特許第6730715号(P6730715)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6730715線形増幅装置、入力信号供給方法、およびそれに使用される原点回避回路
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6730715
(24)【登録日】2020年7月7日
(45)【発行日】2020年7月29日
(54)【発明の名称】線形増幅装置、入力信号供給方法、およびそれに使用される原点回避回路
(51)【国際特許分類】
   H03F 1/02 20060101AFI20200716BHJP
   H03F 3/24 20060101ALI20200716BHJP
   H03F 3/68 20060101ALI20200716BHJP
   H04L 27/36 20060101ALI20200716BHJP
【FI】
   H03F1/02
   H03F3/24
   H03F3/68 220
   H04L27/36
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-107066(P2016-107066)
(22)【出願日】2016年5月30日
(65)【公開番号】特開2017-216493(P2017-216493A)
(43)【公開日】2017年12月7日
【審査請求日】2019年4月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】599161890
【氏名又は名称】NECネットワーク・センサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077838
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 憲保
(74)【代理人】
【識別番号】100129023
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100147809
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 順一
(72)【発明者】
【氏名】黒田 泰和
(72)【発明者】
【氏名】住田 憲昭
(72)【発明者】
【氏名】石川 崇
(72)【発明者】
【氏名】大橋 智彦
(72)【発明者】
【氏名】岸 和輝
【審査官】 小林 正明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−175188(JP,A)
【文献】 特開2007−150905(JP,A)
【文献】 特開2003−23468(JP,A)
【文献】 米国特許第9002301(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/36
H03F1/00−3/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高周波成分を除去する低域通過フィルタを含む線形増幅器と、
原入力信号を受け、該線形増幅器の前段に設けられた原点回避回路であって、前記原入力信号が原点付近をサンプルしている場合には、そのサンプル値を固定値に置き換えて、修正した入力信号を前記線形増幅器に供給する、前記原点回避回路と、
を有する線形増幅装置。
【請求項2】
前記線形増幅器は、LINC(Linear Amplification using Nonlinear Components)方式線形増幅器から成る、請求項1に記載の線形増幅装置。
【請求項3】
前記原点回避回路は、
前記原入力信号が原点付近をサンプルしているか否かを比較する比較器と、
該比較器において、前記原入力信号が前記原点付近をサンプルしてないと判断された場合には、前記原入力信号をそのまま前記修正した入力信号として前記線形増幅器へ供給する無修正手段と、
前記比較器において、前記原入力信号が前記原点付近をサンプルしていると判断された場合には、前記サンプル値を複素平面上の象限に応じた固定値に置き換えて、前記修正した入力信号を前記線形増幅器に供給する修正手段と、
から成る、請求項1又は2に記載の線形増幅装置。
【請求項4】
前記修正手段は、
前記原入力信号が前記複素平面上の第何象限をサンプルしているかを判定する象限判定器と、
該象限判定器による判定結果に応じて、前記サンプル値をそれぞれの象限に応じた固定値に置き換える置換手段と、
を有する請求項3に記載の線形増幅装置。
【請求項5】
高周波成分を除去するフィルタを含む線形増幅器への入力信号の供給方法であって、
原入力信号を受け、前記原入力信号が原点付近をサンプルしている場合には、そのサンプル値を固定値に置き換えて、修正した入力信号を前記線形増幅器に供給する、供給方法。
【請求項6】
前記線形増幅器は、LINC(Linear Amplification using Nonlinear Components)方式線形増幅器から成る、請求項5に記載の供給方法。
【請求項7】
比較器を使用して、前記原入力信号が原点付近をサンプルしているか否かを比較する比較ステップと、
該比較器において、前記原入力信号が前記原点付近をサンプルしてないと判断された場合には、前記原入力信号をそのまま前記修正した入力信号として前記線形増幅器へ供給する無修正ステップと、
前記比較器において、前記原入力信号が前記原点付近をサンプルしていると判断された場合には、前記サンプル値を複素平面上の象限に応じた固定値に置き換えて、前記修正した入力信号を前記線形増幅器に供給する修正ステップと、
を含む請求項5又は6に記載の供給方法。
【請求項8】
前記修正ステップは、
象限判定器を使用して、前記原入力信号が前記複素平面上の第何象限をサンプルしているかを判定する判定ステップと、
該象限判定器による判定結果に応じて、前記サンプル値をそれぞれの象限に応じた固定値に置き換える置換ステップと、
を含む請求項7に記載の供給方法。
【請求項9】
原入力信号を受け、高周波成分を除去するフィルタを含む線形増幅器に、修正した入力信号を供給する原点回避回路であって、
前記原入力信号が原点付近をサンプルしているか否かを比較する比較器と、
該比較器において、前記原入力信号が前記原点付近をサンプルしてないと判断された場合には、前記原入力信号をそのまま前記修正した入力信号として前記線形増幅器へ供給する無修正手段と、
前記比較器において、前記原入力信号が前記原点付近をサンプルしていると判断された場合には、前記サンプル値を複素平面上の象限に応じた固定値に置き換えて、前記修正した入力信号を前記線形増幅器に供給する修正手段と、
から成る、原点回避回路。
【請求項10】
前記修正手段は、
前記原入力信号が前記複素平面上の第何象限をサンプルしているかを判定する象限判定器と、
該象限判定器による判定結果に応じて、前記サンプル値をそれぞれの象限に応じた固定値に置き換える置換手段と、
を有する請求項9に記載の原点回避回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、線形増幅装置に関し、特に、線形増幅装置への入力信号供給方法、およびそれに使用される原点回避回路に関する。
【背景技術】
【0002】
パワーアンプの低消費電力化は発熱対策にも繋がり、無線通信など様々な分野において大きな課題となっている。この課題を解決する手段の1つとして、複数の非線形増幅器を用いて信号を線形に増幅する、LINC(Linear Amplification using Nonlinear Components)方式線形増幅器があげられる。
【0003】
LINC方式線形増幅器では、入力信号を複数の定振幅信号に変換して、複数の非線形増幅器に入力する。これにより、各非線形増幅器を常時飽和状態で動作することが可能となり、非線形増幅器をより高効率で利用できる。LINC方式線形増幅器の詳細は、例えば、特許文献1に記載されている。
【0004】
なお、LINC方式線形増幅器は、各非線形増幅器の前段に、定振幅信号の高周波成分を制限するための低域通過フィルタを備えている。
【0005】
しかしながら、LINC方式線形増幅器では、変換した定振幅信号が低域通過フィルタを通過した信号を時間軸波形で確認すると図6のようになり、リンギングが発生していることを確認できる。リンギングが発生するメカニズムについては、例えば、特許文献2に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2014−011653号公報
【特許文献2】特開2002−094358号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、リンギングが発生することにより、非線形増幅器への入力信号が定振幅ではなく、振幅成分を持った信号となる。そのため、LINC方式線形増幅器の利点である、非線形増幅器の常時飽和状態での動作が出来なくなる問題が生じる。
【0008】
本発明の目的は、上述した課題を解決する、線形増幅装置、入力信号供給方法、およびそれに使用される原点回避回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の線形増幅装置は、高周波成分を除去する低域通過フィルタを含む線形増幅器と;原入力信号を受け、該線形増幅器の前段に設けられた原点回避回路であって、前記原入力信号が原点付近をサンプルしている場合には、そのサンプル値を固定値に置き換えて、修正した入力信号を前記線形増幅器に供給する、前記原点回避回路と;を有する。
【0010】
本発明の入力信号供給方法は、高周波成分を除去するフィルタを含む線形増幅器への入力信号の供給方法であって、原入力信号を受け、前記原入力信号が原点付近をサンプルしている場合には、そのサンプル値を固定値に置き換えて、修正した入力信号を前記線形増幅器に供給する。
【0011】
本発明の原点回避回路は、原入力信号を受け、高周波成分を除去するフィルタを含む線形増幅器に、修正した入力信号を供給する原点回避回路であって、前記原入力信号が原点付近をサンプルしているか否かを比較する比較器と;該比較器において、前記原入力信号が前記原点付近をサンプルしてないと判断された場合には、前記原入力信号をそのまま前記修正した入力信号として前記線形増幅器へ供給する無修正手段と;前記比較器において、前記原入力信号が前記原点付近をサンプルしていると判断された場合には、前記サンプル値を複素平面上の象限に応じた固定値に置き換えて、前記修正した入力信号を前記線形増幅器に供給する修正手段と;から成る。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、低域通過フィルタを通過した後の信号のリンギングを改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態における線形増幅装置を示すブロック図である。
図2図1の線形増幅装置で使用される原点回避回路の動作を説明するためのフローチャートである。
図3】本発明の実施形態で使用するLINC方式線形増幅器の構成例を示す図である。
図4図3に示されたLINC方式線形増幅器に供給される入力信号を、原点付近をサンプルする時の複素平面図である。
図5図3のLINC信号生成部から出力された定振幅信号対の複素平面波形図である。
図6図3のLINC信号生成部から出力された定振幅信号対がLPFを通過した信号を時間軸波形で確認した図である。
図7図6で示された信号の波形を示す複素平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[関連技術]
本発明の理解を容易するために、最初に関連技術について説明する。
【0015】
図3は、本発明の実施形態で使用するLINC方式線形増幅器の構成例を示す図である。図示のLINC方式線形増幅器は、上記特許文献1の図1に図示したものと実質的に同様の構成を有する。
【0016】
LINC方式線形増幅器103は、LINC信号生成部201と、2つのディジタル/アナログ変換器(DAC)202と、2つの低域通過フィルタ(LPF)203と、2つの直交変換器204と、2つの周波数変換器205と、2つの非線形増幅器(非線形増幅器A、非線形増幅器B)と、合成器とを備える。
【0017】
LINC信号生成部201には、入力変調信号Sinが供給される。LINC信号生成部201は、入力変調信号Sinをその振幅に応じた位相差を有する位相変調信号対Sc1及びSc2に分離して出力する。例えば、入力変調信号Sinは、振幅変調及び位相変調(角度変調)を伴う変調信号であり、位相変調信号対Sc1及びSc2は、定包絡線となる定振幅位相変調信号である。ここでの入力変調信号Sinと位相変調信号対Sc1及びSc2とは、いずれもベースバンド信号であってもよいし、中間周波数(IF)信号であってもよい。LINC信号生成部201は、位相変調信号対Sc1及びSc2をディジタル信号として出力する。
【0018】
なお、入力変調信号Sinは、入力信号とも呼ばれ、位相変調信号対Sc1及びSc2は、定振幅信号対とも呼ばれる。
【0019】
位相変調信号対の一方Sc1は、一方のDAC202でディジタル信号からアナログ信号に変換される。さらに、変換されたアナログ信号が、一方の低域通過フィルタ(LPF)203を通過することで、位相変調信号対の一方Sc1の周波数帯域に対応する成分が抽出されるとともに、それ以外の周波数成分が抑圧される。
【0020】
同様に、位相変調信号対の他方Sc2は、他方のDAC202でディジタル信号からアナログ信号に変換される。さらに、変換されたアナログ信号が、他方の低域通過フィルタ(LPF)203を通過することで、位相変調信号対の他方Sc2の周波数帯域に対応する成分が抽出されるとともに、それ以外の周波数成分が抑圧される。
【0021】
LINC方式線形増幅器103では、一方の直交変調器204は、一方の低域通過フィルタ(LPF)203を通過した位相変調信号の一方Sc1を直交変調する。一方の周波数変換器205は、発振器(図示せず)から出力された高周波信号(発信信号)を用いてRF(Radio Frequency)信号である高周波信号対の一方S1を生成して出力する。
【0022】
同様に、他方の直交変調器204は、他方の低域通過フィルタ(LPF)203を通過した位相変調信号の他方Sc2を直交変調する。他方の周波数変換器205は、発振器から出力された高周波信号を用いて、RF信号である高周波信号対の他方S2を生成して出力する。
【0023】
増幅器対は、並列に設けられた2つの非線形増幅器を含む。図3では、一方の非線形増幅器を「非線形増幅器A」で表し、他方の非線形増幅器を「非線形増幅器B」で表している。2つの非線形増幅器の利得および位相特性は、ほぼ同一である。各非線形増幅器は、対応する周波数変換器から出力された高周波信号を増幅する。
【0024】
一方のDAC202から一方の非線形増幅器(非線形増幅器A)までを一方のブランチともいい、他方のDAC202から他方の非線形増幅器(非線形増幅器B)までを他方のブランチともいう。
【0025】
合成器は、増幅器対により増幅された高周波信号対を合成し、合成後の信号を高周波信号Soutとして出力する。
【0026】
図4は、入力信号Sinを、原点付近をサンプルする時の複素平面図(i-q平面図)である。図4に示されるように、原点付近で、入力信号Sinの位相が大きく変化していることが分かる。
【0027】
この結果、LINC信号生成部201から出力された定振幅信号対Sc1及びSc2は、図5のような複素平面波形となる。
【0028】
図6は、この定振幅信号対Sc1及びSc2がLPF203を通過した信号を時間軸波形で確認した図である。図6に示されるように、LPF203を通過した信号にリンギングが発生していることを確認できる。
【0029】
図7は、その時の信号の波形を示す複素平面図である。
【0030】
[実施の形態]
以下、本発明を実施する形態について図面を参照して詳細に説明する。以下の各実施形態に記載されている構成は単なる例示であり、本発明の技術範囲はそれらには限定されない。
【0031】
図1は、本発明の一実施形態における線形増幅装置を示すブロック図である。
【0032】
図1に示すように、図示の線形増幅器装置は、LINC方式線形増幅器103の前段に原点回避回路102を配置した構成をしている。
【0033】
原点回避回路102により、LINC信号生成部201(図3)への入力信号Sinとして、原点付近をサンプルしないように原点付近サンプル時に任意の値を入力することで、リンギングを改善できる。
【0034】
次に、図1に示した線形増幅装置の動作について説明する。
【0035】
原点回避回路102は、送信データ生成装置101で生成された原入力信号を、入力信号が原点付近をサンプルしないように原点付近サンプル時に任意の値を入力(代入)して、修正した入力信号Sinを出力する。
【0036】
原点回避回路102は、その修正した入力信号SinをLINC方式線形増幅器103のLINC信号生成部201(図3)に供給することで、そこで生成した定振幅信号がLPF203を通過したときに発生するリンギングを改善する。それにより、リンギングによって定振幅を超える最大値を10%以下まで下げることが出来る。
【0037】
図2は、原点回避回路102の動作を説明するためのフローチャートである。
【0038】
原点回避回路102は、その具体的な回路構成については図示していないが、比較器と象限判定器とを含む。
【0039】
次に、図2を参照して、原点回避回路102の動作について説明する。
【0040】
先ず、原点回避回路102は、比較器を使用して、原入力信号が原点付近をサンプルしているか否かを比較する(ステップS301)。
【0041】
原入力信号が原点付近をサンプルしていない場合(ステップS301のNo)、原点回避回路102は、原入力信号をそのまま修正した入力信号Sinとして出力する。
【0042】
一方、原入力信号が原点付近をサンプルしている場合(ステップS301のYes)、原点回避回路102は、象限判定器を使用して、原入力信号が複素平面上の第何象限をサンプルしているかを判定して、サンプル値をそれぞれの象限に応じた固定値に置き換えて出力する。
【0043】
詳述すると、先ず、象限判定器は、原入力信号が複素平面上の第1象限をサンプルしているか否かを判定する(ステップS302)。原入力信号が第1象限をサンプルしていると判定した場合(ステップS302のYes)、原点回避回路102は、サンプル値を第1象限に応じた固定値に置き換え(固定値を代入し)たものを、修正した入力信号Sinとして出力する(ステップS303)。
【0044】
原入力信号が第1象限をサンプルしていないと判定した場合(ステップS302のNo)、象限判定器は、原入力信号が複素平面上の第2象限をサンプルしているか否かを判定する(ステップS304)。原入力信号が第2象限をサンプルしていると判定した場合(ステップS304のYes)、原点回避回路102は、サンプル値を第2象限に応じた固定値に置き換え(固定値を代入し)たものを、修正した入力信号Sinとして出力する(ステップS305)。
【0045】
原入力信号が第2象限をサンプルしていないと判定した場合(ステップS304のNo)、象限判定器は、原入力信号が複素平面上の第3象限をサンプルしているか否かを判定する(ステップS306)。原入力信号が第3象限をサンプルしていると判定した場合(ステップS306のYes)、原点回避回路102は、サンプル値を第3象限に応じた固定値に置き換え(固定値を代入し)たものを、修正した入力信号Sinとして出力する(ステップS307)。
【0046】
そして、原入力信号が第3象限をサンプルしていないと判定した場合(ステップS306のNo)、原点回避回路102は、サンプル値を第4象限に応じた固定値に置き換え(固定値を代入し)たものを、修正した入力信号Sinとして出力する(ステップS308)。
【0047】
次に、本実施の形態の効果について説明する。
【0048】
以上説明した本発明の実施の形態では、以下に記載するとおりの効果を奏する。
【0049】
原点回避回路102で変調波の原点付近のサンプルを回避することによって、低域通過フィルタ203を通過した後の信号のリンギングを改善し、非線形増幅器をより高効率で利用することが可能になる。
【0050】
なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。
【0051】
以上、実施の形態を参照し本願発明を説明したが、本願発明は上記実施の形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0052】
101 送信データ生成装置
102 原点回避回路
103 LINC方式線形増幅器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7