもできる。
誤解を避けるため、本発明で使用するMBAPは、キャップされ(capped)ていてもキャップされていなくてもよいことを明記する。
【0018】
<船舶用潤滑剤>
船舶用ディーゼルシリンダ潤滑剤(「MDCL」)
MDCLは、10〜35質量%、好ましくは13〜30質量%、最も好ましくは16〜24質量%の濃縮物又は添加剤パッケージを利用することができ、残りはベースストックである。MDCLは、MDCLの総質量に基づいて好ましくは少なくとも50質量%、さらに好ましくは少なくとも60質量%、さらに好ましくは少なくとも70質量%の潤滑粘度の油を含む。好ましくは、MDCLは、10〜100、例えば70〜100又は40〜100、好ましくは60〜90、さらに好ましくは70〜80の組成上のTBN(ASTM D2896を用いて)を有する。
MDCL中の添加剤の典型的な割合の例として以下のものを挙げることができる。
【0020】
トランクピストンエンジン油(「TPEO」)
TPEOは、7〜35質量%、好ましくは10〜28質量%、さらに好ましくは12〜24質量%の濃縮物又は添加剤パッケージを利用することができ、残りはベースストックである。好ましくは、TPEOは、25〜60、例えば25〜55の組成物上のTBN(ASTM D2896を用いて)を有する。
TPEO中の添加剤の典型的な割合として以下のものを挙げることができる。
【0022】
本明細書で使用する用語「油溶性」又は「油分散性」は、化合物又は添加剤が全ての割合で油に可溶性、溶解性、混和性又は懸濁できることを必ずしも意味しない。しかしながら、これらの用語は、化合物又は添加剤が、油を利用する環境においてそれらの意図した効果を発揮するのに十分な程度まで油に、例えば、可溶又は安定分散性であることを意味する。さらに、必要に応じて、他の添加剤をさらに組み込むと、特定添加剤のより高いレベルの組み込みを可能にすることもある。
本発明の潤滑剤組成物は、定義された個々の(すなわち個別の)成分を含み、これらは混合の前後で化学的に同一のままであってもそうでなくてもよい。
必須ではないが、添加剤を含む1種以上の添加剤パッケージ又は濃縮物を調製し、それによって潤滑粘度の油に添加剤を同時に添加して潤滑油組成物を形成するのが望ましいことがある。溶媒によって及び穏やかに加熱しながら混合することによって、潤滑粘度の油への添加剤パッケージの分散を促進することができるが、これは必須ではない。一般的に、所望濃度をもたらすために適した量で添加剤を含有し、及び/又は添加剤パッケージをベース潤滑剤と併用するときに最終配合物において意図した機能を果たすように添加剤パッケージを配合することになる。
従って、添加剤を、他の望ましい添加剤と共に少量の基油又は他の相溶性溶媒と混合して、添加剤パッケージに基づいて、例えば、2.5〜90、好ましくは5〜75、最も好ましくは8〜60質量%の適切な割合の添加剤、残りは基油という量で活性成分を含有する添加剤パッケージを形成することができる。
最終配合物は、典型的に約5〜40質量%の添加剤パッケージを含有し、残りは基油であってよい。
【実施例】
【0023】
実施例
本発明を下記実施例によって説明するが、本発明をこれらに限定するものではない。
<安定性試験方法>
種々の割合のカルシウムサリチラート清浄剤(塩基度指数1.35)及びカルシウムスルホナート清浄剤(塩基度指数22.0)をスターラ及びホットプレートの助けを借りて単一段階で、1%の希釈油と共に75℃で30分間混合した。これにより一連の混合物を得た。
結果として生じた各混合物を目盛付きガラス安定性管中に注ぎ、室温及び60℃で12週間にわたって試験した。
毎週、添加剤の不安定性の証拠として、ゲル形成、相分離、管底に降下する沈降物の量、及び濁りについて安定性管を目視検証した。
試験は、メチレン架橋ドデシルフェノキシエタノール(キャップされていない「MBAP」)を含有する混合物及びそれを含有しない混合物について行なった。
<結果>
【0024】
キー:
OK:添加剤の安定性問題観察されず
ゲル/相分離
n:添加剤不安定性(相分離よりひどいゲル形成)
数:安定性性能を観察及び報告した週数(最初の数は室温試験;2番目の数は60℃試験)
【0025】
上記データは、以下のことを示している。
1. 90/10比では、MBAPの非存在下でさえ、安定性問題は観察されなかった。
2. 75/25比では、MBAPの非存在下で安定性問題が観察され;室温試験は、1、3及び5質量%のMBAPで安定性問題を示さず;60℃試験は、1及び3質量%のMBAPで改善を示し、5質量%のMBAPで問題ないことを示した。
3. 50/50比では、MBAPの非存在下及び1質量%のMBAPで問題が観察され;3質量%のMBAP試験はいくらかの改善をもたらし;5質量%のMBAP試験は、室温でも60℃でも安定性問題を示さなかった。
4. 25/75比では、MBAPが無い場合に問題が観察され;1及び3質量%のMBAPでは、室温の結果は60℃の結果より悪く;5質量%のMBAP試験は、室温でも60℃でも安定性問題を示さなかった。