【文献】
NEOKLIS STYLIANIDES et al.,Organometallilcs,2007年,Volume 26,p. 5627-5635
【文献】
HUA-XIN ZHANG et al.,Journal of the Chemical Society, Dalton Transactions,2001年,Number 10,p. 1664-1669, 全8頁
【文献】
ANGELA P. BLUM et al.,Supplemental Information : Synthesis of N-Heterocyclic Carbene-Containing Metal Complexes from 2-(Pentafluorophenyl)imidazolidines,ORGANOMETALLICS,ACS Publications,2007年,Volume 26,p. S-1 - S-43,https://pubs.acs.org/doi/suppl/10.1021/om060949f/suppl_file/om060949fsi20070106_023627.pdf
【文献】
Tobias Ritter et al.,Supporting Information: Rate Acceleration in Olefin Metathesis through a Fluorine-Ruthenium Interaction,Journal of the American Chemical Society,ACS Publications,2006年,Volume 128 Number 36,p. S1 - S145,https://pubs.acs.org/doi/suppl/10.1021/ja064091x/suppl_file/ja064091xsi20060721_054652.pdf
【文献】
DATABASE REGISTRY [online],American Chemical Society,2001年 7月29日,RN: 349401-51-0,CN: Ethanediamide, N1,N2-bis(2-ethyl-6-methylphenyl)- (CA INDEX NAME) Supplier: ChemStar, Ltd. [検索日 2019.10.08] Retrieved from STNext <URL: http://www.stn.org>
【文献】
DATABASE REGISTRY [online],American Chemical Society,2007年 2月11日,RN: 920366-91-2,CN: Ethanediamide, N1,N2-bis(2-thienylmethyl)- (CA INDEX NAME) Supplier: Aurora Fine Chemicals [検索日 2019.10.08] Retrieved from STNext <URL: http://www.stn.org>
【文献】
MAHA HABASH et al.,Ligand-based modelling followed by synthetic exploration unveil novel glycogen phosphorylase inhibitory leads,Bioorganic & Medicinal Chemistry,Elsevier,2011年,Volume 19,pp. 4746-4771
【文献】
KAJAL CHAKRABORTY et al.,Chemical Hybridizing Agents for Chickpea (Cicer arietinum L.): Leads from QSAR Analysis of Ethyl Oxanilates and Pyridones,Journal of Agricultural and Food Chemistry,American Chemical Society,2006年,Volume 54,pp. 1868-1873
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記のRは置換または無置換のフェニル基、置換または無置換のナフチル基、置換または無置換のベンジル基、C1〜C4アルキル基、ピリジル基、アダマンチル基からなる群から選ばれ、
前記のRaは、
(a)OR’(ここで、前記のR’は置換または無置換のC1〜C6のアルキル基からなる群から選ばれる)、あるいは
(b)N(R’’)2(ここで、各R’’は、それぞれ独立にH、置換または無置換のC6〜C20のアリール基、置換または無置換の3〜20員のヘテロアリール基、置換または無置換のC7〜C25のアルキル基−アリール基、置換または無置換のC1〜C5のアルキル基−3〜20員のヘテロアリール基、置換または無置換のC3〜C20のシクロアルキル基、あるいは置換または無置換の3〜20員の複素環基からなる群から選ばれる;ここで、前記のヘテロアリール基または複素環基にN、OまたはSからなる群から選ばれるヘテロ原子が1〜5個含まれる;前記のシクロアルキル基または複素環基は単環、多環、スピロ環または橋架け環の構造でもよい)
から選ばれる、
ことを特徴とする請求項1に記載の使用。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、銅触媒によるハロゲン化アリール(特に塩化アリール)のカップリング反応に使用可能な触媒系を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第一の側面では、下記の式Iで表される化合物の使用であって、
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
(ただし、Rは、置換または無置換のC1〜C6のアルキル基、置換または無置換のC6〜C20のアリール基、置換または無置換の3〜20員のヘテロアリール基、置換または無置換のC7〜C25のアルキル基-アリール基、置換または無置換のC1〜C5のアルキル基-3〜20員のヘテロアリール基、置換または無置換のC3〜C20のシクロアルキル基、あるいは置換または無置換の3〜20員の複素環基からなる群から選ばれる。ここで、前記のヘテロアリール基または複素環基にN、OまたはSからなる群から選ばれるヘテロ原子が1〜5個含まれる。前記のシクロアルキル基または複素環基は単環、多環、スピロ環または橋架け環の構造でもよい。
【0012】
R
aは、 (a)OR'(ここで、前記のR'は置換または無置換のC1〜C6のアルキル基からなる群から選ばれる。)、あるいは(b)N(R'')
2(ここで、各R''は、それぞれ独立にH、置換または無置換のC6〜C20のアリール基、置換または無置換の3〜20員のヘテロアリール基、置換または無置換のC7〜C25のアルキル基-アリール基、置換または無置換のC1〜C5アルキル基-3〜20員のヘテロアリール基、置換または無置換のC3〜C20のシクロアルキル基、あるいは置換または無置換の3〜20員の複素環基からなる群から選ばれる。ここで、前記のヘテロアリール基または複素環基にN、OまたはSからなる群から選ばれるヘテロ原子が1〜5個含まれる。前記のシクロアルキル基または複素環基は単環、多環、スピロ環または橋架け環の構造でもよい。好ましくはN(R'')
2はNHR''である。)から選ばれる。
【0013】
R
bは、H、C1〜C6のアルキル基からなる群から選ばれるか、あるいはR
bはRおよび隣接する窒素原子とともに置換または無置換の3〜20員のヘテロアリール基、あるいは置換または無置換の3〜20員の複素環基を構成する。
【0014】
前記の置換とは、基における一つまたは複数の水素原子がハロゲン、C1〜C6アルキル基、ハロゲン置換のC1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、C6〜C10のアリール基、C6〜C10のアリール基-オキシ基、C2〜C10のエステル基(アルキル基-COO-)、C2〜C10のアシル基-アルコキシ基(アルキル基-OOC-)、C2〜C10のアシル基(アルキル基-CO-)、C2〜C10のアミド基(アルキル基/アリール基-NHC(O)-)、-COOH、ニトロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、1個または2個のC1〜C6のアルキル基で置換されたアミノ基からなる群から選ばれる置換基で置換されることをいう。)
【0015】
配位子として銅触媒による、塩化アリール、臭化アリール、ヨウ化アリール、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれるハロゲン化アリールのカップリング反応に使用されることを特徴とする使用を提供する。
【0016】
もう一つの好適な例において、前記のRは置換または無置換のフェニル基、置換または無置換のナフチル基、置換または無置換のベンジル基、置換または無置換のキノリニル基、置換または無置換の
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
置換または無置換のアダマンチル基、置換または無置換のC1〜C6アルキル基、置換または無置換の
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選ばれるか、
あるいはR、R
bおよび隣接する窒素原子とともに置換または無置換の、
【化6】
[この文献は図面を表示できません]
【化7】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選ばれる基を構成する。
【0017】
もう一つの好適な例において、前記のRは置換または無置換のフェニル基、置換または無置換のナフチル基、置換または無置換のベンジル基、C1〜C4アルキル基、ピリジル基、アダマンチル基からなる群から選ばれ、
【0018】
前記のR
aは、(a)OR'(ここで、前記のR'は置換または無置換のC1〜C6のアルキル基からなる群から選ばれる。)、あるいは (b)N(R'')
2(ここで、各R''は、それぞれ独立にH、置換または無置換のC6〜C20のアリール基、置換または無置換の3〜20員のヘテロアリール基、置換または無置換のC7〜C25のアルキル基-アリール基、置換または無置換のC1〜C5のアルキル基-3〜20員のヘテロアリール基、置換または無置換のC3〜C20のシクロアルキル基、あるいは置換または無置換の3〜20員の複素環基からなる群から選ばれる。ここで、前記のヘテロアリール基または複素環基にN、OまたはSからなる群から選ばれるヘテロ原子が1〜5個含まれる。前記のシクロアルキル基または複素環基は単環、多環、スピロ環または橋架け環の構造でもよい。)から選ばれる。
【0019】
もう一つの好適な例において、前記のR
aがNHR''である場合、前記のR''は置換または無置換のフェニル基、置換または無置換のナフチル基、置換または無置換のベンジル基、C1〜C4アルキル基、ピリジル基、アダマンチル基からなる群から選ばれる。
【0020】
もう一つの好適な例において、前記のR
aはNHR''である。
【0021】
もう一つの好適な例において、前記の置換とは、基における一つまたは複数の水素原子がハロゲン、メチル基、トリフルオロメチル基、エチル基、イソプロピル基、t-ブチル基、ジメチルアミノ基、メトキシ基、t-ブトキシ基、-Ac、CH
3NHC(O)-、フェニル基、フェノキシ基、-COOH、エステル基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基からなる群から選ばれる置換基で置換されることをいう。
【0022】
もう一つの好適な例において、前記のハロゲン化アリールは塩化アリールである。
【0023】
本発明の第二の側面では、ハロゲン化アリールのカップリング反応の方法であって、銅を触媒として、下記の式Iで表される化合物を配位子として使用し、前記のカップリング反応を行うことを含み、
【化8】
[この文献は図面を表示できません]
(ただし、Rは、置換または無置換のC1〜C6のアルキル基、置換または無置換のC6〜C20のアリール基、置換または無置換の3〜20員のヘテロアリール基、置換または無置換のC7〜C25のアルキル基-アリール基、置換または無置換のC1〜C5アルキル基-3〜20員のヘテロアリール基、置換または無置換のC3〜C20のシクロアルキル基、あるいは置換または無置換の3〜20員の複素環基からなる群から選ばれる。ここで、前記のヘテロアリール基または複素環基にN、OまたはSからなる群から選ばれるヘテロ原子が1〜5個含まれる。前記のシクロアルキル基または複素環基は単環、多環、スピロ環または橋架け環の構造でもよい。
【0024】
R
aは、(a)OR'(ここで、前記のR'は置換または無置換のC1〜C6のアルキル基からなる群から選ばれる。)、あるいは(b)N(R'')
2(ここで、各R''は、それぞれ独立にH、置換または無置換のC6〜C20のアリール基、置換または無置換の3〜20員のヘテロアリール基、置換または無置換のC7〜C25のアルキル基-アリール基、置換または無置換のC1〜C5アルキル基-3〜20員のヘテロアリール基、置換または無置換のC3〜C20のシクロアルキル基、あるいは置換または無置換の3〜20員の複素環基からなる群から選ばれる。ここで、前記のヘテロアリール基または複素環基にN、OまたはSからなる群から選ばれるヘテロ原子が1〜5個含まれる。前記のシクロアルキル基または複素環基は単環、多環、スピロ環または橋架け環の構造でもよい。)から選ばれる。
【0025】
R
bは、H、C1〜C6のアルキル基からなる群から選ばれるか、あるいはR
bはRおよび隣接する窒素原子とともに置換または無置換の3〜20員のヘテロアリール基、あるいは置換または無置換の3〜20員の複素環基を構成する。
【0026】
前記の置換とは、基における一つまたは複数の水素原子がハロゲン、C1〜C6アルキル基、ハロゲン置換のC1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、C6〜C10のアリール基、C6〜C10のアリール基-オキシ基、C2〜C10のエステル基(アルキル基-COO-)、C2〜C10のアシル基-アルコキシ基(アルキル基-OOC-)、C2〜C10のアシル基(アルキル基-CO-)、C2〜C10のアミド基(アルキル基/アリール基-NHC(O)-)、-COOH、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、1個または2個のC1〜C6のアルキル基で置換されたアミノ基からなる群から選ばれる置換基で置換されることをいう。)
【0027】
ここで、前記のハロゲン化アリールは、塩化アリール、臭化アリール、ヨウ化アリール、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれる、方法を提供する。
【0028】
もう一つの好適な例において、前記の銅触媒は、CuI、CuBr、CuCl、CuTc、Cu(OAc)
2、CuSO
4、Cu
2O、CuBr
2、CuCl
2、CuO、CuSCN、CuCN、Cu(acac)
2、またはこれらの組み合わせ、好ましくはCuI、Cu
2O、Cu(acac)
2からなる群から選ばれる。
【0029】
もう一つの好適な例において、前記の反応は、塩基の存在下で行われる。
【0030】
もう一つの好適な例において、前記の塩基は、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、および/または当該塩基の水和物、あるいはこれらの組み合わせ、好ましくはリン酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化リチウムからなる群から選ばれ、最も好ましくはリン酸カリウムである。
【0031】
もう一つの好適な例において、前記反応では、前記配位子と反応物であるハロゲン化アリールのモル比は1〜50:100、好ましくは5〜20:100で、前記配位子と銅触媒のモル比は1〜5:1、好ましくは1〜2:1である。
【0032】
もう一つの好適な例において、前記の反応は、
【化9】
[この文献は図面を表示できません]
不活性溶媒中で、
【化10】
[この文献は図面を表示できません]
を用いてカップリング試薬と反応させ、
【化11】
[この文献は図面を表示できません]
化合物を得ることを含み、ここで、Xは、N、OまたはSからなる群から選ばれ、Yは、Cl、Br、Iからなる群から選ばれ、
【化12】
[この文献は図面を表示できません]
は、置換または無置換のC6〜C20のアリール基、置換または無置換の3〜20員のヘテロアリール基からなる群から選ばれ、ここで、前記の置換とは、アリール基における一つまたは複数の水素原子がハロゲン、ニトロ基、シアノ基、無置換のアミノ基あるいは1個または2個のC1〜C6のアルキル基またはC2〜C10のアシル基(アルキル基-OOC-)で置換されたアミノ基、ヒドロキシ基、無置換またはハロゲン置換のC1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、C6〜C10のアリール基、3〜20員のヘテロアリール基、C6〜C10のアリール基-オキシ基、C2〜C10のエステル基(アルキル基-COO-)、C2〜C10のアシル基(アルキル基-CO-)、C2〜C10のアシル基-アルコキシ基(アルキル基-OOC-)、C2〜C10のアミド基(アルキル基-NHC(O)-、アリール基-NHC(O)-)、-COOH、ヒドロキシ基-C1〜C10のアルキレン基、MeS-、スルフリル基、、スルホンアミド基からなる群から選ばれる置換基で置換されることをいい、ここで、前記アリール基における隣接する2つの炭素原子の2つの水素原子は-(CH
2)
n-で置換されてもよく(nは1、2、3、4、5または6である)
【0033】
前記のカップリング試薬は、アンモニア水、アンモニアガス、アンモニウム塩(好ましくは塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸水素アンモニウム、またはこれらの組み合わせ)/水酸化物溶液(好ましくは水酸化カリウム溶液)、
【化13】
[この文献は図面を表示できません]
(2〜19個の炭素原子を有し、飽和、部分不飽和または芳香性環でもよい)、R
cC(O)NHR
2、R
1SO
2M(好ましくは、Mはナトリウム、カリウムである)、アジ化ナトリウム、NHR
1R
2、R
1OH、R
1SH、水酸化物(好ましくは水酸化リチウム、またはリン酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムと水の混合物)からなる群から選ばれ、
【0034】
R
1、R
2、R
cは、それぞれ独立にH、置換または無置換のC1〜C6のアルキル基、置換または無置換のC1〜C6のアルケニル基、置換または無置換のC6〜C20のアリール基、置換または無置換の3〜20員のヘテロアリール基、置換または無置換のC7〜C25のアルキル基-アリール基、置換または無置換のC1〜C5アルキル基-3〜20員のヘテロアリール基、置換または無置換のC3〜C20のシクロアルキル基、置換または無置換のC1〜C5アルキル基-C3〜20のシクロアルキル基、置換または無置換の3〜20員の複素環基あるいは、置換または無置換のC1〜C5アルキル基-3〜20員の複素環基からなる群から選ばれるか、
【0035】
あるいはR
1とR
2および隣接する窒素原子とともに置換または無置換の3〜20員の複素環基、置換または無置換の3〜20員のヘテロアリール基を構成するか、
【0036】
あるいはR
cとR
2および隣接するC(O)NHとともに置換または無置換の3〜20員の複素環基、置換または無置換の3〜20員のヘテロアリール基を構成し、
【0037】
前記のヘテロアリール基または複素環にN、OまたはSからなる群から選ばれるヘテロ原子が1〜5個含まれ、前記のシクロアルキル基または複素環基は単環、多環、スピロ環または橋架け環の構造で、
【0038】
前記の置換とは、基における一つまたは複数の水素原子がハロゲン、シアノ基、酸素(すなわち、基の同一の炭素原子における2つの水素原子が=Oで置換される)、C1〜C6アルキル基、ハロゲン置換のC1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、C6〜C10のアリール基、C6〜C10のアリール基-オキシ基、C2〜C10のエステル基(アルキル基-COO-)、C2〜C10のアシル基-アルコキシ基(アルキル基-OOC-)、C2〜C10のアシル基(アルキル基-CO-)、C2〜C10のアミド基(アルキル基/アリール基-NHC(O)-)、-COOH、ニトロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、1個または2個のC1〜C6のアルキル基で置換されたアミノ基、C1〜C6アルキル基-S-からなる群から選ばれる置換基で置換されることをいう。
【0039】
もう一つの好適な例において、前記の不活性溶媒は、DMSO、DMF、DMA、NMP、アセトニトリル、イソプロパノール、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれ、好ましくはDMSOおよび/またはDMFならびに/あるいはDMSO/H
2Oである。
【0040】
もう一つの好適な例において、前記の反応温度は50〜180℃、好ましくは100〜130℃である。
【0041】
もう一つの好適な例において、前記の反応は、以下の(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)または(8)を含む。
(1) 不活性溶媒中で、
【化14】
[この文献は図面を表示できません]
を用いてNHR
1R
2と反応させ、
【化15】
[この文献は図面を表示できません]
を得る。
【化16】
[この文献は図面を表示できません]
(ただし、各基の定義は前記の通りである。)
(2) 不活性溶媒中で、
【化17】
[この文献は図面を表示できません]
を用いてアンモニア源と反応させ、
【化18】
[この文献は図面を表示できません]
を得る。
【化19】
[この文献は図面を表示できません]
(ただし、各基の定義は前記の通りである。
【0042】
前記のアンモニア源は、アンモニアガス、アンモニア水、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、アジ化ナトリウム、好ましくはアンモニアガス、アンモニア水、塩化アンモニウムおよびリン酸水素二アンモニウムからなる群から選ばれる。)
(3) 不活性溶媒中で、
【化20】
[この文献は図面を表示できません]
を用いてR
1OHと反応させ、
【化21】
[この文献は図面を表示できません]
を得る。
【化22】
[この文献は図面を表示できません]
(ただし、各基の定義は前記の通りである。)
(4) 不活性溶媒中で、
【化23】
[この文献は図面を表示できません]
を用いてR
1SHと反応させ、
【化24】
[この文献は図面を表示できません]
を得る。
【化25】
[この文献は図面を表示できません]
(ただし、各基の定義は前記の通りである。)
【0043】
もう一つの好適な例において、前記の反応は、以下の(5)を含む。
(5) 不活性溶媒中で、
【化26】
[この文献は図面を表示できません]
を用いて
【化27】
[この文献は図面を表示できません]
と反応させ、
【化28】
[この文献は図面を表示できません]
を得る。
【化29】
[この文献は図面を表示できません]
(ただし、
【化30】
[この文献は図面を表示できません]
は、置換または無置換のN原子を含有する3〜20員の環で、前記3〜20員の環は飽和、不飽和または芳香性のもので、ほかの各基の定義は前記の通りである。)
【0044】
もう一つの好適な例において、前記の反応は、以下の(6)を含む。
(6) 不活性溶媒中で、
【化31】
[この文献は図面を表示できません]
を用いて
【化32】
[この文献は図面を表示できません]
と反応させ、
【化33】
[この文献は図面を表示できません]
を得る。
【化34】
[この文献は図面を表示できません]
(ただし、R
cは、H、置換または無置換のC1〜C6のアルキル基、置換または無置換のC6〜C20のアリール基、置換または無置換の3〜20員のヘテロアリール基、置換または無置換のC7〜C25のアルキル基-アリール基、置換または無置換のC1〜C5アルキル基-3〜20員のヘテロアリール基、置換または無置換のC3〜C20のシクロアルキル基、あるいは置換または無置換の3〜20員の複素環基からなる群から選ばれる。ここで、前記のヘテロアリール基または複素環基にN、OまたはSからなる群から選ばれるヘテロ原子が1〜5個含まれる。前記のシクロアルキル基または複素環基は単環、多環、スピロ環または橋架け環の構造でもよく、あるいはR
cとR
2および隣接するC(O)NHとともに置換または無置換の3〜20員の複素環基、置換または無置換の3〜20員のヘテロアリール基を構成し、前記の置換とは、基における一つまたは複数の水素原子がハロゲン、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、C6〜C10のアリール基、C6〜C10のアリール基-オキシ基、C2〜C10のエステル基(アルキル基-COO-)、C2〜C10のアシル基(アルキル基-CO-)、C2〜C10のアミド基(アルキル基-NHC(O)-、アリール基-NHC(O)-)、-COOHからなる群から選ばれる置換基で置換されることをいう。ほかの各基の定義は前記の通りである。)
【0045】
もう一つの好適な例において、前記の反応は、以下の(7)を含む。
(7) 不活性溶媒中で、
【化35】
[この文献は図面を表示できません]
を用いて
【化36】
[この文献は図面を表示できません]
と反応させ、
【化37】
[この文献は図面を表示できません]
を得る。
【化38】
[この文献は図面を表示できません]
(ただし、各基の定義は前記の通りである。)
もう一つの好適な例において、前記の反応は、以下の(8)を含む。
(8) 不活性溶媒中で、
【化39】
[この文献は図面を表示できません]
を用いて水酸化物または塩基の加水分解によるOH
-と反応させ、
【化40】
[この文献は図面を表示できません]
を得る。
【化41】
[この文献は図面を表示できません]
(ただし、各基の定義は前記の通りである。)
【0046】
もう一つの好適な例において、反応(1)では、前記の配位子はL-I-25、L-I-27、L-
II-7、L-
II-9、L-
II-31、L-
II-38、L-
II-64からなる群から選ばれ、最も好ましくはL-
II-38、L-
II-31またはL-
II-64である。
【0047】
もう一つの好適な例において、反応(1)では、前記の不活性溶媒は、DMSO、DMF、DMA、NMP、アセトニトリル、イソプロパノール、THF、1,4-ジオキサンでもよく、好ましくはDMSO、DMF、DMAまたはこれらの組み合わせで、最も好ましくはDMSOである。
もう一つの好適な例において、反応(1)では、前記の反応温度は50〜180℃、好ましくは100〜130℃である。
【0048】
もう一つの好適な例において、反応(2)では、前記の配位子はL-I-27、L-
II-9、L-
II-34、L-
II-30、L-
II-38、L-
II-64、L-
II-71、L-
II-73からなる群から選ばれ、最も好ましくはL-
II-38、L-
II-64またはL-
II-71である。
【0049】
もう一つの好適な例において、反応(2)では、前記の塩基は、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれ、最も好ましくはリン酸カリウムである。
【0050】
もう一つの好適な例において、反応(2)では、前記のアンモニア源がアンモニウム塩である場合、前記の反応は、強塩基の存在下で行われる(好ましくはKOHの存在下で行われる)。
【0051】
もう一つの好適な例において、反応(2)では、前記の溶媒は、DMSO、DMF、DMA、NMP、アセトニトリル、イソプロパノールからなる群から選ばれ、好ましくはDMSO、DMF、DMAまたはこれらの組み合わせで、最も好ましくはDMSOである。
【0052】
もう一つの好適な例において、反応(2)では、前記の反応温度は50〜180℃、好ましくは100〜130℃である。
【0053】
もう一つの好適な例において、反応(3)では、前記の配位子はL-
II-34が好ましい。
【0054】
もう一つの好適な例において、反応(3)では、前記の塩基は、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれ、最も好ましくはリン酸カリウムである。
【0055】
もう一つの好適な例において、反応(3)では、前記の溶媒は、DMSO、DMF、DMA、NMP、アセトニトリル、イソプロパノール、THF、1,4-ジオキサン、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれ、好ましくはDMSOである。
【0056】
もう一つの好適な例において、反応(3)では、前記の反応温度は50〜180℃、好ましくは100〜130℃である。
【0057】
もう一つの好適な例において、反応(4)では、前記の配位子はL-
II-34である。
【0058】
もう一つの好適な例において、反応(4)では、前記の溶媒は、DMSO、DMF、DMA、NMP、アセトニトリル、イソプロパノール、THF、1,4-ジオキサン、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれ、好ましくはDMSOである。
【0059】
もう一つの好適な例において、反応(4)では、前記の反応温度は50〜180℃、好ましくは100〜130℃である。
【0060】
もう一つの好適な例において、反応(5)では、前記の配位子はL-
II-82が好ましい
【0061】
もう一つの好適な例において、反応(5)では、前記の塩基は、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれ、最も好ましくはリン酸カリウムである。
【0062】
もう一つの好適な例において、反応(5)では、前記の溶媒は、DMSO、DMF、DMA、NMP、アセトニトリル、b-ブタノール、イソプロパノール、THF、1,4-ジオキサン、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれ、好ましくはDMSOである。
【0063】
もう一つの好適な例において、反応(5)では、前記の反応温度は50〜180℃、好ましくは100〜130℃である。
【0064】
もう一つの好適な例において、反応(6)では、前記の配位子はL-
II-83、L-
II-90が好ましい。
【0065】
もう一つの好適な例において、反応(6)では、前記の塩基は、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれ、最も好ましくはリン酸カリウムである。
【0066】
もう一つの好適な例において、反応(6)では、前記の溶媒は、DMSO、DMF、DMA、NMP、アセトニトリル、b-ブタノール、イソプロパノール、THF、1,4-ジオキサン、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれ、好ましくはDMSOである。
【0067】
もう一つの好適な例において、反応(6)では、前記の反応温度は50〜180℃、好ましくは100〜130℃である。
【0068】
もう一つの好適な例において、反応(7)では、前記の配位子はL-
II-3、L-
II-37が好ましい。
【0069】
もう一つの好適な例において、反応(7)では、前記の塩基は、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれ、最も好ましくはリン酸カリウムである。
【0070】
もう一つの好適な例において、反応(7)では、前記の溶媒は、DMSO、DMF、DMA、NMP、アセトニトリル、b-ブタノール、イソプロパノール、THF、1,4-ジオキサン、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれ、好ましくはDMSOである。
【0071】
もう一つの好適な例において、反応(7)では、前記の反応温度は50〜180℃、好ましくは100〜130℃である。
【0072】
もう一つの好適な例において、反応(8)では、前記の配位子はL-
II-65、L-
II-93が好ましい。
【0073】
もう一つの好適な例において、反応(8)では、前記の塩基は、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、および/または当該塩基の水和物、あるいはこれらの組み合わせからなる群から選ばれ、好ましくは水酸化リチウムである。
【0074】
もう一つの好適な例において、反応(8)では、前記の溶媒は、DMSO、DMF、DMA、NMP、アセトニトリル、イソプロパノール、THF、1,4-ジオキサン、b-ブタノール、および/または前記1種または複数の溶媒と水の混合物、あるいはこれらの組み合わせからなる群から選ばれ、好ましくはDMSO/H
2Oである。
【0075】
もう一つの好適な例において、反応(8)では、前記の反応温度は50〜180℃、好ましくは100〜130℃である。
【0076】
本発明の第三の側面では、アリールカップリング反応の触媒系であって、前記の反応系は、銅触媒、配位子、塩基、有機溶媒を含み、
【0077】
ここで、前記の銅触媒は、CuI、CuBr、CuCl、CuTc、Cu(OAc)
2、CuSO
4、Cu
2O、CuBr
2、CuCl
2、CuO, CuSCN, CuCN, Cu(acac)
2、またはこれらの組み合わせ、好ましくはCuI、Cu
2O、Cu(acac)
2からなる群から選ばれ、
【0078】
前記の塩基は、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、および/または当該塩基の水和物、あるいはこれらの組み合わせ、好ましくはリン酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化リチウムからなる群から選ばれ、
【0079】
前記の溶媒は、DMSO、DMF、DMA、NMP、アセトニトリル、イソプロパノール、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、トルエン、t-ブタノール、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれ、好ましくはDMSOおよび/またはDMFならびに/あるいはDMSO/H
2Oで、
【0080】
前記の配位子は、下記の式(I)で表される構造を有する、
【化42】
[この文献は図面を表示できません]
(ここで、各基の定義は、本発明の第一の側面に記載の通りである。)
触媒系を提供する。
【0081】
もう一つの好適な例において、前記の触媒系は、ハロゲン化アリールのカップリング反応に使用され、前記のハロゲン化アリールは、塩化アリール、臭化アリール、ヨウ化アリールからなる群から選ばれる。
【0082】
もう一つの好適な例において、前記の触媒系は、塩化アリールのカップリング反応に使用される。
【0083】
本発明の第四の側面では、下記の式(I)で表される化合物を提供する。
【化43】
[この文献は図面を表示できません]
(ただし、Rは、置換または無置換のC1〜C6のアルキル基、置換または無置換のC6〜C20のアリール基、置換または無置換の3〜20員のヘテロアリール基、置換または無置換のC7〜C25のアルキル基-アリール基、置換または無置換のC1〜C5アルキル基-3〜20員のヘテロアリール基、置換または無置換のC3〜C20のシクロアルキル基、あるいは置換または無置換の3〜20員の複素環基からなる群から選ばれる。ここで、前記のヘテロアリール基または複素環基にN、OまたはSからなる群から選ばれるヘテロ原子が1〜5個含まれる。前記のシクロアルキル基または複素環基は単環、多環、スピロ環または橋架け環の構造でもよい。
R
aは、(a)OR'(ここで、前記のR'はMe、Etからなる群から選ばれる。)、あるいは(b)N(R'')
2(ここで、各R''は、それぞれ独立にH、置換または無置換のC6〜C20のアリール基、置換または無置換の3〜20員のヘテロアリール基、置換または無置換のC7〜C25のアルキル基-アリール基、置換または無置換のC1〜C5アルキル基-3〜20員のヘテロアリール基、置換または無置換のC3〜C20のシクロアルキル基、あるいは置換または無置換の3〜20員の複素環基からなる群から選ばれる。ここで、前記のヘテロアリール基または複素環基にN、OまたはSからなる群から選ばれるヘテロ原子が1〜5個含まれる。前記のシクロアルキル基または複素環基は単環、多環、スピロ環または橋架け環の構造でもよい。)から選ばれる。
R
bは、H、C1〜C6のアルキル基からなる群から選ばれるか、あるいはR
bはRおよび隣接する窒素原子とともに置換または無置換の3〜20員のヘテロアリール基、あるいは置換または無置換の3〜20員の複素環基を構成し、かつR
aが(a)から選ばれ、R'がHである場合、Rはメチル基で置換されたナフチル基であり、前記の置換とは、基における一つまたは複数の水素原子がハロゲン、C1〜C6アルキル基、ハロゲン置換のC1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、C6〜C10のアリール基、C6〜C10のアリール基-オキシ基、C2〜C10のエステル基(アルキル基-COO-)、C2〜C10のアシル基-アルコキシ基(アルキル基-OOC-)、C2〜C10のアシル基(アルキル基-CO-)、C2〜C10のアミド基(アルキル基/アリール基-NHC(O)-)、-COOH、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、1個または2個のC1〜C6のアルキル基で置換されたアミノ基からなる群から選ばれる置換基で置換されることをいう。)
【0084】
もう一つの好適な例において、前記の化合物では、R、R
a、R
b、R’、R
1、R
2、R
4および
【化44】
[この文献は図面を表示できません]
のうちの任意の一つはそれぞれ本出願における相応する具体的な化合物における相応する基である。
【0085】
もう一つの好適な例において、前記の式(I)化合物は表1または表2で示される構造である。
【0086】
本発明の第五の側面では、本発明の第四に記載の化合物の製造方法であって、方法(i)、(ii))または(II)の方法によって行われる。
方法(i)は、
【化45】
[この文献は図面を表示できません]
不活性溶媒において、R-NH-R
bを用いて
【化46】
[この文献は図面を表示できません]
と反応させ、式(I)化合物を得る工程を含む。
方法(ii)は、
【化47】
[この文献は図面を表示できません]
不活性溶媒において、R''-NH
2を用いて
【化48】
[この文献は図面を表示できません]
と反応させ、式(I)化合物を得る工程を含む。
方法(II)は、
【化49】
[この文献は図面を表示できません]
不活性溶媒において、R-NH
2を用いて塩化オキサリルと反応させ、式(I)化合物を得る工程を含む。
(ここで、各基の定義は、本発明の第四の側面に記載の通りである。)
【0087】
もう一つの好適な例において、前記の方法(i)では、前記の不活性溶媒はテトラヒドロフラン、ジクロロメタン、DMFからなる群から選ばれる。
【0088】
もう一つの好適な例において、前記の方法(i)では、前記の反応はトリエチルアミンの存在下で行われる。
【0089】
もう一つの好適な例において、前記の方法(i)では、前記の反応は-5℃〜40℃で行われる。
【0090】
もう一つの好適な例において、前記の方法(ii)では、前記の不活性溶媒はテトラヒドロフラン、ジクロロメタン、DMFからなる群から選ばれる。
【0091】
もう一つの好適な例において、前記の方法(ii)では、前記の反応は10℃〜80℃(好ましくは室温、すなわち10〜40℃)で行われる。
【0092】
もう一つの好適な例において、前記の方法(II)では、前記の不活性溶媒はテトラヒドロフラン、ジクロロメタン、DMFからなる群から選ばれる。
【0093】
もう一つの好適な例において、前記の方法(II)では、前記の反応はトリエチルアミンの存在下で行われる。
【0094】
もう一つの好適な例において、前記の方法(II)では、前記の反応は-5℃〜40℃で行われる。
もちろん、本発明の範囲内において、本発明の上記の各技術特徴および下記(たとえば実施例)の具体的に記述された各技術特徴は互いに組合せ、新しい、または好適な技術方案を構成できることが理解される。紙数に限りがあるため、ここで逐一説明しない。
【発明を実施するための形態】
【0095】
本発明者は長期間で深い研究を経て、銅触媒による塩化アリールのカップリング反応に適するシュウ酸(モノ・ジ)アミド配位子を提供し、このような配位子と銅試薬、塩基、溶媒からなる適切な触媒系によって、ハロゲン化アリールの銅触媒によるカップリング反応に使用することができ、特に通常の条件で生じにくい銅触媒による塩化アリールと数種類の求核試薬のカップリングを有効に促進し、C-N、C-O、C-S結合を生成し、多くの有用な小分子化合物を合成することができる。当該方法は、反応条件が温和で、適用範囲が幅広く、優れた工業への応用の将来性がある。
【0096】
用語
本明細書で用いられるように、用語「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素を指す。
【0097】
用語「ハロゲン置換」とは、基における一つまたは複数の水素原子がハロゲンで置換されることをいう。
【0098】
用語「アルキル基」とは直鎖または分枝鎖のアルキル基を指す。当該アルキル基の前に限定する炭素原子数がある(たとえばC1〜C6)場合、前記のアルキル基が1〜6個の炭素原子を有することをいい、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基や類似の基が挙げられる。
【0099】
用語「シクロアルキル基」とは、飽和または部分飽和の単位、二環または三環(縮合環、橋架け環またはスピロ環)の環系を指す。前記のシクロアルキル基は、3〜20個の炭素原子を有してもよい。あるシクロアルキル基の前に限定する炭素原子数がある(たとえばC3〜C20)場合、前記のシクロアルキル基が3〜20個の炭素原子を有することをいい、たとえばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘプチル基や類似の基が挙げられる。前記のシクロアルキル基は、単環、多環、スピロ環または橋架け環の形態でもよい。
【0100】
本明細書で用いられるように、用語「アルコキシ基」とは、酸素原子で連結したアルキル基(たとえば、-O-アルキル基で、ここで、アルキル基は上記の通りである。)を指し、たとえばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、t-ブトキシ基や類似の基が挙げられるが、これらに限定されない。アルコキシ基の前に限定する炭素原子数がある(たとえばC1〜C6)場合、前記のシクロアルキル基が1〜20個の炭素原子を有することをいう。
【0101】
用語「アリール基」とは、単環、二環または縮合環の芳香族炭化水素基を指し、前記のアリール基は置換または無置換のものでもよい。アリール基の前に限定する炭素原子数がある(たとえばC6〜C20)場合、前記のアリール基が6〜20個の炭素原子を有することをいう。アリール基の例として、たとえば、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基や類似の基(ここで、各炭素原子はいずれも任意に置換されてもよい)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0102】
用語「ヘテロアリール基」とは、単環、二環または縮合環の芳香族基を指し、前記基はN、OまたはSから選ばれるヘテロ原子を少なくとも1つ有する。前記のヘテロアリール基は3〜20員で、それぞれ独立にN、OまたはSから選ばれる1〜5個のヘテロ原子を有する芳香族環基でもよい。ヘテロアリール基の例として、たとえば、ピリジン、ピリミジン、ピロール、インダゾール、インドール、フラン、ベンゾフラン、チオフェンや類似の基が挙げられるが、これらに限定されない。
【0103】
用語「複素環基」とは、単環または縮合環の飽和または部分飽和の置換基を指し、前記基はN、OまたはSから選ばれる同一か相異のヘテロ原子を少なくとも1つ有する。前記の複素環基は3〜20員で、それぞれ独立にN、OまたはSから選ばれる1〜5個のヘテロ原子を有する複素環基でもよい。複素環基の例として、たとえば窒素含有複素環基、酸素含有複素環基、硫黄含有複素環基、窒素・酸素含有複素環基などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0104】
用語「エステル基」とは、「アルキル基-COO-」構造を有する基を指し、ここで、アルキル基は前記の通りである。
【0105】
用語「アシル基」とは、「アルキル基-CO-」構造を有する基を指し、ここで、アルキル基は前記の通りである。
【0106】
用語「アミド基」とは、「アルキル基-NHC(O)-」または「アリール基-NHC(O)-」構造を有する基を指し、ここで、アルキル基、アリール基は前記の通りである。
【0107】
配位子
特別に説明しない限り、本明細書に記載の配位子とは、銅触媒による塩化アリールのカップリング反応に使用される配位子を指す。
【0108】
本発明に使用可能な配位子は前記式(I)で表される構造を有し、好適な配位子は下記群から選ばれる構造(各基の定義は前記の通りである。)を有する。
第一種類の配位子:シュウ酸モノアミドモノメチル/エチルエステル
【化50】
[この文献は図面を表示できません]
【0109】
ここで、各基の定義は前記の通りである。好ましくは、Rはフェニル基、置換フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、ベンジル基、置換ベンジル基、アダマンチル基などである。
【0110】
より好ましいシュウ酸モノアミドエステル系配位子は下記表1で表される構造を有する。
表1 シュウ酸モノアミドモノメチル/エチルエステル配位子
【表1】
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【0111】
第二種類の配位子:シュウ酸ジアミド
【化51】
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ここで、各基の定義は前記の通りである。好ましくは、Rはフェニル基、置換フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ベンジル基、置換ベンジル基、C1〜C4アルキル基、ピリジル基、アダマンチル基などである。R''はフェニル基、置換フェニル基、ナフチル基、ベンジル基、置換ベンジル基、C1〜C4アルキル基、ピリジル基、アダマンチル基などである(RはR''と同様でもよく、異なってもよい。)。
【0112】
より好ましいシュウ酸ジアミド系配位子は下記表2で表される構造を有する。
表2 シュウ酸ジアミド
【表2-1】
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【表2-2】
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【表2-3】
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【表2-4】
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【表2-5】
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【表2-6】
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【0113】
上記の各配位子は市販品として入手するか、あるいは本発明によって提供される好適な方法で製造して得ることができる。
【0114】
もちろん、C-Br結合とC-I結合の結合エネルギーはC-Cl結合よりも低く、同等の条件において、臭化アリール、ヨウ化アリールのカップリング反応は塩化アリールよりも発生しやすい。そのため、上記配位子は、塩化アリールのカップリング反応以外、本分野の通常の臭化アリール、ヨウ化アリールのカップリング反応にも使用することができる。
【0115】
銅触媒による塩化アリールのカップリング反応
また、本発明は、塩化アリールのカップリング反応の方法であって、前記の式(I)化合物を配位子として使用して上記反応を行うことを含む方法を提供する。
【0116】
通常、ヨウ化アリール、臭化アリールの反応活性が高く、パラジウム、銅、ニッケルなどの遷移金属の触媒によって好適に相応するカップリング反応が実現でき、臭(ヨウ)化芳香族炭化水素と比べ、塩化芳香族炭化水素のほうが安価で、応用の将来性があるが、C-Cl結合の結合エネルギーが高いため、塩化アリールは通常の臭化アリール、ヨウ化アリールの触媒条件で反応しにくい。
【0117】
異なる反応物に対して本発明の公開範囲内で配位子および反応条件を最適化することによって、最適な配位子の種類および反応条件(たとえば温度、溶媒、反応物の比率や反応時間など)を選択することができ、本出願の公開内容を読んだ後、上記最適化は当業者の技能範囲内に含まれる。
【0118】
いくつかの最適な銅触媒による塩化アリールのカップリング反応は以下の通りである。
1.シュウ酸(モノ・ジ)アミド配位子によって促進される銅触媒による塩化アリールのC-Nカップリング反応
【0119】
C-Nカップリング反応において、カップリング試薬の選択は制限されず、相応する第一級アミンまたは第二級アミンでもよく、ほかのアンモニア源、たとえばアンモニアガス、アンモニア水、またアンモニウム塩、アジ化ナトリウム、窒素含有ヘテロ芳香族環などでもよい。具体的な反応過程が以下の通りである。
【0120】
カップリング試薬が第一級アミンまたは第二級アミンである場合、反応は以下の通りである。
【化52】
[この文献は図面を表示できません]
ただし、各基の定義は前記の通りである。
【0121】
【化53】
[この文献は図面を表示できません]
は、置換または無置換のC6〜C20のアリール基、置換または無置換の3〜20員のヘテロアリール基からなる群から選ばれる。ここで、前記の置換とは、アリール基における一つまたは複数の水素原子がハロゲン、ニトロ基、シアノ基、置換または無置換のアミノ基、ヒドロキシ基、無置換またはハロゲン置換のC1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、C6〜C10のアリール基、C6〜C10のアリール基-オキシ基、C2〜C10のエステル基(アルキル基-COO-)、C2〜C10のアシル基(アルキル基-CO-)、C2〜C10のアミド基(アルキル基-NHC(O)-、アリール基-NHC(O)-)、-COOH、ヒドロキシ基-C1〜C10のアルキレン基、MeS-、スルフリル基、、スルホンアミド基からなる群から選ばれる置換基で置換されることをいう。
【0122】
R
1、R
2は、それぞれ独立にH、置換または無置換のC1〜C6アルキル基、置換または無置換のC6〜C20のアリール基、置換または無置換の3〜20員のヘテロアリール基、置換または無置換のC7〜C25のアルキル基-アリール基、置換または無置換のC1〜C5アルキル基-3〜20員のヘテロアリール基、置換または無置換のC3〜C20のシクロアルキル基、あるいは置換または無置換の3〜20員の複素環基からなる群から選ばれるか、あるいはR1、R2およびそれに隣接するN原子がとともに3〜20員の環(たとえば置換または無置換のピロール、インドール、アゾール類、ベンゾアゾールや芳香族複素環)を構成するか、あるいはR
1はR
cC(O)-で、R
cはH、置換または無置換のC1〜C6アルキル基、置換または無置換のC6〜C20のアリール基、置換または無置換の3〜20員のヘテロアリール基、置換または無置換のC7〜C25のアルキル基-アリール基、置換または無置換のC1〜C5アルキル基-3〜20員のヘテロアリール基、置換または無置換のC3〜C20のシクロアルキル基、あるいは置換または無置換の3〜20員の複素環基からなる群から選ばれる。ここで、前記のヘテロアリール基または複素環基にN、OまたはSからなる群から選ばれるヘテロ原子が1〜5個含まれる。前記のシクロアルキル基または複素環基は単環、多環、スピロ環または橋架け環の構造でもよい。
【0123】
前記の置換とは、基における一つまたは複数の水素原子がハロゲン、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、C6〜C10のアリール基、C6〜C10のアリール基-オキシ基、C2〜C10のエステル基(アルキル基-COO-)、C2〜C10のアシル基(アルキル基-CO-)、C2〜C10のアミド基(アルキル基-NHC(O)-、アリール基-NHC(O)-)、-COOHからなる群から選ばれる置換基で置換されることをいう。
【0124】
上記反応過程において、銅触媒は、CuI、CuBr、CuCl、CuTc、Cu(OAc)
2、CuSO
4、Cu
2O、CuBr
2、CuCl
2、CuO、CuSCN、CuCN、Cu(acac)
2でもよく、好ましくはCuIである。
前記の配位子は特に制限されず、上記のいずれかの配位子でもよく、好ましくはL-I-25、L-I-27、L-
II-7、L-
II-9、L-
II-31、L-
II-38、L-
II-64で、最も好ましくはL-
II-31、L-
II-38またはL-
II-64である。
【0125】
好適な塩基は、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムでもよく、好ましくはリン酸カリウム、炭酸セシウムで、最も好ましくはリン酸カリウムである。
【0126】
溶媒は、DMSO、DMF、DMA、NMP、アセトニトリル、t-ブタノール、イソプロパノール、THF、1,4-ジオキサンでもよく、好ましくはDMSO、DMFで、最も好ましくはDMSOである。
【0127】
反応温度は50〜180℃、好ましくは100〜130℃である。
【0128】
カップリング試薬がほかのアンモニア源である場合、反応は以下の通りである。
【化54】
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【0129】
ただし、各基の定義は前記の通りである。
【0130】
【化55】
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は、置換または無置換のC6〜C20のアリール基、置換または無置換の3〜20員のヘテロアリール基からなる群から選ばれる。ここで、前記の置換とは、アリール基における一つまたは複数の水素原子がハロゲン、ニトロ基、シアノ基、置換または無置換のアミノ基、ヒドロキシ基、無置換またはハロゲン置換のC1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、C6〜C10のアリール基、C6〜C10のアリール基-オキシ基、C2〜C10のエステル基(アルキル基-COO-)、C2〜C10のアシル基(アルキル基-CO-、アリール基-NHC(O)-)、C2〜C10のアミド基(アルキル基-NHC(O)-)、-COOH、ヒドロキシ基-C1〜C10のアルキレン基、MeS-、スルフリル基、、スルホンアミド基からなる群から選ばれる置換基で置換されることをいう。
【0131】
前記のアンモニア源は、アンモニアガス、アンモニア水、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、アジ化ナトリウム、好ましくはアンモニアガス、アンモニア水、塩化アンモニウムおよびリン酸水素二アンモニウムからなる群から選ばれる。
【0132】
銅触媒は、CuI、CuBr、CuCl、CuTc、Cu(OAc)
2、CuSO
4、Cu
2O、CuBr
2、CuCl
2、CuO、CuSCN、CuCN、Cu(acac)
2でもよく、好ましくはCuIである。
【0133】
配位子は1(リガンド)で、上記のいずれかでもよく、好ましくはL-I-27、L-
II-9、L-
II-38、L-
II-64、L-
II-71、L-
II-72で、最も好ましくはL-
II-38またはL-
II-71である。
【0134】
塩基は、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムでもよく、好ましくは炭酸セシウム、リン酸カリウムで、最も好ましくはリン酸カリウムである。
【0135】
溶媒は、DMSO、DMF、DMA、NMP、アセトニトリル、t-ブタノール、イソプロパノール、THF、1,4-ジオキサンでもよく、好ましくはDMSO、DMFで、最も好ましくはDMSOである。
【0136】
反応温度は50〜180℃、好ましくは100〜130℃である。
【0137】
本発明の一つの好適な実施形態において、塩化アリールと窒素含有芳香族複素環のカップリング反応は、以下の通りである。
【化56】
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【0138】
ただし、各基の定義は前記の通りである。
【0139】
【化57】
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は、置換または無置換のC6〜C20のアリール基、置換または無置換の3〜20員のヘテロアリール基からなる群から選ばれる。ここで、前記の置換とは、アリール基における一つまたは複数の水素原子がハロゲン、ニトロ基、シアノ基、置換または無置換のアミノ基、ヒドロキシ基、無置換またはハロゲン置換のC1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、C6〜C10のアリール基、C6〜C10のアリール基-オキシ基、C2〜C10のエステル基(アルキル基-COO-)、C2〜C10のアシル基(アルキル基-CO-)、C2〜C10のアミド基(アルキル基-NHC(O)-、アリール基-NHC(O)-)、-COOH、ヒドロキシ基-C1〜C10のアルキレン基、MeS-、スルフリル基、、スルホンアミド基からなる群から選ばれる置換基で置換されることをいう。
【0140】
【化58】
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は、置換または無置換のN原子を含有する3〜20員の環で、前記3〜20員の環は飽和または不飽和のものでもよい(好ましくはピロール、インドール、アゾール、ベンゾアゾールおよび相応する置換基を有する芳香族複素環からなる群から選ばれる)。
【0141】
上記反応過程において、銅触媒は、CuI、CuBr、CuCl、CuTc、Cu(OAc)
2、CuSO
4、Cu
2O、CuBr
2、CuCl
2、CuO、CuSCN、CuCN、Cu(acac)
2でもよく、好ましくはCu
2Oである。
【0142】
前記の配位子は特に制限されず、上記のいずれかの配位子でもよく、好ましくはL-
II-82である。
【0143】
好適な塩基は、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムでもよく、好ましくはリン酸カリウム、炭酸セシウムで、最も好ましくはリン酸カリウムである。
【0144】
溶媒は、DMSO、DMF、DMA、NMP、アセトニトリル、t-ブタノール、イソプロパノール、THF、1,4-ジオキサンでもよく、好ましくはDMSO、DMFで、最も好ましくはDMSOである。
【0145】
反応温度は50〜180℃、好ましくは100〜130℃である。
【0146】
本発明の一つの好適な実施形態において、塩化アリールとアミドのカップリング反応は、以下の通りである。
【化59】
[この文献は図面を表示できません]
【0147】
ただし、各基の定義は前記の通りである。
【0148】
【化60】
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は、置換または無置換のC6〜C20のアリール基、置換または無置換の3〜20員のヘテロアリール基からなる群から選ばれる。ここで、前記の置換とは、アリール基における一つまたは複数の水素原子がハロゲン、ニトロ基、シアノ基、置換または無置換のアミノ基、ヒドロキシ基、無置換またはハロゲン置換のC1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、C6〜C10のアリール基、C6〜C10のアリール基-オキシ基、C2〜C10のエステル基(アルキル基-COO-)、C2〜C10のアシル基(アルキル基-CO-)、C2〜C10のアミド基(アルキル基-NHC(O)-、アリール基-NHC(O)-)、-COOH、ヒドロキシ基-C1〜C10のアルキレン基、MeS-、スルフリル基、、スルホンアミド基からなる群から選ばれる置換基で置換されることをいう。
【0149】
R
c、R
2は、それぞれ独立にH、置換または無置換のC1〜C6のアルキル基、置換または無置換のC6〜C20のアリール基、置換または無置換の3〜20員のヘテロアリール基、置換または無置換のC7〜C25のアルキル基-アリール基、置換または無置換のC1〜C5アルキル基-3〜20員のヘテロアリール基、置換または無置換のC3〜C20のシクロアルキル基、あるいは置換または無置換の3〜20員の複素環基からなる群から選ばれる。ここで、前記のヘテロアリール基または複素環基にN、OまたはSからなる群から選ばれるヘテロ原子が1〜5個含まれる。前記のシクロアルキル基または複素環基は単環、多環、スピロ環または橋架け環の構造でもよい。
【0150】
あるいはR
cとR
2および隣接するC(O)NHとともに置換または無置換のC3〜C20のシクロアルキル基、置換または無置換の3〜20員の複素環基を構成する
【0151】
前記の置換とは、基における一つまたは複数の水素原子がハロゲン、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、C6〜C10のアリール基、C6〜C10のアリール基-オキシ基、C2〜C10のエステル基(アルキル基-COO-)、C2〜C10のアシル基(アルキル基-CO-)、C2〜C10のアミド基(アルキル基-NHC(O)-、アリール基-NHC(O)-)、-COOHからなる群から選ばれる置換基で置換されることをいう。
【0152】
上記反応過程において、銅触媒は、CuI、CuBr、CuCl、CuTc、Cu(OAc)
2、CuSO
4、Cu
2O、CuBr
2、CuCl
2、CuO、CuSCN、CuCN、Cu(acac)
2でもよく、好ましくはCu
2Oである。
【0153】
前記の配位子は特に制限されず、上記のいずれかの配位子でもよく、好ましくはL-
II-83、L-
II-90である。
【0154】
好適な塩基は、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムでもよく、好ましくはリン酸カリウム、炭酸セシウムで、最も好ましくはリン酸カリウムである。
【0155】
溶媒は、DMSO、DMF、DMA、NMP、アセトニトリル、t-ブタノール、イソプロパノール、THF、1,4-ジオキサンでもよく、好ましくはDMSO、DMFで、最も好ましくはDMSOである。
【0156】
反応温度は50〜180℃、好ましくは100〜130℃である。
【0157】
2.シュウ酸(モノ・ジ)アミド配位子によって促進される銅触媒による塩化アリールのC-Oカップリング反応
【化61】
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【0158】
ただし、各基の定義は前記の通りである。
【0159】
【化62】
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は、置換または無置換のC6〜C20のアリール基、置換または無置換の3〜20員のヘテロアリール基からなる群から選ばれる。ここで、前記の置換とは、アリール基における一つまたは複数の水素原子がハロゲン、ニトロ基、シアノ基、置換または無置換のアミノ基、ヒドロキシ基、無置換またはハロゲン置換のC1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、C6〜C10のアリール基、C6〜C10のアリール基-オキシ基、C2〜C10のエステル基(アルキル基-COO-)、C2〜C10のアシル基(アルキル基-CO-)、C2〜C10のアミド基(アルキル基-NHC(O)-、アリール基-NHC(O)-)、-COOH、ヒドロキシ基-C1〜C10のアルキレン基、MeS-、スルフリル基、、スルホンアミド基からなる群から選ばれる置換基で置換されることをいう。
【0160】
R
1は、置換または無置換のC1〜C6のアルキル基、置換または無置換のC6〜C20のアリール基、置換または無置換の3〜20員のヘテロアリール基、置換または無置換のC7〜C25のアルキル基-アリール基、置換または無置換のC1〜C5アルキル基-3〜20員のヘテロアリール基、置換または無置換のC3〜C20のシクロアルキル基、あるいは置換または無置換の3〜20員の複素環基からなる群から選ばれる。ここで、前記のヘテロアリール基または複素環基にN、OまたはSからなる群から選ばれるヘテロ原子が1〜5個含まれる。前記のシクロアルキル基または複素環基は単環、多環、スピロ環または橋架け環の構造でもよい。
【0161】
前記の置換とは、基における一つまたは複数の水素原子がハロゲン、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、C6〜C10のアリール基、C6〜C10のアリール基-オキシ基、C2〜C10のエステル基(アルキル基-COO-)、C2〜C10のアシル基(アルキル基-CO-)、C2〜C10のアミド基(アルキル基-NHC(O)-、アリール基-NHC(O)-)、-COOH、-CN、MeS-、スルフリル基、、スルホンアミド基からなる群から選ばれる置換基で置換されることをいう。
【0162】
銅触媒は、CuI、CuBr、CuCl、CuTc、Cu(OAc)
2、CuSO
4、Cu
2O、CuBr
2、CuCl
2、CuO、CuSCN、CuCN、Cu(acac)
2でもよく、好ましくはCuIである。
【0163】
配位子は1に記載のいずれかで、好ましくはL-
II-34である。
【0164】
塩基は、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムでもよく、好ましくはリン酸カリウムである。
【0165】
溶媒は、DMSO、DMF、DMA、NMP、アセトニトリル、t-ブタノール、イソプロパノール、THF、1,4-ジオキサンでもよく、好ましくはDMSOである。
【0166】
反応温度は50〜180℃、好ましくは100〜130℃である。
【0167】
3.シュウ酸(モノ・ジ)アミド配位子によって促進される銅触媒による塩化アリールのC-Sカップリング反応
【化63】
[この文献は図面を表示できません]
【0168】
ただし、各基の定義は前記の通りである。
【0169】
【化64】
[この文献は図面を表示できません]
は、置換または無置換のC6〜C20のアリール基、置換または無置換の3〜20員のヘテロアリール基からなる群から選ばれる。ここで、前記の置換とは、アリール基における一つまたは複数の水素原子がハロゲン、ニトロ基、シアノ基、置換または無置換のアミノ基、ヒドロキシ基、無置換またはハロゲン置換のC1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、C6〜C10のアリール基、C6〜C10のアリール基-オキシ基、C2〜C10のエステル基(アルキル基-COO-)、C2〜C10のアシル基(アルキル基-CO-)、C2〜C10のアミド基(アルキル基-NHC(O)-、アリール基-NHC(O)-)、-COOH、ヒドロキシ基-C1〜C10のアルキレン基、MeS-、スルフリル基、、スルホンアミド基からなる群から選ばれる置換基で置換されることをいう。
【0170】
R
1は、置換または無置換のC1〜C6のアルキル基、置換または無置換のC6〜C20のアリール基、置換または無置換の3〜20員のヘテロアリール基、置換または無置換のC7〜C25のアルキル基-アリール基、置換または無置換のC1〜C5アルキル基-3〜20員のヘテロアリール基、置換または無置換のC3〜C20のシクロアルキル基、あるいは置換または無置換の3〜20員の複素環基からなる群から選ばれる。ここで、前記のヘテロアリール基または複素環基にN、OまたはSからなる群から選ばれるヘテロ原子が1〜5個含まれる。前記のシクロアルキル基または複素環基は単環、多環、スピロ環または橋架け環の構造でもよい。
【0171】
前記の置換とは、基における一つまたは複数の水素原子がハロゲン、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、C6〜C10のアリール基、C6〜C10のアリール基-オキシ基、C2〜C10のエステル基(アルキル基-COO-)、C2〜C10のアシル基(アルキル基-CO-)、C2〜C10のアミド基(アルキル基-NHC(O)-、アリール基-NHC(O)-)、-COOH、-CN、MeS-、スルフリル基、、スルホンアミド基からなる群から選ばれる置換基で置換されることをいう。
【0172】
銅触媒は、CuI、CuBr、CuCl、CuTc、Cu(OAc)
2、CuSO
4、Cu
2O、CuBr
2、CuCl
2、CuO、CuSCN、CuCN、Cu(acac)
2でもよく、好ましくはCuIである。
【0173】
配位子は1に記載のいずれかで、好ましくはL-
II-34である。
【0174】
塩基は、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムでもよく、好ましくはリン酸カリウムである。
【0175】
溶媒は、DMSO、DMF、DMA、NMP、アセトニトリル、t-ブタノール、イソプロパノール、THF、1,4-ジオキサンでもよく、好ましくはDMSOである。
【0176】
反応温度は50〜180℃、好ましくは100〜130℃である。
【0177】
4.シュウ酸(モノ・ジ)アミド配位子によって促進される銅触媒による塩化アリールのC-Sカップリング反応
【化65】
[この文献は図面を表示できません]
【0178】
ただし、各基の定義は前記の通りである。
【0179】
【化66】
[この文献は図面を表示できません]
は、置換または無置換のC6〜C20のアリール基、置換または無置換の3〜20員のヘテロアリール基からなる群から選ばれる。ここで、前記の置換とは、アリール基における一つまたは複数の水素原子がハロゲン、ニトロ基、シアノ基、置換または無置換のアミノ基、ヒドロキシ基、無置換またはハロゲン置換のC1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、C6〜C10のアリール基、C6〜C10のアリール基-オキシ基、C2〜C10のエステル基(アルキル基-COO-)、C2〜C10のアシル基(アルキル基-CO-)、C2〜C10のアミド基(アルキル基-NHC(O)-、アリール基-NHC(O)-)、-COOH、ヒドロキシ基-C1〜C10のアルキレン基、MeS-、スルフリル基、、スルホンアミド基からなる群から選ばれる置換基で置換されることをいう。
【0180】
R
1は、置換または無置換のC1〜C6のアルキル基、置換または無置換のC6〜C20のアリール基、置換または無置換の3〜20員のヘテロアリール基、置換または無置換のC7〜C25のアルキル基-アリール基、置換または無置換のC1〜C5アルキル基-3〜20員のヘテロアリール基、置換または無置換のC3〜C20のシクロアルキル基、あるいは置換または無置換の3〜20員の複素環基からなる群から選ばれる。ここで、前記のヘテロアリール基または複素環基にN、OまたはSからなる群から選ばれるヘテロ原子が1〜5個含まれる。前記のシクロアルキル基または複素環基は単環、多環、スピロ環または橋架け環の構造でもよい。
【0181】
前記の置換とは、基における一つまたは複数の水素原子がハロゲン、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、C6〜C10のアリール基、C6〜C10のアリール基-オキシ基、C2〜C10のエステル基(アルキル基-COO-)、C2〜C10のアシル基(アルキル基-CO-)、C2〜C10のアミド基(アルキル基-NHC(O)-、アリール基-NHC(O)-)、-COOH、-CN、MeS-、スルフリル基、、スルホンアミド基からなる群から選ばれる置換基で置換されることをいう。
【0182】
銅触媒は、CuI、CuBr、CuCl、CuTc、Cu(OAc)
2、CuSO
4、Cu
2O、CuBr
2、CuCl
2、CuO、CuSCN、CuCN、Cu(acac)
2でもよく、好ましくはCuIである。
【0183】
配位子は1に記載のいずれかで、好ましくはL-II-3、L-II-37である。
【0184】
塩基は、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムでもよく、好ましくはリン酸カリウムである。
【0185】
溶媒は、DMSO、DMF、DMA、NMP、アセトニトリル、t-ブタノール、イソプロパノール、THF、1,4-ジオキサンでもよく、好ましくはDMSOである。
【0186】
反応温度は50〜180℃、好ましくは100〜130℃である。
【0187】
5.シュウ酸(モノ・ジ)アミド配位子によって促進される銅触媒による塩化アリールのC-Oカップリング反応
【化67】
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【0188】
ただし、各基の定義は前記の通りである。
【0189】
【化68】
[この文献は図面を表示できません]
は、置換または無置換のC6〜C20のアリール基、置換または無置換の3〜20員のヘテロアリール基からなる群から選ばれる。ここで、前記の置換とは、アリール基における一つまたは複数の水素原子がハロゲン、ニトロ基、シアノ基、置換または無置換のアミノ基、ヒドロキシ基、無置換またはハロゲン置換のC1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、C6〜C10のアリール基、C6〜C10のアリール基-オキシ基、C2〜C10のエステル基(アルキル基-COO-)、C2〜C10のアシル基(アルキル基-CO-)、C2〜C10のアミド基(アルキル基-NHC(O)-、アリール基-NHC(O)-)、-COOH、ヒドロキシ基-C1〜C10のアルキレン基、MeS-、スルフリル基、、スルホンアミド基からなる群から選ばれる置換基で置換されることをいう。
【0190】
前記の置換とは、基における一つまたは複数の水素原子がハロゲン、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、C6〜C10のアリール基、C6〜C10のアリール基-オキシ基、C2〜C10のエステル基(アルキル基-COO-)、C2〜C10のアシル基(アルキル基-CO-)、C2〜C10のアミド基(アルキル基-NHC(O)-、アリール基-NHC(O)-)、-COOH、-CN、MeS-、スルフリル基、、スルホンアミド基からなる群から選ばれる置換基で置換されることをいう。
【0191】
銅触媒は、CuI、CuBr、CuCl、CuTc、Cu(OAc)
2、CuSO
4、Cu
2O、CuBr
2、CuCl
2、CuO、CuSCN、CuCN、Cu(acac)
2でもよく、好ましくはCu(acac)
2である。
【0192】
配位子は1に記載のいずれかで、好ましくはL-II-65、L-II-93である。
【0193】
塩基は、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、および/または当該塩基の水和物でもよく、好ましくは水酸化リチウムである。
【0194】
溶媒は、DMSO、DMF、DMA、NMP、アセトニトリル、t-ブタノール、イソプロパノール、THF、1,4-ジオキサン、b-ブタノール、および/または前記1種または複数の溶媒と水の混合物でもよく、好ましくはDMSO/H
2Oである。
【0195】
反応温度は50〜180℃、好ましくは100〜130℃である。
【0196】
既存技術と比べ、本発明の主な利点は以下のものを含む。
【0197】
1.効率的に銅触媒による塩化アリールのカップリング反応を行うことができる触媒系を提供し、前記の触媒系は通常の臭化アリールとヨウ化アリールのカップリング系で行いにくい塩化アリールのカップリング反応が順調に進行するようにさせることができ、かつ基質の兼用性が良く、触媒系の適用範囲が幅広い。
【0198】
2.既存技術における塩化アリールのカップリング反応の方法と比べ、本発明の方法はコストの低い銅触媒系を使用し、かつ配位子は構造が簡単で、製造しやすく、使用量が少なく、反応は経済性がある。
【0199】
3.本発明の触媒系に使用される原料である塩化アリールはほかのハロゲン化アリールと比べ、原料はコストが低く、資源が豊富で、優れた大規模応用の将来性がある。
【0200】
以下、具体的な実施例によって、さらに本発明を説明する。これらの実施例は本発明を説明するために用いられるものだけで、本発明の範囲の制限にはならないと理解されるものである。以下の実施例において、具体的な条件が記載されていない実験方法は、通常、通常の条件、あるいはメーカーの薦めの条件で行われた。特に断らない限り、%と部は、重量で計算される。
【0201】
実施例1、配位子の合成(L-I-27、L-
II-9、L-
II-31を例とする
方法i:
【化69】
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2,4,6-トリメトキシアニリン(30 mmol)およびトリエチルアミン(36 mmol)を、2,4,6-トリメトキシアニリンの濃度が0.2 mol/Lになるように、150 mLのテトラヒドロフランに溶解させた。氷浴で冷却し、撹拌し、さらにクロログリオキシル酸メチル(33 mmol)を滴下し、反応系が混濁し、トリエチルアミン塩酸塩が生成した。滴下終了後、氷浴を外し、自然に室温に戻し、撹拌を1〜2時間続け、TLCでモニタリングして2,4,6-トリメトキシアニリンが完全に消耗したら、撹拌を止めて後処理を行った。
【0202】
ろ紙で反応液を減圧で吸引ろ過し、トリエチルアミン塩酸塩を除き、ケーキをさらに少量のテトラヒドロフランで洗浄した(トリエチルアミン塩酸塩が溶解するため、酢酸エチルは洗浄に使用することができない)。ろ液を減圧で濃縮させた後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、溶離剤は石油エーテル:酢酸エチル=5:1で、7.48 gの淡黄色固体を得たが、収率は93%であった。
【0203】
シュウ酸モノアミドモノエチルエステルを製造する場合、クロログリオキシル酸メチルの代わりにクロログリオキシル酸エチルを使用した。
【0204】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.12 (s, 1H), 6.16 (s, 2H), 3.94 (s, 3H), 3.81 (s, 9H);
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ 161.49, 160.64, 156.07, 154.55, 105.72, 91.18, 56.10, 55.66, 53.73; HRMS (ESI) calcd. for C
12H
16NO
6 (M + H)
+: 270.0972, Found: 270.0973.
【0205】
方法ii:
【化70】
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【0206】
上記で得られた2,4,6-トリメトキシアニリンのクロログリオキシル酸メチル(10 mmol)を、基質濃度が1.0 mol/Lになるように、10 mLのTHFに溶解させた。さらに1.3 mLのベンジルアミン(12 mmol)を入れ、撹拌し、70〜80℃に加熱し、1時間後TLCでモニタリングし、原料がなくなったら、加熱を中止し、静置し、反応フラスコを室温に自然冷却し、さらに冷蔵庫に入れて冷凍したら、白色固体が析出した。固体が完全に析出した後、ろ紙で減圧で吸引ろ過し、赤外線オーブンで乾燥し、さらにオイルポンプで吸引乾燥し、2.94 gの白色固体を得たが、収率は86%であった。
【0207】
ほかのアミドを製造する場合、ベンジルアミンの代わりにほかのアミン(たとえばメチルアミン水溶液、ジエチルアミンなど)を使用した。
【0208】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 3.80 (s, 6H), 3.81 (s, 3H), 4.53 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 6.16 (s, 2H), 7.30-7.38 (m, 5H), 7.79 (br s, 1H), 8.51 (s, 1H);
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ 160.40, 159.95, 158.24, 156.03, 136.92, 128.80, 128.03, 127.83, 105.69, 90.96, 55.96, 55.53, 43.86; HRMS (ESI) calcd. for C
18H
21N
2O
5 (M + H)
+: 345.1445, Found: 345.1444.
【0209】
方法II:
【化71】
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【0210】
2-フェノキシアニリン(30 mmol)およびトリエチルアミン(31.5 mmol)を、2-フェノキシアニリンの濃度が0.3 mol/Lになるように、100 mLのテトラヒドロフランに溶解させた。氷浴で冷却し、撹拌し、さらに塩化オキサリル(15.8 mmol)を滴下し、反応系が混濁し、トリエチルアミン塩酸塩が生成した。滴下終了後、氷浴を外し、自然に室温に戻し、撹拌を2時間続け、TLCでモニタリングして2-フェノキシアニリンが完全に消耗したら、撹拌を止めて後処理を行った。
【0211】
強磁性棒で撹拌子を吸い出し、減圧でテトラヒドロフランを蒸発させ、残留物に50 mLの蒸留水を入れ、スクレーパーでフラスコ壁から固体を取り、全部蒸留水に浸漬させ、撹拌してスラリーにし、この時トリエチルアミン塩酸塩を全部水に溶解させ、ジアミド産物は溶解しなかった。ろ紙で減圧で吸引ろ過し、ケーキを少量の冷エチルエーテルで洗浄し、最後にケーキを擦り取り、赤外線オーブンで乾燥し、さらにオイルポンプで吸引乾燥し、5.45 gの白色固体を得たが、収率は86%であった。
【0212】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 9.96 (s, 2H), 8.46 (dd, J = 8.0, 1.7 Hz, 2H), 7.43 〜 7.30 (m, 4H), 7.22 〜 7.01 (m, 10H), 6.89 (dd, J = 8.0, 1.5 Hz, 2H);
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ 157.36, 156.06, 146.73, 129.97, 127.97, 125.40, 124.18, 123.75, 120.49, 119.02, 117.60; HRMS (ESI) calcd. for C
26H
21N
2O
4 (M + H)
+: 425.1496, Found: 425.1492.
【0213】
ほかの配位子(新規な化合物)の合成:
【表3-1】
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【表3-2】
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【表3-3】
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【表3-4】
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【表3-5】
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【表3-6】
[この文献は図面を表示できません]
【表3-7】
[この文献は図面を表示できません]
【表3-8】
[この文献は図面を表示できません]
【表3-9】
[この文献は図面を表示できません]
【表3-10】
[この文献は図面を表示できません]
【表3-11】
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【表3-12】
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【0214】
以下の配位子は方法IIで製造した。
【表4】
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【0215】
実施例2、p-メチルクロロベンゼンとベンジルアミンのカップリング反応によるN-p-メチルフェニルベンジルアミンの合成
【化72】
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【0216】
10 mLの密封管にヨウ化第一銅(0.05 mmol)、配位子(0.1 mmol)、リン酸カリウム(1.0 mmol)を入れ、真空に吸引してアルゴンガスで3回置換し、さらにp-メチルクロロベンゼン(0.5 mmol)、ベンジルアミン(0.75 mmol)および1 mLのDMSOを入れ、120℃で反応させて均一に24時間撹拌し、冷却後水および酢酸エチルを入れ、分液し、水相を酢酸エチルで2回抽出し、有機層を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮後カラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル = 50:1)にかけ、製品である89 mgのN-p-メチルフェニルベンジルアミンを得たが、収率は91%であった。
【0217】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.34-7.21 (m, 5H), 6.96 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 6.54 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 4.28 (s, 2H), 3.88 (br s, 1H), 2.22 (s, 3H);
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ 20.6, 48.8, 113.2, 126.9, 127.3, 127.7, 128.8, 130.0, 139.8, 146.1; HRMS (ESI) calcd. for C
14H
16N (M + H)
+: 198.1283, Found: 198.1287.
【0218】
実施例3、p-メチルクロロベンゼンとベンジルアミンのカップリング反応によるN-p-メチルフェニルベンジルアミンの合成
【0219】
本実施例の操作は実施例2と同様で、異なるシュウ酸アミド配位子を使用し、得られた結果を下記表に示した。
【表5】
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【0220】
実施例4、p-メチルクロロベンゼンとベンジルアミンのカップリング反応によるN-p-メチルフェニルベンジルアミンの合成
【化73】
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【0221】
本実施例の操作は実施例2と同様で、異なる銅塩触媒、塩基、溶媒および温度を使用し、得られた結果を下記表に示した。
【表6】
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【0222】
実施例5、p-メチルクロロベンゼンと様々な第一級アミン、第二級アミンのカップリング反応による相応するアニリン誘導体の合成
【化74】
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【0223】
10 mLの密封管にヨウ化第一銅(0.05 mmol)、配位子L-
II-38(0.05または0.1 mmol)、リン酸カリウム(1.0 mmol)を入れ、真空に吸引してアルゴンガスで3回置換し、さらにp-メチルクロロベンゼン(1.0 mmol)、アミン(1.5 mmol)および1 mLのDMSOを入れ、120℃で反応させて均一に24または48時間撹拌し、冷却後水および酢酸エチルを入れ、分液し、水相を酢酸エチルで2回抽出し、有機層を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮後カラムクロマトグラフィーにかけ、製品であるN-p-メチルフェニルアミンを得た。
【0224】
本実施例は、第一級、第二級脂肪族アミン、芳香族アミンを含む異なるアミンを使用し、反応条件はA、Bと2種類があり、反応活性の良いアミンに条件Aを、反応活性が比較的に弱いアミンに条件Bを使用し、得られた結果を下記表に示した。
【表7】
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【0225】
実施例6、塩化アリールとベンジルアミンのカップリング反応によるN-ベンジルアニリン誘導体の合成
【化75】
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【0226】
10 mLの密封管にヨウ化第一銅(0.05 mmol)、配位子L-
II-38(0.05 mmol)、リン酸カリウム(1.0 mmol)を入れ、真空に吸引してアルゴンガスで3回置換し、さらに塩化芳香族炭化水素(1.0 mmol)、ベンジルアミン(1.5 mmol)および1 mLのDMSOを入れ、120℃で反応させて均一に24時間撹拌し、冷却後水および酢酸エチルを入れ、分液し、水相を酢酸エチルで2回抽出し、有機層を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮後カラムクロマトグラフィーにかけ、製品であるN-ベンジル芳香族アミンを得た。
【0227】
本実施例は異なる塩化芳香族炭化水素を使用し、得られた結果を下記表に示した。
【表8】
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【0228】
実施例7、置換芳香族アミンの合成(異なる塩化アリールと異なるアミン)
【化76】
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【0229】
10 mLの密封管にヨウ化第一銅(0.05 mmol)、配位子L-
II-38(0.05 mmol)、リン酸カリウム(1.0 mmol)を入れ、真空に吸引してアルゴンガスで3回置換し、さらに塩化芳香族炭化水素(1.0 mmol)、アミン(1.5 mmol)および1 mLのDMSOを入れ、120℃で反応させて均一に24時間撹拌し、冷却後水および酢酸エチルを入れ、分液し、水相を酢酸エチルで2回抽出し、有機層を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮後カラムクロマトグラフィーにかけ、製品である置換芳香族アミンを得た。
【0230】
本実施例は異なる塩化芳香族炭化水素と異なるアミンを使用し、得られた結果を下記表に示した。
【表9】
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【0231】
実施例8、p-アミノベンジルアルコールの合成
【化77】
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【0232】
10 mLの密封管にp-クロロベンジルアルコール(0.5 mmol)、アンモニア源(0.75 mmol)、銅塩触媒(0.05 mmol)、配位子(0.05 mmol)、塩基(0.5 mmol)を入れ、真空に吸引してアルゴンガスで3回置換し、さらに0.5 mLの溶媒を入れ、110℃で反応させて均一に12時間撹拌し、冷却後シリカゲルおよび珪藻土のカートリッジでろ過し、ろ駅を濃縮した後カラムクロマトグラフィーにかけ、製品であるp-アミノベンジルアルコールを得た(淡黄色固体)。
【0233】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.11 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 6.62 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 4.49 (s, 2H), 3.22 (br s, 2H);
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ 145.9, 131.0, 128.7, 115.1, 65.1; LC-MS (ESI, m/z): 124.1 (M + H)
+.
【0234】
本実施例は異なるアンモニア源、銅塩触媒、配位子、塩基および溶媒を使用し、得られた結果を下記表に示した。
【表10-1】
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【表10-2】
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【表10-3】
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【0236】
10 mLの密封管にヨウ化第一銅(0.05 mmol)、配位子L-
II-71(0.05または0.1 mmol)、リン酸カリウム(1.1 mmol)を入れ、真空に吸引してアルゴンガスで3回置換し、さらに塩化芳香族炭化水素(1.0 mmol)、1 mLのDMSOおよびアンモニア水(2.0 mmol)を入れ、110℃または120℃で反応させて均一に24時間撹拌し、冷却後水および酢酸エチルを入れ、分液し、水相を酢酸エチルで2回抽出し、有機層を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮後カラムクロマトグラフィーにかけ、製品である芳香族アミンを得た。
【0237】
本実施例は、異なる塩化芳香族炭化水素を使用し、反応条件はC、Dと2種類があり、反応活性の良い塩化芳香族炭化水素に条件Cを、反応活性が比較的に弱い塩化芳香族炭化水素に条件Dを使用し、得られた結果を下記表に示した。
【化78】
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【0238】
【表11-1】
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【表11-2】
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【表11-3】
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【表11-4】
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【0239】
実施例10、4-メチルジフェニルエーテルの合成
【化79】
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【0240】
10 mLの密封管にフェノール(1.5 mmol)、ヨウ化第一銅(0.1 mmol)、配位子L-
II-31(0.1 mmol)、リン酸カリウム(1.5 mmol)を入れ、真空に吸引してアルゴンガスで3回置換し、さらにp-メチルクロロベンゼン(1.0 mmol)および1 mLのDMSOを入れ、120℃で反応させて均一に14時間撹拌し、冷却後酢酸エチルで密封管の内容物を洗浄し、かつシリカゲルおよび珪藻土のカートリッジでろ過し、ろ液を濃縮した後カラムクロマトグラフィーにかけ、製品である0.1105 gの4-メチルジフェニルエーテルを得たが、収率は60%であった。
【0241】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.40 〜 7.31 (m, 2H), 7.21 〜 7.15 (m, 2H), 7.14 〜 7.08 (m, 1H), 7.06 〜 7.01 (m, 2H), 7.00 〜 6.93 (m, 2H), 2.38 (s, 3H);
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ 158.02, 154.91, 133.06, 130.45, 129.83, 122.98, 119.32, 118.53, 20.89
【0242】
実施例11、4-メチルジフェニルエーテルの合成
【化80】
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【0243】
本実施例の操作は実施例2と同様で、異なる配位子、銅塩触媒、塩基、溶媒および温度を使用し、得られた結果を下記表に示した。
【0244】
【表12】
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【0245】
実施例12、p-メチルクロロベンゼンとフェノールの反応でジアリールエーテルを合成する反応
【化81】
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【0246】
10 mLの密封管にフェノール(1.2 mmol)、ヨウ化第一銅(0.05 mmol)、配位子L-II-34(0.1 mmol)、リン酸カリウム(2.0 mmol)を入れ、真空に吸引してアルゴンガスで3回置換し、さらにp-メチルクロロベンゼン(1.0 mmol)および1 mLのDMSOを入れ、120℃で反応させて均一に24時間撹拌し、冷却後酢酸エチルで密封管の内容物を洗浄し、かつシリカゲルおよび珪藻土のカートリッジでろ過し、ろ液を濃縮した後カラムクロマトグラフィーにかけ、産物であるジアリールエーテルを得た。得られた結果を下記表に示す。
【表13】
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【0247】
実施例13、塩化アリールとR
1OHのカップリング反応によるジアリールエーテルとアリールアルキルエーテルの合成
【化82】
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【0248】
10 mLの密封管に基質であるハロゲン化芳香族炭化水素(1.0 mmol)、フェノール(1.2 mmol)、ヨウ化第一銅(0.05 mmol)、配位子L-II-34(0.1 mmol)、リン酸カリウム(2.0 mmol)を入れ、真空に吸引してアルゴンガスで3回置換した後1 mLのDMSOを入れ、120℃で反応させて均一に30時間撹拌し、冷却後酢酸エチルで密封管の内容物を洗浄し、かつシリカゲルおよび珪藻土のカートリッジでろ過し、ろ液を濃縮した後カラムクロマトグラフィーにかけ、産物であるジアリールエーテルを得た。得られた結果を下記表に示す。
【0249】
【表14】
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【0250】
実施例14、4,4'-ジメチルジフェニルエーテルスルフィドの合成
【化83】
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【0251】
10 mLの密封管に4-メチルチオフェノール(1.5 mmol)、ヨウ化第一銅(0.1 mmol)、配位子L-
II-34(0.1 mmol)、リン酸カリウム(1.5 mmol)を入れ、真空に吸引してアルゴンガスで3回置換し、さらにp-メチルクロロベンゼン(1.0 mmol)および1 mLのDMSOを入れ、120℃で反応させて均一に14時間撹拌し、冷却後酢酸エチルで密封管の内容物を洗浄し、かつシリカゲルおよび珪藻土のカートリッジでろ過し、ろ液を濃縮した後カラムクロマトグラフィーにかけ、製品である36.4 mgの4,4’-ジメチルジフェニルスルフィドを得たが、収率は17%であった。
【0252】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 2.32 (s, 6H), 7.10 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 7.22〜7.25 (m, 4H);
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ21.2, 130.0, 131.2, 132.8, 137.0.
【0253】
実施例15、臭化/ヨウ化芳香族炭化水素とアミンの反応による芳香族アミンの合成
【化84】
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【0254】
10 mLの密封管に基質である臭化/ヨウ化芳香族炭化水素(1.0 mmol)、アミン(1.2 mmol)、ヨウ化第一銅(0.05 mmol)、配位子L-II-38(0.05 mmol)、リン酸カリウム(1.0 mmol)を入れ、真空に吸引してアルゴンガスで3回置換した後1 mLのDMSOを入れ、20〜70℃で反応させて均一に5〜10時間撹拌し、冷却後酢酸エチルで密封管の内容物を洗浄し、かつシリカゲルおよび珪藻土のカートリッジでろ過し、ろ液を濃縮した後カラムクロマトグラフィーにかけ、産物である芳香族アミンを得た。得られた結果を下記表に示す。
【0255】
【表15】
[この文献は図面を表示できません]
【0256】
実施例16、臭化芳香族炭化水素とフェノールの反応によるジアリールエーテルの合成
【化85】
[この文献は図面を表示できません]
【0257】
10 mLの密封管に基質であるハロゲン化芳香族炭化水素(1.0 mmol)、フェノール(1.2 mmol)、ヨウ化第一銅(0.05 mmol)、配位子L-II-37(0.05 mmol)、リン酸カリウム(2.0 mmol)を入れ、真空に吸引してアルゴンガスで3回置換した後1 mLのDMSOを入れ、80℃で反応させて均一に12時間撹拌し、冷却後酢酸エチルで密封管の内容物を洗浄し、かつシリカゲルおよび珪藻土のカートリッジでろ過し、ろ液を濃縮した後カラムクロマトグラフィーにかけ、産物であるジアリールエーテルを得た。得られた結果を下記表に示す。
【0258】
【表16】
[この文献は図面を表示できません]
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[この文献は図面を表示できません]
【0259】
実施例17、p-メトキシクロロベンゼンとピロールのカップリング反応によるN-p-メトキシフェニルピロールの合成
【化86】
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【0260】
10 mLの密封管にヨウ化第一銅(0.1 mmol)、配位子(0.1 mmol)、リン酸カリウム(2.0 mmol)を入れ、真空に吸引してアルゴンガスで3回置換し、さらにp-メトキシクロロベンゼン(1.0 mmol)、ピロール(1.3 mmol)および0.5 mLのDMSOを入れ、120℃で反応させて均一に24時間撹拌し、冷却後水および酢酸エチルを入れ、分液し、水相を酢酸エチルで2回抽出し、有機層を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮後カラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル = 50:1)にかけ、製品である88 mgのN-p-メトキシフェニルピロールを得たが、収率は51%であった。
【0261】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 7.29-7.33 (m, 2H), 6.98-7.01 (m, 2H),6.90-6.96 (m, 2H), 6.32 (t, J = 2.0 Hz, 2H), 3.83 (s, 3H). GC-MS (EI): m/z = 173 [M]
+.
【0262】
実施例18、p-メトキシクロロベンゼンとピロールのカップリング反応によるN-p-メトキシフェニルピロールの合成
【0263】
本実施例の操作は実施例1と同様で、異なるシュウ酸アミド配位子(補充)を使用し、実験結果を下記表に示した。
【0264】
【表17】
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【0265】
実施例19、N-アリール複素環の合成
10 mLの密封管にヨウ化第一銅(0.1 mmol)、配位子(0.1 mmol)、リン酸カリウム(2.0mmol)を入れ、真空に吸引してアルゴンガスで3回置換し、さらにp-メトキシクロロベンゼン(1.0 mmol)、アザアリール化合物(1.3 mmol)および0.5 mLのDMSOを入れ、120℃で反応させて均一に24時間撹拌し、冷却後水および酢酸エチルを入れ、分液し、水相を酢酸エチルで2回抽出し、有機層を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮後カラムクロマトグラフィーにかけ、N-アリール複素環化合物を得た。
【0266】
本実施例は異なるアザ芳香族環を使用し、得られた結果を下記表に示した。
【化87】
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【0267】
【表18】
[この文献は図面を表示できません]
【0268】
実施例20、p-メトキシクロロベンゼンとベンズアミドのカップリング反応によるN-p-メトキシフェニルベンズアミドの合成
【化88】
[この文献は図面を表示できません]
【0269】
10 mLの密封管にヨウ化第一銅(0.1 mmol)、配位子L-II-83(0.1 mmol)、リン酸カリウム(1.5mmol)を入れ、真空に吸引してアルゴンガスで3回置換し、さらにp-メトキシクロロベンゼン(1.0 mmol)、ベンズアミド(1.3 mmol)および0.5 mLのDMSOを入れ、120℃で反応させて均一に24時間撹拌し、冷却後水および酢酸エチルを入れ、分液し、水相を酢酸エチルで2回抽出し、有機層を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮後カラムクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル = 2:1)にかけ、製品である127 mgのN-p-メトキシフェニルベンズアミドを得たが、収率は56%であった。
【0270】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 7.85 (d, J=7.2 Hz, 3H), 7.55-7.51 (m, 3H), 7.46 (t, J=7.6 Hz, 2H), 6.90 (d, J=8.8 Hz, 2H), 3.81 (s, 3H). LC-MS (ESI, m/z): 228.1 (M + H)
+.
【0271】
実施例21、p-メトキシクロロベンゼンとベンズアミドのカップリング反応によるN-p-メトキシフェニルベンズアミドの合成
【0272】
本実施例の操作は実施例20と同様で、異なるシュウ酸ジアミド配位子を使用し、実験結果を下記表に示した。
【0273】
【表19】
[この文献は図面を表示できません]
【0274】
実施例22、p-メトキシクロロベンゼンとベンズアミドのカップリング反応によるN-p-メトキシフェニルベンズアミドの合成
【化89】
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【0275】
本実施例の操作は実施例20と同様で、異なる銅塩触媒、塩基、溶媒および温度を使用し、得られた結果を下記表に示した。
【0276】
【表20】
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【0277】
実施例23、N-アリールベンズアミドの合成
10 mLの密封管にヨウ化第一銅(0.1 mmol)、配位子(0.1 mmol)、リン酸カリウム(1.5mmol)を入れ、真空に吸引してアルゴンガスで3回置換し、さらにp-メトキシクロロベンゼン(1.0 mmol)、アミド(1.3 mmol)および0.5 mLのDMSOを入れ、120℃で反応させて均一に24時間撹拌し、冷却後水および酢酸エチルを入れ、分液し、水相を酢酸エチルで2回抽出し、有機層を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮後カラムクロマトグラフィーにかけ、N-アリールアミドを得た。
【0278】
本実施例は異なるクロロベンゼンとアミドを使用し、得られた結果を下記表に示した。
【化90】
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【0279】
【表21】
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【0280】
実施例24、p-クロロアニソールとアリールスルフィン酸ナトリウムのカップリング
【化91】
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【0281】
10 mLの密封管にメチルスルフィン酸ナトリウム(0.6 mmol)、ヨウ化第一銅(0.05 mmol)、配位子(0.1 mmol)、リン酸カリウム(1.5 mmol)を入れ、真空に吸引してアルゴンガスで3回置換し、さらにp-クロロアニソール(0.5 mmol)および1 mLのDMSOを入れ、120℃で反応させて均一に24時間撹拌し、冷却後酢酸エチルで密封管の内容物を洗浄し、かつシリカゲルおよび珪藻土のカートリッジでろ過し、ろ液を濃縮した後カラムクロマトグラフィーにかけ、製品を得た。
【0282】
4-メトキシメタンスルホニルベンゼン:
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 3.05 (s, 3H), 3.90 (s, 3H), 7.04 (dd, J = 7.5, 2.1 Hz, 2H), 7.88 (dd, J = 7.5, 2.1 Hz, 2H); EI-MS (m/z) 186 (M+)
【0283】
4-メトキシベンゼンスルホニルベンゼン:
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 3.84 (s, 3H), 6.96 (m, 2H), 7.51 (m, 3H), 7.90 (m, 4H); EI-MS (m/z) 248 (M+).
【0284】
異なる配位子を使用して得られた結果を下記表に示す。
【表22】
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【0285】
実施例25、銅触媒によるp-メトキシクロロベンゼンからのp-メトキシフェノールの合成
【化92】
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【0286】
10 mLの密封管に銅アセチルアセトナート(Cu(acac)
2)(0.025 mmol)、配位子L-II-93(0.025 mmol)、水酸化リチウム一水和物(1.05 mmol)を入れ、真空に吸引してアルゴンガスで3回置換し、アルゴン雰囲気で順にp-メトキシクロロベンゼン(0.5 mmol)、0.8 mLのDMSOおよび0.2 mlのH
2Oを入れ、130℃で反応させて均一に24時間撹拌し、冷却後2 mlの1 mol/L塩酸、水および酢酸エチルを入れ、分液し、水相を酢酸エチルで2回抽出し、有機層を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮後カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール = 60:1)にかけ、製品である46 mgのp-メトキシフェノールを得たが、収率は74%であった。
【0287】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.79-6.61 (m, 4H), 4.96 (br s, 1H), 3.69 (s, 3H);
13C NMR (100 MHz, CDCl
3) δ 55.9, 114.9, 116.1, 149.6, 153.7; ESI-MS: 125.1 (M+H)
+
【0288】
実施例26、銅触媒によるp-メトキシクロロベンゼンからのp-メトキシフェノールの合成
【0289】
本実施例の操作は実施例25と同様で、異なるシュウ酸ジアミド配位子を使用し、得られた結果を下記表に示した。
【0290】
【表23】
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【0291】
実施例27、銅触媒によるp-メトキシクロロベンゼンからのp-メトキシフェノールの合成
本実施例の操作は実施例25と同様で、配位子としてL-II-93を使用し、異なる銅塩触媒、塩基、溶媒を使用し、得られた結果を下記表に示した。
【0292】
【表24】
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【0293】
実施例28、銅触媒による塩化アリールからの置換フェノールの合成
【化93】
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【0294】
10 mLの密封管に銅アセチルアセトナート(Cu(acac)
2)(0.025 mmol)、配位子L-II-93(0.025 mmol)、水酸化リチウム一水和物(1.05 mmol)を入れ、真空に吸引してアルゴンガスで3回置換し、アルゴン雰囲気で順に塩化アリール(0.5 mmol)、0.8 mLのDMSOおよび0.2 mlのH
2Oを入れ、130℃で反応させて均一に24時間撹拌し、冷却後2 mlの1 mol/L塩酸、水および酢酸エチルを入れ、分液し、水相を酢酸エチルで2回抽出し、有機層を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮後カラムクロマトグラフィーにかけ、製品である置換フェノールを得た。
【0295】
【表25】
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【0296】
実施例28、銅触媒によるヨウ化/臭化アリールからの置換フェノールの合成
【化94】
[この文献は図面を表示できません]
【0297】
10 mLの密封管に銅アセチルアセトナート(Cu(acac)
2)(0.1 mmol)、配位子L-II-65(0.1 mmol)、水酸化リチウム一水和物(4.2 mmol)を入れ、真空に吸引してアルゴンガスで3回置換し、アルゴン雰囲気で順にp-メトキシヨードベンゼンまたはp-メトキシブロモベンゼン(2 mmol)、1.6 mLのDMSOおよび0.4 mlのH
2Oを入れ、80℃で反応させて均一に12時間撹拌し、冷却後6 mLの1 mol/L塩酸、水および酢酸エチルを入れ、分液し、水相を酢酸エチルで2回抽出し、有機層を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮後カラムクロマトグラフィーにかけ、製品であるp-メトキシフェノールを得た(ヨウ化物収率95%、臭化物収率93%)。
【0298】
実施例29、p-ブロモアニソールとベンジルアミンのカップリング反応
【化95】
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【0299】
10 mLの密封管に銅触媒(0.01 mmol)、配位子(0.01 mmol)、塩基(1.5 mmol)を入れ、真空に吸引してアルゴンガスで3回置換し、さらにp-ブロモアニソール(1.0 mmol)、ベンジルアミド(1.5 mmol)および1 mLの溶媒を入れ、80℃で反応させて均一に12時間撹拌し、冷却後水および酢酸エチルを入れ、分液し、水相を酢酸エチルで2回抽出し、有機層を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮後カラムクロマトグラフィーにかけ、製品であるN-p-メトキシフェニルベンジルアミドを得た。
【0300】
得られた結果を下記表に示す。
【表26】
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【0301】
実施例30、p-メトキシブロモベンゼンとほかのカップリング試薬のカップリング反応
【化96】
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【0302】
10 mLの密封管に銅触媒(0.1 mmol)、配位子(0.1 mmol)、リン酸カリウム(2.0 mmol)を入れ、真空に吸引してアルゴンガスで3回置換し、さらに臭化芳香族炭化水素(1.0 mmol)、1 mLのDMSOおよびカップリング試薬(2.0 mmol)を入れ、90℃で反応させて均一に24時間撹拌し、冷却後水および酢酸エチルを入れ、分液し、水相を酢酸エチルで2回抽出し、有機層を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮後カラムクロマトグラフィーにかけ、相応するカップリング産物を得た。実験結果は以下の通りである。
【0303】
【表27】
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【0304】
各文献がそれぞれ単独に引用されるように、本発明に係るすべての文献は本出願で参考として引用する。また、本発明の上記の内容を読み終わった後、この分野の技術者が本発明を各種の変動や修正をすることができるが、それらの等価の様態のものは本発明の請求の範囲に含まれることが理解されるはずである。