特許第6730575号(P6730575)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6730575
(24)【登録日】2020年7月7日
(45)【発行日】2020年7月29日
(54)【発明の名称】タイヤ交換装置
(51)【国際特許分類】
   B60C 25/05 20060101AFI20200716BHJP
【FI】
   B60C25/05
【請求項の数】3
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2019-91565(P2019-91565)
(22)【出願日】2019年5月14日
【審査請求日】2019年5月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000185916
【氏名又は名称】小野谷機工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100075557
【弁理士】
【氏名又は名称】西教 圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】三村 義雄
【審査官】 上谷 公治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−126512(JP,A)
【文献】 特公昭51−022225(JP,B1)
【文献】 実開昭58−025203(JP,U)
【文献】 実開昭60−087705(JP,U)
【文献】 実開平04−071303(JP,U)
【文献】 実開平07−035110(JP,U)
【文献】 特開平08−080715(JP,A)
【文献】 特開平11−059516(JP,A)
【文献】 特開2002−337522(JP,A)
【文献】 特開2014−052300(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 25/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤのビードが着座するリムと、ハブ孔が形成されたハブ部を有するディスク部とを備えたホイールであって、ホイールからタイヤを取り外す、またはホイールにタイヤを取り付けるためのタイヤ交換装置において、
前記ホイールの前記ハブ孔に嵌合して、前記ホイールを着脱可能に把持するチャック部と、
前記チャック部に連結され、前記チャック部を予め定める回転軸線まわりに回転させる回転駆動部と、
タイヤおよびホイールの少なくとも一方を、前記チャック部の側方で起立させた状態で保持する起立位置と、タイヤおよびホイールの少なくとも一方を、横倒しした状態で保持する横転位置とにわたって傾動可能な傾動保持体と、
前記傾動保持体を、前記起立位置から前記横転位置に向かう傾転方向、および、前記横転位置から前記起立位置に向かう起立方向に、水平な軸線まわりに角変位させる傾動駆動部と、
前記横転位置に配置された前記傾動保持体から供給されたタイヤおよびホイールの少なくとも一方を支持する昇降保持体であって、前記チャック部から上方に離間した位置で支持する上昇位置と、前記チャック部に支持されたタイヤおよびホイールの少なくとも一方から下方に離間した下降位置とにわたって昇降可能な昇降保持体と、
前記昇降駆動部を、前記上昇位置から前記下降位置に向かう下降方向、および、前記下降位置から前記上昇位置に向かう上昇方向に、移動させる昇降駆動部と、を含み、
前記傾動保持体および前記昇降保持体のそれぞれは、前記回転軸線に平行な軸線まわりに回転自在な複数のローラを有し、
前記傾動駆動部によって前記横転位置に配置された前記傾動保持体の各ローラと、前記昇降駆動部によって前記上昇位置に配置された前記昇降保持体の各ローラとは、共通な一平面を成す搬送面を形成することを特徴とするタイヤ交換装置。
【請求項2】
前記傾動保持体は、前記予め定める回転軸線を含む一平面に関して両側に、タイヤおよびホイールの少なくとも一方を起立させた状態で支持する一対の支持部材を有することを特徴とする請求項1に記載のタイヤ交換装置。
【請求項3】
前記傾動保持体と前記昇降保持体とは、前記水平な軸線まわり角変位自在に連結されていることを特徴とする請求項1または2に記載のタイヤ交換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バス、トラックなどの大型車両や普通乗用車などのホイールからのタイヤの取り外し、およびホイールへのタイヤの装着を行うために好適に実施することができるタイヤ交換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、バス、トラック、大型特殊自動車などの大型車両の車輪は、ホイールの外径が17.5インチ〜22.5インチと大きく、このようなホイールの外径に応じてタイヤの重量も大きくなり、人力によるタイヤ交換作業が困難であるため、タイヤをホイールに装着し、あるいはタイヤをホイールから離脱させる、タイヤチェンジャとも呼ばれるタイヤ交換装置が用いられている。
【0003】
このようなタイヤ交換装置は、工場の床などに設置される、平面視の形状が略長方形の基台と、基台の一側部に立設されるスタッドと、基台の他側部に搭載されるチャック装置と、スタッドの上端部に設けられ、タイヤをホイールに対して押圧して押込むタイヤ押込み装置と、ホイールに一旦嵌められたタイヤのビードがその弾性回復力によって、再びホイールから離脱しないように、タイヤの側部を押圧した状態でタイヤとともに回転するタイヤ回転補助装置とを備える。チャック装置は、水平な回転軸線まわりに回転駆動される主軸と、主軸の先端部に設けられ、ホイールを把持するチャック部とを備える。
【0004】
基台にはまた、該基台の両側部の間にわたって敷設される一対の案内軸と、各案内軸に沿って移動可能な移動台と、移動台に、起立させたタイヤが嵌り込むことができる水平方向に間隔をあけてほぼ平行に設けられる一対のビードローラと、タイヤまたはホイールを支持するタイヤ支持装置である受け台と、受け台を昇降駆動するための昇降装置とを備える。
【0005】
タイヤ取り外す場合、受け台が下限位置に配置された状態で、作業者によってホイール既着タイヤが受け台に乗載される。ホイール既着タイヤが乗載された受け台は、昇降装置によって上昇され、主軸およびチャック部の回転軸線上にホイールの中心軸線が配置されるように、受け台が高さ方向に位置決めされる。その後、チャック部がホイールのハブ孔に嵌合するまで移動台をチャック装置側へ移動させ、チャック部を拡開させることによって、ホイールがチャック部に把持され、ホイール既着タイヤが主軸に保持される。
【0006】
ホイール既着タイヤが主軸に保持されると、移動台をチャック装置からタイヤ押込み装置側へ移動させて、チャック装置側に配置される一方のビードローラがチャック装置側の一方のビードを側方から他方のリムに向かって押し込み、この状態で主軸をその回転軸線まわりに一方向に回転させることによって、一方のビードがホイールの一方のリムから離脱される。
【0007】
一方のビードが一方のリムから外された後、主軸を回転させながら移動台を押込み装置側へさらに移動させると、一方のビードは他方のリムを乗り越えて、タイヤがほぼ一周すると、タイヤがホイールから離脱し、チャック部にはホイールだけが把持された状態となる。ホイールから外されたタイヤは、タイヤ交換装置外へ搬出される。
【0008】
上記のようにホイールからタイヤが外されると、新たなタイヤ、すなわちホイール未着タイヤをホイールに装着するタイヤ装着作業が開始される。前述と同様に、作業者によって新たなタイヤが受け台に搬入され、受け台が昇降装置によって、チャック部に把持されたホイールの押込み装置側の他方のリムに掛止め可能な位置まで上昇され、作業者によってタイヤの1stビードまたは1次側ビードとも呼ばれるチャック装置側の一方のビードの上部が、ホイールの押込み装置側の他方のリムを超えてドロップ部に掛け止められる。この状態で、タイヤのホイールから押込み装置側へ位置している部分の、他方のビードに連なるサイドウォール部を、他方のビードローラによって押圧して部分的にホイールに嵌め込み、他方のサイドウォール部の、他方のビードローラによる押圧位置の回転方向下流側近傍に、タイヤ回転補助装置を押し当てて押圧し、他方のリムの内側に部分的に嵌り込んだ他方ビードが、タイヤの弾性回復力によって離脱しないように押さえながら、タイヤおよびホイールを約1回転させることによって、一方のビードがホイールに装着される。
【0009】
次に、移動台をチャック装置側へ移動させ、他方のビードが他方のリムに掛止められる位置まで押し込んだ状態とし、タイヤ回転補助装置を他方のサイドウォール部に押し当てた状態で、タイヤおよびホイールを約1周させることによって、他方のビードが他方のリムの内側に嵌まり込み、タイヤがホイールに装着される。このようにして従来技術のタイヤ交換装置は、ホイールからタイヤを外し、新たなタイヤをホイールに装着するように構成されている(たとえば、特許文献1〜3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平9−39527号公報
【特許文献2】特開2006−335210号公報
【特許文献3】特開2012−20659号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前述の特許文献1〜3に記載される従来技術では、基台の一側部にスタッドが設けられ、基台の他側部にるチャック装置が搭載され、スタッドの上端部にはタイヤ押込み装置が搭載され、さらに基台に案内レールと受け台とが設けられ、案内レールには移動装置が設けられ、移動装置には一対のビードローラが設けられるので、これらの各機器を設置するために大きな占有空間を要し、装置が大型かつ複雑であり、重量も大きいという問題がある。
【0012】
また、大型車両のホイール既着タイヤをタイヤ交換する場合、大形で重量の大きいタイヤおよびホイールを、作業者が人力によって受け台に乗載する必要があるので、作業者は多くの手間と労力を要し、タイヤのホイールに対する取外し作業および取付け作業に時間を要してしまうという問題がある。また、このような問題は前述の大型車両のタイヤ、ホイール、タイヤ既着ホイールに限るものではなく、普通乗用車のタイヤ、ホイール、タイヤ既着ホイールについても同様であり、タイヤ交換作業に多くの労力および時間を要するという問題がある。
【0013】
本発明の目的は、作業者の手間および労力を削減し、タイヤのホイールへの装着作業およびホイールからタイヤの取外し作業に要する時間を短縮することができるタイヤ着脱装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、タイヤのビードが着座するリムと、ハブ孔が形成されたハブ部を有するディスク部とを備えたホイールであって、ホイールからタイヤを取り外す、またはホイールにタイヤを取り付けるためのタイヤ交換装置において、
前記ホイールの前記ハブ孔に嵌合して、前記ホイールを着脱可能に把持するチャック部と、
前記チャック部に連結され、前記チャック部を予め定める回転軸線まわりに回転させる回転駆動部と、
タイヤおよびホイールの少なくとも一方を、前記チャック部の側方で起立させた状態で保持する起立位置と、タイヤおよびホイールの少なくとも一方を、横倒しした状態で保持する横転位置とにわたって傾動可能な傾動保持体と、
前記傾動保持体を、前記起立位置から前記横転位置に向かう傾転方向、および、前記横転位置から前記起立位置に向かう起立方向に、水平な軸線まわりに角変位させる傾動駆動部と、
前記横転位置に配置された前記傾動保持体から供給されたタイヤおよびホイールの少なくとも一方を支持する昇降保持体であって、前記チャック部から上方に離間した位置で支持する上昇位置と、前記チャック部に支持されたタイヤおよびホイールの少なくとも一方から下方に離間した下降位置とにわたって昇降可能な昇降保持体と、
前記昇降駆動部を、前記上昇位置から前記下降位置に向かう下降方向、および、前記下降位置から前記上昇位置に向かう上昇方向に、移動させる昇降駆動部と、を含み、
前記傾動保持体および前記昇降保持体のそれぞれは、前記回転軸線に平行な軸線まわりに回転自在な複数のローラを有し、
前記傾動駆動部によって前記横転位置に配置された前記傾動保持体の各ローラと、前記昇降駆動部によって前記上昇位置に配置された前記昇降保持体の各ローラとは、共通な一平面を成す搬送面を形成することを特徴とするタイヤ交換装置である。
【0015】
また本発明は、前記傾動保持体が、前記予め定める回転軸線を含む一平面に関して両側に、タイヤおよびホイールの少なくとも一方を起立させた状態で支持する一対の支持部材を有することを特徴とする。
【0016】
また本発明は、前記傾動保持体と前記昇降保持体とが、前記水平な軸線まわり角変位自在に連結されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、チャック部と、回転駆動部とを有し、チャック部が回転駆動部によって予め定める回転軸線まわりに回転駆動される。傾動保持体には、タイヤおよびホイールの少なくとも一方がチャック部の側方で保持される。傾動保持体は、傾動駆動部によって、起立位置から横転位置に向かう傾転方向、および横転から起立位置に向かう起立方向に、水平な軸線まわりに角変位駆動される。昇降保持体は、昇降駆動部によって、チャック部から上方に離間した上昇位置と、チャック部に支持されたタイヤおよびホイールの少なくとも一方から下方に離間した下降位置とにわたって昇降駆動される。傾動保持体および昇降保持体のそれぞれは、回転軸線に平行な軸線まわりに回転自在な複数のローラを有し、傾動駆動部によって横転位置に配置された傾動保持体の各ローラと、昇降駆動部によって上昇位置に配置された昇降保持体の各ローラとは、共通な一平面を成す搬送面を形成する
【0018】
タイヤをホイールから取外す場合には、ホイールにタイヤが装着されたホイール既着タイヤが起立位置に配置された傾動保持体に起立させたままで乗載される。このとき、ホイール既着タイヤが大型車両の大径で重量が大きくても、そのホイール既着タイヤを作業者が起立させた状態で転動させて、傾動保持体に乗載することができ、作業者への負担が軽減される。
【0019】
傾動保持体にホイール既着タイヤが起立させた状態で乗載されると、傾動保持体は傾動駆動部によって起立位置から横転位置へ角変位駆動される。このとき、昇降保持体は、昇降駆動部によって上昇位置に配置されることによって、横転位置に配置された傾動保持体上の横倒し姿勢のホイール既着タイヤを、傾動保持体から昇降保持体へ各複数のローラ上で作業者が容易に移動させて、昇降保持体上へ搬入することができる。ホイール既着タイヤを保持した昇降保持体が昇降駆動部によって上昇位置から下降位置に向かう下降方向に移動されると、昇降保持体上のホイール既着タイヤのホイールのハブ孔にチャック部が嵌合し、ホイール既着タイヤがチャック部によって把持され、ホイールからタイヤを取外すことができる。
【0020】
ホイールから取外された後、昇降保持体が昇降駆動部によって下降位置から上昇位置へ向かう上昇方向へ移動されると、タイヤが外されたホイールはチャック部に把持された状態のまま、外されたタイヤだけが昇降保持体によって持上げられ、ホイールから上方へ離間する。昇降保持体上のタイヤは、横転位置にある傾動保持体上に作業者によって移動され、傾動駆動部が傾動保持体を横転位置から起立位置へ角変位させることによって、ホイールから外されたタイヤは起立した姿勢で起立位置に戻され、作業者によって傾動保持体から搬出される。
【0021】
このようにしてホイール既着タイヤからタイヤが取外されると、新たなタイヤが作業者によって起立位置にある傾動保持体に乗載され、タイヤ装着作業が開始される。新たなタイヤが乗載された傾動保持体は、傾動駆動部によって起立位置から横転位置に角変位駆動される。これによって傾動保持体に乗載されたタイヤは、起立状態から横転状態に姿勢変換される。横転位置に配置された傾動保持体上にタイヤは、作業者によって上昇位置にある昇降保持体に移動され、昇降保持体に乗載される。昇降保持体に新たなタイヤが乗載されると、昇降駆動手段によって昇降保持体が上昇位置から下降位置へ向かう下降方向へ移動され、チャック部に把持されているホイール上に乗載される。この状態で、ホイールに新たなタイヤが装着される。
【0022】
新たなタイヤがホイールに装着されると、チャック部によるホイールの把持状態が解除され、昇降駆動部によって昇降保持部が下降位置から上昇位置へ向かう上昇方向に移動されると、チャック部から新たなタイヤが装着されたホイールが上方へ離脱され、タイヤ交換後のホイール既着タイヤは傾動保持体に横倒し姿勢で保持される。作業者は、傾動保持体上のタイヤ交換後のホイール既着タイヤを、横転位置に配置された傾動保持体上へ移動させ、傾動保持体に乗載する。傾動保持体にタイヤ交換後のホイール既着タイヤが乗載されると、傾動駆動部によって傾動保持部が横転位置から起立位置に角変位駆動される。これによってタイヤ交換後のホイール既着タイヤは、横倒し姿勢から起立姿勢に戻され、作業者によって傾動保持体から搬出される。
【0023】
以上のように、傾動保持体によってホイール既着タイヤは、起立姿勢および横転姿勢に姿勢変換され、昇降保持体によってチャック部に搬入され、タイヤ交換後にチャック部から搬出することができるので、作業者の人力によるタイヤおよびホイールの移動作業が少なくなり、タイヤ交換作業に要する時間および労力を削減して、作業者への作業負担を軽減することができる。
【0024】
また本発明によれば、傾動保持体は、チャック部の予め定める回転軸線を含む一平面に関して両側に、タイヤおよびホイールの少なくとも一方を起立させた状態で支持する一対の支持部材を有するので、タイヤまたはホイールを起立させた状態で各支持部材上に載置したとき、タイヤまたはホイールはチャック部の予め定める回転軸線を含む一平面上に、タイヤまたはホイールの中心軸線が位置するように位置決めされる。これによって、タイヤまたはホイールがチャック部の回転軸線から大きくずれた位置に配置されることが防がれ、作業者による位置の修正などの作業を行う必要がなく、作業者の作業負担を軽減することができる。
【0025】
また本発明によれば、傾動保持体と昇降保持体とが水平な軸線まわり角変位自在に連結されているので、傾動保持体と昇降保持体とを連動させ、傾動保持体の傾動位置および昇降保持体の昇降位置に拘らず、傾動保持体と昇降保持体との間の隙間または間隔が変化することが防がれ、傾動保持体および昇降保持体の間でタイヤおよびホイールを作業者が円滑に移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施形態のタイヤ交換装置1を示す側面図である。
図2図1の左方から見たタイヤ交換装置1の側面図である。
図3】タイヤ交換装置1の平面図である。
図4】傾動保持体Aおよび昇降保持体B付近を拡大した一部の平面図である。
図5】タイヤ脱作業のチャッキング工程を説明するためのフローチャートである。
図6】タイヤ脱作業のチャッキング工程を説明するためのフローチャートである。
図7】タイヤ脱作業の第1の上ビード脱工程を説明するためのフローチャートである。
図8】タイヤ脱作業の第2の上ビード脱工程を説明するためのフローチャートである。
図9】タイヤ脱作業の下ビード脱工程を説明するためのフローチャートである。
図10】タイヤ脱作業のチャッキング工程を説明するためのフローチャートである。
図11】タイヤ着作業の設定工程を説明するためのフローチャートである。
図12】タイヤ着作業の下ビード着工程を説明するためのフローチャートである。
図13】タイヤ着作業の上ビード着工程を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は本発明の一実施形態のタイヤ交換装置1を示す側面図であり、図2図1の左方から見たタイヤ交換装置1の側面図であり、図3はタイヤ交換装置1の平面図であり、図4は傾動保持体Aおよび昇降保持体B付近を拡大した一部の平面図である。本実施形態のタイヤ交換装置1は、タイヤTのビードTBが着座するリムWRと、ハブ孔4が形成されたハブ部WHを有するディスク部WDとを備えたホイールWであって、ホイールWからタイヤTを取り外す、またはホイールWにタイヤTを取り付けるために用いられる。本実施形態において、ホイールWにタイヤTを装着した組立て体をタイヤホイールTWという。
【0028】
タイヤ交換装置1は、ホイールWのハブ孔4に嵌合して、ホイールWを着脱可能に把持するチャック部3と、チャック部3に連結され、チャック部3を予め定める回転軸線L1まわりに回転させる回転駆動部7と、タイヤTおよびホイールWの少なくとも一方を、チャック部3の側方で起立させた状態で保持する起立位置と、タイヤTおよびホイールWの少なくとも一方を、横倒しした状態で保持する横転位置とにわたって傾動可能な傾動保持体と、傾動保持体Aを、起立位置から横転位置に向かう傾転方向、および、横転位置から起立位置に向かう起立方向に、水平な軸線まわりに角変位させる傾動駆動部5と、横転位置に配置された傾動保持体Aから供給されたタイヤTおよびホイールWの少なくとも一方を支持する昇降保持体Bであって、チャック部3から上方に離間した位置で支持する上昇位置と、チャック部3に支持されたタイヤTおよびホイールWの少なくとも一方から下方に離間した下降位置とにわたって昇降可能な昇降保持体Bと、昇降保持体Bを、上昇位置から下降位置に向かう下降方向、および、下降位置から上昇位置に向かう上昇方向に、移動させる昇降駆動部6と、を含む。傾動駆動部5および昇降駆動部6は、たとえば複動空気圧シリンダによって実現される。
【0029】
傾動保持体Aは、予め定める回転軸線L1を含む一平面に関して両側に、タイヤTおよびホイールWの少なくとも一方を起立させた状態で支持する一対の支持部材29を有する。傾動保持体と昇降保持体Bとは、水平な軸線まわり角変位自在に連結されている。
【0030】
ホイールWは、タイヤTのビードTBが着座するリムWRと、ハブ孔4が形成されたハブ部WHを有するディスク部WDとを備える。このようなホイールWは、たとえばアルミニウム合金をプレス成形またはスピニング成形することによって実現されてもよい。本実施形態において、タイヤ交換装置1は、チャック部3の回転速度が7rpm〜15rpm、ビード押圧力が8000N〜12000N、ホイールWのリム径が13インチ〜18インチ、チャック部3によって把持可能なハブ孔4の内径が54mm〜110mm、最大タイヤ径が500mm〜800mm、最大タイヤ幅が135mm〜250mm、対象車両は普通乗用車である。
【0031】
タイヤ交換装置1は、自動車修理工場、給油所などの床9に敷設される大略的に板状の基台10と、基台10に立設される支柱11とを、さらに含む。支柱11は、正面側、すなわち図2の紙面に垂直手前側に開放して上下に延びる開口12aを有する中空の構造用鋼材から成る支柱本体12と、支柱本体12の開口12aに移動自在に嵌まり込む昇降体13と、支柱本体12の上部の端面に接合される天板14とを有する。昇降体13は、正面視において上下に長手の略長方形の板状部材を本体部として含み、支柱本体12内に収容された昇降用シリンダによって昇降駆動される。昇降用シリンダは、複動空気圧シリンダによって実現されてもよい。昇降体13の板状部材は、構造用鋼板によって実現されてもよい。
【0032】
昇降体13には、ビード案内具18とビードローラ19とを備えたデマウントツール(以下、「DMツール」と記す場合がある)が先端部に取付けられた上下2段の水平アーム16a,16bが設けられる。支柱本体12の一側面の上部には、押圧具(以下、「マウントプレス」と記す場合がある)20が設けられる。支柱本体12および昇降体13は、起立位置に配置されたチャック部3の回転軸線L1を含む一平面上に配設される。したがって、支柱本体12および昇降体13の正面視における中心軸線は、チャック部3の回転軸線L1と一致している。
【0033】
ビード案内具18がビードTBとリムWRのリムフランジとの間に挿入された状態で、チャック部3に把持されたホイールWが一方向に回転されると、リムWRのリムフランジの裏側に着座しているビードTBは、ビード案内具18によってリムフランジの裏側から表側へ案内され、ホイールWの上リムWRからタイヤTの上ビードTBを離脱させることができる。
【0034】
押圧具20は、平面視において、上ビードローラ19が配置される位置よりも回転軸線L1に関して反対側に配設され、タイヤTのサイドウォール部を上方から押圧するように構成される。押圧具20によって、タイヤTのサイドウォール部が上方から押圧された状態で、第1水平アーム31、第2水平アーム32を角変位させ、タイヤTの回転に追従して移動自在に構成される。前記押圧具20は、強度が高く、耐衝撃性および耐摩耗性に優れ、しかもタイヤTに対して滑り性の良好な材料、たとえばポリカーボネートから成ってもよい。
【0035】
タイヤ交換装置1は、前述のとおり、チャック部3と、回転駆動部7とを有し、チャック部3が回転駆動部7によって予め定める回転軸線L1まわりに回転駆動される。傾動保持体Aには、タイヤTおよびホイールWの少なくとも一方がチャック部3の側方で保持される。傾動保持体Aは、傾動駆動部5によって、起立位置から横転位置に向かう傾転方向、および横転から起立位置に向かう起立方向に、水平な軸線L2まわりに角変位駆動される。昇降保持体Bは、昇降駆動部6によって、チャック部3から上方に離間した上昇位置と、チャック部3に支持されたタイヤTおよびホイールWの少なくとも一方から下方に離間した下降位置とにわたって昇降駆動される。これらの傾動保持体Aおよび昇降保持体Bは、回転軸線L1に垂直な軸線まわりに回転自在な複数のローラ21,22を有する。各ローラ21,22のそれぞれの軸線は、互いに平行である。
【0036】
タイヤTをホイールWから取外す場合には、ホイールWにタイヤTが装着されたタイヤホイールTWが起立位置に配置された傾動保持体Aに起立させたままで乗載することができるので、タイヤホイールTWが大径で重量が大きくても、そのタイヤホイールTWを作業者が起立させた状態で転動させて、傾動保持体Aに乗載することができ、作業者への負担が軽減される。
【0037】
傾動保持体AにタイヤホイールTWが起立させた状態で乗載されると、傾動保持体Aは傾動駆動部5によって起立位置から横転位置へ角変位駆動される。このとき、昇降保持体Bは、昇降駆動部6によって上昇位置に配置されることによって、横転位置に配置された傾動保持体A上の横倒し姿勢のタイヤホイールTWを、傾動保持体Aから昇降保持体Bへ作業者が容易に移動させて、昇降保持体B上へ搬入することができる。タイヤホイールTWを保持した昇降保持体Bが昇降駆動部6によって上昇位置から下降位置に向かう下降方向に移動されると、昇降保持体B上のタイヤホイールTWのホイールWのハブ孔4にチャック部3が嵌合し、タイヤホイールTWがチャック部3によって把持され、ホイールWからタイヤTを取外すことができる。
【0038】
ホイールWからタイヤTが取外された後、昇降保持体Bが昇降駆動部6によって下降位置から上昇位置へ向かう上昇方向へ移動されると、タイヤTが外されたホイールWはチャック部3に把持された状態のまま、外されたタイヤTだけが昇降保持体Bによって持上げられ、ホイールWから上方へ離間する。昇降保持体B上のタイヤTは、横転位置にある傾動保持体A上に作業者によって移動され、傾動駆動部5が傾動保持体Bを横転位置から起立位置へ角変位させることによって、ホイールWから外されたタイヤTは起立した姿勢で起立位置に戻され、作業者によって傾動保持体Aから搬出される。
【0039】
このようにしてタイヤホイールTWからタイヤTが取外されると、新たなタイヤTが作業者によって起立位置にある傾動保持体Aに乗載され、タイヤ装着作業が開始される。新たなタイヤTが乗載された傾動保持体Aは、傾動駆動部6によって起立位置から横転位置に角変位駆動される。これによって傾動保持体Aに乗載されたタイヤTは、起立状態から横転状態に姿勢変換される。横転位置に配置された傾動保持体A上にタイヤTは、作業者によって上昇位置にある昇降保持体Bに移動され、昇降保持体Bに乗載される。昇降保持体Bに新たなタイヤTが乗載されると、昇降駆動部6によって昇降保持体Bが上昇位置から下降位置へ向かう下降方向へ移動され、チャック部3に把持されているホイールW上に乗載される。この状態で、ホイールWに新たなタイヤTが装着される。
【0040】
新たなタイヤTがホイールWに装着されると、チャック部3によるホイールWの把持状態が解除され、昇降駆動部6によって昇降保持体Bが下降位置から上昇位置へ向かう上昇方向に移動されると、チャック部3から新たなタイヤTが装着されたタイヤホイールTWが上方へ離脱され、タイヤ交換後のタイヤホイールTWは傾動保持体Aに横倒し姿勢で保持される。作業者は、傾動保持体A上のタイヤ交換後のタイヤホイールTWを、横転位置に配置された傾動保持体A上へ移動させ、傾動保持体Aに乗載する。傾動保持体Aにタイヤ交換後のタイヤホイールTWが乗載されると、傾動駆動部5によって傾動保持体Aが横転位置から起立位置に角変位駆動される。これによってタイヤ交換後のタイヤホイールTWは、横倒し姿勢から起立姿勢に戻され、作業者によって傾動保持体Aから搬出される。
【0041】
以上のように、傾動保持体AによってタイヤホイールTWは、起立姿勢および横転姿勢に姿勢変換され、昇降保持体Bによってチャック部3に搬入され、タイヤ交換後にチャック部3から搬出することができるので、作業者の人力によるタイヤTおよびホイールWの移動作業が少なくなり、タイヤ交換作業に要する時間および労力を削減して、作業者への作業負担を軽減することができる。
【0042】
傾動保持体Aは、チャック部3の予め定める回転軸線L1を含む一平面に関して両側に、タイヤTおよびホイールWの少なくとも一方を起立させた状態で支持する一対の支持部材29を有するので、タイヤTまたはホイールWを起立させた状態で各支持部材29上に載置したとき、タイヤTまたはホイールWはチャック部3の予め定める回転軸線L1を含む一平面上に、タイヤTまたはホイールWの中心軸線が位置するように位置決めされる。これによって、タイヤTまたはホイールWがチャック部3の回転軸線L1から大きくずれた位置に配置されることが防がれ、作業者による位置の修正などの作業を行う必要がなく、作業者の作業負担を軽減することができる。
【0043】
傾動保持体Aと昇降保持体Bとが水平な軸線L2まわり角変位自在に連結されているので、傾動保持体Aと昇降保持体Bとを連動させ、傾動保持体Aの傾動位置および昇降保持体Bの昇降位置に拘らず、傾動保持体Aと昇降保持体Bとの間の隙間または間隔が変化することが防がれ、傾動保持体Aおよび昇降保持体Bの間でタイヤTおよびホイールWを作業者が円滑に移動させることができる。これによって、たとえば傾動保持体Aの複数のローラ21の間隔と、昇降保持体Bの複数のローラ22の間隔とを、同一とし、横転位置に配置された傾動保持体Aの各ローラ21と、上昇位置に配置された昇降保持体Bの各ローラ22とを共通な一平面を成す搬送面が形成されるように、各複数のローラ21,22の上端を整列して配置することができる。これによって、各複数のローラ21,22上でタイヤTおよびホイールWを、作業者の人力によって容易かつ円滑に移動させることができ、作業者への負担を軽減することができる。
【0044】
次に、図5図13を参照して、タイヤ交換装置1によるタイヤ交換作業について説明する。タイヤ交換作業は、タイヤTがホイールWに装着されたタイヤホイールTWからタイヤTを外す「タイヤ脱作業」と、タイヤTが外されたホイールWに新たなタイヤTを装着する「タイヤ着作業」とを有する。
【0045】
図5はタイヤ脱作業のチャッキング工程を説明するためのフローチャートであり、図6はタイヤ脱作業の設定工程を説明するためのフローチャートであり、図7はタイヤ脱作業の第1の上ビード脱工程を説明するためのフローチャートであり、図8はタイヤ脱作業の第2の上ビード脱工程を説明するためのフローチャートであり、図9はタイヤ脱作業の下ビード脱工程を説明するためのフローチャートである。
【0046】
(チャッキング工程)
ステップa1で、ホイールWを傾動保持体Aに乗せ、リフトペダルP4を踏むと、ステップa2で、ホイールWを昇降保持体Bに移動し、リフトペダルP4を踏む。ステップa3で、チャック部3のピンをホイールWのボルト孔に合わせた後、ステップa4で、ハブ孔4をチャック部3の中心に合わせ、チャックペダルP3を踏む。ステップa5で、センターシャフト40が伸び、コーン41をセットする。ステップa5でチャックペダルP3を踏むと、ホイールWがチャック部3によってチャッキングされる。
【0047】
(設定工程)
ステップb1で、ホイール径をテンキーで入力し、モードをBGN/PROに設定し、ワークをマウント/デマウントに設定する。ステップb2で、上ビードローラ19が設定径まで伸び、ステップb3で、回転ペダルP2でホイールバルブをビード案内具18の位置に合わせる。ステップb4で、「バルブセット」ボタンを押し、バルブ位置を記憶させる。BGNモードは、各ツールの位置を作業者が目視で確認するために一時停止させる初心者用のモードであり、PROモードは、各ツールの位置を作業者が目視で確認するための一時停止させずに連続動作させる熟練者用のモードである。
【0048】
(上ビード脱工程)
ステップc1でAUTOペダルP1を踏み、ステップc2でホイールWの上面位置を専用ツールで計測する。ステップc3で、デマウントツールを上ビードローラ19側に設定する。この設定は、2本目のタイヤホイールからは不要である。次に、ステップc4で、BGN/PROモードに対応するツール位置を確認し、AUTOペダルP1を踏み直す。ツール位置が合っていない場合には、手動で位置合わせし、ホイールWの位置を補正した後、ボタンを押下して、その情報を記憶させる。記憶させた値は、下ビードローラ19、装着用ツールであるマウントツール33にも反映される。
【0049】
ステップc5で、ホイールWの下面の位置を計測し、ステップc6で、下ビードを落とし、ステップc7で、上ビードを落とし、ステップc8で、液体タイヤクリームをウエールビードのみに塗布し、ステップc9で、デマウントツールを反転させるとともに、ステップc10で、マウントプレス20をセットする。ステップc11で、BGNモードである場合、マウントプレス位置を確認し、AUTOペダルを踏み直し、ステップc12で、マウントプレス20を下降させる。
【0050】
ステップc13で、ビード案内具18をビードとリムとの間に差込み、テーブル34を回転させる。ステップc14で、マウントプレス20をセットし、ステップc15で、BGNモードに対応するマウントプレス20によるマウントプレス位置を確認し、AUTOペダルP1を踏み直す。ステップc16で、デマウントツールを上昇させ、ステップc17で下ビードローラ19をセットし、ステップc18で、下ビードローラ19を押上げ、テーブル34を回転させる。ステップc19で、下ビードローラ19を下降させ、ステップc20で、テーブル34を回転させることによって、上ビードが下リムWR2から外される。
【0051】
(下ビード脱工程)
ステップd1で、AUTOペダルP1を踏み、ステップd2で、ビード案内具18に上ビードを掛け、上昇させる。ステップd3で、BGNモードに対応する対向側タイヤTを確認し、AUTOペダルP1を踏み直し、ステップd4で、マウントツール33をセットする。ステップd5で、下ビードローラ19をセットし、ステップd6で、上のデマウントツールを収納する。ステップd7で、テーブル34を回転させ、下ビードTBを離脱させる。ステップd8で、昇降保持体Aを上昇させて傾転させ、ステップd9で、BGN/PROモードに対応するタイヤTを昇降保持体Bに移動させ、AUTOペダルP1を踏み直すと、ステップd10で、傾動保持体Aが起立しながら下降する。ステップd12で、BGN/PROモードでAUTOペダルP1を踏み直すと、テーブル34およびマウントツール33が原点に復帰し、タイヤ脱作業が終了する。
次に、タイヤ着作業について説明する。
【0052】
図10はタイヤ着作業のチャッキング工程を説明するためのフローチャートであり、図11はタイヤ着作業の設定工程を説明するためのフローチャートであり、図12はタイヤ着作業の下ビード着工程を説明するためのフローチャートであり、図13はタイヤ着作業の上ビード着工程を説明するためのフローチャートである。
【0053】
(チャッキング工程)
ステップe1で、ホイールWを傾動保持体Aに載せ、リフトペダルP4を踏むと、ステップe2で、ホイールWを昇降保持体Bに移動させ、リフトペダルP4を踏む。ステップe3で、チャック部3のピンをホイールWのボルト孔に合わせ、ステップe4で、ハブ孔4をチャック部3の回転軸線L1上に合わせた後、チャックペダルP3を踏む。次に、ステップe5で、センターシャフト40が伸び、コーン41をセットし、ステップe6で、チャックペダルP3を踏み、ホイールWをチャッキングする。
【0054】
(設定工程)
ステップf1で、ホイール径、モード、ワークを選択すると、ステップf2で、デマウントツール19が設定径まで伸び、ステップf3で、回転ペダルP2でホイールバルブをデマウントツール位置に合わせた後、ステップf4で、「バルブセット」ボタンを押し、バルブ位置を記憶させる。
【0055】
(上ビード脱工程)
ステップg1で、AUTOペダルP1を踏み、ステップg2で、ホイール上面位置を計測し、ステップg3で、ビード案内具18をセットし、ステップg4で、BGN/PROモードのいずれにおいてもツール位置を確認し、AUTOペダルP1を踏み直す。ツール位置が合っていない場合は、手動で合わせ、ホイール補正位置をボタン操作で記憶させる。この値は、下ビードローラ19、マウントツール33にも反映される。ステップg5で、デマウントツールが収納され、ステップg6で、マウントツール33がセットされる。
【0056】
ステップg7で、BGN/PROモードであれば、タイヤTを傾動保持体Aに乗せ、AUTOペダルP1を踏み直すと、ステップg8で、傾動保持体Aが上昇して傾転し、ステップg9で、BGN/PROモードであれば、タイヤTをホイールWに乗せ、マウントツール33に引っ掛けた後、AUTOペダルP1を踏み直すと、ステップg11で、傾動保持体Aが起立しながら下降し、ステップg11で、テーブル34が回転し、ステップg12で、下ビードの装着作業が終了する。
【0057】
(上ビード着工程)
ステップh1で、マウントツール33をセットし、ステップh2で、マウントツール33を差込み補助し、AUTOペダルP1を踏み直すと、ステップh3で、ビードプレス19がセットされる。ステップh5で、BGNモードであれば、マウントプレス20による押圧位置を作業者が確認し、AUTOペダルP1を踏み直すと、ステップh6で、マウントプレス20が下降し、ステップh7で、テーブル34が回転し、上ビードTBがホイールWの上リムに装着される。
【0058】
次に、ステップh9で、チャック部3のチャック状態で解除し、コーン41を外し、ステップh10で、チャックペダルP3を踏んで、センターシャフト42を収納する。ステップh11で、リフトペダルP4を踏んで傾動保持体Aおよび昇降保持体Bを上昇させ、ステップh12で、ホイールWを傾動保持体Aに移動し、リフトペダルP4を踏み、ステップh13で、傾動保持体Aおよび昇降保持体Bを下降させ、タイヤ着作業が終了する。
【符号の説明】
【0059】
1 タイヤ交換装置
3 チャック部
4 ハブ孔
5 傾動駆動部
6 昇降駆動部
7 回転駆動部
9 床
10 基台
11 支柱
12 支柱本体
12a 開口
13 昇降体
14 天板
16a 水平アーム
18 ビード案内具
19 ビードローラ
20 押圧具
21 ローラ
22 ローラ
40 センターシャフト
41 コーン
A 傾動保持体
B 昇降保持体
L1 回転軸線
L2 軸線
【要約】
【課題】 作業者の手間および労力を削減し、タイヤのホイールへの装着作業およびホイールからタイヤの取外し作業に要する時間を短縮することができるタイヤ着脱装置を提供する。
【解決手段】 タイヤ交換装置1は、チャック部3と、チャック部3を回転軸線L1まわりに回転させる回転駆動部7と、タイヤTおよびホイールWの少なくとも一方を、チャック部3の側方で起立させた状態で保持する起立位置と、タイヤTおよびホイールWの少なくとも一方を、横倒しした状態で保持する横転位置とにわたって傾動可能な傾動保持体Aと、傾動保持体Aを水平な軸線L2まわりに角変位させる傾動駆動部5と、タイヤTおよびホイールWの少なくとも一方を支持し、チャック部3から上方に離間した位置で支持する上昇位置と、チャック部3に支持されたタイヤTおよびホイールWの少なくとも一方から下方に離間した下降位置とにわたって昇降可能な昇降保持体Bと、昇降保持体Bを、昇降させる昇降駆動部6と、を含む。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13