(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
駐車場所から乗車場所まで自動で走行できる車両と、ユーザの操作によって前記車両の呼び出しを送信するユーザ端末と、前記ユーザ端末からの前記車両の呼び出しを受信して前記車両を前記駐車場所から移動させる駐車場管理システムとを含む車両呼び出しシステムであって、
前記駐車場管理システムは、
前記ユーザ端末からの前記車両の呼び出しに応じて、複数の前記乗車場所の中から前記ユーザにとって利便性の高い乗車場所の候補を抽出し、前記ユーザ端末へ送信する乗車場所候補抽出部と、
前記ユーザが前記乗車場所の候補から選択して指定した指定乗車場所を前記ユーザ端末から受信したとき、前記車両に前記指定乗車場所に移動する指示を送信する車両移動指示部と
を備え、
前記乗車場所の候補は、前記ユーザの歩行距離が少ない乗車場所、前記ユーザが早く乗車できる乗車場所、前記ユーザが快適に到着できる乗車場所、前記車両のエネルギー消費量が少ない乗車場所の何れかを含み、
前記ユーザが早く乗車できる乗車場所は、前記車両の前記乗車場所への到達予想時刻と前記ユーザの前記乗車場所への到着予想時刻との遅い方の時刻を乗車可能時刻として、前記乗車可能時刻が最も早い乗車場所である
ことを特徴とする車両呼び出しシステム。
前記ユーザが快適に到達できる乗車場所は、階段歩行を禁止し、エレベータ、エスカレータの使用を優先して最も歩行距離の少ない経路で到着できる乗車場所であることを特徴とする請求項1に記載の車両呼び出しシステム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1に示す車両呼び出しシステム1は、例えば複数の店舗や会場等を備えた大型施設に来訪したユーザに対して、ユーザの求めに応じて、施設内の駐車場に駐車させたユーザの車両を所定の乗車場所まで自動で移動させるサービスを提供するシステムである。
【0011】
本実施の形態においては、車両呼び出しシステム1は、駐車場からユーザが乗車する乗車場所まで自動で走行できる自動走行機能を備えた車両10と、ユーザが所有する携帯型のユーザ端末20と、駐車場内に駐車する複数の車両を管理する駐車場管理システム50とを含んで構成されている。車両10、ユーザ端末20、駐車場管理システム50は、互いに無線通信でデータ通信を行うことができる。
【0012】
車両10は、エンジンや電気モータ等の動力源を駆動制御して自動走行を可能とする自動走行制御装置15を備えている。自動走行制御装置15は、マイクロコンピュータを中心として構成され、ナビゲーション装置11、外部環境認識装置12、通信装置13等の他の装置と車内ネットワークを形成する通信バス14を介して接続されている。
【0013】
ナビゲーション装置11は、地図データベース11aを備え、GPS衛星等の複数の航法衛星からの信号や車載センサ(ジャイロセンサや車速センサ等)からの信号に基づいて自車両の位置を測位し、地図データベース11aと照合する。そして、地図上の位置情報、及び路車間通信や車車間通信等のインフラ通信によって取得した交通情報に基づいて、走行経路案内や交通情報を表示装置(図示省略)に表示してドライバに提示する。
【0014】
また、ナビゲーション装置11は、駐車場管理システム50から受信したサービスエリア内の地図情報から、目的地までの経路案内情報を生成する。この場合の目的地は、車両10が施設内の降車場所に停車して駐車場に自動走行で向かう場合には、駐車場の空き駐車スペースとなり、車両10が駐車場から乗車場所へ向かう際には、乗車場所の空き停車スペースとなる。
【0015】
外部環境認識12は、カメラやレーダ装置等の自車両周囲の物体を検出する各種センサを備え、これらのセンサからの検出情報、ナビゲーション装置11からの地図情報や交通情報等により、自車両周囲の外部環境を認識する。この外部環境認識装置12による自車両外部の認識情報は、自動走行制御装置15に送られ、経路に沿った自動走行の操舵制御や障害物との衝突防止のためのブレーキ制御用の制御データとして用いられる。
【0016】
通信装置13は、所定の無線通信方式で駐車場管理システム50と通信し、データの送受信を行う。無線通信による駐車場管理システム50とのデータ送受信は、例えば、駐車場管理システム50のサービスエリアに構築されるローカルエリアネットワーク、或いはインターネット等の汎用ネットワークを用い、必要なセキュリティを確保した上で実行される。
【0017】
尚、通信装置13は、専用の装置としても良いが、ナビゲーション装置11の通信装置で兼用するようにしても良い。
【0018】
自動走行制御装置15は、本実施の形態においては、通信装置13を介してユーザ端末20及び駐車場管理システム50と通信し、車両10をユーザの降車場所から駐車場所まで自動で走行させ、所定の駐車位置で停車・待機させる。そして、駐車場管理システム50からの移動指示を受信したとき、指定された乗車位置まで車両10を自動走行させて移動させる。
【0019】
具体的には、自動走行制御装置15は、駐車場管理システム50からの地図情報に基づいてナビゲーション装置11で生成した経路案内情報に従い、車両10を目的地まで自動走行させる。また、自動走行制御装置15は、目的地までの走行中、外部環境認識12によって障害物が検出された場合には、衝突事故を回避するように操舵制御或いは制動制御を実施する。更に、自動走行制御装置15は、車両10が駐車スペースに近づくと、通信装置13を介して周辺の環境情報を送信し、ユーザに通知する。
【0020】
尚、車両10の自動走行機能としては、少なくとも、駐車場管理システム50のサービスエリア内において駐車場所から乗車場所まで無人で走行する自動走行機能を備えれば良い。
【0021】
ユーザ端末20は、車両10のユーザが所有する携帯端末であり、無線通信機能を有する専用の端末、或いは汎用の端末によって構成される。汎用の端末を利用する場合には、例えば、スマートフォン等の携帯電話機、無線通信機能を有するタブレット端末やノートパソコン等を用いて、専用のアプリケーションをインストールすることにより、必要な機能を得ることができる。
【0022】
このユーザ端末20は、駐車場管理システム50のサービスエリア内への初回来訪時、或いは会員サービスとして、駐車場管理システム50に、車両10と共に登録される。そして、駐車場管理システム50の認証下で、駐車場管理システム50とユーザ端末20と車両10との間の通信が実行される。
【0023】
駐車場管理システム50は、中央制御装置51と、この中央制御装置51に接続される通信装置60とデータベース管理装置70とを備えて構成されている。中央制御装置51は、駐車場管理システム50の中心となる装置であり、単一或いは複数のコンピュータシステムによって構成され、システムバス80を介して通信装置60及びデータベース管理装置70と接続されている。
【0024】
通信装置60は、駐車場管理システム50のサービスエリアに構築されるネットワーク或いはインターネット等の汎用ネットワークを介して、来訪するユーザの車両10及びユーザ端末20の登録・認証を行ってユーザ端末20及び車両10の通信装置13と通信し、データの送受信を行う。この通信装置60には、サービスエリア内に設置される複数の子局が接続されている。
【0025】
データベース管理装置70は、駐車場管理システム50のサービスエリア内の詳細な地図情報を格納する地図データベース70aと、サービスエリア内に来訪するユーザ及び車両の管理情報を格納するユーザデータベース70bとを有している。地図データベース70aとユーザデータベース70bとは互いに関連付けされており、データベース管理装置70を介して中央制御装置51から参照され、また、データベース管理装置70によって随時更新される。
【0026】
地図データベース70aは、
図2に示すように、施設BLに来訪するユーザが車両10から降車する降車場所30の地図情報、車両10が駐車する駐車場35の地図情報、ユーザが呼び出した車両10に乗車可能な複数の乗車場所40の地図情報、施設BL内の各店舗の位置情報等を含んでいる。駐車場35の地図情報には、駐車場35の駐車可否情報及び駐車可能な駐車スペース35aの位置情報、駐車場35への車両の入場台数及び退出台数が時刻と共に記録されて属性情報としてリンクされている。また、各乗車場所40の地図情報にも、停車可否情報及び停車可能な停車スペース40aの位置情報等が属性情報としてリンクされている。
【0027】
また、地図データベース70aには、降車場所30から駐車場35への車両10の移動経路Kc1の情報、駐車場35から乗車場所40への車両10の移動経路Kc2の情報に加えて、それぞれの移動経路を走行する車両の台数や速度等の混雑状況が時間経過とともに記録される。更に、地図データベース70aには、施設BL内に存在する階段STR、エスカレータESC、エレベータELV等の位置情報が含まれており、後述するように、複数の乗車場所40の中からユーザにとって利便性の高い乗車場所の候補を抽出する際に参照される。
【0028】
一方、ユーザデータベース70bは、車両10の登録番号等の車両を識別する車両情報と、ユーザ端末20の登録IDやパスワード等のユーザ情報、ユーザのメールアドレス等の情報が対応付けられて格納されている。ユーザ情報には、高額買い物客、利用頻度が高い買い物客、大きな物や重い物を買った買い物客、身障者、高齢者等に付与される優先権情報が付加される。ユーザの買い物履歴は、ユーザが各店舗の発行したカードや提携クレジットカード等を利用することにより、それぞれの管理サーバに取得され、各管理サーバから通信装置60へ送信される。
【0029】
中央制御装置51は、降車場所30の停車スペース30aに到着した車両10から車内が無人で駐車開始可能の情報を受信すると、地図データベース70aを参照して駐車場35内の駐車可の駐車スペース35aを探索する。そして、中央制御装置51は、駐車可の駐車スペース35aを目的地として通信装置60から車両10へ自動走行開始信号を送信し、車両10を降車場所30の停車スペース30aから駐車場35の駐車スペース35aまで自動走行させる。更に、中央制御装置51は、車両10から駐車完了信号を受信すると、地図データベース70aの駐車可否情報について、該当する駐車スペースを駐車不可に更新する。
【0030】
その後、ユーザが帰宅等のためにユーザ端末20を操作して駐車場35の車両10を呼び出した場合、中央制御装置51は、ユーザ端末20からの呼び出し信号を通信装置60を介して受信し、車両10に移動指示を送信する。このとき、中央制御装置51は、ユーザにとって利便性の高い乗車場所の候補を提示し、車両10をユーザが選択した乗車場所まで移動させると共に、ユーザに該当する乗車場所までの経路を提示する。この車両呼び出しに係る機能部として、中央制御装置51は、乗車場所候補抽出部52、車両移動指示部53、乗車経路探索部54を備えている。
【0031】
乗車場所候補抽出部52は、ユーザ端末20を介したユーザからの呼び出しに応じて、車両10が駐車した駐車場35内の駐車位置、ユーザの現在位置、ユーザ及び車両10を取り巻く近隣設備の地図情報に基づいて、複数の乗車場所40の中からユーザにとって利便性の高い乗車場所の候補を、所定の基準に従って抽出する。
【0032】
本実施の形態においては、以下の(1)〜(4)に記載するように、歩行距離、時間、快適性、車両のエネルギー消費量の各条件を利便性の基準として乗車場所の候補を抽出する。
【0033】
(1)歩行距離の少ない乗車場所
複数の乗車場所のそれぞれに対して、階段STRの歩行を許可してユーザの施設BL内(駐車場管理システム50のサービスエリア内)の現在位置Pと各乗車場所とを結ぶ経路Kusrの歩行距離を算出する。そして、最も歩行距離が短く、最短距離で到達できる乗車場所を、ユーザ端末20を介してユーザに提示する乗車場所の候補として抽出する。
【0034】
(2)早く乗車できる乗車場所
複数の乗車場所のそれぞれに対して、車両の駐車位置と乗車場所までの距離、乗車場所の混雑状況から車両が到着すると予想される到達予想時刻を算出する。また、ユーザが現在位置から移動して乗車場所に到着すると予想される到着予想時刻を算出する。
【0035】
そして、各乗車場所毎に、車両の到達予想時刻とユーザの到着予想時刻とを比較し、遅い方の時刻を乗車可能時刻とする。複数の乗車場所の中で、乗車可能時刻が最も早い乗車場所を、ユーザに提示する乗車場所の候補として抽出する。
【0036】
(3)快適に到着できる乗車場所
複数の乗車場所の中から、階段STRの歩行を禁止し、エレベータELV、エスカレータESCの使用を優先して、ユーザの現在位置Pから最も歩行距離の少ない経路で到着できる乗車場所を、ユーザに提示する乗車場所の候補として抽出する。
【0037】
(4)車両のエネルギー消費量
複数の乗車場所のそれぞれに対して、車両10が駐車場35から各乗車場所まで移動するために消費する燃料や電力量等のエネルギー量を推定する。そして、最も少ないエネルギー消費量で車両10が到達できる乗車場所を、ユーザに提示する乗車場所の候補として抽出する。
【0038】
以上の(1)〜(4)の基準で抽出された乗車場所の候補は、ユーザが選択可能なように、通信装置60を介してユーザ端末20へ送信される。例えば、ユーザ端末20の画面に、(1)〜(4)の基準の説明と共に乗車場所の候補が表示され、ユーザがユーザ端末20の画面の該当箇所をタップ操作したり、キー入力操作する等して所望の乗車場所を選択して指定すると、指定乗車場所がユーザ端末20から駐車場管理システム50に送信される。
【0039】
車両移動指示部53は、ユーザが乗車場所の候補から選択してユーザ端末20から送信した指定乗車場所を通信装置60を介して受信したとき、地図データベース70aを参照して駐車場35から指定乗車場所までの経路を探索し、車両10に駐車場35から指定乗車場所まで経路に沿って自動走行するよう移動指示を送信する。
【0040】
また、このとき、車両移動指示部53は、指定乗車場所に車両10が到着する到着予定時刻を算出し、ユーザ端末20に送信する。この車両10の指定乗車場所への到着予定時刻は、乗車場所の候補を抽出する際の到着予想時刻を状況の変化を考慮して修正することで算出しても良く、車両の駐車位置と乗車場所までの距離、乗車場所の混雑状況から改めて算出するようにしても良い。
【0041】
更に、車両移動指示部53は、車両10がユーザ若しくは指定乗車場所に近づいたとき、指定乗車場所の周辺情報をユーザ端末20へ送信する。これにより、指定乗車場所の混雑状況や車両10が停車する空きスペースの詳細位置をユーザが容易に把握することが可能となり、スムーズな乗車が可能となる。
【0042】
この指定乗車場所の周辺情報は、車両10に搭載されたカメラで撮像した車外の画像情報を含み、車両移動指示部53から車両10に、撮像画像をユーザ端末20に送信するように指示する。車両10からの画像情報の送信のタイミングは、例えば、駐車場管理システム50で車両10及びユーザの動きを追跡して、車両10とユーザとの距離、若しくは車両10と指定乗車場所との距離が一定値以下になったときに送信を指示する。
【0043】
尚、車両10からの画像情報は、車両10が乗車場所までの経路の進行状態を把握して送信するようにしても良い。また、ユーザ端末20に送る画像情報は、実際の外界環境を撮像した画像に限定されることなく、乗車場所周辺の地図画像に他車両の混雑状況等を示す画像を合成した画像としても良い。
【0044】
乗車経路探索部54は、ユーザが選択して指定した指定乗車場所を受信したとき、指定乗車場所までユーザが移動する際の経路Kusrを地図データベース70aから探索し、ユーザ端末20に送信する。この場合の経路Kusrには、指定乗車場所に応じて、階段STR、エスカレータESC、エレベータELVを経由或いは避けた経路が表示される。
【0045】
尚、乗車場所の候補をユーザ端末20に送信してから一定時間が経過してもユーザからの応答がない場合、車両移動指示部53は、乗車場所の候補の中から規定の基準に従った乗車場所を選択して車両10に移動指示を送信する。このとき、乗車経路探索部54は、規定の基準に従って選択された乗車場所までの経路を送信する。
【0046】
次に、以上の車両呼び出しシステム1における車両呼び出しの処理手順について、
図3に示すフローチャートを用いて説明する。
【0047】
図3のフローチャートは、ユーザ端末20から車両10の呼び出し信号を通信装置60を介して受信したとき、中央制御装置51で実行される処理を示す。この処理では、先ず、最初のステップS1において、ユーザデータベース70bを参照してユーザ端末20の認証を行ってユーザ及びユーザの車両10を識別し、ユーザのサービスエリア内の位置を取得する。
【0048】
次に、ステップS2へ進み、サービスエリア内の複数の乗車場所の中から、ユーザにとって利便性の高い乗車場所の候補を抽出する。本実施の形態においては、前述したように、歩行距離、時間、快適性、車両のエネルギー消費量を評価して、最大4箇所の乗車場所の候補を抽出する。
【0049】
ステップS2で乗車場所の候補を抽出した後は、ステップS3へ進み、通信装置60を介してユーザ端末20に乗車場所の候補を送信し、ステップS4でユーザから応答が有るか否かを調べる。通常、ユーザが乗車場所を候補から選択するには所定の時間を要するため、ステップS4からステップS5に進んで一定時間(例えば、30〜60sec)が経過したか否かを調べ、一定時間が経過していない場合、ステップS4に戻って応答待ちとなる。
【0050】
その後、ユーザ端末20からユーザが選択・指定した乗車場所を受信した場合、ステップS4からステップS7へ進む。一方、一定時間が経過してもユーザからの応答がない場合には、ステップS5からステップS6へ進んで規定の基準に従って乗車場所を自動的に選択し、ステップS7へ進む。例えば、ユーザから乗車場所の選択の応答が一定時間を経過しても無い場合、最も早く乗車できる場所をシステム側の選択基準として設定しておく。この選択基準は、予めユーザ側で初期設定しておくことも可能であり、初期設定がない場合には、システム側の設定が適用される。
【0051】
ステップS7では、ユーザが選択・指定した指定乗車場所に車両10が到着する予定時刻を算出し、通信装置60を介してユーザ端末20に送信する。車両10の指定乗車場所への到着予定時刻は、車両10の駐車位置から指定乗車場所までの移動距離や混雑状況等に基づいて算出される。
【0052】
次に、ステップS8へ進み、指定乗車場所まで移動するための経路を地図データベース70aから探索し、通信装置60を介してユーザ端末20に指定乗車場所までの経路案内を送信し、同時に車両を移動させる旨を通知する。そして、ステップS9でユーザが車両移動の通知を確認したか否かの応答を待ち、通知が確認されたとき、ステップS10へ進んで車両10に駐車場から指定乗車場所まで経路に沿って自動走行するよう移動指示を送信する。
【0053】
尚、車両10の移動は、ユーザがユーザ端末20からキャンセル通知を送信することによって中止される。ユーザからのキャンセル通知は、本処理のどのステップを実行中においても、より優先度の高い割り込み処理として受け付けられ、車両10が駐車場を出た後は、駐車場に戻るように誘導される。
【0054】
その後、ステップS11へ進み、ユーザ及び車両10の位置を追跡しながら両者の距離が一定値以下になったか否かを調べる。そして、ユーザと車両10の距離が一定値以下になったとき、ステップS12へ進んで車両10にカメラで撮像した乗車場周辺の画像をユーザ端末20に送信するように指令し、本処理を終了する。
【0055】
尚、ステップS12でユーザ端末20に送る画像は、車両10のカメラで撮像した画像のみに限定されることなく、地図データベース70aから得られる乗車場所周辺の地図画像と、実際の状況を撮像したカメラ画像とを合成した画像であっても良い。また、ユーザと車両10の距離は、車両10と乗車場所との距離としても良い。
【0056】
このように本実施の形態においては、駐車場所から車両を呼び出して乗車する際に、駐車場管理システムが複数の乗車場所の中からユーザにとって利便性の高い乗車場所の候補を抽出してユーザに提示するため、ユーザは複数の乗車場所の中から所望の乗車場所を選択することができ、利便性の高いシステムとすることができる。
【0057】
乗車場所の候補は、車両の駐車位置情報と近隣設備の地図情報とユーザの位置情報とに基づいて抽出され、ユーザの歩行距離が少ない乗車場所、ユーザが早く乗車できる乗車場所、ユーザが快適に到着できる乗車場所、車両のエネルギー消費が少ない乗車場所の何れかを含むため、ユーザは、階段、エレベータ、エスカレータの使用、歩行時間、経済性等を考慮して乗車場所を選択することができ、ユーザに対するサービスを向上させることができる。
【0058】
また、乗車場所の候補からユーザが選択した乗車場所まで移動する際の経路をユーザ端末に送信するため、初めての場所であってもスムーズに乗車場所まで移動することができ、しかも、車両とユーザとの距離が一定値以下になったとき、乗車場所の周辺情報をユーザ端末へ送信するため、乗車場所が混雑していても容易に自分の乗車位置を把握することができる。