特許第6732001号(P6732001)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フェイスブック,インク.の特許一覧

特許6732001クロスプラットフォーム広告ターゲティング
<>
  • 特許6732001-クロスプラットフォーム広告ターゲティング 図000002
  • 特許6732001-クロスプラットフォーム広告ターゲティング 図000003
  • 特許6732001-クロスプラットフォーム広告ターゲティング 図000004
  • 特許6732001-クロスプラットフォーム広告ターゲティング 図000005
  • 特許6732001-クロスプラットフォーム広告ターゲティング 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6732001
(24)【登録日】2020年7月9日
(45)【発行日】2020年7月29日
(54)【発明の名称】クロスプラットフォーム広告ターゲティング
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20200716BHJP
【FI】
   G06Q30/02 446
   G06Q30/02 470
   G06Q30/02 398
【請求項の数】14
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2018-235275(P2018-235275)
(22)【出願日】2018年12月17日
(62)【分割の表示】特願2015-556026(P2015-556026)の分割
【原出願日】2014年1月8日
(65)【公開番号】特開2019-61714(P2019-61714A)
(43)【公開日】2019年4月18日
【審査請求日】2018年12月17日
(31)【優先権主張番号】13/758,779
(32)【優先日】2013年2月4日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508178054
【氏名又は名称】フェイスブック,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110002974
【氏名又は名称】特許業務法人World IP
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】マートゥル、ニプン
【審査官】 塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−171151(JP,A)
【文献】 特開2011−258132(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0078725(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0302024(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
プロセッサが、オンラインシステムのユーザに提示される広告との相互作用についての記述を、コンピュータ機器を介して、前記オンラインシステムの前記ユーザに関連するユーザ識別情報を含むクッキーであって、コンピュータシステムに格納されたクッキーから受信し、
前記プロセッサが、前記クッキーに含まれる前記ユーザ識別情報から、前記オンラインシステムによって維持される前記ユーザのユーザプロファイルを識別し、
前記プロセッサが、前記オンラインシステムのユーザに提示される前記広告との前記相互作用についての前記記述を、前記コンピュータ機器を介して前記ユーザプロファイルに格納し、
前記プロセッサが、前記オンラインシステムの前記ユーザに提示される広告との相互作用であって、ソーシャルネットワーキングシステムの一ユーザに関連するとともに前記オンラインシステムに関連するモバイル機器上で動作するアプリケーションによって提供されるユーザ識別情報を含む前記相互作用を、モバイル機器を介して受信し、
前記プロセッサが、前記オンラインシステムによって維持される前記ユーザの前記ユーザプロファイルを、前記アプリケーションによって提供されるユーザ識別情報から識別し、
前記プロセッサが、前記オンラインシステムのユーザに提示される前記広告との前記相互作用についての前記記述を、前記モバイル機器を介して前記ユーザプロファイルに格納し、
前記プロセッサが、前記ユーザに対する追加の広告のリクエストであって、前記ユーザ識別情報を含むリクエストをリクエスト元の機器から受信し、
前記プロセッサが、前記ユーザプロファイルに格納された相互作用の記述から、前記ユーザが相互作用した広告を識別し、
前記プロセッサが、前記ユーザが相互作用した当該識別された広告に少なくとも部分的に基づいて、前記追加の広告を選択し、
前記プロセッサが、当該選択された広告を、前記ユーザへの提示のために前記リクエスト元の機器に供給することを備え
前記ユーザが相互作用した前記識別された広告に少なくとも部分的に基づいて前記追加の広告を選択することは、前記ユーザが以前に相互作用したことのない広告を選択することを含む、方法。
【請求項2】
前記コンピュータ機器を介して前記オンラインシステムの前記ユーザに提示される広告との前記相互作用についての記述は、前記コンピュータ機器を介して前記オンラインシステムの前記ユーザに提示される前記広告と、前記コンピュータ機器が当該コンピュータ機器を介して前記オンラインシステムの前記ユーザに提示される前記広告との前記相互作用に用いられた旨の指標と、前記コンピュータ機器を介して前記オンラインシステムの前記ユーザに提示される前記広告との相互作用の時刻とを識別するものである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記追加の広告のリクエストは、当該追加の広告を提示する機器の種類を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記機器の種類は、モバイル機器であるかまたはコンピュータ機器である、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記ユーザが相互作用した前記識別された広告に少なくとも部分的に基づいて前記追加の広告を選択することは、追加広告を提示する機器の種類とは異なる種類の機器を用いて、現時刻から閾値時間を超えて前記ユーザに提示される広告を選択することを含む、請求項に記載の方法。
【請求項6】
方法であって、
プロセッサが、オンラインシステムからユーザに提示される複数の広告との複数の相互作用を、複数種類のコンピュータ機器から受信し、一広告との各相互作用は、前記ユーザに関連するユーザ識別情報と、当該相互作用が行われたコンピュータ機器に関連する種類とを含むものであり、
前記プロセッサが、前記ユーザに関連するユーザプロファイルを前記オンラインシステムによって読み出し、
前記プロセッサが、前記ユーザが相互作用した複数の広告を識別する複数の記述を前記ユーザプロファイルに格納し、
前記プロセッサが、前記ユーザに対する追加の広告のリクエストであって、前記ユーザ識別情報を含むリクエストをリクエスト元の機器から受信し、
前記プロセッサが、前記ユーザプロファイルから前記ユーザが相互作用した複数の広告を識別し、
前記プロセッサが、前記ユーザが相互作用した当該識別された広告に少なくとも部分的に基づいて、前記追加の広告を選択し、
前記プロセッサが、当該選択された広告を、前記ユーザへの提示のために前記リクエスト元の機器に供給することを備え
前記ユーザが相互作用した前記識別された広告に少なくとも部分的に基づいて前記追加の広告を選択することは、前記リクエストに含まれる種類のアプリケーションを用いて前記ユーザが以前に相互作用したことのない広告を選択することを含む、方法。
【請求項7】
一記述は、前記ユーザが当該記述によって識別される一広告と相互作用した際の一コンピュータ機器に関連する種類を更に識別するものである、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記種類は、前記記述によって識別される前記広告に一モバイル機器を用いて相互作用した前記ユーザかどうかを識別するものである、請求項に記載の方法。
【請求項9】
一記述は、広告、当該広告と相互作用するのに用いられた機器の種類、及び、当該広告に前記ユーザが相互作用した時刻を含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記追加の広告のリクエストは、当該追加の広告を提示する機器の種類を含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記ユーザが相互作用した前記識別された広告に少なくとも部分的に基づいて前記追加の広告を選択することは、追加広告を提示する機器の種類とは異なる種類の機器を用いて、現時刻から閾値時間を超えて前記ユーザに提示される広告を選択することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
一記述は、前記ユーザが当該記述によって識別される一広告と相互作用した際のアプリケーションの種類を更に識別するものである、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記追加の広告のリクエストは、当該追加の広告を提示するアプリケーションの種類を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
方法であって、
プロセッサが、ソーシャルネットワーキングシステムのユーザに提示される複数の広告との複数の相互作用を複数種類のコンピュータ機器から受信し、一広告との各相互作用は、前記ユーザに関連するユーザ識別情報と、当該相互作用が行われたコンピュータ機器に関連する種類とを含むものであり、
前記プロセッサが、前記ユーザに関連するユーザプロファイルを前記ソーシャルネットワーキングシステムによって読み出し、
前記プロセッサが、前記ユーザが相互作用した複数の広告を識別する複数の記述を前記ユーザプロファイルに格納し、一記述は、一広告と、当該広告と相互作用するために用いられたコンピュータ機器に関連するタイプとを識別するものであり、
前記プロセッサが、前記ユーザに対する追加の広告のリクエストであって、前記ユーザ識別情報を含むリクエストをリクエスト元の機器から受信し、
前記プロセッサが、前記ユーザプロファイルから前記ユーザが相互作用した複数の広告を識別し、
前記プロセッサが、識別された広告以外の広告を選択し、
前記プロセッサが、当該選択された広告を、前記ユーザへの提示のために前記リクエスト元の機器に供給することを備え
前記識別された広告以外の広告を選択することは、前記リクエストに含まれる種類のアプリケーションを用いて前記ユーザが以前に相互作用したことのない広告を選択することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は広告に関し、特に多種類機器を介するオンラインシステムのユーザ用の広告を選択し、そうした広告に対するユーザ相互作用のトラッキングに関する。
【背景技術】
【0002】
広告収入は、ソーシャルネットワーキングシステム等のオンラインシステムの重要な収入源である。ユーザが広告に相互作用しやすくしてオンラインシステムに収入をもたらすために、広告に対するユーザの以前の相互作用が広告の選択に用いられる。あるエンティティに関連した広告にユーザが相互作用すると、そのユーザがそのエンティティに関連する別の広告に相互作用する可能性は高くなることから、そのユーザには同じエンティティに関連する別の広告が提示されやすくなっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、多種類機器を使ってコンテンツに相互作用するユーザが増えている。たとえば、スマートフォン等の他の機器と同様、デスクトップコンピュータからソーシャルネットワーキングシステムにユーザがアクセスすることもある。従来の広告選択技術は、様々な機器を介するユーザ相互作用を検討していない。たとえば、デスクトップコンピュータに表示される広告とのユーザ相互作用は、モバイル機器を介して提示される広告の選択に用いられない。このため、異なる機器を介して繰り返し広告がユーザに表示される可能性が高くなり、広告を提供するオンラインシステムへの潜在的収入が低下する。同様に、複数機器を使う同じユーザを識別できないことから、広告に対する印象やコンバーションなどの、広告に対する複数機器からのユーザ相互作用をトラッキングすることはできない。
【0004】
更に、モバイル機器にあるネイディブアプリケーションはクッキーを維持しないか、あるいは当該モバイル機器に対するユーザ活動をトラッキング及び分析するための類似機能を持たない。モバイル機器にあるウェブブラウザがユーザのブラウジング履歴をトラッキングするクッキーを維持するとしても、そのモバイル機器にある従来のネイティブアプリケーションはそうしたクッキーにはアクセスできず、広告選択のために当該ネイティブアプリケーションが利用できる情報は限定される。このことは、ユーザがコンテンツに相互作用するのに用いるモバイル機器や他の機器のための広告選択に用いられるネイティブアプリケーションを介して広告に相互作用する能力を制限する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施形態は、ユーザへ広告を提示する時に多種類の機器から受信した広告に対するユーザ相互作用をソーシャルネットワーキングシステム等のオンラインシステムが考慮できるようにする。ユーザがモバイル機器とコンピュータ機器(たとえばデスクトップまたはラップトップコンピュータ)のような多種類の機器から広告に相互作用すると、オンラインシステムは、多種類の機器から受信した広告に対する交互作用同士を関連付けることにより、異なる種類の機器を用いて同じ広告又は類似の広告がユーザに提示される可能性を減少させる。広告に対する相互作用には、ユーザプロファイルを読み出すためにオンラインシステムによって使用されるユーザ識別情報を含む。ユーザプロファイルには、ユーザが相互作用した広告についての記述が格納される。
【0006】
コンピュータ機器を用いてユーザが広告に相互作用すると、ユーザ識別情報とその広告とを含むクッキーがそのコンピュータ機器によって格納される。そのクッキーにオンラインシステムがアクセスしてユーザが相互作用した広告とユーザ識別情報とを識別し、その広告についての記述をそのユーザ識別情報に関連するユーザプロファイルに格納する。しかし、ユーザがモバイル機器で実行されているクライアントアプリケーションを用いて広告に相互作用する場合には、そのクライアントアプリケーションがそのモバイル機器の共有記憶場所にアクセスしてユーザ識別情報を読み出す。オンラインシステムに関連しかつモバイル機器上で実行されるアプリケーションは、ユーザ識別情報を共有記憶場所に格納し、当該モバイル機器上の他のアプリケーションがその共有記憶場所からユーザ識別情報を読み出せるようにする。一実施形態では、ユーザ識別は、共有記憶場所に格納される前にハッシュ化されるかあるいは符号化される。その後、クライアントアプリケーションは、読み出したユーザ識別情報とともに、オンラインシステムに対しユーザが相互作用した広告を識別する。
【0007】
こうして、広告に相互作用するのに用いた装置に関わらず、オンラインシステムにおけるユーザプロファイルによってユーザが相互作用した広告が識別される。その後、そのユーザに広告を提示するリクエストを受信したときには、オンラインシステムはそのリクエストからユーザ識別情報を読み出し、そのユーザ識別情報に関連するユーザプロファイルを読み出す。そのユーザプロファイルによって識別される広告に基づき、そのユーザに提示するための広告をオンラインシステムが選択する。たとえば、オンラインシステムは、ユーザに提示するための新規な広告が選択されるように、ユーザプロファイルによって識別される広告を選択肢から除外する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】ユーザのソーシャルネットワークとの関連を用いてモバイル機器ユーザをターゲットとした広告を読み出す一実施形態に係るシステム環境のブロック図である。
図1B】一実施形態に係る、ユーザに対して選択された広告を提示するモバイル機器上のアクティブなクライアントアプリケーションの表示の一例を示す。
図2】一実施形態に係る、ソーシャルネットワークのユーザに広告を提供するシステム環境のブロック図である。
図3】一実施形態に係る、ソーシャルネットワーキングシステムのシステムアーキテクチャの例示的なブロック図である。
図4】一実施形態に係る、モバイル機器を用いてソーシャルネットワーキングシステムからターゲット広告を読み出すプロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面は本開示の様々な実施形態を説明目的のみで示す。当業者であれば後述の説明から、ここで説明する実施形態の技術的思想から離れることなく、ここで説明する構造及び方法以外の代替実施形態を採用可能であると理解できるであろう。
【0010】
概要
図1Aは、モバイル機器ユーザのソーシャルネットワーキングシステムとの関連を用いて、ユーザをターゲットとした広告を読み出すシステム環境100のブロック図である。図1Aに示すシステム環境100は、クライアントアプリケーション110を含むモバイル機器105を備える。クライアントアプリケーション110は、モバイル機器105のユーザにコンテンツを提示する如何なるアプリケーションであってもよい。クライアントアプリケーション110が提示するコンテンツは、1つまたは複数の広告を含んでいてもよい。たとえば、クライアントアプリケーション110は、モバイル機器ユーザにニュースおよび広告を表示するニュースアプリケーションである。
【0011】
広告を提供するため、クライアントアプリケーション110は、ユーザに提示する広告を読み出す広告アプリケーション115を含む。ユーザプロファイルまたはユーザプロファイルグループに関連する広告は、ターゲット広告として知られている。広告アプリケーション115は、モバイル機器105に格納されたユーザのユーザ識別(ID)情報125を読み出す。一実施形態において、ユーザID情報125は、モバイル機器105に含まれるソーシャルネットワーキングアプリケーション120に関連する。たとえば、ユーザID情報125は、ソーシャルネットワーキングシステム130内のユーザプロファイルに対してユーザを一意に関連付けるユーザ識別子を含む。ソーシャルネットワーキングアプリケーション120および広告アプリケーション115がより容易にユーザID情報125にアクセスできるように、ユーザID情報125はモバイル機器105の共有記憶場所に格納されてもよい。図1Aの例では、モバイル機器105に保持されたユーザ情報からユーザID情報125が導出されるように示されているが、別の実施形態では、ユーザID情報125は、モバイル機器105上のユーザ情報から独立して導出される。たとえば、ユーザID情報125は、ソーシャルネットワーキングシステム130または当該ソーシャルネットワーキングシステム130の外部のシステムが提供する識別子であってもよい。ソーシャルネットワーキングシステム130は、当該ソーシャルネットワーキングシステム130の各ユーザおよび各ソーシャルネットワーキングアプリケーション125とのユーザID情報125のマッピングを保持してもよい。
【0012】
一実施形態において、ソーシャルネットワーキングアプリケーション120は、ユーザID情報125をハッシュ化し、このハッシュ化したユーザID情報をモバイル機器105の共有記憶場所に格納する。ソーシャルネットワーキングアプリケーション120は、ユーザに関連する任意の情報項目からハッシュを生成するようにしてもよい。ユーザに関連する情報項目の例としては、アカウント識別子、電子メール、ログイン名、ソーシャルネットワーキングシステム130が使用する識別子、またはその他任意の適当な情報が挙げられる。ハッシュ化したユーザID情報は、広告アプリケーション115またはクライアントアプリケーション120によって読み出され、ソーシャルネットワーキングシステム130に伝達される。ソーシャルネットワーキングシステム130は、格納したユーザID情報を用いて、ハッシュ識別子を生成し、読み出したハッシュ化ユーザID情報をこのハッシュ識別子と比較する。ハッシュ識別子がハッシュ化したユーザID情報と一致する場合、ソーシャルネットワーキングシステム130は、ハッシュ識別子に関連するユーザプロファイルを読み出す。広告を選択するためのユーザに関する情報の取得またはモバイル機器105を用いてユーザが相互作用した広告を識別する情報の格納には、受信したユーザプロファイルを使用してもよい。ユーザID情報のハッシュ化については、2011年11月29日に出願された米国特許出願第13/306,901号に詳しく記載されており、その全内容を参照により本明細書中に援用する。
【0013】
広告アプリケーション115は、ユーザID情報125を含む広告リクエストをソーシャルネットワーキングシステム130に送信する。一部の実施形態において、広告リクエストは、1つまたは複数のリクエストパラメータをさらに含んでいてもよい。リクエストパラメータは、クライアントアプリケーション110に提供される広告を制限するためにソーシャルネットワーキングシステム130が使用可能な条件である。たとえば、リクエストパラメータによって、ソーシャルネットワーキングシステム130は、ユーザにこれまで表示されたことのない広告を選択する。
【0014】
ソーシャルネットワーキングシステム130は、図3と併せて以下に詳述するが、ユーザID情報125および広告リクエストからの任意の追加リクエストパラメータを用いて、1つまたは複数の広告を選択する。選択された広告のうちの1つまたは複数は、ソーシャルネットワーキングシステム130によって、クライアントアプリケーション110に提供される。一部の実施形態において、ソーシャルネットワーキングシステム130は、広告リクエストにより識別されるユーザが現在、ソーシャルネットワーキングアプリケーション120、モバイル機器105上のブラウザ、またはその他任意の適当な機構を介してソーシャルネットワーキングシステム130にログインしている場合、選択された広告にソーシャルコンテキスト情報を埋め込む。
【0015】
ソーシャルネットワーキングシステム130は、1つまたは複数の広告候補から広告を選択する。ここで、各広告候補は、少なくとも1つの広告オブジェクトに関連している。広告オブジェクトは、広告および関連する入札価格を含む。広告は一般的に、受け手に対して、製品またはサービスに関する何らかの行為を行わせるための任意のメッセージを含む。たとえば、広告は、取引の申し出を含む。
【0016】
1つまたは複数の広告主135は、ソーシャルネットワーキングシステム130に広告オブジェクトを提供する。一部の実施形態において、広告主135は、ソーシャルネットワーキングシステム130に広告オブジェクトを直接提供する。あるいは、広告主135は、広告ネットワークまたは広告交換器140を用いて間接的に、広告オブジェクトをソーシャルネットワーキングシステム130に提供するようにしてもよい。
【0017】
また、広告オブジェクトは、特定の広告を受け取るソーシャルネットワーキングシステムユーザの特性を指定するターゲティング基準を含んでいてもよい。広告主135は、ターゲティング基準を含まない広告オブジェクトを提供するようにしてもよい。ターゲティング基準が設けられていない場合、ソーシャルネットワーキングシステム130は、広告オブジェクトの内容を解析することにより、ユーザが行う相互作用の種類、ユーザ特性、および/またはグループ内のユーザ間のコネクションの種類を特性として使用可能なファジーマッチングアルゴリズムに基づいて、ターゲティング基準を推測するようにしてもよい。
【0018】
ソーシャルネットワーキングシステム130は、以下に詳述する通り、ユーザプロファイル、エッジオブジェクト、およびコンテンツオブジェクトを保持することによって、そのユーザに関する情報を提供する。これらのユーザプロファイル、エッジオブジェクト、およびコンテンツオブジェクトを解析することによって、広告の1つまたは複数のターゲティング基準と一致するユーザを識別するようにしてもよい。たとえば、ソーシャルネットワーキングシステム130は、1つまたは複数のターゲティング基準を満たす共通の特性を有するユーザのグループを識別する。1つまたは複数のターゲット広告は、1つまたは複数のターゲティング基準と一致するユーザに関連付けられる。たとえば、ソーシャルネットワーキングシステム130は、アーチェリー関連の広告の1つまたは複数のターゲティング基準と一致するユーザに対して、1つまたは複数のアーチェリー関連の広告を関連付ける。たとえば、ソーシャルネットワーキングシステムは、グループ内のユーザに関連するユーザ識別子を用いて、1つまたは複数のターゲティング基準と一致するユーザグループを生成する。このように、ユーザ識別子に基づいて、ユーザグループの一致するターゲティング基準が、当該ターゲティング基準と一致するユーザのユーザ識別子と関連付けられていてもよく、これにより、識別ユーザの一致するターゲティング基準をより効率的に識別可能となる。あるいは、ユーザの一致するターゲティング基準がユーザと関連付けられることで、受信したユーザ識別子に基づいて、ユーザの一致するターゲティング基準を読み出し可能となる。
【0019】
ソーシャルネットワーキングシステム130は、受信したユーザID情報125からユーザ識別子を抽出し、対応するユーザが満たす1つまたは複数のターゲティング基準を決定する。ソーシャルネットワーキングシステム130は、このターゲティング基準に基づいて、識別ユーザに対する1つまたは複数の広告候補を識別する。また、ソーシャルネットワーキングシステム130は、ターゲット広告リクエストに関連する任意のリクエストパラメータを抽出・適用し、広告候補プールのフィルタリングを行う。たとえば、ターゲット広告がこれまでクライアントアプリケーション110に提供されていないことをリクエストパラメータが指示している場合、ソーシャルネットワーキングシステム130は、これまでに提示された広告を広告候補から除外する。
【0020】
ソーシャルネットワーキングシステム130は、受信したユーザID情報125から識別されたユーザが満たす1つまたは複数のターゲティング基準に関連する広告を広告候補から選択する。たとえば、ターゲティング基準と一致するユーザ識別子グループに含まれるユーザ識別子に関連する広告を選択する。別の例として、ソーシャルネットワーキングシステム130は、広告候補それぞれの期待値に基づいてオークションを行い、このオークションに基づいて広告を選択する。ソーシャルネットワーキングシステム130は、内部オークション、外部オークション、または両者を行うことによって、クライアントアプリケーション110に提供するターゲット広告を選択するようにしてもよい。一部の実施形態において、ユーザソーシャルネットワーキングシステム130は、オブジェクトに含まれる広告候補を制限する。たとえば、ユーザまたは当該ユーザとコネクトしたユーザに関するその他の情報を用いて、オークションに含まれる広告候補の部分集合を選択する。あるいは、オークションに含まれる広告候補を制限しない。
【0021】
一部の実施形態において、ソーシャルネットワーキングシステム130または別の広告主は、当該ソーシャルネットワーキングシステム130が格納したユーザに関する情報に基づいて広告を選択するようにしてもよい。たとえば、ソーシャルネットワーキングシステム130が保持するユーザに関する情報は、ユーザがターゲット広告候補の広告主からのコンテンツをこれまでに視聴したこと、すなわち当該広告主に関連すること(たとえば、ソーシャルネットワーキングシステムにおいて、ユーザと広告主との間にコネクションが存在すること)を示す。この情報によって、ユーザがこれまでに相互作用した広告主からの広告が選択される可能性が高くなる場合があり、モバイル機器105を介してユーザが視聴したコンテンツに基づいて広告をリターゲットすることができる。
【0022】
一部の実施形態において、ソーシャルネットワーキングシステム130は、選択した広告にソーシャルコンテキスト情報を埋め込むようにしてもよい。ソーシャルコンテキスト情報を埋め込むため、ソーシャルネットワーキングシステム130は、モバイル機器105上のソーシャルネットワーキングアプリケーション120、モバイル機器105上で動作するブラウザ等を介して、ユーザがソーシャルネットワーキングシステム130にログインしているか否かを判定する。ユーザがソーシャルネットワーキングシステム130にログインしている場合、ソーシャルネットワーキングシステム130は、ユーザに関連するソーシャルコンテキスト情報を選択した広告に埋め込んでもよい。ソーシャルコンテキスト情報は、モバイル機器105のユーザとコネクトしたソーシャルネットワーキングシステム130の他のユーザによる、広告または当該広告に関連するオブジェクトに伴う行為を識別する。たとえば、ユーザXがユーザYおよびZとコネクトしており、選択した広告中の製品に関連するソーシャルネットワーキングシステム130のページに対する好みをユーザYが表明している場合は、ユーザXへの配信時に選択した広告を修正することによって、「ユーザYがこの製品を気に入っている」旨のソーシャルコンテキスト情報を含めるようにする。
【0023】
そして、ソーシャルネットワーキングシステム130は、選択した広告をクライアントアプリケーション110に提供する。このクライアントアプリケーション110は、埋め込まれた任意のソーシャルコンテキストと併せて、選択された広告をユーザに提示する。たとえば、クライアントアプリケーション110は、選択された広告をユーザに表示し、選択された広告に関連する音声をユーザに対して再生し、あるいは、選択された広告をユーザに提示する。
【0024】
図1Bは、選択された広告150をユーザに提示するモバイル機器105上のアクティブなクライアントアプリケーション110の表示142の一例を示している。本明細書において、「アクティブなアプリケーション」とは、ユーザに対して現在、コンテンツを提示しているアプリケーションである。図1Bの例において、クライアントアプリケーション110は、クライアントコンテンツ145をユーザに提供するニュースアプリケーションであり、表示装置によって提示されたコンテンツ145内に、選択された広告150が埋め込まれている。ただし、他の実施形態において、選択された広告150は、ポップアップウィンドウ、バナー等の別個の表示で提示されてもよい。図1Bにおいては、アーチェリーに関心のあるユーザを識別する1つまたは複数のターゲティング基準をユーザが満たしているものとソーシャルネットワーキングシステム130が判定したことから、選択された広告150は、アーチェリーに関するものである。
【0025】
また、図1Bの例においては、選択された広告のリクエスト時にユーザがソーシャルネットワーキングシステム130にログインしていたものとソーシャルネットワーキングシステム130が判定したことから、図1Bの選択された広告150は、ソーシャルコンテキスト情報155を含む。
【0026】
システムアーキテクチャ
図2は、ソーシャルネットワークのユーザに広告を提供するシステム環境200のブロック図である。システム環境200は、ネットワーク220を介してソーシャルネットワーキングシステム130、サードパーティシステム109、1つまたは複数の広告主135、および広告交換器140に結合された1つまたは複数のモバイル機器105およびコンピュータ機器107を備える。種々の実施形態において、システム環境200は、別のトポロジまたは構成にて編成され、異なるモジュールや付加的なモジュールを備えてもよい。
【0027】
広告主135は、システム環境200中のエンティティに広告オブジェクトを提供し、これらの広告オブジェクトのうちの1つまたは複数が選択され、モバイル機器105のユーザに提示される。広告交換器140は、広告オブジェクトに関連する広告の意図する視聴者(たとえば、すべてのユーザ、特定のターゲットグループ等)への配信を容易化するシステムに対する広告主135からの広告オブジェクトの入札、購買、販売、またはこれらの何らかの組み合わせを容易にする。
【0028】
モバイル機器105は、ユーザ入力の受付ならびにネットワーク220を介したデータの送信や受信が可能な1つまたは複数のコンピュータ機器を備える。モバイル機器105の例としては、個人用デジタル補助装置(PDA)、携帯電話、スマートフォン、またはユーザの行為を記述するクッキーを用いずに動作するその他の機器が挙げられる。モバイル機器105は、セルラー通信、Wi−Fi通信、またはその両者に対応してもよい。
【0029】
また、コンピュータ機器107は、ユーザ入力の受付ならびにネットワーク220を介したデータの送信や受信が同じく可能であるが、ユーザの行為を記述するクッキーの格納も可能である。コンピュータ機器の例としては、デスクトップ型コンピュータ、ラップトップ型コンピュータ、ノートブック型コンピュータ、またはその他の類似機器が挙げられる。
【0030】
上述の通り、各モバイル機器105は、ソーシャルネットワーキングアプリケーション120およびクライアントアプリケーション110を含む。ソーシャルネットワーキングアプリケーション120によれば、ソーシャルネットワーキングシステムのユーザは、モバイル機器105およびネットワーク220を介して、ソーシャルネットワーキングシステム130とデータを交換可能である。これまでにソーシャルネットワーキングアプリケーション120を介してソーシャルネットワーキングシステム130にアクセスしたモバイル機器105の各ユーザのユーザID情報については、当該モバイル機器105に格納される。
【0031】
クライアントアプリケーション110は、モバイル機器ユーザにコンテンツを提示可能な任意のアプリケーションであってもよく、クライアントコンテンツと併せて広告を提示するように構成されている。たとえば、クライアントアプリケーション110は、ニュースコンテンツと併せて広告をユーザに表示するニュースアプリケーションであってもよい。また、クライアントアプリケーション110は、モバイル機器105ごとに異なってもよい。たとえば、クライアントアプリケーション110は、あるモバイル機器105上ではニュースアプリケーションであり、別個のモバイル機器105上では天気アプリケーションであってもよい。
【0032】
図1Aに関連して上述した通り、クライアントアプリケーション110は、広告リクエストをソーシャルネットワーキングシステム130に送信する広告アプリケーション115を含む。広告アプリケーション115は、モバイル機器105の共有記憶場所に格納されたソーシャルネットワーキングアプリケーション120に関連するユーザID情報125を読み出す。あるいは、広告アプリケーション115は、クライアントアプリケーション110に対して、共有記憶場所からユーザID情報125を読み出させる。ユーザID情報125を共有記憶場所に格納することによって、ソーシャルネットワーキングアプリケーション120は、クライアントアプリケーション110等の他のアプリケーションが、モバイル機器105を操作するソーシャルネットワーキングシステムのユーザを識別できるようになる。これにより、上記他のアプリケーションは、ソーシャルネットワーキングシステム130が保持するユーザID情報125に対応したユーザに関する情報に基づく広告を提供可能となる。ユーザID情報125が複数のユーザと関連付けられた実施形態において、広告アプリケーション115は、1つまたは複数のユーザに関連するユーザID情報125の要素を選択するようにしてもよい。広告アプリケーション115は、ユーザID情報125を用いて、当該ユーザID情報125を含む広告リクエストをソーシャルネットワーキングシステム130に送信する。また、広告アプリケーション115は、ソーシャルネットワーキングシステム130が選択した広告を受信し、クライアントアプリケーション110と通信して、受信した広告を表示する。一部の実施形態において、広告アプリケーション115は、ソフトウェア開発キット(SDK)を用いて作成したものであってもよい。ソーシャルネットワーキングシステム130は、ソフトウェア開発者がSDKソフトウェアを利用できるようにしてもよい。また、場合により、ソーシャルネットワーキングシステム130は、SDKソフトウェアの使用料を請求するようにしてもよい。
【0033】
モバイル機器105同士は、ネットワーク220を介して通信するように構成されている。あるモバイル機器105は、IOS(登録商標)およびANDROID(商標)等、当該モバイル機器105のネイティブオペレーティングシステム上で動作するアプリケーションプログラミングインタフェース(API)を介してソーシャルネットワーキングシステム130と相互作用するアプリケーション(たとえば、クライアントアプリケーション110、ソーシャルネットワーキングアプリケーション120等)を実行するようにしてもよい。また、広告アプリケーション115は、クライアントアプリケーション110とソーシャルネットワーキングシステム130および/またはソーシャルネットワーキングアプリケーション120との間の相互作用を可能にするものであってもよい。一部の実施形態において、モバイル機器105は、そのユーザがソーシャルネットワーキングシステム130からの広告を受信可能あるいはソーシャルネットワーキングシステム130と相互作用可能となるアプリケーションを実行する。
【0034】
一実施形態において、ネットワーク220は、標準的な通信技術やプロトコルを使用する。したがって、ネットワーク220は、イーサネット(登録商標)、802.11ファミリ規格、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、3G、4G、CDMA、デジタル加入者線(DSL)等の技術を用いた有線リンクや無線リンクを含んでいてもよい。ネットワーク220で使用するネットワーキングプロトコルの例としては、MPLS(Multi−Protocol Label Switching)、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)、UDP(User Datagram Protocol)、HTTP(HyperText Transport Protocol)、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)、およびFTP(File Transfer Protocol)等が挙げられる。ネットワーク220上で交換されるデータは、HTML(HyperText Markup Language)およびXML(eXtensible Markup Language)等の技術やフォーマットを用いて表すことができる。また、リンクのすべてまたは一部は、SSL(Secure Sockets Layer)、TLS(Transport Layer Security)、およびIPsec(Internet Protocol security)等の従来の暗号化技術を用いて暗号化可能である。
【0035】
図3は、ソーシャルネットワーキングシステム130のシステムアーキテクチャの例示的なブロック図である。ソーシャルネットワーキングシステム130は、ユーザプロファイルストア305、エッジストア310、コンテンツストア315、広告ストア320、グループ化モジュール325、アクションロガー330、アクションログ335、オークションモジュール340、ソーシャルコンテキストモジュール345、および通信モジュール350を備える。他の実施形態において、ソーシャルネットワーキングシステム130は、様々な用途に対して、付加的なモジュール、より少ないモジュール、または異なるモジュールを備えてもよい。ネットワークインタフェース、セキュリティ機能、ロードバランサ、フェイルオーバーサーバ、管理・ネットワーク運用コンソール等の従来の構成要素については、システムアーキテクチャの詳細が分かり難くなることがないように、図示していない。
【0036】
ユーザアカウント情報および他のユーザ向け関連情報は、ユーザプロファイルオブジェクトとしてユーザプロファイルストア305に格納される。たとえば、ソーシャルネットワーキングシステム130の各ユーザは、当該ユーザに固有かつそのユーザアカウント情報の一部をなす関連するユーザ識別子を有する。ユーザ識別子は、ユーザプロファイルストア305が保持するユーザプロファイルに格納される。ユーザプロファイルストア305に格納されたユーザプロファイル情報は、職歴、学歴、性別、趣味または嗜好、所在地等の個人的、人口学的、および他の種類の記述的情報を含めて、ソーシャルネットワーキングシステム130のユーザも記述している。また、ユーザプロファイル情報には、たとえば画像または映像等、ユーザが提供するその他の情報を格納してもよい。特定の実施形態において、ユーザの画像は、画像中に表示されたソーシャルネットワーキングシステム130のユーザのID情報で標識されてもよい。ユーザプロファイルストア305は、アクションログ335に格納され、コンテンツストア315のオブジェクトに行われる行為へのリファレンスも保持する。また、ユーザプロファイルストア305は、ユーザプロファイルに対応するユーザが現在、ソーシャルネットワーキングシステム130にログインしているか否かを示すデータも当該ユーザプロファイルに含む。また、ユーザプロファイルは、モバイル機器105から受信した情報であり、当該モバイル機器105を介してユーザがアクセスまたは視聴したコンテンツを識別する情報を含んでいてもよい。これにより、ユーザプロファイルは、ユーザが視聴したコンテンツを記述する情報を含むことができ、これを用いることによって、ユーザに提示する広告等のコンテンツを後で選択するようにしてもよい。一実施形態において、コンテンツは、当該コンテンツにより広告主を判定可能な広告主識別子等の情報と関連付けられている。
【0037】
エッジストア310は、ソーシャルネットワーキングシステム130上のユーザと他のオブジェクトとの間のコネクションを記述した情報をエッジとして格納する。一部のエッジは、ユーザが規定したものであってもよく、これによりユーザは、他のユーザとの関係を指定可能である。たとえば、ユーザは、友人、同僚、パートナー等、現実の関係と同等な他のユーザとのエッジを生成してもよい。他のエッジについては、ソーシャルネットワーキングシステム130上のページへの関心の表明、ソーシャルネットワーキングシステム130の他のユーザとのリンクの共有、およびソーシャルネットワーキングシステム130の他のユーザによる投稿へのコメント等、ユーザがソーシャルネットワーキングシステム130中のオブジェクトと相互作用した場合に生成される。
【0038】
また、エッジストア310は、オブジェクト、関心、および他のユーザに対するアフィニティスコア等、エッジに関する情報も含む。アフィニティスコアは、ソーシャルネットワーキングシステム130によって経時的に演算することにより、ユーザが行った行為に基づいて、ソーシャルネットワーキングシステム130中のオブジェクト、関心、および他のユーザに対するユーザの親密度を概算するようにしてもよい。親密度の演算については、2010年12月23日に出願された米国特許出願第12/978,265号に詳しく記載されており、その全内容を参照により本明細書中に援用する。一実施形態においては、エッジストア310の1つのエッジに、ユーザと特定のオブジェクトとの間の複数の相互作用を格納するようにしてもよい。たとえば、マイルスデイビスのアルバム「Kind of Blue」から複数の歌曲を再生するユーザは、当該ユーザと異なる歌曲との間には複数のエッジを有してもよいが、当該ユーザとマイルスデイビスのオブジェクトとの間には1つのエッジのみを有する。
【0039】
コンテンツストア315は、画像、映像、および音声ファイル等、ユーザプロファイルに関連するコンテンツ項目を格納する。コンテンツストア315のコンテンツ項目は、ユーザプロファイルの視聴時にまたはユーザプロファイルに関連する他のコンテンツの視聴時に表示するようにしてもよい。たとえば、表示されるコンテンツ項目は、ユーザプロファイルに関連する画像または映像を示してもよいし、ユーザのステータスを記述したテキストを示してもよい。また、他のコンテンツ項目により、他のユーザへのコネクションの拡大、システムへの新規ユーザの招待、またはソーシャルネットワーキングシステム130のユーザ、オブジェクト、アクティビティ、もしくは機能に関連するコンテンツを表示することによるソーシャルネットワーキングシステムとの相互作用の増大をユーザに促すことによって、ユーザの関与を容易化するようにしてもよい。ソーシャルネットワーキングコンテンツ項目の例としては、他の行為を行うための推奨コネクションまたは提案、ソーシャルネットワーキングシステム130に提供される媒体またはソーシャルネットワーキングシステム130が保持する媒体(たとえば、写真または映像)、ソーシャルネットワーキングシステム130のユーザが投稿したステータスメッセージまたはリンク、イベント、グループ、ページ(たとえば、組織または営利エンティティを表す)、およびソーシャルネットワーキングシステム130が提供するその他任意のコンテンツまたはソーシャルネットワーキングシステム130を介してアクセス可能なその他任意のコンテンツが挙げられる。
【0040】
一実施形態では、広告オブジェクトは広告ストア320に格納されるが、他の実施形態では、広告オブジェクトがコンテンツストア315に格納されてもよい。広告オブジェクトは、広告主135および広告交換器140のうちの1つまたは複数から受信したものであってもよい。広告オブジェクトは、広告および関連する入札額を含み、また、広告の提示の条件を満たしているユーザの1つまたは複数の特性を指定するターゲティング基準を含んでいてもよい。入札額は、ユーザへの広告の提示もしくは広告とのユーザの相互作用のため、またはその他任意の適当な基準に基づいて、広告主135がソーシャルネットワーキングシステム130に提供する補償の額を指定する。この入札額を用いることによって、ソーシャルネットワーキングシステム130がユーザに広告を提示する期待値を決定するようにしてもよい。たとえば、入札額は、広告が表示された場合にソーシャルネットワーキングシステム130が広告主から受け取る金額を指定し、この入札額に広告へのアクセス確率を乗算することによって、期待値を決定する。
【0041】
一実施形態において、ソーシャルネットワーキングシステム130は、受信した広告オブジェクトからターゲティング基準を読み出すグループ化モジュール325を備える。グループ化モジュール325は、ユーザプロファイルストア305、エッジストア315、およびアクションログ335、あるいはユーザプロファイルストア305、エッジストア315、またはアクションログ335のユーザに関する情報にアクセスして、1つまたは複数のターゲティング基準を満たすユーザを識別する。一実施形態において、グループ化モジュール325は、あるグループのユーザが満たすターゲティング基準に対して、ユーザのグループを関連付ける。ユーザプロファイルグループは、当該グループに関連するターゲティング基準を満たす何らかの共通特性を有するユーザを含む。たとえば、ユーザグループは、1つまたは複数のユーザに関連するユーザ識別子を含む。
【0042】
グループ化モジュール325は、ユーザグループに対して1つまたは複数の広告を関連付けることにより、広告に関連するターゲティング基準を満たすユーザの選択を促進するようにしてもよい。たとえば、ソーシャルネットワーキングシステム130は、広告主からのターゲティング基準を読み出すことによって、これまで特定の場所にチェックインしたユーザを1つまたは複数の広告のターゲットとする。より一般的には、広告に関連するターゲティング基準を用いることによって、広告を受け取るユーザを識別するための任意のエッジ、行為、特性等の情報を識別するようにしてもよい。グループ化モジュール325は、ターゲティング基準およびアクセス情報により、当該ターゲティング基準が指定する特性を有する(たとえば、特定の場所へのチェックイン行為を行った)ユーザのグループを識別する。ターゲティング基準を満たすユーザに関連するユーザ識別子は、ユーザグループに含まれており、このユーザグループは、ターゲティング基準または広告と関連付けられてもよい。一部の実施形態において、広告に関連するターゲティング基準は、必ずしもオブジェクトを含んでいなくてもよい。たとえば、地方のマラソンを広告するため、これまでにマラソンを走ったことがあるユーザを識別するターゲティング基準を広告に含めるようにしてもよい。
【0043】
アクションロガー330は、ソーシャルネットワーキングシステム130上およびそれ以外、あるいはソーシャルネットワーキングシステム130上またはそれ以外でのユーザの行為に関するメッセージを受信し、ユーザの行為に関する情報をアクションログ335に追加する。このような行為としては、たとえば別のユーザとのコネクションの追加、別のユーザへのメッセージの送信、画像のアップロード、別のユーザからのメッセージの読み取り、別のユーザに関連するコンテンツの視聴、別のユーザが投稿したイベントへの参加等が挙げられる。また、他のオブジェクトに関連して記述された多数の行為が特定のユーザに向けられたものであるため、これらの行為についても、上記ユーザと関連付けられる。これらの行為は、アクションログ335に格納される。
【0044】
ユーザは、投稿へのコメント、リンクの共有、モバイル機器105を介した物理的な場所へのチェックイン、シーケンス中のコンテンツ項目へのアクセス、または他の相互作用等、ソーシャルネットワーキングシステム130上の様々なオブジェクトと相互作用してもよい。これらの行為を記述した情報は、アクションログ335に格納される。アクションログ335に含まれるソーシャルネットワーキングシステム130上のオブジェクトとの相互作用の別の例としては、フォトアルバムへのコメント、ユーザ間通信の許可、音楽家のファンになること、カレンダーへのイベントの追加、グループへの参加、ブランドページのファンになること、イベントの作成、アプリケーションの認証、アプリケーションの使用、および交流への参加等が挙げられる。また、アクションログ335は、ソーシャルネットワーキングシステム130上の広告およびソーシャルネットワーキングシステム130上で動作する他のアプリケーションとのユーザの相互作用を記録する。
【0045】
また、アクションログ335は、外部のウェブサイトで行われたユーザの行為を格納してもよい。たとえば、主にスポーツ用品を割引価格で販売する電子商取引ウェブサイトは、当該電子商取引ウェブサイトによるソーシャルネットワーキングシステム130のユーザの識別を可能とするソーシャルプラグインによって、ソーシャルネットワーキングシステム130の当該ユーザを認識するようにしてもよい。ソーシャルネットワーキングシステム130のユーザは一意に識別可能であるため、このスポーツ用品小売店等の電子商取引ウェブサイトは、当該ウェブサイトを訪問した際のこれらユーザに関する情報を使用するようにしてもよい。アクションログ335は、ウェブページ閲覧履歴、関与した広告、購入品、ならびに買物および購買の他のパターン等、これらユーザに関するデータを記録する。
【0046】
オークションモジュール340は、モバイル機器105上のクライアントアプリケーション110を介した提示等、ユーザに提示する広告を広告ストア320から選択する。一実施形態において、オークションモジュール340は、広告ストア320やグループ化モジュール325にアクセスして、ユーザに提示する広告候補を識別する。あるいは、オークションモジュール340は、ユーザ識別子を含む広告リクエストを受信し、識別ユーザが満たすターゲティング基準に関連する広告ストア320の広告候補を識別する。オークションモジュール340は、広告候補に関連する入札価格に基づいて広告候補をランク付けし、このランキングを用いて、モバイル機器105で提示する広告を選択する。種々の実施形態において、オークションモジュール340は、内部オークション、外部オークション、または両者を行うことによって、クライアントアプリケーション110に提供する広告を選択する。たとえば、オークションモジュール340は、関連する入札額および識別ユーザが様々な広告候補にアクセスする可能性に基づいて、広告候補の期待値を決定する。
【0047】
一部の実施形態において、オークションモジュール340は、ソーシャルネットワーキングシステム130に格納されたユーザに関するその他の情報に少なくとも部分的に基づいて、広告の選択を行ってもよい。たとえば、ユーザプロファイルストア305のユーザに関する格納情報は、ユーザがこれまでに視聴したコンテンツの広告主を示す。たとえば、ユーザプロファイル305は、ユーザがこれまでに視聴したことの識別子を識別するため、ユーザプロファイル305へのアクセスは、ユーザがこれまでにアクセスしたコンテンツを示す。また、広告の選択においては、ソーシャルネットワーキングシステム130によってユーザと関連付けられた別の情報を使用してもよい。たとえば、ユーザと広告主との間のコネクションをエッジストア310から読み出し、広告選択の因子として使用するようにしてもよい。オークションモジュール340は、アクションログ335、コンテンツストア315、広告ストア320、その他何らかのモジュール、またはこれらの何らかの組み合わせから情報を読み出すことによって、ユーザがこれまでに視聴したコンテンツを決定するようにしてもよい。たとえば、読み出した情報は、Jack’s Bow Hunting Supplyのコンテンツを最近ユーザが視聴したことを示してもよい。この場合、オークションモジュール340は、Jack’s Bow Hunting Supplyの任意の広告候補が選択される確率が高くなる(たとえば、広告の期待値が高くなる)ように重み付けしてよい。ユーザのユーザプロファイルに対してユーザがアクセスしたコンテンツを関連付けることにより、モバイル機器105上のアプリケーションのように、クッキー等の従来のトラッキングに対応していないソースからコンテンツにアクセスがあった場合であっても、ユーザがアクセスしたコンテンツの記録を保持可能となる。同様に、ユーザがJack’s Bow Hunting Supplyと関連付けられていれば、Jack’s Bow Hunting Supplyの広告候補も重みが増す。
【0048】
場合によっては、広告リクエストの中のユーザID情報125が複数のユーザと関連付けられる。オークションモジュール340は、ユーザID情報125により識別されたユーザの部分集合を識別するようにしてもよい。一実施形態において、オークションモジュール340は、ソーシャルネットワーキングアプリケーション120を介して現在、ソーシャルネットワーキングシステム130にログインしているユーザに関連する広告リクエストからユーザ識別子を選択する。たとえば、ソーシャルネットワーキングシステム130への最新のログイン、ソーシャルネットワーキングシステム130への最も頻繁なログイン、またはその他任意の適当な基準に基づいて、ユーザプロファイルを選択してもよい。あるいは、オークションモジュール340は、受信したユーザID情報125におけるユーザ間のコネクションに基づいて、当該受信したユーザID情報125からユーザプロファイルを選択するようにしてもよい。たとえば、オークションモジュール340は、受信したユーザID情報125により識別されたもののうち、共通のオブジェクトとコネクトしたユーザまたはグループ化モジュール325によって同じグループに含まれるユーザを選択する。たとえば、ユーザID情報125は、ユーザAおよびユーザBを指定するものであり、ここでユーザAはターゲティング基準XおよびYに関連するグループに含まれ、ユーザBはターゲティング基準YおよびZに関連するグループに含まれる。この例において、オークションモジュール340は、ターゲティング基準Zを含むグループをユーザID情報125と関連付ける。他の実施形態において、オークションモジュール340は、ユーザID情報125に含まれる各ユーザ識別子に関連するユーザプロファイルを識別する。
【0049】
広告リクエストが1つまたは複数のリクエストパラメータを含む場合、オークションモジュール340は、このリクエストパラメータを適用して、広告候補のランク付けの前に当該広告候補のフィルタリングを行う。リクエストパラメータは、たとえば広告候補がこれまでクライアントアプリケーション110に提供されていないパラメータ、特定サイズの広告候補、広告候補がクライアントアプリケーション110に提供された回数の閾値、広告候補に関連する期待値の閾値、広告候補のコンテンツ、またはこれらの何らかの組み合わせ等を指定するものであってもよい。
【0050】
ユーザID情報215により識別されたユーザが複数の広告のターゲティング基準を満たす場合、オークションモジュール130は、特定のターゲティング基準を選択するとともに、選択したターゲティング基準に関連する広告のランク付けを行ってもよい。オークションモジュール130は、ターゲティング基準に関連する広告の特性に基づいて、ターゲティング基準を選択するようにしてもよい。たとえば、最も高い平均期待値、最も高いもしくは最も低い表示頻度、またはその他任意の適用可能な特性を有する広告に関連するターゲティング基準を選択してもよい。他の実施形態において、オークションモジュール130は、含まれる広告の制限なく、広告を含むオークションを実行するようにしてもよい。
【0051】
ソーシャルコンテキストモジュール345は、ユーザID情報125により識別されたユーザに関連するソーシャルコンテキスト情報を識別して、選択された広告に含める。たとえば、ソーシャルコンテキストモジュール345は、ユーザプロファイルストア305からデータを読み出して、ユーザID情報125に関連するユーザが現在、ソーシャルネットワーキングシステム130にログインしているか否かを判定する。ユーザがログインしている場合、ソーシャルコンテキストモジュール345は、ユーザプロファイルストア305やエッジストア310のユーザとコネクトしたユーザを識別するとともに、ユーザプロファイルストア305またはアクションログ335のユーザとコネクトしたユーザの行為または特性を識別する。図1Bは、埋め込まれたソーシャルコンテキスト情報の一例、具体的には、ターゲット広告150に埋め込まれた「Brian and Dave like Robin’s Archery Supply(ブライアンとデイブはロビンのアーチェリー用品が好き)」を含む。
【0052】
通信モジュール350は、ネットワーク220を介して、ソーシャルネットワーキングシステム130からモバイル機器105や別の構成要素にデータを送受信するように構成されている。通信モジュール350は、リクエスト元の1つまたは複数のモバイル機器105から広告リクエストを受信し、当該広告リクエストの情報をソーシャルネットワーキングシステム130の構成要素に伝達する。また、通信モジュール350は、ネットワーク220を介して、ソーシャルネットワーキングシステム130が選択した広告および埋め込まれたソーシャルコンテキスト情報をリクエスト元のモバイル機器105に送信する。
【0053】
モバイル機器ユーザ向けの広告の選択
図4は、モバイル機器105を用いてソーシャルネットワーキングシステム130からターゲット広告を読み出すプロセス400の一実施形態のフローチャートである。モバイル機器上で動作するクライアントアプリケーション110は、当該モバイル機器105の共有記憶場所から、モバイル機器105上で動作するソーシャルネットワーキングアプリケーション120のユーザに関連するユーザID情報125を読み出す(405)。ここで、ソーシャルネットワーキングアプリケーション120は、モバイル機器105の共有記憶場所にユーザID情報125を格納するため、クライアントアプリケーション110等の他のアプリケーションがユーザID情報125を読み出し得る。一部の実施形態において、クライアントアプリケーション110は、共有記憶場所からユーザID情報125を読み出す(405)広告アプリケーション115を含む。
【0054】
クライアントアプリケーション110は、読み出したユーザID情報125に基づいて、当該読み出したユーザID情報125を含む広告リクエストをソーシャルネットワーキングシステム130に送信する(410)。
【0055】
ソーシャルネットワーキングシステム130は、広告リクエストを処理し、クライアントアプリケーション110を介して提示する広告を選択する。たとえば、ソーシャルネットワーキングシステム130は、格納した広告に関連するターゲティング基準や格納したユーザに関する情報に基づいて選択を行うようにしてもよい。一部の実施形態において、ユーザに関する格納情報は、ユーザがこれまでにターゲット広告候補の広告主からのコンテンツを視聴したことまたは当該広告主と関連付けられていることを示す。
【0056】
選択された広告は、クライアントアプリケーション110によってか、または広告アプリケーション115によって受信され(415)、クライアントアプリケーション110を介してユーザに提示される(420)。たとえば、クライアントアプリケーション110は、ターゲット広告のユーザへの表示、選択されたターゲット広告に関連する音声の再生等を行う。
【0057】
オンラインシステムユーザ用の広告選択
ユーザはモバイル機器105、107のような様々な種類の機器を用いてオンラインシステムに相互作用することがあるので、ユーザは広告などのオンラインシステムからのコンテンツに様々な機器から相互作用することがある。従来の広告選択技術は特定の一種類の装置から一ユーザと一広告との相互作用を識別することに限定されている。コンピュータ機器107用の広告を選択する際に、従来のオンラインシステムは広告に対するコンピュータ機器107からの以前の相互作用を考慮することがあるが、モバイル機器105を介した広告との相互作用を考慮することができない。このため、異なる種類の機器を介して同じユーザに似たような広告が提示されることとなり、異なる種類の機器に広告が何度も繰り返されるにつれ、広告とのユーザ相互作用の可能性が低下する。
【0058】
モバイル機器105の共有記憶場所から読み出されたユーザID情報を含む、モバイル機器105によって提示される広告とのユーザ相互作用についての記述を伝達することによって、オンラインシステムはモバイル機器105を介してユーザが相互作用した広告を識別できるようになる。たとえば、オンラインシステムに関連するアプリケーション及びモバイル機器105を介して広告を提示するアプリケーションによって使用されるモバイル機器105の共有記憶場所からユーザID情報が読み出される。一実施形態では、ソーシャルネットワーキングアプリケーション120がユーザID情報を共有記憶場所に格納し、広告アプリケーション115がそのユーザID情報を共有記憶場所から読み出し、広告との相互作用についての記述をユーザID情報を含むソーシャルネットワーキングシステム130に伝達する。オンラインシステムは、ユーザID情報から識別したユーザプロファイルに、その広告及び当該広告との相互作用についての記述を格納する。
【0059】
更に、オンラインシステムは、コンピュータ機器107を介して提示された広告との相互作用を記述する、コンピュータ機器107に格納されたクッキーから情報を読み出してもよい。このクッキーはコンピュータ機器107を用いて広告と相互作用するオンラインシステムのユーザを識別するためのユーザID情報、その広告、及びその広告との相互作用の種類を含むことができる。広告及びその広告との相互作用を機瑜ツするクッキーからの情報は、オンラインシステムによって、ユーザID情報に関連するユーザプロファイルに格納される。
【0060】
従って、オンラインシステムによって維持されるユーザプロファイルは、そのユーザプロファイルに対応するユーザが相互作用した広告を記述する情報を含む。その相互作用についての更なる情報がユーザプロファイルに含めてもよい。たとえば、相互作用の種類が格納されるとともに広告の記述と関連付けられてもよい。加えて、機器の種類が特定されてもよく、こうすることによって、相互作用がモバイル機器105を用いて行われたのかあるいはコンピュータ機器107を用いて行われたのかをオンラインシステムが判定できるようになる。アプリケーション識別子やアプリケーションの種類などの更なる情報をユーザプロファイルに格納してもよい。
【0061】
オンラインシステムが広告提示のリクエストを受信すると、オンラインシステムはそのリクエストからユーザID情報を読み出し、そのユーザ情報に関連するユーザプロファイルを識別する。ユーザプロファイルから、オンラインシステムはそのユーザプロファイルに対応するユーザが以前に相互作用した広告を識別し、当該ユーザが以前に相互作用した広告に基づいて、当該ユーザに提示するための広告を選択する。たとえば、オンラインシステムは、当該ユーザが以前に相互作用した広告を選択肢から除外して、より広範囲の広告を当該ユーザに提示できるようにする。ユーザプロファイルは、ユーザがモバイル機器105やコンピュータ機器107のような様々な種類の機器を用いて相互作用した広告を識別するので、同じ広告が繰り返しユーザに提示される可能性が低下する。たとえば、あるユーザがモバイル機器105を用いて広告に相互作用する場合、そのモバイル機器105の共有メモリからユーザIDを読み出すことによって、その広告とのユーザ相互作用をユーザプロファイルに反映させることができ、それ以降、そのユーザに対する広告の提示要求をコンピュータ機器107から受信した場合に、そのユーザプロファイルに基づき、オンラインシステムは、モバイル機器105を介する広告との先の相互作用を踏まえて、コンピュータ機器107を介して、その広告または類似の性質を有する広告が選択されることを回避する。
【0062】
一実施形態では、広告をユーザに提示するリクエストは、その広告を提示する機器の種類を識別してもよい。たとえば、そのリクエストは、モバイル機器105またはコンピュータ機器107がリクエストされた広告を表示するかどうかを示してもよい。オンラインシステムは、識別された種類の機器を用いて広告を選択してもよい。たとえば、オンラインシステムは、リクエストに含まれる種類の機器とは異なる種類の機器を用いて、現時刻から閾値時間を超えてユーザに提示される広告を選択してもよい。加えて、ユーザによる広告との相互作用を記述したユーザプロファイル内の情報は、広告との相互作用に用いるアプリケーションの種類と識別してもよい。広告提示のリクエストは、その広告を提示するためのアプリケーションを特定してもよく、この場合、広告と相互作用するのに以前に用いられたアプリケーションの種類、及び、広告を選択するときにその広告を提示するために用いられたアプリケーションの種類をオンラインシステムが考慮できるようになる。
【0063】
まとめ
上記実施形態の説明は、例示を目的として示しており、すべてを網羅するものでもなければ、本開示をその厳密な形態に制限するものでもない。当業者には当然のことながら、上記開示内容を踏まえた多くの改良および変形が可能である。
【0064】
本明細書の一部では、情報の操作に関するアルゴリズムおよび記号表現の観点での実施形態を説明している。これらのアルゴリズム的記述および表現は、データ処理技術分野の当業者がその業務内容を効果的に他の当業者に伝えるために、一般的に使用しているものである。これらの操作は、機能的、計算的、または論理的に記述しているものの、コンピュータプログラムまたは同等の電気回路、マイクロコード等により実装されることが了解される。さらに、一般性を失うことなく、これらの操作の構成をモジュールとして表すのが好都合となる場合があることも分かっている。上記操作およびその関連するモジュールは、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、またはこれらの任意の組み合わせにて具現化するようにしてもよい。
【0065】
本明細書に記載のステップ、操作、またはプロセスはいずれも、1つまたは複数のハードウェアまたはソフトウェアモジュールを単独または他の機器との組み合わせで用いて実行または実装するようにしてもよい。一実施形態において、ソフトウェアモジュールは、上記ステップ、操作、またはプロセスのいずれかまたはすべてを実行するコンピュータプロセッサにより実行可能なコンピュータプログラムコードを含むコンピュータ可読媒体を備えたコンピュータプログラム製品により実装される。
【0066】
また、実施形態は、本明細書で説明した動作を実行する装置に関していてもよい。この装置は、所要の目的のための専用機器を備えてもよく、コンピュータに格納されたコンピュータプログラムによって選択的に起動または再設定された汎用コンピュータ機器を備えてもよい。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータシステムバスに結合可能な有形のコンピュータ可読持続性記憶媒体または電子的命令を格納するのに適した任意の種類の媒体に格納されてもよい。さらに、本明細書において言及した任意のコンピュータシステムは、単一のプロセッサを備えてもよいし、マルチプロセッサ設計を採用して演算能力を増強したアーキテクチャであってもよい。
【0067】
また、実施形態は、本明細書に記載の演算プロセスにより生成される製品に関してもよい。このような製品は、演算プロセスの結果としての情報を含んでいてもよく、この情報は、有形のコンピュータ可読持続性記憶媒体に格納され、本明細書に記載のコンピュータプログラム製品等のデータ組み合わせの任意の実施形態を含んでいてもよい。
【0068】
最後に、本明細書に使用する表現は主に、読み易さおよび教示を目的として選択しており、その選択は、発明の主題の正確な記述または制限となっていない場合がある。したがって、実施形態の範囲は、この詳細な説明によってではなく、これを基とした出願に由来する任意の特許請求の範囲によって制限されるものとする。以上から、実施形態の開示は、以下の特許請求の範囲に記載する本開示の範囲を説明するためのものであり、当該範囲を制限するものではない。
図1A
図1B
図2
図3
図4