【実施例】
【0277】
式(I)の陽イオン性脂質
以下の実施例は、本発明を例示するものであり、それに対する制限であると解釈すべきではない。温度は、セ氏温度で示す。特に示さない限り、すべての蒸発濃縮は、減圧下で、好ましくは約15mmHg〜100mmHg(=20〜133mバール)で実施する。最終生成物、中間体および出発物質の構造は、標準的分析法、例えば、微量分析または分光的特性、例えば、MS、IRもしくはNMRにより確認する。用いる略語は、当技術分野で慣例的なものであり、一部は、以下で定義する。
【0278】
フラッシュカラム精製は,好ましくは無勾配または勾配組成の適切な溶出液を用いてシリカゲル上で行う。
【0279】
HPLC分析は、別途述べない限り、勾配溶出(20分にわたる0.1%v/vトリフルオロ酢酸により修飾した0%〜95%水中アセトニトリルおよび1.4mL/分の流量)を用いてWaters Atlatis dC18カラム(4.6×150mm、3mm)上で実施する。
【0280】
1H NMRスペクトルは、Bruker Avance II 400MHz分光計に記録した。すべての化学シフトは、テトラメチルシランに対して100万分の1単位(δ)で報告する。次の略語を用いてシグナルパターンを表す。s=一重線、d=二重線、t=三重線、q=四重線、m=多重線、br=広幅。ES−MSデータは、Agilent 1100液体クロマトグラフ上二重エレクトロスプレイイオン化源を備えたWaters LTC Premier質量分析計を用いて記録した。スルファジメトキシン[Sigma、m/z=311.0814(M+1)]を、第3のスキャンごとにLockSpray(商標)チャネルにより取得した参照として用いた。システムの質量精度は、<5ppmであることが見いだされた。
【0281】
略語:
AcOH 酢酸
Aq 水性
Ar アリール
Atm 雰囲気
BOC tert−ブチルカーボネート
br.s.、bs 広幅一重線
℃ セ氏温度
CD
2Cl
2 重水素化ジクロロメタン
CDCl
3 重水素化クロロホルム
CH
2Cl
2、DCM ジクロロメタン
CH
3CN、MeCN アセトニトリル
d 二重線
dd 二重線の二重線
ddd 二重線の二重線の二重線
DIEA、DIPEA N−エチルジイソプロピルアミン
DME 1,4−ジメトキシエタン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMAP ジメチルアミノピリジン
DMSO ジメチルスルホキシド
dt 三重線の二重線
EDC 1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
FCC フラッシュカラムクロマトグラフィー
G ゲージ
h 時間
HBTU (2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HCl 塩酸
HMPA ヘキサメチルホスホルアミド
HPLC 高圧液体クロマトグラフィー
HT 大量処理
IBX 2−ヨードオキシ安息香酸
i−PrOH イソプロピルアルコール
H
2O 水
K ケルビン
KOH 水酸化カリウム
LC 液体クロマトグラフィー
M モル
m 多重線、質量
MeOH メタノール
MgSO
4 硫酸マグネシウム
MHz メガヘルツ
ml、mL ミリリットル
mm ミリメートル
mmol ミリモル
min. 分
mRNA メッセンジャーリボ核酸
MS 質量分析
mw マイクロ波
NaH 水素化ナトリウム
NaHMDS ヘキサメチルジシラザンナトリウム
NaOEt ナトリウムエトキシド
NaOH 水酸化ナトリウム
Na
2SO
4 硫酸ナトリウム
NEt
3 トリエチルアミン
ng ナノグラム
NH
3 アンモニア
NMR 核磁気共鳴
quint. 五重線
Pd/C 炭素上パラジウム
ppt 沈殿物
rbf 丸底フラスコ
Rf 遅延係数
rt 室温
Rt 保持時間
s 一重線
sat. 飽和
siRNA 低分子干渉リボ核酸
SM 出発物質
t 三重線
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
UPLC 超高性能液体クロマトグラフィー
wt 重量
μg マイクログラム
μL マイクロリットル
【0282】
すべての化合物は、AutoNomを用いて命名する。
【0283】
LC特異性:
LC方法1:保持時間(Rt)は、Inersil C8 3.0μm、3.0x53mmカラムを用いたWaters Acquity SDSシステムで得られた。50℃のオーブン温度でH
2O(+0.1%ギ酸)/CH
3CN(+0.1%ギ酸)40/60〜5/95の勾配を1.0分にわたり適用し、次いで2.1分間保持した(溶媒流として1.0mL/分)。
LC方法2:保持時間(Rt)は、Acquity BEH 1.7μm、2.1x50mmカラムを用いたWaters Acquity SDSシステムで得られた。50℃のオーブン温度でH
2O(+0.1%ギ酸)/CH
3CN(+0.1%ギ酸)45/55〜1/99の勾配を1.4分にわたり適用し、次いで3.6分間保持した(溶媒流として1.0mL/分)。
LC方法3:保持時間(Rt)は、Acquity BEH 1.7μm、2.1x50mmカラムを用いたWaters Acquity SDSシステムで得られた。50℃のオーブン温度でH
2O(+0.1%ギ酸)/CH
3CN(+0.1%ギ酸)45/55〜1/99の勾配を0.7分にわたり適用し、次いで1.3分間保持した(溶媒流として1.0mL/分)。
LC方法4:保持時間(Rt)は、Acquity BEH 1.7μm、2.1x50mmカラムを用いたWaters Acquity SDSシステムで得られた。50℃のオーブン温度でH
2O(+0.1%ギ酸)/CH
3CN(+0.1%ギ酸)45/55〜0.1/99.9の勾配を3.6分にわたり適用し、次いで1.4分間保持した(溶媒流として1.0mL/分)。
LC方法5:保持時間(Rt)は、ACQUITY UPLC BEH C18 130Å 1.7μm、2.1mmx50mmカラムを用いたWaters Acquity SDSシステムで得られた。50℃のオーブン温度でH
2O(+0.1%ギ酸)/CH
3CN(+0.1%ギ酸)60/40〜2/98の勾配を3.40分にわたり適用し、次いで1.40分間保持した(溶媒流として1.0mL/分)。
LC方法6:保持時間(Rt)は、Acquity BEH 1.7μm、2.1x50mmカラムを用いたWaters Acquity SDSシステムで得られた。50℃のオーブン温度でH
2O(+0.1%ギ酸)/CH
3CN(+0.1%ギ酸)45/55〜1/99の勾配を1.4分にわたり適用し、その後、3.75分にわたる0/100への増加および0.04分にわたる45/55への減少を後続させた(溶媒流として1.0mL/分)。
【0284】
合成戦略
【0285】
【化14】
【0286】
実施例1の合成:2,5−ビス((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ)ベンジル4−(ジメチルアミノ)ブタノエート
中間体1a:2,5−ビス((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ)ベンズアルデヒド
【0287】
【化15】
DMF(35mL)中2,5−ジヒドロキシベンズアルデヒド(0.551g、3.99mmol)の溶液に(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエニルメタンスルホネート(2.75g、7.98mmol)、続いてK
2CO
3(4.41g、31.9mmol)を加え、80℃で16時間加熱した。反応物を100mlの酢酸エチルおよび100mlの水で希釈した。有機層を分離し、2×50mlの水で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、10〜90%酢酸エチル:ヘプタンにより溶出して、所望の生成物を無色の油(1.3g、収率26%)として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ: 10.48 (s, 1H), 7.31 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 7.12 (dd, J = 9.0, 3.5 Hz, 1H), 6.93 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 5.29-5.46 (m, 8H), 4.03 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 3.94 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 2.78 (t, J = 6.3 Hz, 4H), 2.01-2.13 (m, 8H), 1.72-1.87 (m, 4H), 1.46 (dt, J = 14.1, 7.0 Hz, 4H), 1.24-1.41 (m, 28H), 0.89 (t, J = 7.0 Hz, 6H).
13C NMR (400 MHz, CDCl
3) δ: 189.7, 156.3, 153.0, 130.2, 130.1, 130.0, 128.0, 128.0, 127.9, 127.9, 125.0, 124.1, 114.3, 110.7, 69.1, 68.6, 31.5, 29.6, 29.4, 29.3, 29.2, 29.2, 27.2, 26.0, 26.0, 25.6, 22.6, 14.1.
【0288】
中間体1b:(2,5−ビス((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ)フェニル)メタノール
【0289】
【化16】
THF(10ml)およびメタノール(5ml)中中間体1a(1.165g、1.835mmol)の溶液にNaBH
4(0.090g、2.385mmol)を加え、室温で16時間撹拌した。反応物を100mlの酢酸エチルおよび100mlの水で希釈した。有機層を分離し、2×50mlの水で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、10〜90%酢酸エチル:ヘプタンで溶出して、所望の生成物を無色の油(0.75g、収率64%)として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ: 6.86 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 6.76-6.80 (m, 2H), 5.27-5.48 (m, 8H), 4.66 (s, 2H), 3.96 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 3.91 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 2.79 (t, J = 6.5 Hz, 4H), 2.06 (q, J = 6.9 Hz, 8H), 1.77 (二重の五重線, J = 14.2, 7.0 Hz, 4H), 1.41-1.54 (m, J = 7.5, 5.5 Hz, 4H), 1.23-1.41 (m, 28H), 0.90 (t, J = 7.0 Hz, 6H).
13C NMR (400 MHz, CDCl
3) δ: 153.0, 150.9, 130.2, 130.1, 130.1, 130.1, 128.0, 128.0, 127.9, 115.4, 113.7, 112.0, 68.6, 68.5, 62.5, 31.5, 29.6, 29.5, 29.4, 29.3, 29.2, 27.2, 27.2, 26.1, 26.0, 25.6, 22.6, 14.1.
【0290】
実施例1:2,5−ビス((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ)ベンジル4−(ジメチルアミノ)ブタノエート
【0291】
【化17】
DCM(25ml)中4−(ジメチルアミノ)ブタン酸(26.3mg、0.157mmol)の溶液にEDC.HCl(45.1mg、0.235mmol)およびDMAP(1.918mg、0.016mmol)を、続いてNEt
3(0.087ml、0.628mmol)を加え、室温で30分間撹拌した。混合物に中間体1b(100mg、0.157mmol)を加え、16時間撹拌した。反応物を100mlのジクロロメタンおよび100mlの水で希釈した。有機層を分離し、2×50mlの水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物をBiotage精製システムによるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、10〜90%酢酸エチル:ヘプタンにより溶出して、所望の生成物を無色の油(84mg、収率71%)として得た。
1H NMR (400 MHz, ジクロロメタン-d
2) δ: 6.90 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 6.78-6.85 (m, 2H), 5.28-5.54 (m, 8H), 5.14 (s, 2H), 3.85-4.01 (m, 4H), 2.82 (t, J = 6.5 Hz, 4H), 2.42 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 2.30 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 2.21 (s, 6H), 2.01-2.15 (m, 8H), 1.69-1.88 (m, 6H), 1.44-1.57 (m, 4H), 1.26-1.44 (m, 28H), 0.93 (t, J = 7.0 Hz, 6H).
13C NMR (400 MHz, ジクロロメタン-d
2) δ: 173.8, 153.4, 151.4, 130.6, 130.6, 128.5, 128.4, 126.3, 116.4, 114.6, 113.0, 69.4, 69.0, 61.9, 59.2, 45.7, 32.5, 32.1, 30.2, 30.1, 30.0, 30.0, 29.9, 29.8, 29.8, 27.7, 27.7, 26.6, 26.6, 26.1, 23.5, 23.1, 14.4.
【0292】
以下の例は、実施例1の合成に用いたのと同様のカップリング法を用いて調製することができる。
【0293】
実施例2:2,5−ビス((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ)ベンジル3−(ジメチルアミノ)プロパノエート
【0294】
【化18】
所望の生成物が無色油(120mg、収率69%)として単離された。
1H NMR (400MHz, ジクロロメタン-d
2) δ: 6.92 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 6.81-6.84 (m, 2H), 5.32-5.48 (m, 9H), 5.15 (s, 2H), 3.84-4.03 (m, 4H), 2.82 (t, J = 6.5 Hz, 4H), 2.61-2.70 (m, 2H), 2.50-2.61 (m, 2H), 2.25 (s, 6H), 2.09 (q, J = 6.9 Hz, 7H), 1.72-1.84 (m, 4H), 1.44-1.56 (m, 4H), 1.26-1.44 (m, 28H), 0.93 (t, J = 7.0 Hz, 6H).
13C NMR (400MHz, ジクロロメタン-d
2) δ: 172.8, 153.5, 151.4, 130.6, 130.6, 128.5, 128.4, 126.2, 116.3, 114.6, 113.0, 69.4, 69.0, 62.0, 55.4, 45.6, 33.6, 32.1, 30.2, 30.2, 30.1, 30.0, 29.9, 29.9, 29.8, 29.8, 27.7, 27.7, 26.6, 26.6, 26.1, 23.1, 14.4.
【0295】
【化19】
【0296】
実施例3の合成:2,5−ビス((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエニルオキシ)ベンジル3−(ジメチルアミノ)プロピルカーボネート
【0297】
【化20】
乾燥CDCl
3(2mL)中中間体1b(150mg、0.235mmol)の溶液にクロロギ酸パラニトロフェニル(61.7mg、0.306mmol)を、続いてピリジン(23.1μL、0.286mmol)を加えた。反応物を50℃で撹拌した。4時間後に反応物を減圧下で濃縮し、2mLのDCMに再溶解した。N,N−ジメチルアミノプロパノール(121mg、1.18mmol)を、続いてDMAP(5.75mg、0.047mmol)を加えた。反応物を室温で撹拌した。18時間後に反応物を2mLの水によりクエンチし、さらなる3×5mLのDCMに抽出した。合わせた有機層を減圧下で濃縮し、ISCO精製システムによるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、MeOH/DCM(0〜3%)により溶出して、141.3mg(78%)の所望の生成物を透明な油として得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ: 6.95 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 6.78-6.83 (m, 2H), 5.29-5.48 (m, 8H), 5.22 (s, 2H), 4.24 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 3.94 (dt, J = 9.6, 6.6 Hz, 4H), 2.81 (t, J = 6.3 Hz, 4H), 2.38 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 2.24 (s, 6H), 2.08 (q, J = 6.6 Hz, 8H), 1.87 (五重線, J = 6.9 Hz, 2H), 1.78 (m, 4H), 1.28-1.52 (m, 32H), 0.92 (t, J = 6.6 Hz, 6H).MS(m+1)=766.5、Rt=1.22分(LC方法1)。
【0298】
以下の例は、実施例3の合成に用いたのと同様のカップリング法を用いて調製することができる。
【0299】
実施例4:2,5−ビス((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエ
ン−1−イルオキシ)ベンジル3−(ジメチルアミノ)プロピルカーボネート
【0300】
【化21】
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ: 6.95 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 6.77-6.84 (m, 2H), 5.30-5.48 (m, 8H), 5.22 (s, 2H), 4.24 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 3.94 (dt, J = 9.1, 6.6 Hz, 4H), 2.81 (t, J = 6.3 Hz, 4H), 2.53 (q, J = 7.1 Hz, 6H), 2.08 (q, J = 6.6 Hz, 8H), 1.71-1.91 (m, 6H), 1.44-1.53 (m, 4H), 1.26-1.44 (m, 28H), 1.03 (t, J = 7.1 Hz, 6H), 0.92 (t, J = 7.1 Hz, 6H).MS(m+1)=794.5、Rt=1.38分(LC方法1)。
【0301】
【化22】
【0302】
実施例5の合成:
((2−(((3−(ジメチルアミノ)プロパノイル)オキシ)メチル)−1,4−フェニレン)ビス(オキシ))ビス(オクタン−8,1−ジイル)ビス(デカノエート)
中間体5a:2,5−ビス((8−ヒドロキシオクチル)オキシ)ベンズアルデヒド
【0303】
【化23】
DMF(15mL)中2,5−ジヒドロキシベンズアルデヒド(1g、7.24mmol)の溶液に8−ブロモオクタン−1−オール(3.03g、14.48mmol)、K
2CO
3(5.00g、36.2mmol)およびKI(0.012g、0.072mmol)を加え、80℃で16時間加熱した。反応物を100mlの酢酸エチルおよび100mlの水で希釈した。有機層を分離し、2×50mlの水で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物を分取HPLCクロマトグラフィーにより精製し、10〜90%アセトニトリル:水および0.1%TFAにより溶出して、所望の生成物(550mg、収率19%)を得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ: 10.47 (s, 1H), 7.31 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 7.11 (dd, J = 9.0, 3.3 Hz, 1H), 6.92 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 4.03 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 3.94 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 3.65 (t, J = 6.7 Hz, 4H), 1.69-1.79 (m, 4H), 1.52-1.65 (m, 4H), 1.43-1.50 (m, 4H), 1.30-1.40 (m, 12H).
13C NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ: 189.9, 156.3, 152.9, 124.9, 124.2, 114.3, 110.7, 69.1, 68.6, 63.0, 63.0, 32.7, 32.7, 29.3, 29.1, 26.0, 25.9, 25.6.
【0304】
中間体5b:((2−ホルミル−1,4−フェニレン)ビス(オキシ))ビス(オクタン−8,1−ジイル)ビス(デカノエート)
【0305】
【化24】
DCM(11.5mL)中中間体5a(455mg、1.153mmol)の溶液に室温で塩化デカノイル(484mg、2.54mmol)を加えた後、DIEA(1.01mL、5.77mmol)を加え、16時間撹拌した。反応物を100mlのジクロロメタンおよび100mlの水で希釈した。有機層を分離し、50mlの水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物をISCO精製システムによるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、10〜90%酢酸エチル:ヘプタンにより溶出して、所望の生成物(591mg、収率73%)を得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ: 10.47 (s, 1H), 7.31 (d, J = 3.3 Hz, 1H), 7.12 (dd, J = 9.0, 3.3 Hz, 1H), 6.93 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 3.99-4.12 (m, 6H), 3.94 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 2.30 (t, J = 7.5 Hz, 4H), 1.72-1.95 (m, 4H), 1.11-1.54 (m, 48H), 0.81-0.96 (m, 6H).
13C NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ: 189.8, 179.0, 174.1, 156.3, 152.9, 125.0, 124.2, 114.3, 69.1, 68.6, 64.3, 34.4, 31.8, 29.5, 29.4, 29.4, 29.2, 29.2, 28.6, 26.0, 25.9, 25.9, 25.0, 24.7, 22.7, 14.1.
【0306】
中間体5c:((2−(ヒドロキシメチル)−1,4−フェニレン)ビス(オキシ))ビス(オクタン−8,1−ジイル)ビス(デカノエート)
【0307】
【化25】
テトラヒドロフラン(4.2mL)およびメタノール(4.2mL)中中間体5b(590mg、0.839mmol)の溶液に0℃で水素化ホウ素ナトリウム(31.7mg、0.839mmol)を加え、1時間撹拌した。反応物を100mlの酢酸エチルおよび50mlの水で希釈した。有機層を分離し、50mlの水で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物をISCO精製システムによるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、10〜90%酢酸エチル:ヘプタンにより溶出して、所望の生成物(450mg、収率70%)を得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ: 6.87 (d, J=2.5 Hz, 1H), 6.76-6.79 (m, 2H), 4.66 (s, 2H), 4.06 (t, J=6.8 Hz, 4H), 3.96 (t, J=6.5 Hz, 2H), 3.91 (t, J=6.5 Hz, 2H), 2.30 (t, J=7.5 Hz, 4H), 1.70-1.86 (m, 4H), 1.62 (t, J=7.0 Hz, 8H), 1.41-1.52 (m, 4H), 1.14-1.40 (m, 36H), 0.80-0.95 (m, 6H).
13C NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ: 174.1, 153.0, 150.9, 130.1, 115.3, 113.7, 112.0, 68.5, 68.4, 64.3, 64.3, 62.4, 34.4, 31.8, 29.4, 29.4, 29.3, 29.3, 29.2, 29.1, 28.6, 26.1, 26.0, 25.8, 25.0, 24.7, 22.7, 14.1.
【0308】
実施例5:((2−(((3−(ジメチルアミノ)プロパノイル)オキシ)メチル)−1,4−フェニレン)ビス(オキシ))ビス(オクタン−8,1−ジイル)ビス(デカノエート)
【0309】
【化26】
DCM(容積:922μl)中中間体5c(65mg、0.092mmol)、3−(ジメチルアミノ)プロパン酸(16mg、0.138mmol)、EDC.HCl(35mg、0.184mmol)およびDIEA(32.2μl、0.184mmol)の混合物を0℃で16時間撹拌したが、それを室温に加温した。反応物を20mlのジクロロメタンおよび20mlの水で希釈した。有機層を分離し、2×20mlの水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物をISCO精製システムによるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、10〜90%酢酸エチル:ヘプタンにより溶出して、所望の生成物を無色油(40mg、収率51%)として得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ: 6.91 (s, 1H), 6.79 (d, J = 1.5 Hz, 2H), 5.17 (s, 2H), 4.06 (t, J = 6.7 Hz, 4H), 3.91 (q, J = 6.8 Hz, 4H), 2.61-2.73 (m, 2H), 2.50-2.60 (m, 2H), 2.30 (t, J = 7.5 Hz, 4H), 2.26 (s, 6H), 1.70-1.83 (m, 4H), 1.52-1.69 (m, 8H), 1.42-1.48 (m, 4H), 1.18-1.35 (m, 36H), 0.79-0.95 (m, 6H).
13C NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ: 174.0, 172.3, 152.8, 150.9, 125.4, 116.0, 114.3, 112.5, 68.8, 68.5, 64.3, 61.7, 54.7, 45.2, 34.4, 32.9, 31.8, 29.4, 29.3, 29.3, 29.2, 29.2, 29.1, 28.6, 26.0, 26.0, 25.9, 25.9, 25.0, 22.7, 14.1.
【0310】
以下の例は、実施例5の合成に用いたのと同様のカップリング法を用いて調製することができる。
【0311】
実施例6:((2−(((1−メチルピペリジン−4−カルボニル)オキシ)メチル)−1,4−フェニレン)ビス(オキシ)ビス(オクタン−8,1−ジイル)ビス(デカノエート)
【0312】
【化27】
所望の生成物が無色油(72mg、収率77%)として単離された。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ: 6.87 (s, 1H), 6.78 (s, 2H), 5.14 (s, 2H), 4.06 (t, J = 6.7 Hz, 4H), 3.90 (q, J = 6.3 Hz, 4H), 2.85 (d, J = 11.3 Hz, 2H), 2.19-2.44 (m, 8H), 2.03-2.15 (m, 2H), 1.99 (d, J = 11.8 Hz, 2H), 1.81-1.91 (m, 2H), 1.70-1.80 (m, 4H), 1.58-1.66 (m, 8H), 1.40-1.52 (m, 4H), 1.14-1.39 (m, 36H), 0.88 (t, J = 6.5 Hz, 6H).
13C NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ: 174.7, 174.0, 152.8, 150.9, 125.5, 115.9, 114.2, 112.4, 68.7, 68.5, 64.3, 61.7, 54.8, 46.2, 34.4, 31.8, 29.7, 29.4, 29.3, 29.2, 29.2, 29.1, 28.6, 28.0, 26.0, 25.9, 25.0, 22.6, 14.1.
【0313】
実施例7:((2−(((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)メチル)−1,4−フェニレン)ビス(オキシ))ビス(オクタン−8,1−ジイル)ビス(デカノエート)
【0314】
【化28】
所望の生成物が無色油(40mg、収率50%)として単離された。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ: 6.90 (s, 1H), 6.78 (d, J = 1.5 Hz, 2H), 5.15 (s, 2H), 4.06 (t, J = 6.7 Hz, 4H), 3.91 (q, J = 6.5 Hz, 4H), 2.42 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 2.28-2.34 (m, 6H), 2.24 (s, 6H), 1.84 (五重線, J = 7.5 Hz, 2H), 1.70-1.80 (m, 4H), 1.53-1.69 (m, 8H), 1.42-1.48 (m, 4H), 1.15-1.40 (m, 36H), 0.79-0.94 (m, 6H).
13C NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ: 174.0, 173.4, 152.8, 150.9, 125.5, 115.9, 114.2, 112.5, 68.8, 68.5, 64.3, 61.6, 58.8, 45.3, 34.4, 32.1, 31.8, 29.4, 29.3, 29.3, 29.2, 29.1, 28.6, 26.0, 26.0, 25.9, 25.9, 25.0, 22.9, 22.7, 14.1.
【0315】
実施例8:((2−(((1−エチルピペリジン−4−カルボニル)オキシ)メチル)−1,4−フェニレン)ビス(オキシ)ビス(オクタン−8,1−ジイル)ビス(デカノエート)
【0316】
【化29】
所望の生成物が無色油(65mg、収率73%)として単離された。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ: 6.87 (s, 1H), 6.78 (d, J = 1.5 Hz, 2H), 5.14 (s, 2H), 4.06 (t, J = 6.7 Hz, 4H), 3.90 (q, J = 6.4 Hz, 4H), 2.92 (d, J = 10.8 Hz, 2H), 2.41 (dt, J = 13.9, 6.8 Hz, 3H), 2.29 (t, J = 7.7 Hz, 4H), 1.98 (d, J = 12.0 Hz, 4H), 1.80-1.91 (m, 2H), 1.69-1.80 (m, 4H), 1.53-1.68 (m, 8H), 1.40-1.50 (m, 4H), 1.16-1.39 (m, 36H), 1.10 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 0.79-0.94 (m, 6H).
13C NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ: 174.8, 174.0, 152.8, 150.8, 125.5, 115.8, 114.1, 112.4, 68.7, 68.5, 64.3, 61.6, 52.5, 34.4, 31.8, 29.4, 29.3, 29.2, 29.2, 29.2, 29.1, 28.6, 28.1, 26.0, 26.0, 25.9, 25.8, 25.0, 22.6, 14.1, 11.9.
【0317】
実施例9:((2−(((1−イソプロピルピペリジン−4−カルボニル)オキシ)メチル)−1,4−フェニレン)ビス(オキシ)ビス(オクタン−8,1−ジイル)ビス(デカノエート)
【0318】
【化30】
所望の生成物が無色油(62mg、69%)として単離された。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ: 6.87 (s, 1H), 6.78 (d, J = 1.5 Hz, 2H), 5.14 (s, 2H), 4.06 (t, J = 6.7 Hz, 4H), 3.90 (q, J = 6.4 Hz, 4H), 2.88 (d, J = 11.3 Hz, 2H), 2.72-2.77 (m, 1H), 2.20-2.38 (m, 7H), 1.98 (br. s., 2H), 1.84 (br. s., 1H), 1.69-1.79 (m, 5H), 1.54-1.68 (m, 8H), 1.42-1.46 (m, 4H), 1.16-1.39 (m, 36H), 1.06 (d, J = 5.3 Hz, 6H), 0.81-0.93 (m, 6H).
13C NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ: 174.0, 152.8, 150.8, 125.5, 115.9, 114.1, 112.4, 68.7, 68.5, 64.3, 61.6, 48.0, 34.4, 31.8, 29.4, 29.3, 29.2, 29.2, 29.2, 29.1, 28.6, 26.0, 26.0, 25.9, 25.9, 25.0, 22.6, 18.2, 14.1.
【0319】
実施例10:((2−(((4−(ピロリジン−1−イル)ブタノイル)オキシ)メチル)−1,4−フェニレン)ビス(オキシ))ビス(オクタン−8,1−ジイル)ビス(デカノエート)
【0320】
【化31】
所望の生成物が無色油(50mg、56%)として単離された。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ: 6.86 (s, 1H), 6.79 (s, 2H), 5.14 (s, 2H), 4.05 (t, J = 6.7 Hz, 4H), 3.85-3.96 (m, 4H), 3.76-3.84 (m, 2H), 3.10-3.18 (m, 2H), 2.74-2.84 (m, 2H), 2.48 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 2.29 (t, J = 7.5 Hz, 4H), 1.94-2.19 (m, 6H), 1.74 (五重線, J = 6.8 Hz, 4H), 1.61 (d, J = 5.0 Hz, 8H), 1.42 (d, J = 7.3 Hz, 4H), 1.15-1.39 (m, 36H), 0.76-0.94 (m, 6H).
13C NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ: 174.2, 174.2, 172.1, 152.8, 150.9, 124.8, 116.2, 114.6, 112.6, 68.8, 68.5, 64.3, 62.2, 54.4, 53.6, 34.4, 31.8, 30.5, 29.4, 29.3, 29.2, 29.2, 29.1, 28.5, 25.9, 25.8, 25.8, 25.0, 23.2, 22.6, 20.7, 14.1.
【0321】
実施例11:((2−((2−(1−メチルピペリジン−4−イル)アセトキシ)メチル)−1,4−フェニレン)ビス(オキシ))ビス(オクタン−8,1−ジイル)ビス(デカノエート)
【0322】
【化32】
所望の生成物が無色油(62mg、70%)として単離された。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ: 6.88 (s, 1H), 6.78 (d, J = 1.3 Hz, 2H), 5.13 (s, 2H), 4.06 (t, J = 6.8 Hz, 4H), 3.90 (q, J = 6.5 Hz, 4H), 2.87 (d, J = 11.3 Hz, 2H), 2.22-2.35 (m, 8H), 2.00 (t, J = 11.4 Hz, 2H), 1.69-1.88 (m, 6H), 1.53-1.68 (m, 8H), 1.44 (d, J = 4.3 Hz, 4H), 1.18-1.41 (m, 40H), 0.80-0.95 (m, 6H).
13C NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ: 174.0, 172.5, 152.8, 150.9, 125.3, 116.0, 114.4, 112.4, 68.7, 68.5, 64.3, 61.6, 55.5, 46.2, 41.0, 34.4, 32.2, 31.8, 29.4, 29.3, 29.2, 29.2, 29.2, 29.2, 29.1, 28.6, 26.0, 25.9, 25.9, 25.0, 22.6, 14.1.
【0323】
【化33】
【0324】
実施例12の合成:((2−((((3−(ジメチルアミノ)プロポキシ)カルボニル)オキシ)メチル)−1,4−フェニレン)ビス(オキシ))ビス(オクタン−8,1−ジイル)ビス(デカノエート)
【0325】
【化34】
DCM(0.5mL)中中間体5c(83mg、0.118mmol)の溶液にクロロギ酸4−ニトロフェニル(35.6mg、0.177mmol)を、続いてピリジン(38.1μl、0.471mmol)を加え、室温で16時間撹拌した。反応物を減圧下で濃縮した。固体をDCM(0.5mL)に溶解し、3−(ジメチルアミノ)プロパン−1−オール(36.4mg、0.353mmol)を、続いてDIEA(123μl、0.706mmol)およびDMAP(1.438mg、0.012mmol)を加え、室温で16時間撹拌した。反応物を20mlのジクロロメタンおよび20mlの水で希釈した。有機層を分離し、2×20mlの水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物をISCO精製システムによるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、10〜90%酢酸エチル:ヘプタンにより溶出したが、不純な生成物が単離された。生成物を超臨界流体クロマトグラフィー精製により再精製し、メタノールおよびCO
2により溶出して、所望の生成物を無色油(30mg、収率29%)として得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ: 6.93 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.75-6.86 (m, 2H), 5.20 (s, 2H), 4.23 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 4.06 (t, J = 6.7 Hz, 4H), 3.83-3.97 (m, 4H), 2.50 (br. s., 2H), 2.33 (s, 6H), 2.30 (t, J = 7.7 Hz, 4H), 1.94 (五重線, J = 6.7 Hz, 2H), 1.69-1.84 (m, 4H), 1.53-1.69 (m, 8H), 1.40-1.52 (m, 4H), 1.15-1.40 (m, 36H), 0.88 (t, J = 6.8 Hz, 6H).
13C NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ: 174.0, 155.1, 152.8, 150.9, 124.6, 116.0, 114.8, 112.5, 68.7, 68.5, 66.1, 65.0, 64.3, 55.9, 45.0, 34.4, 31.8, 29.4, 29.3, 29.3, 29.2, 29.1, 28.6, 26.0, 25.9, 25.0, 22.7, 14.1.
【0326】
以下の例は、実施例12の合成に用いたのと同様のカップリング法を用いて調製することができる。
【0327】
実施例13:((2−((((3−(ジエチルアミノ)プロポキシ)カルボニル)オキシ)メチル)−1,4−フェニレン)ビス(オキシ))ビス(オクタン−8,1−ジイル)ビス(デカノエート)
【0328】
【化35】
所望の生成物が無色油(35mg、27%)として単離された。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ: 6.93 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 6.75-6.84 (m, 2H), 5.20 (s, 2H), 4.22 (t, J = 6.4 Hz, 2H), 4.06 (t, J = 6.8 Hz, 4H), 3.83-3.96 (m, 4H), 2.61 (br. s., 6H), 2.30 (t, J = 7.5 Hz, 4H), 1.83-2.03 (m, 2H), 1.76 (dq, J = 13.3, 6.5 Hz, 4H), 1.52-1.68 (m, 8H), 1.40-1.51 (m, 4H), 1.19-1.40 (m, 38H), 1.0-1.12 (m, 4H), 0.88 (t, J = 6.8 Hz, 6H).
13C NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ: 174.0, 155.2, 152.8, 150.9, 124.7, 116.0, 114.8, 112.5, 68.8, 68.5, 65.0, 64.3, 49.1, 46.8, 34.4, 31.8, 29.4, 29.3, 29.3, 29.2, 29.1, 28.6, 26.0, 25.9, 25.0, 22.7, 14.1.
【0329】
【化36】
【0330】
実施例14の合成:3−(ジメチルアミノ)プロピル4−メチル−2,5−ビス((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ)ベンジルカーボネート
中間体14a:2,5−ジメトキシ−4−メチルベンズアルデヒド
【0331】
【化37】
オキシ塩化リン(12.5mL)を10mL DMF中2,5−ジメトキシトルエン(5g、3.3mmol)に徐々に加えた。反応物を室温で4時間撹拌し、次いで80℃に4時間撹拌した。次いで反応物を氷水中に注加し、濾過した。濾液を収集し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、減圧下で濃縮して、5.1g(85.9%)の所望の生成物を浅黄色固体として得た。TLC:Rf=0.4(EtOAc:ヘキサン、1:9)、UV活性
【0332】
中間体14b:2,5−ジヒドロキシ−4−メチルベンズアルデヒド
【0333】
【化38】
丸底フラスコ中で中間体14a(1.2g、6.6mmol)を8mLのDCMに溶解した。溶液を−78℃に冷却し、DCM中1M三臭化ホウ素(33.3mL、33.3mmol)を加え、同じ温度で8時間撹拌した。次いで反応混合物を5mLの水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発乾固して、1.0g(99%)の所望の物質を固体として得た。TLC:Rf=0.3(EtOAc:ヘキサン、1:90)、UV活性
【0334】
中間体14c:4−メチル−2,5−ビス((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ)ベンズアルデヒド
【0335】
【化39】
中間体14cは、中間体14bから中間体1aの合成に用いたのと同様の方法を用いて調製することができる。TLC:Rf=0.8(EtOAc:ヘキサン、2:8)、UV活性
【0336】
中間体14d:(4−メチル−2,5−ビス((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ)フェニル)メタノール
【0337】
【化40】
丸底フラスコ中で中間体14c(2.8g、4.3mmol)を25mLのメタノールに溶解した。水素化ホウ素ナトリウム(328mg、8.6mmol)を室温で少しずつ加え、撹拌した。1時間後に反応物を10mLの水でクエンチし、酢酸エチル(3×)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、減圧下で濃縮した。粗残留物をEtOAc/ヘキサン(30%)を溶出液として用いてシリカゲルにより精製して、2.3g(82.1%)の所望の生成物を得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ: 6.76 (s, 1H), 6.69 (s, 1H), 5.30-5.39 (m, 8H), 4.63 (d, J = 5.9 Hz, 2H), 3.95 (dd, J = 6.4, 6.3 Hz, 2H), 3.90 (dd, J = 6.4, 6.3 Hz, 2H), 2.76 (dd, J = 6.4, 6.4 Hz, 2H), 2.21 (s, 3H), 2.08-2.03 (m, 8H), 1.80-1.74 (m, 4H), 1.45-1.25 (m, 34H), 0.88 (t, J = 6.4, 6.4 Hz, 6H).
【0338】
以下の例は、中間体14dから実施例3の合成に用いたのと同様のカップリング法を用いて調製することができる。
【0339】
実施例14:3−(ジメチルアミノ)プロピル4−メチル−2,5−ビス((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ)ベンジルカーボネート
【0340】
【化41】
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ: 6.85 (s, 1H), 6.71 (s, 1H), 5.39 (tq, J = 11.0, 5.5, 4.4 Hz, 8H), 5.20 (s, 2H), 4.23 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 3.93 (td, J = 6.4, 4.7 Hz, 4H), 2.80 (t, J = 6.5 Hz, 4H), 2.28 (br. s, 6H), 2.23 (s, 3H), 2.15-2.02 (m, 8H), 1.90 (d, J = 4.1 Hz, 2H), 1.78 (ddt, J = 11.2, 6.1, 2.9 Hz, 4H), 1.53-1.43 (m, 4H), 1.43-1.21 (m, 30H), 0.99-0.87 (m, 6H).MS(m+1)=780.8、Rt=1.38分(LC方法2)
【0341】
実施例15:4−(ジメチルアミノ)ブチル4−メチル−2,5−ビス((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエニルオキシ)ベンジルカーボネート
【0342】
【化42】
1H NMR (400MHz,クロロホルム-d) δ: 6.83 (s, 1H), 6.70 (s, 1H), 5.48-5.26 (m, 8H), 5.18 (s, 2H), 4.17 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 3.91 (dt, J = 4.3, 6.4 Hz, 4H), 2.78 (t, J = 6.5 Hz, 4H), 2.28 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 2.21 (s, 9H), 2.06 (q, J = 6.7 Hz, 8H), 1.83-1.65 (m, 6H), 1.55 (s, 2H), 1.45 (d, J = 5.5 Hz, 4H), 1.41-1.25 (m, 28H), 0.89 (t, J = 6.8 Hz, 6H).
【0343】
実施例16:4−メチル−2,5−ビス((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ)ベンジル4−(ジメチルアミノ)ブタノエート
【0344】
【化43】
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ: 6.81 (s, 1H), 6.72 (s, 1H), 5.47-5.28 (m, 8H), 5.15 (s, 2H), 3.93 (q, J = 6.3 Hz, 4H), 2.80 (t, J = 6.5 Hz, 4H), 2.53 (br. s, 6H), 2.44 (t, J = 7.2 Hz, 4H), 2.23 (s, 3H), 2.07 (q, J = 7.0 Hz, 8H), 1.98 (br. s, 2H), 1.77 (td, J = 8.8, 4.4 Hz, 4H), 1.47 (t, J = 6.9 Hz, 4H), 1.43-1.20 (m, 28H), 0.91 (t, J = 6.7 Hz, 6H).MS(m+1)=765.0、Rt=1.38分(LC方法3)
【0345】
実施例17の合成:(9Z,9’Z,12Z,12’Z)−2,2’−(2−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイルオキシ)メチル)−1,4−フェニレン)ビス(オキシ)ビス(エタン−2,1−ジイル)ジオクタデカ−9,12−ジエノエート
中間体17a:(9Z,12Z)−3−ヒドロキシプロピルオクタデカ−9,12−ジエノエート
【0346】
【化44】
丸底フラスコ中でリノール酸(3.0g、10.7mmol)をグリコール(15mL)に溶解した。HOBT(2.5、16.1mmol)およびEDC(3.1g、16.1mmol)を加えた後、TEA(4.5mL、32.1mmol)およびDMAP(653mg、5.4mmol)を加え、反応物を室温で撹拌した。18時間後に反応物をDCMおよび水で希釈した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、減圧下で濃縮して、所望の生成物2.46g(67.8%)を無色の油として得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ: 5.41-5.23 (m, 4H), 4.18 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 3.64 (t, J = 6.1 Hz, 2H), 2.72 (t, J = 6.2 Hz, 2H), 2.25 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.00 (q, J = 6.7 Hz, 4H), 1.88-1.75 (m, 2H), 1.58 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 1.39-1.15 (m, 14H), 0.84 (td, J = 6.9, 3.5 Hz, 3H).
【0347】
中間体17b:(9Z,9’Z,12Z,12’Z)−2,2’−(5−ホルミル−1,3−フェニレン)ビス(オキシ)ビス(エタン−2,1−ジイル)ジオクタデカ−9,12−ジエノエート
【0348】
【化45】
丸底フラスコ中で中間体17a(1.0g、3.08mmol)、2,5−ジヒドロキシベンズアルデヒド(213mg、1.54mmol)およびトリフェニルホスフィン(0.849g、3.24mmol)を12.5mLのTHFに溶解した。DIAD(0.849mL、3.24mmol)を次に加えた。反応物を室温で3日間撹拌し、減圧下でセライト上で直接濃縮した後、EtOAc/ヘプタン(10〜20%)を溶出液として用いてISCO精製システムにおけるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、71.4mg(3.1%)の所望の生成物を浅黄色油として得た。
【0349】
中間体17c:(9Z,9’Z,12Z,12’Z)−2,2’−(2−(ヒドロキシメチル)−1,4−フェニレン)ビス(オキシ)ビス(エタン−2,1−ジイル)ジオクタデカ−9,12−ジエノエート
【0350】
【化46】
丸底フラスコ中で中間体17b(71.4mg、0.095mmol)を2mLのエタノールに窒素下で溶解した。水素化ホウ素ナトリウム(5.39mg、0.143mmol)を一度に加え、室温で撹拌した。30分後に反応物を酢酸によりクエンチし、水で希釈し、DCM(3×)に抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウム上で乾燥し、減圧下で濃縮して、57.1mg(80%)の所望の生成物を透明な油として得た。
【0351】
実施例17:(9Z,9’Z,12Z,12’Z
)−(2−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイルオキシ)メチル)−1,4−フェニレン)ビス(オキシ)ビス(エタン−2,1−ジイル)ジオクタデカ−9,12−ジエノエート
【0352】
【化47】
反応バイアル中で中間体17cをDCMに溶解した。HATUおよびジメチルアミンを加えた後、TEAおよびDMAPを加えた。反応物を室温で撹拌した。18時間後に反応物をDCMおよび水で希釈した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、減圧下で濃縮した。粗残留物を分取HPLC(TFAモディファイア)により精製した。次いで純度増強生成物をMeOH/DCM(0〜10%)により溶離するISCO精製システムによるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製した。回収された物質を、MeOH/DCM(0〜3%次に〜8%)により溶離するISCO精製システムによるシリカゲルクロマトグラフィーによって再び精製して、透明な油として単離された11.6mg(17.6%)の所望の生成物を得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ: 6.94 (s, 1H), 6.83 (d, J = 1.5 Hz, 2H), 5.31-5.45 (m, 8H), 5.17 (s, 2H), 4.40 (t, J = 4.8 Hz, 4H), 4.09-4.23 (m, 4H), 2.79 (t, J = 6.1 Hz, 4H), 2.61 (s, 2H), 2.44-2.51 (m, 2H), 2.30-2.39 (m, 4H), 2.18 (s, 6H), 2.01-2.12 (m, 8H), 1.92 (五重線, J = 7.2 Hz, 2H), 1.57-1.73 (m, 6H), 1.23-1.45 (m, 26H), 0.91 (t, J = 6.8 Hz, 6H).MS(m+1)=866.5、Rt=1.22分(LC方法1)
【0353】
実施例18の合成:(9Z,9’Z,12Z,12’Z
)−(2−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイルオキシ)メチル)−1,4−フェニレン)ビス(オキシ)ビス(
ブタン−
4,1−ジイル)ジオクタデカ−9,12−ジエノエート
中間体18a:(9Z,12Z)−4−ヒドロキシブチルヘキサデカ−9,12−ジエノエート
【0354】
【化48】
丸底フラスコ中でリノール酸(5.0g、17.83mmol)、ブタンジオール(64.3g、713mmol)、EDC(3.42g、17.83mmol)、DIPEA(3.11ml、17.83mmol)およびDMAP(0.163g、1.337mmol)の混合物を40℃で終夜撹拌した(ブタンジオールを液体として維持するために必要な高温度)。18時間後に反応物を室温に冷却し、DCMおよび水で希釈する。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、減圧下で濃縮した。粗混合物をセライト上に加えて乾燥し、EtOAc/ヘプタン(20%〜50%)により溶離するISCO精製システムによるシリカゲルクロマトグラフィーによって精製して、所望の物質3.37g(58.3%)を透明な油として得た。
【0355】
中間体18b:(9Z,9’Z,12Z,12’Z)−((2−ホルミル−1,4−フェニレン)ビス(オキシ))ビス(ブタン−4,1−ジイル)ビス(オクタデカ−9,12−ジエノエート)
【0356】
【化49】
丸底フラスコ中で2,5−ジヒドロキシベンズアルデヒド(100mg、0.724mmol)、中間体18a(517mg、1.593mmol)およびPPh
3(399mg、1.520mmol)を10.5mLのTHFに溶解した。DIAD(0.296mL、1.520mmol)を加え、反応物を室温で撹拌した。18時間後に粗反応混合物を、EtOAc/ヘプタン(0〜40%)により溶離するISCO精製システムにおけるシリカゲルクロマトグラフィーによる精製のために減圧下でセライト上で濃縮して、86.4mg(14.8%)の所望の生成物を黄色の油として得た。
【0357】
中間体18c:(9Z,9’Z,12Z,12’Z)−((2−(ヒドロキシメチル)−1,4−フェニレン)ビス(オキシ))ビス(ブタン−4,1−ジイル)ビス(オクタデカ−9,12−ジエノエート)
【0358】
【化50】
反応バイアル中で中間体18b(86.4mg、0.107mmol)を0.5mLのMeOHに溶解した。水素化ホウ素ナトリウム(4.86mg、0.128mmol)を加え、反応物を室温で撹拌した。1時間後に酢酸の添加により反応物をクエンチし、減圧下で濃縮した。粗物質をDCMに再溶解し、次いで濾過し、減圧下で濃縮して、85mg(98%)の所望の生成物を無色の油として得た。
【0359】
以下の例は、中間体18cを用いて実施例17の合成に用いたのと同様のカップリング法を用いて調製することができる。
【0360】
実施例18:(9Z,9’Z,12Z,12’Z
)−(2−((4−(ジメチルアミノ)ブタノイルオキシ)メチル)−1,4−フェニレン)ビス(オキシ)ビス(
ブタン−
4,1−ジイル)ジオクタデカ−9,12−ジエノエート
【0361】
【化51】
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ: 6.88 (t, J = 1.6 Hz, 1H), 6.77 (d, J = 1.7 Hz, 2H), 5.46-5.25 (m, 8H), 5.14 (s, 2H), 4.13 (h, J = 2.4 Hz, 4H), 3.94 (dt, J = 9.2, 5.3 Hz, 4H), 2.77 (t, J = 6.5 Hz, 4H), 2.44 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 2.35 (s, 6H), 2.32-2.25 (m, 4H), 2.04 (q, J = 6.9 Hz, 8H), 1.91 (s, 2H), 1.81 (dq, J = 8.3, 5.0, 4.1 Hz, 8H), 1.67-1.56 (m, 4H), 1.40-1.23 (m, 30H), 0.89 (t, J = 6.7 Hz, 6H).MS(m+1)=922.9、Rt=1.29分(LC方法3)。
【0362】
実施例19の合成:2,4−ビス((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエニルオキシ)ベンジル4−(ジメチルアミノ)ブタノエート
中間体19a:2,4−ビス((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ)ベンズアルデヒド
【0363】
【化52】
2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒドを出発物質として用いて中間体1aと同様の方法を用いて調製することができる。TLC:Rf=0.8(EtOAc:ヘキサン、2:8)、UV活性。
【0364】
中間体19b:(2,4−ビス((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ)フェニル)メタノール
【0365】
【化53】
中間体19aを出発物質として用いて中間体1bと同様の方法を用いて調製することができる。TLC:Rf=0.5(EtOAc:ヘキサン、2:8)、UV活性。
【0366】
実施例19:2,4−ビス((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエニルオキシ)ベンジル4−(ジメチルアミノ)ブタノエート
【0367】
【化54】
丸底フラスコ中で中間体19b(2.2g、3.5mmol)を30mLのDCMに溶解した。EDCl.HCl(1.98g、10.38mmol)を1滴ずつ加えた後、4−(ジメチルアミノ)ブタン酸(1.74g、10.4mmol)、DIPEA(2.7g、20.75mmol)およびDMAP(84mg、0.70mmol)をその順序で加えた。反応物を室温で14時間撹拌した。次いで反応物をEtOAcに抽出した。有機層を減圧下で濃縮し、粗残留物をMeOH/DCM(5%)により勾配として溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物0.90g(34.3%)を黄色油として得た。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ: 7.20 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.40-6.50 (m, 2H), 5.29-5.47 (m, 8H), 5.12 (s, 2H), 3.96 (td, J = 6.4, 2.8 Hz, 4H), 2.80 (t, J = 6.3 Hz, 4H), 2.32-2.45 (m, 4H), 2.20-2.31 (m, 6H), 2.07 (q, J = 6.6 Hz, 8H), 1.68-1.92 (m, 6H), 1.43-1.57 (m, 4H), 1.19-1.43 (m, 28H), 0.91 (t, J = 7.1 Hz, 6H).MS(m+1)=750.5、Rt=1.19分(LC方法1)。
【0368】
実施例20の合成:((2−(((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)メチル)−1,4−フェニレン)ビス(オキシ))ビス(プロパン−3,1−ジイル)ビス(4,4−ビス(オクチルオキシ)ブタノエート)
中間体20a:3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)プロピルメタンスルホネート
【0369】
【化55】
0℃の30mlのDCM中3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)プロパン−1−オール(2g、10.51mmol)およびトリエチルアミン(2.2ml、15.77mmol)の溶液に塩化メタンスルホニル(1ml、12.62mmol)を1滴ずつ徐々に加えた。反応混合物を30℃で30分間撹拌した。反応の進行をTLCによりモニターした。反応混合物を50mlの水によりクエンチし、DCM(2×50ml)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発乾固して、2.7g(収率96%)の淡褐色の液体を得た。TLC:EtOAc:ヘキサン(2:8):Rf=0.5。
【0370】
中間体20b:2,5−ビス(3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)プロポキシ)ベンズアルデヒド
【0371】
【化56】
20mlのDMF中K
2CO
3(1.67g、12.08mmol)の懸濁液にジヒドロキシベンズアルデヒド(556mg、4.02mmol)および中間体20a(2.7g、10.07mmol)を、続いてヨウ化テトラブチルアンモニウム(200mg、触媒)を加えた。反応混合物を、100℃に3時間加熱した。反応の進行をTLCによりモニターした。反応混合物を50mlの水によりクエンチし、(3×50ml)のEtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発乾固して、淡褐色の液体を得た。生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル(230〜400メッシュ))により精製した。生成物をヘキサン中5%EtOAcで溶出して、1.6g(収率82%)の淡褐色の液体を得た。TLC:EtOAc:ヘキサン(2:8):Rf=0.9。
【0372】
中間体20c:2,5−ビス(3−ヒドロキシプロポキシ)ベンズアルデヒド
【0373】
【化57】
0℃の5ml乾燥THF中中間体20b(500mg、1.03mmol)の溶液にTHF中1M TBAF(4.1ml、4.14mmol)を加え、同じ温度で1時間撹拌し、次いで30℃で1時間撹拌した。反応の進行をTLCによりモニターした。反応混合物を20mlの水によりクエンチし、EtOAc(3×50ml)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発乾固して、250mgの浅黄色の液体を得た。TLC:EtOAc:ヘキサン(2:8):Rf=0.3。
【0374】
中間体20d:((2−ホルミル−1,4−フェニレン)ビス(オキシ))ビス(プロパン−3,1−ジイル)ビス(4,4−ビス(オクチルオキシ)ブタノエート)
【0375】
【化58】
10mlのDMF中中間体20c(250mg、0.98mmol)および4,4−ビス(オクチルオキシ)ブタン酸(746mg、2.16mmol)の溶液にDIPEA(0.7ml、3.92mmol)、DMAP(60mg、0.49mmol)を、続いてHATU(930mg、2.45mmol)を加え、30℃で24時間撹拌した。反応の進行をTLCによりモニターした。反応混合物を50mlの水によりクエンチし、EtOAc(3×50ml)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発乾固して、浅黄色の液体を得た。生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル230〜400メッシュ)により精製した。生成物をヘキサン中20%EtOAcで溶出して、500mg(収率56%)の浅黄色の液体を得た。TLC:EtOAc:ヘキサン(2:8):Rf=0.4。
【0376】
中間体20e:((2−(ヒドロキシメチル)−1,4−フェニレン)ビス(オキシ))ビス(プロパン−3,1−ジイル)ビス(4,4−ビス(オクチルオキシ)ブタノエート)
【0377】
【化59】
5.5mlのメタノールおよび2mlのTHF中中間体20d(500mg、0.551mmol)の溶液に0℃で水素化ホウ素ナトリウム(13mg、0.341mmol)を加え、5分間撹拌した。反応の進行をTLCによりモニターした。反応混合物を10mlの水によりクエンチし、EtOAc(3×30ml)で抽出した。合わせた有機層を30mlのブライン溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発乾固して、所望の生成物450mg(収率89%)を無色液体として得た。TLC:EtOAc:ヘキサン(2:8):Rf=0.3。
【0378】
実施例20:((2−(((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)メチル)−1,4−フェニレン)ビス(オキシ))ビス(プロパン−3,1−ジイル)ビス(4,4−ビス(オクチルオキシ)ブタノエート)
【0379】
【化60】
DCM(7ml)中中間体20e(190mg、0.20mmol)、4−ジメチルアミノブタン酸塩酸塩(70mg、0.41mmol)およびDIPEA(0.12ml、0.83mmol)の溶液にEDC.HCl(80mg、0.41mmol)を、続いてDMAP(51mg、0.41mmol)を加えた。反応物を30℃で20時間撹拌した。反応の進行をTLCによりモニターした。反応混合物を20mlの水によりクエンチし、DCM(3×50ml)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発乾固して、粗固体を得た。生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル230〜400メッシュ)により精製した。生成物をDCM中4%メタノールで溶出して、140mg(収率65%)を黄色の粘性液体として得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ = 6.89 (s, 1H), 6.77 (s, 2H), 5.13 (s, 2H), 4.48 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 4.28 (t, J = 6.4Hz, 4H), 4.00 (q, J = 6.0 Hz, 4H), 3.57 (q, J = 6.8 Hz, 4H), 3.40 (q, J = 6.4 Hz, 4H), 2.43-1.81 (m, 26H), 1.56-1.49 (m, 12H), 1.49-1.26 (m, 34H), 0.87 (t, J = 6.4 Hz, 12H) ppm.MS(m+1)=1022.5、Rt=1.17分(LC方法4)。
【0380】
実施例21の合成:((2−(((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)メチル)−1,4−フェニレン)ビス(オキシ))ビス(ペンタン−5,1−ジイル)ビス(4,4−ビス(オクチルオキシ)ブタノエート)
中間体21a:2,5−ビス((5−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)ペンチル)オキシ)ベンズアルデヒド
【0381】
【化61】
2,5−ジヒドロキシベンズアルデヒドおよび5−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)ペンチルメタンスルホネートから中間体20bの合成に用いたのと同様の方法を用いて調製することができる。TLC:EtOAc:ヘキサン(2:8):Rf=0.9。
【0382】
中間体21b:2,5−ビス((5−ヒドロキシペンチル)オキシ)ベンズアルデヒド
【0383】
【化62】
2,5−ビス((5−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)ペンチル)オキシ)ベンズアルデヒド(中間体21a)から中間体20cの合成に用いたのと同様の方法を用いて調製することができる。TLC:EtOAc:ヘキサン(2:8):Rf=0.1。
【0384】
中間体21c:((2−ホルミル−1,4−フェニレン)ビス(オキシ))ビス(ペンタン−5,1−ジイル)ビス(4,4−ビス(オクチルオキシ)ブタノエート)
【0385】
【化63】
2,5−ビス((5−ヒドロキシペンチル)オキシ)ベンズアルデヒド(中間体21b)および4−ジメチルアミノブタン酸から中間体20dの合成に用いたのと同様の方法を用いて調製することができる。TLC:EtOAc:ヘキサン(2:8):Rf=0.4。
【0386】
中間体21d:((2−(ヒドロキシメチル)−1,4−フェニレン)ビス(オキシ))ビス(ペンタン−5,1−ジイル)ビス(4,4−ビス(オクチルオキシ)ブタノエート)
【0387】
【化64】
中間体21cから中間体20eの合成に用いたのと同様の方法を用いて調製することができる。TLC:EtOAc:ヘキサン(2:8):Rf=0.3。
【0388】
実施例21:((2−(((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)メチル)−1,4−フェニレン)ビス(オキシ))ビス(ペンタン−5,1−ジイル)ビス(4,4−ビス(オクチルオキシ)ブタノエート)
【0389】
【化65】
DCM(10ml)中中間体21d、4−ジメチルアミノブタン酸塩酸塩(104mg、0.62mmol)およびDIPEA(0.2ml、1.24mmol)の溶液にEDC.HCl(119mg、0.62mmol)を、続いてDMAP(76mg、0.62mmol)を加えた。反応物を30℃で16時間撹拌した。反応の進行をTLCによりモニターした。反応混合物を20mlの水によりクエンチし、DCM(3×50ml)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発乾固して、粗固体を得た。生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル230〜400メッシュ)により精製した。生成物をDCM中4%メタノールで溶出して、180mg(収率54%)の浅黄色の粘性液体を得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ = 6.89 (s, 1H), 6.77 (s, 2H), 5.13 (s, 2H), 4.49 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 4.09 (t, J = 6 Hz, 4H), 3.90 (q, J = 4Hz, 4H), 3.57 (q, J = 6.8 Hz, 4H), 3.41 (q, J = 6.4 Hz, 4H), 2.40-2.22 (m, 8H), 2.00 (s, 6H), 1.95-1.66 (m, 30H), 1.50-1.27 (m, 37H), 0.87 (t, J = 6.4 Hz, 11H) ppm.MS(m+1)=1078.6、Rt=1.20分(LC方法4)。
【0390】
実施例22の合成:((2−(((4−(ジエチルアミノ)ブタノイル)オキシ)メチル)−1,4−フェニレン)ビス(オキシ))ビス(ペンタン−5,1−ジイル)ビス(4,4−ビス(オクチルオキシ)ブタノエート)
中間体22a:メチル4−(ジエチルアミノ)ブタノエート
【0391】
【化66】
500ml封管中で、メチル4−ブロモブタノエート(30.0g、165.7mmol)を乾燥THF(200ml)中に取り込んだ。ジエチルアミン(86ml、828.7mmol)を加えた。得られた混合物を70℃で16時間撹拌し、TLCによりモニターした。次いで反応混合物を水(200ml)で希釈し、EtOAc(2×500ml)で抽出した。合わせた有機層をブライン(500ml)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、減圧下で濃縮して、25g(収率87%)の所望の生成物を淡褐色液体として得た。TLC:EtOAc:ヘキサン(3:7)、Rf=0.2、ヨウ素およびPMA染色活性。
【0392】
中間体22b:2:4−(ジメチルアミノ)ブタン酸
【0393】
【化67】
丸底フラスコ中で、中間体22a(25.0g、144.4mmol)および6N HCl(200ml)の混合物を加熱し、7時間還流した。反応をTLCによりモニターした。次いで反応混合物を蒸発し、乾燥して、26g(収率92%)の所望の生成物を白色固体として得た。TLC:メタノール:ジクロロメタン(1:9)、Rf=0.13、ヨウ素およびPMA染色活性。
【0394】
実施例22:((2−(((4−(ジエチルアミノ)ブタノイル)オキシ)メチル)−1,4−フェニレン)ビス(オキシ))ビス(ペンタン−5,1−ジイル)ビス(4,4−ビス(オクチルオキシ)ブタノエート)
【0395】
【化68】
丸底フラスコ中で、中間体21d(190mg、0.196mmol)、中間体22b(0.581g、4.75mmol)およびDIPEA(0.15ml、0.784mmol)をジクロロメタン(10ml)中に取り込んだ。EDC(75mg、0.393mmol)を一度に加えた後、DMAP(48mg、0.393mmol)を加えた。反応物を周囲温度で16時間撹拌し、TLCによりモニターした。反応混合物を20mlの水によりクエンチし、DCM(3×50ml)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発乾固して、粗固体を得た。生成物をメタノール/ジクロロメタン(4%)を溶離液として用いてフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル230〜400メッシュ)により精製して、140mg(収率64%)の所望の生成物を浅黄色の粘性液体として得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ = 0.82 (t, J = 7.10 Hz, 12H) 0.85-1.00 (m, 6H) 1.09-1.32 (m, 40H) 1.37-1.55 (m, 12H) 1.58-1.67 (m, 4H) 1.67-1.78 (m, 6H) 1.79-1.93 (m, 4H) 2.24-2.52 (m, 12H) 3.33 (dt, J = 9.26, 6.68 Hz, 4H) 3.50 (dt, J = 9.05,6.72 Hz, 4H) 3.78-3.91 (m, 4H) 3.95-4.07 (m, 4H) 4.42 (t, J =5.62 Hz, 2H) 5.07 (s, 2H) 6.70 (d, J = 1.71 Hz, 2H) 6.82 (s, 1H).MS(m+1)=1107.9、Rt=2.98分(LC方法5)。
【0396】
実施例23:((2−(((1,4−ジメチルピペリジン−4−カルボニル)オキシ)メチル)−1,4−フェニレン)ビス(オキシ))ビス(ペンタン−5,1−ジイル)ビス(4,4−ビス(オクチルオキシ)ブタノエート)
【0397】
【化69】
DCM(10mL)中1,4−ジメチルピペリジン−4−カルボン酸(120mg、0.76mmol)およびNEt
3(0.3mL、2.03mmol)の溶液に塩化2,4,6−トリクロロベンゾイル(185mg、0.76mmol)を30℃で1滴ずつ徐々に加え、4時間撹拌した。その後、DCM(5mL)中中間体21d(490mg、0.51mmol)およびDMAP(124mg、1.01mmol)を加え、反応物を20時間撹拌した。反応の進行をTLCによりモニターした。反応混合物をH
2O(20mL)でクエンチし、DCM(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発乾固して、粗固体を得た。生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル(230〜400メッシュ))により精製した。生成物をDCM中4%メタノールで溶出して、430mg(収率77%)の表題化合物を浅黄色の粘性液体として得た。
1H NMR (400MHz, CD
2Cl
2): δ = 6.86 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.75-6.83 (m, 2H), 5.12 (s, 2H), 4.45 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 4.07 (t, J = 6.7 Hz, 4H), 3.87-3.96 (m, 4H), 3.54 (dt, J = 9.3, 6.7 Hz, 4H), 3.38 (dt, J = 9.3, 6.7 Hz, 4H), 2.59 (br s, 2H), 2.35 (t, J = 7.6 Hz, 4H), 2.03-2.29 (m, 7H), 1.83-1.92 (m, 4H), 1.73-1.83 (m, 4H), 1.64-1.74 (m, 4H), 1.44-1.60 (m, 13H), 1.18-1.38 (m, 41H), 1.21 (s, 3H), 0.84-0.93 (m, 12H).MS(m+1)=1105.2、Rt=1.34分(LC方法6)。
【0398】
実施例24の合成:8−(4−((5−((4,4−ビス(オクチルオキシ)ブタノイル)オキシ)ペンチル)オキシ)−2−(((4(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)メチル)フェノキシ)オクチルデカノエート
中間体24a:8−(2−ホルミル−4−ヒドロキシフェノキシ)オクチルデカノエート
【0399】
【化70】
2,5−ジヒドロキシベンズアルデヒドおよびデカン酸8−((メチルスルホニル)オキシ)オクチルから中間体20bの合成に用いたのと同様の方法を用いて調製することができる。TLC:EtOAc:ヘキサン(2:8):Rf=0.9。
【0400】
中間体24b:8−(4−((5−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)ペンチル)オキシ)−2−ホルミルフェノキシ)オクチルデカノエート
【0401】
【化71】
中間体24aおよび5−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)ペンチルメタンスルホネートから中間体20bの合成に用いたのと同様の方法を用いて調製することができる。TLC:EtOAc:ヘキサン(2:8):Rf=0.6。
【0402】
中間体24c:8−(2−ホルミル−4−((5−ヒドロキシペンチル)オキシ)フェノキシ)オクチルデカノエート
【0403】
【化72】
中間体24bから中間体20cの合成に用いたのと同様の方法を用いて調製することができる。TLC:EtOAc:ヘキサン(8:2):Rf=0.2。
【0404】
中間体24d:8−(4−((5−((4,4−ビス(オクチルオキシ)ブタノイル)オキシ)ペンチル)オキシ)−2−ホルミルフェノキシ)オクチルデカノエート
【0405】
【化73】
中間体24cから中間体20dの合成に用いたのと同様の方法を用いて調製することができる。TLC:メタノール:DCM(1:9):Rf=0.5。
【0406】
中間体24e:8−(4−((5−((4,4−ビス(オクチルオキシ)ブタノイル)オキシ)ペンチル)オキシ)−2−(ヒドロキシメチル)フェノキシ)オクチルデカノエート
【0407】
【化74】
中間体24dから中間体20eの合成に用いたのと同様の方法を用いて調製することができる。TLC:EtOAc:ヘキサン(2:8):Rf=0.4。
【0408】
実施例24:8−(4−((5−((4,4−ビス(オクチルオキシ)ブタノイル)オキシ)ペンチル)オキシ)−2−(((4(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)メチル)フェノキシ)オクチルデカノエート
【0409】
【化75】
DCM(30ml)中中間体24e(1.2g、1.43mmol)の溶液にEDC.HCl(550mg、2.87mmol)、DIPEA(0.75ml、4.31mmol)、DMAP(175mg、1.43mmol)およびN,N−ジメチルアミノ酪酸.HCl(361mg、2.15mmol)を加えた。混合物を窒素雰囲気中で25℃で18時間撹拌した。反応の進行をTLCによりモニターした。反応混合物を水(200ml)で希釈し、DCM(2×150ml)で抽出し、合わせた有機層をブライン(100ml)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、減圧下で濃縮して、淡緑色液体を得た。生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル230〜400メッシュ)により精製した。生成物をDCM中5%メタノールで溶出して、550mg(収率42%)の淡緑色液体を得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ = 6.88 (s, 1H), 6.77 (s, 2H), 5.14 (s, 2H), 4.49 (t, J = 4 Hz, 1H), 4.11-4.04 (m, 4H), 3.92-3.89 (m, 4H), 3.57 (q, J = 6.8 Hz, 2H), 3.41 (q, J = 6.4 Hz, 2H), 2.40 (q, J = 8 Hz, 4H), 2.30 (m, 4H), 2.17 (s, 6H), 1.95-1.41 (m, 24H), 1.48-1.26 (m, 37H), 0.87 (t, J = 6.4Hz, 8H) ppm.MS(m+1)=948.4、Rt=1.10分(LC方法4)。
【0410】
実施例25の合成:8−(4−((5−((4,4−ビス(オクチルオキシ)ブタノイル)オキシ)ペンチル)オキシ)−3−(((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)メチル)フェノキシ)オクチルデカノエート
中間体25a:2−((5−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)ペンチル)オキシ)−5−ヒドロキシベンズアルデヒド
【0411】
【化76】
2,5−ジヒドロキシベンズアルデヒドおよび5−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)ペンチルメタンスルホネートから中間体20bの合成に用いたのと同様の方法を用いて調製することができる。
TLC:EtOAc:ヘキサン(2:8):Rf=0.9。
【0412】
中間体25b:8−(3−ホルミル−4−((5−ヒドロキシペンチル)オキシ)フェノキシ)オクチルデカノエート
【0413】
【化77】
DMF(40ml)中中間体25aの溶液に8−((メチルスルホニル)オキシ)オクチルデカノエート(3.3g、8.86mmol)およびK
2CO
3(1.6g、11.81mmol)を、続いてTBAI(500mg、0.74mmol)を加え、窒素雰囲気中で100℃で3時間加熱した。反応の進行をTLCによりモニターした。反応混合物を水(100ml)で希釈し、EtOAc(2×150ml)で抽出し、合わせた有機層をブライン(200ml)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、減圧下で濃縮して、淡褐色液体を得た。生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル100〜200メッシュ)により精製した。生成物をヘキサン中20%EtOAcで溶出して、1.2g(収率41%)の灰色がかった白色固体を得た。TLC:EtOAc:ヘキサン(2:8):Rf=0.6。
【0414】
中間体25c:8−(4−((5−((4,4−ビス(オクチルオキシ)ブタノイル)オキシ)ペンチル)オキシ)−3−ホルミルフェノキシ)オクチルデカノエート
【0415】
【化78】
DCM(20ml)中中間体25b(300mg、0.59mmol)の溶液に4,4−ビス(オクチルオキシ)ブタン酸(305mg、0.88mmol)、EDC.HCl(227mg、1.18mmol)、DIPEA(0.31ml、1.77mmol)を加えた後、DMAP(72mg、0.59mmol)を加え、窒素雰囲気中で25℃で18時間撹拌した。反応の進行をTLCによりモニターした。反応混合物を水(100ml)で希釈し、DCM(2×50ml)で抽出し、合わせた有機層をブライン(100ml)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、減圧下で濃縮して、淡緑色液体を得た。生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル230〜400メッシュ)により精製した。生成物をDCM中5%メタノールで溶出して、300mg(収率61%)の淡緑色液体を得た。TLC:MeOH:DCM(1:9):Rf=0.5。
【0416】
中間体25d:8−(4−((5−((4,4−ビス(オクチルオキシ)ブタノイル)オキシ)ペンチル)オキシ)−3−(ヒドロキシメチル)フェノキシ)オクチルデカノエート
【0417】
【化79】
中間体25cから中間体20eの合成に用いたのと同様の方法を用いて調製することができる。TLC:EtOAc:ヘキサン(2:8):Rf=0.4。
【0418】
実施例25:8−(4−((5−((4,4−ビス(オクチルオキシ)ブタノイル)オキシ)ペンチル)オキシ)−3−(((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)メチル)フェノキシ)オクチルデカノエート
【0419】
【化80】
DCM(10ml)中中間体25d(0.3g、0.359mmol)の溶液にEDC.HCl(137.7mg、0.718mmol)、DIPEA(0.18ml、1.07mmol)、DMAP(43.8mg、0.359mmol)およびN,N−ジメチルアミノ酪酸.HCl(90.3mg、0.538mmol)を加えた。混合物を窒素雰囲気中で25℃で18時間撹拌した。反応の進行をTLCによりモニターした。反応混合物を水(200ml)で希釈し、DCM(2×150ml)で抽出し、合わせた有機層をブライン(100ml)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、減圧下で濃縮して、淡緑色液体を得た。生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル230〜400メッシュ)により精製した。生成物をDCM中5%メタノールで溶出して、150mg(収率44%)の淡緑色液体を得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 6.89 (s, 1H), 6.77 (s, 2H), 5.14 (s, 2H), 4.48 (t, J = 4 Hz, 1H), 4.10-4.04 (m, 4H), 3.94-3.87 (m, 4H), 3.55 (q, J = 6.4 Hz, 2H), 3.41 (q, J = 6.8 Hz, 2H), 2.40 (q, J = 7.6 Hz, 4H), 2.29 (m, 4H), 2.21 (s, 6H), 1.95-1.43 (m, 24H), 1.49-1.26 (m, 37H), 0.86 (t, J = 6.4Hz, 8H) ppm.MS(m+1)=948.4、Rt=1.09分(LC方法4)。
【0420】
実施例26の合成:((4−(((1,4−ジメチルピペリジン−4−カルボニル)オキシ)メチル)−1,3−フェニレン)ビス(オキシ))ビス(オクタン−8,1−ジイル)ビス(デカノエート)
中間体26a:デカン酸8−ヒドロキシオクチル
【0421】
【化81】
中間体26aは、カプリン酸および1,8−オクタンジオールから中間体17aの合成に用いたのと同様の方法を用いて調製することができる。TLC:EtOAc:ヘキサン(4:6):Rf=0.6。
【0422】
中間体26b:8−((メチルスルホニル)オキシ)オクチルデカノエート
【0423】
【化82】
中間体26bは、中間体26aから中間体20aの合成に用いたのと同様の方法を用いて調製することができる。TLC:EtOAc:ヘキサン(2:8):Rf=0.5。
【0424】
中間体26c:((4−ホルミル−1,3−フェニレン)ビス(オキシ))ビス(オクタン−8,1−ジイル)ビス(デカノエート)
【0425】
【化83】
中間体26cは、中間体26bから中間体20bの合成に用いたのと同様の方法を用いて調製することができる。TLC:EtOAc:ヘキサン(2:8):Rf=0.6。
【0426】
中間体26d:((4−(ヒドロキシメチル)−1,3−フェニレン)ビス(オキシ))ビス(オクタン−8,1−ジイル)ビス(デカノエート)
【0427】
【化84】
中間体26dは、中間体26cを用いて中間体20eの合成に用いたのと同様の方法を用いて調製することができる。TLC:EtOAc:ヘキサン(2:8):Rf=0.4。
【0428】
実施例26:((4−(((1,4−ジメチルピペリジン−4−カルボニル)オキシ)メチル)−1,3−フェニレン)ビス(オキシ))ビス(オクタン−8,1−ジイル)ビス(デカノエート)
【0429】
【化85】
DCM(15ml)中1,4−ジメチルピペリジン−4−カルボン酸(167mg、1.06mmol)の冷溶液にトリエチルアミン(0.40ml、2.83mmol)を、続いて塩化2,4,6−トリフルオロベンゾイル(0.17ml、1.06mmol)を加え、窒素雰囲気中で25℃で2時間撹拌した。その後、DCM(5ml)中中間体26d(500mg、0.70mmol)を加え、得られた反応混合物を25℃でさらに2時間撹拌した。反応の進行をTLCによりモニターした。反応混合物を水(100ml)で希釈し、DCM(2×50ml)で抽出し、合わせた有機層をブライン(100ml)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、減圧下で濃縮して、淡緑色液体を得た。生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル230〜400メッシュ)により精製した。生成物をDCM中5%メタノールで溶出して、510mg(収率85%)の淡緑色液体を得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ = 7.17 (d, J =8.4 Hz, 1H), 6.41 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 5.07 (s, 2H), 4.03 (t, J = 7.2 Hz, 4H), 3.91 (t, J = 6Hz, 4H), 2.62 (bs, 2H), 2.282-2.231 (m, 7H), 2.18-2.06 (m, 4H), 1.78-1.11 (m, 57H), 0.84 (t, J = 6.8 Hz, 6H) ppm.MS(m+1)=844.3、Rt=1.02分(LC方法4)。
【0430】
実施例27および実施例28は、適切なカルボン酸カップリングパートナーを用いて実施例26の合成に用いたのと同様のカップリング法を用いて調製することができる。
【0431】
実施例27:((4−(((4−(ジメチルアミノ)ブタノイル)オキシ)メチル)−1,3−フェニレン)ビス(オキシ))ビス(オクタン−8,1−ジイル)ビス(デカノエート)
【0432】
【化86】
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ = 7.21 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 6.41-6.47 (m, 2H), 5.10 (s, 2H), 4.07 (td, J = 6.7, 0.9 Hz, 4H), 3.95 (t, J = 6.5 Hz, 4H), 2.36 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.30 (t, J = 7.6 Hz, 6H), 2.22 (s, 6H), 1.73-1.86 (m, 6H), 1.58-1.69 (m, 8H), 1.41-1.51 (m, 4H), 1.33-1.41 (m, 12H), 1.19-1.33 (m, 24H), 0.85-0.92 (m, 6H).MS(m+1)=818.6、Rt=1.02分(LC方法6)。
【0433】
実施例28:((4−(((4−(ジエチルアミノ)ブタノイル)オキシ)メチル)−1,3−フェニレン)ビス(オキシ))ビス(オクタン−8,1−ジイル)ビス(デカノエート)
【0434】
【化87】
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ = 7.17-7.24 (m, 1H), 6.40-6.47 (m, 2H), 5.10 (s, 2H), 4.07 (td, J = 6.7, 1.2 Hz, 4H), 3.94 (td, J = 6.5, 1.1 Hz, 4H), 2.33-2.87 (br s, 6H), 2.37 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.30 (t, J = 7.5 Hz, 4H), 1.71-1.93 (m, 6H), 1.55-1.70 (m, 8H), 1.41-1.52 (m, 4H), 1.33-1.41 (m, 12H), 1.19-1.33 (m, 24H), 0.96-1.19 (br s, 6H), 0.83-0.93 (m, 6H).MS(m+1)=846.6、Rt=1.03分(LC方法6)。
【0435】
mRNA’s
mRNA転写プロコールの簡単な説明
次の機能要素、コンセンサスT7バクテリオファージDNA依存性RNAポリメラーゼプロモーター、5’非翻訳領域(UTR)、コザック配列、および読み取り枠、3’UTR、ならびに120ヌクレオチド長ポリアデノシン(ポリA120)尾部からなるmRNA転写カセットを含む環状プラスミドDNA鋳型を構築する。該プラスミドDNA鋳型は、大腸菌(E. coli)において増加し、単離され、ポリ120尾部の3’の直接の制限酵素消化により線状化する。プラスミドDNAをT7 RNAポリメラーゼ、リボヌクレオチド三リン酸、RNアーゼインヒビター、ピロホスファターゼ酵素、ジチオトレイトール、スペルミジンおよび酵素反応緩衝液と混ぜ合わせ、37℃で1時間インキュベートする。RNアーゼ I酵素を加えて、プラスミドDNA鋳型を消化し、37℃で0.5時間インキュベートする。塩化リチウムによる連続沈殿によりmRNAを単離し、70%エタノールでペレットを洗浄し、mRNAペレットを水に再懸濁し、イソプロパノールおよび酢酸ナトリウムで再沈殿させ、ペレットを再び70%エタノールで洗浄する。最終mRNAペレットを水に再懸濁する。
【0436】
【表2】
【0437】
TEV−hLeptin−GAopt−2xhBG−120A(配列番号
1)
配列機能要素:
タバコEtchウイルス(TEV)5’UTR:14〜154
最適コザック配列:155〜163
GeneArtにより最適化されたタンパク質受託番号NP_000221、配列コドンのアミノ酸1〜167をコードするヒトレプチン:164〜664
2ストップコドン:665〜670
ヒトベータ−グロビン3’UTRの2コピー:689〜954
120ヌクレオチドポリA尾部:961〜1080
【0438】
【化88】
【0439】
生物学的評価
mRNAのパッケージング
すべての装置および使い捨て消耗品は、製造業者によりRNアーゼ活性がないことが証明されたもの、またはRNアーゼZap試薬(Life Technologies)を用いることによりRNアーゼ不含有にされたものである。mRNAは、4:1の陽イオン性脂質アミン対mRNAリン酸の(N:P)モル比で封入されている。脂質(陽イオン性脂質、DSPC、コレステロールおよび脂質付加PEGまたはステルス脂質)は、エタノールに溶解する。モル比は、それぞれ40:10:38:2である。混合物を短時間超音波処理し、次いで、5分間緩やかに撹拌し、使用時まで37℃に維持する。mRNAは、Amicon Ultra−15遠心濃縮器を用いてクエン酸緩衝液pH5.8〜6.0中に入れ換え、最終濃度を0.5mg/mlに調整し、使用時まで37℃に保持する。等量のエタノール中脂質、クエン酸緩衝液中mRNAおよびクエン酸緩衝液単独をディスポーザブル注射器中に引き込む。脂質およびmRNAを含む注射器からつながるチューブをT字型継手に取り付け、クエン酸緩衝液単独を含む注射器からつながるチューブを、電源を備えた撹拌プレート上の撹拌棒を含む収集容器の上のT字型継手を出るチューブと対にする。注射器をシリンジポンプセットに設置して、内容物を1分当たり1mlの流量で放出する。
【0440】
ポンプを作動させ、脂質ナノ粒子中に収集したmRNAをSnakeSkin透析チューブ(10,000MWCO、Thermo Scientific)に移す。物質をRNアーゼおよび発熱物質不含有1×リン酸緩衝生理食塩水に対して4℃で終夜透析する。
【0441】
siRNAのパッケージング
脂質ナノ粒子(LNPs)は、等量の、アルコールに溶解した脂質とクエン酸緩衝液に溶解したsiRNAとを衝突噴流法により混合することによって形成させた。脂質溶液は、本発明の陽イオン性脂質化合物、ヘルパー脂質(コレステロール)、任意選択の中性脂質(DSPC)およびステルス脂質(S010、S024、S027またはS031)をアルコール中12mg/mLの標的を有する8〜16mg/mLの濃度で含む。siRNA対総脂質の比は、約0.05(重量/重量)である。LNP製剤が4つの脂質成分を含む場合、脂質のモル比範囲は、陽イオン性脂質については20〜70モルパーセントで、40〜60が標的であり、ヘルパー脂質のモルパーセントは、20〜70の範囲にあり、30〜50が標的であり、中性脂質のモルパーセントは、0〜30であり、PEG脂質のモルパーセントは、1〜6の範囲にあり、2〜5が標的である。siRNA溶液の濃度は、0.7〜1.0mg/mLの範囲にあり、4.5〜5.5を標的とするpH4〜6のクエン酸ナトリウム:塩化ナトリウム緩衝液中0.8〜0.9mg/mLの標的を有する。LNPsは、0.25〜2.0mmの内径を有する混合装置により衝突噴流法により10〜640mL/分の流量で等量の、エタノール中脂質溶液とクエン酸緩衝液に溶解したsiRNAとを混合することによって形成させる。混合LNP溶液は、希釈ステップの前に室温で0〜24時間保持する。次いで溶液を濃縮し、30〜500KDのMWカットオフを有する膜を用いる限外濾過法により適切な緩衝液を用いて透析濾過する。最終生成物を除菌し、4℃で保存する。
【0442】
mRNA封入の測定
脂質ナノ粒子内へのmRNAの封入の百分率は、Quant−iT Ribogreen RNA Assayキット(Life Technologies)を用いて測定する。LNP−mRNA懸濁液は、緩衝液(粒子外mRNA)および緩衝液+Triton X−100界面活性剤(総mRNA)においてアッセイする。計算される差は、粒子内部のmRNAである。キット中に提供されているRNAから1000ng/mL保存液を調製し、これを用いて、標準曲線(TEおよびTE+0.75%Triton X−100中0ng/ml、15.63〜1000ng/ml)を作成する。読み取り値が標準曲線の範囲(400〜2000倍)内にあるようにTE緩衝液およびTE緩衝液+0.75%Triton X−100中LNP−mRNA試料を調製する。384ウェルプレート(Costar非処理番号3573)に1ウェル当たり0.04mlの標準(2連で)または試料(3連で)を加える。Ribogreen試薬をTE緩衝液で240倍に希釈し、1ウェル当たり0.06mlを加える。ウェルの内容物を混合し、蛍光(励起=480nm、発光=520nm)を測定する。標準および試験試料値からバックグラウンド値(RNA無し)を差し引き、標準曲線を用いて試料中のRNAの濃度を決定する。試料+トリトンと緩衝液単独中試料の間の濃度の差を試料+トリトン濃度で割ることによって試料の封入の百分率を決定する。
【0443】
封入データ
【0444】
【表3】
【0445】
免疫学的データ
1.材料および方法
RNAレプリコン
様々なレプリコンを以下で用いる。一般的にこれらは、ベネズエラウマ脳炎ウイルス(VEEV)の非構造タンパク質、シンドビスウイルスに由来するパッケージングシグナルおよびシンドビスウイルスに由来する3’UTRを有するハイブリッドアルファウイルスゲノムである、VEEVベースのキメラレプリコン(VCR)に基づいている。さらに、本発明者らは、VEE生弱毒化ワクチンウイルスTC−83に基づくレプリコンを用いた。該レプリコンは、約10kb長であり、ポリA尾部を有する。
【0446】
アルファウイルスレプリコンをコードするプラスミドDNA(名称:vA375(TC83R−FLFPD.RSVF−runoff)またはvA803[VCR(ro)−X179A(TD)_HA])は、in vitroでのRNAの合成のための鋳型としての機能を果たした。レプリコンは、RNAの複製に必要なアルファウイルスの遺伝要素を含むが、粒子のアセンブリに必要な遺伝子産物のコードを欠いており、構造タンパク質は、目的のタンパク質(例えば、全長RSV Fタンパク質のような、免疫原)によって代わりに置き換えられ、したがって、レプリコンは、感染性粒子の生成を誘導することができない。アルファウイルスcDNAの上流のバクテリオファージT7プロモーターは、in vitroでのレプリコンRNAの合成を促進する。適切な制限エンドヌクレアーゼによるプラスミドDNAの線状化の後に、T7バクテリオファージ由来DNA依存性RNAポリメラーゼを用いてランオフ転写物を合成した。転写は、製造業者(Ambion)により提供された使用説明書に従ってヌクレオシド三リン酸(ATP、CTP、GTPおよびUTP)のそれぞれ7.5mMの存在下で37℃で2時間実施した。転写後、鋳型DNAをTURBO DNase(Ambion)で消化した。レプリコンRNAをLiClで沈殿させ、ヌクレアーゼ不含有水で復元した。キャップのないRNAは、使用者マニュアルに概説されているようにScriptCap m7Gキャッピングシステム(Epicentre Biotechnologies)を用いてワクシニアキャッピング酵素(VCE)により転写後にキャッピングした。この方法でキャッピングされたレプリコンは、「v」接頭辞が付与される。例えば、vA317は、VCEによりキャッピングされたA317レプリコンである。転写後にキャッピングされたRNAをLiClで沈殿させ、ヌクレアーゼ不含有水で復元した。RNA試料の濃度は、OD
260nmを測定することにより決定した。in vitro転写物の完全性は、変性アガロースゲル電気泳動により確認した。
【0447】
DlinDMAベースのLNPsの調製
RNAは、Jeffs et al. (2005) Pharmaceutical Research 22 (3):362-372およびMaurer et al. (2001) Biophysical Journal, 80:2310-2326に開示されている方法により本質的に調製したLNPsに封入した。LNPsは、10%DSPC(両性イオン)、40%陽イオン性脂質、48%コレステロールおよび2%PEGコンジュゲートDMG(2kDa PEG)から製造した。これらの割合は、総LNP中のモル%を意味する。
【0448】
DSPC(1,2−ジアステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン)は、Genzymeから購入した。コレステロールは、Sigma−Aldrichから入手した。PEGコンジュゲートDMG(1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール],アンモニウム塩)、DOTAP(1,2−ジオレオイル−3−トリメチルアンモニウム−プロパン,塩化物塩)およびDC−chol(3β−[N−(N’,N’−ジメチルアミノエタン)−カルバモイル]コレステロール塩酸塩)は、Avanti Polar Lipidsから入手した。
【0449】
手短に述べると、脂質をエタノール(2ml)に溶解し、RNAレプリコンを緩衝液(2ml、100mMクエン酸ナトリウム、pH6)に溶解し、これらを2mlの緩衝液と混合した後、1時間平衡化した。次いで混合物を1×PBSに対して一晩透析した。得られた生成物は、約70〜95%の封入効率を有するリポソームを含んでいた。
【0450】
フェレットにおける免疫付与のために、22.5mgの実施例1、5.9mgのDSPC、13.9mgのコレステロールおよび4.0mgのPEG2000コンジュゲートDMPE(カタログ番号880150P、Avanti Polar Lipid,Inc)を10mlのエタノールに溶解することにより、脂質作業溶液を新たに調製した。RNAの10mL作業溶液も100mMクエン酸緩衝液(pH6)中0.125mg/mlの濃度で調製した。作業脂質およびRNA溶液は、2つの10ccルアーロック注射器に充填する前に37℃で5分間加熱した。その後、2つの注射器をFEPチューブ(フッ素化エチレン−プロピレン;用いたすべてのFEPチューブは、2mmの内径および3mmの外径を有していた;Idex Health Scienceから入手)を用いてTeeミキサー(PEEK(商標)内径500μm連結具)に連結した。Tミキサーの出口にも別個のFEPチューブを取り付け、10mLのクエン酸緩衝液(pH6)を別個のチューブに接続した第3の10cc注射器に充填した。3つの注射器のすべてをシリンジポンプに装着し、1.0ml/分で駆動させた。チューブ出口は、撹拌棒を用いて緩やかに撹拌された20mlガラスバイアル中にミキサー内容物を収集するように配置した。RNアーゼ混入物を完全に不活性化するために実験の前にすべてのガラスバイアルを250℃で12時間焼いた。混合の終了時に、撹拌棒を取り出し、エタノール/水性溶液を室温に1時間平衡化させた。インキュベーションの後、エタノール/水性溶液を注射器に充填し、前述のTee連結法を用いて等量の100mMクエン酸緩衝液(pH6)と混合した。次に、LNPsを20mLに濃縮し、最終生成物を回収する前に接線流濾過により10〜15容積の1×PBSに対して透析した。TFFシステムおよび中空繊維濾過膜は、Spectrum Labs(Rancho Dominguez)から購入し、製造業者のガイドラインに従って用いた。100kDの孔径カットオフおよび8cm
2の表面積を有するポリスルホン中空繊維濾過膜を用いた。in vitroおよびin vivo実験のために1×PBSを用いて製剤を必要なRNA濃度に希釈した。
【0451】
RNAレプリコンの封入効率
封入されたRNAの百分率およびRNA濃度は、Quant−iT RiboGreen RNA試薬キット(Invitrogen)により製造業者の使用説明書に従って測定した。キット中に提供されているリボソームRNA標準を用いて標準曲線を作成した。色素の添加の前にLNPsを1×TE緩衝液(キットの)で10倍または100倍に希釈した。別途に、色素の添加の前にLNPsを0.5%Triton Xを含む1×TE緩衝液で10倍または100倍に希釈した(LNPsを破壊し、それにより総RNAをアッセイするため)。その後、等量の色素を各溶液に加え、次いで約180μLの各溶液を色素添加後に96ウェル組織培養プレートに2連で加えた。蛍光(Ex485nm、Em528nm)をマイクロプレートリーダーで読み取った。すべてのLNP製剤をRNAの封入量に基づいてin vivoで投与した。
【0452】
2.脂質ナノ粒子(LNP)製剤の特徴付け
Z平均粒子径および多分散指数を以下の表3に示す。
【0453】
【表4】
【0454】
3.マウスモデル(RSV)における免疫原性
RSV Fタンパク質をコードするvA375自己複製レプリコンを、下記の脂質を含むLNPsとして製剤化されたレプリコン(1ng)を用いて0および21日目に両側筋肉内ワクチン接種(脚当たり50μL)により、BALB/cマウスの1群当たり8匹の動物に投与した。すべての供試LNPsは、40%陽イオン性脂質、10%DSPC、48%コレステロールおよび2%PEG−DMGで構成され、同様の量のRNAを含んでいた。LNPsはすべて、同じ技術を用いて調製した。LNP製剤は、初回および追加免疫用に調製し、4℃で保存した。
【0455】
抗体の分析のために血清を14、36および49日目に採取した。表4に示すように、供試LNP製剤は、F特異的IgG力価の増加により判断されるように、わずか1ngの自己複製RNAによる免疫応答をもたらした。
【0456】
【表5】
【0457】
4.フェレットモデル(インフルエンザ)における免疫原性
1群当たり6匹の動物を含む合計7つの実験群(42匹の動物)を本試験に用いた。その内訳は、各RNA製剤の2つのワクチン用量(群2〜5)、アジュバント非含有(H1N1サブユニット)またはアジュバント含有(MF59/H1N1サブユニット)市販H1N1インフルエンザサブユニットワクチンをワクチン接種した2群(群6および7)ならびに偽ワクチン接種群(群1)である。RNA試験ワクチンは、構造遺伝子がH1N1インフルエンザA株、Cal07のHA遺伝子で置き換えられたアルファウイルスゲノムを運ぶ組換えDNAプラスミド(pDNA)に由来していた。次いでRNAは、筋肉内(IM)注射により宿主細胞に送達するための陽イオン性水中油型乳剤(CNE)またはLNPとして製剤化した。各製剤試験群のRNA濃度は、CNEで15および45mcgであり、LNPで5および15mcgであった。非ワクチン接種動物にはRNA試験ワクチンのビヒクル対照を偽ワクチン接種した。すべての試験ワクチンは、試験0日目にIM注射により投与し、試験56日目(第1の免疫付与の8週間後)に追加ワクチン接種を後続させた。
【0458】
表5にインフルエンザマイクロ中和データを要約し、表6に赤血球凝集抑制(HAI)力価を要約する。供試LNP製剤は、HA特異的中和およびHAI力価の増加により判断されるように、わずか5μgの自己増幅RNAによる免疫応答をもたらした。
【0459】
【表6】
【0460】
表6にフェレットモデルに基づくインフルエンザHAIデータを要約する。
【0461】
【表7】
【0462】
付録:LNP製剤用の有用なリン脂質
DDPC 1,2−ジデカノイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルコリン
DEPA 1,2−ジエルコイル−sn−グリセロ−3−ホスフェート
DEPC 1,2−エルコイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルコリン
DEPE 1,2−ジエルコイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルエタノールアミン
DEPG 1,2−ジエルコイル−sn−グリセロ−3[ホスファチジル−rac−(1−グリセロール...)
DLOPC 1,2−リノレオイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルコリン
DLPA 1,2−ジラウロイル−sn−グリセロ−3−ホスフェート
DLPC 1,2−ジラウロイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルコリン
DLPE 1,2−ジラウロイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルエタノールアミン
DLPG 1,2−ジラウロイル−sn−グリセロ−3[ホスファチジル−rac−(1−グリセロール...)
DLPS 1,2−ジラウロイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルセリン
DMG 1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン
DMPA 1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスフェート
DMPC 1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルコリン
DMPE 1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルエタノールアミン
DMPG 1,2−ミリストイル−sn−グリセロ−3[ホスファチジル−rac−(1−グリセロール...)
DMPS 1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルセリン
DOPA 1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−ホスフェート
DOPC 1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルコリン
DOPE 1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルエタノールアミン
DOPG 1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3[ホスファチジル−rac−(1−グリセロール...)
DOPS 1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルセリン
DPPA 1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスフェート
DPPC 1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルコリン
DPPE 1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルエタノールアミン
DPPG 1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3[ホスファチジル−rac−(1−グリセロール...)
DPPS 1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルセリン
DPyPE 1,2−ジフィタノイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン
DSPA 1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスフェート
DSPC 1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルコリン
DSPE 1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルエタノールアミン
DSPG 1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3[ホスファチジル−rac−(1−グリセロール...)
DSPS 1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルセリン
EPC 卵PC
HEPC 水素化卵PC
HSPC 高純度水素化ダイズPC
HSPC 水素化ダイズPC
LYSOPC MYRISTIC 1−ミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルコリン
LYSOPC PALMITIC 1−パルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルコリン
LYSOPC STEARIC 1−ステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルコリン
乳スフィンゴミエリンMPPC 1−ミリストイル,2−パルミトイル−sn−グリセロ3−ホスファチジルコリン
MSPC 1−ミリストイル,2−ステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルコリン
PMPC 1−パルミトイル,2−ミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルコリン
POPC 1−パルミトイル,2−オレオイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルコリン
POPE 1−パルミトイル−2−オレオイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルエタノールアミン
POPG 1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3[ホスファチジル−rac−(1−グリセロール)...]
PSPC 1−パルミトイル,2−ステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルコリン
SMPC 1−ステアロイル,2−ミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルコリン
SOPC 1−ステアロイル,2−オレオイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルコリン
SPPC 1−ステアロイル,2−パルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスファチジルコリン