(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6730835
(24)【登録日】2020年7月7日
(45)【発行日】2020年7月29日
(54)【発明の名称】過電流検出回路
(51)【国際特許分類】
H02H 3/093 20060101AFI20200716BHJP
H02H 7/16 20060101ALI20200716BHJP
H02H 7/20 20060101ALI20200716BHJP
G02F 1/133 20060101ALI20200716BHJP
G09G 3/36 20060101ALI20200716BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20200716BHJP
【FI】
H02H3/093 D
H02H7/16 A
H02H7/20 D
G02F1/133 505
G09G3/36
G09G3/20 621L
G09G3/20 670M
【請求項の数】19
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-76436(P2016-76436)
(22)【出願日】2016年4月6日
(65)【公開番号】特開2017-189027(P2017-189027A)
(43)【公開日】2017年10月12日
【審査請求日】2019年2月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】特許業務法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹内 大樹
【審査官】
高野 誠治
(56)【参考文献】
【文献】
特開2014−016577(JP,A)
【文献】
特開平09−009483(JP,A)
【文献】
特開平04−190619(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0267728(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0249185(US,A1)
【文献】
特開2011−250196(JP,A)
【文献】
特表2013−503346(JP,A)
【文献】
特開2004−260776(JP,A)
【文献】
特開2003−017995(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02H 3/093
H02H 3/08 − 3/253
H02H 7/00
H02H 7/10 − 7/20
G02F 1/133
G09G 3/20
G09G 3/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容量性負荷に印加する電圧をハイレベルとローレベルとに切り換えて前記容量性負荷を駆動する負荷駆動装置の過電流を検出する過電流検出回路であって、
クロック信号を生成するクロック信号生成部と、
前記負荷駆動装置が前記容量性負荷に供給する電流に応じた物理量と所定値とを比較し、前記クロック信号に同期して比較結果を出力する比較部と、
前記負荷駆動装置が前記容量性負荷にハイレベルの電圧を印加している期間において、前記クロック信号と前記比較部の前記比較結果とに基づいて前記負荷駆動装置が過電流状態である判定する判定部とを備える過電流検出回路。
【請求項2】
前記比較部は、前記クロック信号の立ち上がりタイミングで前記比較結果を出力する請求項1に記載の過電流検出回路。
【請求項3】
前記比較部は、前記クロック信号の立ち下がりタイミングで前記比較結果を出力する請求項1に記載の過電流検出回路。
【請求項4】
前記判定部は、前記負荷駆動装置が前記容量性負荷にハイレベルの電圧を印加している一の連続した期間における第1区間の前記クロック信号のクロック回数に基づいて前記負荷駆動装置が過電流状態であるか否かを判定し、
前記第1区間では、前記負荷駆動装置が前記容量性負荷に供給する電流に応じた物理量が所定値以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載の過電流検出回路。
【請求項5】
容量性負荷に印加する電圧をハイレベルとローレベルとに切り換えて前記容量性負荷を駆動する負荷駆動装置の過電流を検出する過電流検出回路であって、
クロック信号を生成するクロック信号生成部と、
前記負荷駆動装置が前記容量性負荷に供給する電流に応じた物理量と所定値とを比較する比較部と、
前記負荷駆動装置が前記容量性負荷にハイレベルの電圧を印加している期間において、前記クロック信号と前記比較部の比較結果とに基づいて前記負荷駆動装置が過電流状態であるか否かを判定する判定部とを備え、
前記判定部は、前記負荷駆動装置が前記容量性負荷にハイレベルの電圧を印加している一の連続した期間における第2区間の前記クロック信号のクロック回数に基づいて前記負荷駆動装置が過電流状態であるか否かを判定し、
前記第2区間では、前記負荷駆動装置が前記容量性負荷に供給する電流に応じた物理量が所定値未満である過電流検出回路。
【請求項6】
容量性負荷に印加する電圧をハイレベルとローレベルとに切り換えて前記容量性負荷を駆動する負荷駆動装置の過電流を検出する過電流検出回路であって、
クロック信号を生成するクロック信号生成部と、
前記負荷駆動装置が前記容量性負荷に供給する電流に応じた物理量と所定値とを比較する比較部と、
前記負荷駆動装置が前記容量性負荷にハイレベルの電圧を印加している期間において、前記クロック信号と前記比較部の比較結果とに基づいて前記負荷駆動装置が過電流状態であるか否かを判定する判定部とを備え、
前記判定部は、前記期間における第1区間の前記クロック信号のクロック回数と前記期間における第2区間の前記クロック信号のクロック回数との比率に基づいて前記負荷駆動装置が過電流状態であるか否かを判定するとともに、
前記第1区間では、前記負荷駆動装置が前記容量性負荷に供給する電流に応じた物理量が所定値以上であり、前記第2区間では、前記負荷駆動装置が前記容量性負荷に供給する電流に応じた物理量が所定値未満である過電流検出回路。
【請求項7】
容量性負荷に印加する電圧をハイレベルとローレベルとに切り換えて前記容量性負荷を駆動する負荷駆動装置の過電流を検出する過電流検出回路であって、
クロック信号を生成するクロック信号生成部と、
前記負荷駆動装置が前記容量性負荷に供給する電流に応じた物理量と所定値とを比較する比較部と、
前記負荷駆動装置が前記容量性負荷にハイレベルの電圧を印加している期間において、前記クロック信号と前記比較部の比較結果とに基づいて前記負荷駆動装置が過電流状態であるか否かを判定する判定部とを備え、
前記判定部は、前記負荷駆動装置が前記容量性負荷にハイレベルの電圧を印加している一の連続した期間における前記クロック信号の所定番目のクロックの立ち上がり時点又は立ち下がり時点での前記比較部の比較結果に基づいて前記負荷駆動装置が過電流状態であるか否かを判定する過電流検出回路。
【請求項8】
容量性負荷に印加する電圧をハイレベルとローレベルとに切り換えて前記容量性負荷を駆動する負荷駆動装置の過電流を検出する過電流検出回路であって、
クロック信号を生成するクロック信号生成部と、
前記容量性負荷が前記負荷駆動装置に供給する電流に応じた物理量と所定値とを比較し、前記クロック信号に同期して比較結果を出力する比較部と、
前記負荷駆動装置が前記容量性負荷にローレベルの電圧を印加している期間において、前記クロック信号と前記比較部の前記比較結果とに基づいて前記負荷駆動装置が過電流状態であるか否かを判定する判定部とを備えることを特徴とする過電流検出回路。
【請求項9】
前記比較部は、前記クロック信号の立ち上がりタイミングで前記比較結果を出力する請求項8に記載の過電流検出回路。
【請求項10】
前記比較部は、前記クロック信号の立ち下がりタイミングで前記比較結果を出力する請求項8に記載の過電流検出回路。
【請求項11】
前記判定部は、前記負荷駆動装置が前記容量性負荷にローレベルの電圧を印加している一の連続した期間における第1区間の前記クロック信号のクロック回数に基づいて前記負荷駆動装置が過電流状態であるか否かを判定し、
前記第1区間では、前記容量性負荷が前記負荷駆動装置に供給する電流に応じた物理量が所定値以上である請求項8〜10のいずれか一項に記載の過電流検出回路。
【請求項12】
容量性負荷に印加する電圧をハイレベルとローレベルとに切り換えて前記容量性負荷を駆動する負荷駆動装置の過電流を検出する過電流検出回路であって、
クロック信号を生成するクロック信号生成部と、
前記容量性負荷が前記負荷駆動装置に供給する電流に応じた物理量と所定値とを比較する比較部と、
前記負荷駆動装置が前記容量性負荷にローレベルの電圧を印加している期間において、前記クロック信号と前記比較部の比較結果とに基づいて前記負荷駆動装置が過電流状態であるか否かを判定する判定部とを備え、
前記判定部は、前記負荷駆動装置が前記容量性負荷にローレベルの電圧を印加している一の連続した期間における第2区間の前記クロック信号のクロック回数に基づいて前記負荷駆動装置が過電流状態であるか否かを判定し、
前記第2区間では、前記容量性負荷が前記負荷駆動装置に供給する電流に応じた物理量が所定値未満である過電流検出回路。
【請求項13】
容量性負荷に印加する電圧をハイレベルとローレベルとに切り換えて前記容量性負荷を駆動する負荷駆動装置の過電流を検出する過電流検出回路であって、
クロック信号を生成するクロック信号生成部と、
前記容量性負荷が前記負荷駆動装置に供給する電流に応じた物理量と所定値とを比較する比較部と、
前記負荷駆動装置が前記容量性負荷にローレベルの電圧を印加している期間において、前記クロック信号と前記比較部の比較結果とに基づいて前記負荷駆動装置が過電流状態であるか否かを判定する判定部とを備え、
前記判定部は、前記期間における第1区間の前記クロック信号のクロック回数と前記期間における第2区間の前記クロック信号のクロック回数との比率に基づいて前記負荷駆動装置が過電流状態であるか否かを判定し、
前記第1区間では、前記負荷駆動装置が前記容量性負荷に供給する電流に応じた物理量が所定値以上であり、前記第2区間では、前記負荷駆動装置が前記容量性負荷に供給する電流に応じた物理量が所定値未満である過電流検出回路。
【請求項14】
容量性負荷に印加する電圧をハイレベルとローレベルとに切り換えて前記容量性負荷を駆動する負荷駆動装置の過電流を検出する過電流検出回路であって、
クロック信号を生成するクロック信号生成部と、
前記容量性負荷が前記負荷駆動装置に供給する電流に応じた物理量と所定値とを比較する比較部と、
前記負荷駆動装置が前記容量性負荷にローレベルの電圧を印加している期間において、前記クロック信号と前記比較部の比較結果とに基づいて前記負荷駆動装置が過電流状態であるか否かを判定する判定部とを備え、
前記判定部は、前記負荷駆動装置が前記容量性負荷にローレベルの電圧を印加している一の連続した期間における前記クロック信号の所定番目のクロックの立ち上がり時点又は立ち下がり時点での前記比較部の比較結果に基づいて前記負荷駆動装置が過電流状態であるか否かを判定する過電流検出回路。
【請求項15】
容量性負荷に印加する電圧をハイレベルとローレベルとに切り換えて前記容量性負荷を駆動する負荷駆動装置の過電流を検出する過電流検出回路であって、
クロック信号を生成するクロック信号生成部と、
前記負荷駆動装置が前記容量性負荷に供給する電流に応じた物理量と所定値とを比較する比較部と、
前記負荷駆動装置が前記容量性負荷にハイレベルの電圧を印加している期間において、前記クロック信号と前記比較部の比較結果とに基づいて前記負荷駆動装置が過電流状態であるか否かを判定する判定部とを備え、
前記比較部の比較結果を保持する保持部を備え、
前記負荷駆動装置が過電流状態であるという前記比較部の比較結果を2以上の所定数前記保持部が保持したことによって前記負荷駆動装置の過電流を検出し、
前記負荷駆動装置が過電流状態であるという前記比較部の比較結果を2以上の所定数前記保持部が保持していないときは前記負荷駆動装置の過電流を検出しない過電流検出回路。
【請求項16】
容量性負荷に印加する電圧をハイレベルとローレベルとに切り換えて前記容量性負荷を駆動する負荷駆動装置の過電流を検出する過電流検出回路であって、
クロック信号を生成するクロック信号生成部と、
前記容量性負荷が前記負荷駆動装置に供給する電流に応じた物理量と所定値とを比較する比較部と、
前記負荷駆動装置が前記容量性負荷にローレベルの電圧を印加している期間において、前記クロック信号と前記比較部の比較結果とに基づいて前記負荷駆動装置が過電流状態であるか否かを判定する判定部とを備え、
前記比較部の比較結果を保持する保持部を備え、
前記負荷駆動装置が過電流状態であるという前記比較部の比較結果を2以上の所定数前記保持部が保持したことによって前記負荷駆動装置の過電流を検出し、
前記負荷駆動装置が過電流状態であるという前記比較部の比較結果を2以上の所定数前記保持部が保持していないときは前記負荷駆動装置の過電流を検出しない過電流検出回路。
【請求項17】
容量性負荷を駆動する負荷駆動装置と、
前記負荷駆動装置の過電流を検出する請求項1〜16のいずれか一項に記載の過電流検出回路とを備えることを特徴とする過電流検出機能付き負荷駆動装置。
【請求項18】
前記負荷駆動装置は、第1パルス信号を入力し、前記第1パルス信号よりも電圧振幅が大きい第2パルス信号を生成して出力するレベルシフタである請求項17に記載の過電流検出機能付き負荷駆動装置。
【請求項19】
ゲートドライバを内蔵した液晶表示パネルと、
前記ゲートドライバに出力信号を供給するレベルシフタを有する請求項18に記載の過電流検出機能付き負荷駆動装置とを備えることを特徴とする液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、過電流検出回路に関する。
【背景技術】
【0002】
画素回路とゲートドライバがガラス基板に直接実装されるタイプの液晶表示パネルでは、薄膜トランジスタを用いてゲートドライバを動作させるため、高い電圧をゲートドライバに供給する必要がある。このため、信号のレベル変換(電圧振幅の拡大)を行うレベルシフタをゲートドライバの前段に設ける。
【0003】
ゲートドライバの前段に設けられるレベルシフタは、容量性負荷である液晶画素を駆動する。このため、レベルシフタの出力電圧がローレベルからハイレベルに切り換わるときにレベルシフタから容量性負荷に向かって充電電流が流れ、レベルシフタの出力電圧がハイレベルからローレベルに切り換わるときに容量性負荷からレベルシフタに向かって放電電流が流れる。
【0004】
したがって、容量性負荷駆動用レベルシフタの過電流を検出する場合には、容量性負荷の充放電電流と、容量性負荷に異常が発生したことに起因する過電流とを区別する必要がある。容量性負荷駆動用レベルシフタの過電流を検出する一般的な過電流検出回路は、RCフィルタによって上記の区別を実現している。
【0005】
図7は、容量性負荷駆動用レベルシフタ及びその過電流を検出する一般的な過電流検出回路の構成を示す図である。
【0006】
容量性負荷駆動用レベルシフタは、レベルシフタドライバD1と、Pチャネル型MOSトランジスタQ1と、Nチャネル型MOSトランジスタQ2とによって構成される。レベルシフタドライバD1は、パルス信号である入力電圧V
INを受け取り、入力電圧V
INの反転論理値を取る第1ゲート信号G1及びG2を生成し、第1ゲート信号G1をMOSトランジスタQ1に供給し、第2ゲート信号G2をMOSトランジスタQ2に供給する。これにより、MOSトランジスタQ1とMOSトランジスタQ2は相補的にオンとオフを繰り返す。
【0007】
MOSトランジスタQ1のソースにはオン電圧V
ONが印加され、MOSトランジスタQ2のソースにはオン電圧V
ONよりも低電圧であるオフ電圧V
OFFが印加される。したがって、MOSトランジスタQ1のドレインとMOSトランジスタQ2のドレインとの接続ノードに発生する出力電圧V
OUTは、入力電圧V
INと同一論理値を取り且つ電圧振幅がオン電圧V
ONとオフ電圧V
OFFとの差に等しい信号になる。出力電圧V
OUTは、コンデンサC1と抵抗R1とによって構成される容量性負荷に供給される。
【0008】
一般的な過電流検出回路は、基準電圧源101と、コンパレータ102と、RCフィルタ103とによって構成される。基準電圧源101は、過電流検出レベルLV
OCPに対応する基準電圧V
REFを生成してコンパレータ102に出力する。コンパレータ102は、MOSトランジスタQ1のドレイン−ソース間電圧V
DSと基準電圧V
REFとを比較する。ただし、コンパレータ102は、入力電圧V
INがローレベルである期間と入力電圧V
INがローレベルからハイレベルに切り換わった時点からマスク期間が経過する迄の間とにおいて、上記の比較動作を行わない。マスク期間の長さは、RCフィルタ103の時定数によって決まる。なお、MOSトランジスタQ1がオン状態であるときに、MOSトランジスタQ1のドレイン−ソース間電圧V
DSはMOSトランジスタQ1を流れる電流I
DSに比例する。
【0009】
MOSトランジスタQ1のドレイン−ソース間電圧V
DSが基準電圧V
REFよりも大きいことがコンパレータ102の比較動作によって検出された場合、コンパレータ102から出力される比較結果信号に応じてレベルシフタドライバD1の動作が停止する。これにより、過電流保護がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平11−168829号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
MOSトランジスタQ1を流れる電流I
DSは、
図8及び
図9に示すように、入力電圧V
INがローレベルからハイレベルに切り換わった時点すなわちマスク期間の開始時点において容量性負荷の充電電流により最も大きくなり、その後容量性負荷の充電電流の減少に伴って徐々に小さくなる。
【0012】
そのため、マスク期間の終了時点が過電流の検出ポイントDPとなり、
図8のように過電流の検出ポイントDPにおいてMOSトランジスタQ1を流れる電流I
DSが過電流検出レベルLV
OCP以下である場合に過電流が検出されず、
図9のように過電流の検出ポイントDPにおいてMOSトランジスタQ1を流れる電流I
DSが過電流検出レベルLV
OCPより大きい場合に過電流が検出される。
【0013】
しかしながら、RCフィルタ103の時定数はばらつきが大きく、過電流の検出ポイントDPはRCフィルタ103の時定数のばらつきによってばらつく。このため、一般的な過電流検出回路は、容量性負荷に異常が発生したことに起因する過電流を精度良く検出することができなかった。
【0014】
なお、特許文献1で開示されている過電流制御部は、抵抗とコンデンサによって構成された時定数回路を用いて電源投入後の所定時間が経過する迄は過電流検出を行わないようにしている。このため、特許文献1で開示されている過電流制御部も上述した一般的な過電流検出回路と同様に、容量性負荷に異常が発生したことに起因する過電流を精度良く検出することができなかった。
【0015】
本発明は、上記の状況に鑑み、容量性負荷に異常が発生したことに起因する過電流を精度良く検出することができる過電流検出回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本明細書中に開示されている過電流検出回路は、容量性負荷に印加する電圧をハイレベルとローレベルとに切り換えて前記容量性負荷を駆動する負荷駆動装置の過電流を検出する過電流検出回路であって、クロック信号を生成するクロック信号生成部と、前記負荷駆動装置が前記容量性負荷に供給する電流に応じた物理量と所定値とを比較する比較部と、前記負荷駆動装置が前記容量性負荷にハイレベルの電圧を印加している期間において、前記クロック信号と前記比較部の比較結果とに基づいて前記負荷駆動装置が過電流状態であるか否かを判定する判定部とを備える構成(第1の構成)である。
【0017】
また上記第1の構成の過電流検出回路において、前記判定部は、前記負荷駆動装置が前記容量性負荷にハイレベルの電圧を印加している一の連続した期間における第1区間の前記クロック信号のクロック回数に基づいて前記負荷駆動装置が過電流状態であるか否かを判定し、前記第1区間では、前記負荷駆動装置が前記容量性負荷に供給する電流に応じた物理量が所定値以上である構成(第2の構成)にしてもよい。
【0018】
また上記第1又は第2の構成の過電流検出回路において、前記判定部は、前記負荷駆動装置が前記容量性負荷にハイレベルの電圧を印加している一の連続した期間における第2区間の前記クロック信号のクロック回数に基づいて前記負荷駆動装置が過電流状態であるか否かを判定し、前記第2区間では、前記負荷駆動装置が前記容量性負荷に供給する電流に応じた物理量が所定値未満である構成(第3の構成)にしてもよい。
【0019】
また上記第3の構成の過電流検出回路において、前記判定部は、前記第1区間の前記クロック信号のクロック回数と前記第2区間の前記クロック信号のクロック回数との比率に基づいて前記負荷駆動装置が過電流状態であるか否かを判定する構成(第4の構成)にしてもよい。
【0020】
また上記第1の構成の過電流検出回路において、前記判定部は、前記負荷駆動装置が前記容量性負荷にハイレベルの電圧を印加している一の連続した期間における前記クロック信号の所定番目のクロックの立ち上がり時点又は立ち下がり時点での前記比較部の比較結果に基づいて前記負荷駆動装置が過電流状態であるか否かを判定する構成(第5の構成)にしてもよい。
【0021】
本明細書中に開示されている他の過電流検出回路は、容量性負荷に印加する電圧をハイレベルとローレベルとに切り換えて前記容量性負荷を駆動する負荷駆動装置の過電流を検出する過電流検出回路であって、クロック信号を生成するクロック信号生成部と、前記容量性負荷が前記負荷駆動装置に供給する電流に応じた物理量と所定値とを比較する比較部と、前記負荷駆動装置が前記容量性負荷にローレベルの電圧を印加している期間において、前記クロック信号と前記比較部の比較結果とに基づいて前記負荷駆動装置が過電流状態であるか否かを判定する判定部とを備える構成(第6の構成)である。
【0022】
また上記第6の構成の過電流検出回路において、前記判定部は、前記負荷駆動装置が前記容量性負荷にローレベルの電圧を印加している一の連続した期間における第1区間の前記クロック信号のクロック回数に基づいて前記負荷駆動装置が過電流状態であるか否かを判定し、前記第1区間では、前記容量性負荷が前記負荷駆動装置に供給する電流に応じた物理量が所定値以上である構成(第7の構成)にしてもよい。
【0023】
また上記第6又は第7の構成の過電流検出回路において、前記判定部は、前記負荷駆動装置が前記容量性負荷にローレベルの電圧を印加している一の連続した期間における第2区間の前記クロック信号のクロック回数に基づいて前記負荷駆動装置が過電流状態であるか否かを判定し、前記第2区間では、前記容量性負荷が前記負荷駆動装置に供給する電流に応じた物理量が所定値未満である構成(第8の構成)にしてもよい。
【0024】
また上記第8の構成の過電流検出回路において、前記判定部は、前記第1区間の前記クロック信号のクロック回数と前記第2区間の前記クロック信号のクロック回数との比率に基づいて前記負荷駆動装置が過電流状態であるか否かを判定する構成(第9の構成)にしてもよい。
【0025】
また上記第6の構成の過電流検出回路において、前記判定部は、前記負荷駆動装置が前記容量性負荷にローレベルの電圧を印加している一の連続した期間における前記クロック信号の所定番目のクロックの立ち上がり時点又は立ち下がり時点での前記比較部の比較結果に基づいて前記負荷駆動装置が過電流状態であるか否かを判定する構成(第10の構成)にしてもよい。
【0026】
また上記第1〜第10いずれかの構成の過電流検出回路において、前記比較部の比較結果を保持する保持部を備え、前記負荷駆動装置が過電流状態であるという前記比較部の比較結果を2以上の所定数前記保持部が保持したことによって前記負荷駆動装置の過電流を検出し、前記負荷駆動装置が過電流状態であるという前記比較部の比較結果を2以上の所定数前記保持部が保持していないときは前記負荷駆動装置の過電流を検出しない構成(第11の構成)にしてもよい。
【0027】
本明細書中に開示されている過電流検出機能付き負荷駆動装置は、容量性負荷を駆動する負荷駆動装置と、前記負荷駆動装置の過電流を検出する上記第1〜第11いずれかの構成の過電流検出回路とを備える構成(第12の構成)である。
【0028】
また上記第12の構成の過電流検出機能付き負荷駆動装置において、前記負荷駆動装置は、第1パルス信号を入力し、前記第1パルス信号よりも電圧振幅が大きい第2パルス信号を生成して出力するレベルシフタである構成(第13の構成)にしてもよい。
【0029】
本明細書中に開示されている液晶表示装置は、ゲートドライバを内蔵した液晶表示パネルと、前記ゲートドライバに出力信号を供給するレベルシフタを有する上記第8の構成の過電流検出機能付き負荷駆動装置とを備える構成(第14の構成)である。
【発明の効果】
【0030】
本明細書中に開示されている過電流検出回路によれば、容量性負荷に異常が発生したことに起因する過電流を精度良く検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1A】過電流検出機能付きレベルシフタの一構成例を示す図
【
図1B】過電流検出機能付きレベルシフタの他の構成例を示す図
【
図1C】過電流検出機能付きレベルシフタの更に他の構成例を示す図
【
図2】容量性負荷に異常が発生していない場合の電流波形を示す図
【
図3】容量性負荷に異常が発生している場合の電流波形を示す図
【
図7】レベルシフタ及び一般的な過電流検出回路の構成を示す図
【
図8】容量性負荷に異常が発生していない場合の電流波形を示す図
【
図9】容量性負荷に異常が発生している場合の電流波形を示す図
【発明を実施するための形態】
【0032】
<過電流検出機能付きレベルシフタ>
図1Aは過電流検出機能付きレベルシフタの一構成例を示す図である。
図1Aに示す過電流検出機能付きレベルシフタは、容量性負荷駆動用レベルシフタと、過電流検出回路とによって構成される。
【0033】
容量性負荷駆動用レベルシフタは、レベルシフタドライバD1と、Pチャネル型MOSトランジスタQ1と、Nチャネル型MOSトランジスタQ2とによって構成されており、
図7に示した容量性負荷駆動用レベルシフタと同一の構成であるため、詳細な説明を省略する。なお、
図1Aでは出力電圧V
OUTの電圧振幅を入圧電圧V
INの電圧振幅より大きくしている場合の入圧電圧V
IN及び出力電圧V
OUTの波形を図示しているが、オン電圧V
ON及びオフ電圧V
OFFの各設定値を調整することにより、出力電圧V
OUTの電圧振幅を入圧電圧V
INの電圧振幅より小さくすることも可能である。また、オン電圧V
ON及びオフ電圧V
OFFの各設定値を調整することにより、出力電圧V
OUTと入圧電圧V
INの電圧振幅を同一にして、出力電圧V
OUTと入圧電圧V
INのハイレベルの値を互いに異なるようにし、出力電圧V
OUTと入圧電圧V
INのローレベルの値を互いに異なるようにすることも可能である。
【0034】
過電流検出回路は、基準電圧源1と、クロック信号生成部2と、コンパレータ3と、演算部4と、ロジックインタフェイス部5と、EEPROM[Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory]6と、出力バッファ7とによって構成される。
【0035】
基準電圧源1は、過電流検出レベルLV
OCPに対応する基準電圧V
REFを生成してコンパレータ3に出力する。クロック信号生成部2は、入力電圧V
INよりも周波数が高いクロック信号CKを生成し、そのクロック信号CKをコンパレータ3及び演算部4に出力する。
【0036】
コンパレータ3は、入力電圧V
IN及びクロック信号CKに基づいて、入力電圧V
INがハイレベルである期間(Pチャネル型MOSトランジスタQ1がオン状態である期間)において、クロック信号CKの立ち上がりタイミングでMOSトランジスタQ1のドレイン−ソース間電圧V
DSと基準電圧V
REFとを比較し、その比較結果を演算部4に出力する。なお、MOSトランジスタQ1がオン状態であるときに、MOSトランジスタQ1のドレイン−ソース間電圧V
DSはMOSトランジスタQ1を流れる電流I
DSに比例する。
【0037】
演算部4は、入力電圧V
IN及びクロック信号CKに基づいて、入力電圧V
INがハイレベルである期間(Pチャネル型MOSトランジスタQ1がオン状態である期間)において、クロック信号CKの立ち上がりタイミングでコンパレータ3の比較結果を受け取る。
【0038】
演算部4は、入力電圧V
INがハイレベルである一の連続した期間(Pチャネル型MOSトランジスタQ1がオン状態である一の連続した期間)におけるフェイル期間のクロック信号CKのクロック回数をカウントする。フェイル期間は、MOSトランジスタQ1のドレイン−ソース間電圧V
DSが基準電圧V
REF以上であるという比較結果が得られている期間である。
【0039】
演算部4は、入力電圧V
INがハイレベルである一の連続した期間(Pチャネル型MOSトランジスタQ1がオン状態である一の連続した期間)におけるパス期間のクロック信号CKのクロック回数もカウントする。パス期間は、MOSトランジスタQ1のドレイン−ソース間電圧V
DSが基準電圧V
REF未満であるという比較結果が得られている期間である。
【0040】
MOSトランジスタQ1を流れる電流I
DSは、
図2及び
図3に示すように、入力電圧V
INがローレベルからハイレベルに切り換わった時点すなわちPチャネル型MOSトランジスタQ1がオン状態である一の連続した期間の開始時点において容量性負荷の充電電流により最も大きくなり、その後容量性負荷の充電電流の減少に伴って徐々に小さくなる。
【0041】
そのため、容量性負荷に異常が発生したことに起因する過電流が流れていない場合は、
図2に示すようにフェイル期間のクロック信号CKのクロック回数(
図2に示す例では2回)が少なくなりパス期間のクロック信号CKのクロック回数(
図2に示す例では14回)が多くなる。これに対して、容量性負荷に異常が発生したことに起因する過電流が流れている場合は、
図3に示すようにフェイル期間のクロック信号CKのクロック回数(
図3に示す例では16回)が多くなりパス期間のクロック信号CKのクロック回数(
図3に示す例では0回)が少なくなる。また、パス期間はフェイル期間の後でしか現れない。
【0042】
したがって、演算部4は、例えば下記(1)〜(4)のいずれかの判定基準に従って、容量性負荷に異常が発生したことに起因する過電流が流れているか否かを判定すればよい。
(1)フェイル期間のクロック信号CKのクロック回数が第1閾値以上である場合に過電流が流れていると判定する。
(2)パス期間のクロック信号CKのクロック回数が第2閾値以下である場合に過電流が流れていると判定する。
(3)フェイル期間のクロック信号CKのクロック回数に対するパス期間のクロック信号CKのクロック回数の比率が第3閾値以下である場合に過電流が流れていると判定する。
(4)Pチャネル型MOSトランジスタQ1がオン状態である一の連続した期間におけるクロック信号CKの所定番目のクロックの立ち上がり時点で、MOSトランジスタQ1のドレイン−ソース間電圧V
DSが基準電圧V
REF以上であれば過電流が流れていると判定する。
【0043】
本構成例の過電流検出機能付きレベルシフタにおいて上記(1)〜(3)のいずれかの判定基準を用いると、複数のポイントでの比較結果を用いて判定が行われるので、過電流の検出ポイントDPのみの比較結果を用いて判定が行われる
図7に示す過電流検出回路よりも過電流の検出精度が高くなる。
【0044】
本構成例の過電流検出機能付きレベルシフタにおいて上記(4)の判定基準を用いると、一のポイントでの比較結果を用いて判定が行われることになるが、クロック信号によって一のポイントが決まるため、RCフィルタの時定数によって決まる過電流の検出ポイントDPよりもポイント位置のばらつきが小さくなり、
図7に示す過電流検出回路よりも過電流の検出精度が高くなる。
【0045】
例えば本構成例の過電流検出機能付きレベルシフタを液晶テレビに搭載する場合に液晶テレビのモデルに応じて容量性負荷の容量値が変わることがある。しかしながら、本構成例の過電流検出機能付きレベルシフタでは、上記(1)〜(4)の判定基準で用いられるパラメータ(第1閾値等)の設定値を変更することで、容量性負荷の容量値の変更に容易に対応することができる。すなわち、本構成例の過電流検出機能付きレベルシフタは、容量性負荷に異常が発生したことに起因する過電流が流れているか否かの判定に対する冗長性が高い。例えば、上記(1)〜(4)の判定基準で用いられるパラメータ(第1閾値等)の設定値をEEPROM6に記憶させておき、I2Cなどのバスを用いて外部からロジックインタフェイス部を介して上記(1)〜(4)の判定基準で用いられるパラメータ(第1閾値等)の設定値を書き換えるようにしてもよい。
【0046】
演算部4は、下記(1)〜(4)のいずれかの判定基準に従って実行された判定の結果を演算部4内のレジスタに保持し、過電流が流れているという判定結果が2以上の所定数に達したときに初めて過電流を検出することが望ましい。過電流が流れているという判定結果が1回得られただけで過電流を検出することもできるが、この場合はノイズ等による過電流の誤検出が生じる可能性がある。なお、上記の過電流が流れているという判定結果が2以上の所定数に達するという条件は、例えば、過電流が流れていないという判定結果を挟むこと無く過電流が流れているという判定結果が連続して所定数に達した場合としてもよく、所定数(例えば3回)より多い回数(例えば5回)の連続した判定結果群において、過電流が流れているという判定結果が所定数(例えば3回)以上得られた場合としてもよい。
【0047】
演算部4は、過電流を検出した場合に下記(i)〜(iii)の処理を少なくとも一つ行うようにすればよい。
(i)レベルシフタドライバD1の動作を停止させる。これにより、過電流保護がかかる。
(i i)過電流を検出したことを知らせる信号を出力バッファ7を介して外部に出力する。
(iii)過電流を検出したことをロジックインタフェイス部5を介してEEPROM6に記憶させる。
【0048】
また、例えば上記(1)〜(4)のいずれかの判定基準で用いたフェイル期間のクロック信号CKのクロック回数等をログデータとしてEEPROM6に記憶させてもよい。このログデータを解析することにより、過電流の検出に至らない段階でも徐々に過電流に近づいている傾向があることを検出すること等が可能になる。
【0049】
<液晶テレビへの適用>
図4は、上記の過電流検出機能付きレベルシフタを搭載した液晶テレビの一構成例を示すブロック図である。また、
図5は、液晶テレビが搭載する表示部の概略構成例を示す図である。
【0050】
本構成例の液晶テレビAは、チューナ部A1と、デコーダ部A2と、表示部A3と、スピーカ部A4と、操作部A5と、インタフェイス部A6と、制御部A7と、電源部A8と、を有する。
【0051】
表示部A3は、タイミングコントローラ11と、過電流検出機能付きレベルシフタ群12と、ゲートドライバ13及び液晶画素アレイ14を内蔵する液晶表示パネル15と、ソースドライバ16と、を有する。ゲートドライバ13及び液晶画素アレイ14は液晶表示パネル15のガラス基板に直接実装される。
【0052】
液晶画素アレイ14は、複数のデータ線と、複数のデータ線と直交するように配置される複数の走査線と、データ線および走査線の交点にマトリクス状に配置された複数の画素回路とを備える。ゲートドライバ13は、液晶画素アレイ14の複数の走査線を順次選択する。ソースドライバ16は、階調電圧(発光階調に応じたアナログ電圧)を液晶画素アレイ14の各データ線に印加して液晶画素アレイ14の各データ線を駆動する。
【0053】
タイミングコントローラ11は、ゲートドライバ13及びソースドライバ16の各動作のタイミングを制御する。液晶画素アレイ14の各画素回路は、液晶層を有しており、対応する走査線によって選択されているときに、対応するデータ線に印加される階調電圧に応じて液晶層の透光度を可変する。
【0054】
タイミングコントローラ11とゲートドライバ13との間には、過電流検出機能付きレベルシフタ群12が設けられている。過電流検出機能付きレベルシフタ群12は、上記の過電流検出機能付きレベルシフタを液晶画素アレイ14の走査線と同数備える。タイミングコントローラ11は、過電流検出機能付きレベルシフタ群12内の各レベルシフタに順次パルス信号を供給する。タイミングコントローラ11から過電流検出機能付きレベルシフタ群12に出力されるパルス信号は、例えば0Vと3.3Vとの間でパルス駆動される信号である。一方、過電流検出機能付きレベルシフタ群12からゲートドライバ13に出力されるパルス信号は、例えば−12Vと30Vとの間でパルス駆動される信号である。
すなわち、過電流検出機能付きレベルシフタ群12内の各レベルシフタは、入力したパルス信号(入力電圧V
INに相当するパルス信号)よりも電圧振幅が大きいパルス信号(出力電圧V
OUTに相当するパルス信号)を出力する。
【0055】
また、
図6A〜
図6Cは、それぞれ、過電流検出機能付きレベルシフタを搭載した液晶テレビの正面図、側面図、及び、背面図である。
【0056】
チューナ部A1は、液晶テレビAに外部接続されるアンテナA0で受信された受信信号から所望チャンネルの放送信号を選局する。
【0057】
デコーダ部A2は、チューナA1で選局された放送信号から映像信号と音声信号を生成する。また、デコーダ部A2は、インタフェイス部A6からの外部入力信号に基づいて、映像信号と音声信号を生成する機能も備えている。
【0058】
表示部A3は、デコーダ部A2で生成された映像信号を映像として出力する。
【0059】
スピーカ部A4は、デコーダ部A2で生成された音声信号を音声として出力する。
【0060】
操作部A5は、ユーザ操作を受け付けるヒューマンインタフェイスの一つである。操作部A5としては、ボタン、スイッチ、リモートコントローラなどを用いることができる。
【0061】
インタフェイス部A6は、外部デバイス(光ディスクプレーヤやハードディスクドライブなど)から外部入力信号を受け付けるフロントエンドである。
【0062】
制御部A7は、上記各部A1〜A6の動作を統括的に制御する。制御部A7としては、CPU[Central Processing Unit]などを用いることができる。
【0063】
電源部A8は、上記各部A1〜A7に電力供給を行う。
【0064】
<その他の変形例>
なお、本発明の構成は、上記実施形態のほか、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。
【0065】
上述した実施形態では、クロック信号CKの立ち上がりタイミングでのコンパレータ3の比較結果に基づいて過電流の検出を行ったが、クロック信号CKの立ち下がりタイミングでのコンパレータ3の比較結果に基づいて過電流の検出を行ってもよい。
【0066】
上述した実施形態では、過電流検出機能付きレベルシフタを液晶テレビに適用したが、パーソナルコンピュータの液晶モニタなどの他の液晶表示装置に適用してもよい。
【0067】
また上述した実施形態では、過電流検出回路をレベルシフタに適用したが、容量性負荷を駆動する他の負荷駆動装置に適用してもよい。
【0068】
また上述した実施形態では、MOSトランジスタQ1を流れる電流に関して過電流を検出したが、
図1Bに示す構成にして、入力電圧V
INがローレベルである期間(MOSトランジスタQ2がオン状態である期間)において、コンパレータ3がMOSトランジスタQ2のドレイン−ソース間電圧と基準電圧V
REFとを比較し、その比較結果を演算部4が受け取るようにしてもよい。
図1Bに示す構成では、上述した実施形態での入力電圧V
INがハイレベルである期間における動作が、入力電圧V
INがローレベルである期間における動作に変わるけれども動作自体の基本的な内容は変わらないため、ここでは詳細な説明を省略する。
図1Bに示す構成によると、MOSトランジスタQ2を流れる電流に関して過電流を検出することになる。
【0069】
なお、
図1Aに示す構成と
図1Bに示す構成を組み合わせて実施することも可能である。この場合、過電流検出回路は、入力電圧V
INがハイレベルである期間においてMOSトランジスタQ1を流れる電流に関して過電流を検出し、入力電圧V
INがローレベルである期間においてMOSトランジスタQ2を流れる電流に関して過電流を検出する。また、
図1Aに示す構成と
図1Bに示す構成を単純に組み合わせても良いが、
図1Cに示す構成のようにコンパレータ3とMOSトランジスタQ1及びQ2との間にスイッチSW1を設けてもよい。スイッチSW1は、入力電圧V
INがハイレベルである期間においてMOSトランジスタQ1のドレイン及びソースをコンパレータ3の接続先として選択し、入力電圧V
INがローレベルである期間においてMOSトランジスタQ2のドレイン及びソースをコンパレータ3の接続先として選択する。
【0070】
このように、上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、あらゆる分野(家電分野、自動車分野、産業機械分野など)で用いられる容量性負荷を駆動する負荷駆動装置の過電流検出に利用することが可能である。
【符号の説明】
【0072】
1 基準電圧源
2 クロック信号生成部
3 コンパレータ
4 演算部
5 ロジックインタフェイス部
6 EEPROM
7 出力バッファ
11 タイミングコントローラ
12 過電流検出機能付きレベルシフタ群
13 ゲートドライバ
14 液晶画素アレイ
15 液晶表示パネル
16 ソースドライバ
A 液晶テレビ
A0 アンテナ
A1 チューナ部
A2 デコーダ部
A3 表示部
A4 スピーカ部
A5 操作部
A6 インタフェイス部
A7 制御部
A8 電源部
C1 コンデンサ
D1 レベルシフタドライバ
Q1、Q2 MOSトランジスタ
R1 抵抗
SW1 スイッチ