(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記電力導出部は、前記電力供給設備と連系していない相間電圧の位相を、前記電力供給設備と連系している電圧線に係る相間電圧の位相を反転した位相とみなして前記想定力率を導出することを特徴とする請求項1に記載の電力システム。
前記電力導出部は、前記電力供給設備と連系していない電圧線の潮流方向に応じて、相間電圧値として取り得る規定最小電圧値および規定最大電圧値のいずれかを前記想定値とする請求項1または2に記載の電力システム。
前記電力導出部は、前記電力メータが計測した相間電圧値を統計的に処理し、前記電力供給設備と連系していない電圧線の潮流方向に応じて、統計的に導き出した実測最小電圧値および実測最大電圧値のいずれかを前記想定値とする請求項5に記載の電力システム。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0017】
(第1の実施形態:電力システム100)
図1は、第1の実施形態における電力システム100の接続関係を示した説明図である。かかる
図1では電力の移動を実線で、情報を含む信号を破線の矢印で示している。電力システム100は、引き込み線12を通じて、電力系統14から電気(商用電力)の供給を受ける。かかる電力システム100は、需要者単位で構成され、その範囲としては、一般用電気工作物(低圧受電の需要者)であれば、家屋等に限らず、病院、工場、ホテル、レジャー施設、商業施設、集合住宅といった建物単位や建物内の一部分であってもよい。
【0018】
また、電力システム100は、電力メータ112と、分電盤114と、第1電力供給設備116と、第1個別遮断器118と、第2電力供給設備(電力供給設備)120と、第2個別遮断器122と、電流計124とを含んで構成される。
【0019】
電力メータ(電力量計)112は、電力系統14に引き込み線12を介して接続され、引き込み線12と電力システム100との間に流れる(消費および売電)電流値を計測する。
【0020】
分電盤114は、電力メータ112に接続され、契約容量を示すサービス遮断器(サービスブレーカ)114a、漏電の検出に応じて電気の供給を遮断する漏電遮断器(漏電ブレーカ)114b、および、複数の分岐回路130それぞれに設けられ許容電流値(例えば20A)を超過すると電気の供給を遮断する配線用遮断器(安全ブレーカ)114cを有する。なお、ここでは、分電盤114の構成としてサービス遮断器114aを挙げているが、サービス遮断器114a自体を設置しなくてもよく、また、電力メータ112に設けてもよい。
【0021】
第1電力供給設備116は、過電流および漏電を防止する第1個別遮断器118を介して漏電遮断器114bの2次側のR相とT相とに接続され、他のエネルギーを電気エネルギーに変換して電気を生成し、生成した電気を電力系統14より優先して、電気エネルギーを消費する負荷設備16に供給する。かかる第1電力供給設備116や後述する第2電力供給設備120といった電力供給設備としては、例えば、太陽光発電機、風力発電機、水力発電機、地熱発電機、太陽熱発電機、大気中熱発電機等の再生可能エネルギー発電設備や、燃料電池、内燃力発電、蓄電池等を用いることができる。以下、単相3線式100/200VのR相とT相とを単相3線式200Vと呼び、R相とN相、または、T相とN相を単相3線式100Vと呼ぶ。
【0022】
第2電力供給設備120は、過電流を防止する第2個別遮断器122を介して、分電盤114における複数の分岐回路130のうちの、R相とN相、または、T相とN相のいずれかに接続される。そして、第2電力供給設備120は、発電部Gにおいて他のエネルギーを電気エネルギーに変換して電気を生成し、第1電力供給設備116と同様に、生成した電気を電力系統14より優先して負荷設備16に供給する。
【0023】
また、第2電力供給設備120は、電圧計120aと、解列部120bと、制御ユニット120cとを含んで構成される。電圧計120aは、例えば計器用変圧器(VT)で構成され、N相(中性線)に対する電圧線(R相またはT相)の相間電圧値を制御ユニット120cに送信する。ここでは、電圧計120aが第2電力供給設備120と一体的に形成される例を挙げて説明しているが、別体として設けられてもよい。解列部120bは、発電部Gからの電力供給(出力)を遮断する。制御ユニット120cは、中央処理装置(CPU)、プログラム等が格納されたROM、ワークエリアとしてのRAM等を含む半導体集積回路で構成され、第2電力供給設備120全体を制御する。ここでは、制御ユニット120cが第2電力供給設備120と一体的に形成される例を挙げて説明しているが、別体として設けられてもよい。
【0024】
電流計124は、例えば、変流器(CT)で構成され、一次巻線を配した貫通体(鉄心、コア)それぞれに、電圧線であるR相およびT相の配線を挿通(クランプ)し、それぞれの電流値を計測値に変成して第2電力供給設備120に送信する。また、ここでは、電流計124を、サービス遮断器114aの2次側、かつ、漏電遮断器114bの1次側に取り付ける例を挙げて説明するが、負荷設備16、第1電力供給設備116、および、第2電力供給設備120より電力系統14側であれば、いずれの位置に配置してもよい。
【0025】
ところで、電力供給設備としては、上述した第1電力供給設備116のように、単相3線式200Vに接続して用いるのが一般的である。この場合、配線用遮断器114cと並行して連系遮断器(200V)を設け、その連系遮断器に第1個別遮断器118を介して第1電力供給設備116を接続したり、また、漏電遮断器114bの1次側から別途の個別遮断器(200V)を介して第1電力供給設備116を接続しなければならない。
【0026】
ただし、今後は、省エネルギー機器が普及し、電力システム100の電力需要が減少すると、必ずしも単相3線式200Vへの接続を要さない、本実施形態のような、単相3線式100/200Vのうち電力線であるR相またはT相のいずれか一方と、中性線であるN相とによる単相3線式100V(R相とN相、もしくは、T相とN相)のみに接続される小出力の第2電力供給設備120が設置されることとなる。
【0027】
このように単相3線式100Vで運用できれば、連系遮断器等を介在しなくとも、
図1のように、既存の分岐回路130を利用して屋外コンセントに第2電力供給設備120を接続することが可能となる。かかる構成により、既存の構内配線の有効活用および施工費の削減を図るとともに、電力システム100内の配線を簡素化できる。
【0028】
しかし、第2電力供給設備120を単相3線式100Vに接続する場合、以下の課題が生じる。例えば、電力系統14と第2電力供給設備120との系統連系の下、系統側短絡事故等により電力系統14が無警告停電し、電力系統14側からの電力の供給が停止すると、需要者宅の負荷設備16を含む、第2電力供給設備120に接続された全ての負荷設備16の電力を、第2電力供給設備120のみで賄う単独運転となる。単独運転では、第2電力供給設備120に過負荷がかかってしまうおそれや、第2電力供給設備120から電力系統14側へ不足電力が生じることにより、感電や需要者機器の破損等のおそれが生じる。したがって、単独運転や逆充電を回避すべく、受電端において電力系統14からの供給電力が不足状態となっているのを検出し、少なくとも、第2電力供給設備120を電力系統14から解列しなければならない。
【0029】
このとき、第1電力供給設備116であれば、電圧線であるR相、T相それぞれの電流値およびN相に対するそれぞれの相間電圧値を求め、電流値と、相間電圧値と、電流、電圧の位相に基づく力率とから受電電力を求め、受電端において電力系統14からの供給電力(受電電力)が不足状態であるか否かを判定することができる。しかし、第2電力供給設備120では、連系している単相3線式100Vの相間電圧値は検出できるものの、連系していない他方の単相3線式100Vの相間電圧値は検出できない。したがって、R相、T相、両方の電流値と相間電圧値と力率との積を求めることができず、不足電力の判定ができない。
【0030】
図2は、第2電力供給設備120の課題を説明するための説明図である。
図2(a)に示すように、仮に、第1電力供給設備116のみを接続した場合を考える。この場合、2つの電流計124のうち、R相電流計(第1電流計)124aがR相の電流値I
Rを計測し、T相電流計(第2電流計)124bが電流値I
Tを計測し、第1電力供給設備116内の電圧計116aがR相のN相に対する相間電圧値V
Rを計測し、電圧計116bがT相のN相に対する相間電圧値V
Tを計測する。
【0031】
そして、それぞれの相(R相、T相)に関し、電流値と相間電圧値と力率との積(I
R×V
R×cosθ
R、I
T×V
T×cosθ
T)を求め、その和(I
R×V
R×cosθ
R+I
T×V
T×cosθ
T)が所定値以下であるか否かによって不足電力を検出できる。
【0032】
しかし、
図2(b)のように、第2電力供給設備120を接続する場合、連系相であるR相のN相に対する相間電圧値V
Rは検出できるものの、非連系相であるT相のN相に対する相間電圧値V
Tは検出できない。
【0033】
そこで、本実施形態では、計測不能な他方の単相3線式100Vの相間電圧値を想定することで、第2電力供給設備120であっても、第1電力供給設備116と実質的に等しい条件で不足電力を適切に検出する。以下、
図2(b)を用いて、その判定態様を詳述する。
【0034】
ここでは、電力系統14から見て、R相電流計124aおよびT相電流計124bの下流に、負荷設備16、第2電力供給設備120、第1電力供給設備116が位置している。したがって、不足している情報を推定することで、R相電流計124aおよびT相電流計124bの位置における、負荷設備16、第2電力供給設備120、第1電力供給設備116を全て含めた潮流態様(潮流方向および受電電力)を推定することが可能となる。
【0035】
第2電力供給設備120における制御ユニット120cは、プログラムを動作させることで、電力導出部140、不足電力判定部142としても機能する。
【0036】
電力導出部140は、R相電流計124aから、連系相であるR相の電流値I
Rを取得し、T相電流計124bから、非連系相であるT相の電流値I
Tを取得し、電圧計120aから、連系相であるR相のN相に対する相間電圧値V
Rを取得する。また、連系相であるR相の電流および相間電圧の位相に基づいて力率cosθ
Rを導出する。そして、電力導出部140は、T相のN相に対する相間電圧値の所定の想定値V
TAおよび想定力率cosθ
TAを参照し、単相3線式100/200Vに換算した受電電力を導出する。具体的に、電力導出部140は、R相に関する電力(I
R×V
R×cosθ
R)と、T相に関する想定電力(I
T×V
TA×cosθ
TA)とを求め、その和(I
R×V
R×cosθ
R+I
T×V
TA×cosθ
TA)を導出して単相3線式100/200Vの受電電力とする。
【0037】
不足電力判定部142は、電力導出部140が導出した単相3線式100/200Vの受電電力に基づいて不足電力が生じたか否かを判定する。具体的に、不足電力判定部142は、受電電力が正の所定値以下であれば、不足電力が生じたと判定する。そして、不足電力判定部142は、不足電力が生じたことに基づき、解列部120bを通じて第2電力供給設備120からの電力供給を遮断する(出力を0とする)。したがって、不足電力判定部142は、不足電力継電器(UPR)として機能することとなる。
【0038】
なお、ここでは、解列部120bが第2電力供給設備120と一体的に形成される例を挙げて説明しているが、別体として設けられてもよい。また、ここでは、電力供給を遮断もしくは出力を0にする例を挙げているが、出力を低下させるとしてもよい。
【0039】
かかる構成により、単相3線式100Vにのみ接続される第2電力供給設備120であっても、単相3線式100/200Vの受電電力を求めることができ、第2電力供給設備120の不足電力を適切に検出することが可能となる。
【0040】
ところで、電気事業法において電力会社から供給される電力の相間電圧値は、101V±6Vの範囲内と定められている。したがって、T相のN相に対する相間電圧値V
Tは、95V(規定最小電圧値)〜107V(規定最大電圧値)の範囲内でしか変動しない。そこで、相間電圧値として取り得る範囲であり、さらに、引き込み線12の電圧降下(例えば2V)を考慮して、上述したT相のN相に対する相間電圧値の想定値V
TAを例えば101Vに選択することができる。
【0041】
また、このような電力システム100では、R相とT相の負荷が均一に近くなることが多いので、T相のN相に対する相間電圧値の想定値V
TAとして、例えば、連系相であるR相のN相に対する相間電圧値V
Rを、そのまま流用してもよい。また、R相とT相とは位相が180度異なるため、想定力率cosθ
TAとして、例えば、非連系相であるT相のN相に対する相間電圧の位相を、連系相であるR相のN相に対する相間電圧の位相を反転した(180度異ならせた)位相とみなし、想定力率cosθ
TAを決定してもよい。
【0042】
また、電力導出部140は、電圧線の他方であるT相の電力の潮流方向に応じて、想定値V
TAおよび想定力率cosθ
TAを決定するとしてもよい。ここでは、連系相であるR相のN相に対する相間電圧と、非連系相であるT相の電流とが計測されているので、相間電圧の位相と、電流の位相とによって、非連系相であるT相の潮流方向を導出できる。例えば、T相が逆潮流(
図2の一点鎖線矢印と異なる方向)であるとする。このとき、T相のN相に対する相間電圧値V
Tは、規定最小電圧値(95V)から規定最大電圧値(107V)の範囲で変動し得るので、T相に関する電力は、(電流値I
T×規定最小電圧値)から(電流値I
T×規定最大電圧値)の範囲で変動することとなる。
【0043】
ここでは、不足電力を厳しく(安全側で)判定すべく、T相において想定し得る最大電力で不足電力が生じていることとする。すなわち、T相の電力を(電流値I
T×規定最大電圧値)とする。したがって、電力導出部140は、T相が逆潮流である場合、想定値V
TAとして規定最大電圧値を設定する。また、不足電力を厳しく(安全側で)判定すべく、T相の電力が最大となるように、想定力率cosθ
TAを1とみなして演算してもよい。
【0044】
同様に、電力導出部140は、T相が順潮流(
図2の一点鎖線矢印と等しい方向)である場合、順潮流を厳しく(安全側で)判定すべく、T相において想定し得る最小電力でしか順潮流が生じていないこととする。すなわち、T相の電力を(電流値I
T×規定最小電圧値)とする。したがって、電力導出部140は、T相が順潮流である場合、想定値V
TAとして規定最小電圧値を設定する。また、不足電力を厳しく(安全側で)判定すべく、T相の電力が最小となるように、想定力率cosθ
TAを所定の値(例えば0)とみなして演算してもよい。
【0045】
かかる構成により、単相3線式100Vにのみ接続される第2電力供給設備120を単相3線式100/200Vとして換算した場合の最も安全側での受電電力を求めることができ、第2電力供給設備120の不足電力をより確実かつ適切に検出することが可能となる。
【0046】
また、ここでは、
図2(b)のように、R相側の単相3線式100Vに第2電力供給設備120を接続する例を挙げて説明したが、
図2(c)に示すように、T相側の単相3線式100Vに第2電力供給設備120を接続した場合も同等の計算により不足電力を検出できる。
【0047】
すなわち、電力導出部140は、R相電流計(第2電流計)124aからR相の電流値I
Rを取得し、T相電流計(第1電流計)124bからT相の電流値I
Tを取得し、電圧計120aからT相のN相に対する相間電圧値V
Tを取得する。また、連系相であるT相の電流および相間電圧の位相に基づいて力率cosθ
Tを導出する。そして、電力導出部140は、R相のN相に対する相間電圧値の所定の想定値V
RAおよび想定力率cosθ
RAを参照し、単相3線式100/200Vに換算した受電電力を導出する。具体的に、電力導出部140は、R相に関する想定電力(I
R×V
RA×cosθ
RA)と、T相に関する電力(I
T×V
T×cosθ
T)とを求め、その和(I
R×V
RA×cosθ
RA+I
T×V
T×cosθ
T)を導出して単相3線式100/200Vの受電電力とする。
【0048】
そして、不足電力判定部142は、電力導出部140が導出した単相3線式100/200Vの受電電力が正の所定値以下であれば、不足電力が生じたと判定し、解列部120bを通じて第2電力供給設備120からの電力供給を遮断もしくは出力を低下させる。
【0049】
かかる構成によっても、単相3線式100Vにのみ接続される第2電力供給設備120を単相3線式100/200Vとして換算した場合の最も安全側での受電電力を求めることができ、第2電力供給設備120の不足電力をより確実かつ適切に検出することが可能となる。
【0050】
(第2の実施形態:電力システム200)
図3は、第2の実施形態における電力システム200の接続関係を示した説明図である。かかる電力システム200では、電力導出部240の処理が第1の実施形態と異なるが、他の構成要素については第1の実施形態と実質的に等しい。
【0051】
第2の実施形態において、電力導出部240は、想定値を固定的に選択せず、当該電力システム200の任意の機器から相間電圧値に関する情報を取得し、その情報に基づいて想定値を随時決定する。例えば、
図3の例において、電力導出部240は、電力メータ112における相間電圧値、具体的には、第2電力供給設備120の連系相とは異なる相(非連系相)の相間電圧値を取得し、その相間電圧値を想定値とする。
【0052】
かかる構成により、本来の相間電圧値に近い値を想定値とし、より厳密に受電電力を求めることができるので、第2電力供給設備120の不足電力をより適切に検出することが可能となる。
【0053】
ただし、電力メータ112の相間電圧値の更新頻度によっては、本来の相間電圧値と異なる値を参照することになってしまう。例えば、電力メータ112が数十秒に1回のみ更新される場合、参照する相間電圧値が数十秒前の相間電圧値となる場合がある。そこで、電力導出部240は、かかる電力メータ112における相間電圧値を蓄積して、それを統計的に処理して想定値を決定してもよい。
【0054】
例えば、電力導出部240は、電力メータ112における、過去の任意の期間(年、月、週、日、時間等)分の相間電圧値を蓄積し、その間の最小電圧値(実測最小電圧値)と最大電圧値(実測最大電圧値)とを求める。ここで、T相のN相に対する相間電圧値V
Tは、実測最小電圧値から実測最大電圧値の範囲で変動しているので、T相に関する電力は、(電流値I
T×実測最小電圧値×力率)から(電流値I
T×実測最大電圧値×力率)の範囲で変動することとなる。
【0055】
ここで、電力導出部240は、T相が逆潮流(
図2の一点鎖線矢印と異なる方向)である場合、想定値V
TAとして、安全側である実測最大電圧値を設定する。また、電力導出部240は、T相の電流値I
Tが順潮流(
図2の一点鎖線矢印と等しい方向)である場合、想定値V
TAとして、安全側である実測最小電圧値を設定する。
【0056】
かかる構成により、単相3線式100Vにのみ接続される第2電力供給設備120を単相3線式100/200Vとして換算した場合の最も安全側での受電電力を求めることができ、第2電力供給設備120の不足電力をより確実かつ適切に検出することが可能となる。
【0057】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0058】
例えば、上述した実施形態では、電力メータ112から制御ユニット120cに対し、相間電圧値を送信する例を挙げて説明したが、電力メータ112がスマートメータであった場合、その機能は、例えば、HEMS(Home Energy Management System)を通じて電力メータ112から制御ユニット120cに送信してもよい。
【0059】
また、上述した実施形態では、過去の任意の期間分の相間電圧値を蓄積し、その間の最小電圧値(実測最小電圧値)と最大電圧値(実測最大電圧値)とを求める例を挙げて説明したが、統計的に導き出した、例えば、統計的な偏差から、実効的な最小電圧値(実測最小電圧値)と最大電圧値(実測最大電圧値)とを求めるとしてもよい。
【0060】
また、上述した実施形態では、不足電力判定部142が、不足電力が生じたと判定すると、解列部120bを通じて第2電力供給設備120からの電力供給を遮断もしくは出力を低下させる例を挙げて説明したが、遮断もしくは出力を低下させる対象は、当該第2電力供給設備120に限らず、それに加え、または代えて、需要者が管理する様々な電力供給設備とすることもできる。