(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記確認通知を行った前記ユーザから、一定時間内に応答がない場合には、前記ユーザに対して前記施設の予約に関わるペナルティを課すペナルティ付与部をさらに具備する、請求項1から3のいずれか一項に記載の施設管理サーバ。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0013】
A.本実施形態
A−1.概要
図1は、本実施形態に係る施設管理システム1000の概略構成を示す図である。
施設管理システム1000は、各施設Fの利用状況を検知する状況検知装置100と、各施設Fの予約状況及び利用状況を管理する施設管理サーバ200と、各ユーザが所持するデバイス300とを備えて構成される。なお、本実施形態では、施設Fとしてスマートフォンなどの携帯端末や通信端末の計測、動作検証などに用いられるシールドルーム(SR)を想定するが、これに限る趣旨ではなく、様々な構造物や設備に適用可能である。
【0014】
各状況検知装置100と、施設管理サーバ200と、デバイス300とは、それぞれ通信ネットワークNを介して相互に接続されている。通信ネットワークNは、例えば、インターネット、LAN、専用線、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(Wireless Fidelity)、その他の通信回線、それらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。
【0015】
A−2.構成
[状況検知装置100]
図1に示すように、各施設Fには、当該施設の利用状況(すなわち、使用状態であるか、空き状態であるか)を検知する状況検知装置100が設けられている。
状況検知装置100は、例えば光センサ、A/Dコンバータ、通信インタフェースなどを備えて構成される。ここで、
図2は、施設Fの外観構成を例示した図である。施設Fの上部には、当該施設Fが使用中であるか否かを知らせるための使用ランプLPが設けられている。施設Fを使用するユーザ(使用者)は、施設Fに設けられたスイッチ(図示略)をオン/オフ操作することで、使用ランプLPを点灯(使用開始時)または消灯(使用終了時)する。状況検知装置100の光センサは、施設Fの使用ランプLPが点灯しているか、または消灯(非点灯)しているかを検知し、センサ信号を出力する。状況検知装置100は、光センサのセンサ信号に基づき、施設Fの利用状況をあらわす利用情報を生成し、施設管理サーバ200に送信する。なお、状況検知装置100は、利用情報を所定のタイミング(例えば1分毎など)で施設管理サーバ200に送信すればよい。
【0016】
[施設管理サーバ200]
施設管理サーバ200は、管理下にある各施設Fの予約状況及び利用状況を管理するための装置であり、例えばサーバコンピュータなどにより構成される。
【0017】
図3は、施設管理サーバ200の機能構成を示すブロック図である。
施設管理サーバ200は、制御部210と、データ取得部220と、記憶部230と、施設運用部240と、利用状況報知部250を備えている。
【0018】
制御部210は、CPU、ROM、RAMなどを主要構成部品とするMCU(Micro Control Unit)などを備えており、ROMやRAMに格納された各種プログラム等を実行することにより、施設管理サーバ200の各部を統括的に制御する。
【0019】
データ取得部220は、状況検知装置100から、各施設Fの利用情報を取得し、取得した利用情報を記憶部230や施設運用部240などに供給する。
【0020】
記憶部230は、例えばフラッシュメモリやハードディスクドライブなどにより構成され、予約情報データベース(DB)231、利用情報データベース(DB)232、ユーザ情報データベース(DB)233を備えている。
【0021】
予約情報DB231には、各施設Fの予約状況をあらわす予約情報が格納される。予約情報には、予約内容を特定する予約ID、対象施設(ここではシールドルーム)を特定する施設情報、予約したユーザを特定する予約者情報(例えば、所属先や連絡先など)、対象施設の予約日時をあらわす予約日時情報などが含まれる。施設の予約を希望するユーザは、デバイス300などを利用して施設管理サーバ200にアクセスし、所望の施設(例えば、
図1に示す施設A)の予約を行う。所望の施設の予約が行われると、予約内容を反映した予約情報が予約情報DB231に登録される。
【0022】
利用情報DB232には、各施設Fの利用状況をあらわす利用情報が格納される。利用情報には、各施設Fが使用状態(「使用中」)であるか、空き状態(「空き」)であるかが示されるとともに、対象施設(ここではシールドルーム)を特定する施設情報、対象施設の利用日時をあらわす利用日時情報などが含まれる。
【0023】
ユーザ情報DB233には、本システムを利用するユーザの個人情報(ユーザ基本情報)が格納される。ユーザ基本情報には、ユーザID、ユーザ氏名、性別、年齢、連絡先、住所、所属先などあらわす情報が含まれる。
【0024】
施設運用部240は、各施設Fの予約情報と利用情報とを用いて、各施設Fの効率的な運用を行う。なお、施設運用部240の具体的な動作等については、後に詳述することとし、説明を続ける。
【0025】
利用状況報知部250は、各施設Fの予約情報及び利用情報に基づいて、各施設Fの利用状況をあらわす利用状況マップを生成し、表示パネル(図示略)に表示する。さらに利用状況報知部250は、各施設Fの予約情報及び利用情報に基づいて、各施設Fの利用率(稼働率)を自動で統計し、稼働率リストを作成して表示パネル(図示略)に表示する。
【0026】
図4は、利用状況マップMP1を例示した図であり、
図5は、稼働率リストL1を例示した図である。
利用状況マップMP1には、現在時刻や各施設Fの予約者(または使用者)とともに、各施設Fが使用状態(「使用中」)であるか、空き状態(「空き」)であるかが示されている。各ユーザは、施設の予約等に先立ち、利用状況マップMP1を参照することで、各施設の利用状況を迅速かつ正確に把握等することができる。
【0027】
一方、稼働率リストL1には、各施設における日別または月別の稼働率が示されている。各施設Fを管理する管理者等は、稼働率リストL1を参照することで、時期ごとの各施設Fの稼働率を正確に把握等することができるとともに、各ユーザに対する施設の割り当てを最適化することができる。
【0028】
[デバイス300]
図1に戻り、デバイス300は、ユーザが所持等する端末であり、例えばスマートフォンや、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)、タブレット端末、パーソナルコンピュータ(PC)、ノートPCなどである。デバイス300には、施設Fの予約や予約のキャンセル、キャンセル待ち登録など、施設Fの予約に関わる様々な入力を可能とするアプリケーション(以下、施設予約アプリという。)APが格納されている。ユーザは、施設予約アプリAPを利用することで、施設Fの予約等を行う。
【0029】
以下、施設管理サーバ200による施設の運用動作について、
図6を参照しながら詳細に説明する。
【0030】
A−3.動作
[施設運用処理]
図6は、施設運用処理を示すフローチャートである。施設運用処理は、施設管理サーバ200の施設運用部240によって実行される。
施設運用部240は、データ取得部220によって取得される施設Fの利用情報に基づき、利用状況を判定する(ステップS1)。施設運用部240は、利用情報に基づき、当該施設Fが使用状態(使用ランプ;点灯)であると判断すると、予約情報DB231に格納されている当該施設Fの予約情報を参照し、予約状況を判定する(ステップS2)。
【0031】
施設運用部240は、当該施設Fが予約されている場合には(ステップS2;予約あり)、正常な利用であると判断し、ステップS1に戻る。
一方、施設運用部240は、当該施設Fが予約されていない場合には(ステップS2;予約なし)、無断で利用されていると判断する。施設運用部240は、管理者に対して施設Fは無断で利用されている旨の報告を行い(ステップS3)、処理を終了する。管理者は、かかる報告を受け取ると、当該施設Fを無断で利用しているユーザに対し、利用の停止等を指示する。
【0032】
一方、施設運用部240は、利用情報に基づき、当該施設Fが空き状態(使用ランプ;非点灯)であると判断すると、予約情報DB231に格納されている当該施設Fの予約情報を参照し、予約状況を判定する(ステップS4)。
【0033】
施設運用部240は、当該施設Fが予約されていない場合には(ステップS4;予約なし)、当該施設Fが空き状態であることは正常であると判断し、ステップS1に戻る。
一方、施設運用部240は、当該施設Fが予約されている場合には(ステップS4;予約あり)、当該施設Fの予約者に連絡する必要があるか否かを判断するために、連続未使用時間の判定を行う(ステップS5)。施設運用部240は、例えば予約情報に示される予約日時情報と、タイマ(図示略)に示される現在時刻とを比較することで、当該施設Fの連続未使用時間を把握する。施設運用部240は、連続未使用時間が所定時間未満である場合には(ステップS5;1時間未満)、予約者への連絡は不要であると判断し、ステップS1に戻る。なお、本実施例では、所定時間を1時間に設定しているが、かかる時間は任意に設定・変更可能である。
【0034】
一方、施設運用部(第1通知部、判断部)240は、連続未使用時間が所定時間以上である場合には(ステップS5;1時間以上)、予約者への連絡が必要であると判断し、施設Fの利用に関する確認通知を行う(ステップS6)。一例として、予約の確認メッセージ(「予約された施設Fが使用されていないようです。対応について管理者に連絡してください。・・・」など)を予約者のデバイス300に送信する方法が挙げられるが、いかなる方法を採用するかは任意である。
【0035】
<予約者対応(使用連絡受領)>
その後、施設運用部240は、予約者の対応を判断する(ステップS7)。施設運用部240は、予約者から、当該施設Fを使用する旨(または使用中である旨)の連絡を受け取ると、問題なしと判断してステップS1に戻る。
【0036】
<予約者対応(応答なし)>
一方、ステップS7において、施設運用部(ペナルティ付与部)240は、予約者から、一定時間(例えば30分)内に応答がないと、無断で予約をキャンセルしたと判断し、所定のペナルティポイント(例えば、3ポイント)を予約者に付与する(ステップS8)。予約者に付与されたペナルティポイントは、ユーザ情報DB233等に登録される。
【0037】
図7は、ペナルティポイントとペナルティ内容とを対応づけたペナルティリストL2を例示した図である。
【0038】
図7に示すペナルティリストL2では、ペナルティポイントが5ポイント以上になると、厳重注意のメッセージが予約者に通知され(第1ペナルティ)、ペナルティポイントが10〜15ポイントになると、予約のキャンセル待ちができない状態となり(第2ペナルティ)、ペナルティポイントが15〜20ポイントになると、施設Fの予約が一切できない状態となり、かつ、上長に報告される(第3ペナルティ)。なお、本実施形態では、ペナルティポイントの有効期限を1ヶ月に設定するが、有効期限の設定等は任意である。また、ペナルティリストL2の内容も、システム設計等に応じて任意に設定・変更可能である。
【0039】
ステップS9に進むと、施設運用部240は、予約者に累積されたペナルティポイントを確認する。施設運用部240は、当該予約者に累積されたペナルティポイントが5ポイント未満である場合には、当該予約者にペナルティを課すことなく、ステップS1に戻る。
【0040】
一方、施設運用部240は、当該予約者に累積されたペナルティポイントが5ポイント以上である場合には、ペナルティリストL2を参照し、累積されたペナルティポイントに対応するペナルティ(例えば、第2ペナルティ)を当該予約者に課し、処理を終了する。
【0041】
<予約者対応(キャンセル連絡受領)>
一方、ステップS7において、施設運用部(第2通知部)240は、予約者から、当該施設Fの予約をキャンセルする旨の連絡を受け取ると、予約情報DB231に格納されている予約情報を参照し、当該施設Fについてキャンセル待ちをしているユーザの予約リストの先頭を確認する(ステップS11)。なお、本実施形態では、キャンセル待ちのユーザが予約リストに複数登録されている場合には、先頭に登録されたユーザから優先的に予約できるようになっている。
【0042】
施設運用部(第2通知部)240は、予約リストの先頭に登録されているユーザ(予約候補者)を特定すると、ユーザ情報DB233を参照し、当該予約候補者のペナルティポイントを判定する(ステップS12)。施設運用部240は、予約候補者のペナルティポイントが10ポイント未満であると判断した場合には、予約候補者に対し、予約キャンセル待ちをしていた施設Fについて、予約ができた旨の通知(予約完了通知)を行い(ステップS13)、処理を終了する。
【0043】
一方、施設運用部240は、予約候補者のペナルティポイントが10ポイント以上であると判断した場合には、当該予約候補者を予約リストの最後尾へと移動した後(ステップS14)、ステップS11に戻り、予約リストの先頭に登録されているユーザ(予約候補者)の特定を行う。なお、この後の動作については、すでに上述したため説明を割愛する。
【0044】
以上説明したように、本実施形態によれば、予約された施設に関し、予約時間を過ぎても当該施設の利用が認められない場合には、予約者に確認通知を行う。これにより、従来に比べて施設を効率的に管理することが可能となる。
【0045】
なお、確認通知を行った予約者から、一定時間以上応答がない場合には、当該予約者に施設の予約に関わるペナルティが課されるため、施設の予約を無断でキャンセルするといった行為を抑止することが可能となる。
【0046】
B.変形例
本発明は、上述した本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。例えば、上述した各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、または並列に実行することができる。
【0047】
また、本明細書において、「部」とは、単に物理的構成を意味するものではなく、その「部」が実行する処理をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」が実行する処理を2つ以上の物理的構成や装置により実現されても、2つ以上の「部」が実行する処理を1つの物理的手段や装置により実現されてもよい。
【0048】
また、上述した本実施形態では、施設の利用状況を検知するためのセンサとして、光センサを例示したが、これに限る趣旨ではない。例えば、温度センサや赤外線カメラなどを利用してもよい。
【0049】
本明細書において説明した施設運用処理を実施するプログラムは、記録媒体に記憶させてもよい。この記録媒体を用いれば、施設管理サーバ200のコンピュータに、上記プログラムをインストールすることができる。ここで、上記プログラムを記憶した記録媒体は、非一過性の記録媒体であっても良い。非一過性の記録媒体は特に限定されないが、例えば、CD−ROM等の記録媒体であっても良い。
【解決手段】施設管理サーバ200の施設運用部240は、予約された施設に関し、予約時間を過ぎても当該施設の利用が認められない場合には、予約者に確認通知を行う(ステップS6)。施設運用部240は、確認通知を行った予約者から、一定時間以上応答がない場合には、当該予約者に施設の予約に関わるペナルティを課す(ステップS7→ステップS8→ステップS9→ステップS10)。一方、施設運用部240は、予約者から、予約をキャンセルする旨の連絡を受け取ると、当該施設Fについてキャンセル待ちをしているユーザの予約リストの先頭を確認し(ステップS11)、予約者候補を特定する。