(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態に係る二連往復動ポンプを詳細に説明する。
【0017】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る二連往復動ポンプ1の構成を示す図であり、断面及びその周辺機構を示している。また、
図2は、
図1に示す二連往復動ポンプ1の構成要素のうちの一部(第1及び第2の切換弁機構80a及び80b、並びに第1〜第8切換機構20a、30a、40a、50a、20b、30b、40b、50b)を抜粋して示したものである。
図1に示すように、二連往復動ポンプ1において、中央部に配置されたポンプヘッド1aの両側には、ケース部材である有底円筒状の第1のシリンダ2a及び第2のシリンダ2bが、開口部が互いに向かい合うように装着されて配置されている。
【0018】
これらシリンダ2a、2bの内部には、軸方向に沿って一対の空間が形成されている。これら一対の空間内には、軸方向に伸縮可能な、例えばフッ素樹脂からなる有底円筒状の第1のベローズ3a及び第2のベローズ3bが、互いの開口側が向き合うようにポンプヘッド1aに添設された状態で同軸配置されている。
【0019】
これらベローズ3a,3bは、その開口端がポンプヘッド1aに対して、例えば液密に螺合固定されている。従って、ベローズ3a,3bは、内側を第1のポンプ室5a及び第2のポンプ室5bとし、外側を第1の作動室6a及び第2の作動室6bとして、シリンダ2a,2bの内部空間を仕切る一対の可動仕切部材を構成している。
【0020】
ベローズ3a,3bの底部には、シャフト固定板4a及びシャフト固定板4bがボルト15aにより固定されている。シャフト固定板4a,4bには、同軸に延びるシャフト7a及びシャフト7bの一端が固定されている。シャフト7a,7bの他端は、シリンダ2a,2bの底部中心を、シール部材8を介して気密に貫通してシリンダ2a,2bの外側まで延びている。これらシャフト7a,7bの他端には、連結板9a及び連結板9bがナット10によって固定されている。
【0021】
連結板9a,9bは、シリンダ2a,2bの外部の所定位置、例えば
図1中の上下に示す位置において、連結シャフト11a及び連結シャフト11bによって軸方向に連結されている。各連結シャフト11a,11bは、一対のシャフト部12及びシャフト部13と、これらシャフト部12,13の間に装着された伸縮部材であるコイルばね14とを備えている。コイルばね14は、芯材14aと、バネ部材14bとを備えている。芯材14aは、その一端をシャフト部12又は13の一方に対し固定的に接続される一方、他端は後述する弁体55a又は55bと対向するように配置されている。芯材14aの他端は、通常時において弁体55a又は55bとは所定距離だけ離間して配置されるが、コイルばね14が弾性力に抗して圧縮される場合において、弁体55a又は55bと接触し、弁体55a又は55bを押圧する。
【0022】
各連結シャフト11a,11bにおいては、シャフト部12,13のコイルばね14側とは反対側の端部がボルト15によって連結板9a,9bに固定されている。一方、ベローズ3a、3bは、固定版4a、4b、シャフト7a、7bを介して連結版9a、9bに接続されている。すなわち、ベローズ3a、3bは、シャフト7a、7b、連結板9a、9bを介して連結シャフト11a、11bに接続されている。ベローズ3a、3bが作動エアにより伸縮すると、連結板9a、9bも移動し、連結シャフト11a、11bも移動する。ただし、連結シャフト11a、11bはコイルばね14の弾性力により伸縮する。
【0023】
また、ポンプヘッド1aには、ポンプの側面に臨む位置に移送流体、例えば液体の吸込口16と吐出口17とが設けられている。この吸込口16からポンプ室5a,5bに至る経路には、吸込弁18a及び吸込弁18bが設けられ、ポンプ室5a,5bから吐出口17に至る経路には、吐出弁19a及び吐出弁19bが設けられている。これら吸込弁18a,18b及び吐出弁19a,19bは、バルブユニットを構成している。
【0024】
シリンダ2a,2bの底部には、シリンダ側出入口2c及びシリンダ側出入口2dが設けられている。これらシリンダ側出入口2c,2dは、例えば図示しないエアコンプレッサ等の作動流体源から供給される作動流体、例えば作動エアを、第1の切換弁機構80aの作動エア出入口81aに接続された第1の主配管90a、及び第2の切換弁機構80bの作動エア出入口81bに接続された第2の主配管90bを介して、作動室6a,6bに対して導入又は排出するためのものである。
【0025】
第1の切換弁機構80aは、作動室6aへの作動エアの供給を切り換える切換弁86aを備える。第2の切換弁機構80bは、作動室6bへの作動エアの供給を切り換える切換弁86bを備える。これら第1及び第2の切換弁機構80a,80bの切換弁86a,86bは、後述する第1切換機構20a、第2切換機構30a、第3切換機構40a及び第4切換機構50a、第5切換機構20b、第6切換機構30b、第7切換機構40b及び第8切換機構50bにより供給が切り換えられた制御流体、例えば制御エアによって動作される。制御エアは、作動流体源からの作動エアの一部を分流したものとすることができる。ただし、制御エアを、作動エアとは独立した流体源により生成することも可能である。
【0026】
第1の切換弁機構80aは、内部に作動エアの分配室84aが形成され切換弁86aが往復動自在に収容された第1の弁機構本体85aを備える。第2の切換弁機構80bは、内部に作動エアの分配室84bが形成され切換弁86bが往復動自在に収容された第2の弁機構本体85bを備える。
【0027】
第1及び第2の弁機構本体85a及び85bには、エア配管99a及びエア配管99bを介して作動エアを分配室84a、84bに導入する作動エア導入口87a及び作動エア導入口87bと、上述した作動エア出入口81a,81bとが形成されている。
【0028】
作動エア出入口81a,81bは、分配室84a,84bに導入された作動エアを、第1及び第2の主配管90a,90bを介して作動室6a,6bに導入すると共に、作動室6a,6bから排出された作動エアを第1及び第2の主配管90a,90bを介して分配室84a,84bに排出するためのものである。
【0029】
また、第1及び第2の弁機構本体85a,85bには、作動室6a,6bから排出されて分配室84a,84bに導入された作動エアを外部に排出するための作動エア排出口88a及び作動エア排出口88bが備えられている。なお、第1の弁機構本体85aには後述する制御エア出入口82a及び制御エア出入口83aが備えられ、第2の弁機構本体85bには後述する制御エア出入口82b及び制御エア出入口83bが備えられている。
【0030】
制御エア出入口82a,83aは、制御エアを制御エア配管92a,92cを介して第1の弁機構本体85a内に導入及び排出するためのものである。制御エア出入口82b,83bは、制御エアを制御エア配管92b,92dを介して第2の弁機構本体85b内に導入及び排出するためのものである。
【0031】
第1の切換弁機構80aの切換弁86aは、制御エア出入口82a,83aから第1の弁機構本体85a内に導入された制御エアによって往復駆動される。第2の切換弁機構80bの切換弁86bは、制御エア出入口82b,83bから第2の弁機構本体85b内に導入された制御エアによって往復駆動される。
【0032】
切換弁86a,86bは、軸方向に所定間隔を空けて形成された3つの大径部89a,89bと、これら大径部89a,89b間に形成された2つの小径部98a,98bとを有する。大径部89a,89bは、第1及び第2の弁機構本体85a,85bに形成された作動エア導入口87a,87b、作動エア出入口81a,81b及び作動エア排出口88a,88bを選択的に塞ぐものである。また、小径部98a,98bは、第1及び第2の弁機構本体85a,85bの内壁面と共に分配室84a,84bを形成する。
【0033】
シリンダ2aの底部外壁面の一部には、第1切換機構20aが、例えばシリンダ2aに対し着脱可能に固定されている。
また、シリンダ2aの底部側方外壁面の下方側には、第2切換機構30aが、例えばシリンダ2aに対して一体成形等により一体的に、又は着脱可能に配置されている。
また、シリンダ2aの底部外壁面の別の位置には、第3切換機構40aが、例えばシリンダ2aに対し一体成形等により一体的に、又は着脱可能に固定されている。
更に、連結シャフト11aを構成するシャフト部12の内部には、第4切換機構50aが設けられている。
このような第1〜第4切換機構20a,30a,40a、50aは、第1の切換弁機構80aへの制御エアの供給を切り換えるために設けられている。
【0034】
また、シリンダ2bの底部側方外壁面の下方側には、第6切換機構30bが、例えばシリンダ2bに対して一体成形等により一体的に固定されて配置されている。
また、シリンダ2bの底部外壁面の別の位置には、第7切換機構40bが、例えばシリンダ2bに対し一体成形等により一体的に、又は着脱可能に固定されている。
更に、連結シャフト11bを構成するシャフト部13の内部には、第8切換機構50bが設けられている。
このような第5〜第8切換機構20b,30b,40b、50bは、第2の切換弁機構80bへの制御エアの供給を切り換えるために設けられている。
【0035】
なお、第1切換機構20a及び第5切換機構20bは、例えばシリンダ2a,2bに対して一体成形等により一体的に固定されて配置されていてもよい。
【0036】
詳細は後述するが、第1〜第8切換機構20a,30a、40a、50a、20b,30b、40b、50bは、ポンプ室5aの圧縮工程とポンプ室5bの圧縮工程とが部分的に重複する重複期間OPを有するように、第1及び第2の切換弁機構80a,80bへの制御エアの供給を切り換えるように動作する。
【0037】
次に、各切換機構20a〜50bについて、その構造及び機能につき、
図2の抜粋図も参照しつつ説明する。
第1切換機構20aは、図示しないフランジ部をシリンダ2aに対して着脱可能に、例えばねじ止め固定することにより固定される収容ケース21aを備える。第5切換機構20bは、図示しないフランジ部をシリンダ2bに対して着脱可能に、例えばねじ止め固定することにより固定される収容ケース21bを備える。これらの収容ケース21a,21bの側面には、制御エアの導入口22a及び導入口22bが形成されると共に、制御エアの排出口23a及び排出口23bが形成されている。
【0038】
収容ケース21a,21bの導入口22a,22bには制御エア導入路91a及び制御エア導入路91bが接続され、排出口23a,23bには制御エア配管92a及び制御エア配管92bが接続されている。なお、収容ケース21a,21bの所定位置、例えば収容ケース21a,21bの底部近傍側面には、収容ケース21a,21bの内部と外部とを連通する逃げ穴24a及び逃げ穴24bが形成されている。
【0039】
また、第1切換機構20aは、収容ケース21a内を往復動する弁体25aを備える。また、第5切換機構20bは、収容ケース21b内を往復動する弁体25bを備える。収容ケース21a,21b内には、これら弁体25a及び弁体25bを連結板9a,9bの方へ付勢するバネ26a及びバネ26bが備えられている。
【0040】
弁体25aは、その先端部が収容ケース21aから連結板9aに向かって突出し、連結板9aの内側面に当接可能に配置されている。弁体25bは、その先端部が収容ケース21bから連結板9bに向かって突出し、連結板9bの内側面に当接可能に配置されている。
【0041】
弁体25a,25bは、例えばベローズ3a,3bが収縮限界位置近傍に達したときから収縮限界位置までの間で変位する際に、その先端部が連結板9a,9bと継続的に当接する。そして、そのままバネ26a,26bの弾性力に抗して収容ケース21a,21b内に押されるように構成されている。
【0042】
従って、収容ケース21aと弁体25aとの間に形成される分流路27a、及び収容ケース21bと弁体25bとの間に形成される分流路27bは、ベローズ3a,3bが収縮限界位置近傍に達したときに開路し導入口22a,22bと排出口23a,23bとを連通させる。分流路27a,27bが開路したときは、制御エア導入路91a,91bから第1及び第3切換機構20a,20bに供給される制御エアが、制御エア配管92a及び制御エア配管92bを通って第1及び第2の切換弁機構80a,80bの制御エア出入口82a及び制御エア出入口82bに導かれる。
【0043】
また、弁体25a,25bは、その先端部が連結板9a,9bから離間する直前の位置に達したときから離間した状態にあるときは、バネ26a,26bの弾性力により収容ケース21a,21bから突出して分流路27a,27bを閉路する。これにより、弁体25a,25bは、排出口23a,23bと逃げ穴24a,24bとを収容ケース21a,21b内で連通させる。
【0044】
このように分流路27a,27bが閉路したときは、制御エア出入口82a,82bから制御エア配管92a,92bを介して排出された制御エアが、排出口23a,23bを介して収容ケース21a,21b内に導入され、逃げ穴24a,24bから外部に排気される。
【0045】
また、第2切換機構30aは、シリンダ2aと一体的に形成された収容ケース31aを備える。第6切換機構30bは、シリンダ2bと一体的に形成された収容ケース31bを備える。これら収容ケース31a,31bの側面には、制御エアの導入口32a及び導入口32bが形成されると共に、制御エアの排出口33a及び33bが形成されている。
【0046】
収容ケース31a,31bの導入口32a,32bには制御エア導入路91c及び制御エア導入路91dが接続され、排出口33a,33bには制御エア配管92c及び制御エア配管92dが接続されている。なお、収容ケース31a,31bの所定位置、例えば収容ケース31a,31bの底部には、収容ケース31a,31bの内部と外部とを連通する逃げ穴34a及び逃げ穴34bが形成されている。
【0047】
また、第2切換機構30aは、収容ケース31a内を往復動する弁体35aを備える。また、第6切換機構30bは、収容ケース31b内を往復動する弁体35bを備える。そして、収容ケース31a,31b内には、これら弁体35a及び弁体35bを軸方向に沿って互いに対向する方向、具体的には連結シャフト11bのシャフト部12,13に設けられた当接板35c及び当接板35dの方へ付勢するバネ36a及びバネ36bが備えられている。
【0048】
弁体35aは、その先端部が収容ケース31aから当接板35cに向かって突出し、当接板35cに当接可能に配置されている。また、弁体35bは、その先端部が収容ケース31bから当接板35dに向かって突出し、当接板35dに当接可能に配置されている。
【0049】
弁体35a,35bは、例えばベローズ3a,3bが伸長限界位置近傍に達したときから伸長限界位置までの間で変位する際に、その先端部が当接板35c,35dと継続的に当接する。そして、そのままバネ36a,36bの弾性力に抗して収容ケース31a,31b内に押されるように構成されている。
【0050】
従って、収容ケース31aと弁体35aとの間に形成される分流路37a、及び収容ケース31bと弁体35bとの間に形成される分流路37bは、ベローズ3a,3bが伸長限界位置近傍に達したときにおいて開路し導入口32a,32bと排出口33a,33bとを連通させる。分流路37a,37bが開路したときは、制御エア導入路91c,91dから第2切換機構30a,第6切換機構30bに供給される制御エアが、制御エア配管92c及び制御エア配管92dを通って第1及び第2の切換弁機構80a,80bの制御エア出入口83a及び制御エア出入口83bに導かれる。
【0051】
また、弁体35a,35bは、その先端部が当接板35c,35dから離間する直前の位置に達したときから離間した状態にあるときは、バネ36a,36bの弾性力により収容ケース31a,31bから突出して分流路37a,37bを閉路する。これにより、弁体35a,35bは、排出口33a,33bと逃げ穴34a,34bとを収容ケース31a,31b内で連通させる。
【0052】
このように分流路37a,37bが閉路したときは、制御エア出入口83a,83bから制御エア配管92c,92dを介して排出された制御エアが、排出口33a,33bを介して収容ケース31a,31b内に導入され、逃げ穴34a,34bから外部に排気される。
【0053】
第1の実施の形態に係る二連往復動ポンプ1は、第1の切換弁機構80aの切換弁86aを、第1切換機構20a及び第2切換機構30aからの制御エアにより切換動作させて、作動室6aへの作動エアの供給を切り換える。具体的には、第1切換機構20aの分流路27aが開路した場合には、第1切換機構20aからの制御エアにより、切換え弁86aが
図2中の左方向に移動する。また、第2切換機構30aの分流路37aが開路した場合には、第2切換機構30aからの制御エアにより、切換え弁86aが
図2中の右方向に移動する。
また、第1の実施の形態に係る二連往復動ポンプ1は、第2の切換弁機構80bの切換弁86bを、第5切換機構20b及び第6切換機構30bからの制御エアにより切換動作させて、作動室6bへの作動エアの供給を切り換える。具体的には、第5切換機構20bの分流路27bが開路した場合には、第5切換機構20bからの制御エアにより、切換え弁86bが
図2中の右方向に移動する。また、第6切換機構30bの分流路37bが開路した場合には、第6切換機構30bからの制御エアにより、切換え弁86bが
図2中の左方向に移動する。
【0054】
切換弁86a,86bは、作動エアを、例えば弁機構本体85aの作動エア導入口87aと作動エア出入口81aとを連通させると共に、弁機構本体85bの作動エア出入口81bと作動エア排出口88bとを連通させて、作動室6aへ供給し作動室6bから排出させる。
【0055】
また、切換弁86a,86bは、作動エアを、例えば弁機構本体85bの作動エア導入口87bと作動エア出入口81bとを連通させると共に、弁機構本体85aの作動エア出入口81aと作動エア排出口88aとを連通させて、作動室6bへ供給し作動室6aから排出させる。そして、重複期間OPを設けることにより、ポンプ室5a,5bのうち、一方のポンプ室の吐出圧力が低下する圧縮工程(吐出工程)の最終段階の直前で、他方のポンプ室からも液体が吐出されるようにすることができるので、吐出側の移送流体の脈動を抑制することができる。
【0056】
第3切換機構40a、第7切換機構40bは、第1切換機構20a、第5切換機構20bと略同一の構造を有している。第3切換機構40aは収容ケース41aを備え、第7切換機構40bは収容ケース41bを備える。これらの収容ケース41a,41bの側面には、制御エアの導入口42a及び導入口42bが形成されると共に、制御エアの排出口43a及び排出口43bが形成されている。
【0057】
収容ケース41a,41bの導入口42a,42bには制御エア導入路93a及び制御エア導入路93bが接続され、排出口43a,43bには制御エア配管92a’及び制御エア配管92b’が接続されている。制御エア配管92a’、92b’は、それぞれ第1切換機構20aと第1の切換弁機構80aとを接続する制御エア配管92a、及び第5切換機構20bと第2の切換弁機構80bとを接続する制御エア配管92bから分岐される配管である。
また、制御エア導入路93a及び93bは、それぞれ第4切換機構50a及び第8切換機構50bから延びる配管である。
【0058】
なお、収容ケース41a,41bの所定位置、例えば収容ケース41a,41bの底部近傍側面には、収容ケース41a,41bの内部と外部とを連通する逃げ穴44a及び逃げ穴44bが形成されている。
【0059】
また、第3切換機構40aは、収容ケース41a内を往復動する弁体45aを備える。また、第7切換機構40bは、収容ケース41b内を往復動する弁体45bを備える。収容ケース41a,41b内には、これら弁体45a及び弁体45bを連結板9a,9bの方へ付勢するバネ46a及びバネ46bが備えられている。
【0060】
弁体45aは、その先端部が収容ケース41aから連結板9aに向かって突出し、連結板9aの内側面に当接可能に配置されている。弁体45bは、その先端部が収容ケース41bから連結板9bに向かって突出し、連結板9bの内側面に当接可能に配置されている。
【0061】
弁体45a,45bは、例えばベローズ3a,3bが収縮限界位置近傍に達したときから収縮限界位置までの間で変位する際に、その先端部が連結板9a,9bと継続的に当接する。そして、そのままバネ46a,46bの弾性力に抗して収容ケース41a,41b内に押されるように構成されている。
【0062】
従って、収容ケース41aと弁体45aとの間に形成される分流路47a、及び収容ケース41bと弁体45bとの間に形成される分流路47bは、ベローズ3a,3bが収縮限界位置近傍に達したときに開路し導入口42a,42bと排出口43a,43bとを連通させる。分流路47a,47bが開路したときは、制御エア導入路93a,93bから第3切換機構40a及び第7切換機構40bに供給される制御エアが、制御エア配管92a’及び制御エア配管92b’を通って第1及び第2の切換弁機構80a,80bの制御エア出入口82a及び制御エア出入口82bに導かれる。
【0063】
また、弁体45a,45bは、その先端部が連結板9a,9bから離間する直前の位置に達したときから離間した状態にあるときは、バネ46a,46bの弾性力により収容ケース41a,41bから突出して分流路47a,47bを閉路する。これにより、弁体45a,45bは、排出口43a,43bと逃げ穴44a,44bとを収容ケース41a,41b内で連通させる。
【0064】
このように分流路47a,47bが閉路したときは、制御エア配管92a’,92b’を介して排出された制御エアが、排出口43a,43bを介して収容ケース41a,41b内に導入され、逃げ穴44a,44bから外部に排気される。
【0065】
第3切換機構40aは、第1切換機構20aと比べ、ベローズ3aの収縮状態がより小さい段階においてON状態に切り替わる。換言すれば、ベローズ3aが第1の収縮状態に達すると第1切換機構20aがON状態に切り換わる一方で、第3切換機構40aは、この第1の収縮状態よりもより収縮度合が小さい第2の収縮状態にベローズ3aが達するとON状態に切り換わる。
【0066】
また、第7切換機構40bも、第5切換機構20bと比べ、ベローズ3bの収縮の度合がより小さい段階においてON状態に切り替わる。換言すれば、ベローズ3bが第3の収縮状態に達すると第5切換機構20bがON状態に切り換わる一方で、この第3の収縮状態よりもより収縮度合が小さい第4の収縮状態にベローズ3bが達すると第7切換機構40bは、ON状態に切り換わる。
これにより、ベローズ3a、3bの伸長・収縮動作(ポンプ動作)が遅い場合であっても、動作異常を生じることなくポンプ動作を継続することができる。
【0067】
また、第4切換機構50a、及び第8切換機構50bは、連結シャフト11a、11bを構成するシャフト部12、13の空洞内に配置されている。第4切換機構50a、及び第8切換機構50bは、シャフト部12、13の側面に、制御エアの導入口52a及び導入口52bが形成されると共に、制御エアの排出口53a及び排出口53bが形成されている。
【0068】
導入口52a,52bには制御エア導入路91c’及び制御エア導入路91d’が接続され、排出口53a,53bには制御エア配管93a及び制御エア配管93bが接続されている。制御エア配管91c’、91d’は、それぞれ制御エア配管91c、91dから分岐される配管である。また、制御エア導入路93a及び93bは、前述したように第3切換機構40a及び第7切換機構40に向かって延びる配管である。
【0069】
また、第4切換機構50aは、シャフト部12内を往復動する弁体55aを備える。また、第8切換機構50bは、シャフト部13内を往復動する弁体55bを備える。シャフト部12,13内には、これら弁体55a及び弁体55bをシャフト部13、12の方へ付勢するバネ56a及びバネ56bが備えられている。
【0070】
弁体55aは、その先端部がシャフト部13に向かって突出し、シャフト部13の先端に当接可能に配置されている。弁体55bは、その先端部がシャフト部12に向かって突出し、シャフト部12の先端に当接可能に配置されている。
【0071】
ポンプ1のポンプ動作が遅いときには、例えばベローズ3aが未だ収縮動作中であって収縮限界位置近傍に達する前の段階で、ベローズ3bの収縮動作が開始される場合がある。この場合、弁体55a,55bの先端部が芯材14aと継続的に当接する。そして、そのままバネ56a,56bの弾性力に抗して芯材14aにより弁体55a、55bが押し込まれる。これにより、第4切換機構50a、第8切換機構50bがON状態に切り替わる。
【0072】
従って、連結シャフト11a内のシャフト部12と弁体55aとの間に形成される分流路57a、及び連結シャフト11b内のシャフト部13と弁体55bとの間に形成される分流路57bは、ポンプの動作が遅く、ベローズ3a,3bの両方が収縮動作にある場合において開路し導入口52a,52bと排出口53a,53bとを連通させる。分流路57a,57bが開路したときは、制御エア導入路91c’,91d’から第4切換機構50a及び第8切換機構50bに供給される制御エアが、制御エア配管93a及び制御エア配管93bを通って第3切換機構40a、第7切換機構40bに導かれる。ポンプの動作が遅い場合において、第4切換機構50a、第8切換機構50bが開路している場合には、第3切換機構40a及び第7切換機構40bの分流路47a、47bも開路しているため、制御エアは制御エア配管92a’、及び92b’を介して第1及び第2の切換弁機構80a,80bの制御エア出入口82a及び制御エア出入口82bに導かれる。
【0073】
次に、このように構成された二連往復動ポンプ1の動作について
図3〜
図12を参照して説明する。以下では、ポンプ動作が速い場合と、ポンプ動作が遅い場合とに分けて説明する。この第1の実施の形態の二連往復動ポンプ1は、ポンプ動作が遅い場合においても、異常停止を回避して、且つ低脈動を維持しながら運転を継続することができる。
【0074】
ポンプ動作が速い場合の動作を、
図3〜
図7を参照して説明する。
図3は、各部の動作を示すタイミングチャートであり、
図4〜
図7はその動作を説明する概略図である。なお、
図4〜7では、図示の簡略化のため、逃げ穴など細部の図示は省略している。
図4は、
図3のタイミングチャートの時刻t1以前の状態を示している。この状態では、ベローズ3aが収縮動作中で収縮限界位置近傍に達している一方、ベローズ3bが伸長動作中であり伸長限界位置近傍に達している状態を示している。そして、第1の切換弁機構80aは、作動エアを送出可能な開状態(ON状態)にあり作動エアを配管90aを介して作動室6aに送り込んでいる。また、第2の切換弁機構80bは閉状態(OFF状態)にあり、作動室6bから作動エア配管90bを介して排出された作動エアを作動エア排出口88bから排出している。また、第3切換機構40a、及び第6切換機構30bは、閉状態(OFF状態)から開状態(ON状態)に切り替わる段階にある。第1切換機構20aは、第2切換機構40aに遅れてON状態となるよう構成されているので、この段階では未だ閉状態(OFF状態)である。
【0075】
なお、第1及び第2の切換弁機構80a,80bについては、切換弁86a,86bが、作動エア導入口87a,87bと作動エア出入口81a,81bとを連通させているときをON状態とする。また、作動エア出入口81a,81bと作動エア排出口88a,88bとを連通させているときをOFF状態とする。
また、切換機構20a、30a、40a、50a、20b,30b、40b、50bについては、弁体25a、35a、45a、55a、25b、35b、45b、55bが、分流路27a、37a、47a、57a、27b、37b、47b、57bを介して導入口22a、32a、42a、52a、22b、32b、42b、52bと排出口23a、33a、43a,53a、23b、33b、43b、53bとを連通させているときを「ON状態」とし、これらを連通させていないときを「OFF状態」とする。
【0076】
ポンプの動作中においては、第1〜第8切換機構20a、30a、40a、50a、20b、30b、40b、50bが、一方のポンプ室5aの圧縮工程と他方のポンプ室5bの圧縮工程とが部分的に重複する重複期間OPを有するように、例えば次のように第1及び第2の切換弁機構80a、80bの動作を切り替えてベローズ3a、3bを駆動する。
【0077】
本実施形態においては、作動流体源の作動エアは、例えば図示しないレギュレータで所定圧力に調整された上で、エア配管99a、99bを介して第1及び第2の切換弁機構80a、80bに常時供給されている。また、作動エアは、エア配管99a、99bから分岐した制御エア導入路91a〜91d、91c’、91d’、93a、93bを介して第1〜第8切換機構20a、30a、40a、50a、20b、30b、40b、50bに供給されている。
【0078】
ベローズ3aはその底部がポンプヘッド1aに近付く方向(以下、「ポンプヘッド近接方向」と呼ぶ。)へ移動して収縮しており、これに伴い連結シャフト11a、11bのシャフト部12、12は軸方向に沿って同様にポンプヘッド近接方向へ移動する。また、コイルばね14を介してシャフト部13、13がこれらに少し遅れて連動し、このシャフト部13、13と連動する連結板9bがポンプヘッド1aから離れる方向(以下、「ポンプヘッド離間方向」と呼ぶ。)へ移動する。
【0079】
図3のタイミングチャートの時刻t1の前の状態においては、ベローズ3aは収縮限界位置に達するまで収縮を続け、ベローズ3bは伸長限界位置に達するまで伸長を続けている。なお、切換弁86bが弁機構本体85b内の右側にあるので、作動エア出入口81bと作動エア排出口88bとが連通し、ベローズ3bが伸長を続けているときには、作動室6b内の作動エアは、主配管90bを介して第2の切換弁機構80bの分配室84bを通り、作動エア排出口88bから外部に排気される。
【0080】
この場合、
図4に示すように吸込弁18a及び吐出弁19bが閉状態となっており、吸込弁18b及び吐出弁19aが開状態となっているので、移送流体である液体は、吸込口16からポンプ室5b内に導入されると共に、ポンプ室5aから吐出口17を介して吐出される。このように、時刻t1の前の状態においては、ポンプ室5aが圧縮工程途中にあり、ポンプ室5bが伸長工程途中にあるので、第1の切換弁機構80aがON状態を維持し、第2の切換弁機構80bがOFF状態を維持している。
【0081】
そして、
図3に示す時点t1の直前において、ベローズ3bが伸長限界位置近傍に達したときに、連結シャフト11bのシャフト部13に設けられた当接板35dが、第6切換機構30bの弁体35bの先端部に当接する。当接板35dは、そのまま弁体35bを押して収容ケース31b内に後退させる。これにより、第6切換機構30bは、第1の切換弁機構80aがON状態の間にON状態となる。
【0082】
こうして第6切換機構30bがON状態になると、制御エア導入路91dからの制御エアが第6切換機構30b、制御エア配管92dを介して第2の切換弁機構80bの制御エア出入口83bに導入される。この制御エアの圧力により、切換弁86bは、弁機構本体85b内の左側へ移動する。これにより、
図5に示すように、第2の切換弁機構80bがOFF状態からON状態に切り替わる(
図3の時刻t1、曲線L1)。
【0083】
図5に示すように、第2の切換弁機構80bがON状態になると、作動エア導入口87bと作動エア出入口81bとが連通するので、作動流体源から供給されてエア配管99bを通った作動エアが、第2の切換弁機構80bの分配室84bを通って主配管90bを介して作動室6bに導入される。これにより、伸長動作にあったベローズ3bは、収縮動作に切り替わる。なお、弁機構本体85b内にある制御エア出入口82b側の制御エアは、左側へ移動した切換弁86bに押し出されて制御エア出入口82bから排出される。そして、排出された制御エアは、制御エア配管92bを通って第5切換機構20bの排出口23bから収容ケース21b内に導入され、逃げ穴24bを通って外部に排気される。
【0084】
ポンプ室5bは伸長工程から圧縮工程へと切り替わるが、この時刻t1においては、もう一方の作動室6aにも第1の切換弁機構80aを介して作動エアが供給され続けているので、ポンプ室5aも圧縮工程を維持しており、両方のポンプ室5b、5aの圧縮工程が重複する重複期間OPが開始される。ここでの重複期間OPにおいては、吸込弁18a、18bが閉状態となり、吐出弁19a、19bが開状態となるので、両方のポンプ室5a、5bから移送流体である液体が吐出口17を介して吐出され、脈動が防止される。なお、連結シャフト11a、11bのコイルばね14は、この際のベローズ3a、3bの両端間の寸法変化を吸収するために僅かに圧縮される。ただし、ポンプ動作が速い場合には、その圧縮の程度は小さく、その場合第4切換機構50a及び第8切換機構50bはOFF状態のままに維持される。
【0085】
第2の切換弁機構80bがON状態となってポンプ室5bが圧縮工程に切り替わると、伸長限界位置に達していたベローズ3bはその底部がポンプヘッド近接方向へ移動するように収縮を開始する。そして、連結シャフト11a、11bのシャフト部13、13は軸方向に沿って同様にポンプヘッド近接方向へ移動する。
【0086】
一方、時刻t1のときにまだ圧縮工程途中にあるポンプ室5aにおいては、ベローズ3aがその圧縮工程の終盤に達する。そして、時刻t1〜時刻t2においてベローズ3aが収縮限界位置近傍に達したときに、連結板9aが第1切換機構20aの弁体25aの先端部に当接する。連結板9aは、そのまま弁体25aを押して収容ケース21a内に後退させる。
【0087】
これにより、第1切換機構20aは、第1及び第2の切換弁機構80a、80bがON状態の間に、時刻t1以降の時刻t2の直前において、
図3に示すようなON状態となる。この第1切換機構20aのON状態は、弁体25aが連結板9aと継続的に当接して分流路27aが開路することにより維持される。
【0088】
こうして第1切換機構20aがON状態になると、
図6に示すように、制御エア導入路91aからの制御エアが切換機構20a、制御エア配管92aを介して、第1の切換弁機構80aの制御エア出入口82aに導入される。この制御エアの圧力により、切換弁86aは、弁機構本体85a内の左側へ移動し、第1の切換弁機構80aがOFF状態となる。これにより重複期間OPは終了する。
【0089】
なお、第1の弁機構本体85a内にある制御エア出入口83a側の制御エアは、左側へ移動した切換弁86aに押し出されて制御エア出入口83aから排出される。そして、排出された制御エアは、制御エア配管92cを通って第2切換機構30aの排出口33aから収容ケース31a内に導入され、逃げ穴34aを通って外部に排気される。
【0090】
このような構造により、切換弁86aはスムーズに第1の弁機構本体85a内を左側に移動する。こうして、
図3のタイミングチャートの矢印曲線L2で示すように、第1切換機構20aがON状態となった直後の時刻t2において、第1の切換弁機構80aがOFF状態となる。このように、重複期間OPは時刻t1から時刻t2の間に設けられる。
【0091】
第1の切換弁機構80aがOFF状態になると、作動エア出入口81aと作動エア排出口88aとが連通するので、作動室6a内にある作動エアは、第1の主配管90aを介して第1の切換弁機構80aの分配室84aを通り、作動エア排出口88aから外部に排気される。
【0092】
時刻t1の後の状態で既に圧縮工程となっているベローズ3bにて、軸方向に沿ってポンプヘッド近接方向へ移動している連結シャフト11a、11bのシャフト部13、13に少し遅れて、コイルばね14を介してシャフト部12、12が軸方向に沿ってポンプヘッド離間方向へ移動する。すると、シャフト部12、12と連動する連結板9aがポンプヘッド離間方向へ移動する。
【0093】
これにより、時刻t2において、ポンプ室5aは圧縮工程から伸長工程へと切り替わる。ポンプ室5aが伸長工程に切り替わると、圧縮限界位置に達していたベローズ3aはその底部が反対側の伸長限界位置に達するまでポンプヘッド離間方向へ移動するように伸長する。そして、連結シャフト11a、11bのシャフト部12、12は軸方向に沿って同様にポンプヘッド離間方向へ移動する。
【0094】
こうして、時刻t2の直後の状態においては、
図7に示すように、切換弁86a、86bは、第1及び第2の弁機構本体85a、85b内の左側に移動している。第2の切換弁機構80bからの作動エアは、第2の主配管90bを介して
図7中の矢印で示すように作動室6b内に供給される。
【0095】
また、制御エア導入路91dからの制御エアは、制御エア配管92d及び制御エア出入口83bを介して第2の切換弁機構80b内に導入される。第2の切換弁機構80b内の制御エアは、制御エア出入口82b及び制御エア配管92bを介して、第5切換機構20b内の逃げ穴24bから排気される。
【0096】
また、作動室6a内の作動エアは、第1の主配管90a及び作動エア出入口81aを介して第1の切換弁機構80a内に導入され作動エア排出口88aを介して排気される。また、制御エア導入路91aからの制御エアは、第1の制御エア配管92a及び制御エア出入口82aを介して、第1の切換弁機構80a内に導入される。第1の切換弁機構80a内の制御エアは、制御エア出入口83a及び制御エア配管92cを介して第2切換機構30a内に導入され逃げ穴24aから排気される。
【0097】
図3に示す時刻t2後、時刻t3より前においては、ベローズ3aは伸長限界位置に達するまで伸長を続け、ベローズ3bは収縮限界位置に達するまで収縮を続ける。この場合、吸込弁18b及び吐出弁19aが閉状態となっており、吸込弁18a及び吐出弁19bが開状態となっているので、移送流体である液体は、吸込口16からポンプ室5a内に導入されると共に、ポンプ室5bから吐出口17を介して吐出される。このように、時刻t2以降の時刻t3の前の状態においてはポンプ室5aが伸長工程途中にあり、ポンプ室5bが圧縮工程途中にあるので、
図3に示すように、第1の切換弁機構80aがOFF状態を維持し、第2の切換弁機構80bがON状態を維持している。
【0098】
なお、時刻t2の後において、連結板9aが第1切換機構20aの第1弁体25aから離間すると、第1切換機構20aは
図3に示すようにOFF状態となる。この第1切換機構20aがOFF状態になると、分流路27aが閉路されて排出口23aと逃げ穴24aとが連通される。
【0099】
また、時刻t2の後において、第1切換機構20aがOFF状態となった後に、当接板35dが第6切換機構30bの第4弁体35bから離間すると、第6切換機構30bはOFF状態となる。この第6切換機構30bがOFF状態になると、分流路37bが閉路されて排出口33bと逃げ穴34bとが連通される。
【0100】
そして、
図3に示す時刻t3の直前において、ベローズ3aが伸長限界位置近傍に達したときに、連結シャフト11bのシャフト部12に設けられた当接板35cが第2切換機構30aの弁体35aの先端部に当接する。当接板35cは、そのまま弁体35aを押して収容ケース31a内に後退させる。
【0101】
これにより、第2切換機構30aは、第2の切換弁機構80bがON状態の間に、導入口32a及び排出口33aが分流路37aを介して連通することで、時刻t2以降の時刻t3の直前において、
図3に示すようなON状態となる。この第2切換機構30aのON状態は、弁体35aが当接板35cと継続的に当接して分流路37aが開路することにより維持される。
【0102】
こうして第2切換機構30aがON状態になると、制御エア配管91cからの制御エアが第1の切換弁機構80aの制御エア出入口83aに導入される。この制御エアの圧力により、切換弁86aは、第1の弁機構本体85a内の右側へ移動する。そして、作動エア導入口87aと作動エア出入口81aとが連通し、第1の切換弁機構80aが時刻t3においてON状態となる(
図3の曲線L3)。これにより、再度重複期間OPが開始される。
【0103】
なお、第1の弁機構本体85a内にある制御エア出入口82a側の制御エアは、右側へ移動した切換弁86aに押し出されて制御エア出入口82aから排出される。そして、排出された制御エアは、制御エア配管92aを通って第1切換機構20aの排出口23aから収容ケース21a内に導入され、逃げ穴24aを通って外部に排気される。
【0104】
第1の切換弁機構80aがON状態になると、作動エア導入口87aと作動エア出入口81aとが連通するので、配管99aからの作動エアが、再び第1の切換弁機構80aの分配室84aを通って第1の主配管90aを介して作動室6aに導入される。
【0105】
これにより、ポンプ室5aは伸長工程から圧縮工程へと切り替わる。しかし、この時刻t3においては、もう一方の作動室6bにも第2の切換弁機構80bを介して作動エアが供給され続けているので、ポンプ室5bも圧縮工程を維持しており、両方のポンプ室5a、5bの圧縮工程が重複する重複期間OPが再び開始される。ここでの重複期間OPにおいても、上述したように両方のポンプ室5a、5bから移送流体である液体が吐出され、脈動が防止される。コイルばね14は、このときもベローズ3a、3bの両端間の寸法変化を吸収するために圧縮される。
【0106】
第1の切換弁機構80aがON状態となってポンプ室5aが圧縮工程に切り替わると、伸長限界位置に達していたベローズ3aはその底部が反対側の収縮限界位置に達するまで、ポンプヘッド近接方向へ移動するように収縮する。そして、連結シャフト11a、11bのシャフト部12、12は再び軸方向に沿ってポンプヘッド近接方向へ移動する。
【0107】
一方、時刻t3のときにまだ圧縮工程途中にあるポンプ室5b側においては、ベローズ3bがその圧縮工程の終盤に達する。そして、時刻t3〜時刻t4においてベローズ3bが収縮限界位置近傍に達したときに、連結板9bが第5切換機構20bの弁体25bの先端部に当接する。連結板9bは、そのまま弁体25bを押して収容ケース21b内に後退させる。
【0108】
これにより、第5切換機構20bは、第1及び第2の切換弁機構80a、80bがON状態の間に、導入口22b及び排出口23bが分流路27bを介して連通することで、時刻t3以降の時刻t4の直前においてON状態となる。この第5切換機構20bのON状態は、弁体25bが連結板9bと継続的に当接して分流路27bが開路することにより維持される。
【0109】
こうして第5切換機構20bがON状態になると、制御エア導入路91bからの制御エアが制御エア配管92bを介して第2の切換弁機構80bの制御エア出入口82bに導入される。この制御エアの圧力により、切換弁86bは、第2の弁機構本体85b内の右側へ移動する。そして、作動エア出入口81bと作動エア排出口88bとが連通し、第2の切換弁機構80bが時刻t4においてOFF状態となる(
図3の曲線L4)。
【0110】
なお、第2の弁機構本体85b内にある制御エア出入口83b側の制御エアは、右側へ移動した切換弁86bに押し出されて制御エア出入口83bから排出される。この排出された制御エアは、制御エア配管92dを通って第6切換機構30bの排出口33bから収容ケース31b内に導入され、逃げ穴34bを通って外部に排気される。
【0111】
第2の切換弁機構80bがOFF状態になると、作動エア出入口81bと作動エア排出口88bとが連通するので、作動室6b内にある作動エアは、再び第2の主配管90bを介して第2の切換弁機構80bの分配室84bを通り、作動エア排出口88bから再度外部に排気される。
【0112】
時刻t4の後の状態で既に圧縮工程となっているベローズ3a側にて、軸方向に沿ってポンプヘッド近接方向へ移動している連結シャフト11a、11bのシャフト部12、12に少し遅れて、コイルばね14を介してシャフト部13、13が軸方向に沿ってポンプヘッド離間方向へ移動し、シャフト部13、13と連動する連結板9bがポンプヘッド離間方向へ移動する。
【0113】
これにより、時刻t4において、ポンプ室5bは圧縮工程から再び伸長工程へと切り替わる。ポンプ室5bが伸長工程に切り替わると、圧縮限界位置に達したベローズ3bはその底部が反対側の伸長限界位置に達するまでポンプヘッド離間方向へ移動するように伸長する。そして、連結シャフト11a、11bのシャフト部13、13は軸方向に沿ってポンプヘッド離間方向へ再度移動する。
【0114】
制御エア導入路91cからの制御エアは、第2の制御エア配管92c及び制御エア出入口83aを介して第1の弁機構本体85a内に導入される。第1の弁機構本体85a内の制御エアは、制御エア出入口82a及び制御エア配管92aを介して第1切換機構20a内に導入され逃げ穴24aから排気される。
【0115】
また、作動室6b内の作動エアは、第2の主配管90b及び作動エア出入口81bを介して第2の弁機構本体85b内に導入され、分配室84b、小径部98b及び作動エア排出口88bを介して排気される。制御エア導入路91bからの制御エアは、制御エア配管92b及び制御エア出入口82bを介して、第2の弁機構本体85b内に導入される。一方、第2の弁機構本体85b内の制御エアは、制御エア出入口83b及び制御エア配管92dを介して、第6切換機構30b内に導入され逃げ穴34bから排気される。
【0116】
本実施形態に係る二連往復動ポンプ1は、時刻t4以降においては、以上のような動作を繰り返す。すなわち、第1〜第2及び第5〜第6切換機構20a、30a、20b、30bからの制御エアの供給を切り換えて、第1及び第2の切換弁機構80a、80bを、重複期間OPを有するように動作させて、一対のポンプ室5a、5bを駆動する。なお、ポンプ動作が速い場合、第4及び第8切換機構50a、50bはON状態とならず、実質的には動作しない。
【0117】
このように、本実施形態に係る二連往復動ポンプ1によれば、従来のコントローラや電磁弁等の電気的な構成を一切採用せずに、機械的な構成である第1及び第2の切換弁機構80a、80bや、第1〜第3及び第5〜第7切換機構20a、30a、40a、20b、30b、40bのみを組み合わせて、ポンプ室5a、5bを重複期間OPを有するように駆動することができる。
【0118】
このため、移送流体の脈動低減を図りつつ二連往復動ポンプ1全体の低コスト化を図ることができる。なお、上述した実施形態においては、例えば第1〜第3及び第5〜第8切換機構20a、30a、40a、20b、30b、40bは、いわゆるメカニカル弁により構成され、第1及び第2の切換弁機構80a、80bは、いわゆるスプール弁により構成されていたが、本実施形態に係るこれらの機械的構成は、その他の種々の形態をとり得る。
【0119】
次に、ポンプ動作が遅い場合の動作を、
図8〜
図12を参照して説明する。
図8は、各部の動作を示すタイミングチャートであり、
図9〜
図12はその動作を説明する概略図である。なお、
図9〜12では、図示の簡略化のため、逃げ穴など細部の図示は省略している。ポンプ動作が遅い場合には、例えばベローズ3aが収縮限界位置近傍に達する前にベローズ3bが収縮を開始してベローズ3aを伸長方向へ押し戻すことが生じ得る。この場合、第1切換機構20aがON状態にならず、ポンプが異常動作に陥る虞がある。しかし、本実施の形態では、第3切換機構40a、第4切換機構50a、第7切換機構40b、及び第8切換機構80bが以下のように動作することにより、異常動作を防止することができる。
【0120】
図9は、
図8のタイミングチャートの時刻t1’以前の状態を示している。この状態では、ベローズ3aが収縮動作中で、ベローズ3bが伸長動作中の状態を示している。そして、第1の切換弁機構80aは、作動エアを送出可能な開状態(ON状態)にあり作動エアを配管90aを介して作動室6aに送り込んでいる。また、第2の切換弁機構80bは閉状態(OFF状態)にあり、作動室6bから作動エア配管90bを介して排出された作動エアを作動エア排出口88bから排出している。また、第3切換機構40a、及び第6切換機構30bは、閉状態(OFF状態)から開状態(ON状態)に切り替わるか、又は切り替わる直前の段階にある。
一方、第1切換機構20aは、第2切換機構40aに遅れてON状態となるよう構成されているが、ポンプ動作が遅い場合には、ON状態にはならない場合がある。この
図9の例では、第1切換機構20aがON状態にならずOFF状態のままとされるものと仮定して説明を行う。
【0121】
図8のタイミングチャートの時刻t1’の前の状態においては、ベローズ3aは収縮動作中であり、ベローズ3bは伸長動作中である。また、吸込弁18a及び吐出弁19bが閉状態となっており、吸込弁18b及び吐出弁19aが開状態となっているので、移送流体である液体は、吸込口16からポンプ室5b内に導入されると共に、ポンプ室5aから吐出口17を介して吐出される。このように、時刻t1’の前の状態においては、ポンプ室5aが圧縮工程途中にあり、ポンプ室5bが伸長工程途中にあるので、第1の切換弁機構80aがON状態を維持し、第2の切換弁機構80bがOFF状態を維持している。この点、ポンプ動作が速い場合における、
図3の時刻t1以前の状態(
図4)と同様である。
【0122】
図8に示す時点t1’の直前において、ベローズ3bが伸長限界位置近傍に達すると、第1の切換弁機構80aがON状態の間に第6切換機構30bがON状態となる。これにより、
図10に示すように、第2の切換弁機構80bがOFF状態からON状態に切り替わる(
図8の時刻t1’)。第2の切換弁機構80bがON状態になると、伸長動作中であったポンプ室5b及びベローズ3bは、伸長動作から収縮動作に切り替わる。
【0123】
このようにしてポンプ室5b及びベローズ3bが伸長工程から圧縮工程へと切り替わるが、この時刻t1’においては、作動室6aにも第1の切換弁機構80aを介して作動エアが供給され続けているので、ポンプ室5aも圧縮工程を維持しており、両方のポンプ室5b、5aの圧縮工程が重複する重複期間OPが開始される。ここでの重複期間OPにより、ポンプの脈動が防止される。
【0124】
ポンプ動作が遅い場合には、ベローズ3aが収縮限界位置近傍に達する以前にベローズ3bの収縮動作が開始されてベローズ3aを伸長方向に押し戻してしまい、結果として第1切換機構20aがON状態に切り替わらないことが生じ得る。しかしこの場合、
図11に示すように、連結シャフト11a、11bのコイルばね14が収縮して、連結シャフト部11aの芯材14aの端部が弁体55aを押し込み、これにより第4切換機構50aがON状態に切り換わる。また、第3切換機構40aは、例えば
図8に示すように、第4切換機構50aのON状態への切り換わりと前後してON状態に切り替わる。このように、第1切換機構20aがON状態に切り替わらない場合にも、第1切換機構20aよりも感度が高い第3切換機構40aと、第4切換機構50aとがON状態に切り替わる。第3切換機構40a及び第4切換機構50aがON状態になると、制御エア配管91c’からの制御エアが、第4切換機構50a、制御エア配管93a、第3切換機構40a、及び制御エア配管92aを介して制御エア出入口82aに供給される。これにより、
図12に示すように、第1の切換弁機構80aをON状態からOFF状態に切り換えることができる。
【0125】
なお、第4切換機構50aとON状態への切換と同時に、第8切換機構50bもほぼ同時にON状態に切り換わる。ただし、この第8切換機構50bがON状態に切り換わったとしても、そのとき第7切換機構40bはOFF状態であるので、第8切換機構50bのON状態への切換は、第2の切換弁機構80bの動作に影響を与えない。
なお、上記の動作の間において、OFF状態とされた切換機構20a、30a、40a、20b、20b、40bの逃げ穴からの制御エアの排出については、ポンプ動作が速い場合と同様であるので、重複する説明は省略する。
【0126】
図8に示す時刻t2’後、時刻t3’より前においては、ベローズ3aは伸長限界位置に達するまで伸長を続け、ベローズ3bは収縮限界位置に達するまで収縮を続けるが、時刻t3’の直前において第2切換機構30aがON状態に切り換わる。しかし、ポンプ動作が遅いために、第5切換機構20bが時刻t3’の付近でON状態に切り換わらない場合がある。この場合であっても、時刻t1’〜t2’付近と同様に、第7切換機構40b及び第8切換機構50bがON状態となることにより、第2の切換弁機構80bをOFF状態に切り換えることができる。時刻t4以降においては、以上のような動作が繰り返される。
【0127】
以上説明したように、この第1の実施の形態では、ポンプ動作が遅い場合においては第1切換機構20a及び第5切換機構20bがON状態に切り替わらない場合があるが、この場合には、代りに第3切換機構40a、第4切換機構50a、第7切換機構40b、第8切換機構50bがON状態に切り換わり、第1の切換弁機構80a及び第2の切換弁機構80bをON状態からOFF状態に切り換えることができる。したがって、ポンプ動作の速さに拘わらず、異常動作を回避して安定した低脈動動作を提供することができる。
【0128】
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態に係る二連往復動ポンプ1を、
図13を参照して説明する。
図13は、第2の実施の形態に係る二連往復動ポンプ1の構成を示す図であり、断面及びその周辺機構を示している。第1の実施の形態と同一の構成要素については同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。第1〜第8切換機構20a、30a、40a、50a、20b、30b、40b、50bの構造の詳細も第1の実施の形態(
図2)と同一である。
【0129】
この第2の実施の形態の二連往復動ポンプ1は、第1の実施の形態の構成要素に加え、逆止弁170a、180a、170b、180bを備えている。
逆止弁170aは、第1切換機構20aと第1の切換弁機構80aとを接続する制御エア配管92aに設けられており、制御エアが第1の切換弁機構80aから第1切換機構20aに向かって逆流することを防止する。逆止弁180aは、第3切換機構40aと第1の切換弁機構80aとを接続する制御エア配管92a’に設けられており、制御エアが第1の切換弁機構80aから第3切換機構40aに向かって逆流することを防止する。
逆止弁170bは、第5切換機構20bと第2の切換弁機構80bとを接続する制御エア配管92bに設けられており、制御エアが第2の切換弁機構80bから第5切換機構20bに向かって逆流することを防止する。逆止弁180bは、第7切換機構40bと第2の切換弁機構80bを接続する制御エア配管92b’に設けられており、制御エアが第2の切換弁機構80bから第7切換機構40bに向かって逆流することを防止する。
なお、逆止弁170a、180a、170b、180bは、
図13に示すように、一般的なメカニカル弁によって構成することもできるし、電磁弁など他の構造とすることもできる。
【0130】
以上、本発明のいくつかの実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。