(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
成分(D)が、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体から選ばれる1種又は2種以上である請求項1〜5のいずれか1項記載のエアゾール化粧料。
さらに、成分(G)アルキルグリセリルエーテル変性シリコーン及びポリオキシアルキレン変性シリコーンから選ばれる1種又は2種以上を含有する請求項1〜6のいずれか1項記載のエアゾール化粧料。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明で用いる成分(A)のシリコーンエラストマーは、モノマーの重合によって得られた架橋構造を有するシリコーン及びその誘導体が好ましい。例えば、ジメチコン、ビニルジメチコン、フェニルビニルジメチコン、ラウリルジメチコン及びラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン等から選ばれるモノマーを重合又は共重合させて得られるシリコーン及びその誘導体が好ましく、後述の成分(C)と組合わせて、泡の皮膚への浸透感を向上させる観点から、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマー、(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー、(PEG−15/ラウリルジメチコン)クロスポリマーがより好ましく、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、(PEG−15/ラウリルジメチコン)クロスポリマーがさらに好ましく、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーがよりさらに好ましい。
なお、本発明において、肌と皮膚とは同義である。
【0011】
成分(A)のシリコーンエラストマーは、平均粒子径が0.01〜30μmであり、成分(C)と組合わせて、塗布後の肌の皮膜感を向上させる観点から、平均粒子径0.1〜20μmが好ましく、1〜10μmがより好ましい。
本発明において、平均粒径は、レーザー回折散乱式 粒子径分布測定装置 LA−920(HORIBA社製)で測定される。
【0012】
成分(A)のシリコーンエラストマーは、固体状のまま使用しても良く、水、液状油と均一に混合したものを使用しても良い。化粧料中への分散性、作業性、後述の成分(C)と組合わせて、泡の皮膚への浸透感を向上させる観点から、水又は液状油と混合した分散液として用いるのが好ましく、液状油と混合した分散液として用いるのがより好ましい。
液状油としては、後述の成分(C)と組合わせて、泡の皮膚への浸透感を向上させる観点から、25℃における粘度が100mPa・s以下のものが好ましく、50mPa・s以下がより好ましく、30mPa・s以下がさらに好ましく、10mPa・s以下がよりさらに好ましい。
ここで、粘度は、B型粘度計(VISCOMETER TVB-10、東機産業社製)、ローターNo.1、60rpm、1分で測定するものである。
また、液状油としては、後述の成分(C)と組合わせて、泡の皮膚への浸透感を向上させる観点から、シリコーン油、炭化水素油、エステル油から選ばれる少なくとも一種が好ましく、シリコーン油、炭化水素油から選ばれる少なくとも一種がより好ましく、ジメチルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、流動パラフィン、軽質イソパラフィンから選ばれる少なくとも一種がさらに好ましく、ジメチルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンから選ばれる少なくとも一種がよりさらに好ましい。
【0013】
(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーとしては、固体状のもとして、トレフィルE−506S(有効分100質量%)(東レ・ダウコーニング社製)等が挙げられ、液状油と混合したものとしては、デカメチルシクロペンタシロキサン(KF−995)との混合物であるKSG−15(有効分7質量%)、低粘度ジメチルポリシロキサン(KF−96A−6cs)との混合物であるKSG−16(有効分25質量%)(以上、信越化学工業社製)、ジメチコンとの混合物であるトレフィルE−508(有効分70%)等が挙げられ、水と混合したものとしては、BY29−119(有効分63質量%)、BY29−129(有効分63質量%)などの市販品を用いることができる。
(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマーとしては、液状油と混合したものとして、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(KF−56A)との混合物であるKSG−18A(有効分15質量%)(信越化学工業社製)などの市販品を用いることができる。
【0014】
また、(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマーとしては、液状油と混合したものとして、流動パラフィンとの混合物であるKSG−41(有効分30質量%)、軽質イソパラフィンとの混合物であるKSG−42(有効分25質量%)、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリルとの混合物であるKSG−43(有効分30質量%)、スクワランとの混合物であるKSG−44(有効分30質量%)(以上、信越化学工業社製)などの市販品を用いることができる。
(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマーとしては、固体状のもとして、KSP−100(有効分100質量%)(信越化学工業社製)などの市販品を用いることができる。
(PEG−15/ラウリルジメチコン)クロスポリマーとしては、液状油と混合したものとして、流動パラフィンとの混合物であるKSG−310(有効分30質量%)、軽質イソパラフィンとの混合物であるKSG−320(有効分25質量%)、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリルとの混合物であるKSG−330(有効分20質量%)(以上、信越化学工業社製)などの市販品を用いることができる。
【0015】
成分(A)は、上記から選ばれる1種又は2種以上を用いることができ、泡の皮膚への浸透感及び泡ののびを向上させる観点から、含有量は、原液中に0.1質量%以上であり、0.2質量%以上が好ましく、0.4質量%以上がより好ましく、組成物の保存安定性を向上させる観点から、1.5質量%以下であり、0.8質量%以下が好ましく、0.6質量%以下がより好ましい。また、成分(A)の含有量は、原液中に0.1〜1.5質量%であり、0.2〜0.8質量%が好ましく、0.4〜0.6質量%が更に好ましい。
また、成分(A)は、泡の皮膚への浸透感、塗布後の皮膚の皮膜感及び泡ののびを向上させる観点から、含有量は、成分(F)を除く成分中、0.1質量%以上であり、0.2質量%以上が好ましく、0.4質量%以上がより好ましく、組成物の保存安定性を向上させる観点から、1.5質量%以下であり、0.8質量%以下が好ましく、0.6質量%以下がより好ましい。また、成分(A)の含有量は、成分(F)を除く成分中、0.1〜1.5質量%であり、0.2〜0.8質量%が好ましく、0.4〜0.6質量%が更に好ましい。成分(F)を除く成分中の、他の成分の好ましい含有量も、「原液中」を「成分(F)を除く成分中」に置き換えた量である。
【0016】
本発明において、泡ののびが良好であるとは、泡を維持しながら皮膚の上にのばせることをいい、泡の皮膚への浸透感に優れるとは、泡状で皮膚に広げた後、すぐに吸収され皮膚の上に化粧料が残っている感触がないことを示す。塗布後の皮膚の皮膜感とは、泡状の化粧料が素早く吸収され、皮膚の角層が化粧料で満たされ、角層が膨潤されている感覚であり、圧迫感がないことを示す。これにより、その後に適用する化粧水や美容液のなじみを良好にする。本発明において、なじみとは、化粧水や美容液を皮膚に適用した際に、化粧水や美容液が皮膚にとどまり、すでに適用した泡状の化粧料とともに皮膚の角層内に吸収される感触を示す。また、なじみとは、浸透感を示す。
また、本発明のエアゾール化粧料は、当該化粧料を塗布した後に適用する化粧水、乳液、クリーム等の他の化粧料のなじみも良好にする。
本発明において、なじみとは、本発明のエアゾール化粧料を塗布した後に他の化粧料を皮膚に適用した際に、他の化粧料が皮膚にとどまり、すでに適用した本発明のエアゾール化粧料とともに皮膚の角層内に吸収される感触を示す。
【0017】
本発明で用いる成分(B)の油剤は、25℃における粘度が、泡の皮膚への浸透感を向上させる観点から、1mPa・s以上であり、2mPa・s以上が好ましく、3mPa・s以上がより好ましく、4mPa・s以上がさらに好ましく、100mPa・s以下であり、50mPa・s以下が好ましく、30mPa・s以下がより好ましく、20mPa・s以下がよりさらに好ましい。また、成分(B)の油剤は、1〜100mPa・sのものであり、2〜50mPa・sのものが好ましく、3〜30mPa・sのものがより好ましく、4〜20mPa・sのものがさらに好ましい。
ここで、粘度は、25℃で、BM粘度計(東機産業社製)(ローターNo.1、60rpm、1分)により測定される。
【0018】
かかる油剤としては、通常の化粧料に用いられるものであれば制限されず、例えば、炭化水素油、シリコーン油、エステル油、エーテル油、フッ素油等が挙げられる。より具体的には、例えば、軽質イソパラフィン、流動パラフィン、流動イソパラフィン、スクワラン、スクワレン等の直鎖又は分岐の炭化水素油;ジメチルポリシロキサン、シクロメチコン、ジメチコン、トリシロキサンメチルトリメチコン、エチルトリシロキサン、ジメチルシクロポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、高級アルコール変性オルガノポリシロキサン等のシリコーン油;イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、安息香酸と炭素数12〜15の脂肪族アルコールとのエステルである安息香酸アルキル(C12−15)等のモノエステル油、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール等のジエステル油、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル、2-エチルヘキサン酸トリグリセリル等のトリエステル油:アルキル−1,3−ジメチルブチルエーテル、ジカプリリルエーテル、ジカプリリルエーテル等のエーテル油;フルオロポリエーテル、パーフルオロアルキルエーテルシリコーン等のフッ素油などが挙げられる。
【0019】
成分(B)としては、成分(A)と組合わせて泡の伸びを向上させる観点から、炭化水素油、エステル油及びシリコーン油から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、炭化水素油、モノエステル油、トリエステル油、シリコーン油がより好ましく、モノエステル油、シリコーン油が好ましい。また、泡の皮膚への浸透感、安定性を向上させる観点から、モノエステル油とシリコーン油を併用することが好ましい。
【0020】
成分(B)は、1種又は2種以上を用いることができ、泡の皮膚への浸透感、塗布後の皮膚の皮膜感を向上させる観点から、含有量は、原液中に1質量%以上であり、2質量%以上が好ましく、4質量%以上がより好ましく、25質量%以下であり、15質量%以下が好ましく、12質量%以下がより好ましい。また、成分(B)の含有量は、原液中に1〜25質量%であり、2〜15質量%が好ましく、4〜12質量%が更に好ましい。
【0021】
本発明で用いる成分(C)は、HLB3〜20の非イオン界面活性剤であり、成分(C)のHLBは、泡の皮膚への浸透感、組成物の保存安定性を向上させる観点から、7以上が好ましく、9以上がより好ましく、11以上がさらに好ましく、塗布後の皮膚の皮膜感を向上させる観点から、18以下が好ましく、16以下がより好ましく、15以下がさらに好ましい。また、成分(C)のHLBは、7〜18が好ましく、9〜16がより好ましく、11〜15がさらに好ましい。成分(C)の非イオン界面活性剤は、炭酸ガスの原液への溶解量、溶解性促進と塗布時の泡立ち性の観点から、含有される。
なお、成分(C)に、後述する成分(G)は、含まれない。
ここで、HLB(親水性−親油性のバランス〈Hydrophilic-Lypophilic Balance〉)は、界面活性剤の全分子量に占める親水基部分の分子量を示すものであり、非イオン界面活性剤については、グリフィン(Griffin)の式により求められるものである。
2種以上の非イオン界面活性剤から構成される混合界面活性剤のHLBは、次のようにして求められる。混合界面活性剤のHLBは、各非イオン界面活性剤のHLB値をその配合比率に基づいて相加算平均したものである。
【0022】
混合HLB=Σ(HLBx×Wx)/ΣWx
HLBxは、非イオン界面活性剤XのHLB値を示す。
Wxは、HLBxの値を有する非イオン界面活性剤Xの質量(g)を示す。
【0023】
成分(C)の非イオン界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロースエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル等が挙げられる。
【0024】
これらのうち、成分(A)と組合わせて泡の皮膚への浸透感、安定性を向上させる観点から、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が好ましく、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油がより好ましく、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油がさらに好ましく、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油がよりさらに好ましい。
また、皮膚への浸透感、塗布後の皮膚の皮膜感を向上させる観点から、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が好ましく、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油がより好ましく、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油がさらに好ましく、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油がよりさらに好ましい。
また、皮膚に塗布した後に用いる化粧料の浸透感を向上させる観点から、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油から選ばれる1種又は2種以上がより好ましい。
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は、成分(A)と組合わせて泡の皮膚への浸透感、安定性を向上させる観点から、エチレンオキサイドの平均付加モル数が、20〜90であるのが好ましく、30〜80がより好ましく、50〜70がさらに好ましい。
【0025】
成分(C)は、上記から選ばれる1種又は2種以上を組合わせて用いることができ、含有量は、泡ののび、皮膚への浸透感、塗布後の皮膚の皮膜感を向上させる観点から、原液中に0.05質量%以上であり、0.1質量%以上が好ましく、0.3質量%以上がより好ましく、6質量%以下であり、2質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましい。また、成分(C)の含有量は、原液中に0.05〜6質量%であり、0.1〜2質量%が好ましく、0.3〜1質量%がより好ましい。
【0026】
本発明において、成分(C)に対する成分(A)の質量割合、[(A)/(C)]は、泡の皮膚への浸透感を向上させる観点から、0.05以上が好ましく、0.2以上がより好ましく、0.5以上がさらに好ましく、3以下が好ましく、2.2以下がより好ましく、1.4以下がさらに好ましい。また、成分(C)に対する成分(A)の質量割合、[(A)/(C)]は、0.05〜3が好ましく、0.2〜2.2がより好ましく、0.5〜1.4がさらに好ましい。
【0027】
成分(D)の水溶性増粘剤としては、通常の化粧料に用いられるものであれば良く、例えば、カラギーナン、デキストリン、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、キサンタンガム、カルボキシメチルキチン、キトサン等が挙げられる。これらは、原液の粘度を高め、安定性を向上させる効果を有する。
これらのうち、成分(A)と組合わせて、泡の皮膚への浸透感、塗布後の皮膚の皮膜感を向上させる観点から、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体が好ましく、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体がより好ましい。
ここで、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体とは、C10−30アルキルアクリル酸とアクリル酸、メタクリル酸又はこれらの低級アルキルエステルとの共重合体であって、ショ糖のアリルエーテル又はペンタエリスリトールのアリルエーテルで架橋したものであり、ペムレンTR−1、ペムレンTR−2、カーボポールETD2020、カーボポール1342、カーボポール1382(以上、Lubrizol Advanced Materials 社)等の市販品を用いることができる。
【0028】
また、ポリアクリル酸、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体などの酸型の水溶性増粘剤は、塩基を中和剤として用い、水溶性ないし水分散性の塩として用いるのが好ましい。塩基としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属水酸化物;アンモニウム;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン等のアルカノールアミン由来のアンモニウム;アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸が挙げられ、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属水酸化物が好ましく、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムがより好ましい。
【0029】
成分(D)は、上記から選ばれる1種又は2種以上を組合わせて用いることができ、含有量は、他の成分と組合わせて、泡の皮膚への浸透感を向上させる観点から、原液中に0.1質量%以上であり、0.15質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、1質量%以下であり、0.8質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましい。また、成分(D)の含有量は、原液中に0.1〜1質量%であり、0.15〜0.8質量%が好ましく、0.2〜0.5質量%がより好ましい。
【0030】
本発明において、成分(D)に対する成分(A)の質量割合、[(A)/(D)]は、泡の皮膚への浸透感及び安定性を向上させる観点から、0.2以上が好ましく、0.6以上がより好ましく、1以上がさらに好ましく、10以下が好ましく、4以下がより好ましく、2.5以下がさらに好ましい。また、成分(D)に対する成分(A)の質量割合、[(A)/(D)]は、0.2〜10が好ましく、0.6〜4がより好ましく、1〜2.5がさらに好ましい。
【0031】
本発明で用いる成分(E)の水は、溶媒として働き、他成分の残部をなす。成分(E)の水の含有量は、原液中に、55質量%以上が好ましく、65質量%以上がより好ましく、75質量%以上が更に好ましく、95質量%以下が好ましく、93質量%以下がより好ましく、90質量%以下が更に好ましい。また、水の含有量は、原液中に、55〜95質量%が好ましく、65〜93質量%がより好ましく、75〜90質量%が更に好ましい。
【0032】
本発明の化粧料は、さらに、(G)アルキルグリセリルエーテル変性シリコーン及びポリオキシアルキレン変性シリコーンから選ばれ1種又は2種以上を含有することができ、成分(A)と組合わせて、泡ののび、塗布後の皮膚の皮膜感、皮膚に塗布した後に用いる化粧料の浸透感を向上させることができる。
成分(G)としては、成分(A)と組合わせて、泡ののび、塗布後の皮膚の皮膜感、皮膚に塗布した後に用いる化粧料の浸透感、安定性を向上させる観点から、ポリオキシアルキレン変性シリコーンが好ましい。
アルキルグリセリルエーテル変性シリコーンとしては、例えば、次の一般式(1)で表されるものが挙げられる。
【0034】
[式中、R
1〜R
12の少なくとも一つは次式(2);
【0036】
(式中、Qは炭素数3〜20の二価炭化水素基を示し、R
13及びR
14はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜5の炭化水素基を示し、そのうち少なくとも一方は水素原子を示す)で表される基を示し、残余は炭素数1〜30の直鎖、分岐鎖若しくは環状の炭化水素基又は次式(2−1);
−Y−R
15 (2−1)
(式中、Yはエーテル結合又はエステル結合を含む炭素数1〜10の二価炭化水素基を示し、R
15は炭素数1〜30の直鎖、分岐鎖又は環状の炭化水素基を示す)で表される基を示し、a、b及びcは0〜2000の数を示し、a+b+c=0のとき、R
1〜R
3及びR
10〜R
12のうち少なくとも一つは基(2)を示す]
【0037】
アルキルグリセリルエーテル変性シリコーンとしては、成分(A)と組合わせて、泡ののび、塗布後の皮膚の皮膜感、皮膚に塗布した後に用いる化粧料の浸透感を向上させる観点から、一般式(1)において、R
1〜R
12の一つが一般式(2)であり、一般式(2)のR
13とR
14が水素原子であり、残余がメチル基であるものが好ましく、さらに特開平4−108795号公報に記載の方法により製造することができる、次の一般式(3)において、j=60、k=4であるものがより好ましい。
アルキルグリセリルエーテル変性シリコーンとしては、例えば、花王社から販売されている「ペネトール SI−U」(グリセリルウンデシルジメチコン)等の市販品を用いることができる。
【0039】
また、ポリオキシアルキレン変性シリコーンとしては、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・メチルポリシロキサン共重合体が挙げられ、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体としては、例えば次の一般式(4)で表されるものが挙げられる。
【0041】
[式中、R
17〜R
19及びR
21〜R
22は、それぞれメチル基又はフェニル基を示し、R
16、R
20及びR
23は、それぞれメチル基、フェニル基、又は基R
24(OC
3H
6)
f(OC
2H
4)
gO(CH
2)
h−(R
24は水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基を示し、f及びgは平均値で、それぞれ0〜35の数を示し、hは1〜5の数を示す)を示す。ただし、R
16、R
20及びR
23のうち少なくとも1つは基R
24(OC
3H
6)
f(OC
2H
4)
gO(CH
2)
h−を示す。d及びeは平均値で、dは1〜200の数を示し、eは0〜50の数を示す]
【0042】
ポリオキシアルキレン変性シリコーンとしては、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・メチルポリシロキサン共重合体が好ましく、成分(A)と組合わせて、泡ののび、塗布後の皮膚の皮膜感、皮膚に塗布した後に用いる化粧料の浸透感を向上させる観点から、一般式(4)で表されるポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体がより好ましい。一般式(4)で表されるポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体としては、信越化学工業社から販売されている「KF−6015」(PEG−3ジメチコン)、「KF−6019」(PEG−9ジメチコン)、東レ・ダウコーニング・シリコーン社から販売されている「SH−3775M」(PEG−12ジメチコン)、「SH−3771M」(PEG−12ジメチコン)、「SS−2804」(PEG−12ジメチコン)等の市販品を用いることができる。
【0043】
成分(G)は、上記から選ばれる1種又は2種以上を組合わせて用いることができ、含有量は、塗布後の皮膚の皮膜感、皮膚に塗布した後に用いる化粧料の浸透感を向上させる観点から、原液中に、0.05質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.2質量%以上が更に好ましく、1.5質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.7質量%以下が更に好ましい。また、成分(G)の含有量は、原液中に、0.05〜1.5質量%が好ましく、0.1〜1質量%がより好ましく、0.2〜0.7質量%がさらに好ましい。
【0044】
本発明において、原液には、更に(H)2価のポリオールを含有することができ、成分(A)と組合わせて、塗布後の皮膚の皮膜感を向上させることができる。
成分(H)の2価のポリオールとしては、通常の化粧料に用いられるものであれば良く、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、プロパンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられ、成分(A)と組合わせて、塗布後の皮膚の皮膜感を向上させ、また、塗布後の肌をしっとりしながらもべたつかない感触を得る観点から、プロピレングリコール、プロパンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコールが好ましく、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコールがより好ましい。また、1,3−プロパンジオールとジプロピレングリコールを併用することがさらに好ましい。
【0045】
成分(H)は、上記から選ばれる1種又は2種以上を組合わせて用いることができ、含有量は、泡ののび、泡の皮膚への浸透感、塗布後の皮膚の皮膜感、皮膚に塗布した後に用いる化粧料の浸透感を向上させる観点から、原液中に1質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、5質量%以上が更に好ましく、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましい。また、成分(G)の含有量は、原液中に1〜20質量%が好ましく、3〜15質量%がより好ましく、5〜10質量%が更に好ましい。
【0046】
本発明のエアゾール化粧料において、原液は、更に、通常の化粧料に用いられる成分、例えば、防腐剤、防腐剤を除く成分(B)以外の25℃で液状の油剤、防腐剤を除く25℃で液状以外の油剤、成分(C)以外の界面活性剤、成分(A)以外の粉体、エタノール、成分(H)以外の多価アルコール、酸化防止剤、色素、pH調整剤、香料、保湿剤、血行促進剤、冷感剤、制汗剤、殺菌剤、美白剤、抗炎症剤、皮膚賦活剤などを含有することができる。
【0047】
本発明において、防腐剤としては、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル等のパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノールなどを使用することができる。
原液中の防腐剤の含有量は、0.05〜1質量%であるのが好ましい。
【0048】
本発明において、原液中の防腐剤を除く成分(B)以外の25℃で液状の油剤の含有量は、塗布後の皮膚の皮膜感を向上させる観点から、1質量%以上が好ましく、9質量%以下であるのが好ましく、7.5質量%以下がより好ましい。なお、成分(B)以外の液状の紫外線吸収剤も、防腐剤を除く成分(B)以外の25℃で液状の油剤に含まれる。
【0049】
原液中に用いられる防腐剤を除く25℃で液状以外の油剤は、25℃で固体状のワックス、ペーストや固体脂を示し、炭素数12〜24の高級アルコール、炭素数12〜24の高級脂肪酸、パラフィンワックス等が挙げられる。また、防腐剤を除く25℃で液状以外の油剤には、25℃で液状以外の紫外線吸収剤も含まれる。
また、原液中に用いられる防腐剤を除く25℃で液状以外の油剤の含有量は、泡の柔軟性、のびを向上させる観点から、原液中に3質量%以下であるのが好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましく、0.3質量%以下がよりさらに好ましく、0.1質量%以下が好ましい。
原液中の防腐剤を除く成分(B)以外の25℃で液状の油剤に対する、防腐剤を除く25℃で液状以外の油剤の質量比、[(防腐剤を除く25℃で液状以外の油剤)/(防腐剤を除く成分(B)以外の25℃で液状の油剤)]は、0.1以下が好ましく、0.07以下がより好ましく、0.03以下がさらに好ましい。
【0050】
さらに、本発明において、原液中に含まれるアニオン界面活性剤の含有量は、泡ののび、泡のなじみを向上させる観点から、1質量%以下であるのが好ましく、0.1質量%以下がより好ましい。
また、成分(A)以外の粉体を含有することができ、金属を含む粉体、金属を含まない粉体のいずれの粉体も含有することができ、金属を含まない粉体が好ましく、樹脂粉体がより好ましい。成分(A)以外の粉体の平均粒径としては、30μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、5μm以下がさらに好ましい。
成分(A)以外の粉体の含有量は、泡ののび、塗布後の皮膚の皮膜感を向上させる観点から、3質量%以下であるのが好ましく、1質量%以下がより好ましい。
原液中のエタノールの含有量は、泡立ちを向上させる観点から、3質量%以下であるのが好ましく、1質量%以下がより好ましく、実質含有しないことが好ましい。
【0051】
本発明のエアゾール化粧料において、原液は、前記成分(A)〜(E)及びその他成分を混合することにより調製される。原液は、安定性、泡の吐出性、泡の皮膚への浸透感を向上せる観点から、25℃における粘度が、500mPa・s以上であるのが好ましく、1000mPa・s以上がより好ましく、1500mPa・s以上がさらに好ましく、20000mPa・s以下が好ましく、10000mPa・s以下がより好ましく、7000mPa・s以下がさらに好ましい。原液は、25℃における粘度が、500〜20000mPa・sであるのが好ましく、1000〜10000mPa・sがより好ましく、1500〜7000mPa・sがさらに好ましい。
ここで、粘度は、25℃で、BM粘度計(東機産業社製)を用いて、ローターNo.3、12rpm、1分で測定し、粘度が10000mPa・sを超えた場合は、ローターNo.3、6rpm、1分で測定した値である。
【0052】
本発明のエアゾール化粧料は、前記のような原液と、(F)噴射剤を、耐圧容器(エアゾール容器)に充填することにより製造することができる。その噴射の形態としては、泡状にして吐出するフォームタイプとするのが好ましい。
成分(F)の噴射剤は、炭酸ガスを90質量%以上含むものであり、95質量%以上が好ましく、98質量%以上がより好ましく、100質量%がさらに好ましい。
原液と(F)噴射剤の質量割合は、泡ののびを向上させる観点から、94:6〜99.5:0.5が好ましく、95:5〜99:1がより好ましく、96.5:3.5〜98.5:1.5がさらに好ましい。
【0053】
本発明において、成分(F)に対する成分(A)の質量割合[(A)/(F)]は、泡の皮膚への浸透感を向上せる観点から、0.05以上が好ましく、0.1以上がより好ましく、0.12以上がさらに好ましく、1以下が好ましく、0.4以下がより好ましく、0.3以下がさらに好ましい。また、成分(F)に対する成分(A)の質量割合、[(A)/(F)]は、0.05〜1であるのが好ましく、0.1〜0.4がより好ましく、0.12〜0.3がさらに好ましい。
【0054】
本発明のエアゾール化粧料は、化粧料として特に制限なく適用することができるが、炭酸ガスが経皮吸収され、従来のものより高い血行促進する効果が得られることから、肌色(明るさ、くすみなどの)改善、保湿感の改善等のために用いられる皮膚化粧料として好適である。また、本発明のエアゾール化粧料を塗布した後に用いる化粧料の浸透性を高めることができる。
また、本発明においては、エアゾール容器に、成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F)を含有する化粧料が充填されている、化粧品とすることができる。
【0055】
本発明のエアゾール化粧料は、皮膚、中でも頭髪を除く皮膚、好ましくは、顔、身体、手足等のいずれかに適用、好ましくは、塗布することにより使用することができる。
さらに、本発明のエアゾール化粧料を適用又は塗布した皮膚に、本発明以外の化粧料(他の化粧料という)を適用又は塗布することにより、他の化粧料の浸透感が向上し、該他の化粧料ののびが向上するという格別の効果を奏する。その詳細なる理由は不明なるも、本発明のエアゾール化粧料を皮膚に適用又は塗布することにより、該化粧料が皮膚の表面状態に変化を及ぼしているためと考えられる。
したがって、本発明は、さらに、他の化粧料の前に使用するための化粧料、使用方法を開示する。
すなわち、本発明のエアゾール化粧料を、例えば、皮膚に適用又は塗布した後、当該エアゾール化粧料が適用又は塗布された皮膚に、他の化粧料を適用又は塗布する使用方法である。
このように、本発明のエアゾール化粧料を他の化粧料に先立って皮膚に適用又は塗布すると、後に適用又は塗布される他の化粧料の浸透感及びのびを向上させることができる。
【0056】
なお、前記本発明以外の化粧料(他の化粧料)は、より詳細には、炭酸ガスの含有量が、化粧料中10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることがさらに好ましく、0.1質量%以下であることがよりさらに好ましく、実質0質量%であることが特に好ましい。
【0057】
本発明のエアゾール化粧料を皮膚に適用又は塗布した後、当該エアゾール化粧料が適用又は塗布された皮膚に塗布する他の化粧料としては、特に制限されず、化粧水、乳液、クリーム等として使用できるが、化粧料を均一に皮膚にのび広げる観点から、化粧水又は乳液が好ましく、化粧水がより好ましい。
さらに、他の化粧料は、水を含有することが好ましく、他の化粧料の全組成中の含有量が、65〜93質量%であるのが好ましく、70〜92質量%がより好ましい。
また、他の化粧料は、グリセリン、ジプロピレングリコール等の多価アルコールを含有することが好ましく、他の化粧料の全組成中の含有量が、3〜40質量%であるのが好ましく、5〜30質量%がより好ましく、7〜25質量%がさらに好ましい。
【0058】
また、他の化粧料は、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体等のポリオキシアルキレン変性シリコーンを含有することが好ましく、他の化粧料の全組成中の含有量が、0.005〜2質量%であるのが好ましく、0.010〜1.0質量%がより好ましく、0.015〜0.5質量%がさらに好ましく、0.02〜0.2質量%がよりさらに好ましい。
また、他の化粧料は、アルキル変性をしてもよいカルボキシビニルポリマー、プルラン等の水溶性増粘剤を含有することが好ましく、他の化粧料の全組成中の含有量が、0.001〜1.0質量%であるのが好ましく、0.01〜0.5質量%がより好ましく、0.05〜0.3質量%がさらに好ましい。
【0059】
本発明のエアゾール化粧料を皮膚に適用又は塗布した後、当該エアゾール化粧料が適用又は塗布された皮膚に他の化粧料を使用する場合、他の化粧料の使用量に対するエアゾール化粧料の使用割合[(エアゾール化粧料の使用量)/(他の化粧料の使用量)]は、他の化粧料のなじみ、のび、皮膚への均一な付着性を向上させる観点から、0.2〜6であるのが好ましく、0.3〜5がより好ましく、0.4〜4がさらに好ましい。
また、エアゾール化粧料を皮膚に適用又は塗布した後、当該エアゾール化粧料が適用又は塗布された皮膚に他の化粧料を塗布し始めるまでの時間は、他の化粧料のなじみ、のび、皮膚への均一な付着性を向上させる観点から、0秒〜5分であるのが好ましく、3秒〜3分がより好ましく、5秒〜1分がさらに好ましい。
【0060】
本発明のエアゾール化粧料は、皮膚に塗布することにより、皮膚への浸透感を高めることができる。
また、本発明のエアゾール化粧料は、皮膚に塗布することにより、皮膚の皮膜感を得ることができる。
本発明のエアゾール化粧料は、前記のように、当該化粧料を皮膚に適用又は塗布した後、当該エアゾール化粧料が適用又は塗布された皮膚に他の化粧料を使用することができるため、エアゾール化粧料及び他の化粧料を含む化粧キットとすることができる。
【0061】
本発明のエアゾール化粧料は、肌に塗布後、一定時間放置することにより、血行を促進する効果を高めることができ、化粧料中の有効成分も合わせて、浸透させることができ、非常に有益と考えられる。
本発明のエアゾール化粧料は、皮膚へ塗布し、一定時間放置、肌になじませる、拭き取る、又は、洗い流すなど、使用場面に応じて使用することができる。
【0062】
本発明のエアゾール化粧料は、通常の方法により製造することができ、例えば、原液成分を混合して均一にし、得られた原液を耐圧容器に充填して、密封した後、成分(F)を加圧することにより充填することにより、得ることができる。
【0063】
また、本発明のエアゾール化粧料の原液の好ましい製造方法は、成分(A)の化粧料中への分散性、及び得られる化粧料の泡の皮膚への浸透感、塗布後の皮膚の皮膜感及び泡ののびを向上させる観点から、下記の工程1、2を含む製造方法である。
工程1:成分(D)と(E)の一部又は全部とを混合し、水溶性増粘剤含有液を調製する工程、
工程2:工程1で得られた水溶性増粘剤含有液に、成分(F)を除く他の成分を添加し、成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)を混合し、原液を調製する工程。
なお、成分(A)は、工程1で混合しても良い。
【0064】
工程1は、得られる水溶性増粘剤含有液中の成分(D)の分散性を高めるため、工程1の混合を加熱下で行う工程を含むことが好ましく、加熱の温度は、好ましくは20〜80℃、より好ましくは40〜60℃である。
なお、成分(D)が酸型の水溶性増粘剤の場合は、工程1において、塩基を加えることが好ましい。
また、工程2は、同様の観点から、成分(C)の分散性を高めるため、工程2の混合を加熱下で行う工程を含むことが好ましく、加熱の温度は、好ましくは20〜80℃、より好ましくは40〜60℃である。加熱下で工程2の混合を行う場合、混合後、冷却工程を有することが好ましく、具体的には、冷却の温度は、好ましくは20〜30℃、より好ましくは20〜25℃の温度まで冷却する。
上述した実施形態に関し、本発明は、更に以下の組成物を開示する。また、本発明は、更に以下の使用方法等を開示する。
【0065】
<1>原液全体を100質量%として、次の成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E):
(A)平均粒子径が0.01〜30μmであるシリコーンエラストマー粉体 0.1〜1.5質量%、
(B)25℃における粘度が1〜100mPa・sの油剤 1〜25質量%、
(C)HLB3〜20の非イオン界面活性剤 0.05〜6質量%、
(D)水溶性増粘剤 0.1〜1質量%、
(E)水
を含む原液、並びに
(F)炭酸ガスを90質量%以上含む噴射剤
を含有するエアゾール化粧料。
【0066】
<2>成分(A)のシリコーンエラストマーが、好ましくは、ジメチコン、ビニルジメチコン、フェニルビニルジメチコン、ラウリルジメチコン及びラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコンから選ばれるモノマーを重合又は共重合させて得られるシリコーン及びその誘導体であって、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマー、(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー、(PEG−15/ラウリルジメチコン)クロスポリマーがより好ましく、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、(PEG−15/ラウリルジメチコン)クロスポリマーがさらに好ましく、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーがよりさらに好ましい前記<1>記載のエアゾール化粧料。
<3>成分(A)のシリコーンエラストマーが、好ましくは、平均粒子径0.1〜20μmであって、1〜10μmがより好ましい前記<1>又は<2>記載のエアゾール化粧料。
【0067】
<4>成分(A)のシリコーンエラストマーが、好ましくは、水又は液状油と混合した分散液として用いるものであって、液状油と混合した分散液として用いるのがより好ましい前記<1>〜<3>のいずれか1記載のエアゾール化粧料。
<5>液状油が、好ましくは、25℃における粘度が100mPa・s以下のものであって、50mPa・s以下がより好ましく、30mPa・s以下がさらに好ましく、10mPa・s以下がよりさらに好ましい前記<4>記載のエアゾール化粧料。
<6>成分(A)の含有量が、好ましくは、原液中に0.2質量%以上であって、0.4質量%以上がより好ましく、0.8質量%以下が好ましく、0.6質量%以下がより好ましい前記<1>〜<5>のいずれか1記載のエアゾール化粧料。
【0068】
<7>成分(B)の油剤が、好ましくは、25℃における粘度が、2mPa・s以上であって、3mPa・s以上がより好ましく、4mPa・s以上がさらに好ましく、50mPa・s以下が好ましく、30mPa・s以下がより好ましく、20mPa・s以下がよりさらに好ましい前記<1>〜<6>のいずれか1記載のエアゾール化粧料。
<8>成分(B)の油剤が、好ましくは、炭化水素油、エステル油及びシリコーン油から選ばれる1種又は2種以上であって、炭化水素油、モノエステル油、トリエステル油、シリコーン油がより好ましく、モノエステル油、シリコーン油がさらに好ましく、モノエステル油とシリコーン油を併用するのがよりさらに好ましい前記<1>〜<7>のいずれか1記載のエアゾール化粧料。
<9>成分(B)の含有量が、好ましくは、原液中に2質量%以上であって、4質量%以上がより好ましく、15質量%以下が好ましく、12質量%以下がより好ましい前記<1>〜<8>のいずれか1記載のエアゾール化粧料。
【0069】
<10>成分(C)の非イオン界面活性剤が、好ましくは、HLB7以上であって、9以上がより好ましく、11以上がさらに好ましく、18以下が好ましく、16以下がより好ましく、15以下がさらに好ましい前記<1>〜<9>のいずれか1記載のエアゾール化粧料。
<11>成分(C)の非イオン界面活性剤が、好ましくは、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油であって、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油がより好ましく、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油がさらに好ましく、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油がよりさらに好ましい前記<1>〜<10>のいずれか1記載のエアゾール化粧料。
【0070】
<12>成分(C)の含有量が、好ましくは、原液中に0.1質量%以上であって、0.3質量%以上がより好ましく、2質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましい前記<1>〜<11>のいずれか1記載のエアゾール化粧料。
<13>成分(C)に対する成分(A)の質量割合[(A)/(C)]が、好ましくは、0.05以上であって、0.2以上がより好ましく、0.5以上がさらに好ましく、3以下が好ましく、2.2以下がより好ましく、1.4以下がさらに好ましい前記<1>〜<12>のいずれか1記載のエアゾール化粧料。
【0071】
<14>成分(D)の水溶性増粘剤が、好ましくは、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体であって、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体がより好ましい前記<1>〜<13>のいずれか1記載のエアゾール化粧料。
<15>成分(D)の含有量が、好ましくは、原液中に0.15質量%以上であって、0.2質量%以上がより好ましく、0.8質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましい前記<1>〜<14>のいずれか1記載のエアゾール化粧料。
<16>成分(D)に対する成分(A)の質量割合[(A)/(D)]が、好ましくは、0.2以上であって、0.6以上がより好ましく、1以上がさらに好ましく、10以下が好ましく、4以下がより好ましく、2.5以下がさらに好ましい前記<1>〜<15>のいずれか1記載のエアゾール化粧料。
<17>成分(E)の水の含有量が、好ましくは、原液中に55質量%以上であって、65質量%以上がより好ましく、75質量%以上が更に好ましく、95質量%以下が好ましく、93質量%以下がより好ましく、90質量%以下が更に好ましい前記<1>〜<16>のいずれか1記載のエアゾール化粧料。
【0072】
<18>さらに、(G)アルキルグリセリルエーテル変性シリコーン及びポリオキシアルキレン変性シリコーンから選ばれ1種又は2種以上を含有する前記<1>〜<17>のいずれか1記載のエアゾール化粧料。
<19>成分(G)が、好ましくは、ポリオキシアルキレン変性シリコーンであって、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・メチルポリシロキサン共重合体がより好ましく、一般式(4)
【0074】
[式中、R
17〜R
19及びR
21〜R
22は、それぞれメチル基又はフェニル基を示し、R
16、R
20及びR
23は、それぞれメチル基、フェニル基、又は基R
24(OC
3H
6)
f(OC
2H
4)
gO(CH
2)
h−(R
24は水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基を示し、f及びgは平均値で、それぞれ0〜35の数を示し、hは1〜5の数を示す)を示す。ただし、R
16、R
20及びR
23のうち少なくとも1つは基R
24(OC
3H
6)
f(OC
2H
4)
gO(CH
2)
h−を示す。d及びeは平均値で、dは1〜200の数を示し、eは0〜50の数を示す]
で表されるポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体がさらに好ましい前記<18>記載のエアゾール化粧料。
【0075】
<20>成分(G)の含有量が、好ましくは、原液中に、0.05質量%以上であって、0.1質量%以上がより好ましく、0.2質量%以上が更に好ましく、1.5質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.7質量%以下が更に好ましい前記<18>又は<19>記載のエアゾール化粧料。
<21>更に、(H)2価のポリオールを含有する前記<1>〜<20>のいずれか1記載のエアゾール化粧料。
<22>成分(H)が、好ましくは、プロピレングリコール、プロパンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコールであって、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコールがより好ましく、1,3−プロパンジオールとジプロピレングリコールを併用するのがさらに好ましい前記<21>記載のエアゾール化粧料。
<23>成分(H)の含有量が、好ましくは、原液中に1質量%以上であって、3質量%以上がより好ましく、5質量%以上が更に好ましく、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましい前記<21>又は<22>記載のエアゾール化粧料。
【0076】
<24>更に、防腐剤を除く成分(B)以外の25℃で液状の油剤、防腐剤を除く25℃で液状以外の油剤を含有する前記<1>〜<23>のいずれか1記載のエアゾール化粧料。
<25>防腐剤を除く成分(B)以外の25℃で液状の油剤が、好ましくは、炭化水素油、エステル油、シリコーン油であって、炭化水素油、モノエステル油、トリエステル油、シリコーン油がより好ましく、モノエステル油、シリコーン油がさらに好ましく、モノエステル油とシリコーン油を併用するのがよりさらに好ましい前記<24>記載のエアゾール化粧料。
<26>原液中の防腐剤を除く成分(B)以外の25℃で液状の油剤の含有量が、好ましくは、1質量%以上であって、9質量%以下が好ましく、7.5質量%以下がより好ましい前記<24>又は<25>記載のエアゾール化粧料。
【0077】
<27>防腐剤を除く25℃で液状以外の油剤の含有量が、好ましくは、原液中に3質量%以下であって、1質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましく、0.3質量%以下がよりさらに好ましく、0.1質量%以下が好ましい前記<24>〜<26>のいずれか1記載のエアゾール化粧料。
<28>原液中の防腐剤を除く成分(B)以外の25℃で液状の油剤に対する、防腐剤を除く25℃で液状以外の油剤の質量比、[(防腐剤を除く25℃で液状以外の油剤)/(防腐剤を除く成分(B)以外の25℃で液状の油剤)]が、好ましくは、0.1以下であって、0.07以下がより好ましく、0.03以下がさらに好ましい前記<24>〜<27>のいずれか1記載のエアゾール化粧料。
【0078】
<29>原液中に含まれるアニオン界面活性剤の含有量が、好ましくは、1質量%以下であって、0.1質量%以下がより好ましい前記<1>〜<28>のいずれか1記載のエアゾール化粧料。
<30>成分(A)以外の粉体の含有量が、好ましくは、3質量%以下であって、1質量%以下がより好ましい前記<1>〜<29>のいずれか1記載のエアゾール化粧料。
<31>原液中のエタノールの含有量が、好ましくは、3質量%以下であって、1質量%以下がより好ましく、実質含有しないことがさらに好ましい前記<1>〜<30>のいずれか1記載のエアゾール化粧料。
<32>原液の25℃における粘度が、好ましくは、500mPa・s以上であって、1000mPa・s以上がより好ましく、1500mPa・s以上がさらに好ましく、20000mPa・s以下が好ましく、10000mPa・s以下がより好ましく、7000mPa・s以下がさらに好ましい前記<1>〜<31>のいずれか1記載のエアゾール化粧料。
【0079】
<33>成分(F)の噴射剤が、好ましくは、炭酸ガスを95質量%以上含み、98質量%以上がより好ましく、100質量%がさらに好ましい前記<1>〜<32>のいずれか1記載のエアゾール化粧料。
<34>原液と(F)噴射剤の質量割合が、好ましくは、94:6〜99.5:0.5であって、95:5〜99:1がより好ましく、96.5:3.5〜98.5:1.5がさらに好ましい前記<1>〜<33>のいずれか1記載のエアゾール化粧料。
<35>成分(F)に対する成分(A)の質量割合[(A)/(F)]が、好ましくは、0.05以上であって、0.1以上がより好ましく、0.12以上がさらに好ましく、1以下が好ましく、0.4以下がより好ましく、0.3以下がさらに好ましい前記<1>〜<34>のいずれか1記載のエアゾール化粧料。
【0080】
<36>次の成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F):
(A)平均粒子径が0.01〜30μmであるシリコーンエラストマー粉体、
(B)25℃における粘度が1〜100mPa・sの油剤、
(C)HLB3〜20の非イオン界面活性剤、
(D)水溶性増粘剤、
(E)水、並びに
(F)炭酸ガスを90質量%以上含む噴射剤
を含有するエアゾール化粧料であって、成分(F)を除く成分中、
前記成分(A)の含有量が0.1〜1.5質量%、
前記成分(B)の含有量が1〜25質量%、
前記成分(C)の含有量が0.05〜6質量%、且つ
前記成分(D)の含有量が0.1〜1質量%である、
エアゾール化粧料。
【0081】
<37>成分(C)が、好ましくは、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油であって、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油がより好ましく、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油がさらに好ましく、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油がよりさらに好ましい前記<1>〜<36>のいずれか1記載のエアゾール化粧料。
【0082】
<38>前記<1>〜<37>のいずれか1記載のエアゾール化粧料を皮膚、好ましくは、顔、身体、手足のいずれかに適用、より好ましくは塗布するエアゾール化粧料の使用方法。
<39>工程1、2を含む、前記<1>〜<37>のいずれか1記載のエアゾール化粧料の原液の製造方法。
工程1:成分(D)と(E)の一部又は全部とを混合し、水溶性増粘剤含有液を調製する工程、
工程2:工程1で得られた水溶性増粘剤含有液に、成分(F)を除く他の成分を添加し、成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)を混合し、原液を調製する工程。
【0083】
<40>工程1が、好ましくは、混合を加熱下で行う工程を含み、加熱の温度が、好ましくは20〜80℃であって、40〜60℃がより好ましい前記<39>記載の製造方法。
<41>成分(D)が酸型の水溶性増粘剤であって、工程1において、塩基を加えることが好ましい前記<39>又は<40>記載の製造方法。
<42>工程2が、好ましくは、混合を加熱下で行う工程を含み、加熱の温度が、好ましくは20〜80℃であって、40〜60℃がより好ましい前記<39>〜<41>のいずれか1記載の製造方法。
<43>工程2が、混合を加熱下で行う工程を含み、混合後、好ましくは、冷却工程を有し、好ましくは20〜30℃までの冷却であって、より好ましくは20〜25℃まで冷却する前記<39>〜<42>のいずれか1記載の冷却する製造方法。
【0084】
<44>前記<1>〜<37>のいずれか1記載のエアゾール化粧料を皮膚に塗布する、皮膚への浸透感を高める方法。
<45>前記<1>〜<37>のいずれか1記載のエアゾール化粧料を皮膚に塗布する、皮膚の皮膜感を得る方法。
<46>前記<1>〜<37>のいずれか1記載のエアゾール化粧料及び前記エアゾール化粧料以外の化粧料を、好ましくは化粧水又は乳液を、より好ましくは化粧水を含む化粧キット。
【0085】
<47>前記<1>〜<37>のいずれか1記載のエアゾール化粧料を、皮膚に適用又は塗布した後、当該エアゾール化粧料が適用又は塗布された皮膚に、当該エアゾール化粧料以外の化粧料(他の化粧料)を適用又は塗布する使用方法。
<48>他の化粧料が、好ましくは、炭酸ガスの含有量が、化粧料中10質量%以下であって、5質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましく、0.1質量%以下がよりさらに好ましく、実質0質量%であることが特に好ましい前記<47>記載の使用方法。
<49>他の化粧料が、好ましくは、化粧水、乳液、クリームであって、化粧水又は乳液がより好ましく、化粧水がさらに好ましい前記<47>又は<48>記載の使用方法。
<50>他の化粧料が、好ましくは、水を含有するものであって、水の含有量が、他の化粧料の全組成中、65〜93質量%であるのが好ましく、70〜92質量%がより好ましい前記<47>〜<49>のいずれか1記載の使用方法。
<51>他の化粧料が、好ましくは、多価アルコールを含有するものであって、含有量が、他の化粧料の全組成中、3〜40質量%であるのが好ましく、5〜30質量%がより好ましく、7〜25質量%がさらに好ましい前記<47>〜<50>のいずれか1記載の使用方法。
【0086】
<52>他の化粧料が、好ましくは、ポリオキシアルキレン変性シリコーンを含有するものであって、含有量が、他の化粧料の全組成中、0.005〜2質量%であるのが好ましく、0.01〜1.0質量%がより好ましく、0.015〜0.5質量%がさらに好ましく、0.02〜0.2質量%がよりさらに好ましい前記<47>〜<51>のいずれか1記載の使用方法。
<53>他の化粧料が、好ましくは、水溶性増粘剤を含有するものであって、含有量が、他の化粧料の全組成中、0.001〜1.0質量%であるのが好ましく、0.01〜0.5質量%がより好ましく、0.05〜0.3質量%がさらに好ましい前記<47>〜<52>のいずれか1記載の使用方法。
<54>他の化粧料の使用量に対するエアゾール化粧料の使用割合[(エアゾール化粧料の使用量)/(他の化粧料の使用量)]が、好ましくは、0.2〜6であって、0.3〜5がより好ましく、0.4〜4がさらに好ましい前記<47>〜<53>のいずれか1記載の使用方法。
<55>エアゾール化粧料を皮膚に適用又は塗布した後、当該エアゾール化粧料が適用又は塗布された皮膚に他の化粧料を塗布し始めるまでの時間が、好ましくは、0秒〜5分であって、3秒〜3分がより好ましく、5秒〜1分がさらに好ましい前記<47>〜<54>のいずれか1記載の使用方法。
【0087】
<56>原液全体を100質量%として、次の成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E):
(A)平均粒子径が0.01〜30μmであるシリコーンエラストマー粉体 0.1〜1.5質量%、
(B)25℃における粘度が1〜100mPa・sの油剤 1〜25質量%、
(C)HLB3〜20の非イオン界面活性剤 0.05〜6質量%、
(D)水溶性増粘剤 0.1〜1質量%、
(E)水
を含む原液、並びに
(F)炭酸ガスを90質量%以上含む噴射剤
を含有する化粧料のエアゾール容器への使用。
【0088】
<57>次の成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F):
(A)平均粒子径が0.01〜30μmであるシリコーンエラストマー粉体、
(B)25℃における粘度が1〜100mPa・sの油剤、
(C)HLB3〜20の非イオン界面活性剤、
(D)水溶性増粘剤、
(E)水、並びに
(F)炭酸ガスを90質量%以上含む噴射剤
を含有する化粧料であって、成分(F)を除く成分中、
前記成分(A)の含有量が0.1〜1.5質量%、
前記成分(B)の含有量が1〜25質量%、
前記成分(C)の含有量が0.05〜6質量%、且つ
前記成分(D)の含有量が0.1〜1質量%である、
化粧料のエアゾール容器への使用。
【0089】
<58>エアゾール容器に、
原液全体を100質量%として、次の成分(A)、(B)、(C)、(D)及び(E):
(A)平均粒子径が0.01〜30μmであるシリコーンエラストマー粉体 0.1〜1.5質量%、
(B)25℃における粘度が1〜100mPa・sの油剤 1〜25質量%、
(C)HLB3〜20の非イオン界面活性剤 0.05〜6質量%、
(D)水溶性増粘剤 0.1〜1質量%、
(E)水
を含む原液、並びに
(F)炭酸ガスを90質量%以上含む噴射剤
を含有する化粧料が充填されている、化粧品。
【0090】
<59>エアゾール容器に、
次の成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)及び(F):
(A)平均粒子径が0.01〜30μmであるシリコーンエラストマー粉体、
(B)25℃における粘度が1〜100mPa・sの油剤、
(C)HLB3〜20の非イオン界面活性剤、
(D)水溶性増粘剤、
(E)水、並びに
(F)炭酸ガスを90質量%以上含む噴射剤
を含有する化粧料であって、成分(F)を除く成分中、
前記成分(A)の含有量が0.1〜1.5質量%、
前記成分(B)の含有量が1〜25質量%、
前記成分(C)の含有量が0.05〜6質量%、且つ
前記成分(D)の含有量が0.1〜1質量%である、
化粧料が充填されている、化粧品。
【実施例】
【0091】
製造例1(樹脂粉体Aの製造)
ビーカーにラウリルメタクリレート82g、メタクリル酸3g、エチレングリコールジメタクリレート15g、ラウロイルパーオキサイド2gを仕込み混合攪拌して溶解させた。ここにN−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウム(SMT)を0.75g溶解させたイオン交換水400gを加え、ホモミキサーで平均粒径が2.2μmになるまで分散させた。4つ口フラスコにこの分散液を注ぎ込み、攪拌しながら窒素置換を30分行った。オイルバスによりフラスコ内部の温度を80℃まで加温し、80℃に達してから5時間重合を行った後、室温まで冷却した。重合した粒子の分散液に1N NaOH 3.9gを滴下して中和を行った後、この分散液を凍結乾燥し、粒子を回収することにより樹脂粉体A(メタクリル酸ラウリル・ジメタクリル酸エチレングリコール・メタクリル酸ナトリウム)を得た。この樹脂粉体Aは、カルボキシル基の中和度が11.2%であった。
【0092】
実施例1〜2及び比較例1〜4
表1に示す組成のエアゾール化粧料を製造し、25℃において、原液粘度を測定するとともに、泡ののび、泡の皮膚への浸透感、塗布後の皮膚の皮膜感及び化粧水のなじみを評価した。結果を表1に併せて示す。
【0093】
(製造方法)
成分(A)、(D)及び(E)を60℃で撹拌し、さらに塩基を混合して撹拌した。その後、さらに成分(B)及び(C)と残りの成分を加え、撹拌して均一にし、25℃まで冷却して、原液を得た。得られた原液を耐圧容器に充填し、密封後、成分(F)を充填して、エアゾール化粧料を得た。
【0094】
(評価方法)
(1)泡ののび:
平面に置いたA4大のポリプロピレン製の黒色下敷きの上に各化粧料0.2gを吐出し、その下敷きの長軸が地面と垂直になるように立て、30秒間放置し、化粧料が垂れた長さを測定し、以下の基準で評価した。結果を、5回の合計点で示した。
5;20cmより長くのびた。
4;18cmより長く20cm以下までのびた。
3;16cmより長く18cm以下までのびた。
2;14cmより長く16cm以下までのびた。
1;14cm以下までしかのびなかった。
【0095】
(2)泡の皮膚への浸透感(定量評価):
各化粧料0.1gを前腕内側の皮膚に吐出し、直径3cmの円の大きさに、1秒間に2回転の速さで10秒間マッサージした。
直後の摩擦(a)、その1分後の摩擦(b)を測定し、(b)−(a)の値を算出した。摩擦は、trilab社製、handy rub tester を用い、10Nの負荷をかけて、測定した。
摩擦は、肌の上に化粧料が残っていると抵抗が少ないため小さい値となり、化粧料が残っていないと抵抗が大きくなるため大きな値となる。そこで、(b)−(a)の値を算出することにより、化粧料の残り具合から、どの程度化粧料が肌へ浸透したかを評価した。(b)−(a)の値が大きいほど、浸透感が良いことを示す。
【0096】
(3)泡の皮膚への浸透感(官能評価):
5名の専門パネラーにより、各化粧料0.1gを前腕内側の皮膚に吐出し、直径3cmの大きさに、1秒間に2回転の速さで1分間マッサージし、直後の肌を触り、泡の浸透感を評価した。基準は、「泡の浸透感が明らかにある」を5とし、「泡の浸透感が全く感じない」を1とした5段階とした。なお、浸透感とは、塗布した肌に化粧料の液が残っていないことを示す。結果を、5名の合計点で示した。
【0097】
(4)塗布後の皮膚の皮膜感:
5名の専門パネラーにより、各化粧料0.1gを前腕内側の皮膚に吐出し、直径3cmの大きさに、1秒間に2回転の速さで1分間マッサージし、直後の肌を触り、膜感を評価した。基準は、「皮膜感が明らかにある」を5とし、「皮膜感を全く感じない」を1とした5段階とした。結果を、5名の合計点で示した。
【0098】
(5)化粧水のなじみ:
5名の専門パネラーにより、各化粧料0.1gを前腕内側の皮膚に吐出し、直径5cmの大きさに、1秒間に2回転の速さで1分間マッサージし、その後、市販の化粧水(化粧水1とする)を0.2g塗布し、同様に20秒間マッサージし、直後の肌を触り、なじみやすさについて評価した。なじみやすさは、マッサージした後に化粧水が肌に残っていないことを示す。基準は、「明らかに化粧水がなくなった」を5とし、「明らかに化粧水が残っている」を1とした5段階とした。結果を、5名の合計点で示した。
【0099】
【表1】
【0100】
実施例3〜24
実施例1〜2と同様にして、表2〜表4に示す組成のエアゾール化粧料を製造し、泡ののび、泡の皮膚への浸透感及び塗布後の皮膚の皮膜感を評価した。結果を表2〜表4に併せて示す。
【0101】
【表2】
【0102】
【表3】
【0103】
【表4】
【0104】
試験例1
実施例1及び実施例3で用いた原液の粘度を測定した。
すなわち、原液を50mLガラス容器に50g充填し、BM粘度計(東機産業社製)(ローターNo.3、12rpm、1分)により、25℃で粘度を測定した。結果を以下に示す。
・実施例1:2130mPa・s
・実施例3:3920mPa・s
【0105】
試験例2
実施例4、11、12及び24のエアゾール化粧料について、「化粧水のなじみ」を評価した。結果を表5に示す。
【0106】
(化粧水のなじみの評価方法)
5名の専門パネラーにより、各エアゾール化粧料0.1gを前腕内側の皮膚に吐出し、直径5cmの大きさに、1秒間に2回転の速さで1分間マッサージし、その後、化粧水(ソフィーナボーテ化粧水しっとり、花王社製)を0.2g塗布し、同様に20秒間マッサージし、直後の皮膚を触り、なじみやすさについて評価した。なじみやすさは、マッサージした後に化粧水が皮膚に残っていないことを示す。基準は、「明らかに化粧水がなくなった」を5とし、「明らかに化粧水が残っている」を1とした5段階とした。結果を、5名の合計点で示した。
【0107】
【表5】
【0108】
試験例3
実施例3、5〜10、13〜23のエアゾール化粧料について、試験例2と同様にして、「化粧水のなじみ」を評価した。結果を表6〜表8に示す。
【0109】
【表6】
【0110】
【表7】
【0111】
【表8】
【0112】
試験例4(実施例25、26、比較例5〜8)
実施例1〜2と同様にして、表9に示す組成のエアゾール化粧料を製造し、泡ののび、泡の皮膚への浸透感及び塗布後の皮膚の皮膜感を評価した。また、試験例2と同様にして、「化粧水のなじみ」を評価した。結果を表9に併せて示す。
【0113】
【表9】
【0114】
試験例5
実施例1のエアゾール化粧料と市販の化粧水(以下、化粧水2とする)を併用した場合(方法1)と、化粧水2のみを使用した場合(方法2)について、化粧水ののばしやすさ、皮膚への均一な付着性及び化粧水のなじみを評価した。結果を表10に示す。
【0115】
(評価方法)
(1)化粧水ののばしやすさ:
(方法1)
5名の専用パネラーにより、実施例1のエアゾール化粧料0.1gを前腕内側の皮膚に吐出し、直径5cmの大きさに、1秒間に2回転の速さで1分間マッサージした後、化粧水2を0.2g塗布し、同様に20秒間マッサージしたとき、塗布した化粧水2ののばしやすさについて評価した。基準は、「のばしやすい」を5とし、「のばしにくい」を1とした5段階とした。結果を、5名の合計点で示した。
(方法2)
実施例1のエアゾール化粧料を使用しない以外は、方法1と同様に評価した。
【0116】
(2)皮膚への均一な付着性:
(方法1)
実施例1のエアゾール化粧料0.03gを、前腕内側の皮膚に3×7cm
2 の大きさに吐出し、均一に塗布した。その後、水溶性蛍光剤であるジスチリルビフェニルジスルホン酸2Na(チノパールCBS−X、チバ スペシャルティケミカルス社製)を100ppm混合した化粧水2を、0.01g塗布し、ブラックライト(ブラックライトブルー FPL27BLB 27ワット、三共電気社製)下でデジタル一眼カメラ(機種:EOS 60D、レンズ:EF100mm F2.8 マクロ USM、キヤノン社製)を用いて、塗布部の写真を撮影した。その写真から化粧水2の分布を、5名の専門パネラーにより目視評価した。基準は、「均一に付着している」を5とし、「均一に付着していない」を1とした5段階とした。結果を、5名の合計点で示した。
(方法2)
実施例1のエアゾール化粧料を使用しない以外は、方法1と同様に評価した。
なお、撮影した写真の画像を
図1に示した。
【0117】
(3)化粧水のなじみ:
(方法1)
化粧水として、化粧水2を使用した以外は、試験例2と同様にして、評価した。
(方法2)
実施例1のエアゾール化粧料を使用しない以外は、方法1と同様に評価した。
【0118】
【表10】
【0119】
実施例27及び28
実施例1〜2と同様にして、表11及び表12に示す組成のエアゾール化粧料を製造した。
得られたエアゾール化粧料は、泡ののびが良好で、泡の皮膚への浸透感に優れ、塗布後の皮膚に皮膜感が得られる。また、本発明のエアゾール化粧料を皮膚に塗布した後に用いる他の化粧料の浸透感が向上する。
【0120】
【表11】
【0121】
【表12】
【0122】
参考例1
本発明のエアゾール化粧料は、皮膚に適用又は塗布した後、当該エアゾール化粧料が適用又は塗布された皮膚に、本発明以外の他の化粧料を適用又は塗布することにより、他の化粧料の浸透感が向上し、他の化粧料ののびが向上する。
このように、本発明のエアゾール化粧料の後に使用する他の化粧料としては、特に制限されないが、一例として、表13に示す組成の化粧水が挙げられる。
【0123】
【表13】