(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記神経測定が、前記遅発反応の前に、前記刺激から直接生じるいかなる複合活動電位の測定値も捕捉するようにも構成された時間を包含する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
前記遅発反応が、ユーザによって服用される薬の効力を判断するために使用され、前記治療反応が、薬の効果がなくなるにつれて経時的に刺激パラダイムを調整するためのものである、請求項13および14に記載の方法。
前記遅発反応の前記測定に影響を及ぼすベータ帯域振動を評価するために、前記遅発反応の複数の測定をモニタするステップをさらに含む、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
刺激から生じる脳における神経活動をモニタするための非一時的なコンピュータ可読媒体であって、1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、以下の性能、すなわち、
前記脳の標的構造に刺激を印加する性能と、
前記標的構造と接触して移植された少なくとも1つの電極から神経測定を得る性能であって、前記神経測定が、前記標的構造で生じるいかなる遅発反応の測定値も捕捉するように構成される時間を包含し、前記遅発反応は、前記刺激によって前記標的構造で誘発される誘発複合活動電位(ECAPs)とは異なる神経反応と、前記ECAPsの後に現れる前記遅発反応と、を含む、性能と
をもたらす命令を含む、コンピュータ可読媒体。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
パーキンソン病は、黒質のドーパミン放出細胞に影響を及ぼす変性疾患である。大脳基底核の機能や、この変性がパーキンソン病にどのように関連するかについて説明する多くの理論が提案されてきたが、そのような理論はすべて、パーキンソン病のすべての態様の説明においてかなり不十分な点を有し、DBSのメカニズムを理解するために、いまだ相当な量の研究に集中的に取り組み続けている。
【0005】
DBSおよび大脳基底核のメカニズムについての理解不足の主な理由は、刺激に対する神経組織の直接反応の測定が困難であるためである。研究結果のほとんどは、遠心性構造に関する単細胞測定に基づき、刺激場所の近くを記録する際は、大きなアーチファクト(電気および電極アーチファクト)が組織反応を隠す傾向にあるため、最近まで、標的構造の直接複合反応を適切に測定することは不可能であった。
【0006】
本明細書に含まれている文書、行為、材料、デバイス、物品または同様のものについての論考は、単に、本発明のための文脈を提供するためのものである。これらの事項のいずれかまたはすべてが、先行技術基盤の一部を形成するか、あるいは、この出願の各請求項の優先日前に存在していたために、本発明に関連する分野において共通の一般的な知識であったことの承認として受け取ってはならない。
【0007】
この明細書全体を通じて、「備える、含む(comprise)」という用語または「備える、含む(comprises)または(comprising)」などのその変形語は、述べられる要素、整数もしくはステップ、または、要素、整数もしくはステップ群の包含を含意するが、他の任意の要素、整数もしくはステップ、または、要素、整数もしくはステップ群の除外は含意しないと理解されよう。
【0008】
この明細書では、要素がオプションのリスト「の少なくとも1つ」であり得るという言明は、要素が、リストされるオプションのいずれか1つでも、リストされるオプションのうちの2つ以上の任意の組合せでもあり得ると理解されたい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の態様によれば、本発明は、刺激から生じる脳における神経活動をモニタするための方法であって、
脳の標的構造に刺激を印加するステップと、
標的構造と接触して移植された少なくとも1つの電極から神経測定を得るステップであって、神経測定が、標的構造で生じるいかなる遅発反応の測定値も捕捉するように構成される、ステップと
を含む方法を提供する。
【0010】
第2の態様によれば、本発明は、刺激から生じる脳における神経活動をモニタするための移植可能デバイスであって、
1つまたは複数の刺激電極から脳の標的構造に送るべき刺激を提供するための刺激源と、
標的構造と接触する検知電極から神経測定を得るための測定回路であって、神経測定が、標的構造で生じるいかなる遅発反応の測定値も捕捉するように構成される、測定回路と
を備えるデバイスを提供する。
【0011】
いくつかの実施形態における遅発反応の測定値は、遅発反応の実質的な総持続時間の記録を含む。視床下核の事例では、いくつかの実施形態における遅発反応の測定値は、刺激開始から1〜5ms後に始まる時間、より好ましくは、刺激から1.5〜4ms後に始まる時間、より好ましくは、刺激から2〜3ms後に始まる時間を包含し得る。視床下核の事例では、いくつかの実施形態における遅発反応の測定値は、刺激から5〜10ms後に終わる時間、より好ましくは、刺激から5.5〜8ms後に終わる時間、より好ましくは、刺激開始から6.5〜7.5ms後に終わる時間を包含し得る。本明細書で言及される遅発反応は複数の神経反応を含み得、その結果、遅発反応の測定値は複数の極大値および極小値を含み得ることに留意されたい。
【0012】
いくつかの実施形態における神経測定は、遅発反応の前に、刺激から直接生じるいかなる複合活動電位(CAP)の測定値も捕捉するようにも構成される。そのような実施形態では、遅発反応を含む時間は、刺激に対してそのような時間を定義するよりむしろ、CAPの1つまたは複数の特徴(CAP P2ピークなど)を参照することによって定義することができる。
【0013】
神経測定は、好ましくは、その内容が参照により本明細書に組み込まれる、本出願人による国際公開第2012/155183号パンフレットの教示に従って得られる。
【0014】
別の態様によれば、本発明は、刺激から生じる脳における神経活動をモニタするための非一時的なコンピュータ可読媒体であって、1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、以下の性能、すなわち、
脳の標的構造に刺激を印加する性能と、
標的構造と接触して移植された少なくとも1つの電極から神経測定を得る性能であって、神経測定が、標的構造で生じるいかなる遅発反応の測定値も捕捉するように構成される、性能と
をもたらす命令を含むコンピュータ可読媒体を提供する。
【0015】
標的構造で生じるいかなる遅発反応の測定値も捕捉することにより、本発明のいくつかの実施形態は、診断方法を届けることができる。遅発反応の存在、振幅、形態および/またはレイテンシは、病状を診断するために、健康な範囲と比較することおよび/または経時的な変化に対してモニタすることができる。本発明の方法は、刺激の治療効果を判断するため、薬の治療効果を判断するため、および/または、病状をモニタするために、いくつかの実施形態において適用することができる。治療反応は、その後、診断に基づいて、順序付け、要求および/または投与を行うことができる。
【0016】
本発明のいくつかの実施形態は、特に、視床下核の刺激に関連して適用することができる。しかし、刺激に反応して早発神経反応が線形式に生じ、その後、非線形の遅発反応が生じる(早発反応とは別々にモニタすることができる)脳の他の部分への刺激の印加に関連して、代替の実施形態を適用することができる。
【0017】
遅発反応から判断された治療効果は、標的レベルまたは標的プロファイルに神経活動を規制するために、いくつかの実施形態において使用することができる。
【0018】
遅発反応から判断された治療効果は、理想的な場所または向きで電極を移植する上で外科医を支援するための手術中のツールとしていくつかの実施形態において使用することができる。例えば、治療用のおよび最も低い電力消費量の場所、向きおよび刺激パラダイムを見出すため、ならびに/あるいは、有害な副作用をモニタするために、遅発反応を見ながら、移植全体を通じて刺激パラメータ空間を繰り返し調査することによって。てんかんの事例では、他の領域と比較して遅発反応の早期開始によって示されるような興奮性が高められた神経領域は、焦点性発作の推定焦点として特定することができる。
【0019】
さらなる実施形態では、遅発反応は、ユーザによって服用される薬の効力を明らかにすることができ、薬の効果がなくなるにつれて経時的に刺激パラダイムを調整するために使用することができる。その上、数週間、数カ月間または数年間にわたる経時的な薬の効力の低減または経時的な病気の進行のモニタリングは、本発明のいくつかの実施形態によってモニタすることができる。
【0020】
神経測定が得られる少なくとも1つの電極は、標的構造と電気的に接触して移植されるが、必ずしも標的構造と物理的に接触するとは限らないことを理解されたい。例えば、STNに刺激が印加される場合は、神経測定が得られる少なくとも1つの電極は、不確帯内にまたはSTN近くの別の構造に部分的にまたは全体的に移植することができる。
【0021】
本発明のいくつかの実施形態は、遅発反応を参照することによる局所場周期信号のモニタリングにさらに備えることができる。例えば、遅発反応の頂点間振幅は、患者の心拍によって変調することができ、従って、脳深部刺激子は、いくつかの実施形態では、遅発反応の複数の測定の頂点間振幅の0.5〜3Hz変調を参照することによって患者の心拍数をモニタするように構成することができ、従って、別個の心拍数モニタを提供する必要性を除去し、刺激を遮断する必要もない。これらのおよび/または他の実施形態は、PDにおける主要な観察可能な電気生理学的変化のうちの1つであり得る、遅発反応の測定に影響を及ぼすベータ帯域振動をさらに評価することができる。
【0022】
ここでは、添付の図面を参照して、本発明の例を説明する。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下は、視床下核(STN)の刺激から生じる複合活動電位の測定を利用する多くの実施形態、および、療法を改善するためになど、これらの測定が有し得る多くのアプリケーションについて説明する。以下の実施形態は、パーキンソン病のためのSTN刺激に関連するが、本発明の他の実施形態を脳深部刺激の他のアプリケーションに適用できることを理解されたい。
【0025】
電気刺激に対する神経組織の組み合わされた反応は、一般的に、誘発複合活動電位(ECAP)の形態を取る。例示目的のために、
図1は、脊髄モデルから単一の線維をシミュレーションする際に生じる誘発活動電位を示す。活動電位の特徴である3つのピーク(それぞれ、P1、N1およびP2ピークと呼ばれる)がはっきり見える。複数の線維のまとまった典型的な反応(すなわち、複合活動電位(CAP))は、一般的に、
図1に示される単一の線維の活動電位プロファイルよりも、より円滑でより広がりがあるが、それにもかかわらず、特徴的な3つのピークは依然としてCAPに存在する。
【0026】
本実施形態で使用される測定技法の詳細については、国際公開第2012/155183号パンフレットで説明されており、フィードバックループにおけるそのアプリケーションは、その内容が参照により本明細書に組み込まれる、本出願人による国際公開第2012/155188号パンフレットで説明されている。
【0027】
DBSの事例で見られるような脳の標的構造における刺激から生じる神経反応の測定を求める際は、このアプリケーションは、刺激場所と記録場所との間の非常に短い距離(例えば、STNの場合は約5〜9ミリメートル以下)を必要とすることが述べられており、本実施形態では、電極3は、刺激場所から約1.5mm離れたところに位置付けられ、これは、電極間間隔である。伝播速度や、アーチファクトを回避するために電極から測定増幅器を切り離されなければならない一定の最小ブランキング時間の必要性を考慮すると、この距離で電極上で測定されたECAPには、
図2aの両方のプロットで見られるように、
図2の両方のプロットにおける刺激の開始から約1.2ms経過前の時間においてトランケーションが施される(刺激はt=0で開始されず、測定設定の性質により、第1の刺激パルスの前の測定トレースの開始時に何らかの遅延が生じることに留意されたい)。しかし、完全なECAPが使用されるであろう方法(仮にそれが利用可能である場合)と同様に、分析およびフィードバックの目的のために、約t=1.2ms後に(すなわち、刺激の完了から約0.3ms後から)残留信号の使用が可能である。
【0028】
図2〜6は、脳深部刺激子の移植を受けている患者の視床下核(STN)において手術中に測定された誘発活動電位(ECAP)および遅発反応(LR)の記録を提示する。これらの図では、t=0から約0.79ms後に刺激開始が起こった。
図2aは、DBS電極アレイの電極1および2(
図2bでは、それぞれ、201および202と示される)上の130Hzおよび90μsパルス幅での二相性双極刺激から得られたECAP、ならびに、アレイの電極3(上方のプロット)および電極4(
図2aの下方のプロット)(
図2bでは、それぞれ、203および204と示される)上で測定されたECAPを示す。3つのピークを有する反応は、脊髄刺激の間に観察されるECAPに似ている。測定デバイスのブランキング時間は、刺激場所に最も近い電極である電極3上の第1のP1ピークを隠す。また、ピークN1は部分的にトランケーションが施される。
図2aの上方のプロットは、刺激電流の変動振幅での、刺激場所に近い電極3上の測定されたECAPを示す。信号は、3.5mA刺激に対して数ミリボルトの強力なものであり、刺激場所から離れたところへ伝播する。
図2aの下方のプロットは、刺激電流の同じ変動振幅での、電極3と比較して刺激場所からさらにわずかに遠くの距離のところにある電極4上の測定されたECAPを示す。この場合もやはり、ピークP1はトランケーションによって取り除かれるが、N1はほぼ無傷である。チャネル3は、より多くのトランケーションを受けているが、チャネル4より約4倍大きい振幅の信号を受信し、2つのプロットにおける異なるy軸スケールについて述べている。
図2aは、STNにおける刺激によって誘発された複合活動電位は、刺激電流と共に上昇し、活動電位が刺激場所から離れたところへ伝播するため、刺激の開始から約1.7ms以内に終えることを示す。
【0029】
図2bは、二相性刺激の第1のパルスの極性が各インパルスと共に変化する交互極性パターンで、電極1(201)および電極2(202)上で送られる二相性刺激を示す。
【0030】
図3は、同じ患者におけるトランケーションが施されたおよびトランケーションが施されていないピークに対するP2−N1振幅の成長曲線を示す。これは、線形性がうまく保存され、それにより、容易な較正が可能になり、フィードバック設計がECAP振幅を制御できることを示す。チャネル3のトランケーションにもかかわらず、刺激場所により近い電極は、刺激場所からさらに離れたところにある電極4と比較して、|P2−N1|として測定された際、より大きな反応を表示している。従って、トランケーションにもかかわらず、刺激から遠ざかる反応としてのフェーディングおよびスミアリングの一般的な特徴が保存される。分かり易くするため、本文では、「ECAP」という用語を使用して、完全なECAPとトランケーションが施されたものの両方を言及する。トランケーションが施されたECAPの事例では、N1−P2振幅は、
図2aにおいて示されるように受け取られる。
【0031】
図2は、様々な刺激強度に対して2つの別個のチャネル上で測定されたトランケーションが施されたECAPを示す。チャネル4のみが完全なN1ピークを表示していることが分かる。チャネル3のみのトランケーションにもかかわらず、|N1−P2|振幅は両方とも、非常に低い刺激強度で何らかの閾値挙動を伴う線形成長曲線を有することが示されている。
【0032】
図3は、様々な刺激電流に対する|N1−P2|振幅の成長曲線を示す。CH3は、刺激場所に最も近い電極で、N1ピークにトランケーションが施されており、CH4は、刺激場所から最も遠く離れたところにある電極で、無傷のN1ピークを有する。成長曲線は、0.5mAを下回る刺激において閾値挙動を表示し、線形レジームに円滑に移行している。刺激電流1.5mA以上に対し、E3では、傾きは、1.7mV/mA(R
2>0.99)であり、E4では、傾きは、0.37mV/mA(R
2>0.99)である。
【0033】
図2aに示されるように、刺激から直接生じ、刺激から約1.7ms以内に終えるECAPに加えて、本発明は、遅発反応が、ECAPに続いて起こり、重要な情報を伝えることをさらに認識している。理論によって制限されることを望むことなく、それにもかかわらず、遅発反応(LR)は、ECAP(本明細書では、早発反応とも呼ばれる)とは異なり、組織の直接反応ではないが、むしろ、皮質およびSTNに突き出ている他の皮質下構造からのシステム反応として現れることが述べられている。メカニズムとは無関係に、本発明は、遅発反応の存在、ならびに、その測定から生じる使用およびアプリケーションの範囲を認識している。
【0034】
遅発反応は、通常、早期のECAPよりはるかに小さな振幅のものであり、通常、線形成長曲線を有さない。130Hz刺激(最大効力に対する標準周波数)では、2つの遅発反応を観察することができ、1つは、早発反応の終了後間もなく起こり、1つは、第1の遅発反応から大体2〜3ミリ秒後に起こる。従って、本明細書は、単数形で遅発反応を説明する際は、ECAPの後に神経測定において現れる複数の反応を包含し得る。
【0035】
本発明のいくつかの実施形態は、STNの事例では、
図5に示されるように、刺激電流が増加するにつれて、遅発反応が3つの異なる状態を通じて非線形に進行することをさらに認識している。
a.刺激電流が約0.6mAを下回る閾値下状態(subthreshold state)502であり、非常に小さな遅発反応のみが起こるかまたは反応が全く起こらない。
b.刺激電流が約0.6mA〜約2.5mAである際の非治療域内状態(non−therapeutic state)504であり、
図5の時間スケールにおける4.5〜7msの間に遅発反応がはっきりと観察することができるが、刺激が患者に対する治療効果を未だ有さない。
c.刺激電流が約2.5mAを上回る治療域内状態(therapeutic state)506であり、刺激の治療レベルに相当する。
従って、閾値下状態から、非治療域内状態へ、次いで、治療域内状態への移行は、この患者のSTNでは急激なものであり、
図5では、2つの移行点を過ぎて刺激電流が増加する際、マーク付けされた境界を観察することができる。遅発反応の同様の非線形状態は、同様に、例示的なものであり、脳の他の標的構造において役立てることができる。
【0036】
非治療域内状態から治療域内状態への移行は、非治療域内状態における時間のその場所に対する第2の遅発反応のピークの1.5ms近くのマーク付けされた時間シフトによって特徴付けられる(
図4および
図5を参照)。
図4は、様々な刺激電流に対する遅発反応を示す。太線は各々が、システムがそうあり得る状態のうちの1つを表す。遅発反応は、ECAPより1桁小さく、ECAPの終了から大体約1msおよび3ms後にピークを有する。例えば、
図4の下方のプロットでは、第2の遅発反応は、刺激電流が1.5mAである際は約5.5msでピークを有するが、刺激電流が3.5mAである際は実質的に後の約7msでピークを有する。従って、治療刺激は、0.5〜1.5ms近くの遅発反応の時間シフトと相関される。また、移行が行われる際は、第1の遅発反応もわずかにシフトするが(約3ms〜約3.5ms)、このシフトはより小さいものであり、従って、臨床背景および雑音環境における使用が難しいものであり得る。従って、第2の遅発反応のシフトと同様に第1の遅発反応のシフトを使用できるとしても、遅発反応の第2の部分は、より区別可能な特徴を提示し、従って、本実施形態の焦点である。それにもかかわらず、他の実施形態は、それに加えてまたはその代替として、遅発反応の第1の部分に対処することができる。
【0037】
図6は、電極3および4の各々におけるN1ピークとP2ピークとの間のレイテンシを示す。これは、
図2aのECAPが、刺激電流の増加と共に広がらないことを示す。E4の変動は、十分にサンプリング誤差(f
sample=30KHz)の範囲内である。E3では、変動は、主に、信号のトランケーションおよびアーチファクトに起因する。
【0038】
図3で見られるような早発反応が、観察された範囲におけるプラトー部分のない線形成長曲線を表示するのとは異なり(プラトー状態はより高い刺激強度で起こる可能性があるが)、遅発反応の振幅は、かなり急速にプラトー状態になる。
図7は、電極3および4の各々において測定された、刺激電流の増加に対する、遅発反応の第2のピークの成長曲線を示す。線形に成長するECAP(
図3)とは異なり、
図7の遅発反応の成長曲線は、急速に平らになり、状態依存性であるように思われる。E4における遅発反応ピークは、治療域内状態に達して新しい状態内で再び成長する際に、振幅が減少する。これは、誘発反応のサイズがより小さな反応のいくつかを隠す可能性があり、早発反応後間もなく興奮性を減少しそうである、刺激場所により近いE3よりも、E4でより顕著である。
【0039】
従って、遅発反応を含む時間を包含する神経測定は、反応が2つの異なる部分から構成されており、1つは周辺の組織からのECAPであり、第2の部分は遅発反応であり、それは、大脳基底核に突き出る皮質の電位であり得ることを示す。先行は、刺激電流が増加されると、遅発反応が3つの異なる状態を経験することをさらに立証し、状態は、反応が起こらない閾値下状態と、明確な反応が存在するが、患者に対する治療効果がない非治療域内状態と、刺激の治療レベルの神経科医の評価と一致する治療域内状態である。
【0040】
これらの異なる状態の識別は、いくつかの実施形態では、フィードバック可能脳深部刺激子の設計を容易にするため、ならびに、手術室においておよび療法全体を通じて脳深部刺激の効力を評価するための定量化可能な方法を提供するために、次々と使用することができる。
【0041】
従って、本発明は、測定を行い、そのような遅発反応に対してモニタすることによって、広範な観察が行えることを認識している。ここでは、本発明のそのような多くの実施形態について論じる。以下で提示されるシステムの各々では、各電極は、刺激するものまたは記録するものであり得る。各デバイスは、1つまたは複数のリードを含み、2つ以上の電極が各リード上にある。刺激および記録は、各リード上の任意の所定の電極セット上で行うことができる。これらのシステムの各々は、リードと、制御可能な刺激子と、記録情報を処理し、制御パラメータを相応にセットする処理ユニットとを備える。
【0042】
一実施形態は、パーキンソンのためのDBSに対するパラメータ調整を伴う。
図3から、ECAPの振幅成長が広範な電流にわたって線形であることが述べられている。成長の傾き、および、最も小さな刺激電流でECAPが最初に検出された閾値は両方とも、刺激を受けているDBS構造の興奮性の測定値を提供し、刺激を受けている標的の神経学的状態に関する長期の継続的な情報も提供する。
【0043】
従って、この実施形態は、刺激パラメータの関数としてのECAP振幅および形状の測定が、パラメータプログラミングに対する有益な情報を提供することを認識している。広範なパルス幅でECAP閾値を測定することによる強度持続時間曲線の測定は、漸増ニューロンに対する時値および基電流の決定を可能にする。これから、最も効率的な刺激パルス幅および電流を決定することができる。効率的なパラメータでの刺激は、電力消費量を低下し、より小さなデバイスの構築を可能にするという有益な効果を有する。
【0044】
神経反応測定は、後のダウンロードのために収集して移植物に格納することができる。データのダウンロードおよびアクセスは、多くの手段を介して達成することができ、例えば、臨床医は、日常のフォローアップ時に情報をダウンロードすることができる。情報は、患者が定期的にワイヤレス無線(好ましくは、MCS帯域)を介するシステムを変更する際にダウンロードすることができる。データは、集中データベースなどに転送することができる。
【0045】
別の実施形態は、ローカルフィードバックを有する脳深部刺激子を提供する。神経反応測定は、閉ループフィードバックシステムにおいて使用することができる。
図8は、3つの電極および増幅器に対する基準電極のみを使用するそのようなフィードバックシステムの概略図である。最適な刺激設定が評価された時点で、一定の振幅で反応を維持するように刺激が制御される。これは、一時的なまたは慢性の代謝変化に起因する、心拍などのすべての局所的な効果および反応の小さな変化を取り除く。反応は、モニタおよび処理され、刺激が相応に適応される。
【0046】
過多の原因は、組織の反応を刺激に変化させることができ、以下を含めて、
図8の実施形態によって対処することができる。
a.適応
b.心拍と同期する電極マイクロ環境の変化
c.病状の悪化
d.薬の服用過程
e.患者の現在の全体的な状態(睡眠、安静、動きなど)
【0047】
図8は、刺激および接地電極が両方とも同じ電極リードの一部である双極刺激の例を示す。しかし、他の実施形態では、移植の事例に関するものなど、接地電極が他の場所にある単極刺激もまたオプションである。
【0048】
別の実施形態では、療法の効力および最も良い刺激設定を判断するためのデバイスが提供される。先行で述べられるように、神経測定は、早発反応(1〜3ms)およびはるかに小さな遅発反応(3〜7ms)から成り、遅発反応特徴においてマーク付けされた変化がある。分かり易いように、遅発反応を言及する際の「遅延」という用語は、互いに対する遅発反応、ECAPまたは刺激の時間の相対位置のいかなる測定値も表示する。
【0049】
これまで、DBSシステムの移植の間、神経科医は、回内/回外する手の動きなど、他の運動テストに伴う動きに対して患者の腕で感じた抵抗を計測することによって治療の効力を評価し、副作用もまたモニタされる。この以前の技法は、人為的誤差を受け易く、大きな許容誤差を有する。代わりに、本発明の本実施形態の遅発反応の観察は、外科手術の間の治療の効力の評価を可能にする。これは、測定可能な量(すなわち、遅発反応間の遅延または遅発反応の変化)を提示することによって人の判断(および人為的誤差)を取り除くことを含めて、いくつかの利益を有する。
【0050】
その上、外科的電極挿入によって生じた病変は、一時的に、患者の症状を部分的にまたは全体的に抑えることができる。結果として、挿入時にそのような一時的な効果が起こる際は、想像上のおよび観察された副作用のみがリード配置の目安になり得るため、電極配置の効力の評価が難しい可能性がある。従って、本発明に従って遅発反応を観察することは、いくつかの実施形態では、リード配置を支援するために使用することができる。
【0051】
多くの実施形態における遅発反応測定値は、治療の全体的な効力を評価するためにリアルタイムで利用可能な定量化可能な測定値を提示するというさらなる利点をもたらし、高価で主観的なプロセスであるデバイス操作を最適化するために、数週間または数カ月間、臨床医によってデバイス調整が繰り返される長い試用期間の必要性を除去または低減する。別の利益は、最適な刺激電流を決定することであり、それにより、電力消費量を最小限に抑え、従って、デバイスのバッテリ寿命を増大し、慢性の刺激への長時間暴露に起因して組織に損傷を与えるリスクを減少する。
【0052】
遅発反応において同様の特徴を表示する疾患に対して、他の実施形態を適用できることを理解されたい。DBSは、ハンチントン病、トゥレット症候群、慢性鬱病、依存症、振戦、アルツハイマー病およびジストニアを含むあらゆる病気に対して使用され、それらの病気はすべて、「病状」につながる正常な神経経路の破壊が原因であると考えられるが、脳深部刺激によって作用させることができる。
【0053】
さらに別の実施形態は、遅発反応(LR)フィードバックを適用する。遅発反応の記録は、反応のモニタリングおよび反応の変化に対する刺激強度の適応が可能なフィードバックシステムで使用される。姿勢、動き、時間および発症、ならびに、あらゆる種類の他の生理学的および環境的因子の変化は、同じ刺激に対する神経組織の反応を変化させる。従って、この実施形態におけるフィードバックデバイスは、遅発反応の遅延または他の変化を記録し、最小刺激電流で最大治療効果を達成するように刺激強度を適応させる。標的刺激電流は、遅発反応が治療域内状態にある最小電流である。
【0054】
図8に示される回路図は、処理ユニットがコントローラを駆動する方法における違いはあるが、この実施形態にも適用される。
【0055】
図9aおよび9bでは、ローカルフィードバックを有する刺激子は、遅発反応の振幅情報を使用し、それを決定値に固定する。遅発反応を使用するフィードバックシステムは、遅発反応のレイテンシを測定し、刺激強度を相応に適応させる。可能な実装形態の1つは、簡単なチューニングメカニズムの使用であろう。それらのメカニズムは、すべての種類のエレクトロニクスアプリケーションにおいて(特に、可変DC源において)広く使用される。その最も簡単な形態では、任意の長いワードは、2つの事前にセットされた限度間の電流を定義する。次いで、遅発反応を観察することによって、最適な刺激レベルに近づけるために、ビットが再帰的に修正される。レイテンシが治療域内状態にあてはまる場合は、次のビットが電流を減少し、刺激が治療域以下状態(sub−therapeutic state)にあることを遅発反応が示す場合は、電流が増加される。従って、システムは、簡単な比較器およびデジタルコントローラを使用する。
【0056】
他の実施形態では、
図9の実施形態は、常に遅発反応をモニタする代わりに、時折にしか遅発反応をモニタしないように変更することができる。これにより、刺激電力消費量とプロセッサ電力消費量との間のトレードオフの最適化が可能になる。そのような実施形態では、治療域内状態にとどまる一方で刺激電流を最小限に抑えるために、既存の刺激レベル近くの刺激電流の定期的なまたは時折の掃引を実行することができる。また、遅発反応が非治療域内状態にシフトした場合は、刺激電流は速やかに調整される。
【0057】
図10には、さらに別の実施形態が示され、ハイブリッドフィードバックシステムを備える。遅発反応は早発反応と比較して非常に小さく、従って、雑音および大きな変動を受けるため、以下を行うことによって刺激強度を最適なレベルに自動的にセットするハイブリッドフィードバックシステムが提案される。
a.遅発反応を記録および処理し(平均化には、何らかのメモリが必要である)、最適な刺激強度を見出す。
b.その刺激レベルでECAPの振幅を記録する。
c.ECAPにおいて閉ループのフィードバックを適用する。
【0058】
図10のデバイスは、上記で論じられるように、定期的なまたは時折の電流掃引を実行する。
【0059】
図10aおよび10bのデバイスは、2段階制御システムを利用し、段階1は、上記で提示される遅発反応フィードバックと同様に、最も良い刺激設定を見出す。設定を見出した時点で、ECAP振幅を使用してローカルフィードバックが適用される。遅発反応は、はるかに小さな振幅を有し、雑音を受け易いため、遅延の正確な特徴付けには、移植物のバッテリ寿命を減少させるメモリおよび演算能力が必要とされる。このハイブリッドフィードバックシステムは、大量の演算を有するタスクを任意に少量にすることができるため、より少ない電力を消費する。
【0060】
さらに別の実施形態では、ドーパミンの濃度および効力が検出される。ドーパミン濃度は、活動電位の形状への影響を有する。
図11aおよび11bに示されるように、薬を服用している患者では、特に、低刺激電流に対して、ECAPの振幅は顕著に減少する。デバイスは、ECAPおよび遅発反応の形状(振幅や、P1、N1およびP2間の距離や、ECAPとLRとの間の距離)を測定することによって、STNにおけるドーパミン濃度を特徴付けるために使用することができる。パーキンソン病の患者の事例では、この情報は、疾患の状態を評価し、レボドパ投与レベルを調整するために使用することができる。
【0061】
パーキンソン病のDBS患者の大半は、彼らの症状を管理するためにレボドパの継続的な投与を必要とする。DBSとの組み合わせたレボドパのレベルの調整は、時間を要するものであり得、安定した状態が見出されるまで、何度も臨床医の診察を受けることや、多くの調整を行うことを要し得る。レボドパ投与によるECAPおよび遅発反応の変動に関する知識は、患者に対する最適な投与量レベルを決定するために使用することができる。
【0062】
図11の測定は、現在薬を服用している患者では、特に、低刺激電流に対して、ECAPの振幅が顕著に減少することを示す。従って、成長曲線は、レボドパ投与の効果を評価するために使用することができる。この情報は、レボドパの投与量を適応させるために使用することができ、病気の経過をモニタするためにも使用することができる。
【0063】
遅発反応は、薬を服用していようがいまいが、その振幅のいかなる変化も示さない。しかし、遅発反応のレイテンシは、ある事例から別の事例に顕著にシフトする。この情報は、単独でまたはECAPデータと併せて、病気の経過およびレボドパ投与の効果を評価するために使用することができる。
図12は、薬を服用しているおよび服用していない患者における様々な刺激電流に対する遅発反応を示す。治療が治療効果のあるものになった時点で、遅発反応は同じ位置にシフトし、従って、上記で提示されるフィードバックシステムを損なうことはない。
【0064】
DBS受容者のさらなる遅発反応のデータが得られた。
図13は、視床中間腹側(vim)核DBSで本態性振戦の治療を受けているクラインフェルター症候群の患者から得られたデータを示す。手術前および実験中は、患者は薬を服用しなかった。電極1〜4は左側のものであり、電極5〜8は右側のものである。
図13は、刺激の変動に反応して測定された神経反応を示す。視床のそのような刺激レジームに反応した遅発反応は観察されず、これは、先行で論じられるようなSTNに対して得られた結果が単なるアーチファクトではなく、その構造の特定の特徴であることを示し、遅発反応は、脳構造に存在する際は、機能的に意味のあるマーカをモニタに提示することを確認している。
【0065】
図14〜16は、
図3〜7で反映されている患者と同様に、STN DBSで治療されているパーキンソン病の患者から得られたデータを示す。
図14は、左半球の健康な組織に位置するE3およびE4から得られたデータに関連する。
図14aに示される遅発反応は、刺激電流の増加に伴うレイテンシの増加(
図14b)および刺激電流の増加に伴う非線形振幅成長(
図14c)を呈する。
【0066】
しかし、対照的には、
図14〜16の対象者である患者は、本明細書ではE5と示される最も後腹側の電極(すなわち、最も深いところにある電極)に近い右半球STNの画像で見ることができる「穴」または萎縮を有していた。
図15に示されるように、それらの穴の付近を刺激しても効果はなく、このことは、
図15に示されるE7およびE8で測定される遅発反応のシフトの不在に反映されていた。具体的には、
図15aに示される遅発反応は、刺激電流の増加に伴うレイテンシの増加(
図15b)を呈さず、これは、この場合もやはり、遅発反応のレイテンシの変化が皮質および他の皮質下構造からの神経システム反応を反映し、単なる局所的な静電気効果または同様のものではなく、従って、「制御」として考慮できることを示す。このことは、
図16に示されるように、E8において刺激され、E5およびE6において測定される際にさらに示されている。
図16aで記録された遅発反応のレイテンシのシフトは、
図14の左半球で見られるものよりゆるやかであり、これは、観察された萎縮が正常な遅発反応メカニズムの妨げになることを示唆し得る。
図16bは、
図14bと比較してより遅い成長を示す、E8において刺激される際のより遅発の反応レイテンシと刺激電流との関係を示す。その上、E6における遅発反応(刺激場所により近い)は、E5における遅発反応(刺激場所からさらに離れたところにある)より後に起こり、これは、
図14の状況の逆である。
【0067】
図17aは、一定の刺激振幅だが変動周波数に対する、
図14〜16と同じ患者の健康な組織で記録された遅発反応を示す。
図17bは、刺激周波数の増加に伴う、5.5ms近くで生じる遅発反応ピークのレイテンシの進行を示す。
図17bで見られるように、この特定のピークのレイテンシのシフトは、130Hz近くで起こる。約160Hzを上回ると、測定位相の長さは短過ぎて、遅発反応が起こり得る前に次のパルスが起こることが述べられている。
【0068】
また、
図17aは、130Hzにおいて2つの反応(
図4など)より多くの遅発反応が観察されたことも示す。
図17aは、遅発反応が、5.5〜6ms近くだけではなく、8ms、10msおよび13ms近くでも起こることを明らかにするが、後者の3つの反応の振幅は、約5倍小さいかまたはそれ以下であり、従って、より有益なマーカは、6ms近くで観察された遅発反応であるように思われる。
【0069】
従って、異なる患者における遅発反応の進行の比較は、捜して有益なものが、刺激の変化に伴う遅発反応の変化であることを明らかにし、それは、例えば、より早発の反応またはより遅発の反応であり得る。
【0070】
図18は、STN DBSを受けているさらに別のパーキンソン患者に関して得られた遅発反応測定を示す。この場合もやはり、マーク付けされた変化は、刺激振幅の増加と共に、遅発反応で起こるが、この事例では、観察された変化は、
図4、14bおよび16bで観察されたレイテンシの増加とは対照的に、遅発反応のレイテンシの低減である。しかし、この場合もやはり、変化が起こったポイント(2mA刺激)は、患者にとって治療が効果のあるものになったポイントに相当しており、この場合もやはり、遅発反応の変化が有益なバイオマーカであることを示す。変化は、遅発反応のレイテンシ、遅発反応の振幅または遅発反応の形態(
図18で観察されるような遅発反応における追加のピークの出現または測定窓からの遅発反応におけるピークの消失など)をモニタすることによって求めることができる。
【0071】
DBSによって治療可能な膨大な数の他の病状が存在し、慢性鬱病、幻想痛、依存症、ハンチントン病、トゥレット症候群およびアルツハイマー病を含む。これらのすべての疾患および他のアプリケーションに対し、神経変調および薬投与の組合せは、単独よりも効果的であると証明することができる。CNS活性薬理学的物質の大多数は、神経受容体または神経伝達物質の放出または代謝に作用する。これらは、ECAPおよび/または遅発反応の測定によって検出することができるニューロンの電気生理学への影響を次々と有する。上記の方法および技法は、それらのすべての事例に適用され、概念は、脳中枢におけるいかなるタイプの神経変調に対しても一般化することができる。
【0072】
従って、本実施形態は、視床下核の刺激に反応して生じる遅発反応の測定に関連して説明してきたが、本発明は、刺激に反応して早発神経反応が線形式に生じ、その後、非線形の遅発反応が生じる(早発反応とは別々にモニタすることができる)脳の他の部分への刺激の印加に関連して適用することもできることを理解されたい。
【0073】
当業者であれば、広範囲にわたって説明される本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく、特定の実施形態に示されるように、本発明に対する多くの変形形態および/または変更形態を作成できることが理解されよう。従って、本実施形態は、あらゆる点において、限定的なものではなく、例示的なものと見なすべきである。