(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の底板と前記第2の底板のうち、上側に配置される底板には、前記側面板が接続されていない辺に羽片が設けられていることを特徴とする請求項2に記載された箱体。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に本発明に係る箱体について図面および実施例を示し説明を行う。なお、以下の説明は、本発明の一実施形態および一実施例を例示するものであり、本発明が以下の説明に限定されるものではない。以下の説明は本発明の趣旨を逸脱しない範囲で改変することができる。
【0013】
(実施の形態1)
図1に本発明に係る箱体1の展開図を示す。本発明に係る箱体1は、弾性を有する板材を用いて構成される。より具体的には、紙、プラスチック、薄い金属などが好適に利用できる。箱体1は、組み上げる際に各面板は弾性を有した状態で湾曲して組み立てられる。したがって、この組み立て時の湾曲で割れなければ、木材でもよい。
【0014】
箱体1は、長方形の底板10の4つの辺に、前側面板20、後側面板22、右側面板24、左側面板26が折罫(10a、10b、10c、10d)を介して接続されている。つまり、それぞれの折罫は、底板10の前辺、後辺、右側辺、左側辺と言って良い。また、前側面板20および後側面板22には、前側持ち手板30および後側持ち手板32が同じく折罫(20a、22a)を介して接続されている。箱体1は長方形であるので、右側面板24が接続されている辺(右側辺=左側辺)が、前側面板20が接続されている底板10の辺(前辺=後辺)よりも長くてもよい。
【0015】
前側面板20、後側面板22、右側面板24、左側面板26は、「側面板」と呼んでよい。また、前側持ち手板30および後側持ち手板32は、「持ち手板」と呼んでよい。
【0016】
前側持ち手板30および後側持ち手板32には、それぞれ持ち手孔30aおよび持ち手孔32aが形成されている。また、前側持ち手板30、後側持ち手板32および持ち手孔30a、32aの両端には、係止突起31a、31b、33a、33bが設けられている。係止突起には、それぞれ貫通孔31ah、31bh、33ah、33bhが設けられている。
【0017】
右側面板24と左側面板26は、角の丸い五角形状をしている。右側面板24と左側面板26は底板10の右側辺も若しくは左側辺(折罫10c、折罫10dに対応)と平行な方向W2を幅方向と呼び、幅方向に垂直な方向を高さ方向と呼ぶ。底板10との接続端である折罫10cおよび折罫10dから離れるほどに幅が広がる。そして、右側面板24および左側面板26の最も広い幅の部分である最長右側面幅24mおよび最長左側面幅26mに至る。その後は、折罫10cおよび折罫10dから離れるほどに幅は狭くなる。
【0018】
右側面板24と左側面板26の先端部には、スリット24aおよびスリット26aが形成されている。これは、組み上げた際に前側持ち手板30と後側持ち手板32の係止突起31a、31b、33a、33bが挿入される孔である。なお、右側面板24および左側面板26は、折罫10c、10d以外に折罫は有していない。
【0019】
前側面板20と後側面板22は、底板10から前側持ち手板30および後側持ち手板32との間で、底板10の接続辺である折罫10aおよび折罫10bよりも長い幅の部分を有している。斜辺が曲線の等脚台形の形状をしている。この部分を前側面板20では、最長前側面幅20mとし、後側面板22では、最長後側面幅22mとする。なお、前側面板20と後側面板22は底板10の前辺若しくは後辺(折罫10a、折罫10bに対応)と平行な方向W1を幅方向と呼び、幅方向に垂直な方向を高さ方向と呼ぶ。
【0020】
前側面板20および後側面板22が前側持ち手板30および後側持ち手板32と接続している部分である折罫20aおよび折罫22aは、最長前側面幅20mおよび最長後側面幅22mよりも短い。
【0021】
なお、前側面板20と後側面板22、前側持ち手板30と後側持ち手板32、右側面板24と左側面板26は同形に形成されるのが望ましい。
【0022】
次に箱体1の組み立てについて
図2を参照しながら説明する。まず、
図2(a)を参照して、前側面板20および後側面板22を折罫10a、10bで折り曲げる。次に折罫10a、10bとは逆方向に折罫20a、22aを折り曲げる。そして、前側持ち手板30および後側持ち手板32を合わせる。前側持ち手板30および後側持ち手板32は、同じ形状に形成されているので、持ち手孔30aおよび持ち手孔32aは重なる。また、前側持ち手板30および後側持ち手板32の両端に形成された係止突起31aおよび係止突起33aと係止突起31bおよび係止突起33bも重なる。
【0023】
次に
図2(b)を参照して、左側面板26を前側面板20と後側面板22の側線に沿わせてスリット26a側を持上げ、係止突起31bと33bを重ねた状態でスリット26aに挿入する。同じく、右側面板24も前側面板20と後側面板22の側線に沿わせてスリット24a側を持上げ、係止突起31aおよび係止突起33aを重ねた状態でスリット24aに挿入する(
図2(c)参照)。
【0024】
このようにして、係止突起31aおよび係止突起33aを重ねてスリット24aに挿入し、係止突起31bおよび係止突起33bを重ねてスリット26aに挿入することで、箱体1が完成する。このように各係止突起を各スリットに挿入し係合させた状態を「組み上げた状態」と呼ぶ。また、底板10のある方向を下側と呼び、持ち手孔30a(持ち手孔32a)のある方向を上側と呼ぶ。
【0025】
図3には、完成した箱体1の正面図(
図3(a))と、側面視断面(
図3(b))を示す。側面視断面とは、
図2(b)のAAで切断し、左側面板26(
図2のB方向)から見た図を意味する。箱体1のAA断面を側面視したと言っても良い。もちろん、右側面板24方向から見ても同じに見える。なお、左側面板26は点線で示した。
【0026】
図3(a)を参照して、前側面板20は、折罫20aおよび底板10の折罫10aよりも長い最長前側面幅20mを有する。そして、右側面板24および左側面板26は、前側面板20の両端に沿って係止突起31a(33a)および係止突起31b(33b)に係止されるので、前側面板20の両端形状に沿って湾曲している。
【0027】
図3(b)を参照して、左側面板26の最長左側面幅26mは、組み立てられた状態の箱体1の側面視断面で、前側面板20と後側面板22が最も離れる幅(これを最長側方断面幅21とする)よりも長い。つまり、前側面板20と後側面板22が作る筒形状の両端は、左側面板26と右側面板24で蓋がされる。
【0028】
また、最長側方断面幅21は、底板10の折罫10c(10d)よりも長くなるように前側面板20および後側面板22を左側面板26および右側面板24で固定する。したがって、前側面板20および後側面板22も湾曲している。
【0029】
すなわち、完成した箱体1は、前側面板20、後側面板22、右側面板24、左側面板26の全ての面が湾曲している。したがって、これらの4つの面は、
図1の展開状態に戻るように付勢がかかっている。
【0030】
次に箱体1の開封について説明する。
図4(a)は箱体1の正面図である。
図4(a)のCの部分の拡大図を
図4(b)に、Dの部分の拡大図を
図4(c)に示す。
図4(b)を参照して、箱体1は、共に重なっている上部の前側持ち手板30と後側持ち手板32を下方に押さえると、スリット26aに挿入されていた係止突起31bおよび33bと、スリット24aに挿入されていた係止突起31aおよび33aが点線で示すように下方に下がる。
図4(b)では、スリット26aと係止突起31bおよび33bだけを表示している。
【0031】
次に
図4(c)を参照して、それと共に、前側面板20と後側面板22が下方にたわむため、最長前側面幅20m(最長後側面幅22m)の部分が下がる。これは、右側面板24および左側面板26を箱体1の中心から離す方向に力Fを与える。
【0032】
図5を参照し、その結果、スリット24a、スリット26aの係止していた部分がはずれ、右側面板24と左側面板26は、開放された弾性によって箱体1の中心から離れるように回動する。一方、係止突起31aおよび33aと、係止突起31bおよび33bで対向状態に固定されていた前側面板20と後側面板22も前側面板20と後側面板22の弾性によって箱体1の中心から離れるように回動する。
【0033】
その結果、箱体1は、前後の持ち手板30、32をワンプッシュするだけで、一瞬で花が開くように、梱包を開封することができる(
図5参照)。
【0034】
なお、このように、箱体1は前後の持ち手板30、32をワンプッシュするだけで開封することができるので、意図しないかたちで前後の持ち手板30、32がワンプッシュされると、開封してしまう。そこで、内容物を収納し、組み上げた後は、係止突起31aおよび33aと、係止突起31bおよび33bに設けられた貫通孔31ah、31bh、33ah、33bhに紐などを通して、不用意に開封しないようにするのが望ましい。
【0035】
(実施の形態2)
図6には、箱体2の展開図を示す。本実施形態に係る箱体2では、前側面板20および後側面板22と、右側面板24および左側面板26を別々に構成する。底板10はどちらの組にも存在している。前側面板20及び後側面板22と接続している底板を符号10で表し、右側面板24及び左側面板26と接続している底板を符号12で表す。なお、以下の説明では、底板10の部材を前後部材90とよび、底板12の部材を左右部材92と呼ぶ。また、底板10を第1の底板、底板12を第2の底板と呼んでも良い。
【0036】
なお、前後部材90および左右部材92は別部材になったが、組み上げる際には、底板10および底板12は接合され、1つの底板とみなすことができる。したがって、底板12の折罫の部分は符号10c、10dをそのまま使う。
【0037】
このように、前後および左右の側面板を別々に構成すると、段ボールなどのように、一方向に溝状の構造形状を有する材料を側面板の高さ方向に利用することができる。ここで段ボールとは、波状(溝構造)に加工した紙を表裏の紙で接着した部材を含むが、表裏のいずれかが無いもの、さらに多層化を進めたものを含めても良い。以後、段ボールは、波形状が少なくとも一方向に溝構造を有する部材であるとして説明を続ける。
【0038】
図6においても、前側面板20及び後側面板22の幅方向(最長前側面幅20mと平行な方向)と、右側面板24及び左側面板26の幅方向(最長右側面幅24mと平行な方向)は、段ボールの溝構造に垂直になるように切り出しを行うことができる。なお、もちろん、段ボールのように溝構造を有していない部材であっても、前後部材90と左右部材92に分けて箱体2を構成してもよい。
【0039】
底板10および底板12は、重ねて接着等してもよい。したがって、その位置合せのための貫通孔10h、10jと貫通孔12h、12jをそれぞれ設けることができる。また、段ボールのように、容易に湾曲しにくいものは、各側面板の幅方向に沿って、押罫40を設けても良い。つまり、押罫40は、段ボールの溝構造に直角に設けられる。押罫40は、折罫のようにしっかりした折り目をつけるための罫ではなく、強度を保ちつつ比較的曲げやすくなる程度の罫である。
【0040】
図7には、段ボールの溝構造45と折罫10a、10b、10c、10d、20a、22aおよび押罫40との関係を示す。段ボールでは溝構造は内部の層に構成されるため、表面には見えないが、
図7では、溝構造45を実線で示している。このように、溝構造45の方向を各側面板の高さ方向とすることで、各側面板を湾曲させたときの復元力を大きくすることができる。なお、ここで復元力とは、組み上がった箱体が展開図状態に戻ろうとする力である。
【0041】
これらの押罫40は、均等な間隔で設けても良い。なお、前側面板20と後側面板22は、底板10に最も近い押罫40aについては折罫10aおよび10bからの幅を広くしてもよい。前側面板20と後側面板22は、底板10と折罫10aおよび10bで接続されているので、折り曲げ癖がつきやすい。折り曲げ癖がつきすぎると前側面板20および後側面板22の復元力が小さくなる。そこで、この部分の押罫幅を広くすることで、前側面板20と後側面板22の復元力を大きくすることができるからである。
【0042】
図6の箱体2の組み立ては、底板10の上に底板12を重ねて接着する。その後は、実施形態1と同様に組み立てることができる。本実施形態の箱体2の場合、底板が二重に構成することができ、また、段ボール等の強化構造を含む素材を使用することができる。したがって、箱体2として強度が向上する。
【0043】
特に
図7から明らかなように、前後部材90の底板10と左右部材92の底板12を重ねると、溝構造45は格子状に構成される。したがって、底板は、前後左右どちらの方向からの力を受けても、高い強度を示すことができる。
【0044】
また、内側となる底板12に爪13を設けておくことで、箱体2の中に入れる物の固定端とすることができる。爪13は、底板12に半円の切れ目を入れ、直径を折罫として箱体2の内側に折り曲げたものである。
【0045】
図8は
図6の底板10および底板12を重ねて接着し、組み上げた状態を示す。部材が段ボールとなっても、
図2(c)に示した状態と同じである。したがって、前側持ち手板30と後側持ち手板32を下方に押さえて離す(ワンプッシュ)すると、
図5のように、一気に開封することができる。
【0046】
なお、箱体2では、底板は底板10と底板12の2枚が存在するが、底板10および底板12間の接合の有無に係らず、前側面板20、後側面板22、右側面板24、左側面板26は、それぞれ底板に折罫を介して接続されていると言ってもよい。
【0047】
また、段ボールのように厚みのある部材を使用する場合、底板10と底板12を同じ寸法にすると、下側に配置された方の部材は、段ボールの厚みの分だけ付勢を受ける。具体的には、底板12を下にし、底板10を上側にすると、折罫10cおよび10dは底板10の辺10sおよび辺10tの下側になる。したがって、右側面板24と左側面板26は、より開きやすくなる。
【0048】
また、逆に底板10を下にし、底板12を上側にすると、折罫10aおよび10bは、底板12の辺12sおよび辺12tの下側になる。したがって、前側面板20と後側面板22は、より開きやすくなる。上記の説明では、底板10の上に底板12を重ねるように説明を行った。これは図で例示しているのが、前側面板20および後側面板22の最長前側面幅20m(=最長後側面幅22m:図示せず。)の方が、右側面板24および左側面板26の最長右側面幅24m(=最長左側面幅26m図示せず。)より広いので、前側面板20および後側面板22が開きやすくなっているほうが、開封した際に見栄えがよいからである。
【0049】
また、箱体2の底板10の押罫10aを30cm程度の大きさで実際に作成してみると、前側面板20および後側面板22が開く際には、若干の風が起き、その風で右側面板24および左側面板26も開く方向に動く。
【0050】
なお、最長前側面幅20m(=最長後側面幅22m:図示せず。)と最長右側面幅24m(=最長左側面幅26m図示せず。)の大小に係らず、底板12を下側にすることを妨げるものではない。また、底板12を下にした場合は、爪13は、底板10の側に形成してよいのは言うまでもない。
【0051】
箱体2は、箱体全体の縦横高さの比率について、特に限定はないので、形状によっては、底板10および底板12の寸法を同じにすると係止突起31a、31b、33a、33bとスリット24aおよびスリット26aとの係合がきつくなり、持ち手板をワンプッシュしても係合が解除できない場合もある。その場合は、各側面板の寸法を調整する以外に底板10および底板12の各辺の長さを段ボールの厚み分程度の調整を行っても良い。
【0052】
(実施の形態3)
図9に本実施形態に係る箱体3の展開図を示す。箱体3は実施形態2で示した箱体2とほぼ同じ形状をしている。箱体2との相違点は、底板12に羽片15aおよび羽片15bが設けられている点である。
【0053】
本発明に係る箱体(箱体1および2を含む。)は、前側面板20、後側面板22、右側面板24、左側面板26が、組み上がり時に湾曲して開封方向に付勢されているために、係止突起31a、31b、33a、33bがスリット24aおよびスリット26aから外れると一気に開封される。
【0054】
特に箱体2は段ボールなどの厚い部材を用い、底板10と底板12を同じ寸法にすることで、下側になった底板に接続されている側面板の開封方向の付勢が強くなり、より開封しやすくなるという効果がある。しかし、箱体の縦横高さの比率および部材(段ボールなど)の厚みによっては、底板10および底板12を同じ大きさにすると、きれいに箱体を組み上げられない場合もある。
【0055】
また、係止突起31a、31b、33a、33bとスリット24aおよびスリット26aとの係合がきつくなり開封しにくくなってしまう場合もある。また、箱体2の大きさによっては、前側面板20、後側面板22、右側面板24、左側面板26の自重が重くなり、湾曲および底板によって付勢されている力だけでは、一気に開封できない場合もある。
【0056】
本実施形態の箱体3は底板に羽片を設けた。この羽片は、上側に配置される底板に設けられ、下側の底板に接続されている側面板を開封方向に付勢する。また、この羽片があるので、上側の底板は寸法を小さくしても開封方向の付勢力を得ることができる。
【0057】
図10(a)には、箱体3の左右部材92だけを示す。羽片15aおよび羽片15bは、底板12に対して、押罫15aaおよび押罫15baを介して接続されている。羽片15aおよび羽片15bの高さ15ahおよび高さ15bhと、幅15awおよび幅15bwは特に限定されない。
【0058】
使用される素材や箱体3の大きさ、押罫15aaおよび押罫15ba部分の処理の仕方によっても事情は変わるが、幅15awおよび幅15bwは、底板12の長さL12より短い範囲でできるだけ長くする方が復元力は大きくなる。また、高さ15ahおよび高さ15bhは、前側面板20および後側面板22の高さ22h(=20h:
図9参照)より短い範囲で、折り曲げた羽片15aおよび羽片15bの重心が箱体3の中心側にならないような高さが望ましい。
【0059】
図10(b)には、箱体3の側面視断面を示す。羽片15aLおよび羽片15bLは、その重心が箱体3の中心側になる場合であり、羽片15asおよび羽片15bsは、その重心が箱体3の中心側にならない場合である。それぞれ紙面下向きの矢印は羽片の重心にかかる重力を表す。羽片15aLおよび羽片15bLのように、重心が箱体3の中心側になるほど羽片の高さが高いと、前側面板20や後側面板22への復元力が得られない場合がある。
【0060】
なお、使用する素材によっては、羽片15aおよび羽片15bが、前側面板20および後側面板22の湾曲に沿うようにすることも可能である。そのような場合は、羽片15aおよび羽片15bの高さは前側面板20および後側面板22の高さ22hより短い範囲で高くてもよい。また、羽片15aおよび羽片15bは、複数形成されていてもよい。
【0061】
図11には、左右部材92に羽片15aおよび羽片15bを設けた箱体3が開封された状態を示す。
図11(a)および
図11(b)は見る角度が異なるだけである。羽片15aおよび羽片15bが設けられた左右部材92の底板12は、前後部材90の底板10(
図11では見えない。)より上にある。したがって、羽片15aおよび羽片15bは、常に前側面板20および後側面板22を開く方向に付勢をかける。したがって、この場合であれば、前側面板20および後側面板22は開きやすく形成されている。
【0062】
図12を参照する。上記の説明では、左右部材92を前後部材90より上側に配置し、底板12に羽片15aおよび羽片15bを設けて、前後部材90の前側面板20と後側面板22が開きやすく構成した。しかし、前後部材90を左右部材92より上側に配置し、底板10の辺10sおよび辺10tに羽片16aおよび羽片16b(
図12参照)を設け、右側面板24および左側面板26が開きやすく構成するようにしてもよい。つまり、羽片は、上側に配置される底板の側面板が接続されていない辺に設けられるといってよい。
【0063】
(実施の形態4)
図13には、本実施形態に係る箱体4の展開図を示す。箱体4は、前後部材90と左右部材92に加え、羽部材94を有する。羽部材94は、それぞれの辺に羽片94a、94b、94c、94dが設けられている。羽部材94の縦横の各辺は、底板10および底板12より同じ若しくは短いのが望ましい。羽部材94は、弾力性のあるプラスチック材料、紙、金属板を利用することができる。
【0064】
また、羽片94a、94b、94c、94dの大きさは、実施形態3の羽片15aおよび羽片15bと羽片16aおよび羽片16bと同じ範囲であってよい。
【0065】
また、羽部材94は箱体4の一番内側の部材となるので、爪13が設けられていてもよい。また、底板10および底板12と位置合わせするための、貫通孔94hおよび貫通孔94jが設けられていてもよい。
【0066】
箱体4を組み上げる場合、底板10および底板12を接着し、さらに上側の底板の上に羽部材94を貼り付ける。この時、羽片94a、94b、94c、94dはそれぞれ前側面板20、後側面板22、右側面板24、左側面板26に重なるように配置される。
【0067】
このようにして、箱体4を組み上げると、羽片94a、94b、94c、94dによって、前側面板20、後側面板22、右側面板24、左側面板26は、それぞれ開封方向に付勢がかかることになる。したがって、各側面板の湾曲具合が少なくても、各側面板は十分な開封方向の付勢を与えられることができる。
【0068】
図14は、箱体4が開封した状態を上方から見た図を示す。羽片94a、94b、94c、94d(
図13参照)が前側面板20、後側面板22、右側面板24、左側面板26を外側に押し、各側面板は大きく開封する。
【0069】
なお、ここでは、前後部材90および左右部材92からなる箱体に羽部材94を適用したが、
図1で示したように、底板10と各側面板が一体となっている場合であっても、羽部材94を適用することができる。また、
図9および
図12で示した、前後部材90および左右部材92のいずれかに羽片が備えられた場合であっても、羽部材94を組み合わせてもよい。また、羽部材94は、4辺全部に羽片が設けられていなくてもよい。