(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記弛み防止機構は、前記従動ローラが前記第2位置から前記第1位置に向かって移動しているときに、前記台紙に当接しながら前記剥離部材に向かって移動することにより、前記台紙の弛みを防止する、
請求項1又は2に記載のプリンタ。
前記プラテンローラと前記印字ヘッドとによって挟持された印字媒体が前記第1搬送位置と前記剥離部材との間の空間に侵入することを規制する印字媒体規制部をさらに備える、
請求項1〜10の何れかに記載のプリンタ。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0012】
(1)プリンタの構成
本実施形態のプリンタの構成について説明する。
図1は、本実施形態の連続発行状態で動作するプリンタの全体斜視図である。
図2は、本実施形態の剥離発行状態で動作するプリンタの全体斜視図である。
図3は、開閉カバーの開放状態における
図1のプリンタ及びロール紙の外観を示す全体斜視図である。
図4は、
図1のプリンタの開閉カバーの要部の斜視図である。
【0013】
本実施形態のプリンタ1は、
図1〜
図2に示すように、例えば、携帯型のラベルプリンタである。プリンタ1の形状は、扁平な直方体である。プリンタ1は、本体ケース2と、開閉カバー3と、剥離ユニット(剥離機構)4と、フロントカバー5とを備えている。プリンタ1は、剥離発行状態(第1動作状態の一例)及び連続発行状態(第2動作状態の一例)を選択的に切り替えることができる。
プリンタ1は、発行口EJ側を上に向けた状態(横置き)で使用してもよいし、発行口EJ側を横に向けた状態(縦保持)で使用してもよい。プリンタ1を縦保持で使用する場合、プリンタ1の底面に設けられたベルトフック(図示せず)を作業者のベルトに引っかけてもよいし、プリンタ1に装着されたショルダーベルト(図示せず)を作業者の肩に掛けてもよい。
【0014】
以下、プリンタ1の長辺に沿った方向(つまり、プリンタ1の横方向)を「前後方向」という。
図1〜
図2に示すように、表示部15(後述する)が設けられている側を「前方(FR)」という。前方(FR)の反対側を「後方(RR)」という。
以下の説明において参照される断面図は、プリンタ1を平面に置いたときに、当該平面に直交し、かつ、前後方向に沿った平面でプリンタ1を切断したときの断面を示している。
【0015】
本体ケース2は、プリンタ1の外形の一部を構成する。
本体ケース2の一面には、
図3に示すように、開口2aが形成されている。
この開口2a内には、収容室6が設けられている。収容室6は、ロール紙Rを収容する空間である。
収容室6の内部には、用紙ガイド6aが設けられている。用紙ガイド6aは、ロール紙Rの両側面に接触した状態でロール紙Rを回転可能に支持することにより、収容室6から繰り出される連続紙Pの搬送をガイドするように構成される。用紙ガイド6aは、ロール紙Rの幅方向に沿って移動可能である。
【0016】
図3に示すように、ロール紙Rは、帯状の連続紙Pがロール状に巻かれたものである。連続紙Pは、台紙PMと、複数枚のラベルPL(印字媒体の一例)とを有している。複数枚のラベルPLは、所定間隔毎に、台紙PMの表面(以下「ラベル貼付面」(第1面の一例))に仮着されている。
【0017】
台紙PMのラベル貼付面には、剥離剤が被覆されている。剥離剤は、例えば、シリコーンである。これにより、ラベルPLを台紙PMから容易に剥離することができる。
台紙PMの裏面(第2面の一例)には、所定間隔毎に位置検出マークMが形成されている。位置検出マークMは、ラベルPLの基準位置を示すマークである。
【0018】
ラベルPLの印字面には、感熱発色層が形成されている。感熱発色層は、所定温度領域に達すると特定の色に発色する。
ラベルPLの印字面の裏面は、粘着部である。粘着部は、粘着剤によって被覆されている。台紙PMのラベル貼付面にラベルPLの粘着部が貼り付くことにより、ラベルPLが台紙PMに仮着される。
【0019】
本体ケース2の一方の側面には、
図1〜
図3に示すように、バッテリカバー7が開閉可能な状態で取り付けられている。バッテリカバー7は、バッテリハウジング33(後述する)を開放又は閉鎖するためのカバーである。
【0020】
開閉カバー3は、収容室6を開放又は閉鎖するためのカバーである。開閉カバー3の後方端は、本体ケース2の後方端に、ヒンジにより軸支されている。これにより、開閉カバー3は、開閉カバー3の前方端が本体ケース2に対して離間又は接近する方向に、揺動することができる。つまり、開閉カバー3は、本体ケース2に対して移動可能である。
【0021】
開閉カバー3の後方端には、トーションバネ(
図1〜
図4には図示せず)が設けられている。トーションバネは、開方向(開閉カバー3の前方端が本体ケース2から離間する方向)に開閉カバー3を付勢する。
【0022】
開閉カバー3の先端のうち幅方向の両端には、
図3〜
図4に示すように、一対のユニット押さえ部3aが形成されている。一対のユニット押さえ部3aは、剥離発行状態において開閉カバー3を閉鎖した場合に、剥離発行位置(第1位置の一例)にある剥離ユニット4を押さえるように構成される。
【0023】
開閉カバー3の先端には、
図3〜
図4に示すように、プラテンローラ10が正逆方向に回動自在に軸支されている。プラテンローラ10は、所定の搬送経路に沿って、連続紙P(具体的には、台紙PMの裏面)を搬送するように構成される。プラテンローラ10は、連続紙Pの幅方向に沿って延在している。
【0024】
プラテンローラ10のプラテン軸10aの一端には、ギア10bが接続されている。ギア10bは、開閉カバー3の閉鎖位置で開口2a内に設置されたモータギア(不図示)に係合する。ギア10bは、モータギアを介して、ローラ駆動用のステッピングモータ(不図示)に機械的に接続される。
【0025】
図3〜
図4に示すように、開閉カバー3には、プラテンローラ10の近傍において、剥離ピン11(剥離部材の一例)が、プラテンローラ10に沿って設けられている。剥離ピン11の両端は、開閉カバー3に軸支されている。
【0026】
図3〜
図4に示すように、開閉カバー3においてプラテンローラ10の近傍(より具体的には、開閉カバー3が閉鎖状態のときに通紙ルートに対向する開閉カバー3の面)には、センサ12a,12b(総称して「センサ12」という。)が設けられている。
センサ12aは、ラベルPLの基準位置(すなわち、台紙PMの位置検出マークM)を検出するセンサである。センサ12aは、例えば、反射型の光センサである。
センサ12bは、例えば、ラベルPLの有無(換言すると、台紙PMにおいてラベルPLが仮着されている部分と仮着されていない部分)を検出するセンサである。センサ12bは、例えば、透過型の光センサである。
【0027】
剥離ユニット4は、剥離発行状態において、台紙PMの搬送経路のうちプラテンローラ10に対して下流側で、印字が行われたラベルPLの搬送方向と、台紙PMの搬送方向とを分岐することによって、ラベルPLを台紙PMから剥離させるように構成される。
剥離ユニット4の前後方向の一端は、プリンタ1の内部の連続発行位置(第2位置の一例)と、プリンタ1の外部の剥離発行位置との間を移動可能である。剥離ユニット4の詳細は後述する。
【0028】
フロントカバー5は、
図1〜
図3に示すように、本体ケース2に固定されている。フロントカバー5は、プリンタ1の上面のうち開閉カバー3以外の領域を覆う。
フロントカバー5は、表示部15と、操作ボタン16a,16bと、電源ボタン17と、カバー開放用ボタン18と、一対の解除レバー19と、カッタ20とを備えている。
【0029】
表示部15は、操作コマンドやメッセージ等を表示する画面である。表示部15は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)である。
操作ボタン16a,16bは、プリンタ1に指示を与えるためのボタンである。
電源ボタン17は、プリンタ1の電源をオン又はオフするためのボタンである。
カバー開放用ボタン18は、開閉カバー3を開放するためのボタンである。
解除レバー19は、剥離ユニット4を連続発行位置に保持するように構成される。解除レバー19を互いに接近する方向に移動させると、剥離ユニット4の保持が解除される。
【0030】
カッタ20は、連続発行状態において、印字が行われたラベルPLが仮着された台紙PMを切断するように構成される。カッタ20は、フロントカバー5のうち、開閉カバー3の向かい側の先端に設けられている。カッタ20は、連続紙Pの幅方向に沿って延在している。
【0031】
開閉カバー3とフロントカバー5との間には、発行口EJが形成されている。
【0032】
(2)剥離ユニットの構成
本実施形態の剥離ユニットの構成について説明する。
図5は、
図2のプリンタの剥離ユニット、及び、その周囲の要部の拡大斜視図である。
図6は、
図5の剥離ユニットの要部の側面図である。
図7は、
図5の剥離ユニットの全体斜視図である。
図8は、
図7の剥離ユニットの分解斜視図である。
【0033】
図5〜
図8に示すように、剥離ユニット4は、剥離ローラ4a(従動ローラの一例)と、軸部4bと、一対の支持部4cと、一対の板バネ4daと、ネジ4eと、台紙押さえ部8と、を備えている。
【0034】
剥離ユニット4が剥離発行位置に設定されると、剥離ローラ4aは、プラテンローラ10に対してサーマルヘッド28(後述する)から離間した側において、プラテンローラ10に対向する。台紙PMは、剥離ローラ4aとプラテンローラ10とによって挟持されることによって、搬送される。剥離ローラ4aは、例えば、ゴム等の弾性部材である。
【0035】
図8に示すように、一対の支持部4cの間には、軸部4bが設けられている。軸部4bは、一対の支持部4cによって挟持されている。軸部4bは、一対の台紙押さえ部8と、剥離ローラ4aとに挿通されている。
一対の台紙押さえ部8は、軸部4bの両端に設けられている。
剥離ローラ4aの長さは、軸部4bの全長よりも短い。剥離ローラ4aは、一対の台紙押さえ部8の間(つまり、軸部4bの略中央)に設けられている。剥離ローラ4aは、軸部4bにより回動自在に軸支されている。
剥離発行状態において、剥離ローラ4aは、プラテンローラ10に対してサーマルヘッド28から離間した側に位置する。剥離ローラ4aは、台紙PMを介して、プラテンローラ10側に押される。これにより、ラベルPLが剥離した台紙PMは、プラテンローラ10と剥離ローラ4aとによって挟持される。このとき、剥離ローラ4aは、プラテンローラ10に従動回転する。
【0036】
図6に示すように、台紙押さえ部8の前方端には、リブ8aが形成されている。リブ8aは、剥離ローラ4aからガイドレール孔4chに向かう方向(つまり、前方FR)に突出している。
台紙押さえ部8の後方端には、突起8dが形成されている。突起8dは、剥離ローラ4aより後方RRに突出している。
なお、
図7〜
図8では、リブ8aの図示は省略している。
【0037】
一対の支持部4cは、軸部4bを支持するように構成される。
各支持部4cの上部には、庇部4cpが形成されている。庇部4cpは、各支持部4cの側面から外側に向かって延びている。
各支持部4cの前方(FR)には、
図7に示すように、ガイドレール孔(長孔)4chが形成されている。ガイドレール孔(長孔)4chは、支持部4cの前後方向に沿って延在している。ガイドレール孔4chは、剥離ユニット4の前後方向の移動を案内し、かつ、規制する孔である。
【0038】
支持台41には、シャフト42が設けられている。シャフト42は、剥離ユニット4の揺動軸である。ガイドレール孔4chにシャフト42が挿通されることにより、剥離ユニット4が支持台41に取り付けられる。
なお、本実施形態では、一対の支持部4cに対応する一対のシャフト42を設ける例を示すが、シャフト42は、支持部4cと一体であってもよい。
揺動軸は、シャフト42に限られるものではない。揺動軸は、軸として作用する部材(例えば、突起など)であれば、どのようなものでもよい。
【0039】
一対の板バネ4daは、剥離ローラ4aをプラテンローラ10側に付勢する弾性構造体である。剥離ユニット4が剥離発行位置に移動する際に、開閉カバー3の閉鎖に応じてユニット押さえ部3aが一対の板バネ4daに当接すると、一対の板バネ4daの付勢力が剥離ローラ4aに作用する。
板バネ4daは、
図6に示すように、支持部4cの外側側面において、支持部4cの後方RRに固定される。各板バネ4daは、支持部4cの後方RRから前方FRに向かって湾曲状に延在し、かつ、終端部で浮遊している。
【0040】
(3)プリンタの内部構造
本実施形態のプリンタの内部構造について説明する。
図9は、剥離発行状態における
図1のプリンタの断面図である。
図10は、
図9の要部拡大図である。
図11は、ユニット押さえ部の作用を説明するための
図9の要部拡大図である。
【0041】
図9〜
図11に示すように、本体ケース2内には、印字ユニット26が設けられている。印字ユニット26は、収容室6に隣接している。印字ユニット26は、ラベルPLに印字を行うように構成される。印字ユニット26は、ヘッドブラケット27と、サーマルヘッド(印字ヘッドの一例)28と、コイルバネ29と、剥離ユニット4と、バッテリハウジング33とを備えている。
【0042】
ヘッドブラケット27は、閉鎖状態の開閉カバー3を保持するように構成される。ヘッドブラケット27は、回転軸27aを揺動軸として揺動可能である。ヘッドブラケットは、溝27bと、押圧部27cとを有する。
【0043】
プラテンローラ10のプラテン軸10aが溝27bに嵌め込まれることにより、開閉カバー3は、ヘッドブラケット27に保持される。
【0044】
押圧部27cは、
図1〜
図2のカバー開放用ボタン18に対向する位置(具体的には、カバー開放用ボタン18の直下の位置)に設けられている。カバー開放用ボタン18が押されると、押圧部27cが下方に押される。これにより、開閉カバー3の保持が解除される。開閉カバー3の保持が解除されると、開閉カバー3の後方端に設けられたトーションバネ35の付勢力により、開閉カバー3は開放状態になる。
【0045】
サーマルヘッド28は、印字情報をラベルPLに印字するように構成される。印字情報は、例えば、文字、記号、図形、バーコード、又は、これらの組合せである。サーマルヘッド28は、回路基板36を介して、ヘッドブラケット27に固定されている。
サーマルヘッド28のうち回路基板36と対向しない面(以下「印字面」という)は、開閉カバー3が閉鎖状態のときに、プラテンローラ10に対向し、かつ、台紙PM及びラベルPLの搬送経路を向いている。サーマルヘッド28の印字面には、複数の発熱抵抗体(発熱素子)が設けられている。複数の発熱抵抗体は、連続紙Pの幅方向に沿って並んでいる。各発熱抵抗体は、通電により発熱する。
【0046】
回路基板36は、サーマルヘッド28に印字信号を伝送する配線基板である。
【0047】
コイルバネ29は、開閉カバー3の閉鎖位置において、ヘッドブラケット27と、サーマルヘッド28とを、プラテンローラ10側に付勢するように構成される。コイルバネ29は、ヘッドブラケット27の背面(回路基板36の面のうち、サーマルヘッド28が固定されていない面)に設けられている。コイルバネ29の付勢力によりヘッドブラケット27がプラテンローラ10側に押されることにより、溝27bに嵌り込んだプラテン軸10aが確実に押さえられる。これにより、開閉カバー3を確実に保持することができる。
【0048】
図11に示すように、剥離発行状態において、ユニット押さえ部3aは、庇部4cpと板バネ4daとの隙間に位置し、かつ、板バネ4daに接触する。ユニット押さえ部3aは、板バネ4daを下方向に押圧することにより、剥離ユニット4を押さえる。これにより、剥離ユニット4が剥離発行位置に確実に保持し、かつ、剥離ローラ4aをプラテンローラ10側に安定して付勢することができる。
【0049】
(4)支持台の構成
本実施形態の支持台41について説明する。
図12は、連続発行位置に設定された剥離ユニットと支持台とを示す斜視図である。
図13は、
図12の剥離ユニット及び支持台の側面図である。
図14は、
図13の剥離ユニット及び支持台の関係の説明図である。
【0050】
図12に示すように、台紙押さえ部8の前方端には、複数のリブ8aが形成されている。
各リブ8aは、台紙押さえ部8の前方端から前方(FR)及び下方に突出している。
【0051】
図12〜
図14に示すように、支持台41は、本体ケース2内に設けられている。支持台41は、台座部41aと、一対のユニット取付部41bとを有する。
【0052】
台座部41aには、剥離センサ43が設けられている。剥離センサ43は、剥離発行状態において、ラベルPLの有無を検出する光反射型のセンサである。
【0053】
一対のユニット取付部41bは、台座部41aの幅方向の両端に設けられている。ユニット取付部41bは、剥離ユニット4を取り付けるための部材である。ユニット取付部41bは、第1の取付片41baと、第2の取付片41bbとを有する。
第1の取付片41baは、台座部41aの幅方向(つまり、プリンタ1の横方向)において外側に位置する。
第2の取付片41bbは、台座部41aの幅方向において内側に位置し、かつ、第1の取付片41baに対向する。
第1の取付片41baと第2の取付片41bbとの間の横方向の間隙には、支持部4cが挟み込まれている。
【0054】
ユニット取付部41bには、シャフト42が設けられている。シャフト42は、第1の取付片41baと第2の取付片41bbとに跨がっている。シャフト42は、ガイドレール孔4chに挿通し、かつ、ガイドレール孔4chに係合している。
【0055】
剥離ユニット4は、ガイドレール孔4chに沿って前後方向にスライド可能である。つまり、剥離ユニット4は、シャフト42に対して移動可能であり、かつ、シャフト42を揺動軸として揺動可能である。
【0056】
図12〜
図13に示すように、剥離ユニット4と支持台41との間にはコイルバネ44が設けられている。第1の取付片41baの後方端には、取付突起41bcが設けられている。支持部4cの前方端には、取付突起4ciが設けられている。
【0057】
支持台41には、ガイド庇41bdが設けられている。ガイド庇41bdは、取付突起41bcから第1の取付片41baの側面に向かって、略L字形に湾曲している。
【0058】
コイルバネ44の一端は、取付突起41bcに固定されている。コイルバネ44の他端は、取付突起4ciに固定されている。コイルバネ44は、ガイド庇41bdに沿って前方に湾曲して延びている。
【0059】
コイルバネ44は、ガイドレール孔4chの前方端がシャフト42に当接する方向の付勢力を剥離ユニット4に与える。
また、コイルバネ44は、ガイドレール孔4chの前方端を支点にして、剥離ユニット4の前方端がサーマルヘッド28から離間する方向(以下、「第1回転方向」という)の付勢力を剥離ユニット4に与える。
つまり、コイルバネ44は、剥離ユニット4に対して、後方RRにスライドさせる付勢力と、第1回転方向に揺動させる付勢力とを与える。
【0060】
解除レバー19が操作されると、コイルバネ44の付勢力により、連続発行位置に設定された剥離ユニット4は、シャフト42がガイドレール孔4chの前方端に当接する位置(以下「スライド端位置」という)(第2位置の一例)までスライドする。スライド端位置までスライドした剥離ユニット4は、シャフト42を揺動軸として、第1回転方向に揺動する。
【0061】
図14に示すように、支持部4cは、第1の爪部4cjと、第2の爪部4ckと、第1の突出部41beと、第2の突出部41bfとを有する。
第1の爪部4cjは、ガイドレール孔4chの上方に設けられている。
第2の爪部4ckは、ガイドレール孔4chの下方に設けられている。
第1の突出部41be及び第2の突出部41bfは、第1の取付片41baにおける第2の取付片41bbとの対向面に設けられている。
【0062】
第1の突出部41beは、ガイド面45と、第1のストッパ46と、規制面47とを有する。
ガイド面45は、剥離ユニット4を前後方向に案内する面である。剥離ユニット4が前後方向にスライドしている間、第1の爪部4cjはガイド面45に摺動する。これにより、剥離ユニット4が前後方向に案内される。
第1のストッパ46は、剥離ユニット4の揺動端位置(第2位置の一例)を規定する部材である。揺動した剥離ユニット4は、第1の爪部4cjが第1のストッパ46に当接する揺動端位置で停止する。
規制面47は、剥離ユニット4が連続発行位置に戻ることを規制する面である。剥離ユニット4が第1回転方向とは反対の第2回転方向に揺動する(つまり、剥離ローラ4aがサーマルヘッド28に近接する方向に移動する)と、第1の爪部4cjは規制面47に摺動する。これにより、剥離ユニット4が連続発行位置に戻ることが規制される。
【0063】
剥離ユニット4が揺動端位置にあるときには、剥離ユニット4の後方端は、開閉カバー3の揺動軌跡内に存在する。
【0064】
第2の突出部41bfは、第2のストッパ48を有する。第2のストッパ48は、剥離ユニット4が連続発行位置に戻ることを規制する部材である。剥離ユニット4が剥離発行位置に設定されると、第2の爪部4ckが第2のストッパ48に当接する。これにより、剥離ユニット4が連続発行位置に戻ることが規制される。
【0065】
(5)連続発行位置及び剥離発行位置
本実施形態の連続発行位置及び剥離発行位置について説明する。
【0066】
(5−1)連続発行位置と剥離発行位置との間の移動
本実施形態の連続発行位置と剥離発行位置との間の移動について説明する。
図15〜
図20は、それぞれ、
図5の剥離ユニットを剥離発行位置に設定する際の剥離ユニット及び開閉カバーの状態を示したプリンタの要部断面図である。
【0067】
図15は、剥離ユニット4が連続発行位置に設定されている場合のプリンタ1の断面を示している。剥離ユニット4が連続発行位置に設定されている場合、コイルバネ44の付勢力に抗して、ガイドレール孔4chの後方端がシャフト42に当接する。このとき、剥離ローラ4aは、プラテンローラ10とは対向しない位置(第2位置の一例)に設定される。つまり、連続発行位置とは、剥離ローラ4aがプラテンローラ10から離間した位置である。
【0068】
図15において、カバー開放用ボタン18が押すことにより開閉カバー3を開放位置に設定し、かつ、解除レバー19を操作することにより剥離ユニット4の保持を解除すると、
図16に示すように、剥離ユニット4は、コイルバネ44の付勢力により、ガイドレール孔4chに沿って、後方RRにスライドする。スライドした剥離ユニット4は、スライド端位置で停止する。剥離ユニット4のスライド中は第1の爪部4cjがガイド面45を摺動するので、剥離ユニット4は、滑らかにスライドすることができる。
【0069】
スライド端位置で停止した剥離ユニット4は、
図17に示すように、コイルバネ44の付勢力により、シャフト42を揺動軸として、第1回転方向に揺動する。第1回転方向とは、剥離ローラ4aが上方に向かう方向である。
第1回転方向に揺動した剥離ユニット4は、揺動端位置で停止する。揺動端位置で停止した剥離ユニット4の前方端は、開閉カバー3の揺動軌跡内にある。
剥離ユニット4が揺動端位置にある場合、発行口EJが開放される。これにより、ロール紙Rを容易に装填することができる。
【0070】
剥離ユニット4が揺動端位置にあるときに、
図18に示すように、開閉カバー3を閉めると、開閉カバー3の先端(開閉カバー3の一部の一例)が剥離ユニット4の先端(従動ローラの一部の一例)に係合する。つまり、揺動端位置とは、開放位置から閉鎖位置に向かって揺動する開閉カバー3の一部が剥離ユニット4の一部に最初に当接する位置である。換言すると、開放位置から閉鎖位置に向かって揺動する開閉カバー3の一部が剥離ユニット4の一部に接触した瞬間に、剥離ユニット4は、揺動端位置をとる。揺動端位置をとった剥離ユニット4は、コイルバネ44の付勢力に抗して、第2回転方向に揺動する。
【0071】
開閉カバー3をさらに閉めると、
図19に示すように、剥離ユニット4は第2回転方向へさらに揺動する。このとき、第1の爪部4cjが規制面47を摺動することにより、剥離ユニット4が連続発行位置に戻ることが規制される。
【0072】
図20に示すように、開閉カバー3が閉鎖状態になると、プラテン軸10aが溝27bに嵌まり込む。これにより、開閉カバー3の閉鎖状態が保持される。剥離ローラ4aは、プラテンローラ10側に付勢され、かつ、剥離発行位置で保持される。このとき、第2の爪部4ckが第2のストッパ48に当接することにより、剥離ユニット4が連続発行位置に戻ることが規制される。
【0073】
(5−2)台紙押さえ部の作用
本実施形態の台紙押さえ部の作用について説明する。
図21〜
図23は、
図6の台紙押さえ部の作用の説明図である。
【0074】
剥離ユニット4が
図18の位置にあるとき、
図21に示すように、剥離ローラ4aとプラテンローラ10との間の空間において台紙PMが弛む。
【0075】
図19に示すように剥離ユニット4が連続発行位置から剥離発行位置に向かって揺動すると、
図22に示すように、剥離ユニット4の後方端は下方に揺動する。このとき、リブ8aの下部は、弛んだ台紙PMの上面(ラベル貼付面)に接触し、かつ、台紙PMを下方(つまり、プラテンローラ10及び剥離ピン11の方向)に押さえる。
【0076】
上述のように、台紙押さえ部8は、剥離ローラ4aが連続発行位置から剥離発行位置に向かって移動しているときに、第1搬送位置P1と第2搬送位置P2との間で、剥離ピン11に向かって(つまり、プラテンローラ10と台紙PMとの間隔が狭まるように)、台紙PMを押さえるように構成される。台紙PMは、サーマルヘッド28及びプラテンローラ10が対向する第1搬送位置P1において、サーマルヘッド28及びプラテンローラ10により挟持されている。したがって、台紙PMは、剥離ローラ4aの移動に伴い、台紙押さえ部8により発行口EJ1の方向(つまり、後方RR)に押し出される。
【0077】
図20に示すように剥離ユニット4が剥離発行位置に設定されると、
図23に示すように、台紙押さえ部8により押し出された台紙PMは、剥離ローラ4aとプラテンローラ10との間に挟み込まれる。つまり、剥離発行位置とは、剥離ローラ4aがプラテンローラ10に対向する位置である。
台紙PMは発行口EJ1の方向に押し出されているので、剥離ピン11に巻き付く。剥離ピン11は、剥離発行状態において、第1搬送位置P1と第2搬送位置P2との間で、台紙PMの搬送経路とラベルPLの搬送経路とを分岐させる。つまり、剥離ローラ4aが剥離発行位置にあるときに、ラベルPLが台紙PMから剥離可能である。このとき、剥離ピン11は、第1搬送位置P1と第2搬送位置P2との間で台紙PMの裏面を支持する。これにより、第1搬送位置P1と第2搬送位置P2との間における台紙PMの弛みを防止することができる。
このように、台紙押さえ部8は、第1搬送位置P1と第2搬送位置P2との間における台紙PMの弛みを防止する弛み防止機構として機能する。
【0078】
剥離ユニット4が剥離発行位置に設定されている場合、台紙押さえ部8は、プラテンローラ10によって搬送される台紙PMには接触しないように構成される。したがって、台紙押さえ部8は、台紙PMの搬送を妨げない。これにより、台紙PMを滑らかに搬送することができる。
【0079】
(6)連続発行状態及び剥離発行状態
本実施形態の連続発行状態及び剥離発行状態について説明する。
図24は、本実施形態の連続発行状態で動作するプリンタの断面図である。
図25は、本実施形態の剥離発行状態で動作するプリンタの断面図である。
図26は、本実施形態の押さえ部が設けられていない場合の剥離ローラの近傍の拡大図である。
図27は、本実施形態の剥離発行状態における剥離ローラの近傍の拡大図である。
【0080】
連続発行状態及び剥離発行状態のいずれの動作状態においても、ラベルPLに印字情報を印字する場合、サーマルヘッド28とプラテンローラ10との間に連続紙Pを挟み込んだままプラテンローラ10を回転させることにより、連続紙Pを搬送する。このとき、センサ12aの検出結果に基づいて、印字タイミングが決定される。決定された印字タイミングに合わせて、サーマルヘッド28に印字信号が送信される。印字信号は、印字情報に対応する信号である。サーマルヘッド28の発熱抵抗体は、印字信号に基づいて、選択的に発熱する。これにより、ラベルPLに印字情報が印字される。
【0081】
連続発行状態においては、
図24に示すように、剥離ユニット4は、プリンタ1の内部の連続発行位置に設定される。印字が行われたラベルPLは、台紙PMから剥離されることなく発行される。ユーザは、所定枚数のラベルPLが仮着された台紙PMをカッタ20で切断した後に、切断した台紙PMをプリンタ1から持ち出すことができる。これにより、ユーザは、対象物がある場所において、所定枚数のラベルPLを台紙PMから剥離して、対象物に貼り付けることができる。したがって、連続発行状態は、対象物がプリンタ1から離れた場所にある場合に特に適している。
【0082】
なお、
図24に示すように、剥離ユニット4が連続発行位置に設定されている場合、剥離ローラ4aは本体ケース2の内部に格納されている。つまり、剥離ローラ4aは、本体ケース2から突出しない。これにより、作業者の手が剥離ローラ4aに触れにくくなる。その結果、剥離ローラ4aの劣化を抑制することができる。
【0083】
剥離発行状態においては、
図25に示すように、剥離ユニット4は、剥離発行位置に設定される。台紙PMは、剥離ピン11に巻かれ、かつ、剥離ローラ4aとプラテンローラ10との間に挟み込まれる。プラテンローラ10が回転すると、台紙PMは、剥離ローラ4aとプラテンローラ10とに挟まれたまま搬送される。
一方、印字が行われたラベルPLの搬送経路は、剥離ピン11の位置で、台紙PMの搬送経路と分岐する。こにより、印字が行われたラベルPLは、剥離ピン11の位置で、1枚毎に台紙PMから剥離される。つまり、剥離発行状態では、ラベルPLが1枚毎に発行される。したがって、剥離発行状態は、対象物がプリンタ1の近くにある場合に特に適している。
【0084】
図26に示すように、仮に、本実施形態のプリンタ1に台紙押さえ部8が設けられていない場合には、台紙PMから剥離したラベルPLは、自重によって、剥離ローラ4aの方に垂れ下がり、第1の方向D1へ搬送される。換言すると、プラテンローラ10よりも下流側において、ラベルPLの搬送方向は第1の方向D1となる。
図3に示すように、ロール紙Rは、所定の巻方向にカールしているので、台紙PMに仮着されたラベルPLも、当該巻方向にカールしている。したがって、ラベルPLは、より一層、剥離ローラ4aに向かって垂れ下がる。垂れ下がったラベルPLの粘着部がプリンタ1の一部(例えば、本体ケース2の一部)に触れると、ラベルPLがプリンタ1に貼り付くので、作業者は、ラベルPLをプリンタ1から剥がす必要がある。
【0085】
これに対して、
図27に示すように、本実施形態のプリンタ1は、台紙押さえ部8を備えている。台紙押さえ部8は、剥離ローラ4aが剥離発行位置にあるときに、台紙PMから剥離されたラベルPLの粘着部側に位置する。台紙押さえ部8は、剥離されたラベルPLが、自重により、剥離ローラ4a及び剥離ピン11に向かって垂れ下がったとしても、プラテンローラ10及び剥離ピン11の上方でラベルPLの粘着部を支持する。これにより、ラベルPLは、第1の方向D1とは異なる第2の方向D2へ搬送される。第2の方向D2は、プリンタ1を水平面に設置したときに、水平面に略直交する方向(つまり、上方向)である。これにより、ショルダーベルトを作業者の肩に掛けてプリンタ1を使用する(つまり、ラベルPLの発行口EJ2を横(水平方向)に向けて使用する)場合、発行されたラベルPLの垂れ下がりが抑制される。したがって、台紙PMから剥離されたラベルPLのプリンタ1への貼り付きを防止することができる。その結果、発行されたラベルPLを作業者がプリンタ1から取り出す作業の効率が向上する。
【0086】
また、ラベルPLの粘着部とリブ8aとの接触面積は比較的小さい。したがって、ラベルPLがリブ8aに貼り付いたとしても、作業者は、ラベルPLをリブ8aから容易に剥離することができる。
【0087】
また、剥離ローラ4aが剥離発行位置にあり、かつ、プラテンローラ10が台紙PMを搬送するときに、リブ8aは台紙PMに接触しないように構成される。つまり、プラテンローラ10により搬送される台紙PMは、リブ8aには接触しない。したがって、リブ8aは、台紙PMの搬送を妨げない。これにより、台紙PMを滑らかに搬送することができる。
【0088】
また、台紙押さえ部8には、突起8dが設けられている。ユーザは、ラベルPLが剥離された台紙PMを突起8dに押し付けることによって、台紙PMを容易に切断することができる。
【0089】
上述のように、剥離ローラ4aは、剥離発行状態において剥離発行位置に位置し、連続発行状態において連続発行位置に位置し、かつ、剥離ユニット4と共に、剥離発行位置と連続発行位置との間を移動可能に構成される。
また、剥離ローラ4aは、剥離発行位置にあるときに、台紙PMの搬送経路上の第2搬送位置P2において、プラテンローラ10に対向し、かつ、台紙PMに当接しながらプラテンローラ10に従動回転するように構成される。
換言すると、剥離ローラ4aは、剥離発行位置にあるときに、台紙PMの搬送経路のうち、剥離ピン11が台紙PMの裏面(
図27において、台紙PMの下方の面)に当接する位置と台紙PMの発行口EJ1(
図27において、サーマルヘッド28とプラテンローラ10とが対向する第1搬送位置P1を基準として後方RRに設けられた発行口EJ1)との間で、台紙PMの表面(
図27において、台紙PMの上方の面)に当接しながらプラテンローラ10に従動回転する。
【0090】
(7)変形例
本実施形態の変形例について説明する。
【0091】
(7−1)変形例1
本実施形態の変形例1について説明する。変形例1では、台紙押さえ部の形状の変形例について説明する。
図28は、変形例1の連続発行位置に設定された剥離ユニットと支持台とを示す斜視図である。
図29は、変形例1の剥離ローラの第1例の近傍の拡大図である。
図30は、変形例1の剥離ローラの第2例の近傍の拡大図である。
【0092】
図28及び
図29に示すように、台紙押さえ部8の前方端には、突出部8bが設けられている。
【0093】
図19に示すように剥離ユニット4が連続発行位置から剥離発行位置に向かって移動すると、突出部8bの下部は、
図22のリブ8aと同様に、弛んだ台紙PMに接触し、かつ、プラテンローラ10と台紙PMとの間隔が狭まるように、台紙PMを下方(つまり、プラテンローラ10及び剥離ピン11の方向)に押さえる。これにより、
図29に示すように、サーマルヘッド28及びプラテンローラ10が対向する第1搬送位置P1と、剥離ローラ4a及びプラテンローラ10が対向する第2搬送位置P2(
図29には不図示)との間における台紙PMの弛みを防止することができる。
【0094】
図20に示すように剥離ユニット4が剥離発行位置に設定されると、突出部8bは、
図27のリブ8aと同様に、台紙PMから剥離されたラベルPLの粘着部をプラテンローラ10及び剥離ピン11の上方で支持する。これにより、発行されたラベルPLの垂れ下がりを抑制することができる。
【0095】
なお、
図30に示すように、突出部8bの前方端に第1リブ8cが設けられてもよい。第1リブ8cは、剥離発行状態において、台紙PMから剥離されたラベルPLの粘着部を支持するように構成される。
【0096】
また、突出部8bの下部に、第1リブ8cとは異なる第2リブが設けられてもよい。第2リブは、突出部8bの下部から下方に突出している。
この場合、
図20に示すように剥離ユニット4が剥離発行位置に設定されると、第2リブは、
図22のリブ8aと同様に、弛んだ台紙PMに接触し、かつ、プラテンローラ10と台紙PMとの間隔が狭まるように、台紙PMを下方に押さえる。
【0097】
(7−2)変形例2
本実施形態の変形例2について説明する。変形例2では、プラテンローラ10及び剥離ピン11の前方の空間(つまり、第1搬送位置P1と剥離ピン11との間)における台紙の弛みを防止する例について説明する。
図31は、変形例2のスペーサの作用を説明するための
図9の要部拡大図である。
【0098】
図31に示すように、ヘッドブラケット27の上部には、スペーサ27d(印字媒体規制部の一例)が設けられている。剥離ユニット4が剥離発行位置に設定された場合、スペーサ27dは、横方向について、剥離ピン11に対して剥離ローラ4aとは反対側(つまり、剥離ローラ4a及び剥離ピン11の前方FR)に位置する。
【0099】
図21〜
図23に示すように、連続発行位置に設定された剥離ユニット4を剥離発行位置に設定する場合、スペーサ27dは、プラテンローラ10とサーマルヘッド28とによって挟持されたラベルPL及び台紙PMが第1搬送位置P1と剥離ピン11との間の空間に侵入することを規制する。換言すると、スペーサ27dは、プラテンローラ10及び剥離ピン11の前方FR(つまり、第1搬送位置P1と剥離ピン11との間)の空間にラベルPL及び台紙PMが侵入することを規制する。これにより、プラテンローラ10及び剥離ピン11の前方FRの空間へのラベルPL及び台紙PMの侵入を防ぐことができる。その結果、第1搬送位置P1と剥離ピン11との間において、ラベルPLが仮着された台紙PMの弛みを防止することができる。
【0100】
(8)その他の変形例
図27では、台紙PMから剥離されたラベルPLの搬送方向(第2の方向D2)が上方向である例について説明したが、第2の方向D2はこれに限られない。
第2の方向D2は、第1の方向D1を基準として、剥離ローラ4aから離間する方向(つまり、プリンタ1の前方FRへ傾斜する方向)であれば、どのような方向でもよい。
【0101】
上述の実施形態では、
図18に示すように、開閉カバー3の先端が剥離ユニット4の先端に係合することに応じて、剥離ユニット4が第2回転方向に揺動する例について説明したが、本実施形態は、開閉カバー3の先端が剥離ユニット4の先端に係合しない場合にも適用可能である。この場合、剥離ユニット4を剥離発行位置に設定するためには、ユーザは、開閉カバー3を閉鎖状態にした後、剥離ユニット4を手動で剥離発行位置に設定する。
【0102】
上述の実施形態では、第2位置の一例として、連続発行位置、揺動端位置、及び、スライド端位置を示したが、第2位置はこれに限られない。第2位置は、剥離ユニット4が移動する範囲(揺動する範囲、及び、スライドする範囲)において、剥離発行位置とは異なる位置であれば、どのような位置でもよい。つまり、第2位置は、連続発行位置、揺動端位置、及び、スライド端位置以外の位置も含み得る。
【0103】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。また、上記の実施形態及び変形例は、組合せ可能である。