(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記高圧電源の電力を必要とする複数の前記駆動モジュールには共通の前記高圧用ケーブルが用いられ、前記低圧電源の電力を必要とする前記低圧モジュールには共通の前記低圧用ケーブルが用いられる、
請求項6に記載の電源供給システム。
前記高圧用ケーブル及び前記低圧用ケーブルは、共通の電線で構成されて、当該電線の一端が前記駆動モジュールまたは前記低圧モジュールから延伸され、当該電線の他端に共通のコネクタが設けられ、
前記高圧電源分配部及び前記低圧電源分配部にはそれぞれ、前記コネクタに嵌合される共通の差し込み口が設けられる、
請求項4または5に記載の電源供給システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のような車両用の電源供給システムは、実際には、例えば
図1に示した比較例のように構成することを本発明者は想定している。
図1の電源供給システムについて以下に説明する。
【0008】
高圧バッテリパック10は、高圧バッテリ11および高圧J/B(ジャンクションブロック)12を内蔵している。高圧J/B12は、高圧配線13を介して高圧バッテリ11と接続されており、高圧バッテリ11の電源電力を高圧配線14および15の2系統に分配して下流側の各負荷に供給することができる。高圧系機器31は、高圧配線14を介して高圧バッテリパック10と接続されている。
【0009】
駆動モータモジュール20は、高圧J/B21、インバータ22、駆動モータ23、およびDC/DCコンバータ24を内蔵している。また、高圧J/B21は、高圧配線15を介して高圧バッテリパック10側から供給される高圧系の電源電力を、高圧配線25および26の2系統に分配して下流側に供給することができる。
【0010】
インバータ22は、高圧配線25から供給される直流高電圧の電源電力を周期的にスイッチングすることにより3相の交流電力に変換し、高圧配線27を介して駆動モータ23に供給することができる。したがって、駆動モータ23を駆動できる。駆動モータ23は大きなトルクを発生できるので、この駆動力により、車両の推進力を発生することができる。
【0011】
DC/DCコンバータ24は、高圧配線26を介して供給される高圧系の直流電源電力を、12[V]などの低圧系の直流電源電力に変換する電子回路である。DC/DCコンバータ24が生成する低圧系の直流電源電力は、低圧配線35を介して下流側の負荷に供給される。
【0012】
図1の電源供給システムに備わっている低圧J/B34は、低圧系の電力供給経路における電力の分配を行うことができる。すなわち、12Vバッテリ33が出力する低圧系の直流電力を低圧配線36および低圧J/B34を経由して12V系機器32に供給することもできるし、駆動モータモジュール20内のDC/DCコンバータ24が出力する低圧系の直流電力を、低圧配線35および低圧J/B34を経由して12V系機器32に供給することもできる。
【0013】
ところで、
図1に示した駆動モータ23は、通常は車体のフロント側およびリア側の車輪の近傍に設置することが想定される。したがって、駆動モータモジュール20と高圧バッテリパック10との間は比較的距離が長くなる可能性が高い。また、例えば車室内に配置された12V系機器32に駆動モータモジュール20側から低圧系の電源電力を供給する場合には、低圧配線35又は低圧配線37の配線長が長くなるのは避けられない。更に、高圧配線15は、高圧系および低圧系の両方の負荷が消費する電力を通過させる必要があるので、高圧配線15の太さや重量が増大するのは避けられない。
【0014】
また、低圧配線35、36、37等の距離が長くなると、これらを含むワイヤハーネスあるいはバスバーの電源線の構造が複雑化することになる。そして、ワイヤハーネス等の電源線の構造が複雑化するのを避けるために、低圧J/B34を配置する場所を最適化することが想定される。しかし、駆動モータモジュール20が車体のフロント側やリア側に存在することになるので、低圧配線35、36、37等の距離を短縮するのは難しい。つまり、各駆動モータモジュール20、低圧J/B34、車室内の12V系機器32等のレイアウトを考慮する上で設計自由度が低いという課題がある。
【0015】
本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、車室内での電源系のレイアウトを検討する際の設計自由度を高く維持しつつも、室内機器(12V等の低圧系機器)へ繋がる電源線の長さの増大を抑制可能な、電源供給システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前述した目的を達成するために、本発明に係る電源供給システムは、下記(1)〜(12)を特徴としている。
(1)
高圧バッテリと、
前記高圧バッテリからの高圧電源を電源分配する高圧電源分配部と、
前記高圧電源分配部から供給される高圧電源を低圧電源に変換する電源変換部と、
前記電源変換部からの低圧電源を電源分配する低圧電源分配部と、
前記低圧電源分配部に
第1低圧配線を介して接続され、前記低圧電源分配部に低圧電源を供給する低圧バッテリと、
を備える電源供給システムであって、
前記高圧電源分配部は、出力を少なくとも2系統に分岐し、前記高圧電源の電力により車両を駆動する駆動モジュールと、前記電源変換部と、に前記高圧電源を分配する、電源供給システムであって、
前記高圧バッテリ、前記高圧電源分配部、前記電源変換部、及び前記低圧電源分配部が、前記駆動モジュールの外側に配置された高圧バッテリパックに内蔵されている、又は、
前記高圧バッテリ、及び前記高圧電源分配部が、前記駆動モジュールの外側に配置された高圧バッテリパックに内蔵され、前記電源変換部、及び前記低圧電源分配部が、前記駆動モジュール及び前記高圧バッテリパックの外側に配置されたコンバータモジュールに内蔵され
、
前記低圧電源分配部は、前記第1低圧配線とは別の第2低圧配線を介して低圧系の負荷と接続され、
前記低圧電源分配部は、前記電源変換部から入力される低圧電源を、前記第2低圧配線を介して前記低圧系の負荷に供給する第1経路と、前記低圧バッテリから前記第1低圧配線を介して入力される低圧電源を、前記第2低圧配線を介して前記低圧系の負荷に供給する第2経路と、の何れかを選択して、低圧電源を前記低圧系の負荷に供給するように構成された、電源供給システム。
(2)
前記駆動モジュールに備わる第1制御部と通信して、当該駆動モジュールへの電力供給を制御する第2制御部をさらに備える、
ことを特徴とする上記(1)に記載の電源供給システム。
(3)
前記低圧電源分配部は、2系統に分岐し、前記電源変換部と、前記低圧バッテリと、から低圧電源が供給される、
ことを特徴とする上記(1)または(2)に記載の電源供給システム。
(4)
前記高圧電源分配部と、前記高圧電源の電力を必要とする前記駆動モジュールとが高圧用ケーブルを介して接続され、
前記低圧電源分配部と、前記低圧電源の電力を必要とする所定の負荷を含む低圧モジュールとが低圧用ケーブルを介して接続され、
前記駆動モジュール及び前記低圧モジュールは、モジュール単位でそれぞれ当該電源供給システムに接続される、
ことを特徴とする上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の電源供給システム。
(5)
前記高圧用ケーブル及び前記低圧用ケーブルは、1本の電源線、1本のアース線、および通信線を含んでいる、
ことを特徴とする上記(4)に記載の電源供給システム。
(6)
前記高圧用ケーブル及び前記低圧用ケーブルは、異なる仕様とされた、
ことを特徴とする上記(4)または(5)に記載の電源供給システム。
(7)
前記高圧電源の電力を必要とする複数の前記駆動モジュールには共通の前記高圧用ケーブルが用いられ、前記低圧電源の電力を必要とする前記低圧モジュールには共通の前記低圧用ケーブルが用いられる、
ことを特徴とする上記(6)に記載の電源供給システム。
(8)
前記高圧用ケーブル及び前記低圧用ケーブルは、共通の電線で構成されて、当該電線の両端に共通のコネクタが設けられ、
前記高圧電源分配部及び前記低圧電源分配部にはそれぞれ、前記コネクタに嵌合される共通の差し込み口が設けられる、
ことを特徴とする上記(4)または(5)に記載の電源供給システム。
(9)
前記高圧用ケーブル及び前記低圧用ケーブルは、共通の電線で構成されて、当該電線の一端が前記駆動モジュールまたは前記低圧モジュールから延伸され、当該電線の他端に共通のコネクタが設けられ、
前記高圧電源分配部及び前記低圧電源分配部にはそれぞれ、前記コネクタに嵌合される共通の差し込み口が設けられる、
ことを特徴とする上記(4)または(5)に記載の電源供給システム。
(10)
前記電源変換部と、前記低圧電源分配部とを一組とするユニットが複数設けられた、
ことを特徴とする上記(1)乃至(9)のいずれかに記載の電源供給システム。
(11)
直流から交流に変換する電源回路を更に備え、
前記電源回路は、前記高圧電源分配部から供給された前記高圧電源を交流に変換し、前記駆動モジュールに供給する、
ことを特徴とする上記(1)乃至(10)のいずれかに記載の電源供給システム。
(12)
非接触充電ユニットをさらに備える、
ことを特徴とする上記(1)乃至(11)のいずれかに記載の電源供給システム。
【0017】
上記(1)の構成の電源供給システムによれば、配置する車両上の位置に何らかの制約がある駆動モータモジュール20等とは無関係に、前記低圧電源分配部の位置を決めることが可能である。したがって、汎用性の高い電源供給システムを実現できる。また、前記高圧バッテリを内蔵した高圧バッテリパックの位置を基準として、高圧系の負荷および低圧系の負荷に対する電源線の接続レイアウトをそれぞれ個別に決めることが可能である。また、例えば前記高圧電源分配部が前記駆動モジュールに供給する電源電力は低圧側の負荷が消費する電力を含まないので、例えば
図1における高圧配線15の太さや重量を低減できる。
上記(2)の構成の電源供給システムによれば、前記第2制御部と前記第1制御部との間で通信できるので、例えば前記高圧バッテリを内蔵した高圧バッテリパックに前記第2制御部を接続した場合には、高圧バッテリパックが前記駆動モジュールの電力供給状態を制御できる。また、必要に応じて仕様の異なる様々な種類の前記駆動モジュールを接続する場合であっても、実際の仕様に合わせて適切な電力供給状態に制御できる。また、前記高圧バッテリパックに様々なモジュールを接続する場合には、モジュール間の協調制御を前記第2制御部で実施できる。
上記(3)の構成の電源供給システムによれば、低圧系の負荷に対して、必要に応じて2種類の経路のいずれかを選択して低圧電源の電力を供給できる。したがって、例えば前記電源変換部やその上流側で故障や不具合が発生した場合であっても、前記低圧バッテリを予備電源として利用し、低圧系の負荷に対する電力供給を継続できる。
上記(4)の構成の電源供給システムによれば、例えば前記高圧バッテリを内蔵した高圧バッテリパックに様々な種類のモジュールを接続する場合であっても、前記高圧用ケーブルおよび前記低圧用ケーブルのいずれか一方を必要に応じて選択するだけで適切な接続を実現できる。したがって、全体の接続構造を単純化できる。
上記(5)の構成の電源供給システムによれば、簡易な構成のケーブルを用いて、本発明の電源供給システムを構築することができる。このように簡易な構成のケーブルを採用する場合、電源の分配構造が集約された電源供給システムから各種モジュールに供給される電源電圧が、そのモジュールに応じた単一の電圧となる。各種モジュールで電圧値の異なる複数の電源電圧を必要とする場合には、そのモジュール内で電源電圧を分配すればよい。
上記(6)の構成の電源供給システムによれば、高圧用ケーブルと低圧用ケーブルとを異なる仕様とすることによって、高圧電源の電力を必要とする駆動モジュール及び低圧電源の電力を必要とする低圧モジュールそれぞれに好適なケーブルを組み合わせることができる。
上記(7)の構成の電源供給システムによれば、高圧電源の電力を必要とする駆動モジュール及び低圧電源の電力を必要とする低圧モジュールそれぞれに好適なケーブルを組み合わせつつ、高圧用ケーブル及び低圧用ケーブルの品番数を抑制することができる。
上記(8)の構成の電源供給システムによれば、例えば前記高圧バッテリを内蔵した高圧バッテリパックに様々な種類のモジュールを接続する場合であっても、前記差し込み口を利用して共通構成の接続ケーブル(高圧用ケーブル、低圧用ケーブル)で各モジュールを接続することができる。したがって、接続ケーブルの種類や品番の数を削減できる。
上記(9)の構成の電源供給システムによれば、前記高圧用ケーブル又は前記低圧用ケーブルの共通のコネクタを前記共通の差し込み口に接続するだけで、前記高圧電源分配部及び前記低圧電源分配部のいずれかと、前記駆動モジュールまたは前記低圧モジュールとを接続できる。
上記(10)の構成の電源供給システムによれば、前記複数のユニットのいずれかを必要に応じて選択し、選択したユニットから低圧系の負荷に対して電源電力を供給できる。例えば、前記複数のユニットを車体の前後の離れた場所に配置する場合には、フロント側の負荷はその位置に近い前方のユニットと接続し、リア側の負荷はその位置に近い後方のユニットと接続できるので、これらの接続に利用するケーブルの長さを短縮できる。
上記(11)の構成の電源供給システムによれば、前記電源回路が高圧の交流電力を生成するので、車両を駆動する電気モータの制御が容易になる。また、例えば前記高圧バッテリを内蔵した高圧バッテリパックと前記電源回路とを一体化する場合には、これら全体を金属カバーなどで覆うことが容易になり、前記電源回路のスイッチングに伴って発生するノイズが低圧系の負荷に影響を与えるのを抑制できる。
上記(12)の構成の電源供給システムによれば、例えば所定の駐車場や充電スタンドなどにおいて、人間が何も操作しなくても、前記非接触充電ユニットを利用して前記高圧バッテリを充電可能になる。したがって、充電時の感電の危険もないし、煩わしい充電操作も不要になる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の電源供給システムによれば、車室内での電源系のレイアウトを検討する際の設計自由度を高く維持しつつも、室内機器(12V等の低圧系機器)へ繋がる電源線の長さの増大を抑制可能である。
【0019】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明に関する具体的な実施の形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
(第1実施形態)
第1実施形態の電源供給システムの構成例を
図2に示す。
図2に示した電源供給システムは、例えばハイブリッド車や電気自動車において、この車両上の各機器が必要とする電源電力を供給することを想定して構成されている。
【0022】
図2に示した電源供給システムは、高圧バッテリパック10Aを起点として、その電源電力を分配し、周囲の様々な車載機器(負荷)に必要な電源電力を供給するように構成してある。つまり、電源の分配構造を高圧バッテリパック10Aの箇所に集約するように配置してある。
【0023】
図2に示すように、高圧バッテリパック10Aは、高圧バッテリ11、高圧J/B(ジャンクションブロック)12A、DC/DCコンバータ16、および低圧J/B17を内蔵している。高圧バッテリ11の扱う直流電圧は、例えば200[V]程度である。
【0024】
高圧バッテリ11の各端子(電極)は、電源線である高圧配線13を介して高圧J/B12Aと接続されている。高圧J/B12Aは、高圧配線13の電源経路を分岐して、例えば3組の高圧配線15A、15B、および14にそれぞれ、分配した高圧系の電源電力を供給することができる。勿論、高圧配線15A側から回生電力が供給される場合には、高圧J/B12Aはこの回生電力を高圧配線13に供給し、高圧バッテリ11を充電することができる。
【0025】
高圧バッテリパック10A内のDC/DCコンバータ16の高圧側電源入力は、高圧配線15Bを介して高圧J/B12Aと接続されている。DC/DCコンバータ16は、高圧配線15Bから供給される高圧の直流電源電力の電圧を変換し、例えば12[V]の低圧直流電力を生成することができる。DC/DCコンバータ16が出力する低圧直流電力は、低圧配線18Aを介して低圧J/B17に供給される。
【0026】
低圧J/B17の各電源端子は、低圧配線18A、18B、および18Cと接続されている。低圧配線18Bは、一端が12Vバッテリ33と接続され、他端が高圧バッテリパック10A内の低圧J/B17と接続されている。低圧配線18Cは、一端が高圧バッテリパック10A内の低圧J/B17と接続され、他端が12V系機器32と接続されている。低圧配線18A、18B、および18Cは、低圧J/B17の内部で互いに電気的に接続されている。したがって、低圧J/B17は低圧配線18Aから入力される低圧の直流電源電力を複数経路に分配し、低圧配線18Bおよび18Cに供給することができる。また、低圧J/B17は低圧配線18Bから供給される低圧の直流電源電力を、低圧配線18Cに供給することもできる。
【0027】
高圧系機器31は高圧配線14を介して高圧J/B12Aと接続されている。また、12V系機器32は低圧配線18Cを介して低圧J/B17と接続されている。
【0028】
一方、駆動モータモジュール20Aは高圧配線15Aを介して高圧バッテリパック10Aと接続されている。
図2の例では、駆動モータモジュール20Aはインバータ22および駆動モータ23を備えている。インバータ22は、高圧バッテリパック10Aから高圧配線15Aに供給される高圧系の直流電源電力を周期的にスイッチングすることにより、3相の交流電力を生成することができる。インバータ22が生成した交流電力は、高圧配線27を経由して駆動モータ23に供給される。
【0029】
駆動モータ23は、この車両の推進力を発生するための主駆動源であるか、もしくは補助的な駆動力を発生するものである。車両の車輪毎にそれぞれ独立した駆動モータ23を用意する場合には、4つの車輪が互いに離れた場所に配置されているので、車輪毎に独立した駆動モータモジュール20Aを用意するか、又は車体のフロント側およびリア側のそれぞれに独立した駆動モータモジュール20Aを配置することが想定される。
【0030】
いずれにしても、
図2の構成では、モジュール毎に駆動モータモジュール20Aを高圧配線15Aのケーブルで高圧バッテリパック10Aと接続するだけで、各駆動モータ23を駆動するために必要な電源電力が得られる。また、高圧配線15Aは駆動モータモジュール20Aの内部で消費する高圧系の電源電力だけを通すので、接続ケーブルの太さが増大するのを避けることができる。
【0031】
また、電源の接続箇所が高圧バッテリパック10Aに集約されているので、駆動モータモジュール20Aだけでなく、12Vバッテリ33、12V系機器32、および高圧系機器31のいずれについても、接続ケーブル(13B、18C、14)を介してそれぞれを高圧バッテリパック10Aに接続するだけでシステムを構成することができる。つまり、接続ケーブルを介して様々なモジュールを高圧バッテリパック10Aに接続できるので、汎用性が高く、必要に応じてモジュールの数を増減したり、接続するモジュールの種類を変更することが容易になる。
【0032】
なお、
図2に示した高圧バッテリパック10Aに接続する高圧配線15A、14、低圧配線18B、18C等の電源線については、互いに独立した接続ケーブルとして用意してもよいし、ワイヤハーネスの中に組み込んでもよいし、バスバーとして構成してもよい。
【0033】
(第2実施形態)
第2実施形態の電源供給システムの構成を
図3に示す。
図3に示した電源供給システムは
図2の構成の変形例である。
図2の構成と異なる事項について以下に説明する。
【0034】
図3の電源供給システムにおいては、独立した1つのモジュールとしてDC/DCコンバータ41および低圧J/B42を含むコンバータモジュール40が設けてあり、このコンバータモジュール40は、高圧バッテリパック10Bの外側に配置されている。
【0035】
また、コンバータモジュール40内のDC/DCコンバータ41の電源入力端子は、高圧配線15Bを介して高圧バッテリパック10Bと接続されている。コンバータモジュール40内の低圧J/B42には3系統の低圧配線43、44、および45が接続されている。低圧J/B42は、DC/DCコンバータ41が出力する低圧系の電源電力を低圧配線43から入力して分配し、低圧配線44および45にそれぞれ供給することができる。また、低圧J/B42は、12Vバッテリ33から供給される低圧系の電源電力を低圧配線44から入力し、低圧配線45に供給することができる。
【0036】
(第3実施形態)
第3実施形態の電源供給システムの構成例を
図4に示す。
図4に示した電源供給システムは、高圧バッテリパック10Cと、これに接続される様々なモジュールM01〜M05等とで構成されている。高圧バッテリパック10Cは、車体100のほぼ中央、すなわち車室に相当する領域の下部に配置され、平面形状が車室と同程度の大きさを有する箱形に形成されている。そして、高圧バッテリパック10Cの前方側、側方側、後方側、上方側のいずれかに近い位置に、モジュールM01〜M05がそれぞれ配置されている。
【0037】
モジュールM01は、この車両の推進力を発生する駆動モータ23を含む駆動モータモジュール(又はモータユニット)である。モジュールM02は、車体100のインストルメントパネルの領域に配置されるメータユニットなどを含むインパネモジュールである。モジュールM03は、車室内のシートの領域に配置されるシートモジュールである。モジュールM04は、車室上方のルーフ領域に配置されるルーフモジュールである。モジュールM05は、各ドアの領域に配置されるドアモジュールである。
【0038】
高圧バッテリパック10Cの基本的な構成は
図2の高圧バッテリパック10Aと同様であるが、更に電源系統の制御を可能にするためにマスタECU(電子制御ユニット)EM1が高圧バッテリパック10Cに備わっている。このマスタECU EM1は、この車両上の電源系統の通信ネットワークにおけるマスタノードとして機能し、配下の各スレーブノードを通信により制御することができる。また、
図4に示した高圧バッテリパック10Cは、独立した4つのDC/DCコンバータ16−1〜16−4を内蔵している。
【0039】
また、
図4に示すように各モジュールM01、M02、M03、M04、およびM05は、それぞれスレーブECU ES01、ES02、ES03、ES04、およびES05を搭載している。各スレーブECUES01〜ES05は、それぞれがこの車両上の電源系統の通信ネットワークにおけるスレーブノードとして機能する。
【0040】
モジュールM01は、モジュールケーブルCM01を介して高圧バッテリパック10Cと接続されている。また、モジュールM02はモジュールケーブルCM02を介して高圧バッテリパック10Cと接続されている。モジュールM03はモジュールケーブルCM03を介して高圧バッテリパック10Cと接続されている。モジュールM04はモジュールケーブルCM04を介して高圧バッテリパック10Cと接続されている。モジュールM05はモジュールケーブルCM05を介して高圧バッテリパック10Cと接続されている。
【0041】
各モジュールケーブルCM01〜CM05は、電源線、アース線の他に2本の通信線を内蔵している。つまり、モジュールケーブルCM01〜CM05内の通信線を介して、高圧バッテリパック10C内のマスタECU EM1と、各モジュールM01〜M05内のスレーブECU ES01〜ES05とが互いに通信できるように同じネットワークに接続されている。
【0042】
高圧バッテリパック10C内のマスタECU EM1は、各モジュールM01〜M05内のスレーブECU ES01〜ES05との間で通信を行うことにより、様々な協調制御を実施することができる。例えば、高圧バッテリパック10Cの各位置に接続されるモジュールの種類や仕様が事前に定まっていない場合や、新規に作成されたモジュールが追加されたような場合であっても、該当するモジュールの種類や仕様を把握して、それに適した電源電力を供給するように、マスタECU EM1が各スレーブノードに対して適切な制御信号を送ることができる。
【0043】
なお、高圧バッテリパック10Cの制御機能を有するマスタECU EM1については、高圧バッテリパック10Cに内蔵する以外に、次のような接続形態も考えられる。
(1)マスタECU EM1を収容可能なスロットを高圧バッテリパック10Cに搭載しておく。そして、電源系統の通信機能を必要とする仕様の場合に限り、マスタECU EM1の回路基板等を高圧バッテリパック10Cのスロットに挿入し、通信機能および制御機能を追加する。
(2)マスタECU EM1の回路基板を1つの独立したモジュールとして用意しておき、このモジュールを必要に応じて、ワイヤハーネスWH等を利用して高圧バッテリパック10Cに接続する。このモジュールは、ワイヤハーネスWHのコネクタ内に設置してもよい。
【0044】
また、各スレーブECU ES01〜ES05については、例えばモジュールケーブルCM01〜CM05の端部のコネクタ内や、それ以外のワイヤハーネスWHのコネクタ内に配置した回路基板上に搭載してもよい。
【0045】
(第4実施形態)
第4実施形態の電源供給システムの構成例を
図5および
図6に示す。
図5は車両の側方から視た各構成要素のレイアウトを表し、
図6は平面における各構成要素のレイアウトを表している。
図5および
図6において、図中左側が車体100のフロント側を表し、右側がリア側を表す。
【0046】
図5および
図6に示した電源供給システムは、車体100の中央部、すなわち車室に相当する領域に配置された高圧バッテリパック10Dを中心として構成されている。高圧バッテリパック10Dは、高圧バッテリ11、低圧バッテリ33A、高圧J/B12F、12R、DC/DCコンバータ16F1、16F2、16R1、16R2、低圧J/B17F1、17F2、17R1、17R2を内蔵している。
【0047】
図6に示すように、高圧J/B12Fは車体100のフロント側に配置され、高圧J/B12Rはリア側に配置されている。また、DC/DCコンバータ16F1および低圧J/B17F1はフロント右側に配置され、DC/DCコンバータ16F2および低圧J/B17F2はフロント左側に配置され、DC/DCコンバータ16R1および低圧J/B17R1はリア右側に配置され、DC/DCコンバータ16R2および低圧J/B17R2はリア左側に配置されている。
【0048】
低圧バッテリ33Aは、例えば12[V]の低圧系の直流電源電力を供給できる。
図5および
図6に示した電源供給システムにおいては、この低圧バッテリ33Aは予備電源として利用することを想定している。すなわち、高圧バッテリ11側からの低圧系の電力供給に異常が発生したような場合に、低圧バッテリ33Aの予備電力を低圧系の各負荷に供給する。なお、低圧バッテリ33Aを高圧バッテリパック10Dの外側に配置してケーブル等でこれらの間を接続してもよい。
【0049】
フロント側の高圧J/B12Fは、高圧バッテリ11から供給される高圧系の電力を4系統に分配し、DC/DCコンバータ16F1、16F2、インバータ22F、および高圧系機器31F1にそれぞれ供給できる。インバータ22Fは、高圧J/B12Fから供給される高圧系の直流電力をスイッチングして3相の交流電力を生成し、駆動モータ23Fに供給できる。駆動モータ23Fは、例えばフロント側左右の各車輪に配置された2つのインホイールモータとして構成される。
【0050】
リア側の高圧J/B12Rは、高圧バッテリ11から供給される高圧系の電力を4系統に分配し、DC/DCコンバータ16R1、16R2、インバータ22R、および高圧系機器31R1にそれぞれ供給できる。インバータ22Rは、高圧J/B12Rから供給される高圧系の直流電力をスイッチングして3相の交流電力を生成し、駆動モータ23Rに供給できる。駆動モータ23Rは、例えばリア側左右の各車輪に配置された2つのインホイールモータとして構成される。
【0051】
フロント右側の低圧J/B17F1は、DC/DCコンバータ16F1が出力する低圧系(12[V]等)の直流電源電力を、12V系機器32F2等に供給できる。また、リア右側の低圧J/B17Rは、DC/DCコンバータ16R1が出力する低圧系の直流電源電力を、12V系機器32R1等に供給できる。
【0052】
フロント左側の低圧J/B17F2は、DC/DCコンバータ16F2が出力する低圧系の直流電源電力、および予備電源である低圧バッテリ33Aの直流電源電力の少なくとも一方を、12V系機器32F2等に供給できる。例えば、通常はDC/DCコンバータ16F2の出力から12V系機器32F2等に電源電力を供給し、異常発生時には低圧バッテリ33Aの出力から12V系機器32F2等に電源電力を供給する。
【0053】
同様に、リア右側の低圧J/B17Rは、DC/DCコンバータ16R1が出力する低圧系の直流電源電力、および予備電源である低圧バッテリ33Aの直流電源電力の少なくとも一方を、12V系機器32R1等に供給できる。
【0054】
なお、低圧バッテリ33Aの出力を、右側の各低圧J/B17F1、および17R1と接続してもよい。
【0055】
つまり、
図5および
図6に示した電源供給システムにおいては、高圧バッテリ11などに故障や不具合が発生したような場合であっても、低圧バッテリ33Aの予備電源電力を利用できるので、12V系機器32F1、32F2、32R1、および32R2の少なくとも一部には必要な電力を供給できる。
【0056】
(第5実施形態)
第5実施形態の電源供給システムの構成例を
図7に示す。
図7に示した電源供給システムは、高圧バッテリパック10Dと、これに接続される様々なモジュールM01〜M05等とで構成されている。高圧バッテリパック10Dは、車体100のほぼ中央、すなわち車室に相当する領域の下部に配置され、平面形状が車室と同程度の大きさを有する箱形に形成されている。そして、高圧バッテリパック10Dの前方側、側方側、後方側、上方側のいずれかに近い位置に、モジュールM01〜M05がそれぞれ配置されている。
各モジュールM01〜M05の基本的な構成については
図4の構成と同様である。
【0057】
図7の構成においては、高圧系の電源電力を必要とするモジュールM01と高圧バッテリパック10Dとの間が、高圧ケーブルCHを介して互いに接続されている。また、低圧系の電源電力を必要とする各モジュールM02〜M05と高圧バッテリパック10Dとの間は、それぞれ低圧ケーブルCLを介して互いに接続されている。
【0058】
すなわち、この例では各モジュールと高圧バッテリパック10Dとの間を接続するために2種類のケーブルが予め用意されている。高圧ケーブルCHおよび低圧ケーブルCLは、それぞれ1本の電源線、1本のアース線、および2本の通信線を含んでいる。このように1本の電源線及び1本のアース線という簡易な構成のケーブルを採用する場合、電源の分配構造が集約された高圧バッテリパック10Dから各モジュールM02〜M05に供給される電源電圧が、そのモジュールM02〜M05に応じた単一の電圧となる。各モジュールM02〜M05で電圧値の異なる複数の電源電圧を必要とする場合には、そのモジュール内で電源電圧を分配すればよい。また、2本の通信線は、例えばツイストされた2本の電線が用いられる。高圧ケーブルCHの両端部には、それぞれコネクタCHaおよびCHbが備わっている。また、低圧ケーブルCLの両端部には、それぞれコネクタCLaおよびCLbが備わっている。尚、本実施形態では、通信線を2本で一組(一対)とする電線としているが、二組(二対)以上の複数組(複数対)から構成される電線としてもよい。また、通信線は、電線に限られるものではなく、光ケーブルであってもよい。
【0059】
高圧ケーブルCHは、高電圧を扱う必要があるので、例えば低圧ケーブルCLよりも高い電気絶縁性能を有する。また、種類が異なる高圧ケーブルCHと低圧ケーブルCLとの使い分けを容易にするために、高圧ケーブルCHのコネクタCHa、CHbと、低圧ケーブルCLのコネクタCLa、CLbとは互いに少し異なる形状を有している。
【0060】
高圧バッテリパック10Dは、例えば
図2に示した高圧J/B12Aに相当する出力と接続されたコネクタCN11を備えている。このコネクタCN11は、高圧ケーブルCHのコネクタCHbと嵌合可能な形状の差し込み口を有している。また、モジュールM01はその内部の高圧系回路と接続されたコネクタCN01を備えている。このコネクタCN01は、高圧ケーブルCHのコネクタCHaと嵌合可能な形状の差し込み口を有している。なお、高圧ケーブルCHのコネクタCHa、CHbは共通の形状でよい。また、高圧バッテリパック10DのコネクタCN11、およびモジュールM01のコネクタCN01も共通の形状でよい。これにより、一つの仕様の高圧ケーブルCHを用意すれば高圧バッテリパック10Dと高圧電圧によって駆動する複数種類のモジュールM01とを接続することが可能となる。これにより、高圧ケーブルCHの品番数を抑制することができる。
【0061】
また、高圧バッテリパック10Dは、例えば
図2に示した低圧J/B17の低圧系の出力に相当する箇所に接続された複数のコネクタCN12〜CN15を備えている。また、これらのコネクタCN12〜CN15は、高圧バッテリパック10Dの前後左右の各端部など互いに離れた位置に配置されている。コネクタCN12〜CN15は、低圧ケーブルCLのコネクタCLbと嵌合可能な形状の差し込み口を有している。
【0062】
また、低圧系の電源電力を必要とする各モジュールM02〜M05は、その内部の低圧系回路と接続されたコネクタCN02〜CN05をそれぞれ備えている。コネクタCN02〜CN05は、低圧ケーブルCLのコネクタCLaと嵌合可能な形状の差し込み口を有している。なお、低圧ケーブルCLのコネクタCLa、CLbは共通の形状でよい。また、高圧バッテリパック10DのコネクタCN12〜CN15、および各モジュールM02〜M05のコネクタCN02〜CN05も共通の形状でよい。これにより、一つの仕様の低圧ケーブルCLを用意すれば高圧バッテリパック10Dと低圧電圧によって駆動する複数種類のモジュールM02〜M05とを接続することが可能となる。これにより、低圧ケーブルCLの品番数を抑制することができる。
【0063】
また、高圧バッテリパック10Dと各モジュールM01〜M05の間を接続する高圧ケーブルCHおよび低圧ケーブルCLについては、ワイヤハーネスWHの一部分としてそれに組み込んでもよいし、それぞれ独立したケーブルとしてワイヤハーネスWHとは別に用意してもよいし、バスバーとして構成してもよい。
【0064】
なお、
図7に示した高圧バッテリパック10Dおよび各モジュールM01〜M05の各々は通信機能および制御機能を有する制御部(ECU)をそれぞれ搭載しているが、これらの制御部はワイヤハーネスWHや、高圧ケーブルCH、低圧ケーブルCLの各コネクタに内蔵した回路基板に配置してもよい。
【0065】
図7に示した電源供給システムにおいては、電源の接続に使用するケーブルが高圧ケーブルCH、低圧ケーブルCLの2種類だけであるため、ワイヤハーネスWH等における部品の品番数を減らすことができる。また、高圧系と低圧系の接続の間違いを防止することが可能である。
【0066】
(第6実施形態)
第6実施形態の電源供給システムの構成例を
図8(a)に示す。また、共通ケーブル端部の構成例を
図8(b)に示し、共通ケーブルの断面における構成例を
図8(c)に示す。
【0067】
図8(a)に示した電源供給システムは、高圧バッテリパック10Dと、これに接続される様々なモジュールM01〜M05等とで構成されている。高圧バッテリパック10Dは、車体100のほぼ中央、すなわち車室に相当する領域の下部に配置され、平面形状が車室と同程度の大きさを有する箱形に形成されている。そして、高圧バッテリパック10Dの前方側、側方側、後方側、上方側のいずれかに近い位置に、モジュールM01〜M05がそれぞれ配置されている。
各モジュールM01〜M05の基本的な構成については
図4の構成と同様である。
【0068】
図8(a)の構成においては、高圧系、低圧系の違いを問わず、電源電力を必要とする各モジュールM01〜M05と、高圧バッテリパック10Dとの間が、共通ケーブルCSを介して互いに接続されている。この共通ケーブルCSは、
図8(c)に示すように、1本の電源線91、1本のアース線92、2本の信号線93、2本の信号線を覆うシース・編組層94を含み、これら電源線91、アース線92、信号線93及びシース・編組層94外側が外装材95で覆われている。このように1本の電源線91及び1本のアース線92という簡易な構成のケーブルを採用する場合、電源の分配構造が集約された高圧バッテリパック10Dから各モジュールM01〜M05に供給される電源電圧が、そのモジュールM01〜M05に応じた単一の電圧となる。各モジュールM01〜M05で電圧値の異なる複数の電源電圧を必要とする場合には、そのモジュールM01〜M05内で電源電圧を分配すればよい。尚、本実施形態では、通信線を2本で一組(一対)とする電線としているが、二組(二対)以上の複数組(複数対)から構成される電線としてもよい。また、通信線は、電線に限られるものではなく、光ケーブルであってもよい。
【0069】
すなわち、この例では高圧系と低圧系のいずれにも利用可能な仕様の共通ケーブルCSを用いて、高圧バッテリパック10Dと各モジュールM01〜M05とを接続している。また
図8(b)に示すように、各共通ケーブルCSは、電線CScと、その両端部に接続された共通コネクタCSa、CSbとを有している。この電線CScの中に、電源線91、アース線92、信号線93、およびシース・編組層94が含まれている。
【0070】
高圧バッテリパック10Dは、例えば
図2に示した高圧J/B12A、又は低圧J/B17の出力に相当する箇所に接続された複数の共通コネクタCN1Sを備えている。これらの共通コネクタCN1Sは、共通ケーブルCSのコネクタCSbと嵌合可能な形状の差し込み口を有している。また、各モジュールM01〜M05はその内部の電源線と接続された共通コネクタCN0Sを備えている。この共通コネクタCN0Sは、共通ケーブルCSの共通コネクタCSaと嵌合可能な形状の差し込み口を有している。
【0071】
なお、共通ケーブルCSのコネクタCSa、CSbは共通の形状でよい。また、高圧バッテリパック10Dの共通コネクタCN1S、および各モジュールM01〜M05の共通ケーブルCS0Sも共通の形状でよい。また、例えば共通コネクタCN1Sに含まれる複数のピンの中で、高圧系の回路に接続されるピンと、低圧系の回路に接続されるピンとが違う位置になるように割り当てておくことにより、共通ケーブルCSを利用する場合であっても、高圧系と低圧系の回路が誤接続されるのを防止できる。
【0072】
なお、高圧バッテリパック10Dと各モジュールM01〜M05の間を接続する共通ケーブルCSについては、ワイヤハーネスWHの一部分としてそれに組み込んでもよいし、それぞれ独立したケーブルとしてワイヤハーネスWHとは別に用意してもよいし、バスバーとして構成してもよい。
【0073】
また、
図8(a)に示した高圧バッテリパック10Dおよび各モジュールM01〜M05の各々は通信機能および制御機能を有する制御部(ECU)をそれぞれ搭載しているが、これらの制御部はワイヤハーネスWHや、共通ケーブルCSの各コネクタに内蔵した回路基板に配置してもよい。
【0074】
図8(a)に示した電源供給システムにおいては、コネクタ形状や構造が標準化された共通ケーブルCSを用いて高圧バッテリパック10Dと各モジュールM01〜M05の間を接続できる。したがって、部品の種類および各部品の品番数の削減が可能であり、管理および部品コストの削減が可能になる。
【0075】
高圧バッテリパック10Dに実際に接続するモジュールM01〜M05の種類の違いや仕様変更などに対しては、高圧バッテリパック10D側の制御部と、各モジュールM01〜M05側の制御部とが互いに通信することにより、実際の種類や仕様に適合する状態で電力供給を行うことが可能になる。なお、上記のようなモジュールの種類の違いを識別したり、仕様の違いに応じて信号の変換を実施する機能を、各コネクタに配置される回路基板に搭載してもよい。これにより、接続用ケーブルの共通化が容易になる。
【0076】
(第7実施形態)
第7実施形態の電源供給システムの構成例を
図9に示す。
図9に示した電源供給システムは、高圧バッテリパック10Dと、これに接続される様々なモジュールM01〜M05等とで構成されている。
図9の高圧バッテリパック10Dの構成は
図8(a)と同一である。また、各モジュールM01〜M05の基本的な構成については
図4の構成と同様である。
【0077】
図9の構成においては、モジュールケーブルCM01のケーブル端部CMaがモジュールM01に予め固定され、モジュールM01とモジュールケーブルCM01とが一体になっている。モジュールケーブルCM01のケーブル端部CMaと反対側の端部には、コネクタCMbが取り付けてある。このコネクタCMbは、高圧バッテリパック10Dの共通コネクタCN1Sと嵌合可能な形状に形成されている。
【0078】
同様に、モジュールケーブルCM02〜CM05の各ケーブル端部CMaは、それぞれモジュールM02〜M05に固定されている。つまり、モジュールケーブルCM02〜CM05は、それぞれモジュールM02〜M05と一体化されている。また、モジュールケーブルCM02〜CM05の端部に装着された各コネクタCMbは、高圧バッテリパック10Dの共通コネクタCN1Sと嵌合可能な形状に形成されている。
【0079】
したがって、モジュールケーブルCM01〜CM05の各コネクタCMbを高圧バッテリパック10Dのいずれかの共通コネクタCN1Sに差し込むことにより、各モジュールM01〜M05を高圧バッテリパック10Dに接続することができる。
【0080】
モジュールケーブルCM01〜CM05の各々の電線は、例えば
図8(c)の構成と同じように、電源線91、アース線92、信号線93、シース・編組層94を含み、外側が外装材95で覆われている。
【0081】
また、
図9に示した高圧バッテリパック10Dおよび各モジュールM01〜M05の各々は通信機能および制御機能を有する制御部(ECU)をそれぞれ搭載している。これらの制御部は、ワイヤハーネスWHや、各モジュールケーブルCM01〜CM05の各コネクタCMbに内蔵した回路基板に配置してもよい。
【0082】
高圧バッテリパック10Dに実際に接続するモジュールM01〜M05の種類の違いや仕様変更などに対しては、高圧バッテリパック10D側の制御部と、各モジュールM01〜M05側の制御部とが互いに通信することにより、実際の種類や仕様に適合する状態で電力供給を行うことが可能になる。なお、上記のようなモジュールの種類の違いを識別したり、仕様の違いに応じて信号の変換を実施する機能を、各コネクタに配置される回路基板に搭載してもよい。これにより、高圧バッテリパック10Dに対して様々な種類のモジュールを接続することが容易になり、仕様変更時の対応も容易になる。
【0083】
(第8実施形態)
第8実施形態の電源供給システムの構成例を
図10に示す。また、
図10は車体100の平面における各構成要素のレイアウトを表している。
図10中の左側がフロント側、右側がリア側を表している。
【0084】
図10に示した電源供給システムは、車体100の中央部、すなわち車室に相当する領域に配置された高圧バッテリパック10Eを中心として構成されている。高圧バッテリパック10Eは、高圧バッテリ11、高圧J/B12F、12R、および4つの低圧用ユニットUL1〜UL4を内蔵している。
【0085】
低圧用ユニットUL1〜UL4は、いずれも前述のDC/DCコンバータ16および低圧J/B17を組み合わせてユニット化したものである。
図10の例では、4つの低圧用ユニットUL1〜UL4が、それぞれ高圧バッテリパック10E内のフロント左側、フロント右側、リア左側、リア右側に分散した状態で配置してある。
【0086】
また、車体100のフロント左側にある12V系機器32F1は、これに近い位置にある低圧用ユニットUL1の低圧J/B17に接続してある。また、車体100のフロント右側にある12V系機器32F2は、これに近い位置にある低圧用ユニットUL2の低圧J/B17に接続してある。車体100のリア左側にある12V系機器32R2は、これに近い位置にある低圧用ユニットUL3の低圧J/B17に接続してある。車体100のリア右側にある12V系機器32R1は、これに近い位置にある低圧用ユニットUL4の低圧J/B17に接続してある。上記以外の構成については、
図6に示した構成と同様である。
【0087】
なお、
図10に示した例では高圧バッテリパック10Eの四隅の各位置に低圧用ユニットUL1〜UL4を配置してあるが、レイアウトや構成は必要に応じて変更することが想定される。例えば、2つの低圧用ユニットUL1、UL2を車体100の前後方向に離れた位置に配置してもよいし、これらのユニットを車体100の左右方向に離れた位置に配置してもよいし、ユニット数を増やして6個程度にしてもよい。
【0088】
例えば
図10に示したように車体中央にある高圧バッテリパック10Eの四隅の各位置に低圧用ユニットUL1〜UL4を配置する場合には、フロント左側の12V系機器32F1を短い距離で低圧用ユニットUL1と接続できる。同様に、フロント右側の12V系機器32F2を短い距離で低圧用ユニットUL2と接続できる。また、リア左側の12V系機器32R2を短い距離で低圧用ユニットUL3と接続できる。更に、リア右側の12V系機器32R1を短い距離で低圧用ユニットUL4と接続できる。したがって、これらの接続に必要なケーブルやワイヤハーネスの長さ、重量、コストなどを低減できる。
【0089】
(第9実施形態)
第9実施形態の電源供給システムの構成例を
図11に示す。また、
図11は車体100の平面における各構成要素のレイアウトを表している。
【0090】
図11に示した電源供給システムは、車体100の中央部、すなわち車室に相当する領域に配置された高圧バッテリパック10Fを中心として構成されている。高圧バッテリパック10Fは、高圧バッテリ11、2つの高圧J/B12F、12R、4つのDC/DCコンバータ16、4つの低圧J/B17、2つのインバータ22F、および22Rを内蔵している。
【0091】
すなわち、
図11の高圧バッテリパック10Fがインバータ22F、22Rを内蔵している点が
図6の構成と大きく異なる。高圧バッテリパック10Fは、その外側全体が金属カバーなどで覆われる。したがって、インバータ22F、22R等における高電圧、大電流のスイッチングに伴って発生する電磁ノイズや、その他の高圧系の回路で発生するノイズが、金属カバーで遮蔽されて高圧バッテリパック10Fの外側に放射されるのを抑制できる。これにより、低圧系の電子機器がノイズの影響で誤動作したり、車載オーディオ機器などの出力にノイズが混入するのを避けることができる。
【0092】
また、インバータ22F、22Rを高圧バッテリパック10Fと共に車体100に設置できるので、インバータ22F、22Rを設置するための作業工数を削減できる。
【0093】
図11に示した構成においては、車体100のフロント側に配置されたインバータ22Fは、高圧J/B12Fで分配された高圧系の直流電源電力を入力し、スイッチングにより3相の交流電力を生成する。インバータ22Fは、高圧配線61および62を介して、フロント左側の駆動モータ23FL、およびフロント右側の駆動モータ23FRとそれぞれ接続されている。
【0094】
また、車体100のリア側に配置されたインバータ22Rは、高圧J/B12Rで分配された高圧系の直流電源電力を入力し、スイッチングにより3相の交流電力を生成する。インバータ22Rは、高圧配線63および64を介して、リア左側の駆動モータ23RL、およびリア右側の駆動モータ23RRとそれぞれ接続されている。
【0095】
つまり、インバータ22Fはフロント側の2つの駆動モータ23FL、23FRを駆動する能力を有し、インバータ22Rはリア側の2つの駆動モータ23RL、23RRを駆動する能力を有している。
【0096】
(第10実施形態)
第10実施形態の電源供給システムの構成例を
図12に示す。また、
図12は車体100の側方から視た各構成要素のレイアウトを表している。
図12中の左側が車体100のフロント側、右側がリア側を表している。
【0097】
図12に示した電源供給システムは、車体100の中央部、すなわち車室に相当する領域に配置された高圧バッテリパック10Gを中心として構成されている。高圧バッテリパック10Gは、高圧バッテリ11、高圧J/B12F、12R、DC/DCコンバータ16F1、16R1、低圧J/B17F1、17R1、AC/DCコンバータ51、および非接触充電ユニット52を内蔵している。
【0098】
すなわち、
図12においてAC/DCコンバータ51、および非接触充電ユニット52が追加された点が
図5の構成との大きな違いである。非接触充電ユニット52は、路面と対向する車体100底側の面の近傍に水平に配置された受電用コイルと、このコイルから効率よく電力を取り出すための電気回路(共振回路等)を内蔵している。
【0099】
例えば、この車両が駐車する場所の路面に図示しない送電用コイルが設置され、充電の際に、送電用コイルに地上の電源から所定の交流電力が供給される。充電しようとする車両は、車体100に搭載された非接触充電ユニット52の受電用コイルが地上の送電用コイルと比較的近い距離で対向するように位置決めされた状態で駐車する。そして、送電用コイルに交流電力を供給すると、この送電用コイルと受電用コイルとの間で磁気共鳴現象が生じ、送電用コイルの交流電力が非接触で効率よく受電用コイルに送電される。
【0100】
非接触充電ユニット52の受電用コイルが受電した交流電力は、非接触充電ユニット52から出力され、AC/DCコンバータ51により直流電力に変換される。そして、AC/DCコンバータ51が出力する高電圧の直流電力により、高圧バッテリ11が充電される。
【0101】
図12に示したように、非接触充電ユニット52を高圧バッテリパック10Gに内蔵することにより、非接触充電ユニット52内の受電用コイルの車体に対する位置決めを容易に行うことが可能であり、設置するための作業工数を削減できる。
【0102】
なお、地上の送電用コイルにより発生した磁界が効率よく非接触充電ユニット52内の受電用コイルに届くように、高圧バッテリパック10Gの全体を覆う金属カバーは、例えば銅、アルミニウム、ステンレスのような非磁性材料により構成する必要がある。また、この金属カバーと受電用コイルとの間は電気的に絶縁する必要がある。
【0103】
<各実施形態の電源供給システムの利点>
例えば
図3に示した実施形態のように、高圧系の駆動モータモジュール20Aが消費する電力と、低圧系の負荷が消費する電力とを高圧バッテリパック10B内の高圧J/B12Aでそれぞれ分配することにより、各モジュール、低圧J/B、車室内の12V系機器32等を配置するレイアウトを検討する際の設計自由度を高めることができる。すなわち、電力供給機能の主体を高圧バッテリパック10Bに集約し、この高圧バッテリパック10Bから系統毎に分離してそれぞれ配電できる。
【0104】
例えば、高圧配線15Aは駆動モータモジュール20Aが消費する高圧系の電力のみを配電するので、電線の太さが増大するのを避けることができる。しかも、高圧配線15Aの配索経路や長さを検討する際に、低圧系の機器である12V系機器32等が消費する電力の配電経路や、他のモジュールとの位置関係を考慮する必要がないため設計自由度が高まる。
【0105】
また、低圧系の電力を分配する低圧J/B42を高圧バッテリパック10Bの近傍に配置することにより、車体中央付近から車体各部に広がるような形態でワイヤハーネスやその他のケーブルの配索経路を自由に決めることができる。そのため、ワイヤハーネスの構造や形状を単純化することが可能であり、ワイヤハーネスを構成する各電線の長さや重量を削減することも容易になる。
【0106】
特に、
図2に示したように、DC/DCコンバータ16および低圧J/B17を高圧バッテリパック10Aに内蔵する場合には、電源の主要な機能のほとんどが高圧バッテリパック10Aに存在するので、高圧系および低圧系のいずれの負荷を接続するケーブル(高圧配線15A、低圧配線18C等)についても、高圧バッテリパック10Aの位置を中心として配索経路や長さを単純に決めることが可能になる。
【0107】
また、
図4に示した構成のように、高圧バッテリパック10Cと、各モジュールM01〜M05のそれぞれに通信機能および電源制御機能を有するマスタECU EM1、スレーブECU ES01〜ES05を配置することにより、車両全体の協調制御をマスタECUEM1で集中的に行うことが可能になる。例えば、高圧バッテリパック10Cの各部に接続される各モジュールM01〜M05の種類の違いや、仕様変更等に対してマスタECU EM1が適切に制御できる。
【0108】
また、
図5および
図6に示したように、低圧バッテリ33Aを予備電源として接続することにより、高圧バッテリ11等の高圧系から低圧系への電力供給に異常が発生したような場合であっても、予備電源の電力を低圧系の各負荷に供給することが可能になる。
【0109】
また、
図7に示したように、車体100の中央部に配置した高圧バッテリパック10Dと車体各部のモジュールM01〜M05との間を高圧ケーブルCH、および低圧ケーブルCLのいずれかを用いて接続することにより、単純な接続形態で各モジュールの電力供給経路を確保することが可能になる。しかも、2種類のケーブル(CH、CL)だけで接続できるので、ワイヤハーネスにおける部品の種類や品番数の増大を抑制できる。
【0110】
また、
図8(a)に示した構成の場合には、構成が同じ共通ケーブルCSを用いて高圧バッテリパック10Dと各モジュールM01〜M05との間をそれぞれ接続できるので、ワイヤハーネスにおける部品の種類や品番数が削減される。更に、部品コストの低減や、ケーブル取り付け作業における作業工数の削減が可能になる。また、作業時の取り付けミスの発生も防止できる。
【0111】
また、
図8(c)のように共通ケーブルCSの電線の中に電源線91、アース線92の他に信号線93、シース・編組層94を含める場合には、共通ケーブルCSを接続するだけで各モジュールと高圧バッテリパック10Dとの間の通信経路も確保できる。
【0112】
また、
図9に示した構成のように、各モジュールM01〜M05にモジュールケーブルCM01〜CM05を一体化する場合には、各モジュールケーブルCM01〜CM05のコネクタCMbを高圧バッテリパック10Dに接続するだけで、各モジュールの電力供給経路や通信経路を確保できる。したがって、作業の工数を削減できる。
【0113】
また、
図10に示した構成のように、DC/DCコンバータ16および低圧J/B17をユニット化した場合には、複数の低圧用ユニットUL1〜UL4を高圧バッテリパック10Eの様々な位置(特に外縁近傍)に分散した状態で配置することが容易になる。したがって、高圧バッテリパック10E上の様々な位置から低圧系の電力を取り出すことが可能であり、車体の各部に配置されている低圧系の負荷と高圧バッテリパック10Eとを接続するケーブルの長さを短縮できる。
【0114】
また、
図11に示した構成のように、インバータ22F、22Rを高圧バッテリパック10Fに内蔵する場合には、インバータ22F、22Rが高電圧、大電流のスイッチングを行う際に発生するノイズを、高圧バッテリパック10Fを覆う金属カバーで遮蔽できる。したがって、高圧バッテリパック10F外部の弱電系機器に及ぼすノイズの影響を低減できる。更に、インバータ22F、22Rを高圧J/B12F、12Rの近傍に配置することにより、各車輪にインホイールモータを設置するような場合に、複数の車輪の駆動モータ23FL、23FR、23RL、23RRを共通のインバータ22F、22Rで駆動することが容易になり、インバータの数を削減できる。
【0115】
また、
図12に示した構成のように、AC/DCコンバータ51および非接触充電ユニット52を高圧バッテリパック10Gに内蔵する場合には、車体に対する非接触充電ユニット52の位置決め作業が容易になる。また、高圧バッテリパック10Gを覆う金属カバーにより、非接触充電ユニット52の受電コイル等を路面側の障害物との物理的な干渉や衝突から保護することができる。
【0116】
ここで、上述した本発明に係る電源供給システムの実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]〜[12]に簡潔に纏めて列記する。
[1]
高圧バッテリ(11)と、
前記高圧バッテリからの高圧電源を電源分配する高圧電源分配部(高圧J/B12A)と、
前記高圧電源分配部から供給される高圧電源を低圧電源に変換する電源変換部(DC/DCコンバータ16)と、
前記電源変換部からの低圧電源を電源分配する低圧電源分配部(低圧J/B17)と、
を備える電源供給システムであって、
前記高圧電源分配部は、出力を少なくとも2系統に分岐し、前記高圧電源の電力により車両を駆動する駆動モジュール(駆動モータモジュール20A)と、前記電源変換部(DC/DCコンバータ16又は41)と、に前記高圧電源を分配する、
ことを特徴とする電源供給システム(
図2、
図3参照)。
[2]
前記駆動モジュールに備わる第1制御部(スレーブECU ES01〜ES05)と通信して、当該駆動モジュールへの電力供給を制御する第2制御部(マスタECU EM1)をさらに備える、
ことを特徴とする上記[1]に記載の電源供給システム(
図4参照)。
[3]
低圧バッテリ(33A)を更に備え、
前記低圧電源分配部は、2系統に分岐し、前記低圧電源分配部と、前記低圧バッテリと、から低圧電源が供給される、
ことを特徴とする上記[1]または[2]に記載の電源供給システム(
図5、
図6参照)。
[4]
前記高圧電源分配部と、前記高圧電源の電力を必要とする前記駆動モジュールとが高圧用ケーブル(高圧ケーブルCH)を介して接続され、
前記低圧電源分配部と、前記低圧電源の電力を必要とする所定の負荷を含む低圧モジュール(モジュールM02〜M05)とが低圧用ケーブル(低圧ケーブルCL)を介して接続され、
前記駆動モジュール及び前記低圧モジュールは、モジュール単位でそれぞれ当該電源供給システムに接続される、
ことを特徴とする上記[1]乃至[3]のいずれかに記載の電源供給システム(
図7参照)。
[5]
前記高圧用ケーブル及び前記低圧用ケーブルは、1本の電源線、1本のアース線、および通信線を含んでいる、
ことを特徴とする上記[4]に記載の電源供給システム(
図8(c)参照)。
[6]
前記高圧用ケーブル及び前記低圧用ケーブルは、異なる仕様とされた、
ことを特徴とする上記[4]または[5]に記載の電源供給システム(
図7参照)。
[7]
前記高圧電源の電力を必要とする複数の前記駆動モジュールには共通の前記高圧用ケーブルが用いられ、前記低圧電源の電力を必要とする前記低圧モジュールには共通の前記低圧用ケーブルが用いられる、
ことを特徴とする上記[6]に記載の電源供給システム(
図7参照)。
[8]
前記高圧用ケーブル及び前記低圧用ケーブルは、共通の電線(共通ケーブルCS)で構成されて、当該電線の両端に共通のコネクタ(共通コネクタCSa、CSb)が設けられ、
前記高圧電源分配部及び前記低圧電源分配部には、前記コネクタに嵌合される共通の差し込み口(共通コネクタCN1S)が設けられる、
ことを特徴とする上記[4]または[5]に記載の電源供給システム(
図8(a)参照)。
[9]
前記高圧用ケーブル及び前記低圧用ケーブルはそれぞれ、共通の電線(モジュールケーブルCM01〜CM05)で構成されて、当該電線の一端(ケーブル端部CMa)が前記駆動モジュールまたは前記低圧モジュールから延伸され、当該電線の他端に共通のコネクタ(CMb)が設けられ、
前記高圧電源分配部及び前記低圧電源分配部にはそれぞれ、前記コネクタに嵌合される共通の差し込み口(共通コネクタCN1S)が設けられる、
ことを特徴とする上記[4]または[5]に記載の電源供給システム(
図9参照)。
[10]
前記電源変換部(DC/DCコンバータ16)と、前記低圧電源分配部(低圧J/B17)とを一組とするユニット(低圧用ユニットUL1〜UL4)が複数設けられた、
ことを特徴とする上記[1]乃至[9]のいずれかに記載の電源供給システム(
図10参照)。
[11]
直流から交流に変換する電源回路(インバータ22F、22R)を更に備え、
前記電源回路は、前記高圧電源分配部から供給された前記高圧電源を交流に変換し、前記駆動モジュール(駆動モータ23FL、23FR、23RL、23RR)に供給する、
ことを特徴とする上記[1]乃至[10]のいずれかに記載の電源供給システム(
図11参照)。
[12]
非接触充電ユニット(52)をさらに備える、
ことを特徴とする上記[1]乃至[11]のいずれかに記載の電源供給システム(
図12参照)。