(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記画像生成部は、前記物体検出部が前記サービス物体を検出し且つ前記期限が経過していないと前記期限設定部が判定した場合に、前記期限情報画像を前記期限領域に表示させる
請求項1に記載のサービス状況管理システム。
前記画像生成部は、前記物体検出部が前記サービス物体を検出し且つ前記期限が経過していると前記期限設定部が判定した場合に、前記前景画像に含まれる前記サービス物体の輪郭線を前記背景画像に上書きしない
請求項4に記載のサービス状況管理システム。
前記画像生成部は、前記物体検出部が前記サービス物体を検出し且つ前記期限が経過していないと前記期限設定部が判定した場合に、前記サービス物体の前記前景画像を前記背景画像に上書きし、前記サービス物体の前記輪郭線を前記背景画像に上書きしない
請求項4に記載のサービス状況管理システム。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」と称する)によるサービス状況管理システムについて
図1から
図15を用いて説明する。
【0009】
(第1実施形態)
まず、本発明に係る第1実施形態について説明する。
図1は、本実施形態によるサービス状況管理システム1の機能構成の一例を示すブロック図である。サービス状況管理システム1は、施設(例えば飲食店等の店舗)が提供する予約や割引といったサービスの状況に関する情報を管理するとともに、予約をした来場予定者や「施設が空いていれば行きたい」「割引があるなら行きたい」と思っている潜在来場者に対して該情報の伝達を行うシステムである。
【0010】
(サービス状況管理システムの構成)
図1に示すように、サービス状況管理システム1は、処理部10を備える。処理部10は、例えば所定のコンピュータ(以降、「処理用コンピュータ」と称する)上にソフトウェアプログラムが展開され、該ソフトウェアプログラムの指令により処理用コンピュータのCPUが演算処理を実行することによって構成される。処理用コンピュータは、後述する撮影部11として利用されるカメラに内蔵されたコンピュータ(例えばマイクロコンピュータ)でもよいし、施設内に設置されたコンピュータ(例えばパーソナルコンピュータ)でもよいし、施設外に設定されたコンピュータ(例えばサーバコンピュータ)であってもよい。また、これらのコンピュータを組み合わせて処理部10の行う処理を分散させてもよい。
【0011】
サービス状況管理システム1は、施設内を撮影する撮影部11を備える。撮影部11は、例えば撮影した映像をリアルタイムにコンピュータ等へ転送可能なカメラであって、処理用コンピュータと通信可能に接続されている。撮影部11は、施設内を広く構図に収められる位置に設置される。ここで、撮影部11により撮影される施設は、例えば飲食店等が想定される。
【0012】
サービス状況管理システム1は、施設(撮影部11で撮影される飲食店等)において提供されるサービス及び該サービスの有効期間を含むサービス情報が対応付けられたサービス物体を予め登録する物体登録部13を備える。物体登録部13は、例えば処理用コンピュータにおけるメモリ等の所定の記憶領域である。サービス物体に紐づけられたサービスとしては、例えば来店を約束した客(来場予定者)のために飲食店側が予めテーブルを確保する予約サービスや、来店しそうな見込み客(潜在来場者)を誘うために飲食店側が料理・商品等の価格の値下げを行う割引サービス等がある。以降、これらのサービスを提供する店(施設)をサービス提供施設と称する。また、サービス提供施設においてサービスを提供する者(従業員や店主等)をサービス提供者という。
【0013】
また、サービスの有効期間とは、サービス提供者が予め設定した期間であって、潜在来場者や来場者がサービス提供者の提供するサービスを利用可能な期間をいう。例えば、予約サービスの有効期間は、サービス提供施設において来場予定者のためにテーブルが確保される期間である。また、割引サービスの有効期間は、サービス提供施設において来場者が通常よりも割引された金額によって飲食や商品の購入等が可能な期間である。
【0014】
物体登録部13に登録されるサービス物体には、サービス提供施設が提供するサービスが紐づけられる。サービス物体は、サービス提供施設が提供するサービス(予約サービス、割引サービス等)を表している。サービス物体は、例えば数値や文字を表現するバーコード(一次元バーコードや二次元バーコード)が表面に印刷されたパネルでもよいし、道路標識のような色や図形で識別可能なデザイン(絵柄)が表面に印刷された標識状パネルでもよいし、人がその意味を理解できる記号や文字を記載したパネルでもよい。また、サービス物体は、色や形状で識別可能なパイロンやロードコーンでもよいし、特定の形状やデザインを有する人形や置物でもよい。
【0015】
また、サービス状況管理システム1は、インターネットを介して外部の端末装置100と通信可能に構成されている。端末装置100は、サービス提供施設の利用が見込まれる不特定多数の潜在来場者がそれぞれ閲覧する端末装置である。端末装置100は、携帯電話(スマートフォンを含む)やタブレット型端末装置、パーソナルコンピュータ等でもよいし、有線のネットワークで繋がるパーソナルコンピュータ以外のディスプレイ装置(デジタルサイネージ)でもよい。パーソナルコンピュータには、ノート型パーソナルコンピュータやデスクトップ型パーソナルコンピュータ等が含まれる。
【0016】
次に、処理部10の各構成について説明する。
サービス状況管理システム1は、撮影部11によって撮影された撮影画像において物体登録部13に登録されたサービス物体を検出する物体検出部15を備える。例えば物体検出部15は、物体登録部13に登録されているサービス物体が標識状パネルである場合、道路標識の検出時のように標識状パネルの色情報を用いてノイズを除去し、標識状パネルに印刷されたシンプルな図形に対してハフ変換(Hough transform)を用いたパターン認識を行う。これにより、物体検出部15は高い精度で標識状パネルを検出できる。
【0017】
また、例えば、物体登録部13に登録されているサービス物体がバーコードを印刷したパネルである場合、物体検出部15は、バーコード読み取りソフトウェア(例えば、オープンソースのソフトウェアである「ZBAR」)を用いる。バーコード読み取りソフトウェアは、一次元バーコードに分類されるJANコードや二次元バーコードに分類されるQRコード(登録商標)等複数のバーコードを読み取り、読み取り結果としてバーコードに含まれる情報(バーコードの種類、バーコードに書かれた文字情報等)を返すソフトウェアである。本実施形態では、サービス物体が二次元バーコードである場合について説明する。
【0018】
物体登録部13には、複数のサービス物体が登録されている。物体検出部15は、撮影画像において複数のサービス物体の何れかを検出すると、後述する期限設定部16に検出したサービス物体に関する情報(検出情報)を出力する。
【0019】
ここで、
図2を用いて物体登録部13に登録されているサービス物体の一例を説明する。
図2は、物体登録部13に登録されているサービス物体を一覧形式で表す図である。
図2において、「バーコード」は、本実施形態におけるサービス物体である二次元バーコードの画像を表している。理解を容易にするため、本例ではパネル表面に印刷された二次元バーコードをサービス物体として説明する。また、「文字情報」は二次元バーコードに含まれる文字情報(数値や記号を含む)を表している。また、「サービス内容」は、サービス物体である二次元バーコードに紐づけられたサービスの内容を表している。また、「有効期間の長さ」は、サービスの有効期間の長さを表している。「バーコード」欄にある3つの二次元バーコード(サービス物体131,133,135)に対して「サービス内容」欄に設定されたサービス内容と「有効期間の長さ」欄に設定されたサービスの有効期間の長さがそれぞれ対応付けられており、「文字情報」欄の文字情報を介して参照される。
【0020】
図2に示す例では、サービス物体131には「サービス内容」欄の「予約」と「有効期間の長さ」欄の「5分」が対応付けられている。これは、サービス物体131が有効期間(来場予定者のためにテーブルが確保される時間)の長さが5分の予約サービス「予約」と紐づけられた物体であることを示している。また、サービス物体133には「サービス内容」欄の「予約」と「有効期間の長さ」欄の「7分」が対応付けられている。これは、サービス物体133が有効期間(テーブル確保時間)の長さが7分の予約サービス「予約」と紐づけられた物体であることを示している。また、サービス物体135には「サービス内容」欄の「割引」と「有効期間の長さ」欄の「30分」が対応付けられている。これは、サービス物体135が有効期間(割引金額での飲食・商品購入が可能な時間)の長さが30分の割引サービス「割引」と紐づけられた物体であることを示している。
【0021】
上述のように、二次元バーコードは文字情報(数値や記号を含む)を含んでおり、物体検出部15は、バーコード読み取りソフトウェアを用いてバーコードに含まれる文字情報を取得可能である。このため、物体登録部13にサービス物体131,133,135の二次元バーコードに含まれる文字情報が登録されていれば、物体検出部15はバーコード読み取りソフトウェアを用いてサービス物体である二次元バーコードを検出し、
図2の「文字情報」欄に示した文字情報を介して「サービス内容」欄及び「有効期間の長さ」欄に示した内容を取得することができる。サービス物体が二次元バーコードの場合はバーコード読み取りソフトウェアが画像処理を行うので、二次元バーコードの画像そのものを物体登録部13に登録しておく必要はない。なお、サービス状況管理システム1では、物体検出部15以外の構成においてサービス物体とサービス内容との対応付けの情報を使用することも想定されうる。サービス物体を物体登録部13に登録する場合、例えば画像そのものを登録する方法や、画像の特徴量を抽出して登録する方法などが想定されうる。本実施形態では、物体登録部13において、
図2に示す一覧の内、「文字情報」「サービス内容」「有効期間の長さ」の3列で構成されるテーブルがサービス物体登録テーブルとして記憶されている場合について説明する。
【0022】
図1に戻って、サービス状況管理システム1は、物体検出部15がサービス物体を初めて検出した時刻を起点とするサービスの有効期間の期限(以下、「サービスの有効期限」という)を設定する期限設定部16を備える。また、サービス状況管理システム1は、サービスの有効期限に関する情報(期限情報)を表す期限情報画像を表示可能な期限領域と、サービス提供施設(飲食店等)の状況を表す施設画像を表示する施設画像領域とを有する画像であって、外部の端末装置100へサービスの状況を伝達する伝達画像を生成する画像生成部17を備える。本実施形態において、物体検出部15がサービス物体を初めて検出した時刻とは、検出されたサービス物体に紐づけられたサービスの有効期限が定められていない状況で初めてサービス物体が検出された時刻、すなわち該サービスの開始時刻をいう。例えば、物体検出部15は初めてサービス物体を検出すると、検出されたサービス物体に紐づけられたサービス内容とそのサービスの有効期間の長さを物体登録部13のサービス物体登録テーブルから取得する。例えば、検出されたサービス物体がサービス物体131である場合、バーコード読み取りソフトウェアは文字情報として「No.1」を返すので、物体検出部15はサービス物体登録テーブルを参照してサービス内容である「予約」とそのサービスの有効期間の長さである「5分」を取得して検出情報として出力する。
【0023】
期限設定部16は、物体検出部15から検出情報が入力されると、サービスの有効期間の長さに基づいて期限を設定する。また、画像生成部17は、期限設定部16が設定した期限に基づいて期限情報画像を生成する。期限情報画像については後述する。さらに、画像生成部17は、期限情報画像及び施設画像で構成される伝達画像を伝達画像送信部19へ出力する。施設画像と伝達画像については後述する。本例では、画像生成部17における伝達画像の生成とは伝達画像を構成する期限情報画像の生成をいう。
【0024】
サービス状況管理システム1は、画像生成部17が生成した伝達画像を外部の端末装置100に送信する伝達画像送信部19を備える。端末装置100は、画像等を表示可能な表示部101を有している。端末装置100のユーザ(来場予定者・潜在来場者)は、インターネットを介して送信された伝達画像を表示部101において閲覧することで、サービス提供施設におけるサービス状況を確認することができる。伝達画像送信部19は、画像生成部17から伝達画像が入力された場合に、自動的に伝達画像を端末装置100へ送信してもよいし、端末装置100側からの要求に応じて伝達画像を送信してもよい。伝達画像を自動的に送信する場合の送信先は、例えば端末装置100のユーザによって事前に登録処理が行われること、または表示用ソフトウェアが端末装置100にインストールされた時点で自動的に登録処理が行われることにより処理部10(
図1参照)が展開されている処理用コンピュータ上の記憶領域に記憶される。なお、端末装置100がデジタルサイネージのディスプレイの場合はインターネットを介することなく、ローカルエリアネットワークまたはケーブルなどによってサービス状況管理システム1に直接接続されるので送信先は自明である。
【0025】
またサービス提供施設のサービス提供者(従業員や店主)は、処理部10が展開されているコンピュータがカメラに内蔵されたマイクロコンピュータである場合は、該カメラにディスプレイを接続して撮影画像や伝達画像を閲覧することができる。また、処理部10が展開されている処理用コンピュータが提供施設内に設置されたパーソナルコンピュータである場合は、該パーソナルコンピュータのディスプレイを通して撮影画像や伝達画像を閲覧することができる。また、処理部10が展開されている処理用コンピュータが提供施設外に設置されたサーバコンピュータである場合、サービス提供施設のサービス提供者(従業員や店主)は、該サーバコンピュータに接続可能な端末装置(スマートフォンやタブレット型端末装置、パーソナルコンピュータ、デジタルサイネージ等)を介して撮影画像や伝達画像を閲覧してもよい。
【0026】
また、本発明によるサービス状況管理システム1は、処理部10、撮影部11及び物体登録部13を組み合わせた状態でサービス提供施設に提供されてもよいし、処理部10の各動作を実現するソフトウェアプログラムを有するアプリケーションプログラムのみがサービス提供施設に提供され、サービス提供施設のサービス提供者(従業員や店主)が該アプリケーションプログラムを所定のパーソナルコンピュータ等において展開し、該パーソナルコンピュータを市販のカメラやメモリ等の記憶装置と接続することで構成されてもよい。
【0027】
(伝達画像)
ここで、画像生成部17が生成する伝達画像について
図3を用いて説明する。
図3は、画像生成部17が生成した伝達画像200の一例を示す図である。
【0028】
図3に示すように、伝達画像200は、施設画像201を表示する施設画像領域210と期限領域203とを有する画像である。本例では、施設画像201は撮影部11が撮影した現在の施設内の画像(静止画像)である。
図3に示す施設画像201において、画像の中心部よりやや下の領域に写るテーブル上には二次元バーコードを印刷したパネル(サービス物体)が配置されている。
【0029】
また、期限領域203は、サービス提供施設の提供するサービスの有効期限に関する期限情報を表示可能な領域である。期限領域203は施設画像領域210とは別の領域に設けてもよいし、本例のように施設画像領域210と重ね合わせてもよい。
図3に示す例では、期限領域203には、サービス内容とサービスの有効期限までの残り時間を表す文字列画像である期限情報画像231が表示されている。期限情報画像231は、期限領域203に表示される画像であって、本例ではサービス内容を示す文字列画像「予約」と残り時間を示す文字列画像(「残り300秒」)とが記号(コロン)で区切られた画像であって文字以外の画素は透明が設定されている。例えば期限情報画像231がPNG形式ファイルであれば、透明度の設定が可能である。例えば端末装置100のユーザがサービス提供施設へ連絡してテーブルの予約を行うと、サービス提供施設において予約サービスに紐づけられたサービス物体(例えばサービス物体131,133)が所定のテーブル(例えば施設内においてユーザが所望する場所のテーブル、あるいはユーザが所望する座席数を有するテーブル)に例えばサービス提供者によって配置され、サービス状況管理システム1は
図3に示すようなサービス物体が写った施設画像201と期限情報画像231とで構成される伝達画像200を端末装置100に送信する。これにより、端末装置のユーザ(潜在来場者・来場予定者)に、端末装置100の表示部101に表示された伝達画像200を通して、予約されたテーブルがどれかという施設状況と、予約サービスの残り時間があと300秒であるというサービス状況とが伝達される。
【0030】
本例では、期限領域203は施設画像領域210内においてサービス物体が写った領域の近傍領域(右下領域)に設けられているが、期限領域203の位置はこれに限られない。期限領域203は、施設画像領域210内においてサービス物体の視認を妨げない位置に設けられてもよいし、施設画像領域210外(例えば、施設画像領域210外であって、施設画像領域210と隣接した上下左右何れかの領域等)に設けられてもよい。また、表示部101をタッチパネルディスプレイで構成し、ユーザがサービス物体の写った領域を指でタッチして初めて、期限領域203をサービス物体の写った領域の近傍に設けるようにしてもよい。また、
図3に示す期限情報画像231は、サービスの有効期間の残り時間が秒単位で表示されているが、期限情報画像231の表示態様はこれに限られない。期限情報画像231において残り時間は、ミリ秒単位まで表示されてもよいし、分秒ミリ秒がコロン区切り(分:秒:ミリ秒)で表示されてもよい。また、残り時間の表示に代えてサービスが有効期限切れとなる日時(○月○日○時○分、または日付を省略して○時○分)が表示されてもよい。残り時間とサービスが有効期限切れとなる日時の両方が表示されてもよい。また、ユーザにサービス物体のデザインが周知されている場合は、サービス内容を示す文字列画像「予約:」は不要である。
【0031】
(サービス状況伝達処理)
次に、
図4を用いて本実施形態によるサービス状況管理システム1が伝達画像200を端末装置100へ送信する処理であるサービス状況伝達処理の流れについて説明する。
図4は、サービス状況伝達処理の流れの一例を示すフローチャートである。本実施形態によるサービス状況管理システム1は、サービス状況伝達処理を例えば1秒間に30回実行する。あるいは、カメラ画像に写り込んだ人物の歩行の態様から第三者が個人を特定することを防ぐべく頻度を落として、サービス状況伝達処理を例えば1秒間に4回実行する。
【0032】
(ステップS1)
ステップS1において撮影部11は、サービス提供施設内を撮影して1枚の撮影画像を物体検出部15および画像生成部17へ出力する。撮影画像が入力されると、物体検出部15はステップS2の処理を実行する。
【0033】
(ステップS2)
ステップS2において物体検出部15は、ステップS1で撮影された撮影画像に物体登録部13に予め登録されている二次元バーコード(
図2に示すサービス物体131,133,135の何れか)が含まれているか否かを、バーコード読み取りソフトウェア(例えば「ZBAR」)を用いて探索する。具体的には、バーコード読み取りソフトウェアが二次元バーコードを検出して文字情報を返すと物体検出部15はサービス物体登録テーブル(
図2参照)を参照して「文字情報」を介して「サービス内容」と「有効期間の長さ」をサービス情報として取得する。物体検出部15は、バーコード読み取りソフトウェアが返した文字情報がサービス物体登録テーブルの「文字情報」欄の文字情報の何れかに該当した場合に、撮影画像から登録済みのサービス物体が検出されたと判定する。物体検出部15は、サービス物体131,133,135の何れかが検出されたと判定すると、サービス物体から読み取ったサービス情報(サービス内容、有効期間の長さ)と、サービス物体を検出した時刻(検出時刻)とを検出情報として期限設定部16へ出力する。サービス内容を含む検出情報が入力されると、期限設定部16はステップS3の処理を実行する。
【0034】
一方、物体検出部15は撮影画像から登録済みのサービス物体が検出されなかったと判定した場合、サービス物体131,133,135の何れも検出されなかった旨の情報(未検出情報)を期限設定部16へ出力する。撮影画像からサービス物体が検出されない例としては、例えばサービス物体131,133,135の何れも施設内に配置されていない(二次元バーコードが撮影画像に含まれない)場合や、撮影画像に含まれる二次元バーコードに含まれる文字情報がサービス物体登録テーブルの「文字情報」欄の設定内容に該当しなかった場合、施設内に配置されたサービス物体が遮蔽物(他の物体や人)によって遮られている場合が想定される。サービス物体が検出されなかった旨の情報(未検出情報)が入力されると、期限設定部16はステップS10の期限解除処理を実行する。期限解除処理については後述する。
【0035】
(ステップS3)
ステップS3において期限設定部16は、サービスの有効期限が設定済みか否かを判定する。サービスの有効期限が設定済みか否かは、処理部10(
図1参照)が展開されているコンピュータの所定の記憶領域に有効期限時刻が記憶されているか否かで判定する。有効期限時刻は、サービスの有効期限を示す時刻であって、物体検出部15がサービス物体を初めて検出した時刻(検出時刻)を起点とし、該検出時刻にサービス物体に紐づけられた有効期間の長さ(
図2参照)を加えた時刻である。有効期限時刻が設定されていることは、ステップS2で検出されたサービス物体に対応づけられたサービスが開始されており、期限領域203(
図3参照)に表示される期限情報画像231が作成済みであることを示す。期限設定部16は、所定の記憶領域に有効期限時刻が記憶されており、サービスの有効期限が設定済みであると判定するとステップS5の処理に移る。一方、期限設定部16は、所定の記憶領域に有効期限時刻が記憶されておらず、サービスの有効期限が設定済みでない、すなわちサービス物体が初めて検出されたと判定するとステップS4の処理に移る。
【0036】
(ステップS4)
ステップS4において期限設定部16は、サービスが開始された時点において、サービスの有効期限を設定しステップS7の処理に移る。具体的には、期限設定部16は、物体検出部15が出力した検出情報に含まれるサービスの有効期間の長さを取得する。さらに、期限設定部16は、物体検出部15から入力された検出情報に含まれる検出時刻にサービスの有効期間の長さを加算した時刻を有効期限時刻として所定の記憶領域に記憶する。例えば、検出情報に含まれる有効期間の長さが「5分」であり、検出時刻が10時10分であるとすると、有効期限時刻は10時15分(=10時10分+5分)となる。期限情報画像231において期限情報としてサービスの有効期間の残り時間が表示される場合、期限設定部16は、取得した有効期間の長さをそのまま期限情報として所定の記憶領域に記憶する。期限情報は、サービスの有効期限に関する情報であって、後述するステップS7の処理における期限情報画像231の生成に用いられる。期限設定部16は、例えば有効期間の長さの単位を「分」から「秒」に換算した値を残り時間として期限情報に設定する。例えば有効期間の長さ「5分」は「300秒」として期限情報に設定される。ステップS4において期限情報に設定された残り時間は、有効期限時刻を経過するまでの間、サービス物体が検出される度に後述するステップS6において更新される。なお、期限情報画像231(
図3参照)においてサービスが有効期限切れとなる日時で期限情報が表示される場合、このステップ4では有効期限時刻が期限情報として設定される。この場合、ステップS6の残り時間の更新処理は省略される。
【0037】
(ステップS5)
ステップS5において期限設定部16は、現在時刻を取得すると、該現在時刻がステップS4で設定された有効期限時刻を経過しているか否かを判定する。本例では、現在時刻として、処理部10(
図1参照)が展開されているコンピュータ上の現在時刻が用いられる。期限設定部16は、現在時刻が有効期限時刻を経過していると判定するとステップS8の処理に移る。一方、期限設定部16は、現在時刻が有効期限時刻を経過しておらず、サービスの有効期間が継続すると判定するとステップS6の処理に移る。
【0038】
(ステップS6)
ステップS6において期限設定部16は、期限情報として所定の記憶領域に記憶されている残り時間を更新すると、物体検出部15から入力された検出情報に含まれるサービス内容を画像生成部17へ出力する。期限設定部16から検出情報が入力されると、画像生成部17はステップS7の処理を実行する。期限設定部16は、具体的には、有効期限時刻から現在時刻を差し引いた値に更新する。サービス状況伝達処理の実行間隔を正確に刻めるなら、現在の残り時間からその実行間隔(例えば1秒間に4回であれば0.25秒)を差し引いて残り時間を更新してもよい。なお、期限情報画像231においてサービスが有効期限切れとなる日時で期限情報が表示される場合には、ステップS6の更新処理は省略され、ステップS5のNoからステップS7の処理に移る。
【0039】
(ステップS7)
ステップS7において画像生成部17は、期限領域203に表示される期限情報画像231を生成してステップS9の処理に移る。具体的には、画像生成部17は、物体検出部15から期限設定部16を介して入力された検出情報に含まれるサービス内容と、期限設定部16によって所定の記憶領域に記憶された期限情報から期限情報画像231を生成する。ステップS4から移行したステップS7において、例えば検出情報に含まれるサービス内容が「予約」であり、期限情報に設定された残り時間が300秒であるとすると、画像生成部17は、「予約」と「残り300秒」とをコロン区切りにした文字列画像を生成する。これにより、
図3に示すようなサービスの有効期限に関する情報を表す期限情報画像231が生成される。また、ステップS6から移行したステップS7において、例えば残り時間が「299.75秒」のように小数点以下であるときは、小数点以下を切り捨てて「299秒」として表示してもよい。期限情報に設定された残り時間は、初めてサービス物体が検出されたときにステップS4において初期設定された有効期間の長さを示す値であり、ステップS6において更新される値である。ステップS6の処理が実行される度に期限情報の残り時間は減少していく。このため、期限情報画像231においてサービスの有効期間の残り時間がカウントダウン表示されることとなる。
【0040】
なお、期限情報画像231においてサービスが有効期限切れとなる日時(有効期限時刻)で期限情報が表示される場合には、初めてサービス物体が検出されたときに一度だけ期限情報画像231を生成しておけば繰り返し利用することができる。このように、画像生成部17は、物体検出部15がサービス物体を検出し(ステップS2のYes)且つサービスの有効期限が経過していないと期限設定部16が判定した場合(ステップS5のNo)に、期限情報が表示される期限情報画像231を生成し、伝達画像200の期限領域203に表示させる。本例では、画像生成部17における伝達画像200の生成とは期限情報画像231の生成をいう。
【0041】
(ステップS8)
ステップS8において画像生成部17は、期限領域203(
図3参照)に表示される期限情報画像231の期限情報を消去してステップS9の処理に移る。期限情報を消去するとは、例えば、期限領域203が施設画像領域210に重なる場合は期限情報画像231のすべてを透明にすることをいい、期限領域203が施設画像領域210に重ならない場合は期限情報画像231を初期化する(例えば、単色で塗りつぶす)ことをいう。これにより、期限領域203において期限情報(本例では有効期間の残り時間または有効期限時刻)が非表示となる。
【0042】
図5は、ステップS8において期限情報を非表示にした期限情報画像231を有する伝達画像の一例を示す図である。
図5に示すように、施設画像領域210において
図3に示すのと同様にサービス物体が表示されている。このとき、画像生成部17は、期限情報画像231として例えば文字列画像「予約サービス終了」を表示してもよい。これにより、期限情報が非表示である伝達画像200bを端末装置100のユーザが閲覧した際に、サービス物体の配置されたテーブルが予約済みであると誤解されることを防止することができる。
【0043】
(ステップS9)
図4に戻って、ステップS9において伝達画像送信部19は、インターネットを介して端末装置100に伝達画像200を送信する。伝達画像200は、施設画像201を表示する施設画像領域210と期限情報画像231を表示可能な期限領域203とを有する画像である。これにより、端末装置100のユーザは表示部101を通して伝達画像200を閲覧することで、サービス提供施設の提供するサービス(予約、割引等)の状況及びサービスがテーブルの予約である場合は該予約されたテーブルが何れであるかを把握することができる。なお、本例において、施設画像領域210に表示される施設画像201は、ステップS1において撮影部11が撮影した撮影画像である施設内の画像そのものである。
【0044】
以上説明したように、本実施形態によるサービス状況管理システム1は、サービス状況伝達処理を例えば1秒間に4回(0.25秒ごと)実行する。これにより、潜在来場者が使用する端末装置(例えば端末装置100)には0.25秒ごとに伝達画像が送信され、サービス提供施設内の様子やサービス提供施設が提供するサービス(予約や割引)の状況(例えば、予約サービスの残り時間や予約済みのテーブルがどれか)が伝達される。これにより潜在来場者はほぼリアルタイムでサービス状況等を確認できる。また、期限情報画像231に表示される期限情報を有効期間の残り時間とした場合、単位時間ごとに残り時間を示す数字がカウントダウンされていく。これにより、サービス状況管理システム1は、来場予定者がサービス有効期間内にサービス提供施設へ来場することを促進することができる。また、サービス状況管理システム1は、サービス提供者が提供するサービスが予約サービスの場合、現在予約サービスを利用している来場予定者が予約サービスを利用できる期間(有効期間の残り時間)が潜在来場者にも閲覧可能である。これにより、残り時間が少なくなっていれば予約をした来場予定者が来ない可能性が高いと判断して、新たに予約サービスを利用しようとする潜在来場者を獲得する可能性を向上させることができる。
【0045】
また、図示は省略するが、サービス提供施設において提供されているサービスが割引サービスである場合、伝達画像にはサービス提供者によって予め定められた割引率が表示されてもよい。割引率は、期限情報画像231にサービス内容及び残り時間と併せて、例えば「10%値引き中:残り300秒」のように表示される。
【0046】
また、サービス状況管理システム1は、サービス状況伝達処理においてサービスの有効期限が経過すると(ステップS5のYes)、期限情報画像231の期限情報を消去したり、期限情報画像231に例えば「予約サービス終了」と表示したりする(ステップS8)。このため、サービス状況管理システム1を利用するサービス提供施設ではサービス提供者(従業員や店主)が例えばサービスの有効期限の経過を把握したり、サービスの有効期限が経過したらサービス物体を片付けるといったサービスの有効期間を管理する作業をする必要がなく、本来の業務に集中することができる。例えば、テーブルに予約済みの札を置いてカメラで写して外から該カメラが写した画像を閲覧させるといった方法では、予約をした来場予定者が現れないままサービス提供者がその札を放置してしまうと、該画像を閲覧している潜在来場者を獲得できないという問題があった。これに対し、サービス状況管理システム1は、前の予約サービスの有効期間が終了していることを伝達画像に表示して潜在来場者に伝達可能であるので、潜在来場者に対して新たな予約サービスが受付け可能であることを伝達することができる。このため、サービス状況管理システム1は予約サービスの利用を促進させて、サービス提供施設が新たに予約サービスを利用する来場予定者を獲得する機会を増加させることができる。このように、サービス状況管理システム1は、施設側における作業負荷を増加させることなく、潜在来場者に対するサービス状況の伝達や施設側におけるサービス状況の管理の精度を向上させることができる。
【0047】
また、サービス状況管理システム1には、例えば端末装置100から予約サービスの利用の要求を受け付ける予約受信部が設けられていてもよい。端末装置100から予約サービスの利用要求が送信されると、予約受信部は例えばサービス提供者が携帯している端末装置に予約サービスの利用要求があった旨の通知を行う。該通知を確認したサービス提供者は、予約サービスに紐づけられたサービス物体(サービス物体131,133)を所定のテーブルに配置する。これにより、予約サービスの有効期間が開始される。
【0048】
(サービス物体の検出方法)
ここで、本実施形態によるサービス状況管理システム1において、物体検出部15が撮影画像からサービス物体を検出する際(ステップS2)の検出方法の一例について説明する。
【0049】
物体検出部15が、撮影部11の撮影した撮影画像においてサービス物体を検出する際は、画角の全面にサービス物体が写る場合を想定して探索対象となる画像(サービス物体の画像)の最大サイズを決め、想定されるカメラ(撮影部11)とサービス物体との最大距離や画像解像度に応じて探索対象となる画像の最小サイズを決める。しかし、撮影する度に最大サイズから最小サイズまで全ての探索サイズで画角全面を探索していては、検出処理の速度が遅くなったり誤検出が発生したりするおそれがある。
【0050】
そこで、例えば新規にサービス状況管理システム1を設置する時やサービス提供施設内においてテーブルやソファ等のレイアウト変更を行った時は、サービス提供施設内の全ての設備にそれぞれサービス物体を設置して、1回だけ、最大サイズから最小サイズまで全ての探索サイズを全ての領域で探索する初期化処理を行う。これにより、画角内において物体検出部15が探索しなくてもよいエリア(天井、壁、通路など)が特定できる。一方、撮影部11が撮影する撮影画像に写る物体は、撮影部11に近ければ大きく写り、離れれば小さく写る。このため、物体検出部15がサービス物体の検出にあたり探索すべきエリアを分割すれば、この分割されたエリアごとに検出対象のおおよその探索サイズが決まる。このような探索サイズ決定処理を行うことで、撮影画像の画角の全領域に対して全ての探索サイズでサービス物体を探索する必要がなくなる。このため、2回目以降のサービス状況伝達処理における物体検出部15におけるサービス物体の探索速度を上げて探索時間を短縮すること及びサービス物体の検出精度を上げることができる。
【0051】
(期限解除処理)
次に、
図6を用いて本実施形態によるサービス状況管理システム1がサービス状況伝達処理(
図4参照)のステップS10において実行する期限解除処理について説明する。
図6は、期限解除処理の流れの一例を示すフローチャートである。期限設定部16は、物体検出部15からサービス物体が検出されなかった旨の情報(未検出情報)が期限設定部16に入力されたこと(ステップS2のNo)に基づいて期限解除処理を実行する。
【0052】
(ステップS10−1)
ステップS10−1において、期限設定部16は、サービスの有効期限が設定済みか否かを判定する。サービスの有効期限が設定済みか否かはステップS3(
図4参照)の処理と同様に所定の記憶領域にサービスの有効期限時刻が記憶されているか否かで判定する。期限設定部16は、所定の記憶領域に有効期限時刻が記憶されており、サービスの有効期限が設定済みであると判定するとステップS10−2の処理に移る。一方、期限設定部16は、所定の記憶領域に有効期限時刻が記憶されておらず、サービスの有効期限が設定済みでないと判定するとステップS10−2以降の処理を実行せずに期限解除処理を終了してサービス状況伝達処理に戻る。
【0053】
(ステップS10−2)
ステップS10−2において、期限設定部16は、現在時刻が解除猶予時刻を経過しているか否かを判定する。現在時刻は、ステップS5と同様に処理用コンピュータ上の現在時刻を用いる。また、本例において解除猶予時刻とは、所定の記憶領域に記憶されているサービスの有効期限時刻に解除猶予時間を加算した時刻をいう。ここで、解除猶予時間について説明する。
【0054】
(解除猶予時間)
サービス提供施設内には多くの人や物体が存在する。このため、撮影部11(カメラ)とサービス物体の間に遮蔽物が割り込む等して、撮影画像内にサービス物体が写らず、サービスの有効期間内であるにも関わらず物体検出部15がサービス物体を検出できない場合も起こり得る。このような場合に、サービス提供者(従業員や店主)がサービスの有効期間を強制的に終了させるべくサービス物体を撤去したものとみなして期限を解除してしまうと、遮蔽物がなくなってサービス物体が再び検出されたときにサービスの有効期限が再度設定し直され、サービスの有効期限が意図せず延期されてしまうことになる。このような事態を防止するため、本実施形態によるサービス状況管理システム1では解除猶予時間を設けている。サービス状況管理システム1は、物体検出部15によりサービス物体が検出されなくてもすぐには期限を解除せず、解除猶予時刻(サービス物体が最後に検出された時刻+解除猶予時間)が経過した場合にサービスの有効期限を解除する(後述するステップS10−3の処理)。これにより、サービス状況管理システム1はサービス提供施設が意図しないサービスの有効期限の延期を防止することができる。
【0055】
本例では、解除猶予時間は予め設定された時間(例えば、3分)である。例えば、物体検出部15によってサービス物体が最後に検出された時刻が10時10分であるとすると、解除猶予時刻は10時13分(=10時10分+3分)となる。なお、サービス物体が最後に検出された時刻は、例えばステップS2(
図4参照)で物体検出部15が出力した検出情報に基づいて、例えばステップS9(
図4参照)の処理において所定の記憶領域に記憶すればよい。この機能はサービスの有効期限が経過しているにもかかわらずサービス物体が放置されるケースでも有効である。想定される放置時間と同じかそれ以上の時間を解除猶予時間に設定すればよい。期限設定部16は、解除猶予時刻が経過していると判定すると、ステップS10−3の処理に移る。一方、期限設定部16は、解除猶予時刻が経過していないと判定すると、ステップS10−4の処理に移る。
【0056】
(ステップS10−3)
ステップS10−3において、期限設定部16は、サービスの有効期限を解除してステップS10−4の処理に移る。サービスの有効期限を解除するとは、具体的には所定の記憶領域に記憶されているサービスの有効期限時刻の値及び期限情報の値をリセットすることである。これにより、サービス状況伝達処理(
図4参照)において、物体検出部15により改めてサービス物体が検出されると(ステップS2のYes)、期限設定部16によりサービスの有効期限が設定されていない、すなわちサービス物体が初めて検出されたと判定され(ステップS3のNo)、サービスの有効期限が再度設定される(ステップS4)。
【0057】
(ステップS10−4)
ステップS10−4において、画像生成部17は、期限領域203(
図3参照)において期限情報(本例では有効期間の残り時間)を消去してステップS10−5の処理に移る。期限情報を消去するとは、ステップS8と同様に、例えば、期限領域203が施設画像領域210に重なる場合は期限情報画像231のすべてを透明にすることをいい、期限領域203が施設画像領域210に重ならない場合は期限情報画像231を初期化する(例えば、単色で塗りつぶす)ことをいう。これにより、期限領域203において期限情報(本例では有効期間の残り時間等)が非表示となる。ステップS10−4において生成される期限情報画像231を有する伝達画像において施設画像201は、例えばサービス物体が遮蔽物(人と物を含む)によって覆われて撮影部11(カメラ)でとらえられない状態となっている点で、
図3及び
図5に示す施設画像201と異なる。また、サービス提供者(従業員や店主)により、サービス物体が撮影部11で撮影されるサービス提供施設内の領域から取り去られたことで、サービス物体が撮影部11(カメラ)でとらえられない状態となっている場合もある。
【0058】
図7は、ステップS10−4において生成される期限情報画像231が表示された伝達画像200cの一例を示す図である。
図7に示すように、施設画像201cにおいてサービス物体が人物αによって遮蔽されている。また、期限領域203では期限情報画像231が透明とされることで非表示になっている。
【0059】
(ステップS10−5)
図6に戻って、ステップS10−5において伝達画像送信部19は、インターネットを介して潜在来場者の端末装置100に伝達画像200を送信する。伝達画像200は、施設画像201を表示する施設画像領域210と期限情報画像231を表示可能な期限領域203とを有する画像である。
【0060】
このように、サービス状況管理システム1は、サービス状況伝達処理(
図4参照)のステップS2において物体検出部15によりサービス物体が検出されない場合も、期限解除処理(特にステップS10−1からステップS10−3の処理)を実行することによりサービスの有効期限の解除を実行することができる。また、サービス状況管理システム1は、解除猶予時刻を経過していること(ステップS10−2のYes)を期限解除処理におけるサービスの有効期限の解除の条件としている。これにより、サービス提供施設が意図しないサービスの有効期限の延期を防止することができる。
【0061】
具体的には、
図3、
図5及び
図7を用いて説明したように、本実施形態によるサービス状況管理システム1において画像生成部17は、サービスの有効期限が経過しているか否か、またサービス物体が物体検出部15により検出されているか否かに応じて自動的に異なる期限情報画像231を生成する。これにより、サービス状況管理システム1では、サービス提供者(従業員や店主)が煩雑な処理を行わなくても、サービス状況を正確に潜在来場者に伝達することができる。このように、サービス状況管理システム1は、施設側における作業負荷を増加させることなく、潜在来場者に対するサービス状況の伝達や施設側におけるサービス状況の管理の精度を向上させることができる。
【0062】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態によるサービス状況管理システムについて説明する。本実施形態によるサービス状況管理システムは、伝達画像を外部の端末装置(例えば端末装置100)に送信するサービス状況伝達処理(
図4参照)が第1実施形態と異なる以外は、第1実施形態によるサービス状況管理システム1と同一の構成及び同一の作用効果を有する。このため、以下、本実施形態によるサービス状況管理システム及びサービス状況管理システムの構成要素について、
図1に示すサービス状況管理システム1と同一の符号を用いて説明する。
【0063】
ここで、
図8を用いて本実施形態によるサービス状況伝達処理の一例を説明する。
図8は、本実施形態におけるサービス状況伝達処理の流れの一例を説明するフローチャートである。
図8では、本実施形態におけるサービス状況伝達処理において上記第1実施形態と同様の処理を行うステップには
図4に示すサービス状況伝達処理のフローチャートと同一の符号を付し、説明は省略する。
【0064】
図8に示すように、サービス状況伝達処理が開始されると、撮影部11が施設内を撮影した撮影画像を物体検出部15および画像生成部17に出力し(ステップS1)、物体検出部15は、ステップS2−1の処理を実行する。
【0065】
(ステップS2−1)
ステップS2−1において物体検出部15は、撮影画像にサービス物体(
図2に示すサービス物体131,133,135の何れか)が含まれているか否かを探索する。物体検出部15は、撮影画像にサービス物体が含まれていると判定すると、ステップS20の処理に移る。一方、物体検出部15は、撮影画像にサービス物体が含まれていないと判定するとサービス物体131,133,135が検出されなかった旨の情報(未検出情報)を期限設定部16へ出力する。未検出情報が入力されると、期限設定部16はステップS10の期限解除処理を実行する。本実施形態において実行される期限解除処理は、上記第1実施形態で実行される期限解除処理(
図5参照)と同じ処理である。
【0066】
(ステップS20)
ステップS20において物体検出部15は、バーコード読み取りソフトウェア(例えば「ZBAR」)を用いて、サービス内容が「予約」であるサービス物体131,133を検出したと判定すると、サービス物体の現在の位置を示す情報(現在位置情報)を検出情報に加えて期限設定部16へ出力し、期限設定部16は続くステップS3において有効期限が設定済みであると判定した場合はステップS21の処理に移る。一方、物体検出部15はサービス内容が「予約」であるサービス物体131,133が検出されなかったと判定すると、ステップS3以降の処理を実行せずにサービス状況伝達処理を終了する。
【0067】
(ステップS21)
ステップS21において、期限設定部16は、撮影画像におけるサービス物体の位置が前回のサービス状況伝達処理時のサービス物体の位置(前回位置)からずれているか否かを判定する。前回位置に関する情報は、前回位置情報として処理部10(
図1参照)が展開されている処理用コンピュータ上の所定の記憶領域に記憶されている。サービス物体が検出されなかったときは、この前回位置情報は更新されずに保持される。また、サービス状況管理システム1の起動時には、前回位置情報として例えば施設画像201の領域の外の座標が設定される。期限設定部16は、物体検出部15から入力された検出情報に含まれるサービス物体の位置情報(現在位置情報)と前回位置情報とを比較し、両者が一致していない、すなわち現在位置情報に含まれるサービス物体の位置と前回位置情報に含まれるサービス物体の位置とにずれがあるかを判定する。期限設定部16は、現在位置情報に含まれるサービス物体の位置と前回位置情報に含まれるサービス物体の位置とにずれがあると判定すると、ステップS4の処理(サービスの有効期限の設定)に移る。これにより、サービス物体の位置がずれたことに基づいて、サービスの有効期限の再設定が実行される。一方、期限設定部16は、現在位置情報と前回位置情報とが一致しておりずれがないと判定すると、ステップS5の処理に移る。
【0068】
(ステップS23)
画像生成部17がステップS7またはステップS8の処理を実行すると、次いで期限設定部16は、ステップS23の処理を実行する。
ステップS23において、期限設定部16は、現在位置情報の内容で前回位置情報を更新する。これにより、現在のサービス物体の位置情報が所定の記憶領域に記憶され、次回のサービス状況伝達処理においてサービス物体の位置のずれの有無の判定に用いることができる。ステップS23の処理が終了すると、ステップS9において伝達画像送信部19が伝達画像を端末装置(例えば端末装置100)へ送信して、サービス状況伝達処理が終了する。
【0069】
以上説明したように、本実施形態におけるサービス状況伝達処理では、サービス提供施設における予約サービスの提供時において、サービス物体の位置が前回のサービス状況伝達処理時とずれたことにより(ステップS21のYes)、サービスの有効期限の再設定が実行される(ステップS4)。
【0070】
これにより、例えばサービス提供施設のサービス提供者(従業員や店主)は、サービス物体を現在置かれているテーブル(テーブルA)の隣のテーブル(テーブルB)に移動させるだけで、新たにテーブルBについて予約サービスを開始することができる。また、テーブルAについての予約サービスの有効期間が経過する前に、テーブルAについてのサービス有効期間を再設定したい場合等には、テーブルA上においてサービス物体の位置を移動させればよい。このように、本実施形態によるサービス状況管理システム1は、サービス提供施設において容易に予約サービスの有効期限の再設定を実行することができる。
【0071】
また、本実施形態によるサービス状況管理システム1において、サービス物体の現在位置と前回位置とのずれが予め定められた誤差範囲内であれば、ステップS21においてサービス物体が移動されていないと判定してもよい。これにより、サービス提供施設内における物や人の移動に伴う振動等でサービス物体の位置がずれた場合に、意図せずにサービスの有効期限が再設定されてサービスの有効期限が延期されることを防止することができる。
【0072】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態によるサービス状況管理システムについて説明する。本実施形態によるサービス状況管理システムは、伝達画像を外部の端末装置(例えば端末装置100)に送信するサービス状況伝達処理(
図4参照)が第1実施形態と異なる以外は、第1実施形態によるサービス状況管理システム1と同一の構成及び同一の作用効果を有する。このため、以下、本実施形態によるサービス状況管理システム及びサービス状況管理システムの構成要素について、
図1に示すサービス状況管理システム1と同一の符号を用いて説明する。
【0073】
ここで、
図9を用いて本実施形態によるサービス状況伝達処理の一例を説明する。
図9は、本実施形態におけるサービス状況伝達処理の流れの一例を説明するフローチャートである。
図9では、本実施形態におけるサービス状況伝達処理において上記第1実施形態と同様の処理を行うステップには
図4に示すサービス状況伝達処理のフローチャートと同一の符号を付し、説明は省略する。
【0074】
図9に示すように、サービス状況伝達処理が開始されると、撮影部11が施設内を撮影した撮影画像を物体検出部15に出力し(ステップS1)、物体検出部15は、ステップS2−1の処理を実行する。
【0075】
(ステップS2−1)
ステップS2−1において物体検出部15は、上記第2実施形態におけるのと同様に、撮影画像にサービス物体(
図2に示すサービス物体131,133,135の何れか)が含まれているか否かを探索する。物体検出部15は、撮影画像にサービス物体が含まれていると判定すると、ステップS30の処理に移る。一方、物体検出部15は、撮影画像にサービス物体が含まれていないと判定するとサービス物体131,133,135が検出されなかった旨の情報(未検出情報)を期限設定部16へ出力する。期限設定部16は未検出情報が入力されると、ステップS10の期限解除処理を実行する。本実施形態において実行される期限解除処理は、上記第1実施形態で実行される期限解除処理(
図5参照)と同じ処理である。
【0076】
(ステップS30)
ステップS30において物体検出部15は、サービス内容が「割引」であると判定すると、サービス物体の現在の位置を示す情報(現在位置情報)を検出情報に加えて期限設定部16へ出力し、期限設定部16はステップS3の処理に移る。一方、物体検出部15はサービス内容が「割引」であるサービス物体135が検出されなかったと判定すると、ステップS3以降の処理を実行せずに、サービス状況伝達処理を終了する。
【0077】
期限設定部16は、ステップS3においてサービスの有効期限時刻が設定済みでないと判定すると(ステップS3のNo)、ステップS4でサービスの有効期限を設定し、ステップS31の処理に移る。一方、期限設定部16は、ステップS3においてサービスの有効期限時刻が設定済みであると判定すると(ステップS3のYes)、ステップS32の処理に移る。
【0078】
(ステップS31)
ステップS31において期限設定部16は、サービス物体の現在位置情報の内容を処理用コンピュータ上の所定の記憶領域に登録してステップS7の処理に移る。これにより、割引サービス有効期間において、サービス物体が割引サービスの開始時の位置からずれたか否かを判定することができる。
【0079】
(ステップS32)
ステップS32において期限設定部16は、ステップS21(
図8参照)と同様に撮影画像におけるサービス物体の位置が前回のサービス状況伝達処理時のサービス物体の位置(前回位置)からずれたか否かを判定する。期限設定部16は、物体検出部15から入力された検出情報に含まれるサービス物体の位置情報(現在位置情報)と前回位置情報とを比較し、両者が一致していない、すなわち現在位置情報に含まれるサービス物体の位置と前回位置情報に含まれるサービス物体の位置とにずれがあるか否かを判定する。期限設定部16は、現在位置情報に含まれるサービス物体の位置と前回位置情報に含まれるサービス物体の位置とにずれがあると判定すると、ステップS33の処理に移る。一方、期限設定部16は、現在位置情報と前回位置情報とが一致しており、前回のサービス状況伝達処理から今回のサービス状況伝達処理までの間にサービス物体がずれていないと判定すると、ステップS5の処理に移る。
【0080】
(ステップS33)
ステップS33において期限設定部16は、サービスの有効期間が経過しているか否かに関わらず、ステップS10−3(
図6参照)と同様に、サービスの有効期限を解除すべく、所定の記憶領域に記憶されているサービスの有効期限時刻の値及び期限情報の値をリセットし、ステップS8の処理に移る。これにより、サービス物体の位置がずれたことに基づいて、割引サービスが終了される。
【0081】
以上説明したように、本実施形態におけるサービス状況伝達処理では、サービス提供施設における割引サービスの提供開始時にサービス物体の位置を登録しておき(ステップS31)、サービス有効期間内においてサービス物体の位置がずれたことにより(ステップS32のYes)、サービスの有効期限を解除して割引サービスを終了する。
【0082】
このように、本実施形態によるサービス状況管理システム1は、サービス物体の位置のずれが検知された場合に割引サービスを無効にする。具体的には、本実施形態によるサービス状況管理システム1は、サービス物体の移動が検知される第2実施形態のようにサービスの有効期限を再設定せずに、サービスの有効期限に関わらずサービスを終了させる。これにより、本実施形態によるサービス状況管理システム1は、いたずら等によって割引サービスに紐づけられたサービス物体が移動された場合に、サービス提供施設側の意図によらずに割引サービスの有効期限が延期されることや、サービス提供者でない悪意の第三者が偽のサービス物体を持ち込んだことで偽の割引サービスが開始されることを防止することができる。
【0083】
(第3実施形態の変形例)
また、本実施形態によるサービス状況管理システム1は、起動される度に割引サービスに紐づけられたサービス物体の位置情報をリセットして再登録するように構成されていてもよい。例えば、サービス提供施設の営業開始後に最初に割引サービスの有効期限が設定される(ステップS4)際のみにサービス物体の位置登録処理(ステップS31)を実行するようにしてもよい。これにより、営業開始後最初に配置された位置からサービス物体の位置がずれたか否かに基づいて割引サービスを終了させることができ、いたずら等によってサービス提供施設側の意図によらずに割引サービスの有効期限が延期されることをより確実に防止することができる。なお、サービス物体の位置情報を登録するタイミングは起動される度に限られず、タイマーを用いて日、週、月、年ごととしてもよい。また、位置情報を登録する際はサービス物体を初めて検出した時刻とサービスの開始時刻に時間差を設け、その時間差においてサービス物体の位置が安定したか否かを判定してもよい。
【0084】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態によるサービス状況管理システムについて説明する。本実施形態によるサービス状況管理システムは、システムの構成要素として背景画像登録部41を有する点でサービス状況管理システム1と異なる。また、本実施形態によるサービス状況管理システムでは、背景画像登録部41を有することにより、サービス状況伝達処理(
図4参照)のステップS9で送信される伝達画像における施設画像が第1実施形態によるサービス状況管理システム1と異なる。ただし、これらの点以外は第1実施形態によるサービス状況管理システム1と同一の構成及び同一の作用効果を有する。したがって、以下、本実施形態によるサービス状況管理システム及びサービス状況管理システムの構成要素について、
図1に示すサービス状況管理システム1と同一の機能・作用を奏する構成要素には同一の符号を付してその説明は省略する。
【0085】
ここで、
図10及び
図11を用いて本実施形態によるサービス状況管理システムについて説明する。
図10は、本実施形態によるサービス状況管理システム2を説明するための構成図である。
【0086】
サービス状況管理システム2は、サービス物体が含まれないサービス提供施設内の画像を背景画像として予め登録する背景画像登録部41を備える。本実施形態において背景画像は、撮影される画角の中にサービス物体がないことをサービス提供者によって確認された状態で、撮影部11によって予め撮影されたサービス提供施設内の静止画像である。背景画像登録部41は、物体登録部13と同様に処理用コンピュータにおけるメモリ等の所定の記憶領域である。また、サービス状況管理システム2は、撮影部11によって一定期間に撮影された複数枚の撮影画像において変化のない画素をサービス物体に含まれない画素と判定し、該画素で背景画像登録部41に登録されている背景画像における対応する画素を置き換えてもよい。この背景画像の更新は、サービス提供者による確認なしで自動的に行われる。
【0087】
図11は、本実施形態における施設画像の生成方法の一例について説明する図である。本例における施設画像は、サービスの有効期限が経過した場合における施設画像である。
図11(a)は、背景画像登録部41に登録されている背景画像の一例を示す図である。背景画像401は、例えば、サービス提供施設の営業時間外等において客がおらずサービス物体が配置されていない状態のサービス提供施設内を撮影した画像である。
図11(b)は、サービス状況伝達処理(
図4参照)のステップS1において撮影される撮影画像の一例を示す図である。背景画像401は、撮影画像402と同じ位置から同じ画角で施設内を撮影した画像である。このため、背景画像401の構図は撮影画像402と同様である。
【0088】
図11(c)は、本実施形態における施設画像(サービスの有効期限が経過した場合の施設画像)の一例を説明する図である。本実施形態において施設画像201dは、背景画像401と撮影画像402とを組み合わせて生成される。より具体的には、画像生成部17は、物体検出部15がサービス物体を検出し(ステップS2のYes)且つサービスの有効期限が経過していると期限設定部16が判定した場合(ステップS5のYes)に、撮影画像402においてサービス物体が位置する領域402s(
図11(b)参照)を背景画像401における同位置の領域401sの画像で置き換えた画像を施設画像201dとして生成し、施設画像領域210に表示する。施設画像201dは、例えばステップS9(
図4参照)において伝達画像を送信する直前に生成される。また、画像生成部17は、ステップS8(
図4参照)の処理で、期限領域203に表示する期限情報画像231において期限情報を消去する。このようにして、本実施形態によるサービス状況管理システム2では、サービス物体及び期限情報が非表示の状態の伝達画像200dが潜在来場者の端末装置100へ送信される。本例の伝達画像200dでは施設画像201dにおいてサービス物体が非表示になるので、期限領域203にサービスの有効期限が経過したことを明示する文字列画像「予約サービス終了」を表示する必要はない。本例では、画像生成部17における伝達画像200dの生成とは施設画像201d及び期限情報画像231の生成をいう。
【0089】
これにより、本実施形態によるサービス状況管理システム2は、潜在来場者に対してサービスの有効期間が終了している状況を、あたかもサービスが行われていなかったがごとく、より明確に伝達することができ、予約サービスにおいては大変有効である。
【0090】
(第4実施形態の変形例1)
本実施形態によるサービス状況管理システム2において送信される伝達画像は伝達画像200dに限られない。ここで、
図12を用いて第4実施形態の変形例1において生成される伝達画像200eについて説明する。
【0091】
図12は、本変形例における施設画像の生成方法の一例について説明する図である。
図12(a)は、
図11(a)で図示したのと同様の背景画像401を示す図である。
図12(b)は、
図11(b)に示すのと同様の構図で撮影された撮影画像402を示す図である。
図12(b)では、背景画像401に含まれず撮影画像402に含まれる画像、すなわち撮影画像402と背景画像401との差分の画像を前景画像420(420a,420b,420c,420d)として図示している。ここで、前景画像420には、サービス物体の画像である前景画像420aと、サービス物体以外の移動体の画像である前景画像420b,420c,420dとが含まれる。前景画像420b,420c,420dは、例えばサービス提供施設に来場している来場者の所有物等であって、テーブルや座席に放置することによってそのテーブルや椅子が予約されていることをアピールすることに用いられる物体の画像である。また、
図12(b)では図示しないが、前景画像420にはサービス提供施設にいる人物(来場者や従業員等)も含まれる。また、
図12(c)は、本変形例におけるサービスの有効期限が経過していない場合の伝達画像200eの一例を示す図である。
【0092】
本変形例において、画像生成部17は、ステップS9(
図4参照)において伝達画像を送信する直前に、撮影画像402と背景画像401との差分の画像である前景画像420のデータから輪郭線を表すデータを抽出する。例えば画像生成部17は、前景画像420における隣接する画素同士の明度や色相の差分を計算し、ある閾値を超えた画素の連なりを輪郭線として抽出する。本例では、撮影画像402に人物が含まれないが、撮影画像402に人物が含まれる場合、撮影画像402に含まれる物体、人物全てが輪郭線として抽出される。また、撮影画像402の輪郭線と背景画像401の輪郭線との差分をとっても同様に前景画像420の輪郭線が得られる。あるいは、撮影画像402と背景画像401との差分を予め決められた閾値を以て1か0に振り分けたマスク画像を生成し、撮影画像402の輪郭線をマスク処理することでも前景画像420の輪郭線が得られる。
【0093】
次に、画像生成部17は、撮影画像402と背景画像401との差分の画像である前景画像420の輪郭線を背景画像401に上書きした画像を、施設画像領域210に表示する施設画像201eとして生成する。
図12(c)に示すように、伝達画像200eでは、サービスの有効期限が経過しているか否かに関わらず、施設画像領域210において、
図12(b)に示す前景画像420(前景画像420a,420b,420c,420d)がそれぞれ輪郭線画像421(輪郭線画像421a,421b,421c,421d)として背景画像401に上書きされて施設画像201eを構成している。また、施設画像201eにおける輪郭線画像421のそれぞれは、撮影画像402において前景画像420それぞれが写っている領域と同位置に該当する背景画像401上の領域に上書きされている。また、サービスの有効期限が経過していない場合の伝達画像200eでは
図3に示すのと同様に、期限情報(本変形例では残り時間)を表示した期限情報画像231が期限領域203に表示されている。本変形例では、画像生成部17における伝達画像200eの生成とは施設画像201e及び期限情報画像231の生成をいう。
【0094】
このようにして、本変形例によるサービス状況管理システム2では、前景画像420の輪郭線が背景画像401に上書きされた施設画像201eを表示する施設画像領域210と期限情報画像231が表示された期限領域203とを有する伝達画像200eが潜在来場者の端末装置100へ送信される。本変形例によるサービス状況管理システム2は、撮影画像402に含まれる物体や人物を線画で描いているので、所有物や顔等からサービス提供施設にいる人物を特定することができない。したがって、サービス提供施設にいる人物、特に来場者のプライバシーを保護することができる。また、上述したように、本発明においてサービス状況管理システム1はサービス状況伝達処理を例えば1秒間に4回、すなわち0.25秒間隔で実行する。したがって、伝達画像も0.25秒間隔で端末装置100へ送信される。これにより、端末装置100の表示部101にはサービス提供施設にいる人物の動作がコマ送り状態で表示されるので、動作(歩行の態様やしぐさ等)によって人物を特定することもできず、より確実に来場者のプライバシーを保護することができる。
【0095】
従来のシステム(例えば特許文献1に記載の発明)では、カメラで撮影した現在の所定施設(飲食店等)の画像と事前に撮影された該施設の画像(背景画像)とを用い、それらの差分である前景の輪郭線を該背景画像に上書きした画像を生成し、該画像によってプライバシーを侵害することなく、所定施設の混雑状況をネットワークで繋がる端末装置に表示していた。このようなシステムによれば、例えば飲食店のテーブルの上にカバンや帽子が放置された状況をカメラで撮影して端末装置に送信することで、該テーブルが予約済みであるという状況を端末装置のユーザ(画像の閲覧者)に伝達することができる。しかしながら、本実施形態によるサービス状況管理システム2によれば、プライバシーを保護しながら、さらにサービス提供施設において提供されるサービス内容やサービスの有効期間を伝達する伝達画像を端末装置100に送信することができる。これにより、サービス状況管理システム2によれば、従来のシステムよりも潜在来場者に対するサービス状況の伝達や施設側におけるサービス状況の管理の精度を向上させることができる。
【0096】
また、画像生成部17は、期限設定部16がサービスの有効期限が経過していると判定した場合に、ステップS8(
図4参照)において、
図12(c)に示す伝達画像200eの期限領域203に表示されている期限情報画像231から期限情報を消去したり、例えばサービスの有効期限が経過したことを明示する文字列画像「予約サービス終了」を表示したりして、サービスの有効期限の経過を示す伝達画像を生成してもよい。
【0097】
(第4実施形態の変形例2)
次に、
図4及び
図12を参照しつつ
図13を用いて第4実施形態の変形例2において生成される施設画像201fについて説明する。
図13は、本変形例における施設画像201fと期限情報画像231の一例を示す図である。本変形例の施設画像201fは、サービスの有効期限が経過している場合の施設画像である。
【0098】
本変形例において画像生成部17は、上記変形例1と同様に背景画像401と
図12(b)に示す撮影画像402とを用いて前景画像420の輪郭線を抽出し、背景画像401に上書きして施設画像201fを生成する。しかしながら、本変形例において、物体検出部15がサービス物体を検出し(ステップS2のYes)且つサービスの有効期限が経過していると期限設定部16が判定した場合(ステップS5のYes)には、画像生成部17は、施設画像201fの生成時において前景画像420に含まれるサービス物体の輪郭線(輪郭線画像421a)を背景画像401に上書きしない。本変形例において施設画像201fは、例えばステップS9(
図4参照)において伝達画像を送信する直前に生成される。こうして、本変形例では、
図13に示すようにサービス物体の輪郭線である輪郭線画像421a(
図12(c)参照)を除く輪郭線画像421b,421c,421dが上書きされた施設画像201fを表示する施設画像領域210と期限情報が消去された期限情報画像231を表示する期限領域203とを有する伝達画像200fが潜在来場者の端末装置100へ送信される。本変形例では、画像生成部17における伝達画像200fの生成とは施設画像201fと期限情報画像231の生成をいう。
【0099】
これにより、本変形例によるサービス状況管理システム2は、来場者のプライバシーを保護しつつ、潜在来場者に対してサービスの有効期間が終了している状況を、あたかもサービスが行われていなかったがごとく、より明確に伝達することができ、予約サービスにおいては大変有効である。
【0100】
(第4実施形態の変形例3)
次に、
図4及び
図12を参照しつつ
図14を用いて第4実施形態の変形例3において生成される施設画像201gについて説明する。
図14は、本変形例における施設画像201gの一例を示す図である。
【0101】
本変形例において画像生成部17は、上記変形例1と同様に背景画像401と
図12(b)に示す撮影画像402とを用いて前景画像420の輪郭線を抽出し背景画像401に上書きして施設画像201gを生成する。しかしながら、本変形例において、物体検出部15がサービス物体を検出し(
図4のステップS2のYes)且つサービスの有効期限が経過していないと期限設定部16が判定した場合(
図4のステップS5のNo)には、画像生成部17は、施設画像201gの生成時においてサービス物体の前景画像(前景画像420a)を背景画像401に上書きし、サービス物体の輪郭線(輪郭線画像421a)を背景画像401に上書きしない。本変形例において施設画像201gは、例えばステップS9(
図4参照)において伝達画像を送信する直前に生成される。こうして、本変形例では、
図14に示すように前景画像420aと輪郭線画像421b,421c,421dが上書きされた施設画像201gを表示する施設画像領域210と期限情報画像231を表示する期限領域203とを有する伝達画像200gが潜在来場者の端末装置100へ送信される。本変形例では、画像生成部17における伝達画像200gの生成とは施設画像201gと期限情報画像231の生成をいう。
【0102】
本変形例によるサービス状況管理システム2では、サービス物体が輪郭線ではなく撮影画像402に写ったままの状態で表示される。これにより、サービス物体の色や形が潜在来場者の端末装置100へ送信される。このため、サービス物体が色や形でサービス内容を示すパネル(例えば標識状パネル)等である場合に、潜在来場者は直感的に、現在サービス提供施設で提供されているサービス内容を把握することができる。前景画像420aの代わりに予め登録された別の画像に置き換えることもシステム上は可能であるが、端末装置100を用いて閲覧したユーザが実際に施設を訪れるとそこにはサービス物体が設置されているのであるから、前景画像420aを用いた方が該ユーザにとって違和感がない。
【0103】
以上、伝達画像が有する施設画像領域210に表示される施設画像の変形例を説明したが、施設画像の変形例は、上記変形例1から変形例3に限られない。施設画像は、撮影部11によって予め撮影された1つ以上の撮影画像及びサービス物体が検出された撮影画像が撮影された時刻を含み過去に撮影された1つ以上の撮影画像の少なくとも何れか一方から生成されてもよい。さらに、施設画像は、撮影部11が撮影した撮影画像を含まなくてもよい。施設画像は、例えば撮影部11以外のカメラによって撮影されたサービス提供施設内の画像であって、撮影部11が撮影した撮影画像の構図と同様の構図の画像で生成されてもよい。また、撮影画像に限らず、撮影部11が撮影した撮影画像の構図と同様の構図のスケッチやイラスト、模式図を用いて生成されてもよい。
【0104】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態によるサービス状況管理システムについて説明する。本実施形態によるサービス状況管理システムは、システムの構成要素として端末位置情報受信部51を有する点でサービス状況管理システム1と異なる。以下、本実施形態によるサービス状況管理システム及びサービス状況管理システムの構成要素について、
図1に示すサービス状況管理システム1と同一の機能・作用を奏する構成要素には同一の符号を付してその説明は省略する。
【0105】
ここで、
図15を用いて、本実施形態によるサービス状況管理システムについて説明する。
図15は、本実施形態によるサービス状況管理システム3を説明するための構成図である。
【0106】
サービス状況管理システム3は、処理部10において端末装置100から送信された端末装置100の位置情報を受信する端末位置情報受信部51を備える。端末装置100は、例えば割引サービスの有効期間内に初めて伝達画像の送信を要求する場合や、予約サービスの利用要求を行う場合等に現在の位置情報も合わせてサービス状況管理システム3に送信する。端末位置情報受信部51は、端末装置100から位置情報を受信すると、処理用コンピュータ上の所定の記憶領域に記憶する。割引サービスにおいては、端末装置100は、位置情報の送信時において例えば端末装置100のIPアドレスをユーザ識別情報として送信し、位置情報と合せて処理用コンピュータ上の所定の記憶領域に記憶してもよい。また、端末位置情報受信部51は端末位置情報を受信すると、端末装置100からサービス提供施設までの距離を算出して端末装置距離情報として処理用コンピュータ上の所定の記憶領域に記憶する。
【0107】
本実施形態において期限設定部16は、例えばステップS4(
図4参照)において予約サービスの有効期限を設定する場合に、端末位置情報受信部51が記憶した端末位置情報を取得する。これにより、期限設定部16は、サービス物体登録テーブル(
図2参照)に登録されている有効期間の長さと端末位置情報に基づいて、予約サービスの有効期限を設定することができる。例えば、期限設定部16は、サービス物体登録テーブルに登録された有効期間の長さと予め定められた端末位置調整時間とを合算した時間を検出時刻に加算して有効期限時刻を設定する。端末位置調整時間は、端末位置情報受信部51が算出した端末装置距離情報の値に応じて加算されるよう定められており、処理用コンピュータ上の所定の記憶領域に記憶されている。例えば、端末装置距離情報が100m増えるごとに端末位置調整時間に1分ずつ加算されるように設定されている。
【0108】
例えば、サービス物体登録テーブルに登録されている有効期間の長さが「5分」であるサービス物体131が物体検出部15により検出されており、端末位置情報受信部51が算出した端末装置距離情報の値が「300m」だとする。本例では、端末装置距離情報の値が「300m」の場合、対応する端末位置調整時間は1分×3=3分であるので、期限設定部16は、8分(=5分+3分)を検出時刻に加算してサービスの有効期限時刻を設定する。
【0109】
このように、本実施形態によるサービス状況管理システム3は、端末装置100の位置に応じて、端末装置100のユーザ(来場予定者)ごとに予約サービスの有効期間の長さを変更することができる。これにより、サービス状況管理システム3はサービス提供施設から離れた位置にいる潜在来場者を獲得する可能性を向上させることができる。
【0110】
また、本実施形態によるサービス状況管理システム3は、処理部10において端末装置100の位置に応じて割引サービスにおける割引率を設定する割引率設定部を備えていてもよい。本実施形態によるサービス状況管理システム3は、例えば割引サービスの有効期間内に端末装置100から伝達画像の送信要求があった場合に、割引率設定部において端末装置距離情報に基づいて端末位置調整割引率を設定する。端末位置調整割引率は、例えば端末位置情報受信部51が算出した端末装置距離情報の値の範囲に応じて定められており、処理用コンピュータ上の所定の記憶領域に記憶されている。例えば、端末装置距離情報が「300m」から「500m」未満の範囲に対応する端末位置調整割引率は「3%上乗せ」、端末装置距離情報が「500m」から「1000m」未満の範囲に対応する端末位置調整割引率は「5%上乗せ」、「1000m以上」の範囲に対応する端末位置調整時間は「10%上乗せ」のように設定されている。
【0111】
例えば、予め定められた割引率が「10%」であり、端末位置情報受信部51が算出した端末装置距離情報の値が「500m」だとする。本例では、端末装置距離情報の値が「500m」の場合、対応する端末位置調整割引率は「5%上乗せ」であるので、割引率設定部は、15%(=10%+5%)を端末装置100のユーザ(潜在来場者)が利用可能な割引率として設定する。ここで設定された割引率は、端末位置調整割引率の算出に用いられた端末位置情報の送信元の端末装置100にのみ適用される。このため、本例では端末装置100それぞれに対して、端末位置情報に応じた割引率が期限情報画像231(
図3参照)内に表示された伝達画像が送信される。すなわち、潜在来場者ごとに異なる割引率が設定される。端末装置100のユーザは、例えばスマートフォンのスクリーンショット機能を用いて、該伝達画像のコピーを端末装置100に保存して割引サービスを受けた証とすることができる。端末装置100のユーザがサービス提供施設に近づくと表示される割引率は10%に減ってしまうが、該伝達画像のコピー(例えば、割引率として15%が表示された伝達画像のスクリーンショット)をサービス提供施設のサービス提供者(従業員や店主)に提示すれば、該伝達画像のコピーに表示された割引率が適用される。
【0112】
このように、本実施形態によるサービス状況管理システム3は、端末装置100の位置に応じて、端末装置100のユーザ(潜在来場者)ごとに割引サービスにおける割引率を変更することができる。これにより、サービス状況管理システム3は、潜在来場者の来場意欲を向上させて、サービス提供施設から離れた位置にいる潜在来場者を獲得する可能性を向上させることができる。
【0113】
また、本実施形態によるサービス状況管理システム3には、所定の記憶領域において予め地図情報が登録されており、該地図情報と端末位置情報とに基づいて割引率が設定されるように構成されていてもよい。例えば、サービス状況管理システム3には、競合店舗が多く存在する地域の情報(特定エリア情報)が設定されており、割引率設定部は端末装置距離情報と地図情報とを連動させて、端末装置100の位置と特定エリア情報との位置関係に基づいて端末位置調整割引率を設定するように構成されていてもよい。例えば、上述の例では端末装置距離情報の値が「500m」の場合、対応する端末位置調整割引率は「5%上乗せ」である。ここでさらに、端末位置情報から割り出された端末装置100の位置が、特定エリア内の場合や、サービス提供施設への来場にあたって特定エリアを通過する地域である場合には、割引率設定部は端末位置調整割引率を例えば「10%」上乗せする。これにより、割引率設定部は、予め定められた割引率(10%)に端末位置調整割引率「15%」(=5%+10%)を加えた「25%」を端末装置100のユーザ(潜在来場者)が利用可能な割引率として設定する。なお、特定エリア情報に基づいて上乗せされる端末位置調整割引率は、10%に限られない。また、上乗せされる端末位置調整割引率は端末装置100の特定エリアからの距離等に対応付けて複数設定されてもよい。
【0114】
これにより、本実施形態によるサービス状況管理システム3は、特定エリア内またはサービス提供施設との間に特定エリアを挟む地域からの潜在来場者のサービス提供施設への来場意欲を向上させて、サービス提供施設が潜在来場者を獲得する可能性を向上させることができる。
【0115】
また、本実施形態によるサービス状況管理システム3において端末位置情報受信部51は、端末装置100が伝達画像の送信や予約サービスの利用の要求を行った時刻(アクセス時刻)を所定の記憶領域において記憶するように構成されていてもよい。期限設定部16は、アクセス時刻と端末位置情報とに基づいて予約サービスの有効期限時刻を設定してもよい。また、サービス状況管理システム3は、端末位置情報、アクセス時刻及びユーザ識別情報を処理用コンピュータや処理用コンピュータと接続されたサービス提供施設内の端末装置において閲覧可能に構成されていてもよい。この場合、割引サービスの有効期間内に端末装置100で伝達画像等を閲覧した来場者が割引サービスの有効期間後に来場したとしても、伝達画像のコピー(スクリーンショット)をユーザが提示することを要さず、アクセス時刻が割引サービスの有効期間内であることを確認して割引サービスを提供することができる。
【0116】
また、本実施形態によるサービス状況管理システム3において、割引率設定部は、処理部10でなく、処理用コンピュータと接続されたサービス提供施設内の端末装置(施設側端末装置)に設けられていてもよい。施設側端末装置には例えば非接触型ICカードの読み取り機能が設けられており、端末装置100のユーザが来場した際に端末装置100に内蔵された非接触型ICカードを施設側端末装置で読み取るとともに、処理用コンピュータの所定の記憶領域に記憶されている端末装置100の端末装置距離情報を取得して端末装置100の端末装置距離情報に応じた端末位置調整割引率を設定してもよい。
【0117】
また、本実施形態によるサービス状況管理システム3は、端末位置情報やアクセス時刻を端末装置100に保存するプログラムを端末装置100に配信する配信部を備えていてもよい。潜在来場者は事前に端末装置100でサービス状況管理システム3へアクセスし、配信部から該プログラムの配信を受ける。サービス状況管理システム3へのアクセス時の端末位置情報やアクセス時刻を端末装置100に保存しておくことにより、来場者は来場時において、例えば端末位置情報やアクセス時刻をサービス提供施設の従業員に提示してサービス(割引サービス等)を利用することができる。
【0118】
また、本実施形態によるサービス状況管理システム3は、時間帯別の来客履歴を記憶する来客履歴記憶部を備えていてもよい。来客履歴記憶部は、例えば物体登録部13と同様に処理用コンピュータにおけるメモリ等の所定の記憶領域である。割引率設定部は、来客履歴記憶部を参照して、来客が多い時間帯には予め定められた割引率の値から所定の値を減算して割引率を小さくし、来客が少ない時間帯には割引率の値に所定の値を加算して割引率を大きくしてもよい。
【0119】
(変形例)
本発明におけるサービス物体は、
図2に示したものに限られない。また、サービス物体登録テーブルは、サービス提供施設のサービス提供者(従業員や店主)が適宜サービス物体を追加登録可能に構成されていてもよい。例えば、サービス物体の追加登録の際には、追加対象のサービス物体を写真撮影し、撮影した物体の画像をサービス内容及び有効期間の長さとともにサービス物体登録テーブルに追加する。
【0120】
本発明におけるサービス物体に紐づけられるサービスは、予約サービスや割引サービスに限られない。サービス物体には、サービス提供施設が発案した独自のサービスが紐づけられてもよい。
【0121】
本発明において、例えば予約サービスに紐づけられたサービス物体は、サービス提供施設内に複数配置されてもよい。この場合、伝達画像には各サービス物体の近傍にそれぞれ期限領域が設けられ、各サービス物体に応じた期限情報を表す期限情報画像が表示される。これにより、本発明によるサービス状況管理システムは、伝達画像を通して複数のテーブルの予約サービスの状況を潜在来場者や来場予定者に伝達することができる。
【0122】
また、本発明において、サービス物体がサービス提供施設内に配置されていない期間もサービス提供施設内の状況を伝達する伝達画像が潜在来場者の所有する端末装置へ送信されてもよい。これにより、潜在来場者は、サービス提供施設内の混雑状況等(例えば、人がいないテーブルに座席確保のための所定物が放置されていないこと)を確認してからサービス提供施設へ来場することができる。
【0123】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態とその変形例について説明したが、本発明はかかる実施形態等に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、上記の各実施形態及び変形例は、矛盾しない範囲で適宜組合せることができる。