【文献】
TAO JUNLI,WRONG ROADWAY DETECTION FOR MULTI-LANE ROADS,INTERNATIONAL CONFERENCE ON COMPUTER ANALYSIS OF IMAGES AND PATTERNS 以下備考,SPRINGER INTERNATIONAL PUBLISHING,2013年 8月27日,VOL:8048 CHAP.7,,PAGE(S):50 - 58,LECTURE IN COMPUTER SCIENCE,URL,http://dx.doi.org/10.1007/978-3-642-40246-3_7
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【0003】
このような背景に基づいてここで説明するアプローチによって、独立請求項に記載の逆走ドライバを検出するための方法、さらに装置、システム、および最後に、適切なコンピュータプログラムが得られる。従属請求項に記載の措置により、独立請求項に記載の装置の好ましい構成および改良が可能である。
【0004】
例えば、クラウドに基づいた逆走ドライバ警告は、好ましくは、粒子フィルタを用いて特に用途に適合した検出を行うことよって実現することができる。
【0005】
逆走ドライバを検出する方法は、
インターフェイスを介して、車両の測定された位置を表す位置データを読み取るステップと、
車両が通行可能な道路網の多数の道路要素を示すマップデータを読み取るステップと、
位置データを使用して
、粒子フィルタに基づいて複数の粒子を決定するステップであって、1つの粒子が、車両の仮定された位置および仮定された位置に割り当てられた重みを表すステップと、
複数の粒子に基づいて、多数の道路要素から車両の通行に関して少なくとも1つのもっともらしい道路要素を決定するステップと、
を含む。
【0006】
車両は路上走行用車両であってもよい。逆走とは、車両が規定された走行方向とは反対に道路を走行することとして理解することができる。測定された位置は、車両内に配置されたセンサを使用して測定された位置であってもよい。複数の粒子は、既知の粒子フィルタを用いる方法を使用して決定することができる。この場合、粒子は仮定される様々な位置を示すことができ、これらの位置は、例えば測定された位置の周辺に配列されている。もっともらしい道路区画は、提供されているデータの評価後に車両が位置していると仮定される道路区画として理解することができる。測定された位置の代わりに車両の逆走を検出するためにもっともらしい道路区画を使用することができる。
【0007】
したがって、方法は、もっともらしい道路区画を使用して逆走信号を決定するステップを含んでいてもよい。この場合、逆走信号は、車両の逆走が生じているか、または生じていないかを示してもよい。例えば、逆走が仮定される場合にのみ逆走信号を供給することもできる。
【0008】
もっともらしい道路要素を決定するステップでは、多数の道路要素のうち、互いにわずかな間隔をおいて延在する道路要素を少なくとも1つのもっともらしい道路要素の決定から除外することができる。このようにして、経験的にエラーをもたらすこのような道路要素を除外することができる。
【0009】
もっともらしい道路要素を決定するステップでは、少なくとも1つのもっともらしい道路要素を決定する場合に多数の道路要素のうち、互いにわずかな間隔をおいて延在する道路要素をまとまった道路要素として使用することもできる。このようなまとまった道路要素を両方向に通行可能な道路要素として決定することができる。このようにして、互いにわずかな間隔をおいて延在する道路要素のうちのどの道路要素に車両が位置するのかを確実に決定することができない場合であっても、もっともらしい道路要素を決定することができる。さらに、まとまった道路要素には方向指定が割り当てられていないので、逆走信号の誤った供給を防止することができる。
【0010】
この場合、多数の道路要素から互いにわずかな間隔をおいて延在する道路要素を選択するステップを含んでいてもよい。この場合、別の道路の合流範囲に配置された道路要素を選択してもよい。このようにして、逆走ドライバ検出時に合流範囲を除外することができる。なぜなら、合流範囲では逆走ドライバの確実な検出が難しいからである。このような合流範囲は、例えば別の道路、例えば幹線道路などを起点として高速車専用道路、例えば高速道路の出口または進入路の最初の数メートルにわたって延在している。
【0011】
付加的または代替的に、互いに10メートル未満の間隔をおいて延在する道路要素を選択してもよい。このように間隔がわずかな場合にも、両方の道路要素のうちどちらの道路要素に車両が位置しているのかを確実に決定することは難しい。
【0012】
読み取るステップでは、クラウド・コンピューティング、いわゆる「クラウド」のインターフェイスを介して、位置データを読み取ることができる。これにより、クラウドに基づいた解決が可能である。
【0013】
対応する逆走ドライバ検出装置が、上記方法のステップを対応するユニットで実施するように構成されている。例えば、このような装置は、インターフェイスを介して位置データを読み取るように構成された読取り装置;車両が通行可能な道路網の多数の道路要素を示すマップデータを読み取るように構成された別の読取り装置;位置データを使用して複数の粒子を決定するように構成された決定装置;および粒子フィルタを使用して、複数の粒子に基づいて多数の道路要素から車両の走行に関して少なくとも1つのもっともらしい道路要素を決定するように構成された決定装置を含んでいてもよい。対応して、装置は粒子フィルタを含んでいてもよい。
【0014】
対応する逆走検出システムは、車両内に配置可能であるか、または配置されており、位置データを送信するように構成された少なくとも1つの送信装置、および少なくとも1つの送信装置によって送信された位置データを、例えば無線接続を介して受信するように構成された上記逆走ドライバ検出装置を含む。
【0015】
別の逆走ドライバ検出システムは、車両内に配置可能であるか、または配置されており、車両の測定された位置を表す位置データを送信するように構成された送信装置、および、車両内に配置可能であるか、または配置されており、ここで説明した逆走ドライバを検出するためのアプローチにしたがって、少なくとも1つの送信装置から送信された位置データを受信するように構成されている装置のデータを受信するように構成された少なくとも1つの受信装置を含む。
【0016】
上記方法は、例えばソフトウェアまたはハードウェア、またはソフトウェアとハードウェアとの混合形式で、例えば装置で実施してもよい。
【0017】
このために、装置は、信号またはデータを処理するための少なくとも1つの計算ユニット、信号またはデータを記憶するための少なくとも1つのメモリユニット、および/または通信プロトコルに埋め込まれたデータを読み取るかまたは出力するための少なくとも1つの通信インターフェイスを備えていてもよい。計算ユニットは、例えば信号プロセッサ、マイクロコントローラなどであってもよく、メモリユニットは、フラッシュメモリ、EPROM、または磁気メモリユニットであってもよい。通信インターフェイスは、無線および/または有線でデータを読み取るか、または出力するように構成されていてもよく、有線のデータを読み取るか、または出力することができる通信インターフェイスは、これらのデータを、例えば電気的または光学的にそれぞれのデータ伝送ラインから読み取るか、またはそれぞれのデータ伝送ラインに出力することができる。
【0018】
本明細書では、装置はセンサ信号を処理し、センサ信号の関数として制御信号および/またはデータ信号を出力する電気機器として理解することができる。この装置は、ハードウェアおよび/またはソフトウェアに関して構成されたインターフェイスを備えていてもよい。ハードウェアに関して構成されている場合、インターフェイスは、例えば、装置の種々異なる機能を含む、いわゆる「システムASIC」の一部であってもよい。しかしながら、インターフェイスは固有の集積回路であるか、または少なくとも部分的に個別の構成部材からなっていることも可能である。ソフトウェアに関して構成されている場合には、インターフェイスは、例えば、他のソフトウェアモジュールと共にマイクロコントローラに設けられているソフトウェアモジュールであってもよい。
【0019】
機械読取り可能な担体またはメモリ媒体、例えば半導体メモリ、ハードディスクメモリ、または光学メモリなどに保存されていてもよいプログラムコードを備えるコンピュータプログラム製品またはコンピュータプログラムも有利であり、プログラム製品またはプログラムがコンピュータまたは装置で実施された場合に上記いずれかの実施形態にしたがって方法ステップを実施、変更および/または制御するために使用される場合には特に有利である。
【0020】
ここで説明したアプローチの実施例を図面に示し以下に詳細に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に説明する本発明の好ましい実施例では、異なる図面に示した同様に作用する要素には同様または類似の符号を付し、これらの要素については繰返し説明しない。
【0023】
図1は、一実施例による逆走ドライバ検出システムを示す。このシステムは、伝送装置102を備える車両100を含み、伝送装置102は、車両100の内部に配置された少なくとも1つのセンサ装置104を使用して、検出された測定データ、ここでは例えば位置データ106、および随意に移動データ107を、逆走ドライバ検出装置110に無線式に送信するように構成されている。装置110は、測定データ106を処理済データの形に処理し、粒子フィルタを使用して処理済データをさらに加工し、逆走信号112を生成し、送信するように構成されている。一実施例によれば、逆走信号112は、測定データ106を加工した車両100が実際に逆走を行っていることを示す。この実施例によれば、この車両100の伝送装置102および別の車両100の伝送装置102はいずれも逆走信号112を受信し、逆走信号112の受信に応答して、それぞれの車両100,114の警告装置を起動するように構成されており、警告装置は、例えばそれぞれの車両100,114のドライバに逆走しないよう警告するか、または一実施例によれば、それぞれの車両100,114の、例えばブレーキ装置または操舵装置の少なくとも部分自動制御に介入する。様々な実施例にしたがって、伝送装置102は送信装置としてのみ構成されていてもよいし、または送受信装置として構成されていてもよい。
【0024】
一実施例によれば、測定データ106は、車両100の位置決定装置を使用して検出された、車両100の実際の位置を示す位置データを含む。別の一実施例によれば、さらに測定データは、例えば車両100の少なくとも1つの加速度センサを使用して検出された移動データ、および車両100の実際の移動に関する情報、例えば走行方向、縦方向加速度、横方向加速度、または車軸を中心とした車両の回転に関する情報を含む。
【0025】
一実施例によれば、装置110は、車両100が通行可能な道路網を示すマップデータ116を読み取るように構成されている。一実施例によれば、マップデータ116は、例えば道路網の道路区画に関する情報を含む。一実施例によれば、さらにマップデータ116は、それぞれの道路区画に関して、例えばそれぞれの道路区画のための走行方向規定やそれぞれの道路区画の延び方を定義する少なくとも1つのパラメータを含む。例えば、道路区画が真っ直ぐに延びているか、または曲線を描いているかについてのパラメータが定義されていてもよい。一実施形態によれば、装置110は、マップデータ116が記憶されているメモリ装置を備える。
【0026】
一実施例によれば、装置110または装置110の機能ブロックはクラウド118に配置されているか、またはクラウド118で実現されている。
【0027】
一実施例によれば、装置110は、もっともらしい道路要素を使用して逆走信号112を決定するように構成されている。もっともらしい道路要素は、マップデータに含まれる道路要素(道路区画とも呼ぶ)のうち、車両100が位置していると仮定される道路要素として理解することができる。この場合、装置110は粒子フィルタを使用して、もっともらしい道路要素を決定するように構成されている。粒子フィルタによって処理された粒子は、測定信号106を介して伝達された位置データおよび/または既に提供されている粒子を使用して装置110によって決定される。
【0028】
例えばビデオセンサ装置を使用して「進入禁止」標識の通過を検出する方法や、ナビゲーションと共にデジタルマップを使用して、一方向にしか通行可能ではない道路区分における逆走方向を検出する方法などの、逆走ドライバを検出する多様な方法に対して補足的または代替的に上記アプローチを使用することができる。さらに、例えば車道または車道縁部の交通標識などのインフラストラクチャを用いて逆走トライバを検出する無線式の方法を上記アプローチと組み合わせることもできる。
【0029】
上記アプローチは、逆走ドライバの検出の他に、逆走ドライバに対処する多くの可能性を提供する。ディスプレイまたは音響的な示唆によって逆走ドライバ自身に警告することがこのような可能性の一例である。例えば車両と車両との通信または移動通信によって、逆走ドライバの近隣の他のドライバに警告するためにこの方法を使用してもよい。さらに、道路縁部に設置された道路情報表示装置を介して他の交通利用者に警告を行うことも可能である。逆走している車両100のエンジン制御部またはブレーキに影響を及ぼすこともできる。
【0030】
上記アプローチにより、逆走ドライバを検出し、逆走ドライバの近傍の他の交通利用者に早期に警告を行うことが可能であるが、このためには極めて短い時間しか使用できない。
【0031】
上記アプローチは、クライアント‐サーバ型の解決策によって逆走ドライバ検出(Wrong-Way-Driver-Detection)を行う。自動車に取り付けられているか、もしくは自動車内に設けられ、インターネット接続を有し、少なくとも位置座標へのアクセスを有する機器がクライアントとみなされる。例えば、この場合には伝送装置102であってもよい。伝送装置102は、例えばスマートフォンであってもよい。伝送装置102にはセンサ装置104が組み込まれていてもよい。逆走ドライバ特有のサーバ‐クライアント通信が、例示的なクライアントであるスマートフォンとの間で行われる場合もある。スマートフォンは、ゲートウェイ(PDN_GW)を備える移動通信網によってインターネットに接続されていてもよく、ゲートウェイには、例えばサーバの形式の装置110が配置されていてもよい。
【0032】
クライアント‐サーバ型の解決策を用いて実施可能な逆走ドライバ警告の機能形式に基づいて、ここで説明するアプローチはこの技術のために以下の重要な課題に取り組む。
【0033】
a)フォールスポジティブの低減
走行形式が正しい場合のフォールスポジティブ、すなわち誤検知は、内部警告の場合および/または能動的な介入の場合にできるだけ防止するか、もしくは完全に防止する必要がある。警告概念に応じてASIL‐Aまでの基準を満たす必要がある。
【0034】
b)緊急を要する一連の作動の実施
逆走ドライバによって他の交通利用者に及ぼされる危険をできるだけ小さく抑えるためには、介入もしくは警告はできるだけ素早く行うことが望ましい。すなわち、危険な状況を検出してから逆走ドライバを検出し、介入もしくは警告に至るまでの全ての機能の流れをできるだけ短時間に実施することが望ましい。このような機能を包括的に使用する場合には、サーバ、例えば装置110の稼働率やこれに伴い要求される性能が極めて重要な役割を果たす。作動時間の他にコスト効率も重要な側面である。
【0035】
c)通信量、データ効率、および電流消費
特に携帯機器においては、許容できる電池寿命を達成するために通信量および電流消費をできるだけ効率良くする、すなわち少なくする必要がある。移動通信機器電池または他の無線通信ユニットの過負荷をデータ効率のよい通信によって抑制する必要もある。データ量、ひいてはデータ量に伴うコストもできるだけ制限されるべきである。計算能力の理由でサーバ側においても通信効率は最も重要な要素である。
【0036】
上記アプローチは、特に特定項目、特に(a)「フォールスポジティブの低減」および(b)「緊急を要する一連の作動の実施」に影響を及ぼすが、しかしながら、場合によっては、(c)「通信量、データ効率、および電流消費」にも影響を及ぼす。市販のスマートフォンおよびコネクティビティコントロールユニットのセンサ装置に基づいてクラウド118で逆走ドライバを検出することは、ささいな企てではない。
【0037】
図2は、一実施例による逆走ドライバを検出する方法のフロー図を示す。この方法は、例えば
図1に基づいて説明した逆走ドライバ検出装置の機構を使用して実施することができる。
【0038】
方法は、インターフェイスを介して位置データを読み取るステップ201を含む。位置データは、車両の測定された位置を示す。ステップ203では、車両が通行可能な道路網の多数の道路区画を示すマップデータが読み取られる。ステップ205では、位置データを使用して複数の粒子が決定される。この場合、それぞれの粒子は、車両のそれぞれ1つの仮定された位置および仮定された位置に割り当てられた重みを示す。この場合、仮定された位置は、一実施例によれば測定された位置の周囲に分布する。ステップ207では、複数の粒子に基づいて、多数の道路要素から車両の通行に関して少なくとも1つのもっともらしい道路要素が決定される。少なくともステップ207は粒子フィルタを使用して実施される。例えば、粒子の局所的な分布または粒子の重みに依存して1つの道路要素をもっともらしい道路要素として決定することができる。このために、例えば、道路要素に所定の数量の粒子が位置しているかどうか、または道路要素に所定の重みを備える粒子が位置しているかどうかを点検してもよい。
【0039】
ステップ207では、もっともらしい道路要素を決定する場合に、所定の基準を満たす道路要素を除外することができる。この場合、一実施例によれば、設定された参照間隔よりも互いに近くに位置する道路要素または高速車専用道路の合流範囲に位置する道路要素がこのような道路要素に該当する。合流範囲は、例えば高速車専用道路の進入路および出口が別の道路、例えば幹線道路に合流する範囲を示すこともある。合流範囲は、例えば、別の道路を起点として測定された所定の長さを備えていてもよい。付加的または代替的に、合流範囲は、進入路および出口が少なくともほぼ平行に延在するような長さに選択されていることもある。したがって、ステップ207は、別の道路に合流する2つの道路要素が少なくともほぼ互いに平行に延在するかどうかを点検するステップを含んでいてもよい。この場合、これらの道路要素はもっともらしい道路要素を決定する場合に除外することができる。
【0040】
別のステップでは、一実施例によれば逆走信号が供給される。例えば、車両の現在の走行方向がもっともらしい道路区画の走行方向規定と一致しない場合に逆走信号が供給される。
【0041】
逆走ドライバを検出するためには、逆走ドライバがどのルートを走行したかは重要ではない。必要な情報は、特に逆走ドライバが現在どこにいるのか、または逆走ドライバが道路を走行方向とは反対に走行しているかどうかである。このことを判定するためには、履歴が必要であるが、しかしながら、履歴は問題提起の一部ではなく、むしろ結果に至る過程である。
【0042】
このような状況に基づいて、粒子フィルタに基づいた方法を説明する。粒子フィルタは、カルマンフィルタと同様に、隠れマルコフ連鎖特性、すなわち状態が観察されていないマルコフ連鎖によって支配されたシステムで使用することができる。
【0043】
図3は、時点kおよびk−1における状態xおよび観察zを備える隠れマルコフ連鎖モデル320を示す。
【0044】
すなわち、システムの状態を直接に測定することはできないが、しかしながら他の観測に基づいて推定することができる。この場合には、位置、ひいては実際の道路を推定することが重要である。このためには次の方程式を解く必要がある。
【数1】
【0045】
次に時点kの状態をx
kによって表し、これよりも前の状態を
【数2】
によって要約する。xと同様に、この慣例は制御変数uおよび観測uについてもあてはまる。ηは以下では重要ではない正規化係数を表す。この方程式は以下の方程式に簡略化することができる。
【数3】
この方程式は2つのステップ、すなわち予測ステップ、
【数4】
および重み付け係数、
【数5】
で表わされる。
【0046】
粒子フィルタでは、積分は、数値近似による確率分布
【数6】
およびモンテカルロ法によって解かれる。この場合w
[j]は、第j粒子の重み/確率を表す。粒子の数量は
【数7】
によって表される。したがって、それぞれの粒子は重みw
[j]および状態x
[j]を有する。
【0047】
図4は、一実施例による粒子フィルタ処理のフロー図を示す。このために、
図4には時点kおよびk−1における状態xおよび観察zを備える隠れマルコフ連鎖モデルが示されている。
【0048】
作業の大部分は、問題を最適に表す
【数8】
および
【数9】
のための適切な関数を求めることである。このためには推定されるべき状態xを定義することが重要である。
【0049】
ブロック401は粒子フィルタ
【数10】
を表す。
【0050】
全ての値j=1:Jが通過されるまでブロック403からブロック405に進む。
【0051】
ブロック405において、新しい状態、
【数11】
が計算され、ブロック407において、重み、
【数12】
が計算される。
【0052】
ブロック403において全ての値が通過された場合には、ブロック409に進む。全ての値i=1:Jが通過されるまで、ブロック409からブロック411に進む。
【0053】
ブロック411では、
【数13】
にしたがって値が示される。
【0054】
ブロック413では、
【数14】
にしたがって粒子セットが加算される。
【0055】
ブロック409において全ての値が通過された場合には、終了X
kを示すブロック415に進む。
【0056】
図5は、一実施例による逆走ドライバ検出システムを示す。このシステムは、例えば
図1に基づいて説明した伝送装置の形式の機器102、およびこの実施例によればいわゆる「WDWサーバ」として構成されている逆走ドライバ検出装置110とを含む。装置110は、機器102からデータ106、例えば
図1に基づいて説明した測定データを受信し、データ106に基づいて警告112を準備し、例えば
図1で説明した逆走信号の形式で機器102に再び送信するように構成されている。
【0057】
装置は、前処理手段530、粒子フィルタ532、および警告モジュール534を備える。
【0058】
クラウドに基づいた逆走ドライバ警告の簡略化されたアーキテクチャには、
図5に示すように粒子フィルタ532が埋め込まれている。
【0059】
粒子フィルタ532によって、自動車の位置の確率分布を近似で決定することができる。
【0060】
図6は、車両100について、
図5に示したモデルに基づいて使用できる値を示す。値は、例えば縦軸線x、横軸線y、垂直軸線zの方向の状態、ならびに縦軸線を中心としたローリングp、横軸線を中心としたピッチングq、および垂直軸線を中心としたヨーイングrであってもよい。
【0061】
粒子フィルタを使用したマップの照合に関して、ベイジアンフィルタについて
【数15】
が成り立つ。この場合、
図3を参照して、x
kは、例えば地理的な長さ、幅、および高さなどの状態(測定されていない)を表し、u
k+1は、例えば速度および回転速度に関して自動車100がどのように移動するかを表し、Z
kは、観測できるもの、例えばGPS信号または車両100の周辺に関する信号(カメラなど)を表す。
【0062】
図7は、一実施例によるプログラムフロー図を示す。このフロー図はブロック701で始まる。ブロック530では、例えば
図5に基づいて説明したようにデータ前処理が行われる。ブロック703では、前の時点の状態があればこの状態が供給される。ブロック705では、粒子フィルタとのマップ照合が行われる。ブロック707では結果の解釈が行われる。ブロック709では逆走が生じているかどうかが点検される。逆走が生じている場合には、ブロック534において、例えば
図5に基づいて説明したように警告が発信される。逆走が生じていない場合には、プログラムフローはブロック711で終了する。
【0063】
図8は、一実施例による粒子フィルタのプログラムフロー図を示す。ブロック801は、粒子フィルタ処理の始まりを示す。ブロック803では、例えば
図1に基づいて説明したセンサ装置のセンサの不正確さを考慮して、粒子の移動が行われる。ブロック805では、マップに関するパラメータの検出が行われる。このようなパラメータは、例えば粒子が道路に位置しているかどうか、または道路がどのような名称であるかを示す。このブロック807では、新しい粒子の重みの計算が行われる。ブロック809では、いわゆる「再サンプリング」が行われ、重要ではない範囲および/または粒子の除去が行われる。ブロック811では、個々の粒子の解釈が行われ、ブロック813では、例えば少なくとも1つのもっともらしい道路区画として、可能性のある道路のフィードバックが行われる。
【0064】
粒子フィルタを使用することによって、以下に挙げる側面が改善される。まず、連続的に作動する(リアルタイムで可能な)方法が得られ、道路網における実際の位置がまず検出される。さらに道路網における実際の位置を確実に推定することが可能である。実際の推定に関する不確実性が検出可能である。これにより、潜在的な逆走に関する決定を有意義な程度に信頼性良く遅延することができる。
【0065】
図9は、一実施例による道路要素930,932,934の図を示す。道路要素930,932,934は、車両、例えば
図1に基づいて説明した車両が通行可能な道路網の一部であってもよい。両方の道路要素930は高速道路であり、左側に示した道路要素930は第1走行方向のための1つ以上の車線であり、右側に示した道路要素930は、対向する第2走行方向のための1つ以上の車線である。道路要素932,934は、道路要素930によって示される高速道路のための進入路および出口の区画を示す。両方の道路要素934は、所定の長さ938、例えば長さxメートルによって定義されている合流範囲936に位置する。この場合、所定の長さ938は、一般に互いに密接して位置する進入路の始端部または出口の週端部を起点として設定される。合流範囲936では、道路要素934が互いに密接して延在しており、どの道路要素934に車両が実際に位置しているのかを検出することは極めて困難である。したがって、もっともらしい道路要素を決定する場合に合流範囲936を除外することは有意義である。
【0066】
逆走ドライバを検出するためには、逆走ドライバがどのルートを走行したかは重要ではない。必要な情報は、特に逆走ドライバが現在どこにいるのか、または逆走ドライバが道路を走行方向とは反対に走行しているかどうかである。このことを判定するためには、履歴が必要であるが、しかしながら、履歴は問題提起の一部ではなく、むしろ結果に至る過程である。
【0067】
進入路、例えば幹線道路940との合流範囲936の始端部では、一般のセンサ装置(自動車、スマートフォンなど)によって逆走ドライバを信頼性良く検出することは不可能である。
【0068】
したがって、一実施例によれば、進入路の最初の数メートル938は除外される。このためには2つの異なるアプローチがある。
【0069】
図9は、高速道路進入路の最初のxメートル938が反対の走行方向から除外される第1アプローチを示す。
【0070】
図9に示すように、幹線道路940、国道などに隣接する高速道路930の、特に互いに密接に隣接する進入路および出口932,943は大きい問題を引き起こす。したがって、これらの範囲は車両が現在位置している可能性のある道路930,932,934の解集合から除外される。値x938は、定数を確定することによって、またはこの場合には少なくともほぼ平行な両方の道路要素934を分析することによって、および両方の道路要素が少なくともほぼ平行に延在する範囲936を除外することによって示すことができる。
【0071】
図10は、一実施例による道路要素930,932,934の図を示す。この場合、
図9に基づいて説明した道路要素930,932,934であってもよい。
【0072】
両方の道路要素934は、別の道路940を起点として少なくとも最初は少なくとも互いにほぼ平行に延在する。一般に、両方の道路要素934は、両方の道路要素934の短い方の長さに相当する長さ938、例えば長さxメートルにわたって互いに平行に延在する。長さ938は、この実施例によれば、まとまった道路要素1036を定義するために使用される。
【0073】
図10は、第2アプローチにより進入路の最初の数メートル936が除外される一実施例を示す。この第2アプローチによれば、高速道路進入路の最初のxメートル938がまとめられる。代替的には、
図10に示すように、個々の道路要素934の平行な範囲をまとめることによって同じ効果がもたらされる。進入路および出口を表す両方の道路要素934は、両方の走行方向に通行することができる道路要素1036によってまとめられる。
【0074】
実施例が、第1の特徴と第2の特徴との間に「および/または」の接続詞を含む場合には、この実施例は、ある実施形態では第1の特徴および第2の特徴の両方を備えており、別の実施形態では第1の特徴のみ、または第2の特徴のみを備えていると読み取られるべきである。