特許第6731409号(P6731409)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6731409
(24)【登録日】2020年7月8日
(45)【発行日】2020年7月29日
(54)【発明の名称】光学測定システムのための展開機構
(51)【国際特許分類】
   G01B 21/00 20060101AFI20200716BHJP
   G02B 21/00 20060101ALI20200716BHJP
   G01B 11/00 20060101ALI20200716BHJP
【FI】
   G01B21/00 L
   G02B21/00
   G01B11/00 H
【請求項の数】14
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-531500(P2017-531500)
(86)(22)【出願日】2015年11月23日
(65)【公表番号】特表2018-506022(P2018-506022A)
(43)【公表日】2018年3月1日
(86)【国際出願番号】US2015062126
(87)【国際公開番号】WO2016099815
(87)【国際公開日】20160623
【審査請求日】2018年11月12日
(31)【優先権主張番号】62/094,688
(32)【優先日】2014年12月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505377430
【氏名又は名称】クオリティー ヴィジョン インターナショナル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Quality Vision International, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100085556
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100115211
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 三十義
(74)【代理人】
【識別番号】100153800
【弁理士】
【氏名又は名称】青野 哲巳
(72)【発明者】
【氏名】シュワブ, フレデリック, ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ポリドール, エドワード, ティー.
【審査官】 九鬼 一慶
(56)【参考文献】
【文献】 特表平07−505958(JP,A)
【文献】 特開2011−085398(JP,A)
【文献】 特表2004−535580(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/191280(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 21/00
G01B 11/00
G02B 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光軸(4)を有する対物レンズ(3)と、レンズハウジング(20)とを含む光学センサアッセンブリと、
上記光学センサアッセンブリの下方に位置して測定すべき対象物(5)を載置するためのステージ(6)と、
上記光学センサアッセンブリに対して回動可能に連結された展開機構(10)と、
を備え、
上記ステージと上記光学センサアッセンブリは、x、y、z軸の各軸に沿って互いに相対移動可能であり、
上記展開機構が、二次測定補助具(14,35,41)を、上記光学センサアッセンブリに対して、展開位置と後退位置との間で弧状の経路に沿って回動させ、上記展開機構(10)の回動軸(12)が略水平で上記対物レンズ(3)より下方ではなく、
上記二次測定補助具(14,35,41)が上記展開位置にあるとき、上記光軸(4)と位置合わせされており、上記二次測定補助具が上記後退位置にあるとき上記z軸方向における上記レンズハウジングの最下部より下方ではなく、
上記ステージ(6)は上記x軸と上記y軸に沿って移動可能であり、
上記二次測定補助具は上記後退位置にあるとき、測定されるべき上記対象物(5)に対する上記光学センサアッセンブリの上記x、y、z軸の各軸に沿う相対移動を、妨げないことを特徴とする光学測定システム。
【請求項2】
上記光学センサアッセンブリが、カメラ,ビデオカメラ(2)または走査センサを含む、請求項に記載の光学測定システム。
【請求項3】
上記光学センサアッセンブリは、上記z軸に沿って移動可能である、請求項1または2に記載の光学測定シス
テム。
【請求項4】
上記二次測定補助具が、タッチセンサ(14)、ミラー(35)、または対物レンズ(3)の倍率を変えるための二次レンズを含む、請求項に記載の光学測定システム。
【請求項5】
上記二次測定治具がタッチセンサ(14)を含み、上記タッチセンサ(14)が上記展開位置にあるとき、その長手方向軸が上記光軸(4)と一致し、上記タッチセンサ(14)が上記後退位置にあるとき、その長手方向軸はほぼ水平である、請求項に記載の光学測定システム。
【請求項6】
上記二次測定治具がミラー(35)を含み、上記ミラーが上記展開位置にあるとき、上記ミラーは調節可能に傾くことができる、請求項に記載の光学測定システム。
【請求項7】
上記展開機構(10)はピボットアーム(11)を備え、このピボットアームは一端にピボット接続部を有し、他端に取付マウント(23)を有する、請求項に記載の光学測定システム。
【請求項8】
上記ピボットアーム(11)のすべての移動自由度が、上記後退位置と上記展開位置との間の弧状の経路に沿った移動を除いて除去され、
さらに、上記ピボットアーム(11)を正確に上記展開位置に到達させるための経路終端ストップを備え、この経路終端ストップが上記ピボットアーム(11)の移動の最後の自由度を除去する、請求項に記載の光学測定システム。
【請求項9】
上記二次測定補助具がタッチセンサ(14)を含む、請求項8に記載の高額測定システム。
【請求項10】
上記ピボットアーム(11)が、アクチュエータ(30)によって上記展開位置と上記後退位置との間で移動可能である、請求項に記載の光学測定システム。
【請求項11】
上記アクチュエータ(30)がエアシリンダ(32)を含む、請求項10に記載の光学測定システム。
【請求項12】
少なくとも2つの異なるタイプの二次測定補助具(14,35,41)が、上記取付マウント(23)に交換可能に取り付けられる、請求項7に記載の光学測定システム。
【請求項13】
上記二次測定補助具(41)は、上記取付マウント(23)に取り付けられた回転テーブル(40)に設置される、請求項に記載の光学測定システム。
【請求項14】
上記展開位置にある時、上記回転テーブル(40)の回転軸が上記対物レンズ(3)の上記光軸(4)と一致する、請求項13に記載の光学測定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物を光学的に検査するための光学測定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
計測機械は、製造された対象物の光学的検査、および製造された対象物の正確な寸法測定値を取得して、対象物が仕様に準拠していることを保証するために使用される。このような機械は、典型的には、検査中に対象物が載るサポートまたはステージと、対象物の画像を記録及び/又は表示するためのビデオカメラなどの光学センサとを含む。一般的に、ビデオカメラとステージは、互いに対して相対移動可能であり、その結果、対象物の異なる視野(view)が所望の正確な位置で得られる。そのようなシステムはしばしばプログラム可能であるので、多数の似た製造対象物について多数の画像の同じシーケンスを得ることができる。
【0003】
さらに、別のタッチセンサのような測定補助具を用いることを、求められることも多い。この測定補助具は、追加の測定値を取得するために、ビデオカメラと協働するか、またはビデオカメラとは別個に用いられる。しかしながら、本発明者らは、多くの従来の光学測定システムに次の問題があると、認識している。すなわち、二次的な測定補助具が一次的な(主たる)光学センサと測定対象物との間の動きを妨げ、所望のすべて位置で対象物の測定値を得る能力を損なう可能性がある。さらに、いくつかのシステムでは、二次測定補助具を取り外すことができるが、そのような除去には時間がかかることがあり、そのため、二次測定補助具の除去が必要ない場合には、所望の測定値を得るためのサイクル時間にしわ寄せがくる。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、次の構成を有する光学測定システムを備えている。
・光軸を有する対物レンズと、レンズハウジングとを含む光学センサアッセンブリ。
・上記光学センサアッセンブリの下方に位置して測定すべき対象物を載置するためのステージ。このステージと上記光学センサアッセンブリは、互いに相対移動可能である。
・上記光学センサアッセンブリに対して回動可能に連結され、二次測定補助具を展開位置と後退位置との間で移動させる展開機構。
【0005】
種々の実施形態によれば、上記展開機構は取付マウントを含み、この取付マウントには、少なくとも2つの異なるタイプの二次測定補助具が交換可能に取り付けられる。
【0006】
種々の実施形態によれば、上記展開機構が後退位置にあるとき、上記ステージ上の測定対象物に対する光学センサアッセンブリの相対的移動が、いかなる測定補助具によって妨げられない。
【0007】
種々の実施形態によれば、展開位置にあるとき、上記二次測定補助具は光軸に位置合わせされ、後退位置にあるとき、二次測定補助具はレンズハウジングの最下部よりも低くない。
【0008】
種々の実施形態によれば、ステージおよび光学センサアッセンブリは、x、yおよびz軸の各々に沿って互いに相対移動可能であり、展開機構が展開位置にあるとき、二次測定補助具は光軸と位置合わせされており、後退位置にあるとき、二次測定補助具は、測定対象物に対する光学センサアッセンブリのx、y、z軸の各々に沿う相対移動を妨げない。
【0009】
種々の実施形態によれば、二次測定補助具の回動軸は、ほぼ水平であり、対物レンズより上方にあってもよい。
種々の実施形態によれば、二次測定補助具はタッチセンサであり、展開位置にあるとき、タッチセンサが光軸に位置合わせされ、後退位置にあるとき、タッチセンサはレンズハウジングの最下部より低くない。 タッチセンサは、スタイラスを含むことができる。 後退位置にあるとき、タッチセンサの長手方向軸は、ほぼ水平にしてもよい、
【0010】
種々の実施形態によれば、二次 測定補助具は回転テーブルに設けられている。 展開位置にあるとき、回転テーブルの回転軸は、対物レンズの光軸と一致してもよい。
【0011】
種々の実施形態によれば、光学センサアッセンブリは、ビデオカメラなどのカメラ、または走査センサを含む。
【0012】
種々の実施形態によれば、ステージはx軸及びy軸に沿って移動可能であり、光学センサアッセンブリはz軸に沿って移動可能である。
種々の実施形態によれば、二次測定補助具はミラーを含む。 ミラーが展開位置にあるとき、ミラーは調節可能に傾くことができる。
【0013】
種々の実施形態によれば、タッチセンサおよびミラーは、展開機構の取付マウントに交換可能に取り付けることができる。
【0014】
様々な実施形態によれば、展開機構はピボットアームを含み、このピボットアームは一方の端部にピボット接続部を備え、反対側の端部に二次測定補助具のための取付マウントを備えている。ピボットアームは、エアシリンダなどのアクチュエータによって展開位置と後退位置との間で移動可能にすることができる。
【0015】
種々の実施形態によれば、二次測定補助具は、レーザー、または対物レンズの倍率又は焦点深度を変えるための二次レンズを含む
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明が適用される光学測定システムを示す。
【0017】
図2】種々の実施形態による本発明の展開機構の側面図であり、二次測定補助具が展開位置にある状態で示す。
【0018】
図3図2の展開機構の側面図であり、二次測定補助具が後退位置にある状態で示す。
【0019】
図4図2の展開機構の反対側の側面図である。
【0020】
図5図2の展開機構の側面図であり、展開位置にある別の二次測定補助具を含む。
【0021】
図6図2の展開機構の側面図であり、展開位置にある、回転テーブルを有する二次測定補助具を含む。
【0022】
図7図2の展開機構の要部斜視図である。
【発明の詳細な説明】
【0023】
図1図7は、本発明の種々の実施形態を組み込んだ光学測定システム1を示している。 図1に概略的に示すように、システム1は光学センサアッセンブリを含む。この光学センサッセンブリは、光学センサ2と、光軸4を有する対物レンズ3とを含む。光学センサアッセンブリは、さらに他の通常の構成要素を含むことができる。例えば、光学センサアッセンブリの下方のステージ6上に置かれた測定対象物5を照明するための照明具9等である。この実施形態では、光学センサアッセンブリは、光学センサとしてビデオカメラ2を含む。
【0024】
ステージ6および光学センサアッセンブリは、互いに対して相対移動可能である。この実施形態では、ステージ6がx軸とy軸に沿って移動可能であり、光学センサアッセンブリがy軸と直交するz軸に沿って移動可能となっているが、他の構成も可能である。
【0025】
図2図7は、本発明の実施形態に係る展開機構をより詳細に示す。展開機構10は、光学センサに対して回動可能に接続されている。具体的には、この実施形態では、展開機構10は、ピボット接続部12に接続されたピボットアーム11を含む。二次測定補助具は、反対側の端部で展開機構10に取り付けられている。この実施形態では、二次測定補助具は、スタイラス15(stylus;針)を備えたタッチセンサ14を含む。例えば、商品名Renishaw(登録商標:米国イリノイ州ホフマンエステートのRenishaw Inc.製)の様々なタッチセンサを用いることができる。タッチセンサは、予め選択された経路に沿って対象物の表面に接触するタッチ走査センサと、複数の点で対象物の表面に接触するタッチトリガセンサとを含む。一般に、タッチセンサは、光学センサによって容易にアクセスできない、内部の穴やネジ部などの表面のフィーチャ(feature;形状)または輪郭を測定するために使用される。
【0026】
図2は、展開位置にある二次測定補助具を示す。この実施形態によれば、タッチセンサ14の長手方向の軸は、対物レンズ3の光軸4と一致している。対物レンズ3と照明リング9は、レンズハウジング20内に収容されている。
【0027】
図3は、二次測定補助具およびピボットアーム11が経路25に沿って移動した結果、後退位置にある二次測定補助具を示す。したがって、二次測定補助具、すなわちタッチセンサ14は、測定対象物5に対する光学センサアッセンブリのx、yまたはz軸のいずれの方向の相対的な動きをも妨げない。言い換えれば、この後退位置にある二次測定補助具では、光学センサ2およびステージ6は、互いに対して全方向に完全に移動することができ、対象物5の観察または光学撮像は制限されない。測定補助具は、ステージ6上の測定対象物5に対する光学センサアッセンブリの相対的移動を妨げず、光学センサの視野を妨害しない。
【0028】
この実施形態では、タッチセンサ14、すなわち二次測定補助具は、レンズハウジング20の最下部21より低くないことが分かる。このように、タッチセンサ14は、光学センサ2と同じ大きさの測定領域(same measurement volume)にアクセスする。また、回動軸12は概ね水平であり、対物レンズより上に位置している。
【0029】
図4に示すように、ピボットアーム11を後退位置と展開位置との間で移動させるアクチュエータ30が設けられている。図4は、エアシリンダ32に接続されたアクチュエータアーム31を示しているが、他のアクチュエータ、例えばボールネジ、電動回転ネジまたはリニアモータを使用することもできる。
【0030】
展開機構10が展開位置に戻される度に、展開機構10に取り付けられた二次測定補助具は一貫して不変の位置に配置されることが望ましい。したがって、展開位置への正確な復帰のために、移動経路終端のハードストップが提供されてもよい。必要に応じて、このハードストップは、部品の過度の摩耗を防ぐために、例えばガススプリングクッションによって衝撃を和らげることができる。さらに、回動軸12におけるピボットアームの軸方向運動を防止することが望ましい。例えば、軸方向の動きを防止するため回動軸12の少なくとも一方の側に、ラジアルアンギュラコンタクトベアリング(radial angular contact bearing)を用いてもよい。一例として、ラジアルアンギュラコンタクトベアリングが回動軸12の一方の側に設けられ、標準ラジアルベアリングが、追加のサポートのために、他方の側に設けられてもよい。したがって、ピボットアーム11の移動の自由度は、経路25以外はすべて除去される。展開位置での移動経路終端ストップは、ピボットアームの最終的な移動の自由度を除去して、ピボットアームが展開位置に正確に到達することを保証する。
【0031】
あるいは、ピボットアームとハウジングとの間のキネマティックカップリング(kinematic coupling;運動学的カップリング)を用いることにより、展開機構10が確実に展開位置に戻されるのを保証して、移動経路終端ストップを提供することができる。この実施形態でも、ピボットアームは後退位置と展開位置との間の経路25に沿って移動する。しかし、ピボットアームは回動軸に沿って軸方向に移動することができる。ピボットアームには、物理的な交接構造(physical mating feature)が含まれている。この交接構造は、装置ハウジングの相補的な物理的交接構造と交接する。経路25に沿って展開位置になると、ピボットアームが軸方向に移動されることにより、上記の相補的な交接構造が噛み合い、その結果、ピボットアームの全方向の運動を禁じるキネマティックカップリングを提供する。
【0032】
タッチセンサ以外の他の二次測定補助具を使用することもできる。例えば、走査センサやレーザーセンサ、対物レンズの倍率や焦点深度を変更するための第2レンズ等である。二次測定補助具は、展開機構10に永久的に取り付けられてもよいが、種々の実施形態に応じて、異なるタイプの二次測定補助具が、ピボットアーム11の端部の取付マウント23に交換可能に取り付けられてもよい。
【0033】
図5は、タッチセンサ14がミラーアセンブリ35に置き換えられた実施形態を示す。ミラーアセンブリ35は、展開位置にあるとき、光学センサの軸線に対して調節可能に傾けることができる。
【0034】
図6に示す実施形態では、展開機構が、取付マウント23に恒久的にまたは取り外し可能に取り付けられる回転テーブル40を含む。二次測定補助具41が回転テーブル40に設置されている。展開位置にあるとき、回転テーブル40の回転軸は光軸4と一致していてもよい。一例として、二次測定補助具41はレーザープローブであってもよい。レーザープローブの検出軸がステージにほぼ平行であり、これによりレーザープローブはテーブル40を回転させることによって異なる角度を指し示すことができる。別の例として、二次測定補助具41は、短い焦点距離を有する小型のカメラであってもよく、その軸がステージと本質的に平行であり、このカメラは回転テーブル40によって回転されてもよい。これらの例では、光学センサ2で主に対象物の頂部を検出し、対象物5の側部を二次測定補助具41で検出することができる。
【0035】
二次測定補助具の他の構成も可能である。第1の例として、二次測定補助具41は、一連のLED、ファイバ束照明器またはスリット照明器などの照明源であってもよい。したがって、回転テーブル40を回転させて、対象物5に向けられたこの照明源からの照明の向きを変えることができる。例えば、展開位置にあるときにテーブル40を回転させることによって、照明源からの光の方向を変えて、方位角(azimuth)における異なる所望の入射角で光が対称物5に当たるようにすることができる。回転テーブル40は、その回転軸と同心の適切なサイズの開口部を有してもよい。この開口部を通って光学センサ2で撮像することができる。別の例として、二次測定補助具41は、図5のミラーアセンブリ35と同様のミラーアセンブリであってもよいが、このミラーアッセンブリが回転テーブル40に取り付けられている。回転テーブル40は開口部を有し、光学センサ2は回転テーブル40上のミラーアセンブリからの画像を見ることができる。回転テーブル40上のミラーアセンブリは360度回転して、対象物5のすべての側部が見えるようにすることができる。さらに、ミラーが対象物の内部空洞の内部に嵌まれば、光学センサ2によって対象物5の内壁を見ることができる。
【0036】
種々の二次測定補助具は、ピボットアーム11の端部に配置された取付マウント23に取り付けることができる。取付マウントはピボットアームと一体に形成されていてもよいし、図示された実施形態のように、取付マウント23は、ピボットアーム11の端部に配置された別部品であってもよい。いずれの場合でも、取付マウントには、ネジなどの取り外し可能な固定具24が含まれているので、オペレータは二次測定補助具を交換することができる。ただし、迅速接続アタッチメントを代わりに用いることもできる。また、図3に示す後退位置にあるときには、二次測定補助具を交換するために、通常のピック・アンド・プレイス要素を含む着脱装置50(dockable deice;ドッカブル装置)を用いることができる。このような着脱装置は、例えば、CNCマシンセンタなどの様々な用途のためのツールの交換に用いられている。
【0037】
図に示す実施形態の代表的な動作を説明するが、異なるステップ、異なるシーケンスのステップ、異なる光学センサおよび二次測定補助具を伴う他の動作モードを用いることもできる。
【0038】
測定されるべき最初の対象物5がステージ6に置かれる。タッチセンサ14は、アクチュエータ30の作動により、後退位置から展開位置に移動される。ステージ6および光学センサ2は、互いに対して相対移動して、タッチセンサ14による所望の第1の測定値セットを取得する。次に、タッチセンサ14を後退位置に移動させ、光学センサおよび対象物5を再配置して、タッチセンサの展開を必要としない光学センサ2を用いた第2の測定値セットを取得する。タッチセンサが展開機構によって後退位置に移動されているので、測定対象物に対する光学センサアッセンブリの動きが妨げられず、光学測定が可能になることが理解されよう。タッチセンサの後退位置への移動がなければ、光学測定ができなかったか、少なくともステージ上の対象物の再配置が必要となったであろう。
【0039】
この時点で、手動または自動着脱装置により自動で、異なる二次測定補助具をタッチセンサと交換して、ピボットアームを再び展開位置に移動させることができる。例えば、図5に示すようにミラーが取り付けられる場合、ミラーを使用して光軸4からオフセットされた角度での光学的測定値を得ることにより、新しい光学測定値セットを獲得することができる。次に、ミラーを後退位置に移動させる。
【0040】
さらなる測定が必要ない場合、2番目の対象物をステージ上に配置し、シーケンスを繰り返す。同じ製造仕様の対象物が連続して測定される場合、多くの光学計測システムがプログラム可能であるため、システムは同じ測定値セットを取得し、オペレータの介入を最小限に抑えながら各計測補助具を所望位置に位置決めする。
【0041】
本発明は、実施形態に関連して図示され説明されてきたが、本発明は、当業者によってさらなる修正、代替および改良がなされ得る。これらはまた、添付の特許請求の範囲によって包含されることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7